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平成19年度 物理数学補習 第7回
フーリエ変換
冨田知志2007年4月27日(金)
1.フーリエ級数、フーリエ変換とは何か
2.フーリエ級数を求めてみる
3.フーリエ積分、フーリエ変換をしてみる
4.物理例
冨田フーリエ 2
0.この時間のスタンスとルールと目標
スタンス:数学は道具自分に対して使う、他人に対して使う
数学的な厳密性を多少犠牲にしてでも、フーリエ級数、フーリエ変換の直観的な理解を目指す私の問題、現実的な問題
ルール:1.数式を怖がらない
出てくるのはせいぜい三角関数、指数関数、∑、∫、程度
2.自分の手を動かすことを厭わない
目標:f(t)=cos(ω0t)のフーリエ変換ができるようになる
冨田フーリエ 3
1.フーリエ級数、フーリエ変換とは何か?
1.1 フーリエ級数、フーリエ変換とは?
フーリエ級数:周期関数を三角関数の級数として表す
フーリエ変換(フーリエ積分)周期関数でない、より一般的な関数へのフーリエ級数の拡張
時間領域から周波数領域へ関数の時間領域での性質が、周波数領域でどう表現されるか?
物理学、化学、工学の分野で幅広く活用
冨田フーリエ 4
1.2 フーリエ級数、フーリエ変換が使われる例
熱伝導
変調と検波: AMラジオ、信号波、搬送波
レンズによる像形成: フラウンホーファー回折、結像原理
結晶構造の解析: 結晶構造因子、X線回折、電子線回折
フーリエ分光法: FT-IR, FT-NMR
線形応答理論: 複素アドミッタンス、クラマース-クローニッヒ関係式
高速フーリエ変換(FFT): サンプリング、離散フーリエ変換、信号処理
冨田フーリエ 5
1.3 直観的なフーリエ級数の理解
⎪⎩
⎪⎨
⎧
=−−=+−=++
248
cbacbacba (1.1a)
以下の連立方程式を解いてみる
(1.1b)(1.1c)
以上より、a=5, b=2, c=1
2++= cba(1.1c)より
1=c(1.1b)に代入し
2=b(1.1a)に代入し
冨田フーリエ 6
1.3 直観的なフーリエ級数の理解
⎪⎩
⎪⎨
⎧
=−−=+−=++
248
cbacbacba (1.1a)
以下の連立方程式を解いてみる
少し視点を変えて、方程式を次のように書き替える
そして
と定義すると、連立方程式(1.1)は、af+bg+ch=Fと書ける。
(1.1b)(1.1c)
⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢
⎣
⎡=
⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢
⎣
⎡
−×+
⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢
⎣
⎡
−−×+
⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢
⎣
⎡×
248
111
11
1
111
cba
⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢
⎣
⎡≡
⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢
⎣
⎡
−≡
⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢
⎣
⎡
−−≡
⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢
⎣
⎡≡
248
111
11
1
111
Fhgf
冨田フーリエ 7
これはf、g、h、Fをそれぞれ一種のデジタルな関数と考えてやれば、a、b、cという係数を用いることで、
Fという関数がf、g、hという三つの関数で展開された
と考えることができる。
そして展開した時の係数a、b、cが、連立方程式の解に対応する。このFをどのように換えても、連立方程式の解は求まるので、
任意の「関数」Fは、それに対応する係数a、b、cを用いてf、g、hにより展開可能 級数展開の直観的イメージ
24
8
F f g
1 1
-1h
1
-1
冨田フーリエ 8
1.4 続・直観的なフーリエ級数の理解
⎪⎩
⎪⎨
⎧
=−−=+−=++
248
cbacbacba (1.1a)
以下の連立方程式に対して
と定義し、連立方程式(1.1)をaf+bg+ch=Fと書いたうえで、Fとf、g、hを既知のものとして、a、b、cを求めることができ
ないか?残念ながらこのままではできない。
なんで??f、g、hの性質が原因
(1.1b)(1.1c)
⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢
⎣
⎡≡
⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢
⎣
⎡
−≡
⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢
⎣
⎡
−−≡
⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢
⎣
⎡≡
248
111
11
1
111
Fhgf
冨田フーリエ 9
少し発展させ、関数の個数を四つにし、それぞれ以下とする。
区間が四つになったことで、それぞれの関数のグラフが対称な形になった(矩形関数)
f11
-1 ⎥⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢⎢
⎣
⎡
≡
1111
1f
f21
-1⎥⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢⎢
⎣
⎡
−−
≡
11
11
2f
f31
-1⎥⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢⎢
⎣
⎡
−−
≡
111
1
3f
f41
-1⎥⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢⎢
⎣
⎡
−
−≡
111
1
4f
冨田フーリエ 10
これを先ほどと同じように連立方程式に書き直せば、やはりFが何であっても、解くことができる。
つまりF=a1f1+a2f2+a3f3+a4f4 というように、任意のデジタル関数Fが矩形関数fn(n=1,2,3,4)によって展開可能となる。
四個の矩形関数を用いたので、Fで表現される数値は4つ
更に今度の矩形関数fnはという関係を満たす。(直交関係)
このような関係が満たされた場合は、連立方程式が解ける。例えば、a2を求めたい場合、Fにf2をかけて、積分すればよい。
∫ = 0)()( dxxfxf ij (i≠jの場合)
22
22
2224243232221212
44332211
000
fFfa
faffaffaffaffaFf
fafafafaF
=⇔
+++=+++=⇒
+++=
冨田フーリエ 11
⎥⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢⎢
⎣
⎡
≡
1111
1f
⎥⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢⎢
⎣
⎡
−−
≡
11
11
2f
⎥⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢⎢
⎣
⎡
−−
≡
111
1
3f
⎥⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢⎢
⎣
⎡
−
−≡
111
1
4f
例:先ほどのfnを用いた場合、
例えばanが、a1=2, a2=3, a3=5, a4=1
という組み合わせで考えてみる。このときFは右の通り。これにf2かけて、つまりベクトルとして内積を取って ⎥
⎥⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢⎢⎢
⎣
⎡
−−
=
351
11
F
12351113)1()5()1()1(11112 =−+−=×−+−×−+−×+×=⋅Ff
4)1()1()1()1(11112222 =−×−+−×−+×+×==⋅ fff
34
122
2
22 ===⇒
fFfa ときちんとa2=3が出てきた。
冨田フーリエ 12
矩形関数をどんどん細かくすれば、すなわち振動数の大きな矩形関数を考えれば、Fで表現できる数値aの個数はどんどん大き
くなる。
終的にはFはアナログ関数に近づくはず
矩形関数の変わりに三角関数を用いても、似たような話は成立
三角関数の方がより性質が良い
これがまさにフーリエ級数 の考え方
大事なのは、直交関係
冨田フーリエ 13
2.フーリエ級数を求めてみる
2.1 周期関数:関数f(x)が、全てのxに対して
となるような正の定数Tを持つ場合、
この関数を周期的であるという
f(x)を周期関数Tを周期
周期関数のグラフは、長さTの任意の区間のグラフの繰り
返し例:三角関数
)()( xfTxf =+ (2.1)
冨田フーリエ 14
2.2 フーリエ級数
既知の関数f(x)は周期2Lを持つとする
目的:周期2Lをもつ関数の集まり
を使って、f(x)を表してみる。
例:f(x)が2πの周期を持つとして、
を使ってf(x)を表す
⋅⋅⋅,2sin,2cos,sin,cos,1L
xL
xLx
Lx ππππ
⋅⋅⋅,2sin,2cos,sin,cos,1 xxxx
冨田フーリエ 15
結論を言ってしまうと、関数f(x)は
と表せる(展開できる)。これがフーリエ級数。
そして、既知のf(x)から未知の係数an,bnを求めればよい。
どうすればf(x)から、an、bnが求まるか??
∑∞
=⎟⎠⎞
⎜⎝⎛ ++=
⋅⋅⋅+++++=
1
0
22110
sincos2
2sin2cossincos2
)(
nnn L
xnbL
xnaaL
xbL
xaLxb
Lxaaxf
ππ
ππππ
(2.2)
冨田フーリエ 16そのための準備として、三角関数sin(nπx/L), cos(nπx/L)とそれらの積、それぞれの-LからLまでの積分を確認しておく。
(i)mが正の整数、または0ならば
(ii)m,nが正の整数ならば
つまり三角関数の積分は直交関係を持つ。
⎩⎨⎧
⋅⋅⋅==
=∫− ),3,2,1(0)0(2
cosm
mLdx
LxmL
L
π
),2,1,0(0sin ⋅⋅⋅==∫− mdxL
xmL
L
π
⎩⎨⎧
≠=
=∫− )(0)(
coscosnmnmL
dxL
xnL
xmL
L
ππ
0cossin =∫− dxL
xnL
xmL
L
ππ
⎩⎨⎧
≠=
=∫− )(0)(
sinsinnmnmL
dxL
xnL
xmL
L
ππ
(2.3)
(2.4)
(2.5)
(2.6)
(2.7)
冨田フーリエ 17
まずanを求めるために
(2.2)
の両辺にcos(mπx/L)(m=0,1,2,…)をかけて、xについて、-LからLまで積分する
∑∞
=⎟⎠⎞
⎜⎝⎛ ++=
1
0 sincos2
)(n
nn Lxnb
Lxnaaxf ππ
∑ ∫∫
∫
∫
∞
=−−
−
−
⎭⎬⎫
⎩⎨⎧ ++
=
1
0
sincoscoscos
cos2
cos)(
n
L
Ln
L
Ln
L
L
L
L
dxL
xnL
xmbdxL
xnL
xma
Lxma
dxL
xmxf
ππππ
π
π
(2.8)
m=0の時、(2.8)の右辺は第一項だけ残り、その値a0L
m=1,2,…の時、右辺第一項は(2.3)より0、{}の内は、(2.5)、(2.6)より 初の積分がn=mの時だけ残り、後は0
冨田フーリエ 18
以上、まとめると
よって
),2,1,0(cos)( ⋅⋅⋅==∫− mLadxL
xmxf m
L
L
π
),2,1,0(cos)(1⋅⋅⋅== ∫− ndx
Lxnxf
La
L
Lnπ (2.9)
冨田フーリエ 19
次にbnを求めるために、同様に
(6.3)
の両辺に今度はsin(mπx/L)(m=0,1,2,…)をかけて、xについて、-LからLまで積分する
∑∞
=⎟⎠⎞
⎜⎝⎛ ++=
1
0 sincos2
)(n
nn Lxnb
Lxnaaxf ππ
∑ ∫∫
∫
∫
∞
=−−
−
−
⎭⎬⎫
⎩⎨⎧ ++
=
1
0
sinsincossin
sin2
sin)(
n
L
Ln
L
Ln
L
L
L
L
dxL
xnL
xmbdxL
xnL
xma
Lxma
dxL
xmxf
ππππ
π
π
(2.10)
右辺の第一項は(2.4)より任意のmに対して0、{}の内は、(2.5)、(2.7)より2番目の積分がm=nの時だけが0でない
冨田フーリエ 20
以上、まとめるとbmについては
よって
),2,1(sin)( ⋅⋅⋅==∫− mLbdxL
xmxf m
L
L
π
),2,1(sin)(1⋅⋅⋅== ∫− ndx
Lxnxf
Lb
L
Lnπ (2.11)
※以上の計算では、(2.2)の右辺の級数がf(x)に一様に収束するとして、和と積分の順序を入れ替えた。
冨田フーリエ 21
),2,1,0(cos)(1⋅⋅⋅== ∫− ndx
Lxnxf
La
L
Lnπ(2.9)
),2,1(sin)(1⋅⋅⋅== ∫− ndx
Lxnxf
Lb
L
Lnπ(2.11)
によって定義されたan,bnをフーリエ係数(もしくはスペクトル)
と呼び、これらの係数を代入して得られる級数
をf(x)に対するフーリエ級数と呼ぶ。
f(x)に対するフーリエ級数が収束し、その和がf(x)であるならば、その級数をf(x)のフーリエ級数といい、以下のように書く
∑∞
=⎟⎠⎞
⎜⎝⎛ ++
1
0 sincos2 n
nn Lxnb
Lxnaa ππ (2.12)
∑∞
=⎟⎠⎞
⎜⎝⎛ ++=
1
0 sincos2
)(n
nn Lxnb
Lxnaaxf ππ
(2.13)
冨田フーリエ 22
例題1
)()2()0(1)0(1
)(
xfxfxx
xf
=+⎩⎨⎧
<<<<−−
=
ππ
π
以下の式に示す周期2πの関数をフーリエ級数で表せ
x
f(x)
-1
1
-π π 2π
周期2L=2π、すなわちL=πとして、公式(2.9)、(2.11)を用いる
[ ] 0)1(1)1()1(1)(10
0
0 =+−=⎥⎦⎤
⎢⎣⎡ +−== ∫∫∫ −−
πππππ
π
π
π
πdxdxdxxfa
冨田フーリエ 23
例題1
)()2()0(1)0(1
)(
xfxfxx
xf
=+⎩⎨⎧
<<<<−−
=
ππ
π
以下の式に示す周期2πの関数をフーリエ級数で表せ
x
f(x)
-1
1
-π π 2π
)0(0sin1sin11
cos1cos)1(1cos)(1
0
0
0
0
≠=⎥⎥⎦
⎤
⎢⎢⎣
⎡+−=
⎥⎦⎤
⎢⎣⎡ ⋅+−==
−
−− ∫∫∫
nnxn
nxn
nxdxnxdxnxdxxfan
π
π
π
π
π
π
π
ππ
冨田フーリエ 24
例題1
)()2()0(1)0(1
)(
xfxfxx
xf
=+⎩⎨⎧
<<<<−−
=
ππ
π
以下の式に示す周期2πの関数をフーリエ級数で表せ
x
f(x)
-1
1
-π π 2π
{ } ⋅⋅⋅=−−=
−=⎥⎥⎦
⎤
⎢⎢⎣
⎡−=
⎥⎦⎤
⎢⎣⎡ ⋅+−==
−
−− ∫∫∫
,3,2,1)1(12
)cos1(2cos1cos11
sin1sin)1(1sin)(1
0
0
0
0
nn
nn
nxn
nxn
nxdxnxdxnxdxxfb
n
n
π
πππ
πππ
π
π
π
π
π
冨田フーリエ 25
例題1
)()2()0(1)0(1
)(
xfxfxx
xf
=+⎩⎨⎧
<<<<−−
=
ππ
π
以下の式に示す周期2πの関数をフーリエ級数で表せ
x
f(x)
-1
1
-π π 2π
⎟⎠⎞
⎜⎝⎛ ⋅⋅⋅++++= xxxxxf 7sin
715sin
513sin
31sin4)(
π
従ってf(x)のフーリエ級数は(2.13)より、次式のようになる。
冨田フーリエ 26
-3 -2 -1 1 2 3
-1
-0.5
0.5
1n=1
例題1
)()2()0(1)0(1
)(
xfxfxx
xf
=+⎩⎨⎧
<<<<−−
=
ππ
π
x
f(x)
-1
1
-π π 2π
⎟⎠⎞
⎜⎝⎛ ⋅⋅⋅++++= xxxxxf 7sin
715sin
513sin
31sin4)(
π
-3 -2 -1 1 2 3
-1
-0.5
0.5
1
n=5
-3 -2 -1 1 2 3
-1
-0.5
0.5
1
n=3
-3 -2 -1 1 2 3
-2
-1
1
2
n=10000
Mathematicaでの計算例
冨田フーリエ 272.3 フーリエ正弦級数とフーリエ余弦級数
偶関数と奇関数f(-x)=f(x)ならば、f(x)は偶関数 :例 cosaxf(-x)=-f(x)ならば、f(x)は奇関数 :例 sinax
周期2Lを持つ偶関数f(x)のフーリエ級数は、cosの項だけが残り、
フーリエ余弦級数
周期2Lを持つ奇関数f(x)のフーリエ級数は、sinの項だけが残り、
フーリエ正弦級数
),2,1,0(cos)(2
cos2
)(
0
1
0
⋅⋅⋅=⎟⎠⎞
⎜⎝⎛=
+=
∫
∑∞
=
ndxL
xnxfL
a
Lxnaaxf
L
n
nn
π
π
(2.14)
),2,1(sin)(2
sin)(
0
1
⋅⋅⋅=⎟⎠⎞
⎜⎝⎛=
=
∫
∑∞
=
ndxL
xnxfL
b
Lxnbxf
L
n
nn
π
π
(2.15)
冨田フーリエ 28
3.フーリエ積分、フーリエ変換をしてみる
3.1 フーリエ積分とは
フーリエ級数:周期2Lを持つ関数f(x)を、三角関数の無限級数で表した
(展開した)
では、周期的でない関数(無限に続かない関数、例えば光や音など)に対してはどうすれば?
「周期的でない」⇒周期2L→∞
L→∞のとき、フーリエ級数はフーリエ積分になる
冨田フーリエ 29
3.2 フーリエ積分
周期2Lを持つ周期関数fL(x)が、フーリエ級数により表されている。即ち、(2.9)、(2.10)、(2.11)より
ただし、(3.2)では積分変数uとした。
∫−=L
L Ln duL
unufL
a πcos)(1
(3.2)
∫−=L
L Ln duL
unufL
b πsin)(1
∑∞
=⎟⎠⎞
⎜⎝⎛ ++=
1
0 sincos2
)(n
nnL Lxnb
Lxnaaxf ππ
(3.1)
冨田フーリエ 30
(3.2)を(3.1)に代入する。
新しい記号
を導入。これらを使って、(3.3)は以下のようになる。
∑ ∫∫
∫∞
=−−
−
⎥⎦⎤
⎢⎣⎡ ++
=
1sin)(sincos)(cos1
)(21)(
n
L
L L
L
L L
L
L LL
duL
unufL
xnduL
unufL
xnL
duufL
xf
ππππ
(3.4)LL
nnnn
πωωωπω =−=Δ= +1,
(3.3)
∑ ∫∫
∫∞
=−−
−
⎥⎦⎤
⎢⎣⎡ +Δ+
=
1sin)(sincos)(cos1
)(21)(
n
L
L nLn
L
L nLn
L
L LL
uduufxuduufx
duufL
xf
ωωωωωπ (3.5)
冨田フーリエ 31
ここでL→∞の極限を考える。周期を2Lとしたので、
は周期関数ではなくなる。非周期関数f(x)は絶対積分可能、
すなわち
は存在する、と仮定する。(ただしこれは自明ではない。)(3.5)の右辺第一項はL→∞では0である。残りの無限級数は、L→∞で
となる。
∑ ∫∫∞
=
∞
∞−
∞
∞− ⎥⎦⎤
⎢⎣⎡ +Δ=
1sin)(sincos)(cos1)(
nnnnnL uduufxuduufxxf ωωωωω
π
)(lim)( xfxf LL ∞→=
(3.6)
∫∞
∞−dxxf )(
冨田フーリエ 32
さらにL→∞では、ωnは連続変数とみなせる、Δω→0である
ことを考慮し、和を積分に変える。
(3.6)と(3.7)から、
すなわち、
これをf(x)のフーリエ積分表示と言う。
∑ ∫∞
=
∞
→Δ⇒Δ
100
)()(limn
n FdF ωωωωω
⎥⎦⎤
⎢⎣⎡ += ∫∫∫∫
∞
∞−
∞∞
∞−
∞ωωωωωω
πududufxududufxxf sin)(sincos)(cos1)(
00
(3.7)
(3.8)
[ ]
∫∫
∫
∞
∞−
∞
∞−
∞
=
=
+=
uduufB
uduufA
dxBxAxf
ωω
ωω
ωωωωωπ
sin)()(
cos)()(
sin)(cos)(1)(0
冨田フーリエ 33
(3.8)は三角関数の加法定理より、
と書ける。(3.9)をフーリエ積分公式という。
(3.9)
※以上のフーリエ積分(3.9)の導出法は形式的なものであり、数学的に厳密なものではない。厳密にはフーリエ積分(3.9)の収束性を調べ、(3.6)を経由する手続きが正当であることを示す必要がある。
∫∫∞
∞−
∞−= )(cos)(1)(
0uxudufdxf ωω
π
冨田フーリエ 34
3.3 フーリエ変換
フーリエ積分公式(3.9)は、
と書き直せる。(3.10)はフーリエ積分公式の複素表示。これより、
ならば
(3.10)
{ }
∫∫∫∫
∫∫
∫∫
∞
∞−
−∞
∞−
∞
∞−
−∞
∞−
∞
∞−
−−−∞
∞
∞−
∞
==
+=
−=
xiuiuxi
uxiuxi
eeudufdeudufd
eeudufd
uxudufdxf
ωωω
ωω
ωπ
ωπ
ωπ
ωωπ
)(21)(
21
21)(1
)(cos)(1)(
)(
)()(
0
0
(3.11)∫∞
∞−
−= dueufF uiωω )()(
(3.12)∫∞
∞−= ωω
πω deFxf xi)(
21)(
フーリエ変換
フーリエ逆変換
※cosθ=(eiθ+e-iθ)/2を使う
冨田フーリエ 35
例えば、電子波の平面波などを扱う場合、変数u,xが変位xであるので、振動数ωに対応する波数k=2π/λを用いて
このときF(k)はf(x)のフーリエ変換、f(x)はF(k)のフーリエ逆変換という。
※孫引き注意。積分の前の係数は、その積が1/2πであるように分ければよい。
(3.13)∫∞
∞−
−= dxexfkF ikx)()(
(3.14)∫∞
∞−= dkekFxf ikx)(
21)(π
フーリエ変換
フーリエ逆変換
冨田フーリエ 36
例題2
⎩⎨⎧
><
=)|(|0)|(|
)(axaxb
xf
左図で与えられる関数f(x)(矩形パルス)のフーリエ変換F(k)を求めよ
x
f(x)
-a 0
b
2a
a
(3.11)より
( )k
kabeeikbe
ikb
dxbedxexfkF
ikaikaa
a
ikx
a
a
ikxikx
sin2
)()(
=−−=⎥⎦⎤
⎢⎣⎡−
=
==
−
−
−
−
−∞
∞−
− ∫∫
-7.5 -5 -2.5 2.5 5 7.5
0.5
1
1.5
2
a=1, b=1での計算結果
2ab
a/π※sinθ=(eiθ-e-iθ)/2iを使う
冨田フーリエ 37
例えば、音や光の振動を扱う場合、変数u,xが時間であるので、u,x→tと変数の名前を変えて、
また(物理学では慣習的に)指数の符号を逆にして
このときF(ω)はf(t)のフーリエ変換、f(t)はF(ω)のフーリエ逆変換という。
※孫引き注意。積分の前の係数は、その積が1/2πであるように分ければよい。
以降、 終目標へ向け、この定義を用い、使用する変数はtとする
(3.15)∫∞
∞−= dtetfF tiωω )()(
(3.16)∫∞
∞−
−= ωωπ
ω deFtf ti)(21)(
フーリエ変換
フーリエ逆変換
冨田フーリエ 38
3.4 特殊な関数のフーリエ変換
3.2で仮定したように、関数f(t)のフーリエ変換が存在するための十分条件は、f(t)が絶対積分可能ということ、即ち
なのだが、例えばsinωt, cosωtはこの条件を満たしていない。
このような関数のフーリエ変換は、どのようにすればよいか?
そのための準備として、3.5 ディラックのデルタ関数δ(t)3.6 たたみこみの定理(たたみこみ積分)
に寄り道する
∞<∫∞
∞−dttf )(
冨田フーリエ 39
3.5 ディラックのデルタ関数 δ(t-a)
物理学で、瞬間に働く撃力や、大きさを無視した点電荷を表すためにδ(t-a)が用いられる
δ(t-a)は、以下のような性質(特異性)を持つ1.t=aの点を除き02.t=aでは非常に大きく3.t=aを含む区間で積分すると1
1)(
)()(0
)(
=−
⎩⎨⎧
=∞≠
=−
∫∞
∞−dtat
atat
at
δ
δ(3.17)
tt =a
デルタ関数δ(t-a)
冨田フーリエ 40
(3.19)
[ ]
[ ] )()()()(
)(')(
)()(')()(
)()(
afafff
dttff
dtattfattf
dtattf
a
=−−=
−=
−−−=
−
∫∫
∫
ββ
β
θθ
δ
β
β
α
βα
β
α
ディラックのデルタ関数は、以下に示すヘビサイドの階段関数の形式的な導関数とみなせる
すると部分積分を使って、任意の(性質の良い)関数f(t)に対し、α<a<βとして
⎩⎨⎧
><
=−)(1)(0
)(atat
atθ (3.18) tt =a
階段関数θ(t-a)
※積分区間に注意
これをデルタ関数δ(t)の定義と考える
※ )()( atat −=−′ θδ
冨田フーリエ 41
3.6 たたみこみの定理(たたみこみ積分)
いま、f1(t)のフーリエ変換をF1(ω) 、f2(t)のフーリエ変換をF2(ω)とする。
ここでf1(t)とf2(t)のたたみこみ(convolution)というものを、
で定義する。
これのフーリエ変換を考えてみる。
(3.15)∫∞
∞−= dtetfF tiωω )()(
(3.16)∫∞
∞−
−= ωωπ
ω deFtf ti)(21)(
(3.20)∫∞
∞−−= τττ dtfftftf )()()(*)( 2121
冨田フーリエ 42
[ ]
)()(
)()(
)()(
)()(
)()(
)(*)(
21
21
)(21
21
21
21
ωω
ωττ
τττ
τττ
τττ
ωτ
ωττω
ω
ω
ω
FF
Fdef
dedtetff
ddtetff
dtedtff
dtetftf
i
iti
ti
ti
ti
=
⋅=
⎥⎦⎤
⎢⎣⎡ −=
⎥⎦⎤
⎢⎣⎡ −=
⎥⎦⎤
⎢⎣⎡ −=
∫
∫ ∫
∫ ∫
∫ ∫
∫
∞
∞−
∞
∞−
∞
∞−
−
∞
∞−
∞
∞−
∞
∞−
∞
∞−
∞
∞−
つまり、f1(t)*f2(t)のフーリエ変換は、F1(ω)F2(ω)である
と判る。すなわち、たたみこみのフーリエ変換は、フーリエ変換の積
これをたたみこみの定理と言う。
※積分の順序を交換した
冨田フーリエ 43
3.7 デルタ関数δ(t)と関数f(t)のたたみこみ
これより、デルタ関数δ(t)と関数f(t)のたたみこみは、f(t)そのものに等しい。
)(
)()(
)()()(*)(
tf
dtf
dtfttf
=
−=
−=
∫∫
∞
∞−
∞
∞−
ττδτ
ττδτδ
※デルタ関数の定義(3.19)でα=-∞、β=∞と考えて
※デルタ関数は偶関数、δ(-t)=δ(t)
(3.21)
冨田フーリエ 44
例題3
たたみこみの定理を用いて、デルタ関数δ(t)のフーリエ変換を求めよ。
(3.15)より
とする。まず、たたみこみの定理より、f(t)*δ(t)のフーリエ変換は、フーリエ変換の積F1(ω) F2(ω)となる。
また(3.21)より
これよりf(t)*δ(t)のフーリエ変換は、F1(ω)になる。以上より、
)()(*)( tfttf =δ
∫∫∞
∞−
∞
∞−
=
=
dtetF
dtetfF
ti
ti
ω
ω
δω
ω
)()(
)()(
2
1
∫∞
∞−==
=
1)()(
)()()(
2
121
dtetF
FFFtiωδω
ωωω
⇔デルタ関数のフーリエ変換は1(3.22)
冨田フーリエ 45
3.8 デルタ関数のフーリエ変換の絶対値は1、の意味
フーリエ級数の係数列及び、フーリエ変換後の関数をスペクトルと呼ぶ
デルタ関数δ(x)の、フーリエ変換F(k)=1F [δ(x)]=1
逆に言うと、あらゆる波数kのフーリエ成分を同じ割合で含んでいる関数F(k)(=1)のフーリエ逆変換が、デルタ関数δ(x)
F-1 [1]= δ(x)
である。
冨田フーリエ 46
3.9 続・特殊な関数のフーリエ変換
フーリエ変換の定義の式(3.16)に、逆変換の式(3.17)を代入する。ただし、積分変数はt’ に変換する。
また、積分の順序は形式的に交換できるとする。
(3.19)式のデルタ関数の定義でt→t’、a→tとして
以上の二つを比較し、デルタ関数が偶関数であることを用いると、
∫ ∫∫ ∫
∫∞
∞−
∞
∞−
−′∞
∞−
−∞
∞−
′
∞
∞−
−
′⎥⎦⎤
⎢⎣⎡′=⎥⎦
⎤⎢⎣⎡ ′′=
=
tddetfdetdetf
deFtf
ttititi
ti
ωπ
ωπ
ωωπ
ωωω
ω
)()(21
)(21
)(21)(
tdtttftf ′−′′= ∫∞
∞−)()()( δ
{ }∫∫∞
∞−
−′∞
∞−
−′ ==′−=−′ ωπ
ωπ
δδ ωωω deedetttt tititti
21
21)()( )(
冨田フーリエ 47
(3.23)をフーリエ逆変換の定義式(3.16)と比較する
F(ω)は(3.23)の{}の中に対応し
δ(t-t’)のフーリエ変換:
すなわち任意のaに対して、
∫∞
∞−
−= ωωπ
ω deFtf ti)(21)(
{ }∫∞
∞−
−′=′− ωπ
δ ωω deett titi
21)( (3.23)
(3.16)
tit eF ′′ = ωω)(
∫∞
∞−
−−=− ωπ
δ ω deat ati )(
21)( (3.24)
冨田フーリエ 48
ω0 2ω0ω
-2ω0 -ω0 0
F(ω)
例題4
これまでの結果を用いて、f(t)=cos(ω0t)のフーリエ変換を求めよ。
( )
[ ]
[ ]
[ ][ ])()(
)()(21
21
2121
21
)cos()(
00
00
)()(
)()(
0
00
00
00
00
ωωδωωδπωωδωωδπ
πππ
ωω
ωωωω
ωωωω
ωωωω
ωωω
ω
−++×=+−+−−×=
⎭⎬⎫
⎩⎨⎧ +×=
+=
+=
+=
=
∫∫
∫
∫
∫
∫
∞
∞−
−∞
∞−
+
∞
∞−
−+
∞
∞−
−
∞
∞−
−
∞
∞−
dtedte
dtee
dteeee
dteee
dtetF
titi
titi
titititi
tititi
ti
※オイラーの公式を用いた
※(3.24)で t-a→ tとしω→ ω-ω0とした
冨田フーリエ 49
4.1 物理例1 フラウンホーファー回折
開口面
観測面
x0
y0x
y
R
SP
O
r
f(x,y)
dxdyriikrAu
sP ∫= λ)exp( (4.1)
光源も観測点も無限遠=入射波も回折波も平面波
スクリーン上の観測点P(x0,y0)における回折波の振幅
開口の形を現す開口関数は
⎩⎨⎧
=)S(0)S(1
),(の外側開口
の内側開口yxf (4.2)
[ ]dxdyyyxxRikyxfRi
A
dxdyikryxfRi
AyxuP
∫∫
∫ ∫
−+−+=
=∞
∞−
20
20
2
00
)()(exp),(
)exp(),(),(
λ
λ
(4.3)
(4.1)は
この式は開口面に垂直な平面波が入射したときに起こる回折波の振幅分布を与える
※ホイヘンスの原理
冨田フーリエ 50
20
20
2 )()( yyxxRr −+−+= (4.4)開口面の一点から観測点Pまでの距離
Rは(x-x0)や(y-y0)に比べて十分大きいので以下のように近似できる。
[ ] [ ] ⋅⋅⋅+−+−−−+−+=22
02
032
02
0 )()(8
1)()(21 yyxx
Ryyxx
RRr (4.5)
ここでRの条件として )(21 22 yxrR +>>λ
(4.6)
とすると、 [ ] [ ]
)(21)(1
)(1)()(21)()(
21
20
2000
0020
20
2220
20
yxR
yyxxR
R
yyxxR
yxyxR
RyyxxR
Rr
+++−≈
+−++++=−+−+=
(4.7)
(4.7)を(4.3)に代入し、
dxdyyyxxRikyxfyx
RkiikR
RiAyxuP ∫∫ ⎥⎦
⎤⎢⎣⎡ +−×⎥⎦
⎤⎢⎣⎡ +⋅= )(exp),()(
2exp)exp(),( 00
20
2000 λ
(4.8)
※物体が10cm四方、波長500nmで、R>>5km
冨田フーリエ 51
(4.10)はまさにフーリエ変換そのものである
フーリエ変換そのものが光の強度分布として直接観測される数学的な抽象的概念ではなく、フーリエ変換そのものが一つの物理的意味を持つ
⎩⎨⎧
==
RyRx
y
x
λνλν
//
0
0 (4.9)ここで
と置くと(4.8)よりPでの振幅強度は
[ ]dxdyyxiyxfAu yxyxP )(2exp),(),( ννπνν +−′= ∫ ∫∞
∞−(4.10)
が得られる。ただし、
⎥⎦⎤
⎢⎣⎡ +⋅=′ )(
2exp)exp( 2
020 yx
RkiikR
RiAAλ
(4.11)
冨田フーリエ 52
開口面
観測面
x0
y0x
R
SP
r
O
y
Dy
Dx
大きさがDx×Dyの矩形開口の
フラウンホーファー回折を考える
0
0
0
0
2/
2/
2/
2/ 00
00
2
2sin
2
2sin
)(exp
),(
yR
kD
yR
kD
xR
kD
xR
kD
DDA
dxdyyyxxRkiA
yxu
y
y
x
x
yx
D
D
D
D
P
x
x
y
y
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛
⋅⎟⎠⎞
⎜⎝⎛
′=
⎥⎦⎤
⎢⎣⎡ +−′= ∫ ∫− −
(4.12)
(4.10)より観測面での回折の振幅は
-4 -2 2 4D x0・・・・・・・・・・・・・・l R
0.2
0.4
0.6
0.8
1・0
-4 -2 2 4D x0・・・・・・・・・・・・・・l R
-0.4-0.2
0.20.40.60.8
1・0
矩形開口のフラウンホーファー回折(振幅分布) 矩形開口のフラウンホーファー回折(強度分布)
冨田フーリエ 53
4.2 物理例2 結晶構造解析
∑ ⋅−=h
cc
e rhihFv
rr
rrrr )exp()(1)(ρ (4.18)
結晶構造因子Fc(h)は、結晶の周期的な電子密度分布ρe(r)のフーリエ係数に比例X線回折から|Fc(h)|2を測定し、それからρe(r)を決めれば、結晶構造が求まる
X線の電子による散乱を考える。X線の入射波を平面波とする。
原点からrの位置にある多数の電子群(静的な電荷の雲)による散乱
X線の散乱の角度分布
周期的な結晶構造の場合、bが逆格子点の一つhに一致したときのX線の散乱強度
)exp()( 00 rkiAru rrr⋅= (4.13)
∫ ⋅−= rdrbirikRR
Aru esrrrr)r )exp()()exp()()( 0 ρθϕ (4.14)
∑ −=j
je rrr )()( rrr) δρ (4.15):電荷密度分布
kkbrdrbirbF e
rrrrrrr)r−′=⋅= ∫
系全体
)exp()()( ρ (4.16)系の構造因子
)()()()( 2321
22hFNNNhFhF cc
rrr= (4.17):結晶構造因子
冨田フーリエ 54
4.3 物理例3 AM変調
例えばAMラジオ浜村淳の声(信号波f(t)、様々な周波数含む)を遠くに送りたい
周波数一定(MBSなら1179kHz)の高周波(搬送波)cosωctを信号波によって変調(modulation)したものであるf(t)cosωctを送信
振幅変調(amplitude modulation, AM)
[ ])()(
)cos()(
cc
ticc dtetF
ωωδωωδπ
ωω ω
−++×=
= ∫∞
∞−
搬送波cosωctのフーリエ変換Fc(ω)
物理現象のフーリエ解析 65pより
冨田フーリエ 55
3.6より、積のフーリエ変換はフーリエ変換のたたみこみなので、f(t)cosωctのフーリエ変換は
AM信号が送られてきたら、検波(detection,demodulation)すれば、元の信号f(t)を分離することが出来る。
各家庭で浜村淳の声が聞こえる。
[ ]
[ ]
[ ])()(21
)()()(21
)()(*)(21)(*)(
cc
cc
ccc
FF
dF
FFF
ωωωωπ
ωωωωδωωωδωπ
ωωδωωδωπ
ωω
−++=
′′−−+′−+′=
−++=
∫∞
∞−
※前頁図右下参照
冨田フーリエ 56
参考文献
フーリエ変換について1.岩波物理入門コース10 物理のための数学 和田三樹(岩波)
2.物理現象のフーリエ解析 小出昭一郎 (東大出版会)
3.岩波講座 応用数学 Fourier-Laplace解析 木村英紀 (岩波)
4.物理数学の直観的方法 長沼伸一郎 (通商産業研究社)
5.光とフーリエ変換 谷田貝豊彦 (朝倉)
物理数学全般について6.数学 -物理を学び楽しむために- 田崎清明 暫定版(学習院物理学科WEBよりPDF入手可能)
は、ぜひ入手し、第1章だけでも良いので読んでみることをお勧めする。
本講義資料http://mswebs.naist.jp/LABs/optics/tomita/jpn/lec_j.htm
フーリエ変換公式集
),2,1,0(cos)(1⋅⋅⋅== ∫− ndx
Lxnxf
La
L
Lnπ (2.9)
),2,1(sin)(1⋅⋅⋅== ∫− ndx
Lxnxf
Lb
L
Lnπ (2.11)
∑∞
=⎟⎠⎞
⎜⎝⎛ ++=
1
0 sincos2
)(n
nn Lxnb
Lxnaaxf ππ
(2.13)
),2,1,0(cos)(2
cos2
)(
0
1
0
⋅⋅⋅=⎟⎠⎞
⎜⎝⎛=
+=
∫
∑∞
=
ndxLxnxf
La
Lxnaaxf
L
n
nn
π
π(2.14)
),2,1(sin)(2
sin)(
0
1
⋅⋅⋅=⎟⎠⎞
⎜⎝⎛=
=
∫
∑∞
=
ndxLxnxf
Lb
Lxnbxf
L
n
nn
π
π(2.15)
フーリエ級数
フーリエ余弦級数
フーリエ正弦級数
(3.8)[ ]
∫∫
∫
∞
∞−
∞
∞−
∞
=
=
+=
uduufB
uduufA
dxBxAxf
ωω
ωω
ωωωωωπ
sin)()(
cos)()(
sin)(cos)(1)(0フーリエ積分表示
(3.15)∫∞
∞−= dtetfF tiωω )()(
(3.16)∫∞
∞−
−= ωωπ
ω deFtf ti)(21)(
フーリエ変換
フーリエ逆変換
(3.19))()()( afdtattf =−∫β
αδ
(3.20)∫∞
∞−−= τττ dtfftftf )()()(*)( 2121
デルタ関数
たたみこみ積分