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ダイコン、ニンジン、ネギ ポイントを押さえて成功させよう 葉根菜類の 今回は「ダイコン、ニンジン、ネギの春まき栽培」というテーマで、春 まき栽培でも安定した栽培が可能なタキイ交配‘つや風’‘向陽二号’ ‘ホワイトスター’をご紹介します。 春まきは、夏秋まきと栽培の注意点が異なるところがあるので、品種特 性と併せてぜひ参考にしてください。 大収穫 ‘ホワイトスター’ 生育旺盛で耐湿性が強い ‘向陽二号’ 晩抽性と耐暑性に優れる ‘つや風’ 抽苔しにくく 低温下でもよく太る 04 2011.12

ダイコン、ニンジン、ネギ - TAKII2011/12/04  · ダイコン、ニンジン、ネギ ポイントを押さえて成功させよう!葉根菜類の 今回は「ダイコン、ニンジン、ネギの春まき栽培」というテーマで、春

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ダイコン、ニンジン、ネギポイントを押さえて成功させよう!

葉根菜類の

今回は「ダイコン、ニンジン、ネギの春まき栽培」というテーマで、春まき栽培でも安定した栽培が可能なタキイ交配‘つや風’‘向陽二号’‘ホワイトスター’をご紹介します。春まきは、夏秋まきと栽培の注意点が異なるところがあるので、品種特性と併せてぜひ参考にしてください。

大収穫!

‘ホワイトスター’生育旺盛で耐湿性が強い

‘向陽二号’晩抽性と耐暑性に優れる

‘つや風’抽苔しにくく低温下でもよく太る

04 2011.12

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タキイ研究農場

藤ふ じ た

田 守もりひさ

 

春の栽培で一番問題になるのは抽苔(ト

ウ立ち)です。タネをまいた後の低温が原

因で発生する現象で、収穫するころにはダ

イコンの花が咲き、ひどい場合は根が太ら

なくなります。

 

しかし、この現象には品種間によって差

があり、,つや風‘は春に栽培できる品種

の中では抽苔しにくい品種なので、安心し

て利用できます。

 

春まき栽培の生育期間は、全般にわたっ

て秋まき栽培の生育期間より温度は低めで

す。そういった、ある程度の低温環境でも

肥大できる性質を「低温肥大性」といいま

す。,つや風‘はその性質に優れているの

で、よく太ったダイコンが収穫できます。

 

,つや風‘は萎い

黄おう

病などの病害に強いば

かりでなく、肥料を吸う力(吸肥力)が安

定しているので、いろいろな土壌での適応

性があり、作りやすい品種です。

は時間がかかります。秋の栽培よりも早め

に元肥を入れておきましょう。

 

春の栽培は一般的にはマルチ栽培をおす

すめします。タネまき後は、ビニールなど

を被覆してトンネル栽培にするので、露地

栽培より土壌が乾きやすくなります。畝を

準備する前には、しっかりと水を入れてお

きましょう。タネをまく数日前までにはマ

ルチを張っておき、ビニールなどを被覆し

て地温を上げてから、タネまきをするよう

にしてください。

 

タネまき後、天気が数日間悪くなるよう

な時は抽苔が発生しやすくなるので、タネ

まきを避けましょう。トンネル内やマルチ

内の地温が十分に上がるような、晴れの日

が続く日を選んでタネをまいてください。

 

タネをまいた後、生育初期はトンネル内

の温度は高めで構いませんが、ダイコンが

大きくなるにつれて、換気を行う必要があ

ります。換気の目安は、タネまきから本葉

5〜6枚目までは、トンネルの中の温度が

35℃を超えないように換気し、調節してく

ださい。あまり高温で管理すると、葉が大

きくなりすぎて肥大が悪くなったり、土か

ら根が早く抜け上がって、肩の部分に寒さ

の害が出たりします。さらに40℃を超える

と、葉焼けなどの高温障害が発生する危険

性が高まります。

 

その後は本葉10枚目までが30℃、20枚目

までが25℃、それ以降は20℃を目安に換気

 

春にダイコンを栽培する場合、そのまま

畑にタネをまいても、温度が低すぎて花が

咲いたり、根が短くなったり、太らなかっ

たりします。そうならないためにも、タネ

をまいた直後からビニールなどで被覆をす

るトンネル栽培が一般的です。ここでは、

トンネル栽培における栽培のポイントを紹

介します。

 

畑は、保水性・排水性がよく、できるだ

け耕土の深い場所を選んでください。秋の

栽培と違って、直前に元肥を入れても温度

が低いので、土になじんで溶け出すまでに

,つや風‘

抽ちゅう

苔だい

しにくい

畑の準備

タネまき

トンネル栽培での

温度管理と水分管理

低温肥大性に優れる

病気に強く作りやすい

ダイコン

品種の特性

ダイコンを春まきする場合は、

抽苔が安定して遅く、

揃い性がよい品種を選ぶのがポイント。

青首ダイコンの,つや風‘は

春まきに最適な品種で、

ス入りが遅く肉質が緻密なのが特徴です。

栽培のポイント

●抽苔が安定して遅い。● 根の太さや長さがよく揃い、品質良好。●吸肥力が安定しているので、 土壌適応性が広い。●ス入りが遅い。● 肌のテリ・ツヤがよく、肉質は緻密。

‘つや風’の   ココがスゴ

イ!

抽苔が遅く、低温でも太りがよい青首ダイコン‘つや風’。

〜抽苔しにくいのが強み〜 

052011.12

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してください。換気が遅れると葉が大きく

なりすぎ、根部の長さや肥大に影響が出る

ので注意しましょう。

 

また、トンネル栽培ではトンネル内が乾

燥しやすくなります。特にタネまき後から

本葉5〜6枚目ごろまでは適湿が保てるよ

うに、水の管理には気を配ってください。

 

春の栽培では、収穫する時には温度が上

昇し、ダイコンは日一日と肥大するので、

収穫適期は短くなります。収穫の遅れは、

ス入りの発生や軟なん

腐ぷ

病といった病気の発生

につながるので、適期を逃さずに行いまし

ょう。    

葉根菜類の

収 

●地温を上げるために マルチシートを張る。●ビニールトンネル栽培にし、 保温して生育を促すとともに 抽苔を防ぐ。

●日中は温度が上がりすぎない よう、換気して温度管理する。●乾きやすいので、 水分管理に注意。

春まきダイコンの  栽培ポイント

 ダイコンは、タネが動き始めた時から低温に感応し、花芽分化が始まります。分化後は高温長日条件で抽苔が促進され、一般に12~マイナス1℃の範囲で感応し、敏感なのは5~7℃とされます。 また、脱春化作用といって、夜間の低温感応を日中の高温で打ち消す作用があり、それには20℃以上の高温が必要です。高温が4~6時間以上確保できれば、完全に脱春化されます。ただし毎日の反復が大切で、昼間温度が上がらない日が3~5日も続くと花芽分化を起こしてしまいます。

ダイコンの花芽分化と抽苔

抽苔してダイコンの花が咲いた状態。

根の直径が7~8㎝になったら収穫する。収穫が遅れるとス入りや軟腐病の原因になるので注意。

タネまきから本葉5~6枚まではトンネル内の温度が35℃を超えないようにする。

タネをまく2~3週間前までに土づくりをして畝を立てておく。(※春まきは元肥が土になじむまでに時間がかかるため)

タネをまく数日前までにマルチを張って地温を上げておく。

トンネルを設置して保温する(マルチ+トンネル栽培)。

覆土は1㎝を目安にして鎮圧する。

1カ所に5~6粒の点まきにする。

本葉10枚目までが30℃、20枚目までが25℃、それ以降は20℃を目安に、日中はビニールのすそを上げて換気する。換気が遅れると葉が大きくなり、根が肥大しにくくなるので注意。

4.収穫

3.温度管理

1.畑の準備

2.タネまきとトンネルの設置

40℃を超えると高温障害が出るので注意。

直径7~8㎝

10㎡当たり完熟堆肥20~40㎏、苦土石灰 0.8 ~ 1.5 ㎏

元肥10㎡当たりそれぞれ成分量でチッソ、リン酸、カリ 100 ~ 150 g

株間25㎝

条間40㎝

100 ㎝

10㎝

06 2011.12

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タキイ研究農場

藤ふ じ た

田 守もりひさ

 

,向陽二号‘の最大の特長は、夏まきば

かりでなく春まきもできる、作型幅の広さ

です。このような特性を持っているので、

日本で最も多く栽培されている品種です。

また晩抽性に優れているので、春まきでも

安心して栽培できます。

 

,向陽二号‘は比較的土質を選ばないの

で、プロの生産者からも大変作りやすいと

好評です。また排水の悪い畑では、ニンジ

ンの肌の表面に黒いシミ状の腐れが発生す

ることがありますが、,向陽二号‘はそれ

らの発生も少なく、安心して栽培できます。

 

,向陽二号‘が発売されるまでは、ニン

ジン嫌いの子どもが多かったものの、発売

後は少なくなったという話を聞きます。そ

の理由は,向陽二号‘のニンジン臭は少な

く、食べておいしい品種だったからです。

 

ります。タネをまく前に、よく畑を湿らせ

ておきましょう。

 

ニンジンが発芽するには、ダイコンより

多くの水分が必要です。したがって、タネ

まき前後の水管理には気を配ってください。

特にコート種子の場合はなおさら、発芽に

は十分な水分が必要です。

 

春にニンジンのタネをまく場合、被覆栽

培をすることが肝心です。何もしなければ、

発芽までに時間がかかりすぎたり、発芽し

ても寒さ傷みで枯れてしまったり、温度が

低すぎて根が短くなったり、太らなかった

りします。また、ダイコンはタネまき直後

に低温にあうと抽苔する危険性があります

が、ニンジンの場合は本葉5〜7枚目ごろ

に低温にあうと抽苔する危険性が高まりま

す。したがって、タネまき直後からビニー

ルなどで被覆して保温することで、抽苔を

回避し、生育を促進させます。

 

トンネルの温度管理は、本葉7枚目ごろ

までは30℃を超えないようにしてください。

それ以降は肥大を促進し、根色の着色をよ

くするために、25℃を超えないようにしま

す。外気の平均気温が12℃になった時には、

風のない曇りの日をねらってトンネルを除

去してください。

 

ダイコン同様、収穫期には温度が高くな

っており、収穫適期の幅は狭くなっていま

す。収穫の遅れは割れや腐れのもとになる

ので、畑に長く置くのはやめましょう。

 

基本的にはダイコンと同じです。場所を

選んで元肥を入れ、畝立てはダイコンの項

を参考にしてください。

 

ダイコンと違うところが2点あります。

1つ目は、ニンジンの場合は株間が狭いた

め、マルチ+トンネル栽培より、マルチな

し+トンネル栽培が一般的です。マルチ栽

培をする場合は、スリットマルチのように

穴が連続しているようなマルチを使用する

か、穴あきマルチを使用してください。マ

ルチはタネまきの数日前までには張り終え

て、十分に地温を上げておきます。

 

2つ目は、土壌水分です。特にマルチな

し栽培の場合は、土壌表面が乾きやすくな

,向陽二号‘

〜土質を選ばず育てやすい〜

畑の準備

タネまき

トンネル栽培での温度管理

収 

ニンジン

品種の特性

タネまきの適期幅が広い、

春・夏作兼用の五寸ニンジン

,向陽二号‘は、土質を選ばず

幅広い作型に対応する優良品種です。

根部は美しい鮮紅色で、

尻部までよく太ります。

栽培のポイント

●抽苔が安定して遅い。●春まき、夏まきができる。●耐暑性に優れる。● 土質を選ばないので栽培しやすい。

●ニンジン臭が少なく、 おいしい。●根部は美しい鮮紅色で、 尻部までよく太る。

‘向陽二号’の   ココがスゴイ

春・夏作兼用の五寸タイプ

土質を選ばず作りやすい

ニンジン臭が少なく、

食べておいしい

晩抽性と耐暑性に優れている‘向陽二号’。

072011.12

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葉根菜類の

春まきニンジンの  栽培ポイント

ニンジンは水分を好むので、タネまき前に土を十分に湿らせておく。

タネをまく2~3週間前までに土づくりをしておく。(※春まきは元肥が土になじむまでに時間がかかるため)

幅 100 ㎝、高さ数㎝~10㎝の畝を立てる(マルチ栽培する場合はスリットマルチ、または穴あきマルチを張っておく)。

本葉が2~3枚出たら、2~3㎝間隔に間引く。以降、順次間引きながら育成する。

根の直径が4~5㎝になったら収穫する。太りすぎると根が割れたり腐ったりするので注意。

ニンジンの根が土から飛び出して、日光を浴びると緑化するので、間引きや追肥の際に土寄せしておく(3回程度)。

4.土寄せ

抽苔を防ぐためにトンネルを設置する。本葉7枚目までは30℃を超えないようにする。それ以降は25℃を超えないようにし、外気温の平均気温が12℃になったら曇りの日にトンネルを撤去する。

3. トンネルの温度管理

5.収穫

1.畑の準備

2.タネまきと間引き

1回目は込みあわない程度(2~3㎝)に間引く。2回目は本葉5~6枚のころに間引き、株間5~10㎝にし、1回目の土寄せも行う。株元を持って引き抜く。

10㎡当たり完熟堆肥20~40㎏、苦土石灰 0.8 ~ 1.5 ㎏

元肥10㎡当たり、それぞれ成分量でチッソ、リン酸、カリ100 ~ 150 g

●タネをまく前、畝にたっぷり と水を含ませる。●ビニールトンネル栽培にし、 保温して生育を促すとともに 抽苔を防ぐ。

●日中は温度が上がりすぎない よう、換気して温度管理する。●外気の平均気温が12℃に なったらトンネルを撤去する。

数㎝~10㎝

100 ㎝

条間を15㎝とり、タネをまく。ニンジンは好光性種子のため、覆土は薄くする。

条間15㎝

保温して生育を促す。

08 2011.12

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タキイ茨城研究農場

雨あめむら

村 拓た く お

 

根深ネギは年中、市場やスーパーで見る

ことができ、産直にはなくてはならない野

菜の1つですが、本来は秋冬が旬の野菜で

す。一般的には、春先にタネまきしてから

収穫までに約10カ月前後かかり、非常に日

数を要する作物です。

 

近年は、温暖化に伴うゲリラ豪雨(短時

間に狭い地域で大量に降る雨)などにより

夏場を乗り切ることが難しくなっています。

そのため、夏を乗り切ることこそが成功の

秘訣ともいえます。

 

,ホワイトスター‘は生育旺盛な品種で、

冷涼地では夏どりに、一般地では秋口から

の生育力を生かした年内どりに適します。

,ホワイトスター‘を例に挙げながら、春

まきにおける栽培のポイントを解説します。

 

ネギの生育に応じた肥培管理が必要です。

収穫まで長期間にわたる作物だけに、持続

的な肥効に努めましょう。

 

冷涼地の場合、元肥に中心を置いた一発

型肥料を施す産地が増えてきました。その

一方、関東を中心とした地域では夏場に気

温が高くなるため、ネギの生育が緩慢とな

ることから、この時期は追肥を避け、生育

旺盛な秋口からの追肥に重点を置いた施肥

を行っています。具体的には、元肥で全体

の約3割を施肥、その後の土寄せ時に10㎡

当たりチッソ成分で20〜30gを目安に追肥

します。

 

,ホワイトスター‘の場合、肥料を吸う

力(吸肥力)が強いため、肥料の施しすぎ

は病気や分けつの助長など悪影響を及ぼし

ます。また葉色が淡い品種のため、葉色を

濃くする目的での多量の追肥も控えてくだ

さい。

 

土寄せは軟白部分を作るために必要な作

業ですが、ネギにとっては葉や根を傷つけ

るなどストレスとなるため、生育の緩慢な

高温時の土寄せは避けます。

 

また一気に土寄せをすると、間延びしや

すくなります。肥大性に優れる,ホワイト

 

地床育苗の場合、畝幅100〜120㎝、

床面60〜80㎝、条間10〜15㎝を目安に育苗

床を準備します。タネは5〜10㎜程度の間

隔でまきます。ネギの発芽適温は20℃前後

です。高温期のタネまきは、発芽が悪くな

るので避けましょう。 

 

発芽から本葉1枚目までは、適湿に努め

ます。乾燥防止のため、発芽まで不ふ

織しょく

布ふ

かけると効果的です。本葉2枚目からは、

やや乾燥ぎみに管理し、徒長苗にならない

ように気をつけます。60日程度で定植に適

した苗に仕上がります。

 

ネギは過湿に弱い作物のため、排水のよ

い畑を準備する必要があります。排水の悪

い畑では高温期に軟腐病などの病気を助長

するので、注意が必要です。

 

肥料は、元肥と追肥を合わせて、10㎡当

たりチッソ成分で約200〜300gを目

安に施します。

 

植え溝を深さ15㎝前後に掘り、株間2・

5〜3㎝間隔で定植していきます。条間は

1m程度にします。

,ホワイトスター‘

〜耐湿性があり、作りやすい〜

ネギ

伸びや太りがよく、

生育旺盛に生長する品種です。根張りがよく、

耐湿性に優れる特性も持っています。

軟白部のテリ・ツヤがよく、

見栄えがよいのも美点。肉質が緻密で、

苦みや辛みが少なく、食味も良好です。

栽培のポイント

●生育旺盛で伸びや 太りに優れる。●根張りがよい。●耐湿性が比較的強い。● 軟白部のテリ・ツヤが美しい。

●苦みや辛みが少なく、 食味がよい。

‘ホワイトスター’  のココがスゴイ

タネまき

畑の準備、定植

追肥・土寄せ

生育旺盛で伸び・太りに優れる‘ホワイトスター’。

092011.12

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スター‘ですが、早く寄せすぎず、太りを

確保しながら少しずつ土寄せを行うことが

大切です。

 

土寄せのタイミングは、気候により異な

りますが、定植してから2〜3週間でまず

植え溝を軽く埋め、さらに2週間後に土を

削り込み、植え溝が平らになるようにしま

す。その後は生葉を4〜5枚残しながら、

少量ずつこまめに、4回程度に分けて行い

ます。最後の止め土は、葉の分岐点下まで

しっかりかけると、病原菌が侵入しやすく

なるので、分岐点から2㎝程度下の部分ま

でを目安にします。 

 

収穫(軟白部が仕上がる)までに、夏場

では3週間、冬場では1カ月程度かかりま

す。またネギは収穫適期が比較的長い作物

ですが、特に,ホワイトスター‘の場合、

品質を損なわないよう、収穫の遅れに注意

します。

 

ネギは越冬時、低温に長期間あうと花芽

分化し、春先に抽苔します。花芽分化のし

やすさは、品種、あるいは同一品種でも植

物体の発育程度により異なります。今回紹

介した,ホワイトスター‘は花芽分化を受

けやすい品種なので、秋まきして大苗で越

冬すると抽苔します。地域によって異なる

ものの、年明けからのタネまきをおすすめ

します。

 

春まきの場合、年内で大きく育った株が

冬場に低温感応すると、3月からの上昇気

温下で花芽が上がってくるので、収穫遅れ

にならないよう注意します。

葉根菜類の

根深ネギの栽培ポイント

条間は約1mとる。太くて十分に軟白しているものから順に掘り上げる。

土づくりをして畝を立て、5~10㎜間隔で条まきする。発芽までは不織布をかけて乾燥を防ぐ。

定植後、こまめに追肥と土寄せを4回程度に分けて繰り返す。生育が緩慢な高温時には、無理に行わない。

最後の土寄せから3~4週間で収穫できる。越冬時に長期間寒さに当たると春先に抽苔しやすいので、2月までには収穫を終える。

4.収穫

3.追肥と 土寄せ

1.タネまき

抽 

●水はけのよい土づくりをする。●やや乾燥ぎみに管理する。●こまめに追肥、土寄せを繰り 返し、軟白部を育成する。●高温期の追肥や 土寄せは控える。●抽苔する前に収穫する。

10㎡当たりチッソ成分で 200 ~ 300g を施した場所に植え溝を切り、根が隠れる程度の浅植えにする。

2.定植

ネギのタネは乾燥には比較的強いが、多湿には極めて弱い。土壌はpH 5.7 ~ 7.4 であれば正常に生育する。

約60日後、本葉が4~5枚つくまで育苗する。

条間10~15㎝

15㎝

床面60~80㎝

最後の止め土は分けつ部の2㎝程度下までに。

削り込み(2回)2.5 ~3㎝間隔

約15㎝

100 ~ 120 ㎝

最終土寄せ

土寄せ(適宜回数)

10 2011.12