12 29 87 30 30 40 21 19 Society 5.0 for SDGs ユーグレナ社長 いずも 雲 充 みつる 23 20207

ミレニアル世代の決意 令和の日本を切り拓くスイスのビジネススクールIMD「世界 の年末ばれた。1989(平成元)年のことだ。そ競争力ランキング」で、日本は世界一に選

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: ミレニアル世代の決意 令和の日本を切り拓くスイスのビジネススクールIMD「世界 の年末ばれた。1989(平成元)年のことだ。そ競争力ランキング」で、日本は世界一に選

 

スイスのビジネススクールIMD「世界

競争力ランキング」で、日本は世界一に選

ばれた。1989(平成元)年のことだ。そ

の年末12月29日、大納会の日経平均株価終

値は史上最高値3万8915円87銭。バブ

ル経済絶頂期、私は小学3年生だった。

 

それから平成の30年間で、日本はどんな

変化を遂げたのだろう。

 

日本の労働生産性は7万6189ドルで

G7最下位。8万1071ドルの韓国だけ

でなく、トルコやギリシャにも抜かれてし

まい、日本の国際競争力は1位から30位ま

で低下した。私は途上国の貧困問題を解決

するため、東大でベンチャー企業を立ち上

げ、40歳になり、1980年以降に生まれ

たミレニアル世代で初めて副議長を拝命し

た。

 

失われた活力を、取り戻さなければなら

ない。そのための武器はアントレプレナー

シップとDX(デジタルトランスフォーメ

ーション)。

 

アントレプレナーシップと生産性は極め

て強い相関があることで知られている。新

しい発想でもって、既存の経営資源(人材・

技術・資本)を組み直したり、新しい会社

を立ち上げることは生産性向上に一番イン

パクトがあるのだが、日本は高度経済成長

の時代に世界で最も早く成功したため、人

口減少時代に必要なイノベーション人材育

成とデジタル対応が世界で最も遅れた。

 

AI/5G(第5世代移動通信システ

ム)時代にデータは21世紀の石油となり、

その活用が企業の生死を分かつと言われる

ようになって久しいが、肝心のDXを推進

する起業家人材はいったいどこにいるのだ

ろう。

 

その答えがミレニアル世代だ。2000

年から社会人になり出したミレニアルは、

生まれた時からインターネットに触れてい

る初めてのデジタルネイティブだ。リーマ

ンショックや東日本大震災、異常気象やC

OVID‒

19(新型コロナウイルス感染症)

のなかで育ったことから持続可能な社会づ

くりに真剣で、SDGsを達成するために

スタートアップ企業を立ち上げることも当

たり前になってきている。

 

Society 5.0 for SDGs

は、経団連加盟企業

と大学、若者が三位一体イノベーションを

起こすことできっと達成できる。令和の日

本を切り拓くチャンスをどうか若者に、学

生に、ミレニアルに与えてほしい。

令和の日本を切り拓く

ミレニアル世代の決意

ユーグレナ社長

出いずも

雲 充みつる

23 2020・7

p16-23_月刊経団連7月号_新副議長からのメッセーシ.indd 23 2020/06/22 14:52