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NOW NEXT 新型コロナウイルス(COVID-19)危機:組織が今すぐやるべきこと、次にやるべきこと エラスティック・デジタル・ ワークプレイスによる不確実な 時代のビジネス生産性 企業が今すぐ取り組むべき、 実践的なステップガイド

エラスティック・デジタル・ ワークプレイスによる不確実な 時代のビジネス … · 7 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

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NOW NEXT

新型コロナウイルス(COVID-19)危機:組織が今すぐやるべきこと、次にやるべきこと

エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性企業が今すぐ取り組むべき、実践的なステップガイド

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2 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症は前例のないスピードで世界全体に拡大しています。政府や企業など、各組織は人々の健康と生活を守るための迅速な行動が求められています。ウイルスは全ての大陸で急速にまん延し、すでに60カ国以上が影響を受け、毎日1,700件以上もの新たな感染事例が報告されています。

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3 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

新型コロナウイルス危機による経済的打撃は、あらゆる産業に波及しています。深刻度や複雑さの差はあるものの、全ての企業が即時対応を強いられています。旅行・観光産業にとっては、9.11(米国同時多発テロ事件)以来最大の打撃で、小売・消費財産業は生産遅延、製造停止、サプライチェーンの崩壊などにより生じた在庫不足への対応に追われています。政府による集会禁止指示にともない、各業界やテクノロジー関連のカンファレンス等の延期や中止を余儀なくされています。各社、従業員を守るために渡航禁止やオフィスへの出入り制限といった対策を講じるとともに、従来の働き方や就業場所についての再考を始めています。

新型コロナウイルス危機がいつ終息するのかは専門家にも分かりません。組織のリーダーは即時的な対応を行うと同時に、長期的な変化にシームレスに対応していくための新たな組織力と働き方を確立する必要があります。

今すぐ行動しましょう。組織がとるべき実践的アクションについてご紹介します。

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4 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

NOW NEXT

従業員とビジネスの生産性を共に守る新型コロナウイルス流行のような危機下ではリーダーの意思決定が、短期的な事業運営だけでなく将来のビジネスにも大きく影響します。賢明なリーダーはこの状況を契機に、事業の混乱と売上損失を回避し、危機を乗り越えるために迅速に行動し、従業員との間により強い信頼関係を構築することで、組織の回復力と生産性を高めるためのビジネス環境を整えます。

最初の重要なステップは、大規模なリモートワークの導入を計画することです。自主的な自己隔離や移動制限に関するガイドラインを従業員に明確に提示すると共に、常時よりも多くの従業員が病欠となるリスクに備えます。職場と従業員のマネジメント、カスタマーサービス、データ管理、事業継続など、組織や業界、地域などによって考慮すべきニーズや要件は異なりますが、次の3つはすべての組織が考慮すべき基本的な考え方といえます。

1. 従業員を守り、力づけるデジタル・コラボレーションツールを導入してリモートワーク環境を整備し、従業員に新しい働き方について必要な知識とスキルを教育します。自社のデジタル文化を育成し、信頼感ある職場を作ります。

2. 顧客の真のニーズに応えるオペレーションの透明性を高めたり、顧客との関わりにより気を配ったりするなど、顧客の真のニーズに応えることを通じてグローバルおよび国内の状況変化に適応します。このような取り組みすべてが顧客との関係をより深く信頼感あるものにします。

3. 事業の継続性を確保するサプライヤーとの関係やB2Bプロセスが効果的にサポートされるようにし、新たなコラボレーションや意思決定の方法を組み込んだ、新たな業務プロセスを構築します。

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5 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

NOW NEXT今日から始めましょうエラスティック・デジタル・ワークプレイスアクセンチュアのエラスティック・デジタル・ワークプレイスは、中核となる職場での体験(エクスペリエンス)を軸に設計されており、グローバルあるいは国内の状況に鑑みたビジネスニーズの変化に迅速かつダイナミックに適応できるような、拡張性が高い就業環境を作り出すソリューションです。

導入にあたっては、まずエラスティック・デジタル・ワークプレイス・アセスメントを実施し、取組施策の優先順位を決めます。

多くの企業や組織が何らかのリモートワーク環境を用意しているものの、リモートワークにおける業務継続性をきちんと評価しているケースはほとんどありません。また、昨今のグローバル全体で同時に業務を進める必要がある状況を考慮した組織文化やコミュニケーションのあり方、テクノロジー、ポリシーを築いている企業や組織はあまり見られません。

まずは、次の5点を検討してみましょう。

1. 従業員がリモート環境で効率的に業務を行うために、どのような準備をしていますか?

2. コラボレーションツールの導入および運用を推進する専門部門はありますか?

3. ホームオフィスおよびホームネットワークの設定方法やトラブルシューティングの明確な手順を従業員に示していますか?

4. 個人や組織所有のモバイルデバイスを利用する際の明確なガイドラインを示すために、モバイルデバイスやアプリケーションの活用戦略を策定していますか?

5. 顧客や戦略的パートナーとシームレスかつ安全に連携するためのコラボレーション方法が確立されていますか?

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6 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

アクセンチュアのエラスティック・デジタル・ワークプレイス・ロードマップには、組織が速やかにリモートワークに移行するための取り組みとして効果が実証されている6つの要素が示されています。

• 組織文化と浸透• 伸縮性のあるコラボレーション• 仮想ワークスペース• シームレスなネットワーク• 分散型組織の継続性• 適応型セキュリティ

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7 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

NEW WORKPLACE REALITY: ELASTIC AND DIGITAL新しい働き方の実践

組織文化と浸透効果的なリモートワークができるようにテクノロジーと環境を最適化し、組織内外に柔軟な働き方のポリシーを伝えるコミュニケーションプランを策定します。

伸縮性のあるコラボレーション組織全体にコラボレーションツールを速やかに導入し、従業員と顧客、ビジネスパートナー、サプライヤーとのコミュニケーション手段を確立します。

仮想ワークスペースネットワークの見直しや端末配布のスピードアップ、グループウェアなどの仮想環境の活用などを通じて、モバイルワーク増加のニーズに応えます。

シームレスなネットワーク従業員が自宅から安心してアクセスできる信頼性の高い安全なリモートネットワーク環境を構築し、顧客やパートナーとシームレスに連携できる仕組みを整えます。

分散型組織の継続性人員減少、移動制限、大規模リモートワーク環境の運用などを含む、事業継続計画を策定します。

適応型セキュリティ例外ベースのプロセスとゼロトラストネットワークのアクセスアプローチを採用し、エンドポイントにおけるセキュリティアラートの検出および応答に関連する業務を自動化します。

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8 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

組織文化と浸透

アクセンチュアでは高度に分散化されたクラウドベースの働き方をいち早く採用し、長年にわたって進化させてきました。現在アクセンチュアではMicrosoft 365を活用しており、従業員の効率的なリモートワークの支援を目的として、高度なトレーニングを受けたデジタル・ワークプレイス運用の専門チームが研修やフォローアップを実施しています。

アクセンチュアの従業員は、世界中の同僚がリモート環境で継続的に共同作業をしているため、リモートワークに慣れています。しかし多くの組織にとって、リモートワークの導入はかつてないパラダイムシフトであり、移行には多くの時間が必要になります。リモートワークへのスムーズな移行を実現するためには、テスト運用や教育の環境を備え、従業員が新しい働き方に早く慣れるようにサポートツールの提供や操作研修を開催するなどの取り組みが重要になります。

組織文化と浸透では、次の3つの要素に留意しましょう。

• 徹底した透明性:真に人間的なアプローチを採用する:組織のリーダーは従業員への共感を示し、従業員が安心して能力を発揮できるように配慮する必要があります。働き方の変化による混乱を最小限にとどめてスムーズに業務を遂行できるよう、WEB会議ツールなどを活用して、組織が従業員を守るためにどのような取り組みをしているのか、その内容や進捗状況を従業員に適宜伝えます。

従業員の中から「チェンジ・チャンピオン」を選び、主体的にリモートワークの推進に取り組んでもらうことで、組織全体がリモートワークの浸透を受け入れる雰囲気を醸成することができます。チェンジ・チャンピオンやリーダー層は、ドキュメント共有やビデオ会議の活用など、あらゆる場面を見本を示す機会として活用しましょう。

• クラウドファースト:次の1カ月間で、文書作成やアプリケーション開発、タスク管理などのあらゆる業務に対応したクラウドベースのアプリケーションとストレージを構築します。全てのデータとドキュメントをクラウド上で一元管理し、ローカルPCでの保存や保管の禁止を徹底します。

• すぐに始めるリモートワークへの移行に向けた最適化:自宅でも最高の従業員エクスペリエンスを感じられるように、ネットワーク設定、人間工学、集中力を保つコツなど、自宅で快適に働くためのベストプラクティスを推奨しましょう。例えば、「バーチャル会議では通信遅延のストレスが増えるため、ネットワーク負荷のピーク時にはビデオをオフにして、音声とコラボレーションの質を保つ」などの場面に応じたコツの紹介なども役立ちます。

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9 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

伸縮性のあるコラボレーション

伸縮性のある(エラスティック)コラボレーションを実現するためには、現状のコラボレーション機能の急拡大が必要です。リモートで作業をする従業員が増えるにつれ、コラボレーションツールは通信量と負荷の増加に即対応でき、使いやすさや生産性が向上している必要があります。

今すぐやるべきこと

• コラボレーション機能の導入と評価:コラボレーションとコミュニケーションの機能の占有リソースを拡張して、Microsoft O�ice 365、Google G Suite、Adobe Connect、Cisco Webex、ZoomなどSaaSベースのサービスを採用し、今すぐ全ての従業員が利用できるようにしましょう。まだリモート環境に慣れていない従業員には、アプリケーションのインストール方法や、ユーザーストーリーと運用イメージを紹介する教育ツールを配布してコラボレーションツールの利用を促進しましょう。

• クロスビジネスの有効化:エコシステム全体の主要なB2B取引先とその関係性を特定しましょう。今から24~48時間以内に、現行のウェブ会議ツールでパートナー、サプライヤー、顧客とシームレスなコミュニケーションを実現できるか再評価し、必要に応じてPexip、BlueJeansなどのブリッジングサービスのパイロット版を導入しましょう。操作方法と利用シーンを網羅した教育資料を提供し、取引先や顧客が新たな働き方にスムーズに移行できるようサポートしましょう。

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10 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

仮想ワークスペース

仮想ワークスペースでは、安全なモバイル端末と遅延のない通信環境、高負荷に強いインフラなどビジネスの生産性を維持するために必要なリソースを従業員に提供し、業務システムやデータにシームレスにアクセスできることが重要です。最初の2週間以内に対応すべき重要な要素として以下が挙げられます。

• デバイス運用の効率化とモビリティの促進:事業推進に中心的な役割を担う従業員には、必要なツールとアクセス権を優先的に割り当てます。また複数のデバイスを持つ従業員からは不要なデバイスを回収し、請負業者のデバイスの使用や、Dell、HP、Lenovoなどの事業者が提供するDevice as-a-Serviceの利用など、クリエイティブソーシングによる調達方法も検討しましょう。その後1カ月以内に、リモートワーカーのためのBYOD(Bring Your Own Device)およびモビリティ戦略を加速し、ゼロトラストネットワークやBitlockerなどデバイスを保護するソリューションと、Microsoft Intune、VMware Horizonなどのワークプレイス管理ソリューションを導入します。

• 仮想デスクトップ:第1週目に、Microsoft、Citrix、VMware、Amazonなどが提供する仮想デスクトップソリューションを導入し、オフィスに限定されない拡張可能な仮想ワークスペースを構築します。これにより、安全なモバイル端末を使用することが難しい環境からも、業務システムやデータに安全にアクセスできます。

• 大規模なバーチャルセッション:双方向のオンラインセッションのためのプラットフォームを構築し、従来の対面形式ではなく、バーチャルのワークショップやセッションに移行します。親しみやすいファシリテーターとサポーターを選定してトレーニングを実施し、参加者に最高のユーザーエクスペリエンスを提供しましょう。

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11 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

シームレスなネットワーク自宅や事務所以外の場所でも従業員が効率よく仕事できるよう、組織のネットワーク、クラウド上のアセット、戦略パートナーにシームレスかつ安全に連携できる高い信頼性を持ったネットワークとアクセス環境を構築する必要があります。

第1週目に実装すべきこと:

• 仮想プライベートネットワーク(VPN)の容量:Palo Alto Networksなどクラウドベースのリモートアクセスソリューションを実装することで、従来のVPNソリューションの技術を速やかに補完して容量のリスクを軽減しつつ、リモートワークのセキュリティ、パフォーマンス、エクスペリエンスを高めることができます。このタイミングで、VPNコンセントレーター、次世代(L7)ファイアウォール、回線など従来のリモートアクセス技術で使用しているリソースも確認しておきましょう。

• リモート&ホームネットワーク:従業員の自宅におけるブロードバンド接続のパッケージや選択について明確かつ規範的な指針を提示しましょう。回線の帯域やサービス品質(QoS)を保証するサービスを利用する必要がある場合には補助金の検討も必要です。通信トラブルの多くが自宅で発生するため、デュアルバンドやMIMOなど、最適な個人向けWi-Fiサービスのガイダンスを配布します。またゲートウェイの設置場所などのアドバイスを行い電波の干渉を避けるため5 GHz帯の使用を指示します。音声、ビデオ、コラボレーションの各トラフィックの優先度を設定する方法と通信トラブルが発生した際のトラブルシューティングも用意しておきましょう。

• パートナーとの連携:SWATチームを組成して戦略パートナーとの企業間接続ソリューションを速やかに構築または拡張し、パートナーに提供できるようにしましょう。

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12 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

分散型組織の継続性新型コロナウイルス(COVID-19)危機下での組織の最重要課題は、従業員、顧客、パートナーを守ることです。組織のリーダーは、急速に変化する環境を常に監視・評価するとともに速やかに意思決定し、従業員に危機に対処する方法を明確かつ規範的に伝える必要があります。

• 監視と評価:世界保健機関(WHO)や米国疾病予防管理センター(米国CDC)など主要な保健機関、政府、その他のNGOからの情報を継続的に分析します。危機管理プロセスを発動し、必要に応じてタスクフォースを設置します。

• 事業計画:壊滅的な自然災害などと同様にパンデミック対策プランを事業継続計画に組み込みます。従業員単位および部門単位の事業継続性テストを全社規模で実施します。

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13 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

適応型セキュリティリモートワーカーが新型コロナウイルス(COVID-19)危機に対処するために素早く行動することは極めて重要ですが、そのために事業がセキュリティリスクに晒される事態が生じることは許されません。リモートアクセスのセキュリティと拡張性を高めるために、次のセキュリティプロトコルおよびソリューションを迅速に実装する必要があります。

• ゼロトラストネットワークアクセス:組み込み技術を使ったゼロトラストモデルを速やかに導入し、従来のVPNソリューションに依存することなく安全に業務システムやデータにアクセスできるようにしましょう。

• エンドポイント管理による保護、検出、応答:潜在的に安全性の低い環境でのデバイスの使用が増えた場合、全てのデバイスを保護対象として追加する必要があります。あらかじめエンドポイント管理の検出・応答プログラムに分析機能を組み込んで運用を自動化しておくことで、人間による管理作業を削減することができます。

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NOW NEXTいつ始めますか?今すぐに始めましょう残念なことに、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響は日々拡大しており、政府や関連組織による声明や方針、規制の内容も継続的に更新されています。

わずかな意思決定の遅れが、人々、ビジネス、社会に実際的かつ深刻な影響を及ぼすため、「時間」は極めて重要です。ここでは、組織が効果的なエラスティック・デジタル・ワークプレイスを迅速に導入するための手順の概要を紹介します。

1. 大・小規模のバーチャル会議を効果的に開催できるようにするなど、リモートワークへの速やかな移行と生産性の最大化に必要な仕組みを用意し、従業員に最適なエクスペリエンスを提供することが最優先課題です。

2. 今すぐMicrosoft Teamsなどのコラボレーションツールの導入または運用を拡大し、リモートワークにおける生産効率の向上に的を絞った規範的なガイダンスを提示しましょう。

3. 法務、人事、IT、マーケティング、コミュニケーション、セキュリティ、事業の各部門の代表を招集して、エラスティック・デジタル・ワークプレイスのタスクフォースを立ち上げます。

4. 従来のオフィスのみで業務を行っていた従業員に対してモバイルソリューションの運用を促進するとともに、Amazon、Citrix、Microsoft、VMwareなどの仮想デスクトップソリューションを導入して業務システムやデータに安全にリモートアクセスできるようにします。

5. アクセンチュアの経験と、アクセンチュアのエコシステムの戦略的パートナーおよびプロバイダーが提供している制限付きの無料ソリューションを活用することで、変化する需要に合わせて必要な機能を速やかに拡張することができます。

14 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

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NOW NEXT

15 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

アクセンチュアが実践しているエラスティック・デジタル・ワークプレイス管理50万人を超えるアクセンチュアの従業員は世界各地に分散しているため、エラスティック・ワークプレイスでの業務に慣れていた点もスピーディーな移行を実現した成功要因の1つです。ここではアクセンチュアが実践しているエラスティック・デジタル・ワークプレイスの管理アプローチの一部を紹介します。

1. Microsoft 365の広範な利用:アクセンチュアの従業員は高度に分散されたクラウドベースの業務に慣れています。現在はクリエイティブやコラボレーションのツールとしてMicrosoft 365を利用しており、世界中の職場でMicrosoft Teamsを導入しています。電話や会議、ビデオを利用するシーンも多く、1カ月あたりの音声通信の使用時間は約4億分にのぼります。また、他の会議サービスとの連携やMicrosoft Teamsをエンドポイントで使用するためのブリッジングサービスとしてPexipを利用しています。

2. デジタル・ワークプレイスの変更と導入:従業員がリモート環境による新しい働き方にスムーズに移行できるよう、デジタル・ワークプレイスの変更管理と導入の専門チームを組成しサポート体制を確立しました。

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16 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

アクセンチュアが実践しているエラスティック・デジタル・ワークプレイス管理

3. 行動を促進する:組織のリーダーが率先して新しい働き方を実践することで手本を示し、従業員の行動変容を促進することが重要です。例えば、バーチャル会議ではビデオを常にオンにする、電子メールの代わりにMicrosoft Teamsのサイトを利用する、添付ファイル送信ではなくクラウド上でファイル共有するなど、新しい運用をリーダー自らが徹底して行うようにしました。

4. 事業継続チーム:アクセンチュアは、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に対して従業員の安全と安心を最大限に配慮した上で、お客様に継続してサービスを提供するために日々努めています。国際保健機関(WHO)や地方自治体からの要請とアクセンチュアが定める安全・危機管理プロトコルに則り、リアルタイムで情報提供している外部組織および専門家のネットワークを通じて常に最新の状況を監視しています。自治体の指示に従い、必要な場合には従業員に自主的な自己隔離や自宅でのリモートワークを指示するなど、アクセンチュアの感染症対応プラン沿って従業員に最新情報を周知するとともに、標準衛生ガイドラインを強化しています。

5. 拡張型の最新ネットワーク:アクセンチュアの従業員は、世界中でいつでもどこでも安全に働くことができます。アクセンチュアでは各オフィスやグローバルWANに拡張性がある回路を備え、世界中に分散しているチームが接続をサポートしています。業務で必要な機能の95%は、Microsoft 365や、財務、法務、人事システムなどのパブリッククラウドサービスを採用しており、従業員は管理されたデバイスを使用して、自宅からでも安全に業務を遂行することができます。

6. あらゆるデバイスの有効化:アクセンチュアのネットワークは多種多様のデバイスからのアクセスをサポートしています。コンピューターのほとんどが会社所有で厳格なセキュリティ基準に準拠しており、世界中のどこにいても安全に作業ができます。また従業員が個人で所有している様々なスマートフォンやタブレット端末も幅広くサポートしています。コミュニケーションを可能にし、情報と従業員のプライバシーを確実に保護するために、Microsoft Intuneを採用してモバイルデバイスとアプリケーションの管理を行っています。

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新型コロナウイルス(COVID-19)危機下での組織の最重要課題は、従業員、顧客、パートナーを守ることです。組織のリーダーは、急速に変化する環境を常に監視・評価するとともに速やかに意思決定し、従業員に危機に対処する方法を明確かつ規範的に伝える必要があります。

• 監視と評価:世界保健機関(WHO)や米国疾病予防管理センター(米国CDC)など主要な保健機関、政府、その他のNGOからの情報を継続的に分析します。危機管理プロセスを発動し、必要に応じてタスクフォースを設置します。

• 事業計画:壊滅的な自然災害などと同様にパンデミック対策プランを事業継続計画に組み込みます。従業員単位および部門単位の事業継続性テストを全社規模で実施します。

NOW NEXT

17 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

今すぐアクセンチュアが支援できること組織が今すぐ行動するために、アクセンチュアはいつでもサポートできるよう準備しています。

1. 24時間以内:現状を評価する。―組織が現時点で持っている技術力と組織内のスケーラビリティを分析して評価します。コミュニケーションプランやサポート体制などのケイパビリティも評価対象とします。

2. 72時間以内:既存技術をより効果的に活用するための手段と方法を特定する。

3. 5日以内:リーダーシップと組織文化の意識向上を図るとともに変更プランを策定する。―変更プランには新しいワークスペースでの業務を可能にするバーチャル会議や大規模なイベント開催などに必要なIT技術の導入と従業員の新しい働き方に対する受容を促進するリーダーシップ・コミュニケーションも含めます。

4. 2週間以内:コラボレーション機能と従業員エンゲージメントプランの迅速な最新化と拡張を実行する。―ホームネットワーク、広域ネットワーク、セキュリティ、その他のツールや機能のアップグレードを実施するとともに、場所に縛られることなく従業員同士が連携して業務を行えるよう、新しいコラボレーション手段を構築しスムーズに運用するために必要なアプローチを特定します。

5. 危機の終息後:エラスティック・デジタル・ワークプレイスの包括的な導入計画を策定する。―組織のリーダーが従業員と顧客の信頼と信用を構築できるよう、「組織文化と浸透」「伸縮性のあるコラボレーション」「仮想ワークスペース」「シームレスなネットワーク」「分散型組織の継続性」「適応型セキュリティ」の機能を拡張して、継続的に統合されたプログラム管理とガバナンスを含む詳細なロードマップを策定します。

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18 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

お客さまが新型コロナウイルスによる人およびビジネスへの影響に対応できるよう、アクセンチュアはさまざまなトピックに関し最新の知見をすべて集約したハブサイトを構築しました。

トピックはそれぞれ、「今」取るべき具体的な措置や、産業がニューノーマル(新常態)へと移行するに従い「次に」何を検討すべきか紹介するものです。

リーダーシップに必要な基礎から、従業員やカスタマーサービスグループのための生産性の確保、サプライチェーン・レジリエンスの構築などのその他のトピックに至るまで、アクセンチュアのハブサイトは随時更新されています。さらなる洞察を得るため、定期的にご確認ください。

アクセンチュアのハブサイトはこちら

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19 エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性

お問い合わせ

白石 昌靖テクノロジー コンサルティング本部マネジング・ディレクター

堀口 雄哉

ビジネス コンサルティング本部マネジング・ディレクター

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アクセンチュアについてアクセンチュアは、ストラテジー&コンサルティング、インタラクティブ、テクノロジー、オペレーションズの領域で、すべてにデジタルの力を組み込んだ幅広いサービスを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇る先端技術とインテリジェント・オペレーションセンターのネットワークに裏打ちされた40を超す業界に向けて、豊富な経験と専門スキルを生かしたサービスを提供しています。アクセンチュアでは、世界120カ国以上のお客様に対して、50万9,000人の社員による継続的なイノベーションによって、お客様のパフォーマンス向上と、永続的な価値創出を支援しています。

アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。

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