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高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会 腎内科クリニック世田谷 人工透析内科 菅沼信也 腎内科クリニック世田谷患者友の会 勉強会 April 17, 2016

高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

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Page 1: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

高血液流量透析(高血流透析)について

医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷人工透析内科 菅沼信也

腎内科クリニック世田谷患者友の会 勉強会 April 17 2016

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

日欧米の血液流量と死亡の相対危険率(DOPPSⅠampⅡ)

「CKD透析計算ツール」内 「適正透析」httpwww11ocnnejp~hdtool99_blank005html より

RR = Relative Risk of all-cause mortality DOPPS Ⅰ(1996-2000) ampⅡ(2002-04) data

restricted to patients on HD gt 1 year (n=13737) Europe model stratified by country all models adjusted for

age sex black race years on dialysis BMI eKtV catheter as access type and 14 summary comorbid

conditions controlling for effects of facility clustering

300100 200 400 500

12

16

14

10

08

06

04

RR

死亡の相対危険率

日本 米国欧州 Adjusted RR per 100mlmin

Japan RR=040 p=001

Europe RR=079 p=003

US RR=083 plt001

血液流量(mlmin)

海外でも高血流で長生き

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Longer treatment time and slower ultrafiltration in hemodialysis Associations with reduced mortality in the DOPPS

Saran R Bragg-Gresham JL Levin NW et al Kidney Int 69(7)1222-1228 2006

Hemo Study205

城北クリニック

276

長時間透析360JSDT

234

腎内科クリニック世田谷

266

援腎会すずき

クリニック297

透析時間が長ければKtV高値ほど長生き

spKtV は18以上で最も長生き

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

透析量(KtV)を増す方法は1透析回数を増やす(保険14MHHD)

二日空きなくなり時間あたりの除水量が減る

2透析時間を増やす(例えば5~6時間)

時間あたりの除水量が減る

3血流量(QB)を増やす(300mLminuarr)

太い針(14-15G)の使用も有効

4ダイアライザ膜面積を増やす(21m2uarr)5大量液置換オンラインHDFでは透析液流量(QD)を増やす

BERNARD CHARRAEDOUARD CALEMARDMARTIAL RUFFETCHARLES CHAZOTJEAN-CLAUDE TERRATTHIERRY VANELGUY LAURENT Survival as an index of adequacy of dialysis

Kidney International411286-12911992

KtV高値群は低値群より有意に生命予後良好

Karthik TennankoreAnnie-Claire Nadeau-FredetteChristopher TChan Intensified home hemodialysisclinical benefitsrisks and target populations

Nephrol Dial Transplant291342-13492014

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trinh B PiferKidney International 622238ndash2245 2002

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日現在)日本透析医学会東京2010

BMIは25前後で最も長生き

1835

1414

1163

1000

0907

0784 0881 0894

00

02

04

06

08

10

12

14

16

18

20

<16 16≦<18 18≦<20 20≦<22 22≦<24 24≦<26 26≦<28 28≦

死亡リスク

Body Mass Index(BMIkg)

BMIと生命予後

メディカ出版

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 2: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

日欧米の血液流量と死亡の相対危険率(DOPPSⅠampⅡ)

「CKD透析計算ツール」内 「適正透析」httpwww11ocnnejp~hdtool99_blank005html より

RR = Relative Risk of all-cause mortality DOPPS Ⅰ(1996-2000) ampⅡ(2002-04) data

restricted to patients on HD gt 1 year (n=13737) Europe model stratified by country all models adjusted for

age sex black race years on dialysis BMI eKtV catheter as access type and 14 summary comorbid

conditions controlling for effects of facility clustering

300100 200 400 500

12

16

14

10

08

06

04

RR

死亡の相対危険率

日本 米国欧州 Adjusted RR per 100mlmin

Japan RR=040 p=001

Europe RR=079 p=003

US RR=083 plt001

血液流量(mlmin)

海外でも高血流で長生き

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Longer treatment time and slower ultrafiltration in hemodialysis Associations with reduced mortality in the DOPPS

Saran R Bragg-Gresham JL Levin NW et al Kidney Int 69(7)1222-1228 2006

Hemo Study205

城北クリニック

276

長時間透析360JSDT

234

腎内科クリニック世田谷

266

援腎会すずき

クリニック297

透析時間が長ければKtV高値ほど長生き

spKtV は18以上で最も長生き

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

透析量(KtV)を増す方法は1透析回数を増やす(保険14MHHD)

二日空きなくなり時間あたりの除水量が減る

2透析時間を増やす(例えば5~6時間)

時間あたりの除水量が減る

3血流量(QB)を増やす(300mLminuarr)

太い針(14-15G)の使用も有効

4ダイアライザ膜面積を増やす(21m2uarr)5大量液置換オンラインHDFでは透析液流量(QD)を増やす

BERNARD CHARRAEDOUARD CALEMARDMARTIAL RUFFETCHARLES CHAZOTJEAN-CLAUDE TERRATTHIERRY VANELGUY LAURENT Survival as an index of adequacy of dialysis

Kidney International411286-12911992

KtV高値群は低値群より有意に生命予後良好

Karthik TennankoreAnnie-Claire Nadeau-FredetteChristopher TChan Intensified home hemodialysisclinical benefitsrisks and target populations

Nephrol Dial Transplant291342-13492014

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trinh B PiferKidney International 622238ndash2245 2002

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日現在)日本透析医学会東京2010

BMIは25前後で最も長生き

1835

1414

1163

1000

0907

0784 0881 0894

00

02

04

06

08

10

12

14

16

18

20

<16 16≦<18 18≦<20 20≦<22 22≦<24 24≦<26 26≦<28 28≦

死亡リスク

Body Mass Index(BMIkg)

BMIと生命予後

メディカ出版

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

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QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

日欧米の血液流量と死亡の相対危険率(DOPPSⅠampⅡ)

「CKD透析計算ツール」内 「適正透析」httpwww11ocnnejp~hdtool99_blank005html より

RR = Relative Risk of all-cause mortality DOPPS Ⅰ(1996-2000) ampⅡ(2002-04) data

restricted to patients on HD gt 1 year (n=13737) Europe model stratified by country all models adjusted for

age sex black race years on dialysis BMI eKtV catheter as access type and 14 summary comorbid

conditions controlling for effects of facility clustering

300100 200 400 500

12

16

14

10

08

06

04

RR

死亡の相対危険率

日本 米国欧州 Adjusted RR per 100mlmin

Japan RR=040 p=001

Europe RR=079 p=003

US RR=083 plt001

血液流量(mlmin)

海外でも高血流で長生き

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Longer treatment time and slower ultrafiltration in hemodialysis Associations with reduced mortality in the DOPPS

Saran R Bragg-Gresham JL Levin NW et al Kidney Int 69(7)1222-1228 2006

Hemo Study205

城北クリニック

276

長時間透析360JSDT

234

腎内科クリニック世田谷

266

援腎会すずき

クリニック297

透析時間が長ければKtV高値ほど長生き

spKtV は18以上で最も長生き

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

透析量(KtV)を増す方法は1透析回数を増やす(保険14MHHD)

二日空きなくなり時間あたりの除水量が減る

2透析時間を増やす(例えば5~6時間)

時間あたりの除水量が減る

3血流量(QB)を増やす(300mLminuarr)

太い針(14-15G)の使用も有効

4ダイアライザ膜面積を増やす(21m2uarr)5大量液置換オンラインHDFでは透析液流量(QD)を増やす

BERNARD CHARRAEDOUARD CALEMARDMARTIAL RUFFETCHARLES CHAZOTJEAN-CLAUDE TERRATTHIERRY VANELGUY LAURENT Survival as an index of adequacy of dialysis

Kidney International411286-12911992

KtV高値群は低値群より有意に生命予後良好

Karthik TennankoreAnnie-Claire Nadeau-FredetteChristopher TChan Intensified home hemodialysisclinical benefitsrisks and target populations

Nephrol Dial Transplant291342-13492014

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trinh B PiferKidney International 622238ndash2245 2002

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日現在)日本透析医学会東京2010

BMIは25前後で最も長生き

1835

1414

1163

1000

0907

0784 0881 0894

00

02

04

06

08

10

12

14

16

18

20

<16 16≦<18 18≦<20 20≦<22 22≦<24 24≦<26 26≦<28 28≦

死亡リスク

Body Mass Index(BMIkg)

BMIと生命予後

メディカ出版

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 4: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

日欧米の血液流量と死亡の相対危険率(DOPPSⅠampⅡ)

「CKD透析計算ツール」内 「適正透析」httpwww11ocnnejp~hdtool99_blank005html より

RR = Relative Risk of all-cause mortality DOPPS Ⅰ(1996-2000) ampⅡ(2002-04) data

restricted to patients on HD gt 1 year (n=13737) Europe model stratified by country all models adjusted for

age sex black race years on dialysis BMI eKtV catheter as access type and 14 summary comorbid

conditions controlling for effects of facility clustering

300100 200 400 500

12

16

14

10

08

06

04

RR

死亡の相対危険率

日本 米国欧州 Adjusted RR per 100mlmin

Japan RR=040 p=001

Europe RR=079 p=003

US RR=083 plt001

血液流量(mlmin)

海外でも高血流で長生き

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Longer treatment time and slower ultrafiltration in hemodialysis Associations with reduced mortality in the DOPPS

Saran R Bragg-Gresham JL Levin NW et al Kidney Int 69(7)1222-1228 2006

Hemo Study205

城北クリニック

276

長時間透析360JSDT

234

腎内科クリニック世田谷

266

援腎会すずき

クリニック297

透析時間が長ければKtV高値ほど長生き

spKtV は18以上で最も長生き

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

透析量(KtV)を増す方法は1透析回数を増やす(保険14MHHD)

二日空きなくなり時間あたりの除水量が減る

2透析時間を増やす(例えば5~6時間)

時間あたりの除水量が減る

3血流量(QB)を増やす(300mLminuarr)

太い針(14-15G)の使用も有効

4ダイアライザ膜面積を増やす(21m2uarr)5大量液置換オンラインHDFでは透析液流量(QD)を増やす

BERNARD CHARRAEDOUARD CALEMARDMARTIAL RUFFETCHARLES CHAZOTJEAN-CLAUDE TERRATTHIERRY VANELGUY LAURENT Survival as an index of adequacy of dialysis

Kidney International411286-12911992

KtV高値群は低値群より有意に生命予後良好

Karthik TennankoreAnnie-Claire Nadeau-FredetteChristopher TChan Intensified home hemodialysisclinical benefitsrisks and target populations

Nephrol Dial Transplant291342-13492014

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trinh B PiferKidney International 622238ndash2245 2002

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日現在)日本透析医学会東京2010

BMIは25前後で最も長生き

1835

1414

1163

1000

0907

0784 0881 0894

00

02

04

06

08

10

12

14

16

18

20

<16 16≦<18 18≦<20 20≦<22 22≦<24 24≦<26 26≦<28 28≦

死亡リスク

Body Mass Index(BMIkg)

BMIと生命予後

メディカ出版

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

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β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 5: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Longer treatment time and slower ultrafiltration in hemodialysis Associations with reduced mortality in the DOPPS

Saran R Bragg-Gresham JL Levin NW et al Kidney Int 69(7)1222-1228 2006

Hemo Study205

城北クリニック

276

長時間透析360JSDT

234

腎内科クリニック世田谷

266

援腎会すずき

クリニック297

透析時間が長ければKtV高値ほど長生き

spKtV は18以上で最も長生き

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況2009年12月31日現在

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透析量(KtV)を増す方法は1透析回数を増やす(保険14MHHD)

二日空きなくなり時間あたりの除水量が減る

2透析時間を増やす(例えば5~6時間)

時間あたりの除水量が減る

3血流量(QB)を増やす(300mLminuarr)

太い針(14-15G)の使用も有効

4ダイアライザ膜面積を増やす(21m2uarr)5大量液置換オンラインHDFでは透析液流量(QD)を増やす

BERNARD CHARRAEDOUARD CALEMARDMARTIAL RUFFETCHARLES CHAZOTJEAN-CLAUDE TERRATTHIERRY VANELGUY LAURENT Survival as an index of adequacy of dialysis

Kidney International411286-12911992

KtV高値群は低値群より有意に生命予後良好

Karthik TennankoreAnnie-Claire Nadeau-FredetteChristopher TChan Intensified home hemodialysisclinical benefitsrisks and target populations

Nephrol Dial Transplant291342-13492014

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trinh B PiferKidney International 622238ndash2245 2002

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日現在)日本透析医学会東京2010

BMIは25前後で最も長生き

1835

1414

1163

1000

0907

0784 0881 0894

00

02

04

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10

12

14

16

18

20

<16 16≦<18 18≦<20 20≦<22 22≦<24 24≦<26 26≦<28 28≦

死亡リスク

Body Mass Index(BMIkg)

BMIと生命予後

メディカ出版

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

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血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 6: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

Longer treatment time and slower ultrafiltration in hemodialysis Associations with reduced mortality in the DOPPS

Saran R Bragg-Gresham JL Levin NW et al Kidney Int 69(7)1222-1228 2006

Hemo Study205

城北クリニック

276

長時間透析360JSDT

234

腎内科クリニック世田谷

266

援腎会すずき

クリニック297

透析時間が長ければKtV高値ほど長生き

spKtV は18以上で最も長生き

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

透析量(KtV)を増す方法は1透析回数を増やす(保険14MHHD)

二日空きなくなり時間あたりの除水量が減る

2透析時間を増やす(例えば5~6時間)

時間あたりの除水量が減る

3血流量(QB)を増やす(300mLminuarr)

太い針(14-15G)の使用も有効

4ダイアライザ膜面積を増やす(21m2uarr)5大量液置換オンラインHDFでは透析液流量(QD)を増やす

BERNARD CHARRAEDOUARD CALEMARDMARTIAL RUFFETCHARLES CHAZOTJEAN-CLAUDE TERRATTHIERRY VANELGUY LAURENT Survival as an index of adequacy of dialysis

Kidney International411286-12911992

KtV高値群は低値群より有意に生命予後良好

Karthik TennankoreAnnie-Claire Nadeau-FredetteChristopher TChan Intensified home hemodialysisclinical benefitsrisks and target populations

Nephrol Dial Transplant291342-13492014

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trinh B PiferKidney International 622238ndash2245 2002

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日現在)日本透析医学会東京2010

BMIは25前後で最も長生き

1835

1414

1163

1000

0907

0784 0881 0894

00

02

04

06

08

10

12

14

16

18

20

<16 16≦<18 18≦<20 20≦<22 22≦<24 24≦<26 26≦<28 28≦

死亡リスク

Body Mass Index(BMIkg)

BMIと生命予後

メディカ出版

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 7: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

spKtV は18以上で最も長生き

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

透析量(KtV)を増す方法は1透析回数を増やす(保険14MHHD)

二日空きなくなり時間あたりの除水量が減る

2透析時間を増やす(例えば5~6時間)

時間あたりの除水量が減る

3血流量(QB)を増やす(300mLminuarr)

太い針(14-15G)の使用も有効

4ダイアライザ膜面積を増やす(21m2uarr)5大量液置換オンラインHDFでは透析液流量(QD)を増やす

BERNARD CHARRAEDOUARD CALEMARDMARTIAL RUFFETCHARLES CHAZOTJEAN-CLAUDE TERRATTHIERRY VANELGUY LAURENT Survival as an index of adequacy of dialysis

Kidney International411286-12911992

KtV高値群は低値群より有意に生命予後良好

Karthik TennankoreAnnie-Claire Nadeau-FredetteChristopher TChan Intensified home hemodialysisclinical benefitsrisks and target populations

Nephrol Dial Transplant291342-13492014

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trinh B PiferKidney International 622238ndash2245 2002

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日現在)日本透析医学会東京2010

BMIは25前後で最も長生き

1835

1414

1163

1000

0907

0784 0881 0894

00

02

04

06

08

10

12

14

16

18

20

<16 16≦<18 18≦<20 20≦<22 22≦<24 24≦<26 26≦<28 28≦

死亡リスク

Body Mass Index(BMIkg)

BMIと生命予後

メディカ出版

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 8: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

透析量(KtV)を増す方法は1透析回数を増やす(保険14MHHD)

二日空きなくなり時間あたりの除水量が減る

2透析時間を増やす(例えば5~6時間)

時間あたりの除水量が減る

3血流量(QB)を増やす(300mLminuarr)

太い針(14-15G)の使用も有効

4ダイアライザ膜面積を増やす(21m2uarr)5大量液置換オンラインHDFでは透析液流量(QD)を増やす

BERNARD CHARRAEDOUARD CALEMARDMARTIAL RUFFETCHARLES CHAZOTJEAN-CLAUDE TERRATTHIERRY VANELGUY LAURENT Survival as an index of adequacy of dialysis

Kidney International411286-12911992

KtV高値群は低値群より有意に生命予後良好

Karthik TennankoreAnnie-Claire Nadeau-FredetteChristopher TChan Intensified home hemodialysisclinical benefitsrisks and target populations

Nephrol Dial Transplant291342-13492014

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trinh B PiferKidney International 622238ndash2245 2002

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日現在)日本透析医学会東京2010

BMIは25前後で最も長生き

1835

1414

1163

1000

0907

0784 0881 0894

00

02

04

06

08

10

12

14

16

18

20

<16 16≦<18 18≦<20 20≦<22 22≦<24 24≦<26 26≦<28 28≦

死亡リスク

Body Mass Index(BMIkg)

BMIと生命予後

メディカ出版

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 9: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

BERNARD CHARRAEDOUARD CALEMARDMARTIAL RUFFETCHARLES CHAZOTJEAN-CLAUDE TERRATTHIERRY VANELGUY LAURENT Survival as an index of adequacy of dialysis

Kidney International411286-12911992

KtV高値群は低値群より有意に生命予後良好

Karthik TennankoreAnnie-Claire Nadeau-FredetteChristopher TChan Intensified home hemodialysisclinical benefitsrisks and target populations

Nephrol Dial Transplant291342-13492014

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trinh B PiferKidney International 622238ndash2245 2002

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日現在)日本透析医学会東京2010

BMIは25前後で最も長生き

1835

1414

1163

1000

0907

0784 0881 0894

00

02

04

06

08

10

12

14

16

18

20

<16 16≦<18 18≦<20 20≦<22 22≦<24 24≦<26 26≦<28 28≦

死亡リスク

Body Mass Index(BMIkg)

BMIと生命予後

メディカ出版

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 10: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

Karthik TennankoreAnnie-Claire Nadeau-FredetteChristopher TChan Intensified home hemodialysisclinical benefitsrisks and target populations

Nephrol Dial Transplant291342-13492014

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trinh B PiferKidney International 622238ndash2245 2002

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日現在)日本透析医学会東京2010

BMIは25前後で最も長生き

1835

1414

1163

1000

0907

0784 0881 0894

00

02

04

06

08

10

12

14

16

18

20

<16 16≦<18 18≦<20 20≦<22 22≦<24 24≦<26 26≦<28 28≦

死亡リスク

Body Mass Index(BMIkg)

BMIと生命予後

メディカ出版

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 11: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trinh B PiferKidney International 622238ndash2245 2002

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日現在)日本透析医学会東京2010

BMIは25前後で最も長生き

1835

1414

1163

1000

0907

0784 0881 0894

00

02

04

06

08

10

12

14

16

18

20

<16 16≦<18 18≦<20 20≦<22 22≦<24 24≦<26 26≦<28 28≦

死亡リスク

Body Mass Index(BMIkg)

BMIと生命予後

メディカ出版

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 12: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

Trinh B PiferKidney International 622238ndash2245 2002

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況(2009年12月31日現在)日本透析医学会東京2010

BMIは25前後で最も長生き

1835

1414

1163

1000

0907

0784 0881 0894

00

02

04

06

08

10

12

14

16

18

20

<16 16≦<18 18≦<20 20≦<22 22≦<24 24≦<26 26≦<28 28≦

死亡リスク

Body Mass Index(BMIkg)

BMIと生命予後

メディカ出版

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 13: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

メディカ出版

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 14: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

血流量QBは300以上で最も長生き

膜面は20以上22未満で最も長生き

透析時間は4時間以上が望まれる

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 15: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

全腎協 全国大会 2012 in おかやま

最後のひとことで「透析患者が『唯一』努力しないとならないことは『しっかり透析』を受けることだけである」とコメントさせていただきましたそれは「食事の制限を守る」とか「検査結果をよくする」とかそういうことに気を取られず「透析をしっかり受ける」=「人工腎臓をしっかり働かせる」ことこそ透析生活の基本となるべきであるという意味で私から参加者の皆さんへのメッセージでした かわせみクリニック 鈴木一之先生のブログ httpkawasemi-cliniccomdiaryprodiarycgiより

全腎協 ホームページ httpwwwzjkorjpより

透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

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透析会誌 43 551-559 2010

鈴木一之ら血液透析条件透析量と生命予後―日本透析医学会の統計調査結果から―

「今日の透析では除水コントローラーがあるのでQb増加は除水速度増大に直接結びつかずまた透析液からの酢酸負荷も軽微であるさらに透析中にQbを上げても心臓への急激な悪影響や内シャントの流量は増加しないという報告もあるほかHEMO研究で主にQbを増加させた高透析量群で心臓疾患による死亡リスクは上昇していない大型の高性能ダイアライザの性能を十分に引き出すためにもQb増加の必要性が指摘されておりQbを平均的な量から増加させることで生命予後が改善できる可能性が高いことが示唆された」(本文 考察 より抜粋)

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 17: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

年間粗死亡率と透析患者数の推移

p<001

studentlsquos t-test

98plusmn021

uarr2008年開業

透析患者監視装置51台入院ベッド0床 長期透析患者 ①43年7ヶ月 ②42年1ヵ月 ③36年10ヶ月

(年)

() (人)

494plusmn254

uarr増築増床

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 18: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

木下幸子宮本まゆみ草刈万寿夫

腎と透析別冊2010 HDF療法rsquo10 163-9

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 19: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

Robert a Wolfe PhD Tempie E Hulbert-Shearon MS Valarie B Ashby MA Sangeetha Mahadevan MS

and Friedrich K Port MD American Journal of Kidney Diseases 2005 Vol1(January) 127-135

貧血改善及び尿素除去率上昇に伴い生命予後改善

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 20: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

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筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

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β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 21: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

Trivedi HS Kukla A Prowant B Lim HJ

Hemodial Int 2007 Oct11(4)424-9

血流量QB200より400の方が有意に血圧が高かった

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

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QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 23: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

当院での透析モニタHD02による実血流

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

0 100 200 300 400 500

実血流量

[mL

min

]

設定血流量[mLmin]

14G 33mm

15G 33mm

16G 33mm

17G 33mm

16G 25mm

n=551 14G(33mm)2115G(33mm)8516G(33mm)22117G(33mm)13716G(25mm)87

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 24: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 25: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

ニプロダイアライザ海外向け

カタログデータQd500mLmin固定でも

QB300rarr400クリアランスuarr

あり

httpwwwniprocojpenproductsrenaldialyzerdocumentelisio-hpdf

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 26: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

QD500固定でもQB300超は有効P=0086745lt01

spKtVn=31 QB300以下 n=10(46) QB310以上 n=21(165) P Value(t-test)

QB(mLmin) 2580(plusmn355) 3567(plusmn326) Plt00001

QD(mLmin) 500

動脈側穿刺針(G) 163(plusmn048) 154(plusmn067) 000056 Plt0001

血液浄化器

Ⅳ型21CTA(1名)Ⅴ型21PES(3名)

ヘモダイアフィルタ(PES)21MFX-21S(2名)21U(2名)21(2名)

Ⅴ型21PES(5名)ヘモダイアフィルタ(PES)21

MFX-21S(10名)21U(3名)21(3名)

透析方法 On-LineHDF3名I-HDF2名HD5名 On-LineHDF7名I-HDF8名HD6名

透析時間膜面積 2400(min)21()

年齢 776(plusmn113) 713(plusmn108) 014518 NS

透析歴(M) 721(plusmn1388) 1078(plusmn1163) 045855 NS

菅沼 信也 他腎と透析75 ハイパフォーマンスメンブレン1340-43 2013

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

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β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 27: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 28: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

クレアチニン産生速度が血液透析患者の1年生存に与えるリスク(透析歴2年以上)

日本透析医学会図説わが国の慢性透析療法の現況

1998年12月31日現在

日本透析医学会わが国の慢性透析療法の現況 2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverviewpdf2010p066pdf

筋肉量が多いと長生き

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 29: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌

201346(7)587-6322013

nPCRはガイドライン上栄養評価指標に含まれていない

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 30: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

年齢別透析指標の比較

全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=137) HD(n=58) AF I-HDF(n=31) AF On-OineHDF(n=46) P Value

平均年齢(歳) 651 690 672 755 678 P=000490 Plt005透析歴(年) 712 763 559 654 102 P=003746 Plt005

Dry Weight(kg) 536 599 600 537 650 P=000016 Plt005透析時間(hr) 394 450 445 442 452 P=031131 NS血流量(mLmin) 200 298 274 330 307 P=008788 Plt01

spKtV 136 195 189 217 185 P=000053 Plt005CGR() 998 1166 1125 1251 1158 P=008165 Plt01

β2MG(mgL) 317 268 272 275 259 P=023617 NS

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2015末

全体(n=58) HD(n=22) AF I-HDF(n=21) AF On-LineHDF(n=15) P Value

平均年齢(歳) 803 806 807 814 792 P=006039 Plt01透析歴(年) - 664 515 675 867 P=048768 NS

Dry Weight(kg) 483 544 541 530 568 P=022459 NS透析時間(hr) 374 445 452 445 437 P=045323 NS血流量(mLmin) 180 293 270 323 283 P=004508 Plt005

spKtV 134 205 203 220 187 P=002874 Plt005CGR() 954 1215 1187 1268 1182 P=024044 NS

β2MG(mgL) 309 279 277 278 282 P=086405 NS政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 31: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

年齢別透析指標の比較rarr長時間高血流透析にてCGR高値全年齢

項目JSDT

(2011末)

腎内科クリニック世田谷 2012末 2013年 6hHD(n=3)全体(n=114)

HD(n=51)(Ⅴ49PAN14)

I-HDF(n=28) On-LineHDF(n=34)

平均年齢(歳) 651 699 681 744 708 510

透析歴(年) 712 648 420 583 1025 847

Dry Weight(kg) 536 584 598 552 585 791

透析時間(hr) 394 408 399 407 418 60

血流量(mLmin) 200 309 283 333 330 347

spKtV 136 183 165 203 193 243

CGR() 998 1135 1064 1212 1173 1220β2MG(mgL) 317 258 249 273 267 263

75~90歳

項目 JSDT (2008末)

腎内科クリニック世田谷 2012末2013年 6hHD

全体(n=49)HD(n=18)

(Ⅴ13PAN28)I-HDF(n=18) On-LineHDF(n=13)

平均年齢(歳) 803 805 812 801 800

n=0

透析歴(年) - 531 192 518 959

Dry Weight(kg) 530 534 529 548 521

透析時間(hr) 374 398 382 402 415

血流量(mLmin) 180 297 245 325 332

spKtV 134 188 162 199 209

CGR() 954 1139 973 1268 1191

β2MG(mgL) 309 260 215 288 285

政金生人 予後向上からみた治療戦略血液透析(解説特集) 腎と透析 70巻増刊 383-386 2011

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 32: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

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鈴木 一裕神田 英一郎菅野 義彦透析時血流量が心拍出量に及ぼす影響

日本透析医学会雑誌48(4)239-2412015

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 34: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

愛腎協ホームページ内Study 「検査データの見方と自己管理のコツ」よりhttpwww7abiglobenejp~aijinkyoimageskensapdf

根拠のない迷信

QB

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 35: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 36: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

血清β2ミクログロブリン濃度と生命予後の関係

日本透析医学会

わが国の慢性透析療法の現況

2009年12月31日現在

httpdocsjsdtorjpoverview

pdf2010p066pdf

β2MGは低い方が長生き

日本透析医学会統計調査委員会図説わが国の慢性透析療法の現況

(2008年12月31日現在)日本透析医学会東京2009

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 37: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

維持血液透析ガイドライン血液透析処方透析会誌201346(7)587-6322013

第57回日本透析医学会学術集会総会(2012)透析処方ガイドラインコンセンサスカンファレンス

【GI-8-2】血液透析量とその効果β2-M土田健司(川島)

ステートメント案 最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は予後関連因子(1B)

最大透析間隔の透析前血清β2MG濃度は30mgdL未満を達成できるよう透析条件を設定することが望ましい(2C)

透析液の清浄化(ultra pure) 透析膜の選択 治療時間の延長 血流量の増加 膜面積の拡大 β2MG吸着カラムの併用

「しっかり透析」を推奨

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 38: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

須坂 腎透析クリニック長野県 2013年4月開業

50名全員 AF on-line HDF wwwkidney-suzakacom

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 39: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

援腎会すずきクリニック FaceBooKページより

援腎会すずきクリニック httpenjinkaicom 福島県郡山市

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 40: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

15G

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 41: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

QB300mLmin以上の高血液流量透析(高血流透析)には以下のような誤解や根拠のない迷信があるように思われる

1日本は低血流海外は高血流だから日本は海外より生命予後良好なのでは2長時間透析では低血流とすべきでは3体重あたりのQB高値で生命予後不良が報告されており高血流透析は生命予後不良では4血圧低下をもたらすのでは5実血流としては取れていないのでは6QBをQDの12以上としても無駄では7効率よりも栄養が大事な高齢者は適応外では8心負荷を生じるのでは9小分子除去に優れていてもβ2MGのような中分子除去には無効では10バスキュラーアクセス(VA)不全をもたらすのでは

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 42: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

Pedro PONCE Daniele MARCELLI Caecilia SCHOLZ et al Hemodialysis International 2015 19 314-322

高血流でシャント不全がむしろ少ない

【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

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【QAの要約】1 DOPPS研究にて国内外共より高血流程生命予後良好が示されている

2 DOPPS研究にて透析時間が長い程KtV高値でより生命予後良好をSaran Rらが報告(Kidney Int

200669(7)1222-8)している

3 低体重透析患者は生命予後不良でありその影響による結果であることが考えられQBそのものは高い程生命予後良好が示されている

4 米国のWisconsin医科大学のTrivedi HSらが透析終了前の1時間で30分毎にQBを200又は400mLminに変更し血圧を評価し低血流より高血流の方がむしろ血圧が有意に高かった事を報告(Hemodialysis International 200711(4)424-9)している

5 透析モニタHD02による実血流測定の結果14~15(16)Gを用いた場合に300mLmin以上の実血流を多く確認した

6 QD500mLmin固定であってもQB310 mLmin以上の方がQB300 mLmin以下よりもspKtV高値の傾向(腎と透析201375 ハイパフォーマンスメンブレン1340-3)を認めた

7 2015年末当院75~90歳におけるDW544透析時間445QB293spKtV205CGR1215と全国平均(DW483透析時間374hrQB180mLminspKtV134CGR954)より高値である

8 福島の援腎会すずきクリニックの鈴木らが低血流(200mLmin)と高血流(360~400mLmin)の比較で心拍出量に有意差は認められないと昨年報告(透析会誌201548239-42)した

9 15Gを用いたQD500mLmin固定のオンラインHDFにてQB250~450mLminまで50mLmin毎の変化にて小分子のみならずβ2MG除去率も高血流ほど有意に高値を昨年Maduell Fらが報告(Nefrologia 201535(1)50-7)した

10 驚くべきことにQB312mLmin未満でVA不全が有意に特に多くQB約390mLminまではVA不全とQB

に関連が認められないと昨年Ponce Pらが報告(Hemodialysis International 2015 19 314-22)した

腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

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腎不全治療選択とその実際

長時間

HHD高血流

QB

300mLmin

腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

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腎内科クリニック世田谷だより 2015年8月号

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 46: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

城北クリニック 平均QB390 14~15G

城北CL ホームページより

httpwwwjohokucliniccom

2011年春日本(世界)最長透析歴43年を記録

過去10年間(2003~12)の年間粗死亡率47

平均透析時間465時間(5時間透析の方が多い)

2016年現在透析歴46年の方が二連ダイアライザ

名古屋市北区の透析クリニック

目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

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目叶裕史江口直人加藤㑅郎中村中高血液流量透析がQOL生命予後に及ぼす影響を考察する

透析会誌2016 49(1) 47-52

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる

Page 48: 高血液流量透析(高血流透析)について · 2017-07-27 · 高血液流量透析(高血流透析)について 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷

【まとめ】

さらには平均QB400mLminの名古屋の城北クリニックでの良好な生命予後も本年報告(透析会誌20164947-52)された 栄養状態と生命予後との関連は明らかであり食事制限緩和が可能な透析量増加の方法

として時間と回数増加に勝るものはないと考えられるが医療経済上も優れている高血流透析も積極的に考慮されるべきであろう

【結語】

最新の報告を含む以上より利点の多い高血流透析は誤解や根拠のない迷信に惑わされることなくわが国においてもより多く実施されることが望まれる