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ニュートリノ振動の現象論
~初心者のための入門から最近の話題まで~
首都大学東京・理工学研究科・物理学専攻
素粒子理論サブグループ
安田修
2011年6月21日@中央大学
1. 序 & ν
振動 2. 将来のν振動実験
3. T2Kの最近の実験結果 4. まとめ
Contents
標準模型 三世代のクォーク・レプトン
ニュートリノの質量は標準模型では0
1. 序
可能なニュートリノの質量項
ディラック質量項
マヨラナ質量項
→無ニュートリノ二重ベータ崩壊(レプトン数非保 存過程)が発見されればマヨラナ型であること が言える
現時点ではニュートリノの質量がディラック型かマヨラナ型かは不明
→ニュートリノ振動実験からどちらかは言えない
m=1GeVの時にm2/Mがニュートリノの 質量mν
だと仮定すると、mν
= m2/M ≦
0.05 eV
→
M>1010GeV
1978~79年
シーソー機構
M m2/M
ニュートリノの小さな質量は高エネルギーに おける物理の兆候か?
ミンコフスキー
ニュートリノの小さな質量 ←ニュートリノが注目される訳
クォークとWボゾンの間の弱い相互作用は 異なる世代間
(u:第一世代、s:第二世代)
にも存在することが知られている
クォークの混合 約1 : 0.2の比
W-
d
u
ストレンジネス保存
W-
s
u
ストレンジネス非保存フレーバーの混合
この事実を説明するために、dクォー クの定義を変更することが提唱され た:
θは通常カビーボ角と呼ばれている が、アイデアはゲルマンーレヴィ
(1960年)によって与えられていた
sinθscosθdd' +=定数
レヴィ
1960年
ゲルマンーレヴィ
1962年
カビーボ
W-
d’
u
sinθ=0.22, cosθ=0.97
クォークの固有状態の導出
荷電カレン ト相互作用
質量項 の対角 化
λ3 = diag(1,-1,0)
λ8 ∝diag(1,1,-2)
u, d, s, c, b, t : 質量固有状 態→すべて電荷を持っている ので実験的に観測可能
d’, s’, b’
: フレーバー固有状態→(u,d’), (c,s’), (t,b’)の対で反応が起こる
W-
t
b’
クォークの特徴
クォークとは質量固有状態(u, d, s, c, b, t )のことを意味する
3世代クォークの混合 CKM行列と呼 ばれる
⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛
++++++
=⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛
bVsVdV
bVsVdV
bVsVdV
b'
s'
d'
tbtstd
cbcscd
ubusud
⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛
⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛=
b
s
d
VVV
VVV
VVV
tbtstd
cbcscd
ubusud
W-
c
s’W-
u
d’
行列の対角化
一般の複素行列
複素対称行列
B. Zumino, J. Math. Phys. 3 (1962) 1055
M=SDT† S, T:ユニタリー行列, D:対角行列(半正定値固有値)
M=SDST S:ユニタリー行列, D:対角行列
レプトンの固有状態の導出
(νの質量は認めたとする)
荷電カレン ト相互作用
質量項 の対角 化
ニュートリノに質量と混合がある場合には、一つの種類のニュー トリノから別な種類のニュートリノに変換する可能性が以前から 知られていた(ニュ-トリノ振動と呼ばれる現象):
1957年
ポンテコルボ
1962年
牧ー中川ー坂田 νe
⇔νμ
νν⇔
ニュートリノの質量と混合
⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛=
τ3τ2τ1
μ3μ2μ1
e3e2e1
MNS
UUU
UUU
UUU
U⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛=
⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛
3
2
1
MNS
τ
μ
e
ν
ν
ν
U
ν
ν
ν
Neutrino’98(飛騨高山) の会議でRamondの提
唱によりMNSと呼ばれ
るようになったが、
PMNS, MNSPと呼ぶ研
究者もおり、収束してい
ない
W+e
νe
e, μ, τ, ν1, ν2, ν3
: 質量固有状態
e, μ, τ :電荷を持っているので実験的に観測可能
ν1, ν2, ν3
:電荷が0(質量もほとんど0)で、弱い相互作用しか しないので実験的に観測不可能
νe, νμ
, ντ
: フレーバー固有状態
→(e, νe), (μ, νμ
), (τ, ντ
)の対で反応が起こる
レプトンの特徴
ニュートリノはフレーバー固有状態(νe, νμ
, ντ
)が生成する荷電レプトン e, μ, τを通してのみ観測可能
→ニュートリノとはフレーバー固有状態(νe, νμ
, ντ
)のことを意味する
W+μ
νμ
W+τ
ντ
観測可能なクォーク・レプトン クォーク・レプトンの質量固有状態
⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛=
⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛
3
2
1
MNS
τ
μ
e
ν
ν
ν
U
ν
ν
ν
⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛=
⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛
b
s
d
V
b'
s'
d'
CKM
ここまでのまとめ
フレーバー固有状態
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛=⎟⎟
⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛
2
1μ
ν
ν
ν
νU
τ
⎟⎠⎞
⎜⎝⎛=→
2
ΔELsin2sin )P( 22 θνν τμ
(1) 真空中の2世代の場合
⎪⎩
⎪⎨
⎧
=
=
(x)νE(x)νdx
di
(x)νE(x)νdx
di
222
111 2j
m2pjE +≡r
MNS 行列
2E
Δm
2E
mEΔE
222
2 =−
≅−=21
1
mE
フレーバー固有状態
質量固有状態
(共通の
)に対 するディラック 方程式の1成分
pr
ニュートリノ振動
真空中の混合角
・ニュートリノに質量と混合角がある場合にはフレーバー変換が起こる
・フレーバーの変換確率は基線の長さLについて振動的
(E/GeV)
)(L/km)/eV(Δm
4E
LΔm1
4E
LΔm
2222
1.27== ch
(E/MeV)
)(L/m)/eV(Δm
22
1.27=
fmGeV0.197 •=ch 自然単位系
~14E
LΔm
2
ν振動を観測するには
252 eV108Δm −×≅
232 eV102.5Δm −×≅
E=4MeV(原子炉ν), L~60km
E=0.6GeV(加速器ν), L~300km
E=4MeV(原子炉ν), L~2km
であることが必要
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛
⎥⎥⎦
⎤
⎢⎢⎣
⎡⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛=⎟⎟
⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛ +μ
e1-
2
1
μ
e
ν
ν
00
0AU
E0
0EU
ν
ν
dx
di
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛=→
2
LEΔsin2sin )P( 22
~~θνν μe
(2) 物質中の2世代の場合
(MSW効果)
(x)nG2A eF≡
eeννG2L eeFeff =
(x)nννG2 eeeF→
Acos2θΔE
sin2θΔEθtan2
−≡~
[ ]1/222 sin2θ)(ΔEA)cos2θ(ΔEEΔ +−≡~
Z0
e
νe,μ,τ
νe,μ,τ
e
NC
W+
e
νe
νe
e
CC
Ne
が一定の場合には真空中と同様な式が出せる
真空中の混合角θ が小 さくても物質中の混合 角
は大きくなり得る
(MSW効果)θ~
ニュートリノ振動現象を示す実験事実
(1)太陽ニュートリノ欠損 +原子炉ニュートリノ欠損(カムランド)
(2)大気ニュートリノ異常 +加速器ニュートリノ欠損(K2K, MINOS)
[(3)CHOOZ(ショー)原子炉ν実験(否定的結果)]
否定的な結果だが3世代ニュートリノ振動の混合角を 決めるのには重要
(1)太陽ニュートリノ欠損
電子ニュートリノ
●太陽ニュートリノ欠損は、1970年代からデイビ スが米国サウスダコタ州にあるホームステークで
行ってきた実験で最初に観測されていた。
●しかしニュートリノ振動という解釈で完全に解決されたのは2002年末のことである。
●太陽中では核融合反応
+2
e++2νe
+26.7MeV
がつねに起こっていてそのνe(太陽ニュートリノ)が地球に
到達しているが、地上での観測値は理論値の約1/2以下
)(~2cos 1tθ
)νP(νee
→太陽νの振動確率は 断熱近似+L→∞に より求められ、始点 と終点の混合角度で 表される
発生点での 有効混合角
無限遠(真空 中)での混合角
Neが断熱的に 変化する場合 の表式
太陽νの振動確率は発生点での有 効混合角を通してEν
に依存する
(x)nG2A eF≡
太陽ν実験
Ga:Gallex-GNO, SAGECl:HomestakeH2O:Kam,SKD2O:SNO
(CH2
)n:Borexino稼働中
, SNOBorexino
しきい値の異なる太陽νの 諸実験の結果からΔm2と sin22θの情報が得られる
SNO
(Sudbury Neutrino Observatory, サドベ リーニュートリノ天文台、カナダ、1999~2006)
•重水(1kt)による測定器
•地下(約2km)の実験施設(バックグラウンドを 減らすため)
•太陽ニュートリノ(νe
)欠損の直接的証明
マクドナルド
x=e,μ,τ
SNOでは次の両方の反応が測定可能:−++→+ eppdνe
xx νnpdν ++→+
νe
のみ可能
νx
の全部可能
これら2つの反応を比較した結果、 νe
+νμ
+ ντ
は理論値通りで、νe
の量が減っていること が示された
D2
O, d=(pn), 重陽子
カムランド(原子炉ニュートリノ欠損, 2002
~)
• 液体シンチレーターによる測定器
• 各地にある原発(平均距離200km)から
来る反電子ニュートリノ
を検出
• 原子炉ニュートリノの欠損を発見(世界初)
• その結果は太陽ニュートリノのLMA解と一致し
(SNOが排除できなかったLOW解を排除)、 太陽ニュートリノ問題を最終的に解決
●
LMA解
LOW解
eν
252 eV108Δm6,πθ / −×=≅
(B)カムランド(真空中)
(A)太陽ν (物質中)
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛=→
4E
LΔmsin2sin-1 )P(
222 θνν ee
large mixing
(A)+(B)
(x)nG2A eF≡
(2)大気ニュートリノ異常 p,He,...
πμ
e
νμ νe
(K)
νμ
1次宇宙線(陽子、ヘリウム)
地球
大気
●地球には宇宙から1次宇宙線がつ
ねに降り注いでいるが、それらが大気
中の核子と衝突して2次宇宙線が生
成される。
●ほとんどの粒子はπ±中間子となり、
それがミューオンμ±に崩壊し、さらに
電子又は陽電子へと崩壊する。
●粒子と反粒子の違いを無視すれば
μνμπ +→ ++
μe ννe +++
μνμπ +→ −−
μe ννe ++−1:2)ν(ν:)ν(ν eeμμ =++となるはずであるが、観測結果は
1:1.3)ν(ν:)ν(ν eeμμ =++
となって理論と食い違っている。この比はエ
ネルギー・天頂角(飛行距離)にも依存する。
●大気ニュートリノ異常は1998年のスーパー
カミオカンデの発表で確立した。
大気νは基本的に
νμ⇔ντの振動 で記述される
大気
ν実験
Kamiokande, IMB, SK, Soudan2, MACRO
232 eV102.5|Δm|4,πθ / −×=≅ maximal mixing
天頂角
K2K (加速器ニュートリノ欠損)
●KEK(筑波)→スーパーカミオカンデ(神岡)
●人工的なμニュートリノが距離250kmでどれだけ
同じニュートリノにとどまっているか(νμ → νμ
の
disappearance)を測定(世界初)
●その結果はスーパーカミオカンデの大気ニュートリノ
の結果と一致
PRL 90:041801,2003⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛=→
4E
LΔmsin2sin-1 )νP(ν
222 θμμ
MINOS
(加速器ニュートリノ欠損)
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛=→
4E
LΔmsin2sin-1 )P(
222 θνν μμ
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛=→
4E
LΔmsin2sin-1 )νP(ν
222 θμμ
●FNAL→Soudan(MN)
●L=735kmでνμ → νμ
と
を測定
●その結果はSKの大気ニュートリノの結果と一
致(
と
とで若干の不一致あり)
μμ νν →
μμ νν
(3) CHOOZ(ショー)原子炉ν実験(否定的結果)
14E
LΔmsin2sin )P(-1
222 <<⎟⎟
⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛=→ θνν ee
L~1km, E~4MeVに対し
small mixing
0.15<2θsin2
Δm2~2.5×10-3eV2に対し
10-4
10-3
10-2
10-1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
Δm2
sin22θ
2atmΔm
Nν
=3
: νatm+νsolar+νreactor
⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛≅
⎟⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜⎜
⎝
⎛
=−
−21222122
τ3Uτ2Uτ1Uμ3Uμ2Uμ1Ue3Ue2Ue1U
//c/s//c/sεsc
1212
1212
1212
U
2232
2221
eV102.5|Δm|eV108Δm
20.15|ε||θ|
4πθ6,πθ
3
5
///
13
2312
−
−
×≅
×≅
≤≅
≅≅
n両方の質量パ ターンが可能
3
21 3
21
n
θ13
:上限値のみ既知
n
δ
:未定normal hierarchy
inverted hierarchy
0>232Δm 0<2
32Δm
混合行列
混合角と質量二乗差
(iii) 3世代間のν振動
● LSND実験の結果
10-3
10-2
10-1
100
sin22θ
LSND
10-1
100
101
Δm2 L
SND
[eV
2 ]
(3+1) NEV+atm
LSND DAR
LSND global95%
CL
99% C
L
)O(102θsinO(1)eV
2-2
2
≅≅2Δm ??
(iii)
eννμ →
Maltoni et al., hep-ph/0405172
(iv) 3世代間のν振動を拡張する可能性
E~50MeV, L~30m
E~1GeV, L~1km, (L/E)MB=(L/E)LSNDLSNDを追試するための実験
● MiniBooNE実験(2002-, FNAL)
eννμ →ニュートリノモード(否定的)
反ニュートリノモード
(肯定的;
イベント数は少ない)
いずれの場合も、エネ
ルギー(E > 475 MeV or E > 200 MeV)によって
も結果が変わる
Aguilar-Arevalo et al., PRL 103, 111801 (2009)
Aguilar-Arevalo et al., PRL 105, 181801 (2010)
eννμ →
4種類のνのシナリオ
Δm2=O(1)eV2
だとすると階層
のある3質量スケールが存在:
Nν
=3 の枠組みでは
LSNDを説明できない
Nν
=4ならば全て説明できる可能性有
2LSND
2atm
2sol ΔmΔmΔm <<<<
LEPのデータ(Zと結合する軽いνの世 代数は3) → 4番目のνはステライ
ルニュートリノである必要がある
νatm+νsolar により排除済
宇宙論によ
り排除済
(3+1)-scheme
(3+1)-schemeに対する制約
2e4
2e4
2e4Bugey
2 U4)U(1U42θsin ≅−>
2
4
2
4
2
4CDHSW2 U4)U(1U42θsin μμμ ≅−>
2
42
e4LSND2 UU42θsin μ=
を満たす必要があるがBugey+CDHSWの左側とLSNDの内側の重複は殆ど
ない(Okada-OY Int.J.Mod.Phys.A12:3669,1997):殆ど排除されている
CDHSW(加速器):否定的:
Bugey(原子炉):否定的:
LSND (加速器):
肯定的:
Mention et al, PRD83, 073006 (2011)
ところが、最近原子炉νのフラックスに対する再評価が出た
(新フラックス)=
(旧フラックス)×0.97
Bugey(原子炉):否定的 with old flux:
Bugey(原子炉):肯定的 with new flux?:
(3+2)-scheme: 2 種類のステライルνを導入すれば、 さらに自由度が増えて少しはフィットが良くなる LSND’
LSND
atmsolar
5
4
321
Kopp-Maltoni-Schwetz, arXiv:1103.4570v2 [hep-ph]
(3+2)-schemeはすべての実験データと3%で整合的(97%CL で排除されている;他のシナリオはさらにフィットが悪い)
θ13
・sign(Δm231
)とδを決定するには加速器に よる長基線実験(LBL)か原子炉実験が現実的
→長基線実験では物質効果が寄与する
⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛≅
⎟⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜⎜
⎝
⎛
=−
−21222122
τ3Uτ2Uτ1Uμ3Uμ2Uμ1Ue3Ue2Ue1U
//c/s//c/sεsc
1212
1212
1212
U n両方の質量 パターンが
可能
3
21 3
21
n θ13
:上限値のみ既知n δ
:未定
normal hierarchy
inverted hierarchy
0>232Δm 0<2
32Δm
2. 将来のν振動実験
次に行うべきことはθ13、sign(Δm231
)とδの決定
n長基線実験によるθ13 と sign (Δm231) の測定
に関する最低次で|Δm|Δm 232
221/
基線Lが長い場合, 振動確率
と
の違いが顕著:
AL~L/(2000km)
)P( eνμν → )P( eνμν →
n原子炉によるθ13の測定
E~4MeV, L~2km,→AL<<1 (物質効果微小)
(x)nG2A eF≡
n δの測定
⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜
⎝
⎛
⎟⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜⎜
⎝
⎛
⎟⎟⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜⎜⎜
⎝
⎛
= −−− 10
00
0010
0
00
001
1212
1212
1313
1313
2323
2323 cssc
cs
sc
csscU
0iδ
iδ-
e
e
δ の寄与は必ずsinθ13
を伴う
→ δの測定は難しい
0.15<1322θsin
将来の高輝度のビームの候補:
●
(conventional) superbeam
●
neutrino factory
μ in
a
storage ring
●
beta beam
RI
in
a
storage ring
μνμπ +→ ++
μeννe ++→ ++μ
eνe ++→ −LiHe 63
62
θ13とδを精密に測定するためには統計誤差(1/(イべント数)1/2) を小さくするためにイべント数を稼がなくてはならない
→高い輝度のビームが必要
μνeν →
μν
eν →
eνν →
μ
μνμπ +→ −−eνν →μ
μe ννe ++→ −−μ μνeν →
μν
eν →
eνe ++→ +FNe 18
91810
高輝度のビームの加速器ニュートリノ振動実験
加速器ν稼働中の実験
• MINOS(米, FNAL Soudan, MN) L=730km, E~4GeV
• MiniBooNE(米, FNAL) L~0.5km, E~0.5GeV
• CNGS(欧, CERN Gran Sasso) L=730km, E~20GeV
• T2K(日, JAERI SK) L=295km, E~0.6GeV
建設中の実験
• Nova(米, FNAL Ash River, MN), L=730km, E~2GeV
提案されている実験
• T2KK (JAERI HK&Korea, E ~ 1GeV, L=295km&1000km)
• LBNE (BNL Homestake, SD), E ~ 2GeV, L ~ 1200km
• SPL (CERN Frejus, E ~ 0.25GeV, L=130km)
• neutrino factory (Eν
~15GeV, L~3000km)• beta beam (Eν
=0.5-1.5GeV, L~130km)
eνeν →
原子炉ν稼働中の実験:
Double CHOOZ(仏)
建設中の実験:
Reno(韓)・Daya
Bay(中)
E~4MeV, L~2km→AL<<1 (物質効果微小)
現行・近未来の実験のsin22 θ13
に対する感度
Mezzetto-Schwetz, 1003.5800
“Physics at a Fermilab
proton driver”, hep-ex/0509019
3. T2Kの最近の実験 結果 (2011/6/15)
Results for νe
appearance search with1.43 x 1020
p.o.t.
The observed number of events is 6The expected number of events is 1.5 ± 0.3
for sin22θ13=0→ Probability to observe 6 or more events is
0.007, assuming θ13=0, corresponding to 2.5σ
significance.
http://dl.dropbox.com/u/11378169/110614-Shiozawa-T2K-v4.pdf
T2K実験結果 (2011/6/15)
の振動確率, :θ13 , θ23 , δ, Aに依存eνν →
μ
(x)nG2A eF≡
T2K実験結果:Δm232
とθ13
の許容領域(δ=0 を仮定) (2011/6/15)
10-4
10-3
10-2
10-1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
Δm2
sin22θ
2atmΔm
cf. CHOOZの排除領域 (1998)
(線の右側が排除)
T2K実験結果:δとθ13 の許容領域
(2011/6/15)
4. まとめ
● ニュートリノν振動現象の基本的な事項を説明した: 太陽ν+大気ν+原子炉νから、標準的な3世代の
枠組みでほとんどの実験事実が説明でき、 θ13 ,
δ , sign(Δm2
31
)
を除いた振動パラメーターは決定され ている。
● θ13 ,
δ ,
sign(Δm231
)
を測定する加速器実験・原子 炉実験が稼働して/建設されており、近い将来決定
されると期待されている。
● T2Kによるθ13の下限値が出され、
θ13の精密測定、 δ の測定の段階に入ってきた。
● 原子炉νのフラックスに対する再評価により、ステラ イルνに関する注目度が再度上昇している。
Backup slides
真空中のn世代の場合の振動確率
物質中のn世代の場合の振動確率(一定密度)
Once the eigenvalues are known, we can easily get the analytical formula for the oscillation probability by KTY’s
method
Kimura, Takamura, Yokomakura
(PLB537:86,2002)
The problem of obtaining the exact analytical oscillation probability is reduced to obtaining only the eigenvalues!
Chen: ISS 3rd
plenary (’06) @ RAL
● θ13の値に対する予言
hep-ex/0402041
ほとんどあらゆるθ13の値が 理論的に予言されており、
信憑性は感じられない
→ クォーク・レプトンの質量・ 混合に関して予言ができるほ ど理論はまだ進歩していない
ν振動実験
Δm2jk
=m2j - m2
k
無ν二重β崩壊実験
mee
=|Σ(Uej
)2mj
exp(iφj
)|トリチウムのβ崩壊による直接測定
mβ
=(Σ|Uej
|2m2j
)1/2
宇宙論
Σmj
● 振動実験と非振動実験
マヨラナ位相+
δ(ディラック位相)
マヨラナ位相
eem
)j
min(m
Klapdor-Kleingrothaus
et alに よる肯定的主張:
Mod. Phys. Lett. A16, 2409 (‘01)
“ββ
の研究者仲間は非常に注意深
く反応。いずれにしても追試が
必要(76Geを含む)。
”BARABASH@neutrino2006
mee
=|Σ(Uej
)2mj
exp(iφj
)|
Strumia-Vissani: hep-ph/0606054
● 無ν二重β崩壊実験
βm
)j
min(m∑j
jm
)j
min(m
● 直接測定
宇宙論
mβ
=(Σ|Uej
|2m2j
)1/2
Σmj
Strumia-Vissani: hep-ph/0606054