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1 舗装の歴史と今日の技術 舗装の歴史と今日の技術 舗装の歴史と今日の技術 平成 平成 17 17 年度 年度 福岡大学(その1) 福岡大学(その1) 東亜道路工業株式会社 東亜道路工業株式会社 技術部 技術部 課長 課長 阿部 阿部 長門 長門

舗装の歴史と今日の技術 - tec.fukuoka-u.ac.jp · 6 近代舗装の流れ 18-19世紀 これに続いてマカダム(MacAdam:1756~1835) が、舗 装を普及させるためには、より低廉で耐久性のある構造が

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舗装の歴史と今日の技術舗装の歴史と今日の技術舗装の歴史と今日の技術

平成平成1717年度年度 福岡大学(その1)福岡大学(その1)

東亜道路工業株式会社東亜道路工業株式会社 技術部技術部 課長課長

阿部阿部 長門長門

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舗装の歴史舗装の歴史

36003600年前(年前(BC1600BC1600年,ペルシア帝国)年,ペルシア帝国)

舗装の材料にモルタル(セメントに砂と水を混ぜ、砂舗装の材料にモルタル(セメントに砂と水を混ぜ、砂利や石との接着剤の役割を果たもの)が使われ始利や石との接着剤の役割を果たもの)が使われ始めました。モルタルの上に石や石の板を敷き詰め、めました。モルタルの上に石や石の板を敷き詰め、平にした舗装です。左図のイラストは、古代クレタ平にした舗装です。左図のイラストは、古代クレタ島の舗装道路で、両側に雨水をながす排水溝まで島の舗装道路で、両側に雨水をながす排水溝まで取り付けられていました。取り付けられていました。

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30003000年前年前--25002500年前(ローマ帝国)年前(ローマ帝国)イタリアの小さな都市国家ローマは、征服戦争を続け、ついイタリアの小さな都市国家ローマは、征服戦争を続け、ついには地中海を内海とする大帝国を築いた。征服戦争を展開には地中海を内海とする大帝国を築いた。征服戦争を展開したローマ軍は常に道路をつくる工兵隊を連れていった。したローマ軍は常に道路をつくる工兵隊を連れていった。ローマ軍の工兵隊はその道路を驚くべき堅牢さでつくりあローマ軍の工兵隊はその道路を驚くべき堅牢さでつくりあげた。場所によってつくり方は異なるが,道路建設予定地をげた。場所によってつくり方は異なるが,道路建設予定地を11--22mmほど掘り下げ、路床に砂を入れて、ローラーで固める。ほど掘り下げ、路床に砂を入れて、ローラーで固める。その上にその上に3030㎝㎝ほど切石を並べてモルタルで接合する。そほど切石を並べてモルタルで接合する。その上にの上に1010cmcm大の小石をこれまたモルタルで固め、その上大の小石をこれまたモルタルで固め、その上にモルタルで接合したにモルタルで接合した44cmcm大の小石をかぶせ、その上に砂大の小石をかぶせ、その上に砂利と砂の層をおき、最上部には大きな平たい切石を敷きつ利と砂の層をおき、最上部には大きな平たい切石を敷きつめた。ローマ人はこのモルタルにも改良を加え、後には砂めた。ローマ人はこのモルタルにも改良を加え、後には砂利利75%75%と石灰モルタルと石灰モルタル25%25%を混ぜ合わせた世界最初のコを混ぜ合わせた世界最初のコンクリートをつくって使用した。厚さがンクリートをつくって使用した。厚さが22mmにも達するという舗にも達するという舗装は、重戦車も通れる現在の道路にもない驚くべき堅牢さ装は、重戦車も通れる現在の道路にもない驚くべき堅牢さである。現存するポルトガルのタホ川に架る橋は六つの大である。現存するポルトガルのタホ川に架る橋は六つの大アーチで水面からアーチで水面から6060mmもの高さのところに道路をつけていもの高さのところに道路をつけている。る。

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30003000年前年前--25002500年前(ローマ帝国)年前(ローマ帝国)この頑固なまでに徹底した土木工事のやり方に、当時のこの頑固なまでに徹底した土木工事のやり方に、当時のローマ人の「永遠のローマ」建設の執念をみる思いがする。ローマ人の「永遠のローマ」建設の執念をみる思いがする。こうしたローマの道路は、ローマの拡大・発展とともに四方こうしたローマの道路は、ローマの拡大・発展とともに四方八方に延び、その全長は地球全周の八方に延び、その全長は地球全周の1010倍に達するという。。倍に達するという。。ローマ人はこの大事業を、紀元前ローマ人はこの大事業を、紀元前312312年、アッピア街道建年、アッピア街道建設に着手して以来、実に設に着手して以来、実に600600年間を費して行ったのである。年間を費して行ったのである。

こうして、ローマを中心に四方八方に延こうして、ローマを中心に四方八方に延びた道路は、文字通りローマ帝国の地びた道路は、文字通りローマ帝国の地中海世界統治とその繁栄を支える動脈中海世界統治とその繁栄を支える動脈となった。この道路は、たんに軍用のみとなった。この道路は、たんに軍用のみに使用されたものではない。商人たちに使用されたものではない。商人たちがはるばる遠方から商品を運ぶのに利がはるばる遠方から商品を運ぶのに利用した道でもあり、また一般の旅行者用した道でもあり、また一般の旅行者でも賑わった。またこれらの道路は、でも賑わった。またこれらの道路は、ローマの制度・風習・宗教・言語・学問・ローマの制度・風習・宗教・言語・学問・芸術など、広義のローマ文化を地中海芸術など、広義のローマ文化を地中海世界のすみずみに伝える動脈の役割世界のすみずみに伝える動脈の役割も果たした。も果たした。

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近代舗装の流れ近代舗装の流れ1818--1919世紀世紀大型馬車や自転車、自動車が普及し始め、道路の騒音や大型馬車や自転車、自動車が普及し始め、道路の騒音や振動が気になり始めました。ヨーロッパにおける産業革命を振動が気になり始めました。ヨーロッパにおける産業革命を支えるべく、支えるべく、1818世紀に入って道路舗装の改修が盛んとなっ世紀に入って道路舗装の改修が盛んとなってきました。初期にはローマ時代と同様の板石を用いた構てきました。初期にはローマ時代と同様の板石を用いた構造を採用していましたが、多大な人力を要することや、交通造を採用していましたが、多大な人力を要することや、交通量の増加による耐久性や経済性の問題を改善するために、量の増加による耐久性や経済性の問題を改善するために、フランスでトレサゲ工法が開発されました。フランスでトレサゲ工法が開発されました。

トレサゲトレサゲ((TresagutTresagut:1716 :1716 ~~1796) 1796) が提案した工法のが提案した工法の特徴は、路床に水が浸入すると支持力が低下することに着特徴は、路床に水が浸入すると支持力が低下することに着目し、路床面と路面を上に凸状に反らせ、排水を路肩に流目し、路床面と路面を上に凸状に反らせ、排水を路肩に流し、舗装の耐久性を向上させるというものです。し、舗装の耐久性を向上させるというものです。

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近代舗装の流れ近代舗装の流れ1818--1919世紀世紀これに続いてマカダムこれに続いてマカダム((MacAdamMacAdam:1756:1756~~1835) 1835) が、舗が、舗装を普及させるためには、より低廉で耐久性のある構造が装を普及させるためには、より低廉で耐久性のある構造が必要であると考え、マカダム工法を提案しました。必要であると考え、マカダム工法を提案しました。

マカダム工法は、トレサゲと同様に、路床に水が浸透しなけマカダム工法は、トレサゲと同様に、路床に水が浸透しなければ自然地盤に十分な支持力があるので、路床面は排水れば自然地盤に十分な支持力があるので、路床面は排水のためにある程度の反りを入れるが、路床を傷めないようのためにある程度の反りを入れるが、路床を傷めないように細かい砕石で処理し、その上に粒径に細かい砕石で処理し、その上に粒径7.67.6cmcm程度の砕石程度の砕石をを11層約層約1010cmcmの厚さでの厚さで22層敷き、そのまま交通に開放する。層敷き、そのまま交通に開放する。交通車両で締め固めた後、さらに粒径交通車両で締め固めた後、さらに粒径2.52.5cmcm程度の砕石を程度の砕石を55cmcm厚さに敷きならして交通に供用するようにしたものです。厚さに敷きならして交通に供用するようにしたものです。これらの舗装によって、軍隊の輸送だけでなく、大きな駅馬これらの舗装によって、軍隊の輸送だけでなく、大きな駅馬車が全速力で走れるようになり、商業活動に大きく貢献.し車が全速力で走れるようになり、商業活動に大きく貢献.しかし、英国ではかし、英国では18301830年から鉄道の時代に入り、駅馬車が年から鉄道の時代に入り、駅馬車がなくなるのと同時に舗装の整備状況も悪化してきた。なくなるのと同時に舗装の整備状況も悪化してきた。

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近代舗装の流れ近代舗装の流れ1818--1919世紀世紀これに続いてマカダムこれに続いてマカダム((MacAdamMacAdam:1756:1756~~1835) 1835) が、舗が、舗装を普及させるためには、より低廉で耐久性のある構造が装を普及させるためには、より低廉で耐久性のある構造が必要であると考え、マカダム工法を提案しました。必要であると考え、マカダム工法を提案しました。

マカダム工法は、トレサゲと同様に、路床に水が浸透しなけマカダム工法は、トレサゲと同様に、路床に水が浸透しなければ自然地盤に十分な支持力があるので、路床面は排水れば自然地盤に十分な支持力があるので、路床面は排水のためにある程度の反りを入れるが、路床を傷めないようのためにある程度の反りを入れるが、路床を傷めないように細かい砕石で処理し、その上に粒径に細かい砕石で処理し、その上に粒径7.67.6cmcm程度の砕石程度の砕石を1層約を1層約1010cmcmの厚さで2層敷き、そのまま交通に開放する。の厚さで2層敷き、そのまま交通に開放する。

交通車両で締め固めた後、さらに粒径交通車両で締め固めた後、さらに粒径2.52.5cmcm程度の砕石を程度の砕石を55cmcm厚さに敷きならして交通に供用するようにしたものです。厚さに敷きならして交通に供用するようにしたものです。これらの舗装によって、軍隊の輸送だけでなく、大きな駅馬これらの舗装によって、軍隊の輸送だけでなく、大きな駅馬車が全速力で走れるようになり、商業活動に大きく貢献しま車が全速力で走れるようになり、商業活動に大きく貢献しましたが、イギリスではしたが、イギリスでは18301830年から鉄道の時代に入り、駅馬年から鉄道の時代に入り、駅馬車がなくなるのと同時に舗装の整備状況も悪化していきま車がなくなるのと同時に舗装の整備状況も悪化していきました。した。

日本では日本では……

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日本では日本では……日本では日本では18781878年(明治年(明治1111年)初年)初めて東京神田の昌平橋にアスファめて東京神田の昌平橋にアスファルト舗装が使用されました。ルト舗装が使用されました。

19201920年以降には,水締めマカダ年以降には,水締めマカダムから,浸透式マカダムによる簡ムから,浸透式マカダムによる簡易舗装易舗装((乳剤式乳剤式))が発展し,が発展し,19301930以降には,高級舗装に加熱式ア以降には,高級舗装に加熱式アスファルト混合物が使われるようスファルト混合物が使われるようになった.になった.

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舗装の技術基準舗装の技術基準

『舗装の構造に関する技術基準』の平成13年12月制定基本的に材料についての規定は無いどこにどんな材料を使うべきかも示していない

仕様規定 性能規定

・ 材料の利用方法に自由度・ 新材料,新技術の積極的利用

空港では

『空港舗装構造設計要領』(平成11年4月発行)

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・・ アスファルト混合物の疲労破壊に基づく設計アスファルト混合物の疲労破壊に基づく設計

は、信頼性を考慮していない。は、信頼性を考慮していない。・・ 路床は、各月の路床は、各月のMMrrを求め、季節変動を考慮を求め、季節変動を考慮し、安全率を考慮した設計し、安全率を考慮した設計MMrr値を使うため、信値を使うため、信

頼性は考慮されている。頼性は考慮されている。・・ しかし、約しかし、約400400箇所の試験舗装の検証結果よ箇所の試験舗装の検証結果より、り、AIAIの破壊基準式を用いたアスファルト舗装の破壊基準式を用いたアスファルト舗装設計は平均アスファルト厚で設計は平均アスファルト厚で 41mm41mm厚く、厚く、AASHTOAASHTOの設計法と比較するとの設計法と比較するとΔΔHHASASがが00より小より小さい確率がさい確率が12.712.7%(危険率)となり、破壊基準%(危険率)となり、破壊基準式の信頼性は式の信頼性は87.3%87.3%を有している。を有している。

信頼度信頼度9090%の%のTTAA設計法と比較するならば、現在設計法と比較するならば、現在

の舗装設計施工指針の設計方法で示されているの舗装設計施工指針の設計方法で示されている設計設計49kN49kN換算輪数を換算輪数を44倍する方法は過大設計を倍する方法は過大設計を

招くと招くと考えられる。考えられる。舗装設計施工指針の設計舗装設計施工指針の設計49kN49kN換算輪数を換算輪数を44倍(倍(

9090%信頼度)%信頼度)××AIAIの提唱するの提唱する90%90%信頼度=現状信頼度=現状の計算結果はの計算結果は9977%%の信頼度での信頼度である。ある。

( 1 ( 1 -- 0.1 0.1 ×× 0.10.133 ) = 0.9) = 0.977

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アスファルト舗装アスファルト舗装のの2020年設計年設計

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アスファルトとはアスファルトとは

アスファルトは常温において粘稠性の大きな半固体アスファルトは常温において粘稠性の大きな半固体の材料であるため、これを使用するために液性にすの材料であるため、これを使用するために液性にする手段として下記の三つの方法がとられている。る手段として下記の三つの方法がとられている。①① 加熱して粘性を小さくする。加熱して粘性を小さくする。・・ 加熱式アスファルト混合物加熱式アスファルト混合物②② 溶剤を混合して粘性を小さくする。溶剤を混合して粘性を小さくする。・・ 灯油や軽油を使ってアスファルトをカットバック灯油や軽油を使ってアスファルトをカットバック③③ 乳剤にして粘性を小さくする。乳剤にして粘性を小さくする。・・ 活性剤を使ってアスファルトを乳化する活性剤を使ってアスファルトを乳化する

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アスファルト混合物アスファルト混合物

アスファルト混合物に求められる性能アスファルト混合物に求められる性能

• 安定性 (Stability)• たわみ性 (Flexibility)• 破壊強度 (Fracture strength)• 疲労抵抗性 (Fatigue resistance)• 滑り抵抗性 (Skid resistance)• 耐久性 (Durability)• 不透水性 (Permeability)

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加熱アスファルト混合物の知識加熱アスファルト混合物の知識

• 品質検査実施項目

締固め度 (基準密度の94%以上)粒度 (2.36mm, 0.075mm通過質量)アスファルト量 (OAC±0.3%)

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0%

20%

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80%

100%配合割合 %

6号砕石 50 67 80

7号砕石 20 7 0

SC 10 7 0

砂 15 7 15

石粉 4 12 5

密粒度 SMA 排水性

AsAs混合物の骨材配合例混合物の骨材配合例

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粒度曲線の粒度曲線の2.36mm2.36mmとと0.075mm0.075mmに注目に注目!!

0

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0.01 0.1 1 10 100

ふるい目  (mm)

通過質量百分率  (%)

排水性20% SMA(5)密粒度(13) 粗粒度(20)Fuller (13) Fuller (20)

( ) 5.0100 D

dP ×=Fullerの連続粒度式

密粒度アスコン密粒度アスコン(13)(13)は,は,FullerFullerの連続粒度に近い粒度曲線.の連続粒度に近い粒度曲線.

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排水性

開粒度

粗粒度

SMA

密粒度ギ

ャップ

密粒度

密粒度

F

細粒度ギ

ャップ

細粒度

細粒度

F

通過質量百分率  %

2.36mm

75μm

混合物の種類と粒度混合物の種類と粒度

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排水性

開粒度

粗粒度

SMA

密粒度ギ

ャップ

密粒度

密粒度

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ャップ

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細粒度

細粒度

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配合率  %

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75μm

アスファルト量

F/A

アスファルト量とアスファルト量とフィラー量フィラー量

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最適な締固めの範囲

アスファルト量と骨材間隙率(密粒度)アスファルト量と骨材間隙率(密粒度)

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最適な締固めの範囲

粒度とアスファルト混合物の特性粒度とアスファルト混合物の特性

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ストアス 改質AsⅡ型 超重交通用改質As

動的安定度 DS  (回/mm)

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曲げ破断ひずみ  (10-3)

動的安定度(DS)

破断ひずみ

改質改質アスファルトの動的安定度とアスファルトの動的安定度と曲げひずみ曲げひずみ

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アスファルト(バインダの試験)

混合物(アスコン)の試験

針入度,軟化点,伸度

タフネス・テナシティー,60℃粘度

塑性変形輪数:ホイールトラッキング疲労破壊輪数:繰返し曲げ,単純曲げ

耐摩耗性 :低温カンタブロ,ラベリングすべり抵抗性:DFテスタ,スキッドレジスタンステスタ浸透水量 :現場透水試験,定水位透水試験

材料の機能と室内試験方法材料の機能と室内試験方法

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カチオン系乳化剤カチオン系乳化剤の模式図の模式図(脂肪族(脂肪族44級アンモニウム塩)級アンモニウム塩)

・・ 乳化剤乳化剤アスファルトを乳化して乳剤とするためには乳化剤が必要で、これの選択アスファルトを乳化して乳剤とするためには乳化剤が必要で、これの選択が最も重要である。乳剤の性状は乳化剤に大きく依存し、使用する乳化剤のが最も重要である。乳剤の性状は乳化剤に大きく依存し、使用する乳化剤の種類により、カチオン系、アニオン系、ノニオン系のいずれかとなる。種類により、カチオン系、アニオン系、ノニオン系のいずれかとなる。

1)1) カチオン系乳化剤カチオン系乳化剤カチオン(カチオン(Cat ionCat ionまたはまたはKati onKati on)と)とはは陽(+)イオンを意味し、カチオ陽(+)イオンを意味し、カチオ

ン系乳化剤は水中にて解離して陽イオンに帯電している。乳剤に一般的に使ン系乳化剤は水中にて解離して陽イオンに帯電している。乳剤に一般的に使用されているカチオン系乳化剤の大部分は、牛脂や椰子油を原料とした脂肪用されているカチオン系乳化剤の大部分は、牛脂や椰子油を原料とした脂肪酸誘導体のアミン(ジアミン、トリアミン、イミダゾリン等)の塩酸塩また酸誘導体のアミン(ジアミン、トリアミン、イミダゾリン等)の塩酸塩または酢酸塩である。そのためカチオン系乳剤は酸性である場合が多い。塩酸をは酢酸塩である。そのためカチオン系乳剤は酸性である場合が多い。塩酸を使用した場合は使用した場合はpHpH2前後、酢酸を使用した場合は2前後、酢酸を使用した場合はpHpH5前後となる。5前後となる。

アスファルト乳剤の技術アスファルト乳剤の技術

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2)2) アニオン系乳化剤アニオン系乳化剤アニオン(アニオン(AnionAnion)とは陰()とは陰(--)イオンを意味し、アニオン系乳化剤とは水中で解)イオンを意味し、アニオン系乳化剤とは水中で解離して陰イオンに帯電している。アニオン系乳化剤としては、脂肪酸、高級アル離して陰イオンに帯電している。アニオン系乳化剤としては、脂肪酸、高級アルコール硫酸エステル、アルキルベンゼンスルフォン酸のアルカリ金属塩がよくコール硫酸エステル、アルキルベンゼンスルフォン酸のアルカリ金属塩がよく使用される。またトール油、リグニン、ロジンといった木材副産物のカルボン酸使用される。またトール油、リグニン、ロジンといった木材副産物のカルボン酸またはスルフォン酸のアルカリ金属塩も、乳化剤あるいは乳化助剤としてよくまたはスルフォン酸のアルカリ金属塩も、乳化剤あるいは乳化助剤としてよく使われている。乳化性を高めるために水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウム使われている。乳化性を高めるために水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを少量加えることから、乳剤はを少量加えることから、乳剤はpH9pH9--1313のアルカリ性を示す。のアルカリ性を示す。

3)3) ノニオン系乳化剤ノニオン系乳化剤ノニオン系乳化剤は水中で解離しないため電荷を持たない。ノニオン系乳化ノニオン系乳化剤は水中で解離しないため電荷を持たない。ノニオン系乳化剤は親油性であるアルキル基に親水性であるエチレンオキサイド(剤は親油性であるアルキル基に親水性であるエチレンオキサイド(EOEO)を付加)を付加したもので、したもので、EOEOの付加モル数がの付加モル数が5050--8080位のものがよく使われている。酸やアル位のものがよく使われている。酸やアルカリを使用しないためノニオン系乳剤のカリを使用しないためノニオン系乳剤のpHpHは中性に近く、イオンの影響を受けは中性に近く、イオンの影響を受けにくいのでセメントその他の材料と混合しても分解しにくい。にくいのでセメントその他の材料と混合しても分解しにくい。

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乳剤は、欧米ではその分解性により分類しているが、日本では電荷の乳剤は、欧米ではその分解性により分類しているが、日本では電荷の違いおよび浸透用、混合用といった用途により分類している。違いおよび浸透用、混合用といった用途により分類している。

(1)(1) カチオン系乳剤カチオン系乳剤現在道路用として使用されている大部分の現在道路用として使用されている大部分の乳剤がカチオン系である。カチオン系乳化剤乳剤がカチオン系である。カチオン系乳化剤は乳化に優れ、中近東産の原油から製造さは乳化に優れ、中近東産の原油から製造されるアスファルトでも安定性の良い乳剤を作れるアスファルトでも安定性の良い乳剤を作ることができる。ることができる。さらにカチオン系乳剤は安定である一方、さらにカチオン系乳剤は安定である一方、使用後は速やかに分解して骨材の表面にア使用後は速やかに分解して骨材の表面にアスファルト皮膜をつくる。このため水が蒸発しスファルト皮膜をつくる。このため水が蒸発しなくても分解・硬化し、降雨により流出しにくなくても分解・硬化し、降雨により流出しにくい等、舗装材料として適している。一般にい等、舗装材料として適している。一般にpHpH2~5の酸性を示す。2~5の酸性を示す。

アスファルト乳剤の顕微鏡写真

乳剤の種類とその概要乳剤の種類とその概要

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(2)(2) アニオン系乳剤アニオン系乳剤当初の乳剤は乳化が容易なアニオン系が主流であった。アニオン系乳当初の乳剤は乳化が容易なアニオン系が主流であった。アニオン系乳剤は分解が遅く、付着性にも劣るため、カチオン系乳剤の開発により道路剤は分解が遅く、付着性にも劣るため、カチオン系乳剤の開発により道路用としては使用されなくなった。しかし骨材やフィラーと混合してマスチック用としては使用されなくなった。しかし骨材やフィラーと混合してマスチックやスラリーを作るときなど、長時間の保存が困難な場合には、アニオン系やスラリーを作るときなど、長時間の保存が困難な場合には、アニオン系乳剤が使用されることもある。またアニオン系乳剤は重金属イオンやその乳剤が使用されることもある。またアニオン系乳剤は重金属イオンやその他の化学物質により分解されやすいので、これを利用したスラリーシール他の化学物質により分解されやすいので、これを利用したスラリーシールや防水材用乳剤等としての用途もある。一般にや防水材用乳剤等としての用途もある。一般にpHpH9~13のアルカリ性で9~13のアルカリ性で

ある。ある。

(3)(3) ノニオン系乳剤ノニオン系乳剤電荷を持たず化学的にも安定であり、電荷を持たず化学的にも安定であり、セメントなどのフィラーとも容易に混合でセメントなどのフィラーとも容易に混合できるため、路上再生路盤工法やセメントきるため、路上再生路盤工法やセメント乳剤モルタル(乳剤モルタル(CACAモルタル)用の乳剤なモルタル)用の乳剤な

どに使用されている。また、各種の材料どに使用されている。また、各種の材料と混合して使用する工業用や農業用乳と混合して使用する工業用や農業用乳剤としても適している。剤としても適している。

水中におけるアスファルト粒子の様子

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乳剤は、混合や散布の作業が終わった後は、速やかに分解硬化してアス乳剤は、混合や散布の作業が終わった後は、速やかに分解硬化してアスファルトに戻る必要がある。このことは使用前には乳剤が安定でなければなファルトに戻る必要がある。このことは使用前には乳剤が安定でなければならないという条件と相反するものであり、ここに乳剤の製造と使用に関する重らないという条件と相反するものであり、ここに乳剤の製造と使用に関する重要なノウハウがある。要なノウハウがある。一般に乳剤が分解する要因には、以下のものがあげられる。一般に乳剤が分解する要因には、以下のものがあげられる。

(1)(1) 水の蒸発水の蒸発乳剤中の水が蒸発することにより、凝集、クリーミングを生ずる。次にアスフ乳剤中の水が蒸発することにより、凝集、クリーミングを生ずる。次にアスファルト粒子間の間隙を水が通って蒸発していくとき、毛管圧が粒子を合一さァルト粒子間の間隙を水が通って蒸発していくとき、毛管圧が粒子を合一させるように働き、アスファルトの連続相が形成される。アスファルトの連続相中せるように働き、アスファルトの連続相が形成される。アスファルトの連続相中に取り込まれた水が、徐々に蒸発することによって硬化し、バインダとしてのに取り込まれた水が、徐々に蒸発することによって硬化し、バインダとしての強度が生じてくる。強度が生じてくる。最終的にバインダ中の水分が完全になくなったとき、本来持っている最終最終的にバインダ中の水分が完全になくなったとき、本来持っている最終強度に達する。強度に達する。

アスファルト乳剤の分解と硬化性アスファルト乳剤の分解と硬化性

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28乳剤の蒸発による分解過程乳剤の蒸発による分解過程

(2)(2) 接触分解接触分解骨材と乳剤の接触によって起こるもので、骨材の状態で異なり凹凸の多骨材と乳剤の接触によって起こるもので、骨材の状態で異なり凹凸の多

いもの、多孔質のものほど速く、付着水の多いものほど遅くなる。いもの、多孔質のものほど速く、付着水の多いものほど遅くなる。

(3)(3) 化学的作用による分解化学的作用による分解骨材から溶出するある種の成分や、大気中の炭酸ガスなどのために起こ骨材から溶出するある種の成分や、大気中の炭酸ガスなどのために起こ

るもので、場合によってはこのような物質を添加し、分解を促進させるこるもので、場合によってはこのような物質を添加し、分解を促進させることもある。ともある。

(4)(4) 電気的な作用による分解電気的な作用による分解骨材表面の電荷とアスファルト粒子の電荷の中和作用により分解する。骨材表面の電荷とアスファルト粒子の電荷の中和作用により分解する。

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乳剤を取り扱う場合は、以下に示す事項に注意する。

【異なる種類の乳剤を混合しない】アニオン系乳剤とカチオン系乳剤を混合すると直ちに分解する。また、同じ電気的性質をもつ浸透用乳剤と混合用乳剤を混合すると、混合用としての性質(混合性)や浸透用としての性質(早期分解性)が失われる。散布機械で異種の乳剤を取り扱う場合は、よく洗浄しないとノズルやパイプにアスファルトのカスが詰まる原因となる。

【貯蔵中に雨水や異物を混入させない】雨水が混入するとアスファルト濃度が低下するだけでなく、乳剤のもつ性質が失われることがある。また、異物の混入は、アスファルトのカスの発生や分解を起こす原因となる。

アスファルト乳剤の取り扱い上の注意事項アスファルト乳剤の取り扱い上の注意事項

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【使用前に撹拌を行う】石油缶やドラム缶などで貯蔵期間が経過している場合は、上下で濃度の差が生じている可能性がある。このため、棒などで沈澱等による濃度差があるかを確認し、濃度差があれば容器を揺すって均一にするか、ミキサによる撹拌を行う。

【凍結などを起こさないように保温処置を講じる】乳剤が凍結すると、加温しても多量のアスファルトのカスが発生したり、乳剤が分解することがある。このため、保温材による囲いや覆いを行うか、室内に保管する。

【加温する場合は80℃以下とする】寒い時期に乳剤を使用する場合、乳剤の分解時間を早めることやポンプの詰まりを防止することを目的に、現場で乳剤を加温することがある。この場合、直火で局部的に加熱しすぎると乳剤の分解を促進し、ノズル詰まりの原因となることがある。

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最新・アスファルト舗装技術(山海堂)より抜粋

舗装舗装のニーズ・シーズと新技術のニーズ・シーズと新技術

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舗装材料はどのようにして作られるの?舗装材料はどのようにして作られるの?

• 改質アスファルト• アスファルト乳剤• 樹脂系すべり止め舗装用バインダ• 砕石 :粗骨材、細骨材

• 鉄鋼スラグ• 人工骨材• インターロッキングブロック(ILB)• ジオテキスタイル

再生品を含む!!再生品を含む!!

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最近の特殊材料・特殊技術最近の特殊材料・特殊技術

•• 小粒径排水性舗装(騒音対策,耐滑り対策)小粒径排水性舗装(騒音対策,耐滑り対策)騒音低減,排水性用高耐久性バインダ(エポキシ樹脂を添加)

•• 22層式排水性舗装層式排水性舗装低騒音,排水機能の向上,MAP工法の利用

•• 排水性舗装のトップコート排水性舗装のトップコート

耐久性向上、樹脂コーティング、透水性レジンモルタル充填工法

•• 乳剤散布装置付きフィニッシャ用乳剤乳剤散布装置付きフィニッシャ用乳剤AFエマルジョン,薄層排水性舗装,POSMAC

•• タイヤに付着しない乳剤タイヤに付着しない乳剤タックファインE(タックコート,早期分解剤入り)

•• 止水及び免震材止水及び免震材アクアファルト(地中連壁やトンネルの裏込め)

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•• SMASMA(砕石マスチックアスファルト)(砕石マスチックアスファルト)

水密性,耐流動性,たわみ性,騒音低減,走行安全

•• 中温化舗装中温化舗装

省エネ、CO2削減、早期交通開放、中温化剤(発泡剤、

オイル)、フォームドアスファルト、

•• 常温舗装(混合物)常温舗装(混合物)

省エネ、CO2削減、アスファルト乳剤などを使用

•• マイクロサーフェシングマイクロサーフェシング

予防的維持

最近の特殊材料最近の特殊材料

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最近の特殊材料最近の特殊材料

• 舗装の再生技術排水性舗装の再生、再生改質、再生資源の有効利用

N0x吸収性舗装

大気の浄化、酸化チタン

保水性舗装(遮熱性)ヒートアイランド抑制、排水性の空隙に保水剤

• 大粒径混合物シックリフト、急速施工(1層厚増大)、最大粒径30mm以上

• 凍結抑制舗装物理系(ゴム粒子ほか)、化学系(塩化物ほか)

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一般は最大粒径13mm →小粒径 10mm → 8mm → 5mm 排水性舗装

・最大粒径が小さいほど騒音低減効果が増加

・最大粒径が小さいほど強さ

(耐流動性,耐摩耗抵抗性,耐ネジレ飛散)は低下

・最大粒径が小さいほど,連続空隙率,透水性は低下

このため,層厚を薄くした2層(式)構造が用いられる↓

マルチアスファルトペーバ(MAP)の利用

小粒径排水性舗装小粒径排水性舗装

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2層同時施工が可能なため,表層と基層混合物を同時に施工し,最大せん断応力を発生する深さに境界を設けない方法も可能.

マルチアスファルトマルチアスファルトぺぺーバーバ

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使用する乳剤:

高濃度改質As乳剤

(分解剤入り)

150円/kg

乳剤散布装置付きフィニッシャ用乳剤

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遮水型ポーラス舗装遮水型ポーラス舗装

POSMAC(Porous Surface Mastic Course:遮水型ポーラス舗装)は、乳剤散布装置付アスファルトフィニッシャー(SPAF)とゴム入り改質アスファルト乳剤(PKR-T)の多量散布の組合せにより、表層に透水機能と遮水機能の両立を実現させると共にコスト低減と安定した施工性を確保した新工法です。

乳剤散布量が多くなるため,乳剤の分解促進剤を併用する.

1層で2層分の効果を発揮.施工厚の低減やコスト縮減が可能.

乳剤・分解剤同時散布状況

乳剤散布装置 舗設方向

分解剤散布装置

乳剤散布装置舗設方向

分解剤散布装置

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SMA(モルタル多) SMA(モルタル少) 排水性

17,000円/t 14,500円/t

SMASMA(砕石マスチックアスファルト)(砕石マスチックアスファルト)

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環境に優しい混合物,層厚環境に優しい混合物,層厚3030~~50mm50mm

常温混合物舗装常温混合物舗装

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補修工法

維持工法日常的 or予防的な維持

修繕工法

フォグシール

スラリーシール

マイクロサーフェシング

チップシール

薄層舗装

オーバーレイ工法

打換工法

路上再生路盤工法

機能的な破損

構造的な破損

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環境に優しい薄層材環境に優しい薄層材料,層厚料,層厚1010~~30mm30mm

マイクロサーフェシング工法マイクロサーフェシング工法

転圧によって,添加水転圧によって,添加水が流出(不純物は無し)が流出(不純物は無し)

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タックファインE上を通過したダンプトラックのタイヤと散布路面状況

PKR-T1上を通過したダンプトラックのタイヤと散布路面状況

150円/kgタイヤに付着しない乳剤タイヤに付着しない乳剤

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止水,免震材(アクアファルト)

•• 縦坑の発進抗口取付け部分縦坑の発進抗口取付け部分

•• 耐震構造用免震裏込め材。耐震構造用免震裏込め材。

必要とされる機能

• 免震材としての機能(振動減衰)• 水中での不分離性• 凍結工法下での硬化

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止水,免震材(アクアファルト)

一軸圧縮試験状況

• 一軸圧縮試験による、ひずみ10%時圧縮弾性係数の確認。(目標値 0.2~1.2MN/m2)

0.8MN/m2

アスファルト乳剤

早強セメント

高吸水性ポリマー

添加剤※※

配合割合(%)

100 15 1~3 10

アスファルト系免震材基本配合※

※: 地下構造物の免震設計法マニュアル(案)準拠※※: セメントに対する不揮発分割合

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スリップフォーム工法

スリップフォーム工法は、コンクリートの敷均し、締固め、平坦仕スリップフォーム工法は、コンクリートの敷均し、締固め、平坦仕上げ等の機能を持つスリップフォームペーバを用い、型枠を設置し上げ等の機能を持つスリップフォームペーバを用い、型枠を設置しないで連続してコンクリートを打設する工法です。型枠、レール等ないで連続してコンクリートを打設する工法です。型枠、レール等を設置しないため、省人化・省人化及びコスト縮減に寄与する等のを設置しないため、省人化・省人化及びコスト縮減に寄与する等のメリットがあり、中部国際空港にて採用された。メリットがあり、中部国際空港にて採用された。

キャリングマシーンキャリングマシーン (TC(TC--400)400)ほうき目仕上げ,養生剤散布ほうき目仕上げ,養生剤散布

プレーサスプレッダー(プレーサスプレッダー(PSPS--26002600))22層目の敷き均し,層目の敷き均し,

スリップフォームスリップフォームぺぺ-バー(-バー(GHPGHP--28002800))締固め,平坦仕上げ締固め,平坦仕上げ

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環境と舗装性能の関わり環境と舗装性能の関わり

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中温化技術中温化技術

アスファルト混合物製造時に添加した特殊添加剤が,熱により気化(発泡)を開始し,混合物内にそれが一定時間保持される事により,施工時や合材製造時における温度低減が可能となる.

敷均し温度加熱式As:140℃中温化As:110℃常温As :80℃未満

転圧後の温度低下は加熱式Asと変わらないため,交通解放までの時間を短縮することが出来る.

1層の施工厚を厚くすることが可能.

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発泡状況(容積は約3倍となる)

1,000~2,000円/tアップ(合材単価)

中温化舗装中温化舗装

96

97

98

99

100

80 100 120 140 160Temperature of Compaction (ºC)

Deg

ree

of C

ompa

ctio

n (%

)

Non-additivesAdditives

Decrease 20 ºC

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車道透水性舗装の経緯車道透水性舗装の経緯

都市部を流れる河川流域における浸水被害を抑制するため都市部を流れる河川流域における浸水被害を抑制するために、に、““特定都市河川浸水被害対策法特定都市河川浸水被害対策法””がが平成平成1515年年66月月1111日に日に策定され,平成策定され,平成1616年年55月月1515日から施行。洪水抑制に関する各日から施行。洪水抑制に関する各手法と道路関連の浸透に関する施設に関してのフローを図手法と道路関連の浸透に関する施設に関してのフローを図に示す。に示す。

洪水抑制のための治水対策

治水施設の整備 流域における対応

河川 下水道

河道改修

分水路

調節池

管渠

ポンプ場

雨水調節池

貯留 浸透

学校校庭

公園

住宅棟間

庁舎敷地

防災調整池

透水性舗装

浸透ます

浸透地下埋設管

浸透U字側溝

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車道透水性舗装車道透水性舗装

透水性舗装の性能発注に関する要求性能は,透水性舗装の性能発注に関する要求性能は,・ 舗装全体条件舗装設計期間:10年,計画交通量(大型車) 2.500台/日(1方向),TA値

・ 舗装表層の条件疲労破壊輪数35,000,000回以上,塑性変形輪数3,000回/mm以上,平たん性 σ =2.4mm以内・ 騒音値(竣工1年後) 90 db以下,(竣工時)89 db以下(参考値)・ 浸透能力:1000ml/15s以上・ 一時貯留能力:600m3/ha以上

開粒度アスコン(10)

透水性アスファルト安定

5

5

15

(cm)

路床(CBR:20)

開粒度アスコン(20)

開粒度アスコン(20) 5

処理路盤(30)

水硬性鉄鋼スラグ路盤

密粒度アスコン(20)

粗粒度アスコン(20)

既設アスコン

5

5

(cm)

5

既設水硬性

鉄鋼スラグ路盤

(凡例)

:熱伝対

(密粒度舗装:交差点部) (透水性舗装)

2cm 2cm

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車道透水性舗装施工状況車道透水性舗装施工状況

遮水シート 貼り付け

←←AsAs安定処理安定処理

敷均し状況敷均し状況

プライムコート(既設スラグ路盤)

→→散水試験散水試験

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トレンチからの排トレンチからの排水量を計測するた水量を計測するための三角堰めの三角堰

Overflow from the road surface (not wheel passes)

洪水流の管理方法の比較洪水流の管理方法の比較

後方集中型の降水試験と洪水流対策方法の比較後方集中型の降水試験と洪水流対策方法の比較

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温度抑制舗装の概念温度抑制舗装の概念

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Surface Temp. of water-retentive pavement

Water-retentive pavement

Asphalt pavement

Surf

ace

Tem

p. (º

C)

保水性舗装の構造保水性舗装の構造

保水材保水材

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保水材の入った保水材の入った

セメントミルクの注入セメントミルクの注入

保水性舗装の表面保水性舗装の表面[[開粒度混合物開粒度混合物 (Va=23%)](Va=23%)]

保水性舗装の表面保水性舗装の表面

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国道国道11号線号線((蒲田蒲田))

東経(度)

北緯(度)温度差

ヒートアイランド現象のシミュレーションヒートアイランド現象のシミュレーション

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歩道の熱環境改善シミュレーション歩道の熱環境改善シミュレーション

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光触媒の二酸化チタン(TiO2) は,大気中の窒素酸化物を吸着し,紫外線によって硝酸カルシウム[Ca(NO3)2]に酸化する.

硝酸カルシウムは,降雨によって硝酸イオン(NO3

-)とカルシウムイオン(Ca2+)に分解され,雨水と一緒に流出する.このため,舗装の表面は復元する.

光触媒光触媒(TiO(TiO22,,二酸二酸化チタン化チタン))は舗装表は舗装表

面の窒素酸化物を面の窒素酸化物を分解し,きれいに分解し,きれいに復元する.復元する.

窒素酸化物の分解と除去窒素酸化物の分解と除去

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道路道路構造の改訂構造の改訂

•• 道路構造令の解説と運用道路構造令の解説と運用

道路に関する一般的技術基準を定めた道路構造令について、道路に関する一般的技術基準を定めた道路構造令について、約約2020年ぶりに改訂。今回の改訂では、平成年ぶりに改訂。今回の改訂では、平成55年、年、1313年、年、1515年の年の3 3 度にわたる道路構造令の改正の内容とともに、地域の状況に応度にわたる道路構造令の改正の内容とともに、地域の状況に応じた基準の弾力的な運用の考え方について解説されている。じた基準の弾力的な運用の考え方について解説されている。

•• 道路審議会の答申道路審議会の答申

道路構造令等の一部を改正する政令の施行について:建設省道路構造令等の一部を改正する政令の施行について:建設省(通達)、平成(通達)、平成55年年1111月月2525日日道路構造令の一部を改正する政令の施行を伴う都市計画道路道路構造令の一部を改正する政令の施行を伴う都市計画道路幅員の取扱いについて:幅員の取扱いについて:

建設省(事務連絡)、平成建設省(事務連絡)、平成66年年22月月1515日日(「画一的な道づくり」から,「個性のある道づくり」,「地域が自由に(「画一的な道づくり」から,「個性のある道づくり」,「地域が自由に発想できる道づくり」など,発想できる道づくり」など,2121世紀にふさわしい道づくりの提言)世紀にふさわしい道づくりの提言)

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道路構造の改訂道路構造の改訂

平成平成1414年年 社会整備審議会の答申社会整備審議会の答申

・地域の実情に応じたローカルルールの採用の提言

高規格道路における追越し車線付き高規格道路における追越し車線付き22車線道路構造車線道路構造

地域高規格における現道の活用地域高規格における現道の活用

1.51.5車線的道路整備車線的道路整備

乗用車専用道路(小型車両用道路)の導入など乗用車専用道路(小型車両用道路)の導入など

平成平成1212年年 交通バリアフリー法交通バリアフリー法

・バリアフリーへの歩車道の対応

バリアフリーに関する配慮事項バリアフリーに関する配慮事項

線形設計の原則と組み合わせ:組合せの基本則や避けるべき組合せ,線形設計の原則と組み合わせ:組合せの基本則や避けるべき組合せ,安全性の観点から重要となる組合せ.安全性の観点から重要となる組合せ.

平面交差点の幾何構造と交通安全:交通安全確保するための配慮事項平面交差点の幾何構造と交通安全:交通安全確保するための配慮事項

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道路及び歩道構造の改訂道路及び歩道構造の改訂

注)1.歩道は防護柵、照明柱等の路上施設および電柱等の占用物件等により歩道の有効注)1.歩道は防護柵、照明柱等の路上施設および電柱等の占用物件等により歩道の有効幅員は歩道全幅員より減じられる。このため歩道有効幅員は幅員は歩道全幅員より減じられる。このため歩道有効幅員は3.0m3.0m以上とするのが望ま以上とするのが望ましく、余裕ある歩道幅員が確保出来ない場合、当該路線の重要性を勘案して、広幅員しく、余裕ある歩道幅員が確保出来ない場合、当該路線の重要性を勘案して、広幅員の歩道を設置すべく積極的に検討するものとする。の歩道を設置すべく積極的に検討するものとする。

2.歩道幅員が2.歩道幅員が4.0m4.0m未満となる路線(または区間)においては、植樹帯を設置しないもの未満となる路線(または区間)においては、植樹帯を設置しないものとする。とする。

3.片側歩道設置の場合の歩道のない側の路肩幅員は3.片側歩道設置の場合の歩道のない側の路肩幅員は0.75m 0.75m を標準とする。なお市街を標準とする。なお市街地部において側溝があり、かつ歩道幅員が余裕ある幅員を確保出来ない場合におい地部において側溝があり、かつ歩道幅員が余裕ある幅員を確保出来ない場合においては、歩道のない側の路肩幅員はては、歩道のない側の路肩幅員は0.5m0.5mももやむ得ないがやむ得ないが、このとき側溝蓋を設置して歩、このとき側溝蓋を設置して歩行者の通行スペースを広く確保することも考慮するものとする。行者の通行スペースを広く確保することも考慮するものとする。

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歩道構造の幅員基準歩道構造の幅員基準

1.次頁表に掲げる標準横断構成は一例である。実施に際しては主管課と協議し、横断面の構成幅 員を検討するものとする。

2.次頁表に掲げる標準横断構成では、停車帯を図示しているが、実施に際しては沿道条件を勘案し、停車帯の設置を検討するものとする。

3.近年の自転車利用者の交通安全対策の観点から自転車通行を自動車通行と分離する方針がとられている。このため沿道条件、自転車通行量などを勘案して、自転車道の設置、または歩道を拡幅して自転車歩行者道とするなどの検討をするものとする。

4.商店等が多く、歩行者の通行が多い駅前通りなどでは幅員の広い歩道を確保することが望ましい。

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歩道構造の事例(1)歩道構造の事例(1)

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歩道構造の事例(2)歩道構造の事例(2)

適用範囲適用範囲

1.規定の路肩および車道幅員を確保することが不可1.規定の路肩および車道幅員を確保することが不可能である場合。能である場合。

2.防護柵等の路上施設は車道ブロック前面より2.防護柵等の路上施設は車道ブロック前面より25cm25cm控えて設置すること。歩道の有効幅員が控えて設置すること。歩道の有効幅員が1.51.5m未満となm未満とな

るような場合は防護柵等を原則として設置しない。るような場合は防護柵等を原則として設置しない。

3.路盤t=3.路盤t=100100は、再生クラッシャランの使用を標準とすは、再生クラッシャランの使用を標準とす

る。る。

適用範囲適用範囲

1.規定の路肩を確保することが不可能であり、かつ側1.規定の路肩を確保することが不可能であり、かつ側溝を利用する場合。溝を利用する場合。

2.防護柵等の路上施設は車道ブロック前面より2.防護柵等の路上施設は車道ブロック前面より25cm25cm控えて設置すること。歩道の有効幅員が控えて設置すること。歩道の有効幅員が1.51.5m未満となm未満とな

るような場合は防護柵等を原則として設置しない。るような場合は防護柵等を原則として設置しない。

3.路盤t=3.路盤t=100100は、再生クラッシャランの使用を標準。は、再生クラッシャランの使用を標準。

4.側溝蓋にグレーチング蓋を使用する場合は、細目グ4.側溝蓋にグレーチング蓋を使用する場合は、細目グレーチング蓋とする。レーチング蓋とする。

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歩道構造の事例(3)歩道構造の事例(3)

適用範囲適用範囲

1.規定の路肩を確保することが不可能であり、1.規定の路肩を確保することが不可能であり、かつ側溝を利用する場合。かつ側溝を利用する場合。

2.防護柵等の路上施設は車道ブロック前面2.防護柵等の路上施設は車道ブロック前面よりより25cm25cm控えて設置すること。歩道の有効幅控えて設置すること。歩道の有効幅員が員が1.51.5m未満となるような場合は防護柵等をm未満となるような場合は防護柵等を

原則として設置しない。原則として設置しない。

3.路盤t=3.路盤t=100100は、再生クラッシャランの使用は、再生クラッシャランの使用

を標準とする。を標準とする。

4.側溝蓋にグレーチング蓋を使用4.側溝蓋にグレーチング蓋を使用する場合は、細目グレーチング蓋する場合は、細目グレーチング蓋とすること。とすること。