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臨床試験に係る教育(トレーニング)について 欧州製薬団体連合会 技術委員会臨床部会 部会長 東海康之 (グラクソ・スミスクライン(株)) 第1回臨床試験のためのe-Training Centerシンポジウム20190119@イイノホール)

臨床試験に係る教育(トレーニング)について - Med2019/01/19  · Task – BCP(事業継続計画 )Task – 治験費用適正化 Task EFPIA 臨床部会は臨床試験の現場を応援します!5

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臨床試験に係る教育(トレーニング)について

欧州製薬団体連合会技術委員会臨床部会部会長 東海康之

(グラクソ・スミスクライン(株))

第1回臨床試験のためのe-Training Centerシンポジウム(20190119@イイノホール)

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本日の内容

EFPIA Japan について

どのような教育(トレーニング)コンテンツが望ましいか

EFPIA Japanが作成したトレーニング資料の紹介

EFPIA Japanが協力している医薬品開発専門家の国際認定プログラムの紹介

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本日の内容

EFPIA Japan について

どのような教育(トレーニング)コンテンツが望ましいか

EFPIA Japanが作成したトレーニング資料の紹介

EFPIA Japanが協力している医薬品開発専門家の国際認定プログラムの紹介

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EFPIA Japan について (2018年9月現在)

EFPIA(European Federation of Pharmaceutical Industries and Associations, 欧州製薬団体連合会)は欧州でビジネスを展開する製薬産業を代表する団体EFPIA Japanは、日本で事業を展開している研究開発に基盤を置く欧州製薬企業で構成(加盟24社)「日本の患者さんの健康及びクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上をもたらす革新的な医薬品を日本に届ける」

技術委員会:患者さんに革新性の高い医薬品を早期に適切な情報とともに提供し、安全に使用いただくことを目的に、日本の医薬品開発および製造販売後活動に関わる実施環境、薬事環境、ならびに開発・評価の技術の向上のために活動しています。 4

薬価・経済委員会

技術委員会

アクセス委員会

ガバナンス・法務委員会

広報委員会

理事会

バイオロジクス委員会

薬事部会 臨床部会

(15社)

抗がん剤開発部会

PK/PD TF 非臨床部会品質部会安全性・PMS部会

ヘルスケアリフォーム委員会

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EFPIA-J:臨床部会(2018年12月現在)

臨床部会は、変化する医薬品開発の動向をとらえ、定期的な治験実施環境調査等から課題を整理し、Stakeholderとの意見交換を踏まえた解決策を提示・定着させることで、医薬品開発の実施環境の向上に貢献します。

加盟15社約60名がTask活動等に参加

Taskforce– RBM定着Task– 依頼者/医療機関の分業・協業Task– BCP(事業継続計画) Task– 治験費用適正化Task

EFPIA臨床部会は臨床試験の現場を応援します!

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本日の内容

EFPIA Japan について

どのような教育(トレーニング)コンテンツが望ましいか

EFPIA Japanが作成したトレーニング資料の紹介

EFPIA Japanが協力している医薬品開発専門家の国際認定プログラムの紹介

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グローバル試験が医薬品開発の主流になり、特に後期臨床試験では、その傾向が顕著である

第8回レギュラトリーサイエンス学会2018 PhRMA-EFPIA surveyより引用

PhRMA・EFPIAによって行われた治験件数(2015年~2017年)

2015年~2017年にかけて• 治験数は増加している• グローバル試験とローカル試験の比率は3:1まで拡大

各フェーズにおけるローカル、グローバル試験の割合 (FY2017)

後期臨床試験(特にPhase 3)では80%以上がグローバル試験

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治験の国際化と関係因子

検査機関(認定証/合格証)

Certificate

海外の慣習/考え方等

アウトソーシング

ICH/海外規制要件

英語(共通言語) IT化

Computers(EDC:eCRF/ePRO/IVRS/IWRS)

ICHFDA

EMA

国際共同治験(Global Clinical Trial)

EMA:European Medicines Agency/欧州医薬品庁 FDA:Food and Drug Administration USA/米国食品医薬品局ALCOA : Attributable, Legible, Contemporaneous, Original, Accurate IT:Information Technology EDC:Electronic Data Capture eCRF:electronic Case Report Form ePRO : electronic patient reported outcome IVRS:Interactive Voice Response System IWRS:Interactive Web Response System

記録類(ALCOA/Record/Document/Log)

用語の定義

ICH-GCP

Central Lab.

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e-Training Centerに期待すること

臨床試験が今後益々国際化・試験の複雑化が進む中で、患者さんの安全性確保と品質確保を効率的にかつ高いレベルで維持・向上する必要がある。 質の高い臨床試験を企画・実施・支援できる人財の育成が必要

(どのような教育(トレーニング)コンテンツが望ましいか?)

医療機関/SMOや製薬(医療機器)企業/CROで臨床試験に携わるすべての人が利用できる 基礎を体系的に学べるもの

最新の情報や実地で使える事例をタイムリーに提供できる

スタンダードなもので多くの教育プログラムと相互認証されるもの

簡単に(無料で時間に拘束されず(いつでも・短時間で))受講できる

e-Training Centerが、すべて満たしてくれるかも?

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本日の内容

EFPIA Japan について

どのような教育(トレーニング)コンテンツが望ましいか

EFPIA Japanが作成したトレーニング資料の紹介

EFPIA Japanが協力している医薬品開発専門家の国際認定プログラムの紹介

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EFPIA-J:臨床部会(2018年12月現在)

臨床部会は、変化する医薬品開発の動向をとらえ、定期的な治験実施環境調査等から課題を整理し、Stakeholderとの意見交換を踏まえた解決策を提示・定着させることで、医薬品開発の実施環境の向上に貢献します。

加盟15社約60名がTask活動等に参加

Taskforce– RBM定着Task– 依頼者/医療機関の分業・協業Task– BCP(事業継続計画) Task– 治験費用適正化Task

EFPIA臨床部会は臨床試験の現場を応援します!

CRA用のトレーニング資料を作成

CRA用のトレーニング資料を作成

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<背景>EFPIA臨床部会が2016年に実施した治験環境調査において、RBMを経験した加盟会社のCRA(CRO CRA含む)の約40%が、RBMについて自信を持って医療機関に説明することができないと回答

<タスクの目的>CRAがRBMを理解した上で自信を持って医療機関に説明し、臨床試験の品質向上につなげることができる共通の資料やサポートツールを作成し普及させる.

<活動>2017/6~2018/10– 各社のRBMの情報共有

・・・各社RBMの手法は様々、しかし、根本の考え方は同じ

– 各国RBMガイダンスの理解

– TransCelerateや製薬協などの公表資料やEFPIA臨床部会でまとめた過去の成果物(ALCOA(原則・医療機関から学ぶこと・事例集))の理解

– 「RBM CRA用説明資料」を作成

– EFPIA Japan臨床部会加盟会社およびCROを対象に説明会 開催

RBM定着タスクの目的と活動

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Risk Based Monitoring (RBM)

CRA用 説明スライド

EFPIA Japan RBM 定着Task2018年10月16日

http://efpia.jp/committee-technical_comi/index.html

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目次

タイトル スライド番号

1 本資料の目的 32 RBMが提言された背景 4~93 RBMの意義 10~114 従来のモニタリングとの違い 125 リスクの特定・評価・管理 13~206 医療機関のプロセス管理 21~267 モニタリング手法 27~358 治験依頼者側/医療機関側のメリット 36~379 RBMのよくある疑問や誤解 38~4110 EFPIA Japan RBM 定着 タスクメンバー 42

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【RBMについての欧米日のガイダンス】

FDA• Guidance for Industry “oversight of Clinical Investigations-A

Risk-Based Approach to Monitoring-”(U.S. Department of Health and Human Services、 Food and Drug(Administration) August 2013

EMA• Reflection paper on risk based quality management in

clinical trials(EMA/269011/2013) 18 November 2013

厚生労働省• 事務連絡“リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方に

ついて”(2013年7月1日)

【ガイダンス以外でRBMが明記されているもの】

ICH GCP E6(R2)• Addendum 「5.0 Quality management」でSponsorはQuality

managementについて、risk-based approachを用いることが明記された。(2017年6月14日 EMA)

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2.1. RBMが提言された背景

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2.2. RBMが提言された背景~ FDAガイドラインの概略 ~

学術研究機関や政府機関の試験ではすべてのデータを100%検証するon-site monitoringはあまり

利用されず、主に中央モニタリングや他のモニタリング方法が用いられている。※

治験の質を維持するために、治験依頼者にはモニタリングの実施が求められている。

全てのデータを100%検証するために頻回にon-site monitoringを実施することがFDA推奨方法だと

依頼者が理解していた。※※(FDAガイドライン「 Background 」より抜粋)

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治験依頼者にモニタリングアプローチの変更を検討することを推奨するため、以下を目的としてリスクに基づくモニタリング方法が提言された。 データの質に対する重要なリスクについての防止、軽減 被験者の保護と治験の完全性 試験の実施及び管理の継続的な改善 (FDAガイドライン「FDA’s Rationale for Risk-Based Monitoring]より要約)

【FDAが推奨するモニタリングの方法】

Centralized monitoring On-site monitoring

施設/試験横断的に実施

• 治験実施医療機関以外の場所の遠隔で実施

• (FDAではOff-site monitoringの概念がない)

治験実施医療機関で実施• データ入力の誤り• 原資料又はCRFの欠測の確認• 試験の記録が医療機関に存在することを保証• 治験実施計画書及び治験薬の投薬遵守を評価

(FDAガイドライン「モニタリング方法の概要」より要約)

それぞれのガイダンスの概略を色分けした項目ごとに1枚にまとめて説明

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2.3. RBMが提言された背景~ EMAガイドラインの概略 ~

ICH-E6(R1):1996年より抜粋

「依頼者は品質保証及び品質管理のためのシステムを実施及び維持し、品質を確保するために必要な手順の実施が要求されている。」

現行のon-site monitoringでは時間と

費用がかかりすぎるわりには、回避できるレベルの問題の発生が多い。※

国際共同治験、試験デザインの複雑化により発生する問題に違いがあるのに、モニタリング方法の範囲や重さに変わりがない。※

⇒問題の大小にかかわらず同じ方法を取っている。

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依頼者に対し、治験の質を管理する方法として、リスクに応じたアプローチが必要であり、より体系的かつリスクに基づくアプローチに移行することが提言された。• 優先度の高いリスクに基づくアプローチの開発

リスクの優先順位の設定 リスクコントロール 実施中に発生した新たな情報の評価 リスクマネージメントツールの開発 リスクコミュニケーション

(EMA Reflection paper 「Risk based quality management」より抜粋)

テクノロジーの発達で利用可能なアプローチ方法が増えてきた。 ※※(EMA Reflection Paper 「Introduce」より抜粋)

リスクを同定するための情報収集 システムレベルで収集された情報 プロジェクトレベルで収集された情報 (EMA Reflection paper 「Risk management」より抜粋)

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不適切もしくは不足しているプロセスがある場合は、Issue発生

の予防措置としてプロセスの変更、新たなプロセスの構築を依頼する。

プロセスの変更、新たなプロセスを構築してもらう上で気を付けるポイント

• 不適切な点、不足している点を明確に把握しているか。

• 無理なく続けられる実施可能な手順か。

• 後から検証可能な手順となっているか。

• 関係者全員に周知されるか。

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6.1. 医療機関のプロセス管理:モニターによる具体的なアクション ~試験開始前~

Tips

具体的なActionに繋げられるように、確認事項をTipsとして紹介

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5.4. リスクの特定・評価・管理~ FAQ(1) ~

Question: 治験を実施する上で潜んでいる医療機関における問題点(リスク) には、どのようなものがありますか?

Answer:具体的な事例として以下のようなものが挙げられます。

• 必須文書の保管・管理状況例) 適切なタイミング・対応者によって保管/管理されている

• GCPの遵守状況例) 過去における監査・当局から重大な指摘事項の要否

• 施設スタッフの十分な時間とリソース例) 治験実施計画書に沿った手順を十分に実施可能なリソースが必要

• タイムリーなCRFの作成/Trainingの実施状況例) 治験依頼者の要求に対し、Commitすることが出来る

• 治験薬の適切な保管・管理状況例) 治験薬の形状/保管方法等に応じて手順書に遵守した管理を実施

• 十分な経験を要する施設・スタッフ例) その領域における専門性・経験を十分に有しているかの確認

【補足】 治験依頼者ごとに考え方が異なるため、リスクの重さが異なることがあります。

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理解しておくべき点はFAQとして紹介

依頼者によって多少の違いがあることも(正直に)

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6.3. 医療機関のプロセス管理:~ FAQ (1) ~

Question: 医療機関のプロセスを確認しましたが、プロセスが構築されておらず、その重要性についても理解されていませんでした。モニターとしてどのようなサポートができるでしょうか?

Answer: 具体的には以下のようなActionが考えられます。

• RBMの目的を伝達し、理解を得る。

• 具体的に構築が必要な項目について説明、及びこれらを示す記録(SOP、根拠資料)の作成依頼

例)

– 原資料作成手順の明確化

– 設備及び測定機器等の精度管理手順の整備

– 必要なトレーニングの実施

– 責任者の設置(主に事務局、IRB)

• 「原資料作成手順の明確化」については、ALCOACに基づいた作成の重要

性について説明し、理解を得る。※ ALCOACについてはEFPIA作成資料を参照

EFPIA「原資料に求められるもの ALCOAの原則」リンク先:http://www.efpia.jp/link/ALCOA_Traning_materials_for_web_F_J.pdf

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CRAとしてサポートできることの事例

過去のEFPIA Japanの成果物の紹介も

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9. RBMのよくある疑問や誤解(2)

疑問や誤解 事実

医療機関側の手間が増えますか。

施設側にはメリットがないように感じます。

Off-site monitoringの必要性や メリットがわからない。On-sitemonitoringを減らすためですか。

訪問回数減少により医療機関とのコミュニケーション不足によるエラーやリスクが増えますか。

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いいえ。

医療機関は必要に応じて品質管理プロセスの見直しを実施する必要がありますが、医療機関が責任を持って実施すべきことは変わりません。

いいえ。RBMの導入により医療機関内の品質管理プロセス確立・改善につながると期待できます<p37参照>いいえ、単純にOn-site monitoringの回数を減らすことが目的ではありません。On-site、Off-site、Centralized monitoring等のモニタリング手法を組み合わせ、また使い分けて治験データの品質を確保します。On-siteでないと確認できない項目(原資料の確認)以外は、Off-site monitoringを積極的に活用すると、On-site monitoring時には本当に必要なことに集中することができます。

いいえ。IT技術の発達により, コミュニケーションの手法も多様化しています。Face to Faceだけが適切なコミュニケーションではありま

せん。タイムリーに適切な手法を選択したコミュニケーションが行うことができます。

この研修資料の内容を理解していれば、よくある疑問に正しく回答できるので、確認テストにもなる

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治験費用適正化Taskでも(成果物を作成し加盟会社を対象に研修を実施)

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http://efpia.jp/committee-technical_comi/index.html

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本日の内容

EFPIA Japan について

どのような教育(トレーニング)コンテンツが望ましいか

EFPIA Japanが作成したトレーニング資料の紹介

EFPIA Japanが協力している医薬品開発専門家の国際認定プログラムの紹介

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医薬品開発のグローバルスペシャリスト認定

『SMDプログラム』

一般財団法人日本製薬医学会(JAPhMed)一般社団法人日本ACRP(ACRP-JAPAN)欧州製薬団体連合会(EFPIA-JAPAN)

後援:一般社団法人日本臨床薬理学会(JSCPT)

事務局:一般財団法人日本製薬医学会(JAPhMed) http://japhmed.jp/

E-mail: [email protected]

問い合わせ先:東京大学大学院薬学系研究科ITヘルスケア社会連携講座 SMDプログラム担当

〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1TEL: 03-5841-0281, FAX: 03-5841-0280

(更新:2018/12/19) https://japhmed.jp/smd/smd.html

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SMDとは?

• SMDは、Specialist in Medicines Developmentの略称です。

• SMDプログラムは、各国の製薬医学教育コースを認証するヨーロッパのNPO法人PharmaTrainにより、2016年から試行的導入が開始された新たな国際認定制度です。従来の教育コースのような、座学を主とした知識習得とは異なり、本プログラムでは、参加者の職場における実務遂行能力(コンピテンシー)の評価と育成を行います。その結果、PharmaTrainが定める国際的カリキュラムの基準に達した個人に対して認定が発行されます。

• 参加者は、PharmaTrainの定める下記のドメインから、ドメイン7を必修とし,ドメイン1~6のうち,職場で従事する業務の範囲に合わせた2つから6つのドメインを選択することができます。

ドメイン1:創薬と早期開発ドメイン2:臨床開発と臨床試験ドメイン3:薬事規制ドメイン4:医薬品安全性サーベイランスドメイン5:倫理と被験者保護ドメイン6:ヘルスケア市場ドメイン7:コミュニケーションとマネジメント(対象者全員が必修科目とする)

• メンター(一般的には職場上長)は、PharmaTrainの定める各ドメインのコンピテンシーリストに従って、参加者の育成状況を評価します。それぞれのコンピテンシーは、応用知識、スキル、態度・行動の3つの面から更に細分化して定義されており、メンターは参加者のコンピテンシーを具体的に評価することができます。

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=必修

2科目以上選択

Competency総合評価

Domain-1:Discovery Medicine & Early Development

C1. EVALUATION & ANALYSIS OF A DISEASE AREA WITHIN THE INDUSTRY CLINICAL DEVELOPMENT ENVIRONMENT & IDENTIFICATION OF UNMET THERAPEUTIC NEEDS.C2. EVALUATION OF THE CLINICAL & NON-CLINICAL PHARMACOLOGY & TOXICOLOGY EVIDENCE FOR A NEW CANDIDATE FOR CLINICAL DEVELOPMENT. C3. EVALUATION & APPLICATION OF THE REGULATORY & ETHICAL ASPECTS UNDERPINNING CLINICAL DEVELOPMENT. C4. CREATION OF A CLINICAL DEVELOPMENT PLAN (CDP) FOR A NEW CANDIDATE INCLUDING A TARGET PRODUCT PROFILE (TPP).C5. THE DESIGN & EXECUTION OF EXPLORATORY STUDIES & EVALUATION OF THE RESULTING DATA AS APPLIED TO THE CLINICAL DEVELOPMENT PLAN .C6. THE EVALUATION OF THE ADVANCES MADE IN THE CLINICAL PHARMACOLOGY OF A NEW MEDICINE IN A STEPWISE MANNER WITH THE OVERALL CDP & THE TPP. C7. EXPLANATION OF THE STATISTICAL PRINCIPLES FOR THE DESIGN, CONDUCT & ASSESSMENT OF EXPLORATORY STUDIES.C8. JUSTIFICATION FOR THE VARIOUS END-POINTS USED IN THE CLINICAL DEVELOPMENT PROGRAMME.C9 APPRAISAL OF SUSPECTED ADVERSE EVENTS DURING EXPLORATORY DEVELOPMENT.

知識

スキル

行動

7つのドメイン

57のコンピテンシー

各コンピテンシーを3面で定義

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Part-2: 各ドメイン内のコンピテンシー評価(5)(初年度)選択+必修ドメインの各コンピテンシーを評価

該当するドメインにあるすべてのコンピテンシーについて、

応用知識、スキル、行動の観点リストをそれぞれ展開する

初年度のプルダウンメニューから各観点について現状の評価結果を選択する:

1(実行不能)2(要指導)3(単独で可能)4(他者も指導)5(評価外)

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Part-3:評価結果に基づく育成計画の作成(2)(評価結果ファイル:ワークシート「年次評価と育成計画」)

初年度評価の後に、育成計画を入力する:

育成計画のプルダウンメニュー:具体的な育成計画を3分類から選択・IWE(OJT:職場体験)・EMC(長期受講)・ITC(短期受講)(各コンピテンシーについて、育成計画1・2・3として3つまで選択可能)

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Thank you

ご清聴ありがとうございました!

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