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日本医史学雑誌第53巻第2号(2007)229
占領期における急性感染症の発生推移
〔要旨〕現在、わが国では世界的にも優れた保健医療統計を完備し、各種感染症に関する情報を継続
的に収集・整理している。しかし、この整備されたわが国の感染症統計においても、第二次世界大戦
中から終戦後にかけての期間は、厚生省(当時)による系統的な調査報告が現存せず、「空白の期間」
となっている。一方、占領期の保健医療改革に大きく関与した、連合国最高司令官/総司令部の公衆
衛生福祉部(GHQ/SCAP/PHW)は、わが国の健康状態を綿密に調査していた。本稿では、
国立国会図書館憲政資料室に所蔵されているGHQ/SCAP文書のうち、君の鼻辱習斤冒に付録
として記載された急性感染症統計を復刻することによって、占領期における急性感染症の発生推移を
考察した。
キーワードー占領期、感染症統計、GHQ/SCAP/PHW、君㈹1号四二の目
2
3
田中誠二・杉田聡・森山敬子・丸井英二
U順天堂大学医学部公衆衛生学教室
日本医史学雑誌第五十三巻第二号平成十八年十二月十五日受付
平成十九年六月二十日発行平成十九年四月八日受理
帥西南女学院大学保健福祉学部看護学科
帥大分大学医学部看護学科
田中誠二・杉田聡・森lll敬子・丸井英二:占領期における急性感染症の発生推移230
(-)
近年、わが国では、新興・再興感染症が新たな健康問題への脅威となり、その対策が重要視されているc
有効な感染症対策を樹立するためには、正確かつ迅速な実態把握が不可欠であり、現在、わが国では世界
的にも優れた保健医療統計を完備し、各種感染症に関する情報を継続的に収集・整理している。
しかし、この整備されたわが国の感染症統計においても、第二次世界大戦中から終戦後にかけての期間は、
(ゾ』)(咽抑}
厚生省〈当時)による公的な報告として詳細なものは残されていない。したがって、戦時体制下における衛
生状態の悪化に加え、外地からの引揚げ・復員などの動きによって、各種感染症が大流行したと考えられ
るこの時期においては、系統的な調査報告が現存していないため実態が明らかになっておらず、わが国の
感染症統計における「空白の期間」となっているc
一方、占領期の保健医療改革に大きく関与した、連合国最高司令官/総司令部a①国①国一国①且呂胃甫勗.
曾冒①ョ①○○日日煙且閏さ崗昏①ン匡且ぎ君①易↓以下GHQ/SCAP)の公衆衛生福祉部弓呂胃国①巴昏
四目言①展円①貯昌○三ゞ以下PHW)は、占領政策を順調に遂行するため、わが国の健康状態を綿密に調査し
ていた。なかでも占領軍の兵士の身に直接悪影響を及ぼす恐れのあった各種急性感染症については極力、
(4)
情報を収集していたのである。
本稿では、国立国会図書館憲政資料室に所蔵されているGHQ/SCAP文書の中から、GHQ/SCA
Pが収集・整理していた各種急性感染症の患者数記録を用いて、占領期における急性感染症の流行状況を
明らかにすることを目的とした。
一、はじめに
日本医史学雑誌第53巻第2号(20()7)231
日本政府/厚生省
{“、胡」
PHWは、一九四五年十月に設置されたGHQ/SCAPの九つの幕僚部のうちの一つの部局であり、民
二、言①呉辱国邑①旨の概要
墨室①の戸与国員屋の冨口
第8軍軍政本部
軍団軍政本部
地方軍政本部
規則
命令
法律
ll一→|地方行政機関/衛生部’
間接統治と医療政策の流れ
杉山章子「占領期の医療改革」.122頁,「図7
と医療政策」,勁草書房,1995年筆者により
図1
間接統治
一部改変。
政における保健・医療・福祉領域を担当していた。
一九四五年九月二十二日、GHQ/SCAPは、厚生省に
(6)
対し「公衆衛生対策に関する覚書命、シ国zI浅匡を提出し、
厚生省がGHQ/SCAPに対して提出すべき情報について
の指令、及び緊急にとるべき施策についての指示を出した。
このなかで、疾病蔓延状況の調査や各府県毎の伝染病の週間
報告を指令した。
これを受けて、各都道府県から各種感染症の新規患者数・
死者数が報告され、それを集計したものがPHWの部内週報
である「雪①禺辱国昌里旦に付録として記載されているc
以下に、この「雪①禺辱画邑呂自」の概要を記すc
(二乏の異三四一一①言の目的と配布先
GHQ/SCAPによる占領政策は、「間接統治」の形態の
(7)
もとに実施されたが、特に、医療政策の流れについては杉山
一N)
により作成された図1を参考にするとわかりやすい。すなわ
田中誠二・杉田聡・森|||敬子・丸井英二:占領期における急性感染症の発生推移232
(二)乏の異三胃一一の言の配布期間
現在、所在が確認できる弓の禺辱冒扁目は、一九四五年十月十四日’二十日の週のものから一九五一
年三月までである。一九四五年十月から一九四八年八月までは一週間に一度、一九四八年八月から一九五
一年二月までは二週間に一度、一九五一年三月は月に一度、発行されている。
ち、占領軍の命令は一括してSCAP/PHWから日本政府(厚生省)に出され、日本政府〈厚生省)が
責任をもって施行するという方式である。占領軍は、日本側が忠実に政策を実行しているかを監視するた
め、軍政本部と都道府県軍政部を設置した。
しかし、この方式が必ずしもうまく遂行されたわけではなく、PHWから出された指令が軍政部に伝達さ
れるまでに時間がかかるため、「指令の遵守を監視しようとする府県軍政チームの担当官が知る前に、日本
(9)
の地方庁の職員が指令を受け取ってしまっていた」ことがあった。このような事態を防ぐための措置とし
て発行されたのが「言①烏ご国昌曾旦であるcこれには、「迅速な指令の伝達」という目的に加え、「府県
軍政チームの担当官に全国的レベルで何がなされつつあるかについてのおおよその認識を持たせ、意見交
(9)
換の媒体として役立たせる」目的があった。
杉山によると、この尋①禺辱国昌里旨は、全国四十六都道府県(沖縄県は直接占領下で管轄外)の軍政
(Ⅱ)
部のほか、太平洋陸軍やGHQ/SCAPの関係部局など多方面にわたって配布された。
(三)乏の奥三m三一の言の構成
言①鼻ご国邑呂昌は、主に日本政府から提供された保健医療関係の情報や統計、PHWの職員の業務報告、
日本医史学雑誌第53巻第2号(2007)233
1949.101950.11950.71951.3二 、ロ
ー▲▲▲
1追加:追加(追加
・ ポ リオ。フィラリア・ツツガムシ症
・破傷風・日本住血吸虫症
・産褥熱
・狂犬病
・ハンセン病
・トラコーマ
・炭疽
・伝染性下痢症
・デング熱
47■
491669
491015’
491
▲
i追加
・マラリア
・日本脳炎
▲
:追加
・麻疹
・百日咳
・結核
・肺炎
・インフルエンザ
・ジフテリア
・赤痢
・腸チフス
・パラチフス
・天然痘
・発疹チフス
・猩紅熱
・流行性髄膜炎
・コレラ
・ペスト
GHQ/SCAP/PHWによる感染症統計に記載された疾患名
WeeklyBulletinの末尾に付録として感染症統計が記載されるようになっ
たのは1946年2月である。後述の通り、それ以前の感染症統計(1945
年10月以降)が人口統計課(HeallhStalisticsBranch)の史料として見つ
かったので併せて記したc
図2
PHWが厚生省やほかの日本側機関に出した「指示」や「示
唆」の内容から構成されている。本文の記述に当たっては、
PHW内の担当課の構成に準じて、予防医学弓届く①貝乏⑦
三且言冒里、病院管理〈西呂冒国一シニョ冒涜耳胃さ巳、栄養
(z昌昌5巳、獣医学関係(く①房『曰“昌宏酌里夙)、歯学関係
〈己①昌巴シ廟巴邑、看護関係(Z員望眉シ庫巴邑、福祉もしく
は社会保障(君島胃①胃曽g巴艀9国ご)、法律P偲豊、物
資(曾弓gなどの章立てが用いられている。そして、一九
四六年二月からは、雪①馬ご国昌里旨の末尾に付録として、各
都道府県から報告された各種感染症の新規患者数・死者数お
よび性病の患者数が表にまとめられ、添付されているc
雪①禺辱四三輿冒に付録として記載された感染症の種類は
図2の通りである(性病は除く)。記載されるようになった
当初は、「ジフテリア」、「赤痢」、「腸チフス」、「パラチフス」、
「天然痘」、「発疹チフス」、「猩紅熱」、「流行性髄膜炎」「コレ
三、弓①烏ご国邑①言〕に添付された感染症
統計の内容
田中誠二・杉田聡・森lll敬子・丸井英二:占領期における急性感染症の発生推移234
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図 3 WeeklyBulletinに添付された感染症統計
週ごとにまとめられた記録(左)には、週別新規患者数.死者数と
当年における累積患者数・死者数が記載されている。また、月の最
後にはその月の4週分または5週分の記録がまとめられた月別患者
数.死者数と罹患率・死亡率の記録も添付されている。(右)
ラ」「ペスト」の十種であったが、その後、
一九四六年六月に「マラリア」、「日本脳
炎」の二種が、一九四七年四月には、「麻
疹」、「百日咳」、「結核」、「肺炎」、「イン
フルエンザ」の五種が追加されたcまた、
一九四九年十月には、「ポリオ」、「破傷風」、
「産褥熱」、「狂犬病」、「ハンセン病」、「ト
ラコーマ」、「炭疽」、「伝染性下痢症」、
「デング熱」の九種が追加され、さらに、
一九五○年一月に「フィラリア」、「日本
住血吸虫症」、同年七月に「ツツガムシ症」
が加えられた。
この感染症統計には、四十六都道府県
における各種感染症の週別新規患者数・
死者数が記録されているcまた、月の最
後には、その月(四週分または五週分)
をまとめた月別患者数.死者数と罹患
率・死亡率(人口十万人1年)の記録が添
付されている。(図3)
日本医史学雑誌第53巻第2号(2007)235
(二感染症統計の電子ファイル化
国立国会図書館憲政資料室に所蔵されているGHQ/SCAP文書のうち、雪の禺辱国昌自国に付録とし
(Ⅲ)
て記載された各種急性感染症の患者数記録(都道府県別・月別)を電子ファイル化した。
前述の通り、言①禺辱、昌呂口に付録としてこの感染症統計が記載されるようになったのは一九四六年二
月である。それ以前の感染症統計については、都道府県別・週別の記録(一九四五年十月~)が、PHW
(旧〉
内の人口統計課畠①巴昌陣昌の胃印即四月どの史料に独立して存在したため、同様に電子ファイル化した。
尚、週別の記録には、その週の新規発生数と当年における累積発生数が記載されているが、罹患率につい
(、)
ては記載がない。したがって、この期間については各週の記録を月毎にまとめた後、人口調査による人口
を用いて罹患率を算出することとした。
(二)罹患率推移のグラフ化と疾患
電子ファイル化した各種感染症の月別の罹患率をグラフ化し、発生推移を考察した。また、月別の記録が
欠落している場合や解読が不可能な場合には、その月の週別記録を用いて罹患率を算出し補完した。
本稿では、図2に示した各種感染症のうち、一九四五年十月から記録が残る「ジフテリア」、「赤痢」、
「腸チフス」、「パラチフス」、「天然痘」、「発疹チフス」、「猩紅熱」、「流行性髄膜炎」、「コレラ」、「ペスト」
の十種と、一九四六年六月に追加された「マラリア」、「日本脳炎」の二種、計十二種を取り上げ、全国に
おける罹患率の推移を報告する。また、そのうちの五種については地方別の罹患率推移を報告する。
四、研究の方法
田中誠二・杉田聡・森lll敬子・丸井英二:占領期における急性感染症の発生推移236
(M)
医制百年史付録「衛生統計からみた医制百年の歩み」によると、ジフテリアは、明治以来、年々多数の
患者と死者を出した急性感染症である。一九四○年頃から終戦にかけて患者数は徐々に増加し、一九四四
(胴)
年には約九万四千人に及んでいる。しかし、終戦後、約三年の間にジフテリア患者数は急激に減少してお
(|)占領期における各種急性感染症の罹患率の推移(全国)
結果は、図4~図叫に示す通りである。各疾患は、①占領初期に大きく流行したがその後は目立った流
行がない疾患(天然痘・発疹チフス)、②散発的に流行した疾患(コレラ・日本脳炎)、③罹患率が経年的
に減少し、占領後期にはほぼ流行が治まった疾患(腸チフス・パラチフス、マラリア)、⑭)発生の流行をな
かなか制圧することができなかった疾患(ジフテリア・赤痢)、⑤その他(猩紅熱・流行性髄膜炎)、の五
つに大別することができた。尚、ペストは全く発生が無かったため、ここでは図を省略した。
(三)ロの|里8刀呂昌冨の解釈について
一九四五年十月第一週から同年十二月第一週までの九週分の記録については、その週の新規患者数とは別
に、「ロ⑦一葛8房9門耐」(遅れて届いた報告)が記されているc「何週遅れて到着した報告か」は明らかで
はないが、原則として毎週報告が行われていたことから、遅延分の記録が記載された前週の患者数と考え
るのが自然であると判断し、その前の週の患者数に加算することとした。
(二)占領期における曇
(二)l①ジフテリア
医制百年史付録「衛生
五、結果
占領期における各種急性感染症の罹患率の推移
(地方別)
日本医史学雑誌第53巻第2号(2007)
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237
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図4ジフテリアの罹患率(全国)
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回5赤痢の罹患率(全国)
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図6腸チフスの罹患率(全国)
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図7パラチフスの罹患率(全国)
田中誠二・杉田聡・森lll敬子・丸井英二:占領期における急性感染症の発生推移238
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図8天然痔の罹患率(全国)
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図9発疹チフスの罹患率(全国)
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図10猩紅熱の罹患率(全国)
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図11流行性髄膜炎の罹患率(全国)
日本医史学雑誌第53巻第2号(2007)
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同12コレラの罹患率(全国)
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回13マラリアの罹患率(全国)
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圃14日本脳炎の罹患率(全国)
田中誠二.杉田聡.森lll敬子.丸井英二:占領期における急性感染症の発生推移24()
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図15ジフテリアの罹患率(地方別)
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図16赤痢の罹患率(地方別)
(二)l②赤痢
占領期における赤痢の罹患率の推移(地
方別)は、図佑の通りである。いずれの地
方も、夏季に罹患率が高い。図5で示した
全国の罹患率の推移では、一九四六年から
一九四八年にかけて経年的に減少し、その
後再び増加しているが、この増加は、特に、
関東地方において顕著であることがわかる。
り、明治以降の年次推移のなかで、占領期
は最も大きい変化(減少)のあった時期で
ある。占
領期におけるジフテリアの罹患率の推
移(地方別)は、図幅の通りである。いず
れの地方も、罹患率は冬季に高く、夏季
(特に八月)に低い。一九四五年の十一月、
十二月には四国地方で罹患率が最も高いが、
翌年以降は、年間を通して北海道で比較的
高く、関東、近畿地方で低いc
日本医史学雑誌第53巻第2号(2007)241
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10月
図17赤痢の罹患率 (1946年7月~10月)
(M)
赤痢患者数の年次推移によると、その後さらに
増加し、一九五二年には患者数が昭和期で最も多
くなる。赤痢の発生に関して、占領期は一九四八
年を境とし急激な減少と増加の両方を示した時期
であったといえるc
図仰は、一九四六年の七月から十月までの罹
患率を都道府県別に塗り分けしたものであるc七
月には、九州、四国、関東地方で罹患率が高く、
その後、北関東から東北、北海道と流行が移り変
わるのがわかる。
(二)l③腸チフス
腸チフスは、ジフテリアと同様に明治以来、
年々多数の患者と死者を出した急性感染症であ
り、明治二十年以降はほぼ毎年、’一万人以上の患
(川}
者数が記録されているc終戦を迎えた一九四五年
には、患者数が約五万八千人に及ぶが、それ以降、
患者数、死者数ともに急激に減少し、占領期が終
わる一九五二年には患者数が三千人以下となる
田中誠二・杉田聡・森|||敬子・丸井英二:占領期における急性感染症の発生推移242
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図18腸チフスの罹患率(地方別)
1946年7-9月一一財 一一一 ヤーd嘩
1947年7-9月…雷“ 肥‘I函雪_垂】 一画凸壺ロ函
図19 腸チフスの罹患率(1946年、1947年の7月~9月)
その後は目立った流行
がなく、年々減少して
(胴)
いくことから、同じ消
化管感染症に分類され
る赤痢とは異なる推移
を示すことがわかる。
占領期における腸チ
フスの罹患率の推移
(地方別)は、図把の
通りであるcいずれの
地域も経年的に減少し
ている。また、各年を
通じ、九州地方の罹患
率が他に比べて低い。
図伯は、一九四六年、
一九四七年のそれぞれ
七月から九月までの罹
患率を都道府県別に塗
り分けしたものであ
日本医史学雑誌第53巻第2号(2007)
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図20天然痘の罹患率(地方別)
1946年
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5月)図21天然痘の罹患率(1946年1月~
る。一九四六年の夏に
は全国的に感染が広が
っているが、一九四七
年の夏は、主に中部地
方南部から近畿地方に
かけての地域に集中し
ているc
(二)l④天然痘
明治以降の天然痘患
者数、死者数の年次推
(M)
移によると、明治、大
正時代に数度の流行が
あり、なかでも特に、
明治十八~二十年、明
治二十五~二十七年、
明治二十九~三十年の
三回にわたって多数の
患者、死者を出す大流
田中誠二・杉田聡・森|||敬子・丸井英二:占領期における急性感染症の発生推移244
(二)l⑤発疹チフス
発疹チフスは、大正三年に七千人を超える患者数を記録したc特に、この大流行の中心となった東京にお
{冊)
ける状況について渡部が報告しており、そのなかで「第二次大戦後の日本においては、GHQの計画的な
防疫施策によっても一九四六年の発疹チフスの大流行を防止できなかった」と記しているc発疹チフスは、
(け)
戦争や貧困、飢鐘など社会的悪条件下で流行することが多いとされる終戦翌年の大流行は三万二千人を
{胴)
超える患者数を記録しているc
罹患率の推移(地方別)は、図翠に示す通りである。最も罹患率の高かった近畿地方では、一九四六年
一月から急激に増加し三月にピークを迎える。関東地方は、近畿地方からひと月遅れで罹患率が上昇し、
四月に最も高くなる。北海道は一九四五年から罹患率が上昇し始め、一九四六年六月にピークを迎えるc
罹患率を都道府県別に塗り分けすると(図銅)、人口が密集し不衛生な状態にあったと考えられる大阪府、
東京都、兵庫県などの都市部と、青森県、北海道などの寒冷地域において罹患率が高いことがわかる。
行が起きた。昭和に入ってからはしばらく目立った流行はなかったが、終戦後の一九四六年に再び流行し
た。図釦を見ると、各地方で三月、四月にピークを迎え、特に、北海道、近畿地方で高い罹患率を示した。
この時期の罹患率を都道府県別に塗り分けすると(図副)、流行は兵庫県に始まり、近畿地方から北は中部、
関東地方、南は中国、四国地方へと感染が広がる。また、北海道は前年十二月から罹患率が上昇し、四月
に最も高くなる。この流行において、高い罹患率を記録した地域は、順に、大阪府、兵庫県、東京都、北
海道、愛知県であったc
日本医史学雑誌第53巻第2号(2007)
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245
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図22発疹チフスの罹患率(地方別)
1946年
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年2月~7月)図23発疹チフスの罹患率(1946
本稿では、国立国会図書館
憲政資料室に所蔵されてい
るGHQ/SCAP文書の
うち、弓①農ご国邑里冒に付
録として記載された急性感
染症統計を復刻し、占領期
における急性感染症の発生
推移を考察したc都道府県
別、週別にまとめられた本
記録を系統的に整理(本稿
では月別の記録を使用した)
することにより、わが国の
感染症統計において詳細な
記録が残されていない「空
白の期間」の実態を解明で
きる可能性が広がった。
六、まとめと今後の
課題
田中誠二・杉田聡・森|||敬子・丸井英二:占領期における急性感染症の発生推移246
本研究は、日本学術振興会科学研究費基盤研究6二占領期の保健医療政策決定過程に関する考察lGHQ灘
PHW文書を用いた検証I」研究代表者形田聡一および萌芽研究「GHQ文書を用いて戦後五年間の感染症流
行を解明する研究」(研究代表者唖丸井英三の成果の一部である。
今後の研究課題として、次の二点が挙げられる。まず本稿に引き続いて、他の急性感染症の発生推移を系
統的にまとめ、占領期における感染症の蔓延状況を明らかにすることであるcまた、本稿では「月別」の
記録を用いることで占領期の感染症流行の概況を明らかにしたが、それをもとに「週別」の記録を効果的
に用いることによって、流行の時間的、場所的な経過をより詳細に解明したい
二つ目は、言①農ご国昌①目における記述事項と関連付け、さらに他史料と照合し検討を重ねることによっ
て、占領期における感染症対策の実態を解明することである。例えば、シラミによって媒介される発疹チ
フスの発生状況と、予防医学の章に記載されたDDT散布に関する記述を照らし合わせ、経過を追って分
析する。併せて、発疹チフスに関する他史料との考証を深めることにより、GHQ/SCAP/PHWが
一九四六年の大流行をいかに察知し、どのような対策を講じたか、またその評価はどのようなものであっ
たか、などについてのより立体的な考察が可能となる。
右記の研究課題を通して、さらに占領史研究を継続していく所存であるc
注記と参考文献
(1)厚生統計協会一「国民衛生の動向』五二巻九号、’一九-一一一○頁、厚生統計協会、東京、一一○○五
(2)丸井英三「戦時下の公衆衛生」「保健の科学」三二巻八号、五一五~五一七頁、一九九○
(3)終戦後における厚生省(当時)の公的な報告としては「厚生統計月報』(厚生省大臣官房統計調査部)があり、一九四七
日本医史学雑誌第53巻第2号(2007)247
年一月以降の各種感染症の記録が各都道府県別・月別に残されている。しかし、終戦直後から一九四六年十二月までの期
間は、わが国の報告として系統だったものは存在せず、未知のままである。
(4)杉山章子『占領期の医療改革」、一四○~一四四頁、勁草書房、東京、一九九五
(5)竹前栄治『GHQ」、九○~九四頁、岩波書店、東京、一九八三幕僚部はそのときどきの必要に応じて存廃、移動した。
〈6)国立国会図書館の塵C扇○ン弔詞画○○”ロの『三①日○国且匡昌さ【胃冒胃凰四こ砦昌⑦の①gく①9日の昌命○シ国z畠二・国巨言
エ①巴一三℃Ron①旦匡『⑦め.いいの命己弄.一℃吟、
(7)竹前前掲耆(5)、五四1五六頁
(8)杉山前掲書く4)、一二六~一二八頁
(9)C・F・サムス著、竹前栄治編訳『DDT革命」、七四~七五頁、岩波書店、東京、一九八六
(皿)杉山前掲書(4)、二五二~二五三頁
(Ⅱ)国立国会図書館の函Cお○ンや詞向○○詞口の『雪国同【F昌画ごPF向目星》勺四三割‐畠シ胃岸ちま~冨胃3.乞凹.都道府県
別・週別にまとめられた感染症統計は、翌々週の雲①鳥ご習房号に添付され報告された。本研究で用いた「月別」の感
染症統計は「曾ヨョ陛昌靜冒昌呉○○ヨョ匡皀8匡命皀砂gゆめ⑦旨苛冒弓さ『ざ胃(又は芽里乏①異胃『一旦命且言噌・一などの
ように表記され、月の最終週の週別統計と同時に添付されている。一九四八年十月、一九四九年八月の月別統計は現在確
認できていないが、それ以外の月は揃っているc
(吃)国立国会図書館omCら○ン勺詞両○○詞口の弓◎日日匡昌8三m口吻gの①需冒員め‐君の農ごsogこぶ‐涜口円思念こゞ勺壷乏
淫⑦里畠忘やg]霊も函君田8-号聾昌呂5国目月ご
(喝)総務庁統計局「日本長期統計総覧第一巻」、九四’一○四頁、日本統計協会、東京、一九八七
(M)厚生省医務局「衛生統計からみた医制百年の歩み」「医制百年史付録」、二五、三五頁、ぎようせい、東京、一九七六
(脂)厚生省医務局『医制百年史資料編』、五四四1五五五頁、ぎようせい、東京、一九七六
(肥)渡部幹夫「大正三年、東京における発疹チフスの大流行についてl防疫行政面からの一考察」『日本医史学雑誌」四八
巻四号、五九七’六一六頁、’一○○二
(Ⅳ)山崎修道他編『感染症予防必携」、三五九~三六一頁、日本公衆衛生協会、東京、一九九九
零国鐸篝謝鰕e嶋諜遥起、噸心土鵯型霊腰氾》Ⅱ群#長・咋籍三篭・醤田馨・川福任田
AcuteInfectiousDiseasesinOccupiedJapan
SeijiTANAKA,SatoruSUGITA,
TakakoMORIYAMA,andEijiMARUI
Japan'shealthstatisticssystem,consideredamongthebestintheworldtoday.continually
compliesandorganizesinfbrmationaboutvariousinfectiousdiseases.However,systematicsur-
veillancewasnotconductedbytheMinistryofHealthandWelfarebetweenWorldWarlland
thepostwarperiod,creatingagapinhealthdata.Incontrast,theGHQ/SCAP/PHW,which
wascloselyinvoIvedinhealthandmedicalreformduringtheOccupation,thoroughlyinvesti-
gatedthehealthconditionsoftheJapanesepeopleduringthisperiod.Thisarticledescribes
thetrendsinacuteinfectiousdiseasesinOccupiedJapanbyusingstatisticalrecordslistedin
theappendicesofthe;!WeeklyBulletin,''anofficialdocumentoftheGHQ/SCAPthatiscur-
rentlykeptintheNationalDietLibraryModernJapanesePoliticalHistoryMaterialsRoom.