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ガラテヤ書の手紙と修辞学の要素
Øガラテヤ書の論証部(3:1-6:10)
①アブラハムの信仰とガラテヤ人の愚
かさ(3:1-18)②律法の目的と機能(3:19-4:7)③共通の経験(4:8-20)④奴隷と自由の比喩(4:21-5:1)⑤割礼の無益(5:2-15)⑥御霊による生活(5:16-26)⑦負うべきくびき(6:1-10)
議論VI
御霊による生活
5:16~26
議論VI 御霊による生活 5:16-26
前の議論(割礼の無益)の中で、パウロは、キリストによって、初歩的教え(ストイケイア)・律法から自由とされたクリスチャンが、これからどのような原則生きるのかを論じた。
�愛の原則(5:6)�肉(欲望)に従わないで、仕え合う(5:13)
議論VI 御霊による生活 5:16-26
この箇所では、二つの原則を対照している。「肉(サルクス)」と「御霊(プニューマ)」
�自由とされたクリスチャンは「肉」と「御霊」の時代の中間を生きている。
�自由とされたクリスチャンは肉に従う可能性もある。また御霊に従っていきることもできる。
�肉(サルクス)とは、罪深い欲望に傾く性質を指していると考えられる。
議論VI 御霊による生活 5:16-26
肉 vs 御霊
�肉(サルクス)も御霊(プニューマ)も時代を支配する力である。
�肉に支配されるとは、人間が罪深い欲望に支配され、その行いに傾いてしまうこと
�御霊は神の霊によって、自由の中で(律法に縛られずに)神に喜ばれる生き方をする。(結果的に律法を守っている。)その中心は「愛」
ユダヤ人の歴史観/終末観
現在の時代 来たるべき時代
天地創造 終末
パウロの歴史観/終末観
現在の時代 来たるべき時代
天地創造 終末 終末
① ②
キリスト キリスト
の十字架/ の再臨復活
パウロの歴史観/終末観現在の時代 来たるべき時代
アダムにある人 キリストにある人
肉 御霊
天地創造 終末 終末
① ②
キリスト キリスト
の十字架/ の再臨復活
終末的緊張状態現在の時代 来たるべき時代
アダムにある人 キリストにある人
肉(サルクス) vs 御霊(プニューマ)
肉の行い 御霊の実
(愛・喜び・平安
忍耐・親切・
善意・真実・
柔和・自制)
肉を十字架につける
議論VII
負うべきくびき
6:1~10
議論VII 負うべきくびき 6:1-10
パウロはこの議論で、クリスチャンが教会共同体でどのように生活すべきかを具体的に提示している。
�クリスチャンの生活は「神の前」という縦軸と「共同体の中で」という横軸から成り立っている。
�クリスチャンは一人で成長することはできない。共同体(教会)の中で愛し合うことを学ぶことによってのみである。
議論VII 負うべきくびき 6:1-10
Øカギとなるのは「互いに」である。
�互いに注意し合うこと
�互いの重荷を負い合うこと
�互いに教え合うこと
�互いに良い行いを示すこと
ガラテヤ書の手紙と修辞学
Øガラテヤ書で用いられている修辞学
①導入(1:6~10)
②陳述[報告](1:11~2:14)③提題(2:15~21)
④論証(3:1~6:10)<反証を含む>
⑤結論(6:11~17)
ガラテヤ書・結論(6:11-17)
修辞学における結論
結論(Peroratio)これまでの議論を要約し、最後に
聴衆の心に訴えかける。
� 6:11-17でパウロはこれまでの議論を要約し、ガラテヤ信仰者の心に最後の訴えをしている。
ガラテヤ書・結論(6:11-17)
①割礼を誇る vs 十字架を誇る
②十字架による迫害から逃れること
vs
十字架による迫害に甘んじること
③割礼を強制すること
vs
割礼・無割礼が福音の中心にないこと
④古い時代に生きる者 vs
新しく造られた者