17
クリニカルインディケーター 2009 年度 2010 年度

クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

  • Upload
    others

  • View
    3

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

クリニカルインディケーター

2009 年度

2010 年度

Page 2: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

内科

内科入院疾患

国際疾病分類

(ICD-10)

年度

平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年

感染症および寄生虫 62 46 39 28 40

新生物 121 86 159 172 150

血液及び造血器の疾患ならび

に免疫機構の障害 10 12 7 7 4

内分泌、栄養および代謝疾患 71 59 102 68 84

精神および行動の障害 18 17 14 28 19

神経系の疾患 19 16 27 19 19

耳および乳様突起の疾患 11 6 5 6 13

循環器系の疾患 165 165 219 204 178

呼吸器系の疾患 245 225 193 141 149

消化器系の疾患 273 287 300 187 172

皮膚および皮下組織の疾患 4 1 7 8 7

筋骨格系および結合組織の疾患 8 8 15 11 11

尿路性器系の疾患 43 32 49 54 52

先行奇形、変形および染色体異常 1 1 1 - -

症状、微候および異常臨床所見・異常

所見で他に分類されないもの 130 118 91 39 13

損傷、中毒およびその他の外因の影響 21 24 20 12 20

傷病および死亡の外因 - - - - -

健康状態に影響を及ぼす要因および保

健サービスの利用 14 27 23 44 46

1216 1130 1271 1028 977

Page 3: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

内科死亡症例疾患

国際疾病分類

(ICD-10)

年度

平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年

感染症および寄生虫 2 2 3

新生物 34 34 42 43 32

血液及び造血器の疾患ならび

に免疫機構の障害 - 1 - - -

内分泌、栄養および代謝疾患 5 1 2 3 3

精神および行動の障害 - 1 1 3 1

神経系の疾患 - 5 1 1 4

耳および乳様突起の疾患 - - - - -

循環器系の疾患 30 32 36 36 25

呼吸器系の疾患 42 42 32 28 26

消化器系の疾患 10 8 8 7 6

皮膚および皮下組織の疾患 - - 1 1 1

筋骨格系および結合組織の疾患 1 - 3

尿路性器系の疾患 8 6 7 8 7

先行奇形、変形および染色体異常 - 1 - - -

症状、微候および異常臨床所見・異常

所見で他に分類されないもの 5 1 2 2 4

損傷、中毒およびその他の外因の影響 1 1 3 1 1

138 135 138 133 113

1)内科入院、死亡症例には、その構成については近年大きな変化はみられない。

2)循環器系の疾患のなかには脳血管疾患が含まれている。

3)耳および乳様突起の疾患には、めまいが含まれている。

4)健康状態に影響を及ぼす要因および保健サービスの利用には、「○○癌疑

い」などの入院、経過観察のための入院、透析の目的でシャント造設手術

のための入院などが含まれている。

Page 4: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

内科(循環器)

担当医:重田 浩一

# 冠動脈造影検査

2009年 2010年

症例数 26例 27例

(2.2例/月) (2.3例/月)

# 有意狭窄(50%以上狭窄)

2009年 2010年

症例数 9例(35%) 12例(45%)

# 有意狭窄例の治療内容

2009年 2010年

Medical(薬物療法) 4例 8例

PCI(経皮的冠動脈形成術) 4例 3例

CABG(冠動脈バイパス手術) 1例 1例

CAG(冠動脈造影)

1) 週一日のカテーテル検査のため症例数が少ない。また、PCI は他院に紹介してい

るため、最初から PCI の可能性のある症例は検査しないことが多い。

2) 穿刺・カテーテル挿入は、右橈骨動脈から行っている。

3) 合併症は認めなかった。

4) PCI、CABG が必要な症例は、富山県立中央病院・富山済生会病院へ紹介している。

Page 5: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

内科(消化器)

担当医:佐藤 幸浩

消化器内視鏡検査・腹部超音波検査

平成20年度 平成 21年度 平成 22年度

上部消化管内視鏡検査 2107 1854 1862

経鼻内視鏡 387 313 372

PEG 30 34 32

PEG交換 22 20 27

ESD 4 6 7

止血術 22 15 27

EVL/E

IS 5 3 4

異物除去 3 4 6

その他処置 5 1 0

下部消化管内視鏡検査 357 469 420

EMR 157 153 117

ERCP 109 64 56

嚥下内視鏡 0 0 67

EUS 1 0 1

内視鏡検査合計 2574 2387 2412

腹部超音波検査 1323 1120 1059

1)上部消化管内視鏡検査は、患者さんの苦痛が少ない経鼻内視鏡検査を約20%の患者

さんに施行している。

2)下部消化管内視鏡検査は、平成 21年度までは原則として 1日入院にて行っていたが、

平成 22年度からは、ポリープ切除術の例も含めて検査は外来での施行を標準として

いる。

3)嚥下障害の患者さんの増加にともない、平成 22年度からは嚥下内視鏡検査を導入し

ている。

Page 6: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

外科・胃腸科

担当医:丸岡 秀範、温井 剛史

2009、2010 年度 クリニカルインディケータの評価

年間手術件数は 2009 年度 81 件、2010 年度 88 件と推移している。麻酔科が非常勤であり

緊急手術への対応は困難となってきている。

消化器癌の手術症例については、胃癌は 2009 年度 9 件・2010 年度 13 件、大腸・直腸癌は

2009 年度 13 件・2010 年度 18 件となっている。

2009 年度 2010 年度

甲状腺癌 葉切除術 1

気管 気管切開術 3 3

乳癌 非定型的乳房切断術 2 1

腫瘍摘出術 2 1

乳房部分切除術 1

体表 リンパ節生検 2

粉瘤 1

胃癌 近位側胃切除術 1 1

遠位側胃切除術 3 7

胃全摘術 3 1

バイパス術 1 4

試験開腹 腸瘻造設術 1

結腸癌 結腸切除術 16 12

直腸癌 低位前方切除術 2 2

直腸切断術 1 3

非切除人工肛門造設術 1

S 状結腸穿通(異

物) S 状結腸切除術 1

S 状結腸過長症 S 状結腸切除術 1

人工肛門状態 人工肛門閉鎖術 1

直腸脱 Gant-三輪 Thiersch 4 1

肛門ポリープ 経肛門ポリープ切除術 1

急性虫垂炎 虫垂切除術 2 4

虫垂腫瘍 虫垂切除術 1 1

腸閉塞 解除術 4 1

人工肛門造設術 1

腹壁腫瘤 腫瘤切除術 1

原発性肝癌 肝切除術 1

転移性肝癌 肝部分切除術 1

Page 7: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

胆石症・胆嚢炎 腹腔鏡下胆嚢摘出術 5 6

開腹胆嚢摘出術 2

鼡径ヘルニア ヘルニア根治術 12 22

大腿ヘルニア 根治術 2 1

閉鎖孔ヘルニア 根治術 1

その他

中心静脈カテーテル(CV)

留置術・CV ポート留置術・

CV ポート抜去術

8 8

計 81 88

近年、化学療法の進歩に伴い当科でも術後補助化学療法及び再発・切除不能癌に対する化

学療法を施行する症例が増えつつある。

次に当院での胃癌及び結腸・直腸癌各ステージ別の治療成績を示す。

胃癌については 2006~2011 年度の手術症例(52 例)、結腸・直腸癌については 2004~2011

年度の手術症例(104 例)を対象とした。

胃癌 結腸・直腸癌

ステージ(病期) 症例数 5年生存率 ステージ(病期) 症例数 5年生存率

IA 18 100% 0 4 100%

IB 9 100% Ⅰ 15 100%

ⅡA 2 100% Ⅱ 33 86.8%

ⅡB 1 100% Ⅲa 28 74.6%

ⅢA 3 100% Ⅲb 6 41.7%

ⅢB 3 33.3% Ⅳ 18 0%

ⅢC 7 42.9% 計 104

Ⅳ 9 0%

計 52

参考ではあるが、全国調査における各ステージ別の5年生存率は胃癌については IA 期

93.4%,IB 期 87.0%,Ⅱ期 68.3%,ⅢA 期 50.1%,ⅢB 期 30.8%,Ⅳ期 16.6%(日本胃癌学会全国

調査 1991 年)であった。ただし、胃癌取扱い規約が 2010 年 3 月に改定されたため、全国

調査とのステージ別の比較は出来ない。

結腸・直腸癌の全国調査における各ステージ別の5年生存率は 0 期 94.3%,I 期 90.6%,Ⅱ期

81.2%,Ⅲa期 71.4%,Ⅲb期 56.0%,Ⅳ期 13.2%(大腸癌研究会・大腸癌全国登録 1995~1998

年度症例)であった。

当院では症例数が少なく偏ったデータとなっているが、全国平均と比較するとステージに

よっては全国平均を下回るデータを見受ける。しかし、当院では症例が高齢に偏っていた

ためと推察される。今後も症例を蓄積し治療成績を評価していきたい。

Page 8: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

血管外科

担当医:戸島 雅宏

(平成21年4月1日から平成23年3月31日まで)

下肢静脈瘤手術

平成 21年度 平成 22年度

高位結紮術併用硬化療法 173例/249肢 180例/243肢

ストリッピング手術 21例/ 35肢 28例/ 46肢

硬化療法単独 26例/ 33肢 37例/ 49肢

計 220例/317肢 245例/338肢

入院手術 21例 28例

平均入院日数 8.4日 6.9日

入院中央値 4日 4日

合併症:下肢深部静脈血栓症 0例(0%)

血行再建手術

平成 21年度 平成 22年度

カテーテル血管拡張形成術 7例 1例

内シャント造設術 10例 10例

四肢血栓除去術 2例 1例

末梢動脈バイパス手術 4例 2例

他 3例 1例

計 26例 15例

リンパ浮腫複合的理学療法

入院治療分 平成 21年度 平成 22年度

上肢 8例 4例

下肢 13例 12例

計 21例 16例

評価と対策

下肢静脈瘤手術は、日帰り手術による高位結紮術が最も多く選択、実施されている。

入院治療による静脈瘤手術は、クリニカルパスを導入して入院期間の短縮を得ている。

リンパ浮腫に対し複合的理学療法を主体に行い、広く県内からリンパ浮腫患者さんを受

け入れている。

初期治療として1週間入院にて集中的治療を行い、浮腫軽減の後、通院維持療法を行っ

ている。

Page 9: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

整形外科

担当医:酒井 康一郎、加藤 久人、有沢 章子、藤田 健司

超高齢化社会を迎え、当科における患者の年代層も同様である。そこで、高齢者の 4 大

骨折の中で手術療法が第一選択となる大腿骨頚部・転子部骨折の件数・成績が整形外科で

はクリニカルインディケーターになるものと思われる。

内容 2001年度 2002年度 2009年度 2010年度

総手術件数 214 212 195 231

骨折の手術件数 90 74 95 102

大腿骨頚部骨折の手術件数 33 27 44 43

頚部(狭義)骨折 16 11 18 18

男性 1 3 4 2

女性 15 8 14 16

転子部骨折 17 16 26 25

男性 4 4 9 4

女性 13 12 17 21

受傷から手術までの平均日数 6.4 7.4 6.23 7.61

頚部(狭義)骨折 6.5 7.6 6.63 7.32

転子部骨折 6.2 7.3 6.01 7.81

入院平均日数 49.3 47.9 62.01 54.31

頚部(狭義)骨折 49.3 48.6 54.75 52.32

転子部骨折 50 47.2 61.63 53.46

転帰 33 27 43 48

自宅退院 22 15 28 19

施設転所 11 9 10 16

転院 0 0 0 1

転科 0 3 5 6

入院中 0 0 0 6

死亡 0 0 0 0

合併症 4 3 3 5

感染 0 0 0 0

肺炎 3 1 3 3

血栓症 1(肺梗塞) 0 0 0

骨癒合不全 0 0 0 1

その他 1 0 食欲低下 1 食欲不振:1

その他 2 心不全 1

Page 10: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

<結果>

2010 年度は、総手術件数・骨折手術件数ともに 2001 年度に比べ、約 10%の増加である。

大腿骨頚部骨折の手術件数は従来年間約 30 件だったが、この 2 年間、44 例、43 例と増加

している。2007 年度より亜急性期病床の利用が始まり、入院日数が増加傾向にある。また

在宅復帰は減少傾向にあり、施設への転所が増加している。肺炎などの合併症は変化なし

である。2009-2010 年度の死亡例はなかった。

Page 11: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

脳神経外科

担当医:野上 予人

1.入院患者数の推移

2.入院患者の疾患別割合

3.手術数・手術別件数

2009年:8件:全て慢性硬膜下血腫(穿頭ドレナージ術)

2008年:10件:全て慢性硬膜下血腫(穿頭ドレナージ術)

入院件数、手術件数とも減少してきている。

急性期治療、特に手術治療については脳神経外科常勤医一人であることから限界がある。

近隣にある済生会富山病院脳卒中センターができた 2007年 4月からは、富山医療圏での脳

卒中診療についての病院機能分担・連携が進み、当院は中新川郡の脳卒中症例の亜急性期・

回復期のリハビリテーションを中心とした診療を行うようになってきている。

88

131

152145140

118

92

10810310189 89 87

67

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009

入院患者数

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009

その他

DSA検査入院

脳腫瘍

痙攣・失神

めまい

慢性硬膜下血腫

頭部外傷

未破裂脳動脈瘤

くも膜下出血

脳内出血

脳梗塞

Page 12: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

小児科

担当医:柴田 幸(平成 21 年度)、堀川 慎二郎(平成 22 年度)

1. 入院患者について

患者数 平成 21 年度 21 名、平成 22 年度 38 名

入院患者の診断名(同一患者での併発病名も含む)

評価と対策:

入院患者数はほぼ2倍に増加。その内訳から、喘息、腸炎(による脱水)および新

生児入院の増加が影響していると思われた。入院適応は原則としてガイドラインの規定

に沿って判断しているが、年度毎に疾病の流行状況が大きく変化するため一概に年度間

の比較は難しい。また、身体所見・理学所見における入院適応がなくとも、家族の希望

に沿う形での入院についても判断を要求される。今後も当地域における理想的な小児科

入院の取り扱い方について検討していきたい。

2. 外来患者について

外来総患者数(年間) 平成 21 年度 5192 名、平成 22 年度 5803 名

<月毎の患者数の推移>

評価と対策:

年間の患者総数は H21 から H22 にかけて 10.5%の増加となった。月毎患者数の推

移を検討すると、平成 21 年度の 11 月、平成 22 年度の冬季がそれぞれ患者数の増加を

認めている。平成 21 年度の 11 月は新型インフルエンザの予防接種目的の患者が急増

し、平成 22 年度はインフルエンザの流行による患者数の増加(平成 21 年度はインフ

ルエンザの流行が小規模で終わった)によるものと思われる。

喘息(喘息性

気管支炎含む)

感染性腸炎 新生児入院 肺炎・

気管支炎

尿路

感染

中耳炎 熱性

痙攣

その他

H21 5 3 0 5 1 3 1 3

H22 10 6 6 5 1 2 0 7

Page 13: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

2-1 予防接種の推移について

当科では、上市町唯一の小児医療機関として、予防接種外来に力を注いでいる。そこ

で、各ワクチンの接種本数について検討を行った。

<年間のワクチン本数> PCV7=小児用肺炎球菌ワクチン

定期接種 任意接種

DPT MR 日本脳炎 おたふく 水痘 HibV PCV7

H21 449 235 勧奨接種外 24 28 68 ―

H22 485 170 261 93 79 349 462

評価と対策:

定期接種については、DPT において接種本数の著変はみられないが MR ワクチンに

ついては減少傾向である。これについては、接種適応となる 5-6 歳前後の患者が上市

町外の(主に)開業医へ接種を受けに行く傾向を表している可能性が考えられた。原因

として、当院の予防接種予約外来および一般外来の受付時間が 13:30-16:00 と、保護者

が仕事などで病院へ来院しにくい状況であることが考えられる。

任意接種である HibV および PCV7 については、上市町は平成 22 年 5 月より県内初

の公費助成を開始し、県内でも屈指の接種率の高さを示した(H22.5-12 月までの HibV

および PCV7 出荷本数/0-4 歳児人口:富山県全体 HibV 0.21、PCV7 0.21。同

上市町 Hib 0.21、PCV7 0.27。HibV は H22.10 月まで病院毎の接種本数制限がか

かっていたため同数であったと思われるが、PCV7 についてはおよそ 3 割増)。 また、

同じく任意接種である水痘・おたふくかぜについても接種本数が飛躍的に伸びている。

定期接種に来院する患者家族に対して、地道に任意接種の必要性を啓蒙した結果と思わ

れた。

Page 14: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

産婦人科

担当医:新井 昇

2009年度 2010年度

手術 60/年 63/年

分娩

115/年

(うち帝王切開術14)

127/年

(うち帝王切開術24)

(後期死産 1件)

D&C 17 11

流産手術 10 4

経頸管的子宮筋腫切除術 3 1

子宮頚管ポリープ切除術 2

帝王切開術 14 24

子宮腟部びらん焼灼術 1

子宮内膜掻爬術 1 2

コンジローマ切除術 2 1

円錐切除術 1 5

子宮内反症整復術 1

膣式子宮全摘+膣壁形成術 1 1

胎盤遺残清掃術 1

開腹卵巣腫瘍摘出術 2 2

腹腔鏡下卵巣腫瘍摘出術 2 5

卵巣がん 手術

(子宮全摘+両側付属器摘出) 2

卵管ケッサツ術 1

子宮筋腫核出術 1

膣壁形成術 1

子宮出血止血術 1

バルトリン腺開窓術 1

ペッサリー除去術 1

Page 15: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

考察

平成21年度

通常より D&C の手術が多かった。受胎調節、家族計画の啓蒙が必要であると改めて感じ

た。

手術数そのものは例年通りである。分娩は、例年に比して多めであった。帝王切開率は

12.2%である。平均より低い帝切率であると考える。子宮内反症(分娩後)の整復術

を経験した。手術までの出血が多いため命に関わる可能性もあり、慎重に行なった。

平成22年度

分娩は現任者が赴任後、もっとも多いものとなった。

しかし、帝王切開も赴任後もっとも多く、死産も1件経験した。分娩経過の対応が遅れ

たと考えられ、より一層注意深く観察する必要性を感じた。

分娩数が増加すると、それによりインシデントも起きやすくなることが想像される。医

師の増加が求められる。

手術は、例年通りの60数例であった。腹腔鏡の卵巣手術が多かった。

1例は、癒着等の原因で開腹へ移行となった。

手術例を減らさずに、分娩数が増加すると、負担が大きい。また、予定手術が入りにく

く応援医師の都合もつけにくい。今後の重要な課題と考える。

Page 16: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

耳鼻咽喉科

担当医:大井 秀哉

検討年:2009 年度、2010 年度

突発性難聴(入院および外来)

2009 年度 2010 年度

最終聴力予後

治癒 6 例 8 例

著明回復 1 例 1 例

回復 1 例 5 例

不変 2 例 3 例

不明 1 例 1 例

その他 3 例 3 例

(評価と対策)

最終聴力予後が著明回復以上のものは、2009 年度で 50%、2010 年度で 43%

であり、通年に比べ悪化している。特に 2010 年度では、10 ~30dB 以内の改

善にとどまる回復例が 5 例と多かった。これは、難聴の程度が、聾に近い水平

型の重症例が多かったためと思われる。又、不変例の中には、人工透析中の患

者や糖尿病の合併症患者が含まれ、治療成績に影響していると考える。

その他は、両年度共に 3 例であり、全て蝸牛型メニエール病に移行した例で

ある。この事は、半年程度の聴力推移の観察が不可欠であることを示唆するも

のと考えられる。なお、2010 年度の回復例の 1 例に、対側のメニエール病を発

症した患者がおり、両疾患の共通性を疑わせた。

不変例 2 例(1009 年度)・3 例(2010 年度)には、生活耳を考慮して、必要

に応じて補聴器の装用を勧めている。

Page 17: クリニカルインディケーターdev.kamiichi-hosp.jp/file_upload_p/100237/_main/100237... · 2012-03-01 · 内科(循環器) 担当医:重田 浩一 # 冠動脈造影検査

眼 科

担当医:長田 裕子

検討年:2009 年 4 月~2011 年 3 月

白内障手術 (単位;件)

2009 年度 2010 年度

超音波水晶体乳化吸引術+眼内レンズ挿入術 168 201

計画的嚢外水晶体摘出術+眼内レンズ挿入術 0 0

水晶体嚢内摘出術 1 0

眼内レンズ挿入術 1 1

計 170 202

合併症 後嚢破損 4 2

虹彩脱出 4 2

前嚢亀裂 2 2

チン氏帯断裂 0 1

その他の手術

2009 年度 2010 年度

涙嚢鼻腔吻合術 3 1

涙小管形成術 2 3

内反症手術 5 1

霰粒腫切除術 2 1

翼状片手術 0 2

睫毛電気焼却術 1 1

後発白内障切開術 72 74

網膜光凝固術 33 32

その他 1 1

計 119 114

評価と対策

白内障手術の件数は2010年度には増加した。これには小切開手術導入や手術台の改

良などによる、総手術時間の短縮により1日の手術件数を増やすことができたためと思わ

れる。白内障手術は原則入院であるが、白内障のクリニカルパスを導入し、入院中の投薬

管理や患者ケアが安全に確実に行なえるようになった。白内障手術は耳側角膜一面切開を

採用しているが、幸い感染の合併症はみられなかった。術後の視力は、殆どの例において

視力改善がみられた。視力不変の患者もいたが 黄斑部疾患や緑内障などの合併例であった。

鼻涙管閉塞などの手術も不定期におこなわれているが全例で鼻涙管閉塞の改善がみられた。