41
1 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 20163 9FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/WirelessHART利用 日本フィールドコムグループ 小川修一

初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

  • Upload
    ledang

  • View
    248

  • Download
    3

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

1 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

初心者のためのHART/WirelessHART利用

日本フィールドコムグループ 小川修一

Page 2: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

2 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

内容

HART®通信概要 WirelessHART ®通信概要 HART通信の活用

Page 3: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

3 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HART通信概要

Page 4: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

4 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HART通信プロトコルの歴史 1986年 ローズマント社がHARTプロトコルを開発 1993年 HART 通信協会 (HCF) に権利の譲渡 2007年 HART Rev.7 として工業用計器向けワイヤレス規格リリース 2010年 IEC62591として国際規格化 2015年 Fieldbus Foundation と統合しFieldCommグループへ

HART (Highway Addressable Remote Transducer) 通信とは、DC4 – 20 mA アナログ信号に、デジタル信号を重畳し、多数の信号 (情報) を伝送する方式。現在では、計装業界のオープンな共有財産となり、300超のメーカ、ユーザが加盟して活動しています。市場には約4,000万台のHART機器が導入されています。

Page 5: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

5 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HART通信概要 HARTプロトコルは、スマート機器と制御システムまたは監視システムの間の

DC4-20mAのアナログ信号線上にデジタル情報を送受信するための標準規格

HART通信が利用される主な用途 機器の設定または再設定 機器の持つ複数の計測変数の読み取り 機器の診断 機器のトラブルシューティング 機器の健全性およびステータスの確認

長所と短所 FOUNDATION Fieldbusなどのフルデジタルと異なり、既設の設備を利用できる 通信速度が遅い

Page 6: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

6 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HART通信の仕組み ベル202 周波数変調 (FSK) 方式を活用し、ベースのアナログ信号 (24 V 程度) に低いレベル (500 mV 程度) のデジタル信号を重畳 周波数を変えるので、位相の進み方は変化するが、位相は連続なため、ベース信号への影響はない。 通常のアナログ信号は、0 – 10 Hz 程度の低周波数信号だが、周波数変調 (FSK) 方式により、1,200 – 2,200 Hz 程度の高周波数信号に変換するため、ベース信号への干渉もない。

Page 7: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

7 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HARTの通信モード リクエストとレスポンス ホスト側がフィールド機器に対しリクエストを送信し、受信したフィールド機器が

内容を応答する 規格では、リクエストはコマンド化され、ユニバーサルコマンド、コモンプラック

ティスコマンド、ユーザースペシフィックコマンドに分類されている 標準的なデーター更新周期は、2~3回/秒 同一のループに、プライマリと、セカンダリの2つのホストが存在可能

プライマリーマスタ PAMシステム DCSなど

セカンダリマスタ ハンドヘルド PCなど

Page 8: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

8 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HARTの通信モード バーストモード ホストが、フィールド機器に対し連続送信の停止を要求するまで、連続してデ

ータを送信する データー更新周期は3~4回/秒 バーストモードは任意の機能なので、機能をサポートしていないフィールドデバ

イスもある

プライマリーマスタ PAMシステム DCSなど

Page 9: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

9 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HARTの通信モード マルチドロップ 同一の配線上に複数のフィールド機器を接続するモード 最大15台(HART5)、62台(HART7)の機器が接続できる 電流は4mAに固定され、変数はすべてデジタルで送受信される データー更新周期が遅くなるので、主に監視目的で利用される 任意の機能なので、機能をサポートしていないフィールドデバイスも多い

プライマリーマスタ PAMシステム DCSなど

1 2 3 4 アドレス設定 ⇒

アドレス0は、1対1モードで使用

Page 10: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

10 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

ネットワーク 接続台数

ケーブルの静電容量

65pf/m 95pf/m 160pf/m 225pf/m

1 2769m 2000m 1292m 985m

5 2462m 1815m 1138m 892m

10 2154m 1600m 1015m 769m

15 1846m 1415m 892m 708m

HART信号の伝送距離

HART信号の理論上の限界は3000m ケーブルの静電容量はケーブル太さ0.75□の時 1台を超えるネットワーク台数は、マルチドロップ時の場合 ケーブルが太くなれば、静電容量は増加します。 概算:ケーブルの断面積が4倍になると静電容量は2倍

Page 11: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

11 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HARTの仕様と機能の比較 HART主要機能 7 6 5

アナログループチェック

タグ 8文字

機器の校正

機器の設定

ブロードキャストメッセージ(バーストモード)

マルチバリアブル (4変数)

ステータス付PV

機器のステータス

ロングタグ 32文字

デバイスの位置

デジタルループチェック

HARTソフトウエアロック

マルチバリアブルステータス

ワイヤレス

拡張製造者ID

拡張されたマルチバリアブル通信

タイムスタンプ

トレンド

サンプリングの同期

拡張されたブロードキャストメッセージ

HART Revision 5 HARTプロトコルの初めての公式レビジョン

1990

HART Revision 6 デジタルシステムインテグレーションの改良

2001

HART Revision 7 ワイヤレス通信への最適化および有線通信との統合

2007

Page 12: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

12 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HART6/7の主な仕様解説 • ロングタグ 32文字

• ユーザーから最も多くの要望のあったソフトウエアタグ長を8文字から32文字へ拡張した。プロジェ

クトの規模が大きくなるにつれ、デバイスを特定するための表記も長くなり、対応が必要となった。ロングタグへの対応は、図面上のデバイスIDと実際のシステムとの照合が容易となり、コミッショニングプロセスの自動化やスタートアップやリソースの節約に貢献する。

• デバイスの位置 • デバイスに「0-0-0-0」表示を点滅する。この機能は、フィールドとコントロールルームで各自が同じ

デバイスを見ていることを確認するための機能。

• デジタルループチェック • アナログおよびデジタル出力の設定。 HART Revision5では、ユーザが特定の値にアナログ出力を

設定し、期待どおりにループ電流が動作しているかどうかを確認するアナログループチェック機能がある。この機能に加え、HART出力値が正しく出力されているか確認できる。

• HARTソフトウェアロック • 設定変更の防止機能。不正者によるデバイスの設定変更を防止するためのセキュリティ機能。

• マルチバリアブルステータス • すべての変数の出力品質の情報を提供。この機能で、主変数以外の変数についても測定品質を

ステータスで確認できる。

Page 13: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

13 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HART6/7の主な仕様解説 • ワイヤレス

• WirelessHARTは、フィールドデバイスの無線通信のための標準規格。HART Revision7で無線機能が追加されている。

• 拡張製造者ID • HART機器のベンダーの拡大に伴い、これまでのベンダーIDでは、対応できなかった問題を解決。ただし、システム

が古いシステムのままだとトラブルの原因となる。

• 拡張マルチバリアブル • デバイスの出力変数を4変数から8変数に拡張。

• タイムスタンプ • デバイスには時計を内蔵。ワイヤレスデバイスでの測定間隔を設定。24時間単純カウンタ

• トレンド • デバイスは、12点までの測定値を記録できる。デバイスのトレンドのトラッキングは、ワイヤレスデバイスの監視アプ

リケーションで有益な機能。有線デバイスでは、この機能は、手動で各データ点を記録する必要がある。

• セキュリティ • 設定変更の防止機能。不正者によるデバイスの設定変更を防止するためのセキュリティ機能。

• サンプリングの同期 • 複数の機器を特定の時間に同期するワイヤレスデバイスの機能。有線HARTでは使用できない。

• 強化されたブロードキャストメッセージ機能 • 有線HART Revision7デバイスでは、バーストメッセージに変数のステータスが追加された。

Page 14: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

14 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HART通信コマンド HART 通信のコマンド定義

ユニバーサル・コマンド:必須

すべての機器で実行される機能

コモンプラクティス・コマンド:推奨

すべての機器ではないが、多くの機器に共通の機能をカバーする

デバイススペシフィック・コマンド

機器特有の機能で、機器メーカー特有な機能を提供

Page 15: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

15 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

ユニバーサルコマンド コモンプラクティスコマンド デバイススペシフィックコマンド

製造者と機器タイプの読込み 選択した4変数の読込み 低流量カットオフの読取と書込み

主変数(PV値)と単位の読込み 時定数の書込み 積算の開始、停止、クリア

電流値とレンジの%の読み込み デバイスレンジ値の書込み 密度校正係数の読取と書込み

定義済みの4変数の読込み 校正(ゼロ・スパン設定) PVの選択(質量、流量、密度)

8文字のTag、16文字記述子、日付の読込みと書込み

固定した電流出力の設定 材質、構成情報の読込みと書込み

32文字メッセージの読込みと書込み セルフテスト実行 センサの校正

デバイスのレンジ値と単位、時定数の読込み

リセットの実行 PID有効

最終組立番号の読取と書込み PVゼロ調整 PIDセットポイント書込み

PV単位書込み バルブ特性評価

DA変換のゼロとゲインの調整 バルブ設定ポイント

伝達関数の書込み(平方根、リニア) トラベルリミット

センサのシリアルナンバの書込み ユーザー単位

動的変数の割り当ての、読込みと書込み ローカル表示情報

HART通信コマンド

Page 16: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

16 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HART通信コマンド ユニバーサルコマンド Cmd 内容 意味

0 Read Unique Identifier マニファクチャID、機器のタイプ、コマンドレビジョン、機器のレビジョンなど

1 Read Primary Variable PV単位、PV値の読込み

2 Read P.V. current and percent of range PV電流値、PVパーセントレンジの読込み

3 Read dynamic variables and P.V. current PV電流値、PV単位、PV値、SV値、SV単位….QV単位の読込み

4-5 Reserved 予約

6 Write polling address ポーリングアドレスの書込み (マルチドロップに未対応時は0を応答)

7 Read loop configuration ポーリングアドレスとループ電流の読込み

8 Read dynamic variable configuration PV,SV,TV,QV値の読込み

9 Read device variables with status 最大8個までの変数および単位の読込み

11 Read unique identifier associated with tag Cmd0と同等だがロングタグに対応した値を読込み

12 Read message デバイスのメッセージデータを読込み

13 Read tag, descriptor and date ロングタグ、ディスクリプタ、日付の読込み

14 Read P.V. sensor information シリアルナンバ、センサの単位、センサ上限値/下限値、最少スパンの読込み

15 Read P.V. output information アラーム選択コード、PVレンジ単位、20mAの値、4mAの値などの読込み

16 Read final assembly number 最終アッセンブリの読込み

17 Write message メッセージの書込み

18 Write tag, descriptor and Date タグ、ディスクリプタの書込み

Page 17: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

17 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HART通信コマンド ユニバーサルコマンド Cmd 内容 意味

19 Write final assembly number 最終アッセンブリ番号の書込み

20 Read Primary Variable ロングタグの読込み

21 Read P.V. current and percent of range 電流値と%値の読込み ロングフレームアドレスまたはブロードバンドアドレス時に使用

22 Write long tag ロングタグの書込み 32Byte

38 Reset configuration changed flag コンフィグチェンジフラグのリセット

48 Read additional device status 機器の自己診断情報を返信

Page 18: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

18 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

WirelessHART通信概要

Page 19: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

19 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

WirelessHART 主な特徴 従来の有線に加え無線の HART 規格が2007年9月7日に HART 7 標準仕

様として発行 有線HARTとの互換性 99.9% 超のデータ信頼性 自己組織・修復型メッシュネットワーク IEEE802.15.4 準拠

• データ伝送:250kbps • 周波数帯2.4GHz ISMバンド

高い信頼性、セキュリティ 無指向性アンテナ 通信距離(※)

• 標準アンテナ ~250m • エクステンドアンテナ ~800m

Page 20: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

20 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

日本の電波の使用状況

出展:総務省

Page 21: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

21 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

日本の電波の使用状況 補足説明 番号 周波数帯(MHz) 主 な 用 途 等

1 1215-1300 陸域観測衛星等で利用

2 1216-1217, 1252-1253 データ伝送装置等の免許を要しない無線局(特定小電力無線局)

3 1240-1300, 2330-2370 放送事業者のTV番組素材中継

4 1240-1260 特定ラジオマイク

1274-1289 画像伝送用

5 1525-1559, 1626.5-1660.5 インマルサット衛星等による移動体衛星通信サービス

6 1668.4-1700 気象衛星のデータ伝送、気象ラジオゾンデ

7 1980-2010, 2010-2025, 2170-2200

IMTの地上系に特定された周波数帯

8 1980-2010, 2170-2200 IMTの衛星系に特定された周波数帯

9 2025-2110, 2200-2300 衛星及びロケットの追跡管制

10 2400-2497 無線LAN等 2400-2483.5MHz 小電力データ通信システム、移動体識別 2471-2497MHz 小電力データ通信システム

11 2505-2535, 2660-2690 移動体衛星通信サービス

12 2545-2645 2545-2575MHz及び2595-2645MHzは全国展開する移動通信で使用 2582-2592MHzは各地域における移動通信又は固定的な通信で使用

Page 22: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

22 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

アプリケーションとベネフィット 配線コスト削減

移動体、回転体などもともと配線出来ない場所

飛び地(道路などを挟んだ)での計測ポイント

広範囲にわたるプラント

作業安全の向上 高所作業の削減⇒遠隔操作 危険場所作業の削減⇒遠隔操作 現場指示計の計測値収集から、無

線による自動化へ

管理コスト削減 フィールド機器の遠隔操作 診断情報を遠隔から収集、解析

設置コストの低減

移動体・回転体

Page 23: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

23 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

アプリケーションとベネフィット プロセスの最適化

コストの問題で難しかった計測ポイントの追加も容易

簡単で自由度の高い、設置・撤去で一時的な計測ポイントの追加も可能

既存設備の改善 既存の4-20mA信号は、そのままにHART

信号で、機器の多変数の伝送や、自己診断ステータスを収集してアセット管理 ⇒プラントアセットマネジメントの導入

バックアップ通信 災害の際のバックアップ通信としての機

能 ⇒地震・火災などによる電源喪失・ ケーブル破損の際の早期復旧

簡単で自由度の高い設置

重要度の低いプロセス

簡単なセンサの追加

監視と最適化

既存設備の改造

Control

4-20 mA only

Page 24: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

24 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

WirelessHART 機器カテゴリ

ゲートウェイ(無線局) ネットワーク管理 セキュリティ管理 WirelessHART機器の相互

運用 上位システムとのインテグ

レーション(Wired)

一体型ワイヤレス機器 線のないHART機器 バッテリ搭載 診断機能 低電力/長寿命

ワイヤレスアダプタ 有線HART機器と接続 バッテリ搭載タイプ、有線4-

20mAからの給電タイプ バッテリから有線機器へも

給電可能 診断機能 HART5および7をサポート

Page 25: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

25 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

WirelessHART 適用アプリケーション

WirelessHARTは、主に監視に適した通信規格です。

Page 26: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

26 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

ネットワーク構成 WirelessHART規格概要 スター型

応答性が早い反面、限られた範囲のネットワーク 構築しかできない。

メッシュ型 ワイヤレスHARTの代表的な使用例。 広範囲にわたるネットワークの構築、データ 伝送経路の冗長で、強固なシステムを作る ことが可能。

マルチホップ型 Point-to-pointかつ、長距離伝送のネットワーク に有利。ただし、ゲートウェイ(基地局)からの 直接接続ポイントが少ないと、データ伝送が不安定に なる可能性がある。

Page 27: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

27 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

高い接続信頼性を確保

超低消費電力

チャンネルホッピング: 1度通信できなくても 周波数を変えて通信する

自己修復ネットワーク: 周波数を変えてもNGの場合、経路を変えて通信する

高い信頼性

Mote (子機)

ゲートウェイ (Manager)

通信障害・切断

-メッシュルーティング/チャンネルホッピング/自己修復/暗号化

Page 28: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

28 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

WLANは、高いスループットネットワークです。 したがって、幅広い帯域を占有します。

WirelessHARTは高いスループットでありません。周波数は「ランダム」で多様です(FHSS)。

高い信頼性

WirelessHARTが使用する2.4~2.483GHz帯を15のチャンネルに分けて、通信スロット毎にチャンネルをホッピングさせる技術。他無線規格との耐干渉性に優れており、またデータの保護に効果がある。

-チャンネルホッピング

Page 29: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

29 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

自己修復機能

− 減衰経路を常時監視

− 使用経路に問題が生じた場合、最適な経路を予備経路の中から選択、自己修復

− 障害物を回避する経路の検索

←環境-プラント内部には輻輳する配管・復水器などの主要設備

環境変化-工事足場など→

高い信頼性

トラックやクレーンなどによる障害物

-自己修復

無線の環境変化は管理できません!

環境変化に対応する技術として、自己修復機能は重要

Page 30: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

30 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

高い信頼性

• データはすべて暗号化して使用… • アルゴリズム AES128 (NISTの公認) を使用 … • CCM* 認証用モード

たとえば

109 台のPCが 109 個の暗号キーをクラック

すると仮定するとAESの128ビットキーの解

読にはおよそ10兆8000億年が必要

-暗号化

AES128 = Advanced Encryption Standard として規格化された共通鍵暗号方式。 CCM* = メッセージをパッケージング化して、改ざんや偽装から保護するモード

Page 31: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

31 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

計測ポイント

基地局

リピーター

~250m 100m 30m

経路に障害物がなく見通しがきく

経路に多少の障害物がある

配管などが入り組んでいて障害物が多い

中継器は、故障や経路上に障害が発生しても、他のルートで通信できるように複数の経路が構成できるように配置します。

障害物は建屋のように固定物だけではありません。経路上に駐車したトラックなど、一時的にせよ通信を阻害します。

500m

600m

エンジニアリング

Page 32: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

32 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

エンジニアリング フレネルゾーン

無線通信において重要な要素である「Clear View of Sight(見通し・障害物無)」は、フレネルゾーンを考慮する必要がある

アンテナ間の伝送距離で規定されるフレネルゾーン(第1フレネルゾーン)内に、建造物などの障害物が無いことが、無線のベストパフォーマンスにつながる

250mの伝送距離であれば、フレネルゾーンは大体地上から2.8m~3mの一帯が該当

2.8~3m

250m

𝐫 =𝝀 ⋅ 𝑫 ⋅ 𝒅𝑫 + 𝒅

𝑫 𝒅

𝐫

Page 33: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

33 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

主なエンジニアリングの流れ 計測ポイントとワイヤレス機器・アダプタ・リピータの設置場所確認

分離設置、一体型設置の選択 計測パラメータ、更新周期

基地局設置場所の確認 基地局のアンテナの種類

エンジニアリング上の留意点 フレネルゾーンの考慮 電波伝搬角度の考慮 通信キャパシティの確認 他無線規格との干渉の回避 電池寿命予測

他のシステムとの接続 監視・制御、記録、通信

Page 34: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

34 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

その他の注意事項- 「減衰」 2.4GHzでのデータ伝送減衰の代表的な例

障害物 2.4 GHzでの減衰

通常の(薄い)壁 2 – 5 dB

木製の壁 5 dB

ブロックの壁 6 -12 dB

コンクリートの壁 10 – 20 dB

コンクリートの天井 20 dB

金属塀/壁 伝送はほぼ不可

ローラー型シャッター 8 dB

空気 影響なし

雨、霧、雪 0.001 – 0.02dB/km

Page 35: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

35 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HART通信の活用

Page 36: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

36 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HART通信の活用 HART通信が利用される主な用途

機器の設定または再設定 機器の持つ複数の計測変数の読み取り 機器の診断 機器のトラブルシューティング 機器の健全性およびステータスの確認

Page 37: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

37 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HART通信の活用 機器のインテリジェンス機能の活用

フィールド機器のインテリジェント化の進歩で、機器の自己診断情報をプラントの安全な運転に積極的に活用

TBMからCBM(状態基準保全)へ パーシャルストロークテストなどによる機器の健全性の確認

多変数の取得 質量流量計など、質量流量、密度、温度など複数の変数を利用

HART通信は、DC4-20mAの既存設備で使えるので、特に日本では注目さ

れている。

Page 38: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

38 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

マルチバリアブルの活用 レベル計

静電容量による界面レベル

電子回路内温度 機器のループ電圧

基準面から測定物までの距離

反射波の強度

基準面から界面までの距離

上層部の厚み ボトムから界面までの距離

プローブ終端信号強度

界面の反射強度

EOPシフト

反射波のS/N比 界面のS/N比

反射波の信号ノイズ

プロセス値

設置・計装環境

計測環境

Page 39: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

39 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HPご紹介 http://jp.hartcomm.org/

Page 40: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

40 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

HART製品の検索

Page 41: 初心者のためのHART/WirelessHART利用 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016 早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016 初心者のためのHART/Wireless

41 フィールドコミュニケーション ユーザセミナ2016

早稲田大学 2016年3 月9日 FieldComm Group © 2016

ご質問はございませんか?