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電力システムと再生可能エネルギーの共生”マイクログリッド”
~可能性とビジネスモデル~
長坂 研
東京農工大学 工学部 電気電子工学科環境エネルギー工学講座[email protected]
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電力システム電力システム(グリッド)(グリッド)
電圧階級:電圧階級:500kV500kV~~100V100V
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6kV 6kV 配電配電線線
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マイクログリッドの設置場所マイクログリッドの設置場所低圧配電系統下低圧配電系統下
輸送部門輸送部門(送電サイド)
• 送電線
• 一次変電所
• 送電線
• 工場(大口需要家)
• 住宅(一般需要家)
柱状変圧器から柱状変圧器から
kWh メータ
Ground
住宅入口引込み線
電気パネル
住宅内の系統
へ
引込み線
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マイクログリッドとは?
複数の複数の分散型電源分散型電源((風力・太陽光・マイクロ水力・バイオマス・コジェネレ風力・太陽光・マイクロ水力・バイオマス・コジェネレ等)等)と複数の負荷から構成される特定地域におけるエネルギー供給システムである。と複数の負荷から構成される特定地域におけるエネルギー供給システムである。言い換えれば、複数の需要家は複数の分散型電源のエネルギーを分け合う言い換えれば、複数の需要家は複数の分散型電源のエネルギーを分け合う小規模エネルギー需給システムである。小規模エネルギー需給システムである。
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マイクログリッドマイクログリッドはは1~2点で1~2点で電力会社(グリッド)に電力会社(グリッド)に連系連系してしていいる。(る。(ただし、連系の時、系統に悪影響を与えない)ただし、連系の時、系統に悪影響を与えない)
マイクログリッドは、電力会社のマイクログリッドは、電力会社の系統異常時(系統異常時(地震等の災害)、)、系統から独立して系統から独立して運転運転する(する(安定供給リスクを軽減できる)こと)ことができるができる。。多く多くの場合は系統連系を前提の場合は系統連系を前提としてとしている。いる。
特に事故生地点に近い場所に所在するマイクログリッドは、そ特に事故生地点に近い場所に所在するマイクログリッドは、その事故対応への供給余力が、の事故対応への供給余力が、サービスとして高い価値サービスとして高い価値を有しを有している。ている。
マイクログリッドマイクログリッドのの自立運転自立運転時には、それぞれの分散型電源時には、それぞれの分散型電源の負荷分担をパワーコントローラーが制御する。の負荷分担をパワーコントローラーが制御する。
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マイクログリッドシステムのモデル図マイクログリッドシステムのモデル図
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マイクログリッドおよび分散型電源のメリット
送配電ネットワークに大きな投資
大規模集中型電源
排出熱は使えない
セキュリティのリスク
投資のペイバックリスク
送配電ネットワークに比較的小さな投資
マイクログリッドおよび分散型電源
排出熱は使える
セキュリティのリスクは分配
投資リスクは分配
課題:発電効率
熱需要の確保
運用&メンテナンス 〔O&M〕
信頼性 & 電力系統への逆潮流
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マイクログリッドのコンセプトは米国(DOE:Department Of Energy)で誕生
米国西部では1996年に大規模な停電が発生し、安定的な電力供給を必要とするインターネット関連等のIT産業の発展もあり、電力系統の信頼性に対する関心が急速に高まっていた。CERTS(The Consortium for Electric Reliability Technology Solutions:電力信頼性技術開発協会)
欧州でも、EUのもとで、2003年1月からMICROGRIDSプロジェクトが開始
日本では、2003~2007年度までの計画で、愛知、京都、八戸の3箇所においてNEDOからの委託による実証研究が行われている。
マイクログリッドの登場の目的:
電力信頼性向上
電力自由化に伴い大規模設備投資のリスクを分散型電源の活用により軽減
(アンシラリ・サービス)
需要家のエネルギーコスト削減
CO2 排出削減。欧州で急速に成長する風力発電をはじめとする再生可能エネ
ルギーの導入が進んでいる。
マイクログリッドの登場の経緯マイクログリッドの登場の経緯と背景と背景
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日本にどんなマイクログリッドはあるか
• 八戸市におけるマイクログリッドの実証プロジェクト
• 京都エコエネルギープロジェクト
• 愛知県マイクログリッド(万博2005)
• 六本木再開発プロジェクト
• 明電舎&清水建設マイクログリッド
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八戸市におけるマイクログリッドの実証プロジェクト
• NEDO技術開発機構の公募事業に青森県、八戸市、三菱総合研究所、三菱電機の4者が協同提案し、2003年7月に事業採択
を受けたもので、5年間にわたり、実証実験が行われることになっている。
• 実証研究は、太陽光発電や風力発電といった自然変動電源とその他の新エネルギー等を適切に組み合わせ、必要に応じて省エネルギー技術も加え、これらを制御するシステムを作ることにより、研究地域内で安定した電力・熱供給を行う
• 既存の電力系統へもできるだけ影響を与えず、かつコスト的にも適当な「新エネルギーによる分散型エネルギー供給システム」を構築し、供給電力等の品質、コスト、その他のデータを収集・分析しようとするものである。
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2006年現在、実証実験が始まっている
710kW合計
なし八戸圏域水道企業団旧庁舎
太陽光発電機(10kW)八戸市立小中野中学校
風力発電機(8kW)八戸市立小中野小学校
太陽光発電機(10kW)八戸市立江陽中学校
風力発電機(8kW)八戸市立江陽小学校
太陽光発電機(10kW)、風力発電機(4kW)八戸市庁舎本館
二次電池(100kW)、木質バイオマスボイラ(1.0t/h)
太陽光発電機(50kW)、ガスエンジン(170kW×3)東部終末処理場
および熱供給機器
設置する発電機名称
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東北電力会社との契約
• 今回のプロジェクトにおける電力供給システムは、東部終末処理場と各供給先を自営線で結び、供給先の一つである八戸市庁舎において東北電力系統と連系することになっている。
• このため、供給システム全体では東北電力における供給役款上の「一の需要場所」とは認められないため、各供給先は個別に契約する必要がある。
• 各供給先が東北電力から購入した電力が自営線を通じて他の供給先に流入することを避けなければならない。
• そこで、東北電力の系統と直接連系している市庁舎については現在の契約を残し、その他の供給先(各小中学校及び八戸圏域水道企業団旧庁舎は、通常は電力会社からの供給は受けないが、システムのトラブル時のみ供給を受ける自家発予備電力契約を結ぶこととしている。
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京都エコエネルギープロジェクト(Kyoto Eco-Energy Project:KEEP)
• この事業は京都府、京丹後市のほか、富士電機システムズ、アミタ、大林組、日新電機、野村総合研究所の7者が参加して行われている。
• 実証研究地区となる京都府京丹後市は京都府北部の丹後半島中央部に位置しており、実証研究では、広範囲に分布するエネルギー供給設備と需要設備を一般電気事業者である関西電力の変電所を介在させて結ぶ。
• 船木地区のバイオガス発電所を中心設備として、市内の風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーから発生する電力を教育施設や市庁舎、公民館などの市の施設、さらには市営団地の一般家庭に供給する枠組みとなっている。
• 電力会社の配電線を経由する。実証研究では、自然エネルギー発電の出力を予測プログラムによってあらかじめ予測し、それを補う形でバイオ発電や二次電池を出力制御して「同時同量」を達成する。
• 2006年現在では、需要にあわせた電力供給システムの実証試験が昨年11月から始められている。
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KEEPの全体像
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設備
• 設備の中核となるバイオガス発電所には制御センターのほか、バイオガスプラント(一日あたり役5000㎥のバイオガスを発生させる )、ガスエンジン( 80kWのものが5台)、燃料電池(溶融炭酸塩形(Molten Carbonate Fuel Cell:MCFC)で出力は250kW )、二次電池が
• スイス村の風力発電設備(50kW )
• 太陽光発電設備(溝谷・吉野地区処理施設にある太陽光発電設備は出力20kW、丹後あじわいの郷(京都府農業公園)のものは出力30kWである )
• 負荷として、京丹後市弥栄庁舎・弥栄地域公民館、京丹後市立弥栄病院さらには市営和田野団地の18戸、市営堤団地の24戸の需要がある。
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期待される効果
「環境先進地・京都」の新たなシンボルプロジェクトとして、
新エネルギーの導入促進
環境教育・環境学習の拠点としての活用、環境配慮意識の普及啓発
環境・エネルギー関連産業の育成・誘致や地域産業おこし
エコツーリズムを通じた観光の振興
地域資源循環型社会づくりの促進
地域産業の活性化や地域雇用の創出 など
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愛知県 万博2005
総出力: 2200 kW (870 世帯に電気を供給できる程度)
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再生可能エネルギー(太陽光、燃料電池、 NaS電池)
NaS 電池は充電・放電のできる電池で、エネルギー効率は高く、360℃の高温で運転
できる電池である。
EXPO 2005では, NaS電池は1日平均で約7時間運転し、500kWを放電しながら太陽光発電で生じた変動を調整したり、または燃料電池の夜間過剰電を蓄電していた。
太陽光システム総容量: 330 kW
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六本木再開発プロジェクトRoppongi Redevelopment Project
ガスタービン: 6,360kW×6セット蒸気タービン: 500kW×1セット
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「系統連系時の連系点潮流一定制御」と「自立時の安定的自立運転」を実現するために、需要予測や運転計画機能によって発電機に対する監視制御を行うシステムである。再生可能エネルギー (総容量:600kW) :太陽光、風力、燃料電池、コージェネレーション蓄電デバイス:(電気二重層キャパシター、NaS電池)
明電舎&清水建設マイクログリッド
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ダム
河川
マイクログリッドを導入した場合マイクログリッドを導入した場合
マイクログリッドのビジネスモデル: 農村地域(Rural Area)
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黒森マイクロ水力発電プラント(21st COE Project)
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系統連系型再生可能システム用再生可能システム用のコントローラのコントローラ構造構造
例:黒森地域電力例:黒森地域電力系統系統::
WPTWPT:: 32 kW風力発風力発電機電機
MHPPMHPP:: 10 kWマイクロ水力マイクロ水力整流器整流器((RectifierRectifier)&)&
インバータコントローラインバータコントローラ
VFCVFC:電圧周波数制御器:電圧周波数制御器