抗インフルエンザ薬と、その耐性 抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬とと、、そのその耐性耐性

東京大学医科学研究所

田村 大輔

抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬とと、、そのその耐性耐性

①①抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬のの種類種類とと作用機序作用機序

②②抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬のの有効性有効性

④④耐性耐性ウイルスウイルスのの病原性病原性とと流行流行

③③抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬のの問題点問題点

⑤⑤新薬新薬のの開発開発

抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬 ・・MM22蛋白阻害剤蛋白阻害剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・AdmantanAdmantan

→→アマンタジンアマンタジン®®

・・ノイラミニダーゼノイラミニダーゼ阻害薬阻害薬・・・・・・OseltamivirOseltamivir

→→タミフルタミフル®®

・・ノイラミニダーゼノイラミニダーゼ阻害薬阻害薬・・・・・・ZanamivirZanamivir

→→リレンザリレンザ®®

Life cycle of the influenza virus

20th Sep Sendai

アマンタジンアマンタジン®®

タミフルタミフル®®、、リレンザリレンザ®®

アマンタジンアマンタジン®®のの現状現状はは・・・・・・

20022002年年ののSARSSARS（（重症呼吸器症候群重症呼吸器症候群））のの出現時出現時、、アジアアジアをを中心中心ににアマンタジンアマンタジン®®がが乱用乱用されたされた

（（安価安価でで、、処方箋処方箋なしでなしで購入可能購入可能））

直後直後からから世界中世界中ににアマンタジンアマンタジン®®耐性耐性ウイルスウイルスがが蔓延蔓延

20032003年年、、CDCCDC（（米国疾病米国疾病予防管理予防管理センターセンター））はは、、インフルエンザインフルエンザ治療治療におけるにおけるアマンタジンアマンタジン®®のの使使用用をを控控えるようにえるように警報警報をを出出すす

日本日本ではでは、、アマンタジンアマンタジン®®はは使使われていないわれていない

インフルエンザウイルスインフルエンザウイルス

ノイラミニダーゼノイラミニダーゼのの構造構造（（単量体単量体））

Viewed from top Viewed from side

NA活性部位

+ + +

ノイラミニダーゼノイラミニダーゼととシアルシアル酸酸のの結合結合

Viewed from side

グリセロール

カルボキシル基

水酸基

NA活性部位

+ + +

シアルシアル酸酸

ノイラミニダーゼノイラミニダーゼととシアルシアル酸酸のの結合結合

Viewed from side

Life cycle of influenza virus

20th Sep Sendai

NA阻害薬

NA活性部位

+ + +

NANA阻害薬阻害薬

グリセロール

カルボキシル基

水酸基

NA活性部位

+ + +

ノイラミニダーゼノイラミニダーゼととシアルシアル酸酸・・NANA阻害薬阻害薬のの

結合結合 シアルシアル酸酸

疎水基

NA活性部位

+ + +

NANA阻害薬阻害薬

グリセロール

カルボキシル基

水酸基

NA活性部位

+ + +

ノイラミニダーゼノイラミニダーゼととシアルシアル酸酸・・NANA阻害薬阻害薬のの

結合結合 シアルシアル酸酸

タミフルタミフル®®ととリレンザリレンザ®®

非常非常にに少少ないない 圧倒的圧倒的にに多多いい 臨床現場臨床現場でのでの 使用量使用量

吸入薬吸入薬 経口薬経口薬

（（ドライシロップドライシロップ、、カプセルカプセル））

投与投与方法方法

55歳歳～～

11歳歳～～ 保険適応保険適応

リレンザリレンザ タミフルタミフル

なぜなぜ、、タミフルタミフル®®ががmajormajorになったかになったか？？

（（私的意見私的意見））

薬剤薬剤のの投与経路投与経路

＿＿ 日本人的日本人的にに吸入吸入よりより内服内服をを好好むむ

＿＿ 内服後内服後のの安心感安心感

販売戦略販売戦略

＿＿ コマーシャルコマーシャル方法方法、、国内国内のの流通整備流通整備

抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬とと、、そのその耐性耐性

①①抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬のの種類種類とと作用機序作用機序

②②抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬のの有効性有効性

④④耐性耐性ウイルスウイルスのの病原性病原性とと流行流行

③③抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬のの問題点問題点

⑤⑤新薬新薬のの開発開発

タミフルタミフル®®、、リレンザリレンザ®®のの有効性有効性のの検討検討

一般的一般的なな評価方法評価方法

＿＿有熱期間有熱期間、、上気道上気道でのでのウイルスウイルス消失率消失率

副次的副次的なな評価方法評価方法

＿＿合併症合併症のの発症率発症率、、入院率入院率、、上気道症状上気道症状

のの軽減軽減

タミフルタミフル®®・・リレンザリレンザ®®投与投与とと、、非投与非投与でのでの比較比較

対象患者対象患者とと評価方法評価方法

＜＜調査期間調査期間＞＞20042004//0505、、20052005//0606シーズンシーズン

＜＜対象対象＞＞ 44～～1515歳歳のの小児小児インフルエンザインフルエンザ患者患者 ＜＜診断診断＞＞迅速診断迅速診断キットキット、、ウイルスウイルス分離分離

＜＜治療法治療法＞＞タミフルタミフル®®、、リレンザリレンザ®®、、非投与非投与

＜＜評価方法評価方法＞＞有熱期間有熱期間

AA型型へのへのNANA阻害薬阻害薬のの有効性有効性

4040 3838 4949 ワクチンワクチン接種率接種率（％）（％）

44..33

－－

99..66

4488

非投与非投与

22..44 22..44 全有熱期間全有熱期間（（日日））

11..44 11..44 治療治療開始開始からから解熱解熱までまで（（日日））

99..33 77..77 平均年齢平均年齢（ｙ）（ｙ）

4747 115115 症例数症例数

リレンザリレンザ タミタミフルフル

BB型型へのへのNANA阻害薬阻害薬のの有効性有効性

5454 5252 3636 ワクチンワクチン接種率接種率（％）（％）

44..00

－－

99..88

4747

非投与非投与

22..88 33..00 全有熱期間全有熱期間（（日日））

11..77 11..99 治療治療開始開始からから解熱解熱までまで（（日日））

1010..33 99..99 平均年齢平均年齢（ｙ）（ｙ）

5959 128128 症例数症例数

リレンザリレンザ タミフルタミフル

NANA阻害薬阻害薬＋＋のの場合場合、、NANA阻害薬阻害薬－－にに比比べべ

・・AA型型インフルエンザインフルエンザ →→ 22日日 ・・BB型型インフルエンザインフルエンザ →→ 11日日

→→「「有熱期間有熱期間のの短縮短縮」」をを認認めためた。。

タミフルタミフル®®・・リレンザリレンザ®®投与投与とと、、非投与非投与でのでの比較比較

タミフルタミフル®® VSVS リレンザリレンザ®®

AA型型へのへのNANA阻害剤阻害剤のの比較比較

3838 4949 ワクチンワクチン接種率接種率（％）（％）

8787 9090 4848時間後時間後のの解熱率解熱率（％）（％）

4747 5151 2424時間後時間後のの解熱率解熱率（％）（％）

22..44 22..44 全有熱期間全有熱期間（（日日））

11..44 11..44 治療治療開始開始からから解熱解熱までまで（（日日））

99..33 77..77 平均年齢平均年齢（ｙ）（ｙ）

4747 115115 症例数症例数

リレンザリレンザ タミフルタミフル

BB型型へのへのNANA阻害剤阻害剤のの比較比較

5252 3636 ワクチンワクチン接種率接種率（％）（％）

7878 7171 4848時間後時間後のの解熱率解熱率（％）（％）

4242 3838 2424時間後時間後のの解熱率解熱率（％）（％）

22..88 33..00 全有熱期間全有熱期間（（日日））

11..77 11..99 治療治療開始開始からから解熱解熱までまで（（日日））

1010..33 99..99 平均年齢平均年齢（ｙ）（ｙ）

5959 128128 症例数症例数

リレンザリレンザ タミフルタミフル

20042004//0505、、20052005//0606シーズンシーズンでのでの比較比較ではでは

有熱期間有熱期間のの明明らかならかな有意差有意差はないはない

タミフルタミフル®®ととリレンザリレンザ®®のの有効性有効性のの比較比較

＜＜対象患者対象患者＞＞

20062006//0707インフルエンザシーズンインフルエンザシーズン、、 ①①けいけいゆうゆう病院病院 ②②永寿総合病院永寿総合病院ででAA抗原抗原もしくはもしくはBB抗原陽性抗原陽性とと診断診断したした

小児患者小児患者

＜＜比較内容比較内容＞＞

有有熱期間熱期間、、ウイルスウイルス残存率残存率

＜＜治療群治療群とと平均年齢平均年齢＞＞

・・タミフルタミフル®®治療群治療群 3737例例（（33..22歳歳）） ・・リレンザリレンザ®®治療群治療群 2525例例（（88..22歳歳））

タミフルタミフル®®ととリレンザリレンザ®®のの有効性有効性のの比較比較

0

0.5

1

1.5

2

2.5

全有熱期間 投与後有熱期間

oseltamivir

zanamivir

有熱期間の比較

2.03 1.96

1.13

1.57

※

※※

※・・有意差なし、 ※※・・あり

日

0

0.5

1

1.5

2

2.5

A香港型 Aソ連型

A香港型とAソ連型の比較 投与後の有熱期間を用いて

1.4 1.04

2.2

1.11

※

※※

※・・有意差なし、 ※※・・あり

日

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

4.5

5

開始日 ３日目 ５日目

oseltamivir

zanamivir

上気道上気道ののウイルスウイルス残存率残存率 経時経時的推移的推移

有意差なし

有意差あり

log pfu/ml

3.98

4.35

0.98

2.08

0.09

1.78

＜＜対象患者対象患者＞＞

20062006‐‐0707インフルエンザシーズンインフルエンザシーズン、、 ①①けいけいゆうゆう病院病院 ②②永寿総合病院永寿総合病院ででAA抗原抗原もしくはもしくはBB抗原陽性抗原陽性とと診断診断したした

小児患者小児患者

＜＜比較内容比較内容＞＞

有有熱期間熱期間、、ウイルスウイルス残存率残存率

＜＜治療群治療群とと平均年齢平均年齢＞＞

・・タミフルタミフル®®治療群治療群 3737例例 （（33..22歳歳）） ・・リレンザリレンザ®®治療群治療群 2525例例 （（88..22歳歳））

タミフルタミフル®®ととリレンザリレンザ®®のの有効性有効性のの比較比較

AAソソ連型連型ではでは、、リレンザリレンザ®®のほうがのほうが、、２４２４時時

間程度間程度、、有熱期間有熱期間がが短縮短縮するする。。

ウイルスウイルス排泄期間排泄期間をを見見るとると、、55日目日目のの上気上気道道ウイルスウイルス量量にに明明らかならかな差差がが認認められるめられる。。

タミフルタミフル®®ととリレンザリレンザ®®のの有効性有効性のの比較比較

→リレンザリレンザ®®有効性有効性がが高高いい。。

NANA阻害薬阻害薬のの有効性有効性のの報告報告

毎年毎年、、国内外国内外からから数十例数十例のの報告報告があるがある

NANA阻害剤使用阻害剤使用がが、、有熱期間有熱期間、、ウイルスウイルス排排

泄量泄量のの減少減少をを認認めているめている

Neuraminidase inhibitors for treatment and Neuraminidase inhibitors for treatment and prophylaxis of influenza in childrenprophylaxis of influenza in children::

systematic review and metasystematic review and meta--analysis of analysis of randomized controlled trialsrandomized controlled trials

British medical journal ; 2009, 339

しかし、一方で！

過去過去にに報告報告されたされた77つのつの論文論文

→→インフルエンザインフルエンザ治療治療でのでの有効性有効性はは？？

22報報；；タミフルタミフル®® vsvs 無治療群無治療群

22報報；；リレンザリレンザ®® vsvs 無治療群無治療群

→→インフルエンザインフルエンザ暴露後暴露後のの予防内服予防内服のの効果効果はは？？

11報報；；タミフルタミフル®® vsvs 無治療群無治療群

22報報；；リレンザリレンザ®® vsvs 無治療群無治療群

対象対象

評価項目評価項目

有熱期間有熱期間

活動性活動性・・全身状態全身状態のの改善改善、、学校学校へのへの通学通学復帰時期復帰時期

CARIFCARIF ( ( Canadian acute respiratory Canadian acute respiratory infection and flu scoreinfection and flu score))のの推移推移

結論結論

小児小児のの季節性季節性インフルエンザインフルエンザへのへの治療治療においてにおいて、、NANA阻害薬阻害薬はは、、

病日短縮病日短縮、、家族内感染予防家族内感染予防 →→有効性有効性はは低低いい 喘息患者喘息患者のの発作誘発抑制発作誘発抑制

→→ほとんどほとんど抑制効果抑制効果がないがない 抗生剤併用抑止抗生剤併用抑止

→→効果効果がが低低いい

えっえっ？？？？

結論結論

British medical journal ; 2009, 339

結論結論

軽症インフルエンザを中心にした研究！

抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬とと、、そのその耐性耐性

①①抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬のの種類種類とと作用機序作用機序

②②抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬のの有効性有効性

④④耐性耐性ウイルスウイルスのの病原性病原性とと流行流行

③③抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬のの問題点問題点

⑤⑤新薬新薬のの開発開発

耐性耐性ウイルスウイルスのの出現出現

異常行動異常行動とのとの因果関係因果関係？？

抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬（（タミフルタミフル®®））のの問題点問題点

NANA阻害薬耐性阻害薬耐性ウイルスウイルスのの出現出現

タミフルタミフル®® ＿＿成人成人のの場合場合 00..44～～22％％ ＿＿小児小児のの場合場合 44～～1818％％

リレンザリレンザ®® ＿＿重症乳児免疫不全重症乳児免疫不全のの11症例症例

タミフル®耐性ウイルスの出現

4~7日後 一部のヒト

健康なヒト

NA阻害薬耐性ウイルスの性質

• NAに薬剤耐性が起こるということは・・・

薬剤耐性獲得薬剤耐性獲得→→NANAのの変異変異 感染性感染性・・増殖性増殖性

NANA阻害薬耐性阻害薬耐性ウイルスウイルスのの性質性質

NANAにに薬剤耐性薬剤耐性がが起起こるとこると

＿＿増殖性増殖性

＿＿感染性感染性

いずれもいずれも低下低下するする

Influenza A(H1N1) virus resistance to oseltamivir - Last quarter 2007 to 5 May 2008 The detection of an increased number of A(H1N1) viruses with resistance to oseltamivir was initially reported to WHO from Norway on 25th January. Before recent detection of a high prevalence of oseltamivir resistance in influenza A (H1N1) viruses with a specific neuraminidase mutation (H274Y) in Norway, such resistance was rarely observed in community isolates. In addition to Norway, several other countries in Europe and North America have found an elevated prevalence of oseltamivir-resistant viruses this season. However, insufficient data are available at present to determine the full geographic scope, origins, or patterns of transmission of these oseltamivir resistant H1N1 viruses.

タミフル®耐性H1N1ウイルスの性質

• NAに薬剤耐性が起こっても・・・

薬剤耐性獲得薬剤耐性獲得→→NANAのの変異変異 感染性感染性・・増殖性増殖性

世界的なタミフル®耐性H1N1ウイルスの流行（仮説）

集団

別の集団

別の集団

別の集団

2007/08検体採取の分布

鳥取県 10検体

愛知県 7検体

大阪府 33検体

神奈川県 128検体

東京都 24検体

総検体数：202

茨城県 7検体

大阪府 17検体

神奈川県 37検体

東京都 8検体

総検体数：69

2008/09検体採取の分布

0

5

10

15

20

25

1 14 27 40 53 66 79 92 105 118 131 144 157 170 183 196 209 222 235 248１ 50 100 1000 3000 5000 7000 9000 11000

検体数

IC50, nmol/L

2007-09オセルタミビル感受性試験

耐性出現率69/69；100％

タミフルタミフル®®耐性耐性HH11NN11ウイルスウイルスのの流行流行

20072007//0808シーズンシーズン、、日本全国日本全国ででタミフルタミフル®®耐性耐性ウイルスウイルスはは約約11..55％％であったであった。。

20082008//0909シーズンシーズンではでは、、100100％％全全てのてのHH11NN11ウイルスウイルスががタミフルタミフル®®耐性耐性ウイルスウイルス

であったであった。。

謎謎①①

感染性感染性、、増殖性増殖性はは？？

謎謎②②

臨床的臨床的なな、、病原性病原性のの変化変化はは？？

タミフルタミフル®®耐性耐性HH11NN11ウイルスウイルスのの流行流行

※武井先生のご発表に！

0

5

10

15

20

25

1 14 27 40 53 66 79 92 105 118 131 144 157 170 183 196 209 222 235 248１ 50 100 1000 3000 5000 7000 9000 11000

検体数

IC50, nmol/L

2007-09オセルタミビル感受性試験

耐性出現率69/69；100％

そもそもそもそも、、ICIC5050とはとは？？

“Half maximal (50%) inhibitory concentration”

特定の薬物が、生物学的プロセス（酵素、受容体、

増殖）の半数を阻害されるには、どれだけの薬剤

濃度が必要かを示す

タミフル®、リレンザ®がウイルス表面のNA活性を

50％阻害する薬剤濃度のこと

IC50の解析方法

タミフル® mol/L Log10

タミフル®感受性ウイルスと耐性ウイルス

タミフル mol/L

酵素活性（％）

Log10

300300~~550000 IleIle222222ThrThr

100100~~300300

100100~~300300

500500～～50005000

100100～～500500

100100～～500500

1000010000～～3000030000

ＩＣＩＣ５０５０ nmolnmol//LL

AspAsp198198AsnAsn

GlyGly402402SerSer BB

HisHis274274Tyr Tyr AA（（HH11NN11））

AsnAsn294294SerSer

GluGlu119119ValVal

ArgArg292292LysLys AA（（HH33NN22））

NANA変異変異 ウイルスウイルス

（（季節性季節性ウイルスウイルス）） NN22numberingnumbering systemsystem

タミフルタミフル®®治療治療によるによる耐性耐性ウイルスウイルス

300300~~550000 framework siteframework site IleIle222222ThrThr

100100~~300300

100100~~300300

500500～～50005000

100100～～500500

100100～～500500

1000010000～～3000030000

ＩＣＩＣ５０５０ nmolnmol//LL

framework siteframework site AspAsp198198AsnAsn

catalytic sitecatalytic siteのの近近くく GlyGly402402SerSer

BB

framework siteframework site HisHis274274Tyr Tyr AA（（HH11NN11））

framework siteframework site AsnAsn294294SerSer

framework siteframework site GluGlu119119ValVal

ccatalyatalytiticc sitesite ArgArg292292LysLys

AA（（HH33NN22））

アミノアミノ酸変異部位酸変異部位 NANA変異変異 ウイルスウイルス

（（季節性季節性ウイルスウイルス））

タミフルタミフル®®治療治療によるによる耐性耐性ウイルスウイルス

ＣＣatalyatalytiticc sitesiteととＦＦramework siteramework siteのの違違いい

ＣＣatalyatalytiticc sitesite：： 基質基質とと直接結合直接結合するする重要重要なな機能機能をを担担うう部位部位

ＦＦramework siteramework site：：

基質基質とはとは直接結合直接結合しないがしないが結合結合ポケットポケットのの骨骨 格部分格部分にに存在存在しし基質結合部位基質結合部位のの構造構造のの安定安定 性性をを担担うう部位部位

抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬（（タミフルタミフル®®））のの問題点問題点

耐性耐性ウイルスウイルスのの出現出現

異常行動異常行動とのとの因果関係因果関係？？

タミフルタミフル®®内服内服とと異常行動異常行動

20072007年年33月月、、厚生労働省厚生労働省はは1010代代ののインフルインフルエンザエンザ患者患者ににタミフルタミフル®®のの使用使用をを中止中止

・・症例症例 11,, タミフルタミフル®®内服後内服後にに、、マンションマンションからから飛飛びび降降りり死亡死亡したした1313歳男児歳男児

・・症例症例 22,, タミフルタミフル®®内服後内服後にに、、家家のの中中をを走走りり回回りり、、道道路路にに飛飛びび出出しし車車とと接触死亡接触死亡したした1717歳男児歳男児

因果関係因果関係はあるのかはあるのか？？

横田横田らはらは、、インフルエンザインフルエンザのの経過中経過中にに異常行動異常行動をを呈呈したした症例症例についてについて全国調査全国調査をを行行ったった（（20072007年年））

・・タミフルタミフル®®患者患者 1111..99％％ ・・タミフルタミフル®®「「未未」」患者患者 1010..66％％

FukeFukeらはらは、、タミフルタミフル®®内服後内服後、、数時間数時間でで転落死転落死したした1313歳歳ののインフルエンザインフルエンザ患者患者のの各臓器中各臓器中ののタミフルタミフル®®濃度濃度をを分分析析したした。。

・・血液血液、、肺肺、、肝臓肝臓；；00..44、、11..44、、1818..33 μμgg//gg ・・脳組織脳組織；；検出検出されずされず （（00..11μμgg//gg以下以下）） →→タミフルタミフル®®はは脳内脳内にに移行移行していないしていない、、

もしくはもしくは検出限界以下検出限界以下であるである

有意差はなし

動物実験動物実験ではでは

幼若幼若ラットラットでで、、血液脳関門血液脳関門のの透過性透過性がが亢進亢進しし神経興奮神経興奮作用作用がが強強まることをまることを明明らかにしたらかにした

→→タミフルタミフル®®自体自体がが中枢神経中枢神経系系にに影響影響をを及及ぼすぼす

タミフルタミフル®®開発時開発時のの単回投与毒性試験単回投与毒性試験ではでは、、生後生後77日日目目のの幼若幼若ラットラットににタミフルタミフル®®をを10001000mgmg//kgkg（（小児小児のの推奨推奨量量のの500500倍倍））投与投与

→→死亡例死亡例ではでは、、タミフルタミフル®®のの脳内濃度脳内濃度がが上昇上昇

Izumi Y, et al; Neuroexcitatory actions of Tamiflu and its carboxylate metabolite. Neurosciene Letters, 2007, 426 54-58

Hoffman-La-Roche. ‘Dear Healthcare Professional’ letter. Roche Pharmaceuticals, Basel, Switzerland, 2003.

タミフルタミフル®®とと異常行動異常行動のの因果関係因果関係

結論結論

残念残念ながらながら分分りませんりません

抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬とと、、そのその耐性耐性

①①抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬のの種類種類とと作用機序作用機序

②②抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬のの有効性有効性

④④耐性耐性ウイルスウイルスのの病原性病原性とと流行流行

③③抗抗インフルエンザインフルエンザ薬薬のの問題点問題点

⑤⑤新薬新薬のの開発開発

新薬新薬のの開発開発

①①CSCS--89588958 （（第一三共株式会社第一三共株式会社））

→→NANA阻害薬阻害薬

②②ペラミビルペラミビル （（塩野義製薬塩野義製薬））

→→NANA阻害薬阻害薬

③③TT--705705 （（富山化学工業富山化学工業））

→→RNARNAポリメラーゼポリメラーゼ阻害剤阻害剤

経鼻投与後、肺で生成したR-125489は

肺に長期貯留する。

1回吸入投与でも良好な治療効果を示す。

週1回投与で予防効果が期待

CS-8958の活性体

強いノイラミニダーゼ阻害活性

培養細胞でのウイルス増殖を強く阻害

新型H1N1にも阻害活性示す

加水分解

CS-8958 と R-125489

CS-8958 R-125489

O C O 2 H

H H N

O H 3 C O

H N H

N H

N H 2 O

H 3 C

H 3 C O H

H H O H

・ H 2 O

O C O 2 H

H H N

O

H N H

N H

N H 2 O

H 3 C

H 3 C O H

H H O H H

NA阻害剤の化学構造

Zanamivir Oseltamivir carboxylate

Peramivir RWJ-270201

PeramivirPeramivir NANA阻害剤阻害剤（（BioCrystBioCryst社社（（米国米国））よりより導入導入）） 高病原性鳥高病原性鳥インフルエンザウイルスインフルエンザウイルス（（HH55NN11））ににもも高高いい有効性有効性

点滴静脈注射薬点滴静脈注射薬

単回投与単回投与によるによる有効性有効性をを確認確認

NANAへのへの結合力結合力がが強強くく，，解離解離しにくいしにくい

新薬新薬のの開発開発

①①CSCS--89588958 （（第一三共株式会社第一三共株式会社））

→→NANA阻害薬阻害薬

②②ペラミビルペラミビル （（塩野義製薬塩野義製薬））

→→NANA阻害薬阻害薬

③③TT--705705 （（富山化学工業富山化学工業））

→→RNARNAポリメラーゼポリメラーゼ阻害剤阻害剤

Influeza _ 8 RNA segments

PB2_2300 PB1_2300

PA_2200 HA_1700

NP_1500 NA_1410

M_1000 NS_1000

3’末端、5’末端は相同性あり

謝辞謝辞

インフルエンザインフルエンザ検体提供検体提供 菅谷憲夫先生菅谷憲夫先生（（けいゆうけいゆう病院病院））

三田村敬子先生三田村敬子先生（（永寿総合病院永寿総合病院））

山崎雅彦先生山崎雅彦先生（（座間小児科診療所座間小児科診療所））

市川正孝先生市川正孝先生（（市川市川こどもこどもクリニッククリニック））

藤野元子先生藤野元子先生（（東京都済生会中央病院東京都済生会中央病院））

韮澤真理先生韮澤真理先生（（東京都済生会中央病院東京都済生会中央病院））

木村和弘先生木村和弘先生（（伊勢原協同病院伊勢原協同病院））

高橋和郎先生高橋和郎先生（（大阪府衛生研究所大阪府衛生研究所））

金田聡子先生金田聡子先生（（鳥取県環境衛生研究所鳥取県環境衛生研究所））

皆川洋子先生皆川洋子先生（（愛知県衛生研究所愛知県衛生研究所））

系統樹解析系統樹解析 杉田繁夫先生杉田繁夫先生（（JRAJRA競走馬総合研究所競走馬総合研究所））

NANA遺伝子遺伝子、、ウイルスウイルス価解析価解析 川上千春先生川上千春先生（（横浜市衛生研究所横浜市衛生研究所））

清水秀明先生清水秀明先生（（川崎市衛生研究所川崎市衛生研究所））

臨床症例臨床症例のの解析解析 菅谷憲夫先生菅谷憲夫先生（（けいゆうけいゆう病院病院））

三田村敬子先生三田村敬子先生（（永寿総合病院永寿総合病院））