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三里塚教会は成田市三里塚・芝山地区に現存する木造の小さな教会です。 この作品は吉村順三の初期の作品ですが、 凛とした簡潔さの中に人 の気持ちを開いてくれる居心地の良さを感じさせるなど、 彼が生涯をか けて追い求めた設計思想が色濃く表現されていることに驚かせれます。 その存在は、 雑誌などのマスコミで紹介されることもなく、 ほとんど知ら れていませんでしたが、 2013 年 公益財団ギャラリーエークワッド の企画 展 『三 里塚教会物語と吉村順三』 展で初めて紹介され大きな反響を呼 びました。 この教会は、 第二次世界大戦後この地に入植した開拓農民によって 建てられたものです。 農地開拓は大変な労苦を伴うものでした。 ようや く生活基盤が安定してきたころ (1954 年) に、 当時東京芸術大学教 授であった、 吉村順三に設計が委託され建設されたのです。 当時建 設資金は乏しく鐘楼は設けられたものの、 鐘が設置できず今日に至っ ています。 その後この教会は成田国際空港建設など激動の時代に翻 弄されながらも、 農民たちの心のよりどころとして現在まで使われ続けて、 守られています。 竣工から 60 年たったいま、 屋根の上の鐘楼に鐘を設置し、 本 当の意 味での教会の完成を目指したいと考えています。 この 60 年間、 鐘の音が響かなかった教会に鐘の音を響かせ、 この教会 に関わってきた人々に思いを馳せませんか。 皆様のご協力をお願いします。 竣工後 60 年、いま、鐘を鳴らすとき 三里塚教会に鐘を贈りましょう 吉村順三設計の歴史を見続けてきた教会

吉村順三設計の歴史を見続けてきた教会 三里塚教会 …三里塚教会は成田市三里塚・芝山地区に現存する木造の小さな教会です。この作品は吉村順三の初期の作品ですが、凛とした簡潔さの中に人

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Page 1: 吉村順三設計の歴史を見続けてきた教会 三里塚教会 …三里塚教会は成田市三里塚・芝山地区に現存する木造の小さな教会です。この作品は吉村順三の初期の作品ですが、凛とした簡潔さの中に人

三里塚教会は成田市三里塚・芝山地区に現存する木造の小さな教会です。

この作品は吉村順三の初期の作品ですが、 凛とした簡潔さの中に人

の気持ちを開いてくれる居心地の良さを感じさせるなど、 彼が生涯をか

けて追い求めた設計思想が色濃く表現されていることに驚かせれます。

その存在は、 雑誌などのマスコミで紹介されることもなく、 ほとんど知ら

れていませんでしたが、 2013 年公益財団ギャラリーエークワッドの企画

展 『三里塚教会物語と吉村順三』 展で初めて紹介され大きな反響を呼

びました。

この教会は、 第二次世界大戦後この地に入植した開拓農民によって

建てられたものです。 農地開拓は大変な労苦を伴うものでした。 ようや

く生活基盤が安定してきたころ (1954 年) に、 当時東京芸術大学教

授であった、 吉村順三に設計が委託され建設されたのです。 当時建

設資金は乏しく鐘楼は設けられたものの、 鐘が設置できず今日に至っ

ています。 その後この教会は成田国際空港建設など激動の時代に翻

弄されながらも、農民たちの心のよりどころとして現在まで使われ続けて、

守られています。

竣工から 60 年たったいま、 屋根の上の鐘楼に鐘を設置し、 本当の意

味での教会の完成を目指したいと考えています。

この 60 年間、 鐘の音が響かなかった教会に鐘の音を響かせ、 この教会

に関わってきた人々に思いを馳せませんか。

皆様のご協力をお願いします。

竣工後 60年、いま、鐘を鳴らすとき

三里塚教会に鐘を贈りましょう

吉村順三設計の歴史を見続けてきた教会

Page 2: 吉村順三設計の歴史を見続けてきた教会 三里塚教会 …三里塚教会は成田市三里塚・芝山地区に現存する木造の小さな教会です。この作品は吉村順三の初期の作品ですが、凛とした簡潔さの中に人

【組織名】 鐘を贈る会【発起人】 吉村 隆子 (吉村順三ギャラリー代表) 下重暁子(作家) 藤森照信(建築家、建築史家) 松隈 洋(建築史家、京都工芸繊維大学 美術工芸資料館) 川北 英(ギャラリーエークワッド館長)/代表者【贈呈先】 宗教法人 日本基督教団 三里塚教会【目 標】 ・鐘(直径 400mm程度のスイングベル) ・目標金額:¥1,500,000 ・期日:2014 年 12 月に取り付け完了、公開

*目標金額に達しなかった場合、集まった金額を教会に 寄付し、今後、鐘の取り付け費用としてもらいます。

■振込先 振込口座:三菱東京UFJ 銀行 枚方支店口座番号:普通 0242036振込先名:カネヲオクルカイ*ご寄付は 1口 1000 円を単位としてご協力お願いします。■お問合せ 岡部三知代 /事務局 /TEL 03-6660-6011

歴史に翻弄されつつも生き残った教会

「戦中戦後、千葉の内陸部で細々と設計していた」とは聞いていたが、これほどの名作を作っていたとは。

藤森 照信(建築家)

簡素で快い空間が教会に集う人々の心を慰めたことが、吉村順三設計の山荘に住む私は、よく知って

いる。再び多くの人々の心のより所となるよう鐘を贈りたい。

下重 暁子(作家)

時を乗り越え今まで大事に使われてきた三里塚教会に出会えた時の喜びの気持ちは格別でした。

これからも祈りの空間として多くの人を包み込んでほしいと言うのが私の願いです。築後60年経った今、

鐘楼に鐘を送るというプロジェクト、ロマンチックで素晴らしいと思います。

吉村 隆子(吉村順三ギャラリー代表)

吉村順三が丹精を込めて設計し、戸村一作と信者が大切に守ってきた木造の小さな教会。

その 60 周年を記念して鐘を贈る。それは人々と共に生きる建築を祝し、建築の原点を見つめ直すこ

とでもあると思う。

松隈 洋(建築史家)

残る建築、残さなければならない建築の要素をこの教会は持っています。作品としての価値、戦後

日本の歴史を見つめてきた建物としての価値等々、次世代へのメッセージとして大切にしてゆきたい。

川北 英(ギャラリーエークワッド館長)