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五高国際交流プログラム紹介① 広島県立五日市高等学校 FRSIS 2019 研修報告 令和元年6月 10 日(月)から 16 日(日)の7日間,マレーシアのクアラルンプール市にて FRSIS 2019 が開催 され,本校から8名の生徒が参加しました。姉妹校である SPBI ゴンバック校がこの行事の開催校となったこと が参加のきっかけでした。国内の全寮制高校をはじめ,ベトナム,フィリピン,インドネシアなどの海外の高校 生も参加し,総勢 324 名の大規模な学術交流となりました。生徒達は「スマート社会」をテーマにプレゼンテー ションを行い,大学訪問を通じて,「テクノロジー・リーダーシップ」に関する理解を深めました。 FRSIS(ファーシス)の紹介 FRSIS とは Fully Residential Schools International Symposium の略称で,マレーシア国内の全寮制高校 を対象とした「国際スマート産業シンポジウム」のことを指します。このシンポジウムは,将来的に雇用市 場に参入するために必要な知識とスキルを高校生たちに提供することを目的として,マレーシア政府の文部 省と財務省によって 8 年前に設立されました。FRSIS には,毎年 70 校を超える国内枠の高校と海外枠の高 校が参加し,5日間の研修プログラムを通じて,生徒たちはテクノロジーに関するプレゼンテーションやデ ィスカッション,大学訪問,文化交流などを体験します。特に,今年の FRSIS はインダストリー4.0(第 4 次産業革命)*の需要に焦点を当てたプログラムが豊富に組み込まれていました。 インダストリー4.0 とは? Industry 4.0 を和訳すると「第 4 次産業革命」です。この概念のルーツは 2011 年にさかのぼり,ドイツ政 府が進めていた産官学共同の国家プロジェクトにおいて誕生しました。これをきっかけに,「スマート工場」 (考える工場)というコンセプトが世界的に広まりました。スマート工場とは,工作機械や製造ラインをコ ンピューターネットワーク(インターネット)で接続し,生産性を高めることを目的としています。 第 1 次産業革命 (18~19 世紀) 蒸気機関による 繊維工業 第 4 次産業革命 (2015~) モノのインターネットに よってつながる社会。 デジタル社会。 第 3 次産業革命 (20 世紀後半) コンピュータ による自動化 第 2 次産業革命 (20 世紀前半) 電力による 大量生産 マレーシアのクアラルンプールに 70 校の高校生が集合。

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五高国際交流プログラム紹介①

広島県立五日市高等学校 FRSIS 2019 研修報告

令和元年6月 10 日(月)から 16 日(日)の7日間,マレーシアのクアラルンプール市にて FRSIS 2019 が開催

され,本校から8名の生徒が参加しました。姉妹校である SPBI ゴンバック校がこの行事の開催校となったこと

が参加のきっかけでした。国内の全寮制高校をはじめ,ベトナム,フィリピン,インドネシアなどの海外の高校

生も参加し,総勢 324 名の大規模な学術交流となりました。生徒達は「スマート社会」をテーマにプレゼンテー

ションを行い,大学訪問を通じて,「テクノロジー・リーダーシップ」に関する理解を深めました。

1 FRSIS(ファーシス)の紹介

FRSIS とは Fully Residential Schools International Symposium の略称で,マレーシア国内の全寮制高校

を対象とした「国際スマート産業シンポジウム」のことを指します。このシンポジウムは,将来的に雇用市

場に参入するために必要な知識とスキルを高校生たちに提供することを目的として,マレーシア政府の文部

省と財務省によって 8 年前に設立されました。FRSIS には,毎年 70 校を超える国内枠の高校と海外枠の高

校が参加し,5日間の研修プログラムを通じて,生徒たちはテクノロジーに関するプレゼンテーションやデ

ィスカッション,大学訪問,文化交流などを体験します。特に,今年の FRSIS はインダストリー4.0(第 4

次産業革命)*の需要に焦点を当てたプログラムが豊富に組み込まれていました。

インダストリー4.0 とは?

Industry 4.0 を和訳すると「第 4 次産業革命」です。この概念のルーツは 2011 年にさかのぼり,ドイツ政

府が進めていた産官学共同の国家プロジェクトにおいて誕生しました。これをきっかけに,「スマート工場」

(考える工場)というコンセプトが世界的に広まりました。スマート工場とは,工作機械や製造ラインをコ

ンピューターネットワーク(インターネット)で接続し,生産性を高めることを目的としています。

第 1次産業革命

(18~19世紀)

蒸気機関による

繊維工業

第 4次産業革命

(2015~)

モノのインターネットに

よってつながる社会。

デジタル社会。

第 3次産業革命

(20世紀後半)

コンピュータ

による自動化

第 2次産業革命

(20世紀前半)

電力による

大量生産

マレーシアのクアラルンプールに 70 校の高校生が集合。

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2 研修プログラムの概要

参加生徒:8 名(2 学年 7 名,3 学年 1 名)

日程:令和元年 6 月 10 日(月)~6 月 16 日(日)の 6 泊 7 日

訪問場所:マレーシア クアラルンプール市 SBPI ゴンバック校

国内参加校:全寮制高校より 70 校(男子 2 名・女子 2 名で 1 チーム)

海外参加校:日本(五日市高校 2 チーム)

フィリピン(パガサ国立高校 2 チーム)

フィリピン(ロルマサイエンススクール 3 チーム)

ベトナム(ハノイ科学技術高校 2 チーム)

インドネシア(SMA N6 Purworejo 高校 1 チーム)

参加人数:合計 324 名(81 チーム)

3 参加生徒とチーム紹介

3 月に英語面接等を通じて参加生徒 8 名を選定し,以下のチームを編成しました。

チーム名 プレゼンテーション 学年・組 名前 性

Itsukaichi Senior

High School Team 1

《銀賞受賞》

Improving the quality of education

for fostering leaders in Japan.

「日本におけるリーダー育成のための

教育の向上」

2 年 1 組 福 田 倖 生 男

2 年 4 組 吉 本 大 輝 男

2 年 4 組 善 岡 麻 央 女

3 年 3 組 槇 田 詩 穏 女

Itsukaichi Senior

High School Team 2

《銀賞受賞》

What should medical services in

Japan be like?

「日本の医療サービスのあり方とは」

2 年 1 組 林 真 白 女

2 年 4 組 木 原 菜 歩 女

2 年 5 組 辻 野 諒 男

2 年 6 組 丹 波 愛 斗 男

引率・監督:洪 美律(英語科)

4 FRSIS 2019のプレゼンテーションについて紹介

FRSIS の中心となるのがプレゼンテーション大会です。2019 年のテーマは「スマート産業 ~世界を再構

築~」でした。各チームは事前に指定されたトピック*を一つ選び,それに基づいてリサーチし,調査結果

をプレゼンテーションします。

《事前に指定されたトピック》

・スマート産業によって経済成長を促そう

・スマート産業によって健康福祉に革命を起こそう

・スマート産業によって持続可能な環境を実現しよう

・スマート産業に従事するスマートな働き手を育成しよう

・スマート産業によってグローバルな協働製作を広げよう

《発表ルール》

・各チームのプレゼンテーションは最大 10 分までとし,時間を過ぎると減点。

・プレゼンテーターは最大 2 名までとし,PC 操作係は 1 名とする。

・プレゼンテーションの後は審査員から最大 2 問の質疑応答がある。

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5 事前研修

各チームのプレゼンテーションの課題設定のヒントを探すため,3月 25日(土)に高校生のための ESDユー

スワークショップに生徒 6名が参加しました。松本一郎氏(島根大学大学院教育学研究科教授)と松原裕樹

氏((特非)ひろしま NPO センター専務理事・事務局長)によるファシリテーションを通じて,SDGs につい

て深く学習しました。また,他校の生徒や大学生との実践報告交流会を通じて,自分自身についても深く知

る姿勢を持ち,世の中の課題とその解決に取り組むことへの意欲をより高めることができました。

6 FRSIS の主な日程

主な活動内容

6 月 10 日(月) ・広島空港より出国

・シンガポールチャンギ空港経由でマレーシア入国

6 月 11 日(火) <朝>ホテルにてプレゼン練習

<昼>ゴンバック校に到着

<夜>オリエンテーション&アイスブレーク

6 月 12 日(水) <朝>・開会式

・大学教授による特別講義「IR4.0 について」

<昼>研究作品展示交流

<夜>プレゼンテーションの最終準備

6 月 13 日(木) <朝>プレゼンテーション セッション①・セッション②

<昼>プレゼンテーション セッション③

<夜>・グループ別大学訪問オリエンテーション

・カルチャーナイト(文化の夕べ)の準備

6 月 14 日(金) <朝>グループ別大学訪問(クアラルンプール市内の4大学)

<昼>大学訪問の報告分科会

<夜>・プレゼンテーション授賞式

・カルチャーナイト

6 月 15 日(土) <朝>閉会式

<昼>市内観光

<夜>チャンギ空港経由でマレーシアを出国

6 月 16 日(日) <朝>広島空港に到着

SDGs の目標で気になるものは… 課題発見のノウハウを学びに

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7 現地での活動報告

1 日目 6 月 10 日(月)いざ出発!

朝 7 時に広島駅へ集合の後,リムジンバスで広島空港へ移動。午前の便でシンガポールのチャンギ空港へ出

発しました。プレゼンテーションの発表者の生徒は前日までパワーポイントの練り直しを行っていたため,出

国の日にようやく英語でのスピーキング練習を始めました。夜 9 時半にクアラルンプールに到着し,市内で夕

飯を終えた後,明日のプレゼンテーションの特訓に備えてすぐに就寝しました。

2日目 6 月 11 日(火) ホテルでも発表練習…

朝9時からホテルにてゴンバック校の送迎バスが到着す

るまで,プレゼンの打ち合わせと練習を行いました。幸運なこ

とに,ゴンバック校の送迎バスが予定より遅れて到着したので,

13 時までたっぷりと練習することができました。同時にスピ

ーカーの生徒にとって本番へのプレッシャーも徐々に高まり,

焦りが滲み出ていました。調査期間と整理・分析に時間を多く

費やし,英語原稿を仕上げるのが後回しになってしまったので,

無理もありません。しかし,決してあきらめずに最終修正と自

主練を続けました。

私達のホストをしてくれたのは,日本語の授業

を受講している 2 名の生徒でした。日本顔負け

のホスピタリティで,生徒達は驚いていまし

た。夜はアイスブレークでレクをして仲間作り

です。

ついにゴンバック校到着!寮生活スタート

午後 4 時ごろにゴンバック校へ到着し,参加校

の生徒達と対面しました。五高史上最大級の参

加者数(324 名)です!

ゴンバック校の大食堂

参加チーム公式写真

朝から発表の猛練習

アイスブレークで仲間づくり

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3日目 6 月 12 日(水) 開会式には財務副大臣!

マレーシア政府が主催に関わっているシンポジウムなので,財務副大臣も開会式に参席し,スピーチを披露

しました。驚いたのは,ゴンバックの生徒が作った「手形認証パネルタッチ」による開幕シーンでした。

大学教授がわかりやすく「IR4.0」をレクチャー

マレーシアの科学技術研究で有名な UKM(マレーシア

国民大学)から,大学教授モハメド・ハニフ先生が

招かれ,「スマートインダストリー」に関する講義を

してくださいました。ハニフ先生は CAISER(カイザ

ー)というテクノロジー研究の主導者です。本校の

生徒たちは英語を通じた講義であるにも関わらず

「ビッグデータ」や「クラウド」などの専門用語を

彼らなりに理解し,気になった内容については質疑

応答タイムで堂々と英語で質問していました。

展示交流会では日本文化を紹介

おそらく「展覧会」というのは「テクノロジー展覧会」

のことだったのかもしれない、と現地に着いて気づい

た私たちでしたが、たくさんの「日本文化紹介グッズ」

を持参していたので、なんとか交渉して展示させても

らいました。書道体験コーナーやアニメグッズ、宮島

フォトマップ「雅」の配布など、例年以上に展示アイ

テムが増え,たくさんの海外高校生に、英語を使って

日本文化を紹介できる良い機会となりました。

モハメド・ハニフ教授の講義

開会式で歓迎パフォーマンスをした生徒たちと

手形が認証され、FRSIS2019 が開幕する瞬間

書道体験に長蛇の列

手作りのロボットゲームだそう

アニメのコスプレも大人気 宮島フォトマップ「雅」を配布

漢文の意味を説明中

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A チームの発表「リーダー育成教育の提案」

生徒のこだわりポイント:「リーダーシップを発揮させるしかけは何か、模擬授業で実践してみた。」

結果⇒「スマートインダストリー」を活用した提案に及ばなかったことを指摘され、次回の課題にしたい。

B チームの発表「日本の医療格差をなくすために」

生徒のこだわりポイント:「IT 医療と呼ばれる技術の有効性をできるだけ検証したうえで最終案を出した。」

他校のチームのプレゼン力に圧倒されながらも、「足で稼ぐ調査」で審査員にインパクトを与えました

海外の高校生チームは、英語力はもちろん動画編集力も高く、「プレゼンの良い見本」として生徒は強い刺

激を受けていました。(ますます本番への焦りを感じたのも事実です。)今回は英語でのプレゼン練習よりも

内容の「論理性」や「充実性」に焦点を置いて発表をまとめてきたので、練習時間が不足し、特に語彙力の

壁に何度もぶつかりました。しかし,本番では堂々と話すことができ、驚いたことに審査員からの質問が出

てこないほどの充実した「発表」に仕上げることができたのです。生徒たちは達成感に満ち溢れていました。

たくさんの発表練習で成長!

審査員の大学教授が発表に興味津々

前夜も夜遅くまでスパルタ練習

毎朝早朝に行われる生徒朝会

4日目 6 月 13 日(木) いよいよプレゼンテーションの日がやってきた!

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教授に熱心に質疑応答中

この日の辻野君を密着取材(START!)

5日目 6 月 14 日(金) グループ別大学訪問の日

最終日のプログラムは大学訪問から始まりました。4つの大きな団体に分かれ、クアラルンプール市内に繰

り出します。マレーシア国内の科学技術分野で有名な4大学をそれぞれ訪問し、テクノロジーに関する講義

やロボット見学を通じて、最先端の科学技術を取材します。帰校後は、班ごとに取材した内容をデジタル媒

体で資料作成し、即席でグループシェアリングをしました。

生徒たちの感想

○「テクノロジー・リーダーシップ」という言葉を初めて知っ

た。テクノロジーが一般化されれば、文系理系問わず、その橋

渡し的な役割の仕事が必要となると分かった。

○海外の生徒たちの動画編集(アプリの活用)の技術が長けて

いた。取材したことを編集する速度が速い。

GOAL!

マレーシア国民大学にて テクノロジーリーダーシップの講義

スマホで発表資料作成中 辻野君が発表者として登壇! 取材をふりかえり中…

英語を使って楽しく交流♪ CAISER(カイザー)のラボを見学 仲間に助けてもらいながら講義を受講

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FRSISの最後の夜は審査結果の発表と文化交流会!

プレゼンテーション大会も終わり、達成感でいっぱい

の最後の夜は、いよいよ審査結果発表です。

70 校それぞれに異なる色のメダルと賞状が渡されま

した。本校の生徒たちは 2チームとも銀賞をゲットす

ることができました!

スマホで発表資料作成中

パフォーマンスで三線の演奏と空手を披露 生徒たちは銀賞を受賞し大喜び!

スマホで発表資料作成中

浴衣で授賞式に参加しました。

大講堂が華やかな会場に大変身

6日目 6 月 15 日(土) 閉会式を終えたら帰国!

午前中は閉会式に参加し、FRSIS を通じて仲良くなった他校の生徒たちとお別れをした後、クアラルンプ

ール市内を少し観光し,夜の便で無事に帰国しました。

KR 市内の話題の町「アロー通り」へ 五高をホストしてくれた皆さんに感謝の気持ちを述べて

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2年女子

今回の体験を通して、物事の考え方が改まった。自分の考えにとらわれず、周りを見てみることがいかに大切

か分かった。また、忍耐力が身についたとも思った。向こうの国は日本よりも時間通りに物事が進むことが少な

かったのでイライラしないように我慢することが多々あった。自分の考えを表に出しそれを他人に評価してもら

うことにより自分の考えをさらに深められると気づいたのでこれからは色々なディスカッションに参加していき

たいと思った。最後に、今回のプレゼンテーションの内容にさらに興味が湧いたのでより良い内容にしていきた

いと思った。そして五日市高校だけでなく、日本中の学校を改革していきたいと思った。

2年男子

当日他校の発表を聞く中で、私達が他校のプレゼンにはない強みを持っている事に気づきました。それは、

「リサーチ」です。私達は、電話でのインタビュー、実際に役場を訪れるといった、実際に自分達の足を使った調

査を行っていました。他国のプレゼンには無かったのではないかと思います。他国のプレゼンは、スライドの質、

発表の技術は私達をはるかに凌駕するものでしたが、セオリーだけ述べてその先が無いといった発表が見受

けられました。私のチームの発表は午後の部の最後で、私はパソコン操作を担当したのですが、自分達で作り上

げてきたプレゼンに自信を持って練習を遥かに超える発表に仕上げる事が出来ました。最後に、今回このプロ

ジェクトに参加して、とても貴重な経験をする事が出来ました。一生に一度有るか無いかのこの経験から得た物

は、「自分から動く事の大切さ」です。自分から一歩を踏み出さないと、次の一歩は無いのだと実感しました。私

達の一歩を強く後押しして下さった皆さん、本当に有難う御座いました。

2年女子

私は、事前準備で一番スマートインダストリーとは何かという定義について悩みました。ただスマートフォン

やパソコン、大量のデータを利用するだけでは便利さと引き換えに多くのデメリットがあると考えたからです。

最終的にスマートインダストリーとは最新的でさらに持続可能性があることだとはっきり意見がまとめられ

たと思います。グループ内では、日本出発の前日まで電話で発表内容についての言い争いがありました。そ

の時は、うまくいかずイライラしていましたが、今では、大切なことだったのではないかと思います。誰かが

折れたり、受け入れてもらった側は相手を尊重したりする事がグループの絆や信頼に繋がることを感じまし

た。

頑張ったことは、英語でコミュニケーションをとったことです。例えば全体レクの時、日本人同士で固まらな

いようにして、いろんな人と英語で関われるようにしたことです。英語だけで難しかったけれど助けてくれる

人がいたから出来たことだと思います。学んだことは、海外の人のスマートインダストリーの捉え方について

です。発表を聞いていると、海外の人はスマートインダストリーに対して肯定的に捉えており、私達の生活を

発展させてくれる可能性を感じている人が多かったように感じました。ですが、私はスマートインダストリー

に頼っていいのかという疑問や危機感を持っています。ここから考えの差があることが新たな考えを生み出

し、上手に学ぶことが出来たと思いました。

FRSIS に参加したことで私は世界規模で物事を考える力がついたと感じました。その力は自分自身の行動

を客観視し、ある問題に対する世界への影響や未来の姿を想像出来ることに繋がると思います。このことか

ら、私は自分には何が出来るのか様々な視点から考えられるように生かしたいです。今回の発表を通して、日

本以外の国でも同じような問題がある点、人々が見ている世界の姿は違う点などの事を強く感じました。ま

た皆世界をより良くしたいという気持ちは一緒だとも感じました。このことから、私は今後この世に生きる一

参加生徒の感想レポート

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員として、何がより良い世界なのかを考えていきたいです。

私はFRSISに参加したことでただ楽しいだけではない様々なものを得たと思います。第一に協調性が身に

ついたと思います。事前準備では、私自身こんなに誰かと協力、試行錯誤して作品を作ったのは初めてのこと

でした。喧嘩したり、皆で考え悩むことで成長したのだと思います。第ニに恥ずかしがらずコミュニケーション

を取ることです。現地では、英語しか通じず日本人同士になることも少なかったです。逆にそれが必然的に海

外の子達と英語で話し、心を開く要因だったと思います。第三に研修を終え、世界や人の為に何か出来ること

をしたり、考えたいという意欲が湧きました。とても複雑なことばかりでまだ具体的に何をするかなどは考え

られていません。ですが問題解決に繋がるようにこれから沢山の知識を付け、世界の現状をよく知ろうと思

います。自分と他者の差、日本と海外の差などから学ぶことが多かったです。未来を創る世代として責任感

のようなものを少し感じました。FRSIS への参加は、私にこれだけのことを得て、学び、感じ、成長させたと

思います。FRSIS参加は大変だったけれど、とても価値があり、参加して良かったと改めて感じました。

2年男子

今回の FRSISに参加して感じたこと、考えたことをいくつか紹介する。

1つは英語力についてだ。私がこの研修に参加した理由は、自分の英語がどこまで通用するのか実際に試し

てみたいと思ったからだ。学力としての英語には少しは自信があったし、実際何とかなるだろうと思っていた。

そんな甘い考えでいた私のメンタルはオープニングセレモニーでズタズタにされた。まず、なんと言っているの

か正確に聞き取れないのだ。授業で先生が喋る英語とは全く異なり、マレーシア英語の訛りなのかもしれないが、

まるで別言語のようだった。

そして驚くことに他国の生徒は英語がペラペラなのだ。アイスブレーキングの際に彼らから話しかけられた

が、私の語彙力とリスニング力のなさ故、何度” I can't understand "と言ったことか。知っている限りの

英語を駆使して会話を試みたが、発音にも難があり、うまく伝えることができなかった。聞き取れない、理解で

きないことがストレスに感じた。それでも日常会話は何とか成り立たせることができた。自分の英語力は日常会

話レベルだということを痛感した。五高では英語しか授業がないが、FRSIS に参加していた生徒たちのほとん

どは、英語はできて当たり前、プラス外国語を学んでいるそうだ。自分たちの学力的な遅れを実感した。

そしてもう1つすごいなと感じたのは、彼らの積極性だ。質疑応答の時、五高なら恐らく誰も手を上げないだ

ろう。だが彼らからは次々と質問が出てくる。話をよく聞いて分からないことは質問する姿勢は自分にも必要

だと感じた。

今回の研修を通して、自分の英語力のなさを痛感し、多くのことを学ぶことができた。英語に関しては、リス

ニングとスピーキングの力をつけるためにもっとネイティブの方と話したりしたいと考えた。日々の授業に積極

的に取り組む姿勢を大切にしようと思う。

生徒作成 FRSIS新聞

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