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ベトナム・インフラマップ
2011年3月
ジェトロ・ハノイセンター
63 Ly Thai To, Hanoi city, Viet NamTEL:+ 84 -4 - 3825- 0630Mail:[email protected]
〒107-6006TEL:03 - 35 82- 5542
【免責事項】
ジェトロは、本報告書の記載内容に関して生じた直接的、間接的、あるいは懲罰的損害および利益のついては、一切の責任を負いません。これは、たとえ、ジェトロがかかる損害の可能性を知らされて
様とします。
Copyright©2011 JETRO. All rights reserved. 禁無断転載
損失にいても同
本報告書に関する問い合わせ先 : ジェトロハノイセンター
住所:
(加藤)インフラ・プラントビジネス支援課
東京都港区赤坂1-12-32 住所:
1 Copyright©2011 JETRO.All rights reserved 禁無断転載
概況
昨今のベトナム投資環境においては、インフラ未整備が大きな課題となっており、進出外資企業を
はじめ諸外国からも速やかな開発が強く望まれている。
また同時に、インフラビジネス市場としても、大きな期待を集めており、インフラ事業に関連する投
資額は、年々増加している。
ベトナムのインフラ開発に関する計画は様々にあるが、その内容や進捗状況をとりまとめた資料、
インフラ事情を把握する情報は不足している。
1)ベトナムでのインフラビジネスの方向性と課題
2010年11月、ベトナム政府は官民が連携して行う投資に関する規定、つまりPPP 案件に関する適
用条件について定めた Decree71(以下 PPP法と略)を発効した。
ベトナムは、いまだインフラが脆弱であるが、ベトナム政府の資金は限られており、今後、民間企
業によるインフラ案件への投資が不可欠である。外資企業もベトナムでのインフラビジネスポテンシ
ャルに大きな期待を寄せており、この PPP法によって、民間投資にはずみがつくかと思われた。しか
し、同法によれば、「外資の投資者(民間)が公開入札で選定される」など、民間事業主に対する制
約が多く、課題が多い。
PPP法が発効される以前から、民間企業がインフラビジネスを行うスキームとして、BOT、BTなど
様々な形態が導入されているが、インフラ事業そのもので民間企業にメリットが出る案件は僅かで
ある。
理由は様々あるが、まず第一に公共料金が近隣国に比べて安いこと、もう一つは、許認可・諸手続
き・法解釈の不透明さが挙げられる。
日本政府でも、ベトナムインフラビジネスへの日本企業の参画機会を拡げようと、プレ F/S 実施への
支援スキームを整えているが、やはり PPPよりも円借款を念頭においたものがいまだに多く、ベト
ナムでのインフラビジネス実施におけるハードルが高いことが伺える(図1)。また、ファイナンスの問
題も深刻であり、政府保証がつかない案件はリスクが高く、外資企業の参加は難しいのが現実である。
インフラ案件の中でも、特に現在のベトナムにとって重要なのは電源開発である。2009 年より夏場
の計画停電が頻発し、製造業へも多大な影響が出ている。このまま、電力の安定供給ができない状
況が続けば、これまで堅調であった外国投資を停滞させることにもなりかねない。
ベトナムの発電事業は、既にEVN(ベトナム電力公社)以外の国営企業(IPP)や外資企業(BOT)の
参加が認められている。現在、ベトナムで初めてのBOT入札案件(Nghi Son 2火力発電所)が進行中
であり、外資企業の注目を集めているが、2008年に入札を行うと表明してから、いまだに入札業務が
完了していない。
(2)ベトナムのインフラビジネスポテンシャル
電源開発(送電線含む)では、今後3年間で、その投資額が約60%増加するとみられている(図 2)。
主要電源は、水力から石炭へ移り、地方部では小水力への投資が中心となる見通しである。一部、
再生可能エネルギー(特に風力発電)への投資も見られるが、政府から拠出される補助金レベルが
低く、採算をとるのはまだ難しい。
発電所向けの燃料輸入や、製油、鉄鋼プロジェクトの発展に伴い、港湾開発も同様に注目を集
めており、ラックフェン、ズンクワット、カイメップチーバイなど、あらゆる産業の輸出入拠点
となる深水港開発が進められている。
2011年の共産党全国大会では、「2010 - 2020社会経済発展戦略」が採択され、今後、毎年の成
長率が7~8%、2020年には一人当たり年所得が 3,000ドルという目標が設定されている。本目標を達
成するためには、年間100億ドルを超える貿易赤字の解消が不可欠であり、引き続き、投資環境を
良好にするための努力が求められる。その一つとして、電力、港湾、道路、鉄道、上下水道など
のインフラ整備は大変重要であり、ベトナム政府は、インフラビジネスに関わる外国投資家に対
して、魅力のあるビジネス環境を提供していくことが急務である。
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韓国シンガポール
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タイ フィリピンパキスタン カンボジア
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中国 インド
図2.各インフラ分野の投資額推移出所: Business Monitor Intern onal Vietnam Infrastructure Report
図1.インフラビジネス実施環境における各国レーティング
出所: Business Monitor Interna onal Vietnam Infrastructure Report Q4 2010左上: High Rewards & Middle Riskの国、左下: High Rewards & High Riskの国、右上: Middle Rewards & Low Riskの国、右下 : Low Rewards & High Riskの国
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30,000
60,000
90,000
120,000
150,000
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
(bil. VND)
Water Ports Airport Roads&Bridge Railways Power Plants&Transmission
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