16
株主の皆様へ 今期の業績のご報告および 今後のキリングループの飛躍的成長に向けて 特集・2009年 キリングループ事業方針を発表 ・グループシナジーの創出に向けて

ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

株主の皆様へ今期の業績のご報告および今後のキリングループの飛躍的成長に向けて⦆特集・2009年 キリングループ事業方針を発表・グループシナジーの創出に向けて

Page 2: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

2008年、キリングループはキリンビール社の貢献や戦略投資の効果等により、連結売上高は2兆

3,000億円を超え、営業利益とともに過去最高となりました。グループは想定を超える厳しい事業環

境に直面していますが、「質的拡大」への変革を加速させ、強い意欲と実行力を持ってこの環境を自分

たちで変えていく「攻めの経営」を推進してまいります。

株主の皆様へ

0

5

10

15

20

25

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

0

200

400

600

800

1,000

0

300

600

900

1,200

1,500

'06 '07 '08 '06 '07 '08 '06 '07 '08 '04 '05 '06 '07 '08

16,659

1,206

1,459

535

18,011

23,035

1,163

667

801

13.5

14.5

17.0

21.023.0

(6.5) (7.0)(8.0)

(11.5)

連結売上高 連結営業利益 連結当期純利益 1株当たり配当金(単位:億円) (単位:億円) (単位:億円) (単位:円)

(9.0)

0

5

10

15

20

25

'04 '05 '06 '07 '08

1

13.5

14.5

17.0

21.023.0

(6.5) (7.0)(8.0)

(11.5)

1株当たり配当金(単位:円)

(9.0)

1

代表取締役社長

2009年の経営テーマは収益性を重視した

「質的拡大」による成長戦略です。綜合飲料グ

ループ戦略*の推進等、なすべきことをスピー

ド感を持って実行していくことにより、質的拡

大を成し遂げます。2008年は、事業基盤と規

模の拡大に成功しました。2009年については、

拡大したグループ基盤を活かしたシナジーの創

出や、効率性を追求した質的拡大のステージと

し、より一層の収益性の向上を目指します。戦

略投資は継続しますがシナジー創出効果を重視

したものとし、また、既存事業についても非連

続的な収益の改善に取り組んでまいります。

収益性を重視した「質的拡大」による成長戦略の推進

*市場のボーダレス化に対応し、バリューチェーンを融合す

ることで新たな企業価値、お客様価値を創造するという、

酒類・飲料のシナジー創出とその仕組みづくりのこと。

Page 3: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

キリングループは、「食と健康」の事業領域

でアジア・オセアニアにおけるリーディングカ

ンパニーとなるとともに、KIRINブランドが

「信頼」と「躍進」のブランドとしてお客様に支

持されることを目指しています。世界レベルで

環境への関心が高まり企業としての責任ある行

動が求められる中、キリングループではグルー

プすべての企業活動にCSRの視点を組み込み展

開します。2009年からはグループ全体で「低

炭素企業グループの実現」をテーマに掲げ、ア

クションを開始します。

これからも、キリングループへのご支援をよ

ろしくお願い申し上げます。

グループすべての企業活動にCSRの視点を組み込む

また、キリングループの長期経営構想「KV

2015」の達成に向け、「事業会社の自律的成長」

「グループシナジーによる成長」「大胆な資源配

分による成長」の3つの成長パターンを展開し

ていますが、2009年はこの3つの成長パターン

の有機的な融合を一層加速させ、さらなる発展

を図ります。「事業会社の自律的成長」では、酒

類事業と飲料事業のバリューチェーンを有機的

に融合し、国内外で綜合飲料グループ戦略を推

進します。「グループシナジーによる成長」に

向けては、優先課題を整理、目標を定量化しな

がら徹底的なマネジメントを進めます。「大胆

な資源配分による成長」に関しては、シナジー

創出をにらんでアジア・オセアニアを中心に飲

料および酒類事業への投資に継続して取り組む

とともに、事業ポートフォリオの最適化も進め

ます。なお、アジア・オセアニアにおける綜合

飲料グループ戦略はすでに加速度をもって進捗

しています。本年2月20日にはフィリピン・サ

ンミゲル社の国内ビール事業会社であるサン

ミゲルビール社の株式購入契約を締結しまし

た。サンミゲルビール社はフィリピン国内市場

で約95%という圧倒的なシェアと高い収益性

を持っており、今後当社は同社への出資比率を

最大で49%に高める予定です。生産・販売の

両面におけるアジア・オセアニア市場での事業

基盤の確立を目指すとともに、キリングループ

の酒類事業のシナジー創出を推進します。

今後も、キリングループの長期経営構想

「KV 2015」の早期達成に向け、最大の努力を

してまいります。

3つの成長パターンの有機的な融合を一層加速

2

株主の皆様には恒例となった「THE キリン検

定」。キリンについて詳しいと自信のある方も、

キリン検定は「ハーモニア」をお読みいただい

てからチャレンジしてください。きっと新しい発

見があるはずです。

2009年に発売20年目を迎えるキリンビールのビール定番商品は?

中国上海などで人気のキリンブランド清涼飲料商品は?

キリングループが支援する、今年で30回目を数えるサッカーの国際大会は?

キリングループと協和発酵グループの戦略的提携のもと、2008年10月より発足した会社は?

2008年11月に新たにキリングループに加わった豪州の会社は?

2009年事業計画で軸として取り組む成長パターンはいくつ?

当期(170期)の年間配当額は?

Q1

Q2

Q3

Q4

Q5

Q6

Q7食環境の未来を考え、次世代の食を楽しむ力を養うためにつくられたのは?Q8

THE キリン検定 3

Page 4: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

3

2009年 キリングループ事業方針を発表「事業会社の自律的成長」「グループシナジーによる成長」「大胆な資源配分による成長」の“3つの成長パターン”を軸に経営に取り組み、“量的拡大”から“質的拡大”への変革を実現することで、キリンブランドの価値向上を目指します。

2009年は、次期中計の準備年度として、グループプレミアムの拡大を目指します。

【綜合飲料グループ戦略】キリンブランドの価値向上の基盤となる「事業会社の自律的成長」を加速す

るため、各事業においてシナジーを最大化する柱とな

るのが綜合飲料グループ戦略です。キリンビール社

は、引き続き総合酒類提案力の向上や、グループ連携

強化によりお客様から最も支持されるとともに、厳し

い事業環境の中でも安定した利益を生み出す強い企業

体質を構築します。メルシャン社は、ワイン・加工

用酒類へ経営資源を集中し、収益性の改善に取り組

むとともに、「ストロングNO.1」に向け、選択と集

中、お客様視点を重視した戦略を展開します。

国内綜合飲料グループ戦略推進のもう一つの鍵と

なるキリンビバレッジ社は、お客様本位の原点に立

ち戻り、「量的拡大」から「質的拡大」へと大きく

戦略を転換します。また、引き続きキリンビール社

と各バリューチェーンでの連携による価値創造に取

り組みます。

海外でも綜合飲料グループ戦略を進め、2015年

の海外売上高比率30%実現に向けて、引き続きア

ジア・オセアニアを中心に各事業の“質的拡大”と

“シナジー創出”を目指します。

【健康・機能性食品事業】健康・機能性食品事業推進プロジェクトを中心に、グループ全体の力を結

集した取り組みを始動しています。飲料を中核とし

た“お客様が健康を意識して摂取する全ての食品”

を領域に、グループ横断的な商品開発を検討し、

2010年の第一弾商品上市を目指します。

【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキリンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

ン協和フーズ社」が発足します。両社がそれぞれ培

ってきた発酵関連技術を基盤に、おいしさや健康を

訴求した食品素材を提案していきます。

【医薬事業】協和発酵キリン社の「2008-2010年度中期経営計画」に則り、「がん」「腎」「免疫疾

患」を中心とした領域で、抗体技術を核とした最先

端のバイオテクノロジーを駆使し、世界の人々の健

康と豊かさに貢献するグローバル・スペシャリティ

ファーマを目指します。

各事業会社の自律的な成長に向けての取り組み

2009年事業計画 【基本方針】

■“3つの成長パターン”を軸とした、基盤事業の強化と飛躍的な成長の実現

①国内酒類事業の再成長②国内綜合飲料グループ戦略の推進

③国際綜合飲料グループ戦略の推進/国際化の推進 ④健康・機能性食品事

業の展開⑤医薬事業の成長加速⑥既存各事業の展開

⑦コスト競争力の強化

■グローバルな競争環境下での強みとなるグループシナジーの創出

■企業価値の最大化に向けた、最適なグループ経営体制の構築と運営力強化

■キリングループCSRの推進

“3つの成長パターン”を“質的拡大”の実現に向け集中させる「事業会社の自律的成長」綜合飲料グループ戦略の推進=事業会社の自律的成長戦略の加速

「グループシナジーによる成長」シナジー目標の設定と管理・最適なグループ経営体制の構築と運営力強化

「大胆な資源配分による成長」商品やエリア的にシナジー創出効果の高い投資・事業ポートフォリオの最適化

【2009年目標】】(連結)

売上高2兆3,000億円

営業利益1,210億円

ROE 6.0%

海外売上高比率(酒税抜き) 24%

質的拡大

Page 5: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

4

2009年から次期中計にかけての最重要課題は「シナジーの創出」。

グループシナジーによる成長今中計前半では、飛躍的成長に向けた事業領域

の拡張を中心に取り組みました。これらの経営資

源を掛け合わせることで生まれる「売上シナジー」

と、効果的活用や整理統合することで生み出す

「コストシナジー」の創出を、2009年から次期中

計にかけて最重要課題として取り組みます。

まず、「シナジープロジェクト」で抽出した優先

課題を中心に、各事業会社・部門と連携した活動

を推進します。2009年からは具体的なシナジー

定量目標および達成に向けたスケジュールを策定

し、進捗を管理していきます。「売上シナジー」に

ついては、キリンビール社およびキリンマーチャン

ダイジング社とメルシャン社の連携による販売チャ

ネル強化、キリンビール社とキリンビバレッジ社に

よる業務用市場や自販機設置での協働、医薬事業

での統合によるESA製剤*販売強化などを、具体

的施策と定量目標で進捗管理します。「コストシナ

ジー」では、すでに一部開始しているグループでの

調達コスト削減や製造における協働、グループ最

適の観点からの生産・物流拠点の見直しなどに取

り組みます。同様に海外の綜合飲料グループ戦略

においても、中国では麒麟(中国)投資有限公司

を中心に、豪州でもさらなる成長に向けた戦略を

推進します。

* Erythropoiesis Stimulating Agents(赤血球造血刺激因子製剤)

大胆な資源配分による成長と財務戦略「事業会社の自律的成長」と「グループシナジー

による成長」をより高次元で実現するために、既

存の中核事業と商品やエリア的にシナジー創出効

果が高い分野への投資を引き続き探索します。

これらの施策を支えると同時に企業価値の最大

化に向けて、株主重視の経営および飛躍的な成長

を実現するための財務戦略を引き続き推進します。

また、配当については、連結配当性向30%以上を

指標とし、安定的な配当を基本に、実質的利益水

準の向上に伴う配当増額を目指していきます。

キリングループCSRの推進キリングループは、企業価値の継続的拡大のた

めに、すべての企業活動にCSRの視点を組み込

み、自然・社会との共生を図っていきます。「事業

を通じてのCSR」では、日々の事業活動の中で

CSRを常に意識することで、より高いレベルで

のCSRを実現します。「企業市民としてのCSR」

では、事業活動の領域を超えたステージで、環

境・スポーツ支援などの社会貢献活動を推進しま

す。そして2009年からは、グループ全体で「低

炭素企業グループの実現」を中長期的なテーマと

して、アクションを開始します。

商品やエリア的にシナジー創出効果が高いアジア・オセアニアを中心とした飲料および酒類事業への投資を継続、事業ポートフォリオの最適化

シナジー目標を定量化した目標管理や事業拠点配置のグループ最適化

酒類事業と飲料事業のバリューチェーンを有機的に融合し綜合飲料グループ戦略を推進

自律的成長

3つの成長パターン

大胆な資源配分 グループシナジー

投資計画の基本方針~3つの重要項目に投資を集中~

①独自の成長戦略である「綜合飲料グループ戦略」推進

②売上/コストシナジーを創出する飛躍的な成長

③コストシナジーを創出するためのインフラ・機能強化

Page 6: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

2008年グループトピックス:グループシナジーの創出に向けてキリングループは、グローバルな競争環境下で企業価値を高め、アジア・オセアニアのリーディングカンパニーとなることを目指します。

2008年は積極的なM&A効果等により事業規模を拡大。2009年は収益性を重視した“質的拡大”を目指してまいります。

当社100%子会社であり、豪州第1位の乳事業会社であるナショナ

ルフーズ社は、2008年11月、同第2位のデアリーファーマーズ社の

全発行済み株式を総額8.84億豪ドル(約566億円*)で取得しました。

キリングループは、長期経営構想「KV2015」で、アジア・オセ

アニアのリーディングカンパニーを目指すことを目標として掲げてお

り、同地域において収益性を重視した「食と健康」領域での事業戦略

を推進しています。

デアリーファーマーズ社は、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製

品の製造・販売を行っています。今回の買収によりナショナルフーズ

社では、安定的な生乳調達による収益性の向上と、全乳製品カテゴ

リーで強力なブランドを獲得することによる販売拡大が期待されま

す。また、キリングループは、ライオンネイサン社・ナショナルフー

ズ社・デアリーファーマーズ社との連携により、アジア・オセアニア

における綜合飲料グルー

プ戦略をさらに推進して

いきます。

豪州ナショナルフーズ社による豪州デアリーファーマーズ社買収

協和発酵工業株式会社とキリンファーマ株式会社が

経営統合し、2008年10月1日、「協和発酵キリン株

式会社」が発足しました。

協和発酵キリン社は、バイオテクノロジーを強みと

する製薬会社です。協和発酵とキリンファーマ、そ

れぞれが培ってきた抗体医薬の先進技術や重点領域に

おける研究・開発力を融合させることで創薬力のさら

なるスピードアップを図り、世界中の人々の健康に貢

献することを目指します。

【協和発酵キリン医薬事業ビジョン】

がん、腎、免疫疾患を中心とした領域で、抗体技術

を核にした最先端のバイオテクノロジーを駆使して、

画期的な新薬を継続的に創出します。また、開発・販売をグローバルに展開することによ

り、世界の人々の健康と豊かさに貢献する、日本発のグローバル・スぺシャリティファー

マとなります。

協和発酵キリン株式会社誕生 2008.112008.10

*1豪ドル=64円換算(2008年11月12日時点)

商号

本社所在地

代表者

資本金

従業員数

事業内容:医療用医薬品の製造・販売およびグループ子会社の管理・支援

協和発酵キリン株式会社(英文 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd.)

東京都千代田区大手町一丁目6番1号

代表取締役社長  松田 譲

26,745百万円

7,856名(連結ベース、2008年12月末現在)

協和発酵キリン社概要

5

Page 7: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

6

グループ最前線

キリンビール社では2009年、健康志向のさらなる拡大を踏

まえ、前年に成果を挙げた3つの課題を進化・発展させ、「定番

商品強化」「健康志向への対応強化」「総需要拡大」として展開

します。また、グループの技術力を活かした「エビデンスマー

ケティング*1」の考え方に基づき、商品を通じて明確な価値提

案を行うことで、多様化するお客様ニーズへの対応に積極的に

取り組みます。

定番商品の強化として、ビール市場では、2009年に発売

20年目を迎える「キリン一番搾り生ビール」をリニューアルし

ました。発泡酒市場では、「麒麟淡麗〈生〉」のブランド力をさ

らに強化するため、「本格的なうまさと爽快なキレ味」という

価値を訴求していきます。新ジャンル市場では、「キリン のど

ごし〈生〉」を中心に、技術力に裏づけされた商品力の高さを、

好評なCMや店頭での展開を通じて改めて訴求していきます。

健康志向は2009年も引き続き高まっていくと予想され、キ

リンビール社では幅広いラインアップをそろえることで、さら

なる支持拡大を図ります。また、総需要拡大に向けた取り組み

では、RTD*2 や焼酎、清涼飲料などとの業際を強化するこ

とで、お客様への新たな価値提案を行っていきます。4月には、

車の運転前やスポーツの前後など、これまで飲めなかったシー

ンで安心して楽しめるノンアルコール・ビールテイスト飲料

「キリン フリー」を発売します。また、RTD市場では20代に

加え、30~40代への提案強化によるさらなる市場拡大を図る

べく、食事をおいしくする食前酒として「キリンチューハイ

氷結 アペリティフ」を発売します。

キリンビール社ではさらにグループ連携を進めることで、グ

ループ全体の成長に貢献するマザービジネスとしての役割を果

たすべく、綜合飲料グループとしての基盤強化を推進します。

お客様の嗜好が多様化する中、低価格な商品に関心が高

まる一方、高価格であっても高品質な商品にこだわりを求

められるお客様が増えるなど、嗜好の二極化が大きなトレ

ンドとなっています。そこでキリンビバレッジでは「安

心・安全・健康」「環境」そして「本当のおいしさ」といっ

た3つのキーワードを商品開発のテーマとし、基盤ブラン

ドの一層の強化や新たな高付加価値商品の提案を行います。

基盤ブランドの強化としては、2009年に発売10周年を

迎える缶コーヒー「キリン ファイア」の品質の向上と新提

案を行うほか、「キリン 生茶」のリニューアル新発売や、

紅茶飲料ナンバーワンブランド*である「キリン午後の紅

茶」のラインアップを拡充します。

また、新たな高付加価値商品の提案として、ウコンエキ

ス飲料「キリン 発酵ウコン」を新発売します。「おいしさ

のプレミアム飲料」として独自のポジションを構築した

「キリン世界のKitchenから」では、2月に「とろとろ桃のフ

ルーニュ」を、また昨年5月の発売からご好評をいただく

健康ブレンド茶「キリン 潤る茶」をコラーゲン、ビタミン

Cなどを増量しリニューアルしました。

今後も、キリンビバレッジならではの、付加価値の高い

“モノづくり”にこだわり、お客様のあらゆる生活シーンに

貢献していきます。また、引き続きキリンビール社とのシ

ナジーを最大限に発揮させた価値創造に取り組むなど、「綜

合飲料グループ戦略」を推進していきます。

お客様の生活価値を革新し続けるため、モノづくりに徹底的にこだわる

*1

*2

商品を通じて、わかりやすい根拠・裏づけのある価値をお客様に提案していくマーケティング手法。RTD:Ready to Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める飲料。

グループの成長に向けたマザービジネスとして、綜合飲料グループ戦略を推進

* 食品マーケティング研究所調べ。

Page 8: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

IR室より

7

豪州ナショナルフーズ社や協和発酵キリン社の連結ならびに海外酒類事業の好調などにより増収

国内外での原材料価格高騰などの影響を受けたものの、海外酒類事業の好調や協和発酵キリン社の連結、さらにグループ全体でコスト削減に努めた結果、増益

豪ドルに対する急速な円高により為替差損が発生し減少

協和発酵工業社(当時)とキリンファーマ社の株式交換により4月に発生した特別利益等で増加

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

0

300

600

900

1,200

1,500

0

300

600

900

1,200

1,500

0

200

400

600

800

1,000

※2009年の業績予想:2009年2月10日発表

16,322 16,659 18,011

1,206 1,148 1,208 1,233

512 535

667

1,117 1,163

'05 '06 '07 '08 '09(予想)

'05 '06 '07 '08 '09(予想)

'05 '06 '07 '08 '09(予想)

'05 '06 '07 '08 '09(予想)

連結売上高 連結営業利益 連結経常利益 連結当期純利益

23,035 23,000

1,459

1,210

1,030

1,250 801

570

2008年決算のポイント

キリングループは国内外で戦略投資等による積

極的な事業展開を進めています。その結果、長期

経営構想「KV2015」の2年目にあたる2008年

の連結売上高は、2兆3千億円に拡大しました。

また、景気減速や市場での競争激化など、事業環

境が厳しさを増す中、グループのマザービジネス

であるキリンビール社がたゆまぬ努力で利益を確

保したことや、豪州ライオンネイサン社が安定的

に好業績を確保するなど、酒類事業が連結営業利

益を牽引しました。

キリングループが国内外で順調に規模を拡大す

る一方で、多岐にわたる事業展開によりグループ

の全体が分かりにくくなったとのお声もいただい

ています。IR室では変化するグループ全体の価

値が、中長期で適正な市場評価に反映されるよう、

“より分かりやすい開示”に努めてまいります。

IR室長 安藤 亮

Page 9: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

キリンビバレッジ社では、基盤ブランドのリニューアルや新商品の投入で積極的な需要喚起に努めました。しかし景気の減速や原材料価格高騰による物価上昇から消費マインドが冷え込み、国内飲料の販売数量は前年並みとなりました。海外では、中国で「キリン 午後の紅茶 ミルクティー」500mlペットボトルが引き続き高い評価を獲得し、販売数量が前年を大幅に上回ったことから、清涼飲料商品の合計販売数量は前年を上回りました。豪州ナショナルフーズ社では生乳価

格の高騰や原油価格の高騰による輸送

コストの上昇が収益に大きな影響を与えました。事業部門全体では豪州ナショナル

フーズ社と協和発酵キリン社の連結により、売上高は増加しましたが、原材料価格の高騰や消費の低迷、ならびに豪州ナショナルフーズ社株式取得に伴うのれん・ブランド償却費の計上等により、営業利益は減少しました。

キリンビール社では、ビール、発泡酒、新ジャンル市場で、原材料価格の高騰を受けて各社が実施した価格改定や、景気の減速による消費低迷が影響し、カテゴリー3種を合わせた販売数量は業界同様、前年を下回りました。しかし、糖質オフカテゴリー商品の販売数量が大幅増となり、市場を強力に牽引しました。「麒麟ZERO(ゼロ)」や「キリン のどごし〈生〉」の販売数量が伸びたほか、「キリン Spark l ingHop(スパークリングホップ)」「キリン ストロングセブン」等の新たな需要を創造する商品がお客様から高い支持を得ました。営業面では、市場変化のスピードや

お客様の嗜好の多様化に対応すべく2008年9月から営業本部内の組織体制を改編し、真に地域に密着した顧客関係力の構築に努めました。メルシャン社では、デイリーワイン

が、キリンマーチャンダイジング社と

の連携を深め好調に推移しましたが、業務用市場の不振等により、売上、営業利益ともに減少しました。海外酒類事業では豪州ライオンネイ

サン社が引き続き好調で、売上高、営業利益ともに増加しました。中国では、販売競争の激化と原材料

高騰に加え、経済環境の悪化の影響も受け、数量は前年同期比で減少しました。以上の結果、酒類事業部門の売上高

は前年並みとなりました。営業利益については、ライオンネイサン社の好調や、キリンビール社が原材料価格の高騰に対して価格改定や販売促進費・広告費の削減を進めたこと等により増加しました。

第2四半期より、協和発酵工業社がグループで医薬事業を展開してきたキリンファーマ社の親会社になると同時に、連結子会社になりました。2008年10月には両社の合併により新会社「協和発酵キリン社」が誕生しました。協和発酵キリン社の主力製品である貧血治療剤「ネスプ」ならびに「エスポー」は、積極的な情報提供が奏功し、2品目を合わせて市場における着実なシェ

アアップを果たし、抗アレルギー剤「アレロック」や抗アレルギー点眼剤「パタノール」等も堅調に推移しています。また、2008年1月に販売を開始した透析時の合併症を抑える二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「レグパラ」は早期市場浸透に努めました。以上の結果、売上高、営業利益とも

に大幅に増加しました。

その他の事業部門バイオケミカル事業は売上高は増加。

化学品事業は前年並みの売上高。アグリバイオ事業は売上は減少しましたが、利益は増加しました。

その結果、主に協和発酵キリン社の連結により、売上高、営業利益ともに増加しました。

酒類酒類

医薬

医薬

その他

その他

飲料・食品

飲料・食品

部門別営業利益

部門別売上高

医薬事業部門

飲料・食品事業部門売上高 1兆1,815億円(前期比 0.7%減)営業利益 1,099億円(前期比13.9%増)

売上高 7,166億円(前期比 51.0%増)営業利益 64億円(前期比 59.9%減)

売上高 2,338億円(前期比 247.9%増)営業利益 182億円(前期比 188.8%増)

売上高 1,715億円(前期比 145.3%増)営業利益 282億円(前期比 116.9%増)

酒類事業部門

※当第2四半期より、協和発酵工業社の業績が反映されています。また、各部門の詳細につきましては、平成20年12月期決算短信(ホームページ〈http://www.kir inholdings.co.jp/〉のIR・投資家情報)をご参照ください。

8

Page 10: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

財務データ連結貸借対照表

科目 / 期別 当 期平成20年12月31日

資 産 の 部

流動資産

現金及び預金

受取手形及び売掛金

有価証券

たな卸資産

繰延税金資産

その他

貸倒引当金

固定資産

有形固定資産

建物及び構築物

機械装置及び運搬具

土地

建設仮勘定

その他

無形固定資産

のれん

その他

投資その他の資産

投資有価証券

長期貸付金 

繰延税金資産

その他

貸倒引当金

資産合計

前 期平成19年12月31日

826,222

72,662

446,630

762

219,320

22,991

65,735

△1,879

1,793,400

791,311

229,619

217,872

244,240

57,244

42,335

449,469

343,975

105,493

552,619

425,384

9,343

34,700

87,139

△3,947

2,619,623

(単位:百万円) (単位:百万円)

1

2

3

連結損益計算書

科目 / 期別当 期

平成20年1月1日~平成20年12月31日

売上高売上原価売上総利益販売費及び一般管理費営業利益営業外収益

受取利息受取配当金持分法による投資利益その他

営業外費用支払利息製品廃棄売却損為替差損その他経常利益特別利益

固定資産売却益貸倒引当金戻入益投資有価証券売却益債務保証損失引当金戻入益関係会社株式売却益土地信託財産譲渡益持分変動利益自動販売機修繕引当金戻入益収用等補償金

特別損失固定資産廃棄損固定資産売却損減損損失投資有価証券評価損投資有価証券売却損事業構造改善費用関係会社株式売却損持分法投資損失在外会社過年度法人税延滞金のれん償却額事業整理損失統合関連費用固定資産臨時償却費損害賠償金

税金等調整前当期純利益法人税、住民税及び事業税過年度法人税等法人税等調整額少数株主利益当期純利益

前 期平成19年1月1日~平成19年12月31日

科目 / 期別 当 期平成20年12月31日

負 債 の 部

流動負債支払手形及び買掛金短期借入金1年以内償還社債未払酒税未払法人税等賞与引当金役員賞与引当金土地買戻損失引当金未払費用預り金その他

固定負債社債長期借入金繰延税金負債再評価に係る繰延税金負債退職給付引当金役員退職慰労引当金自動販売機修繕引当金土地買戻損失引当金受入保証金その他

負債合計

株主資本資本金資本剰余金利益剰余金自己株式

評価・換算差額等その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益土地再評価差額金為替換算調整勘定

新株予約権少数株主持分純資産合計負債純資産合計

前 期平成19年12月31日

純 資 産 の 部

719,613189,589119,197

44,112104,245

28,4955,647

257ー

116,56926,77384,725

750,012242,850257,731

55,7801,471

82,704673

4,7561,068

67,09335,882

1,469,625

983,772102,045

71,536839,248△29,058△55,959

37,43079

△4,713△88,756

162222,023

1,149,9982,619,623

4

44

(注)記載金額は百万円未満を切り捨てて表示しています。 (注)記載金額は百万円未満を切り捨てて表示しています。

9

634,629

55,009

361,127

246

148,649

19,906

52,190

△2,500

1,835,038

635,963

203,103

197,053

158,558

35,437

41,809

386,915

258,780

128,134

812,160

712,234

10,387

34,583

57,838

△2,884

2,469,667

1,801,1641,078,614

722,550601,942120,608

23,0941,9715,292

10,2825,548

20,31212,618

1,944―

5,749123,389

22,40419,728

687653

62184

1,089―――

17,3805,578

5642,361

23014

3,8781,7311,9291,092

―――――

128,41348,800△2,011

3,55411,35566,713

2,303,5691,392,895

910,673764,696145,977

27,8272,3996,566

11,8337,027

70,73925,385

1,07337,287

6,994103,065

96,58511,016

2222,313

―――

72,654787

9,59133,915

5,320322

3,5645,878

6073,451

―3,180

―1,5312,7144,643

7621,937

165,73564,026

―4,366

17,16080,182

891,760139,255404,725

ー108,260

31,9584,334

4422,987

105,21617,28677,293

478,35192,831

112,24488,329

1,47160,188

5896,387

ー69,64446,665

1,370,111

926,727102,045

71,353781,499△28,170128,083124,743

370△4,713

7,683ー

44,7441,099,5552,469,667

Page 11: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

当連結会計期間平成20年1月1日~平成20年12月31日

株主資本 評価・換算差額等少数株主持分

新株予約権

純資産合計

(単位:百万円)連結キャッシュ・フロー計算書の要旨

科目 / 期別当 期

平成20年1月1日~平成20年12月31日

営業活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フロー

現金及び現金同等物に係る換算差額

現金及び現金同等物の増減額(減少:△)

現金及び現金同等物の期首残高

連結範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(減少:△)

現金及び現金同等物の期末残高

前 期平成19年1月1日~平成19年12月31日

131,281△169,330

26,684△16,226△27,590

52,30743,74068,457

(注)記載金額は百万円未満を切り捨てて表示しています。

(単位:百万円)連結株主資本等変動計算書

資本金

平成19年12月31日残高

連結会計期間中の変動額

剰余金の配当

当期純利益

自己株式の取得

自己株式の処分

株主資本以外の項目の連結

会計期間中の変動額(純額)

連結会計期間中の変動額合計

平成20年12月31日残高

資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計その他有価証券評価差額金

繰延ヘッジ損益

土地再評価差額金

為替換算調整勘定

評価・換算差額等合計

ポイント  (受取手形及び売掛金)

新規連結子会社の増加などにより、855億円の増加となりました。

ポイント  (のれん)新規連結子会社の増加などにより、852億円の増加となりました。

ポイント  (投資有価証券)関連会社株式の減少および株価変動による評価差額の減少などにより、2,869億円の減少となりました。

ポイント  (短期借入金、社債、長期借入金)協和発酵キリン社の株式取得等に伴い調達した短期借入金を、長期借入金の調達や社債の発行によ

り返済したこと等の理由で、長期借入金が1,455億円、社債が1,941億円増加し、短期借入金が2,855億円減少となりました。

ポイント  (営業活動によるキャッシュ・フロー)事業収入などにより、1,312億円の資金収入となりました。

ポイント  (投資活動によるキャッシュ・フロー)有形固定資産の取得および子会社株式の取得などにより、1,693億円の資金支出となりました。

ポイント  (財務活動によるキャッシュ・フロー)借入金の返済があったものの、社債の発行を行ったことにより、266億円の資金収入となりました。

1

2

3

47

5

6

6

7

5

(注)記載金額は百万円未満を切り捨てて表示しています。

10

114,585△269,621

121,555△740

△34,22286,588△58

52,307

102,045

102,045

71,353

182

182

71,536

781,499

△22,432

80,182

57,749

839,248

△28,170

△1,372

484

△887

△29,058

926,727

△22,432

80,182

△1,372

667

57,044

983,772

124,743

△87,313

△87,313

37,430

370

△290

△290

79

△4,713

△4,713

7,683

△96,439

△96,439

△88,756

128,083

△184,043

△184,043

△55,959

--

162

162

162

44,744

177,279

177,279

222,023

1,099,555

△22,432

80,182

△1,372

667

△6,602

50,442

1,149,998

Page 12: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

11

Q&A 多くの株主様から寄せられるご質問にお答えします。

2008年の連結決算を見ると、酒類事業の売上高・営業利益の構成比は前期比で大きく低下しています。KIRINはもはや、ビールの会社ではなくなってしまうのでしょうか?

キリングループ全体の売上高は2007年の1兆8,000億円程度から2兆3,000億円を

突破し、キリンビール社の酒類事業部門も堅調な業績です。売上高に占める酒類事業部門の構成比が2007年より下がった原因は、キリングループが、協和発酵キリン社や豪州ナショナルフーズ社などに戦略投資を行い事業の多角化を進める中で、他の事業セグメントの売上高が増加しているためで

す。しかしながら、従来より酒類事業はグループの主要事業であり、マザービジネスとして位置づけられています。少子高齢化等により、国内の酒類市場は縮小傾向にありますが、今後も魅力的な商品を提供しつづけるとともにコスト削減等の取り組みも進め、収益性を重視して展開してまいります。今後ともご支援くださいますよう、よろしくお願いいたします。

AQ

株主様ご優待

当社では、株主様の日頃のご支援にお応えするとと

もに、キリングループをさらに身近に感じていただき

たいという思いから株主優待を実施しております。

2008年度の株主様ご優待の詳細につきましては、対象

の株主様宛に優待申込書を株主総会招集ご通知に同封

して、3月4日に発送させていただいております。お申

し込みの締め切りは4月30日必着となっておりますの

で、ご注意ください。

また、優待のハガキをご返送いただけなかった株主

様には、清涼飲料商品詰め合わせをご送付いたします。

2008年度の概要

対象:2008年12月末時点で1,000株以上所有の株主様

内容:キリングループの幅広い事業展開を身近に感じて

いただける各種優待品の中から一つ選択していた

だきます。

勝ちT(サッカー日本代表応援Tシャツ:株主様ご優待限定オリジナルデザイン)

エコジロー募金エコジローはキリンの環境活動のシンボルキャラクターです。

酒類商品詰め合わせ

清涼飲料商品詰め合わせ

ビール・清涼飲料詰め合わせ

キリングループでは、綜合飲料グループ戦略をアジア・オセアニア地域で積極的に展

開しています。海外では、従来からキリングループに連結してきた豪州ライオンネイサン社に加え、2007・2008年の戦略投資により新たに豪州のナショナルフーズ、デアリーファーマーズの2社も連結子会社に加わっており、現在の当社の業績に一番影響を与える為替はオーストラリアドル(以下:豪ドル)となっています。

豪ドルの為替変動による当社の2008年連結決算への影響の大まかな目安は下記のとおりです。1円円高になると、当社の連結決算上は:①売上高は、40~50億円程度減少②営業利益は、4~5億円程度減少③経常利益は、8.5億円程度減少

上記①②より、ライオンネイサン社やナショナルフーズ社といった豪州連結子会社からの売上高・営業利益の貢献分は影響を受けることになります。なお、売上高・営業利益には期中の平均レートを反映させ

るため、例えば2008年の業績への為替による影響額であれば、2007年と2008年との期中平均レートの推移と上記の目安を掛け合わせることで、当社連結売上高、営業利益への為替インパクトが大まかにお分かりいただけると思います。③について:当社豪州連結子会社では円貨建てのグループローンを有しています。このため、為替変動は経常利益にも為替差損益として影響を及ぼします。こちらは、グループローン=負債であるため、期中平均ではなく、期末時点での為替レートが関係します。例えば、2007年末の期末レート(1豪ドル=102円)と2008年末の期末レート(1豪ドル=62円)の差である40円に8.5億を掛けると、2008年の豪ドルのレート推移が経常利益に与える影響分が算出されます。なお、この為替の影響については、キャッシュの移動は伴わないものの、会計制度上計上せざるを得ないものです。現地通貨ベースでは業績はおおむね好調であることをご理解ください。今後も収益性の向上に努めてまいります。

AQ 昨今の経済環境では、為替が激しく変動する傾向が見られます。

キリングループの連結決算に一番影響を与える外貨は何ですか?また、決算への影響額についての目安はありますか?

Page 13: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

12

CSR キリングループの「次世代に向けた取り組み」

キリンビール社は、全国のビール工

場で毎夏、「夏休み環境教室」を開催

しています。小学生とその保護者の方

などを対象に、キリンビール社の環境

への取り組みを紹介し、環境負荷低減

に配慮してビールなどを製造している

ことを知っていただく「エコブルワリー

ツアー」のほか、身の回りの環境につ

いて考えるきっかけとなる環境クイズ

や、ごみの分別ゲーム、空き缶・ペッ

トボトルを利用した工作などの体験型

学習にご参加いただいています。

また、キリンビバレッジ社でも年

間を通じての工場見学に加え、春休

み・夏休みに合わせて、小学生を対

象とした環境教室の開催や、環境絵

画の募集を行うなど、リサイクルや

地球温暖化を学び、啓発するイベン

トを実施しています。3R(Reduce、

Reuse、Recycle)や、環境配慮型容

器「ペコロジーボトル」などの紹介

を通し、子どもたちの身近なところ

から、社会が一体

となって環境に取

り組んでいくこと

の大切さを理解す

る場づくりを行っ

ています。

「キリンカップサッカー」30回大会キリングループでは、1978年に

日本で初めての本格的国際サッカー

大会「ジャパンカップ」(現・キリ

ンカップサッカー)に協賛して以来、

30年以上にわたって日本サッカー

界を支援してきました。当初は、現

在頻繁に行われているような、海外

の強いチームと日本代表が戦う機会

が少なく、日本サッカーの発展の中

で「キリンカップサッカー」の果た

してきた意義、役割には非常に大き

いものがあったといえるでしょう。

5月下旬に開催され、30回大会とな

る「キリンカップサッカー2009」

では、チリ代表とベルギー代表を迎

え、日本代表との3カ国対抗戦を行

います。

“未来の日本代表”を応援する次世代育成の取り組みサッカーの裾野拡大や未来の日本

代表を目指す子どもたちの夢に少し

でも貢献したいと考え、次世代に向

けたサッカーへの取り組みを展開し

ています。

サッカーの技術だけでなく、チャ

レンジすることの大切さなど心の教

育も行う子ども向けサッカー教室

「キリンサッカーフィールド」の実

施や、「キリンビバレッジ キッズ

プロジェクト」の活動の一環として、

「キリンカップサッカー」開催時に

「エスコートキッズ」の募集などを

実施します。また、親子の触れ合い

や、子どもたちがサッカーの楽しさ

に触れるきっかけづくりとして

「JFAファミリーフットサルフェス

ティバルwith KIRIN」も引き続き

展開していきます。

キリングループは企業価値の継続的拡大のために、すべての企業活動にCSRの視点を組み込み、「事業を通じてのCSR」と「企業市民としてのCSR」を推進します。今回はスポーツと環境、そして食文化の分野に焦点を当て、特に「企業市民としてのCSR」をご紹介します。

キリンの環境活動のシンボル「エコジロー」小学生と保護者を対象に「夏休み環境教室」を実施

「食と健康」領域で事業を展開す

るキリングループは、食環境の未来

を考え、食をとりまくライフスタイ

ルの提案や、次世代の食を楽しむ力

を養うプログラムの提供を目指し

て、2007年7月1日に「キリン食生

活文化研究所」を設立しました。

子どもたちに、生きる上で大切な

「食」への関心を喚起し、家庭でも

「食」について考えるきっかけを提

供するために、2008年から「食」

に関する体験型プログラム“キリン

おいしい学校”を実施しているほか、

「食と健康」のよろこびを広げ、お

客様の「うるおいのある食卓」を実

現するために、ホームページでライ

フスタイル提案を行っていきます。

また、「食環境の未来」を考える

活動の一環としては、これからの日

本を支える学生に対して、「食」に

かかわるさまざまな専門家とともに

「身近な食卓から食環境の未来」を

探索する“「食」を考えるKIRIN・東

京大学パートナーシッププログラ

ム”を実施しています。

「食と健康」のよろこびを提供し「食環境の未来」を考える

サッカー文化の創造に貢献

2008年5月27日 キリンカップサッカー2008 対パラグアイ代表 c J.LEAGUE PHOTOS日本代表とエスコートキッズ

「キリンサッカーフィールド2008」神奈川会場

Page 14: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

13

コーポレートデータ

会社概要(2008年12月31日現在)

商号    キリンホールディングス株式会社

設立    1907年(明治40年)2月23日※2007年7月1日純粋持株会社化に伴い、「麒麟麦酒株式会社」より商号変更

資本金   102,045,793,357円

従業員数  263人(キリンホールディングス連結従業員数:36,554人)

本社所在地 〒104-8288 東京都中央区新川二丁目10番1号

TEL 03(5541)5321(代表)

売上高   2,303,569百万円(2008年12月期キリンホールディングス連結業績)

主な事業 グループの経営戦略・経営管理ならびに専門サービスの提供⦆

役員(2009年3月26日現在)

代表取締役社長 加藤 壹康

代表取締役副社長 佐藤 一博

代表取締役副社長 三宅 占二

常務取締役 多和田悦嗣

常務取締役  古元 良治

常務取締役 大和田雄二取締役 松田  譲

取締役 岸   曉

取締役 弦間 明

常勤監査役 大島 仁志

常勤監査役 岩佐 哲男

監査役 中野 豊士

監査役 輝郎

監査役 手塚 一男

キリングループ(2008年12月31日現在)

Page 15: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

14

株式データ(2008年12月31日現在)

2006年 2007年1 2 3 4 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6

2008年

日経平均株価(終値)キリンホールディングス株価キリンホールディングス売買高

(円)

(千株)

0

20,000

18,000

16,000

14,000

12,000

10,000

8,000

100,000120,000140,000

80,00060,00040,00020,000

5

1,900

2,000

1,800

1,700

1,600

1,500

1,400

1,300

1,200

1,100

1,000

900

(円)

7 8 9 10 11 12

所有株数別分布状況

発行済株式総数

所有者別分布状況

株主数

984,508,387株

133,636名

株主名 所有株式数(千株) 出資比率(%)

日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)明治安田生命保険相互会社日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口4G)日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)株式会社三菱東京UFJ銀行株式会社磯野商会日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口4)モクスレイ・アンド・カンパニーメロン バンク エヌエー トリーティー クライアント オムニバスステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー

※上記の所有株式の他に、当社は自己株式を30,157千株所有しております。

50,96043,69741,03940,59535,08523,27222,66820,54815,58512,718

5.174.434.164.123.562.362.302.081.581.29

(千株未満を切り捨て、持株比率は小数点以下第3位を切り捨て)大株主

日経平均株価・株価・売買高の推移(東京証券取引所) Q1 解答:キリン一番搾り生ビール一番搾りの特長をさらに進化させるために麦芽100%にリニューアルしました。

T H E キ リ ン 検 定 3 解 答 欄

6ページ参照

Q2 解答:キリン午後の紅茶「キリン 午後の紅茶 ミルクティー」500mlペットボトルが中国で引き続き高い評価を獲得し、販売数量が前年を大幅に上回りました。 8ページ参照

Q3 解答:キリンカップサッカー2009今年5月下旬に開催される30回大会では、チリ代表とベルギー代表を迎え、日本代表との3カ国対抗戦を行います。

Q7 解答:23円中間期、期末とも配当金は1株当たり11.5円で、年間23円となりました。連結配当性向は27.4%となり、1907年の創立以来欠かさず配当を継続しています。 1ページ参照

Q8 解答:キリン食生活文化研究所2007年7月1日に設立され、「キリンおいしい学校」や“「食」を考えるKIRIN・東京大学パートナーシッププログラム”を実施しています。 12ページ参照

Q4 解答:協和発酵キリン社10月に誕生した協和発酵キリン社はグループの連結業績に大きく貢献しています。 5ページ参照

Q5 解答:デアリーファーマーズ社豪州のデアリーファーマーズ社は同国でナショナルフーズ社に次ぐ第2位の乳事業会社です。豪州第1位、第2位の乳事業会社がともにキリングループの一員となっています。 5ページ参照

Q6 解答:3つ「事業会社の自律的成長」「グループシナジーによる成長」「大胆な資源配分による成長」の“3つの成長パターン”を“質的拡大”の実現に向け集中させていきます。 3ページ参照

当社では今後も「ハーモニア」ほかを通じて、株主の皆様に一層の情報開示に努めてまいります。

12ページ参照

Page 16: ハーモニア 第170期 報告書 - Kirin Holdings...2010年の第一弾商品上市を目指します。【調味料・食品素材事業】協和発酵フーズ社とキ リンフードテック社が2009年4月に合併し、「キリ

■株式に関するお手続きについて●1. 特別口座に記録された株式特別口座に記録された株式に関する各種お手続きにつきましては、三菱

UFJ信託銀行が口座管理機関となっておりますので、下記連絡先までお問合

せください。

●2. 証券会社等の口座に記録された株式株券電子化に伴い、証券会社等の口座に記録された株式の各種お手続きに

つきましては、一部を除き原則、口座を開設されている口座管理機関(証券会

社等)で承ることとなっておりますので、口座を開設されている証券会社等に

お問合せください。

喜匡吉高恵、惠崎、嵜曽、曾

斉、斎、齊など広、廣濱、浜

株主メモ

事業年度    1月1日から12月31日まで

株主確定日   定時株主総会・期末配当金 12月31日 中間配当金 6月30日

定時株主総会  3月下旬開催

株主名簿管理人特別口座の管理機関

三菱UFJ信託銀行株式会社

同連絡先    三菱UFJ信託銀行株式会社証券代行部〒137-8081東京都江東区東砂七丁目10番11号

0120-232-711(平日9:00-17:00)

公告の方法 電子公告により行います。但し、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済新聞に掲載して行います。公告掲載URL http://www.kirinholdings.co.jp/

証券コード   2503

株券電子化に伴い、株主様の住所変更、買取請求その他各種お手続きにつきましては、原則、口座を開設されている口座管理機関(証券会社等)で承ることになっております。口座を開設されている証券会社等にお問合せください。株主名簿管理人(三菱UFJ信託銀行)ではお取り扱いできませんのでご注意ください。⦆特別口座に記録された株式に関する各種お手続きにつきましては、三菱UFJ信託銀行が口座管理機関となっておりますので、上記特別口座の口座管理機関(三菱UFJ信託銀行)にお問合せください。なお、三菱UFJ信託銀行全国各支店にてもお取り次ぎいたします。

(ご注意)1.

2.

■特別口座について株券電子化実施(2009年1月5

日)に際し、証券会社等に口座を

開設し、証券保管振替機構(ほふ

り)に株券を預託されなかった株

主様のお名前、ご住所などのデー

タは当社が三菱UFJ信託銀行に開

設した「特別口座」に記録されて

おります。

なお、「特別口座」に記録された

株式数等のご案内は、2009年2月

中旬に三菱UFJ信託銀行から、株

主様お届けのご住所宛にご送付い

たしております。

■株主様のご住所およびお名前の登録について株主様のご住所およびお名前の

文字に、ほふりで指定されていな

い漢字等が含まれている場合には、

その全部または一部をほふりが指

定した文字に置き換えのうえ、株

主名簿に登録しております。この

場合、株主様にお送りする通知物

の宛名は、ほふりが指定した文字

となりますのでご了承ください。

※特別口座に記録された株式をご所有の株主様は配当金の受領方法として株式数比例分配方式はお選びいただけません。

●置き換えの対象となる文字の一例

お手続き、ご照会の内容

・特別口座から一般口座への振替請求・単元未満株式の買取・買増請求・住所・氏名等のご変更・特別口座の残高照会・配当金の受領方法の指定※

・郵送物等の発送と返戻に関するご照会・支払期間経過後の配当金に関するご照会・株式事務に関する一般的なお問合せ

[手続き用紙のご請求方法]〇音声自動応答電話によるご請求0120-244-479

〇インターネットによるダウンロードhttp://www.tr.mufg.jp/daikou/

お問合せ先

特別口座の口座管理機関

株主名簿管理人

三菱UFJ信託銀行株式会社証券代行部〒137-8081東京都江東区東砂七丁目10番11号

0120-232-711(平日9:00 -17:00)

お手続き、ご照会の内容

・郵送物の発送と返戻に関するご照会・支払期間経過後の配当金に関するご照会・株式事務に関する一般的なお問合せ

・上記以外のお手続き、ご照会等

置き換え前 置き換え後

口座を開設されている証券会社等にお問合せください。

お問合せ先

三菱UFJ信託銀行株式会社証券代行部〒137-8081東京都江東区東砂七丁目10番11号

0120-232-711(平日9:00 -17:00)

株主名簿管理人