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サントリーシステムテクノロジー株式会社
1. 活用推進者
2. 会社概要
管理部 人事チーム人材育成担当松本 道典
社 名 所 在 地 設 立 代 表 者 資 本 金 社 員 数
:サントリーシステムテクノロジー株式会社:大阪府大阪市北区堂島2-1-5 サントリーアネックスビル7F:1990年(平成2年)3月29日:代表取締役社長 村林 泰之:2,000万円:187名(2017年1月現在)
3. iCD取組み効果
経営戦略の達成とイノベーションを呼ぶ会社組織の構築
自己実現と組織貢献による満足度向上
強いチーム作りと組織ミッションの達成
自社タスク定義AsIs&ToBe
経営
組織リーダ
社員(個人)
:成果のあった項目(実線)
:今後成果を予定している項目(点線)
組織一体感の醸成
活動テーマ設計力のアップ
キャリアパスの設定
中期計画の実現
人事制度との連携
メンバーの育成力のアップ
ミッション実現への現場力強化
スキル習得度のアップ
組織機能の向上
業務の目標設計力のアップ
顧客満足度の向上
タスク遂行力のアップ
4. iCD取組みの効果及び今後予定する効果内容
4.1. 効果のあった項目 効果内容
経営層からの(中期)計画方針を反映することにより、経営の求めるタスクとスキルが明確化(可視化)され、社員との間で目標達成に向けての一体感が醸成できた。
新しいビジネスモデルへの対応(例:M&A)、既存業務の確実な運用など、各個別組織も要件を踏まえた体制設計において、スキルデータを利用し、組織の最適配置が実現できた。
タスクや役割、個人のスキルレベル(経験や知識など)の客観的データと連動した配置、業務の改善活動が起因して、お客様へのサービス向上(顧客満足度の向上)ができた。
担当するチームと部下の両面からタスク力を把握することができることで、案件の特性を踏まえたチーム編成、個人の業務アサインができるようになった。
短期的な担当案件ではなく、各人の希望を踏まえたうえでの長期的な役割や育成方針を決めることができる。また、人事面談でも偏りのない、具体的な話こみができる。
PMO機能として体制チェックを組み込むことにより、会社方針をブレイクダウンした活動実現のために補完すべきタスクを、部門間連携の体制も含めて明確化できるようになった。結果として、人材育成の施策を早期に講じられるなど、協業先も含めた組織全体の体制が強化できた。
組織横断的なキャリアパスの明示により、将来に向けてのキャリアプラン設定が可能になり、それに向けての課題認識と意識が向上した。
担当する案件に求められる業務要件からタスクとレベルを具体化するので、どのような役割を果たすのか、そのためには何が必要なのか(足りないか)が明確になった。面談時の議論が充実した。
マネージャが『ラインマネージメント/コアコンピタンシ』、メンバーが『コアコンピタンシ』に登録することで、全社員がIT以外の成長課題も自己認識できるようになった。これにより、現業優先だけではなく、自主研修配分時間ルール(通称5%ルール)活用の意識も高まり、明確なスキルアップ目標を設定した研修に割く時間が増えた。 また、コーチャーが新入社員に対する一年後の指導成果を自己評価する仕組みも構築できた。
組織一体感の醸成
活動テーマ設計力のアップ
キャリアパス目標の設定
組織機能の向上
顧客満足度の向上
メンバーの育成力のアップ
業務目標設計力のアップ
スキル習得度のアップ/
タスク遂行力のアップ
ミッション実現への現場力強化
4.2. 効果を予定している項目 予定している効果内容
中期計画の具体的人材育成の検討でiCDデータを利用する構想をスタートできた。今後は、短期的判断に偏らないTo Beタスクを確実に実現し、組織と人の成長のPDCAを継続していく(効果は来年に期待)。
中期計画の実現/人事制度との連携
5. iCD活用に対する現場からの評価の声
中期計画実現のための体制整備や人材育成には時間がかかるが、並行して短期的な事案にも成果を出すことが求められる。iCDは、これ
ら中期・短期の両面から組織と社員(人)で合意しつつ、計画的に、より具体的に、より納得性ある育成・成長計画を策定し、PDCAサイクルを回していくための重要な経営資産だと考えている。
すでに、『組織変更B&A』『ラインマネージメント/コアコンピタンシ』という、実態を
客観的に見える化できる情報を活用し、具体的な議論に基づく対策が講じられるようになった。
今後必要なスキルパス・キャリアパスを明確にできるので、育成計画が立てやすくなった。大きな理由は、将来の方向性を明確にして伝えやすくなったことに加え、個々の社員も自らの弱点を把握できるので、双方のすりあわせがスムーズになったことにある。
一方、技術スキル(特に技術的な要素技術スキル)に関しては、より客観的な評価をするためにも、評価する側のスキルレベルが問われる。
また、『組織変更B&A』により、これまでのように、単に新たなテーマを伝えるだけではなく、将来のキャリパスに向けて新部署でどういう仕事をしていくかを議論できるようになった。
キャリアフレームワークは、自分の進むべき道を定義してくれているので、目標が非常に設定しやすく、良いフレームワークだと思う。一方で、それぞれのスキルを主観ではなく、いかに客観性あるレベルで評価するかが次の課題ではないか。
例えば、毎年の目標設定時には、昨年の実績に基づきスキル管理のレベルを更新し、不足するスキル習得を目標とした研修計画を策定するが、現状では、自分だけで決めることができる。今後は、マネージャーとの面談でさらに話し込むことで設定する、自己評価と、会社側の評価を総合して決定することで、より意味のある個人のスキル目標になると思う。
経営者
現場マネージャ
社員
6. iCD取組みの効果
■効果項目:組織の一体感の醸成
スキル標準(ITSS)は2010年から運用を実施しており、当初は主に社員のスキル管理及び、育成に活用していた。
2013年には、事業変化(外販事業会社からサントリーグループ機能会社)に対応した組織や人への対策が急務となったが、スキル管理体系のタスクを活用することで、サントリーシステム部門、自社、パートナー会社の役割分担を整理し、移行計画を作成することができた。その経過において、社員にも「活用」の意義や有効性が理解された。
単年度の活動計画、中期活動計画の策定では、いずれも詳細計画に落とし込むことになるが、キャリアフレームワークの人材像ベースに議論していく動きが出てきた(年初面談時に、マネジメント層には徹底)。これにより、社員のスキル向上と活動計画は連動して成果が出るという認識(納得性)が高まり、経営と社員の一体感が向上している。経営、ラインマネージャ、個人、人事との連携した活用の動きも加速している。
<経営層にフィードバックする資料(一部抜粋)>
【人材像毎の全社戦力強弱を把握】 【重要タスク毎の充足度を把握】
また、「タスク」、「人材像(役割)」、 「キャリアパス」などが社内の共通言語として使用されるようになりつつあることも、効果につながった一要因と考えている。キャリアパスは、学生採用活動においても、人材育成活動の情報として効果を出している。
<マネージャと社員との面談で使用する資料(一部抜粋)>
【SSTキャリアパス】 【社員毎の現状と目標を把握】 【強化すべき具体的なタスクを確認】
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全社的な業務、関連部門が複数に渡る複雑な業務、高い確実性を求められる業務を主体となって推進するレベル。
実績に裏打ちされた独自の専門スキルを活かし、担当業務をリードするレベル。発見された業務上の課題解決を最適な解決策をもってリードするレベル。
専門スキルを活かし、担当業務を主要スタッフとして独自でするレベル。独力で業務上の課題を発見し、自らのスキルを活かして解決をするレベル。
限定的、部分的なタスクを独力で遂行するレベル。上位レベルの指導下で、業務上の課題発見と解決をするレベル。
基本的な業務については一部を上位レベル者のサポートを受けながら実施できるレベル。
上位レベル者のサポートを受けながら限定された役割を遂行するレベル。
7 1610 30
5 8
Ⅰ 10
25 20
3 6 4
Ⅱ 20
50 10 8 7
5 4
Ⅲ 20 40
30 8 6 5
3 2
Ⅳ 6 15 6 15
10 5 4 8 3
1
Ⅴ 4 10 4 10
2 2 5
Webアシスタントデ
ィレクター
ビジネスアナリスト
デー
タサイエンテ
ィスト
デー
タ解析エンジニア
Ⅵ 2 5 2
ITサー
ビスマネー
ジ
ャ
サー
ビスエンジニア
インフラエンジニア
コアテクノロジー
エンジニア
Webプロデ
ュー
サー
Webデ
ィレクター
ビジネスプランナー
プロジ
ェクトマネー
ジ
ャ
ITアー
キテクト
アプリケー
シ
ョンデザイナー
アプリケー
シ
ョンエンジニア
6. iCD取組みの効果
■効果項目:組織機能の向上全社員の役割別レベル分布を可視化し、現在の戦力を把握することにより、適正人数の算出や業務遂行要件とメンバーのスキルマッチによる最適配置など、個別組織の要件に応じて体制を整備できる環境が整った。
体制整備では、大規模案件の開発プロジェクトや確実な運用サービスを保証するチーム、新たな強化サービスを提供する組織など、個々の組織単位でタスクと人材要件を整理した組織設計が必要になる。この設計プロセスにスキルデータを活用することで、立ち上げのスピードアップ、外部も含めて最適な組織機能を実現する体制整備などが可能になり、各活動成果につながっている。
例えば、自社として強化するべき新たなサービス(例:データサイエンスサービス)を提供する組織の立上げにおいては、担うべき役割、目標とする人材像、連携するべき他部署機能などを整理する設計プロセスを入れたことで、初期体制にもかかわらず、タスクを認識した業務が遂行できている。また、既存のフレームワーク等をベースにタスクモデルを組み立てることができるので、大変効率的であり正確性が高い。
個人と組織の観点で、タスク(タスク遂行力)を具体的な数値として把握できるようになり、スキルの組織パワーバランスを検討した上での人事異動も可能になった。従来の人事異動は、個人の経験年数や要員の増減などを勘案して決める事が多かった。
【
組織パワーバランス変化のBefore/After
】 【
新キャリアフレームワーク】
6. iCD取組みの効果
■効果項目:メンバーの育成力のアップ
メンバーとの年二回の面談時に、各人がどのようなキャリアパスの希望を持ち、どういうタスク(スキル)に課題があり、何を伸ばしたいのかといった実態情報を踏まえた議論が可能になり、具体的な役割や育成方針を決めることができるようになった。従来は、短期的な現案件の状況確認や、次の案件へのアサインを中心とした面談が多く、各人がどのようなキャリアパスの希望を持っているかといった話は十分にできていなかった。
【全社活動と連動した人材育成年間プロセス】 【マネージャの役割】
<面談前に実施すること>
⇒
【強化すべきタスクと自組織力の把握】 【育成候補者の選定】
<面談の実施>
⇒
【全社平均と自己能力の乖離を考慮した上で、目標を決定】