Upload
others
View
13
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
股関節疾患の概説
股関節手術が必要となる主な疾患は、関節リウマチ、変形性股関節症、
大腿骨頭壊死症、大腿骨頚部骨折です(図1)。それらに対する手術は、
股関節鏡手術、骨切り手術、人工骨頭置換術、人工股関節全置換術が
あります。手術は様々ですが、目的は同じで、股関節の再建です。
第17号
股関節疾患と再建手術
【今回の担当医師】
第二整形外科部長
(股関節・リウマチ外科)
加茂 健太 (かも けんた)
2018.10
地域ともっとクロス!する山口赤十字病院
【資格】
日本整形外科学会;専門医
日本リウマチ学会;指導医
図1 股関節疾患と手術療法
【発行元】 綜合病院 山口赤十字病院 地域医療連携室
〒753-8519 山口市八幡馬場53-1 Tel 083-923-0390 Fax 083-923-0391 http://www.yamaguchi-redcross.jp/
地域ともっとクロス!する山口赤十字病院
図2 上方アプローチと後方アプローチの違い
人工股関節手術
ここでは、手術件数の多い人工股関節手術を
紹介します。股関節のアプローチ(手術の方法)は
いろいろと工夫されてきています。当院においては、
上方アプローチを用いています。上方アプローチは
従来の後方アプローチの欠点である後方不安定
性を補います(図2)。股関節アプローチのなかで
最後のアプローチと言われています。
さいごに
いつも大変お世話になります。股関節、関節リウマチを中心に診療していますが、外傷から変性疾患まで幅広く対応
していますので、お気軽にご相談ください。
参考文献
1. 加茂健太. Superior Approach (SA) 上方アプローチ.整形外科 Surgical Technique. 45, 2018, 438-445
2. 加茂健太ほか. 人工股関節置換術における上方進入法の概説.日関病誌. 36, 2017, 457-60
3. 加茂健太ほか. 人工大腿骨頭置換術に対する上方アプローチ. 京セラ株式会社. 2017
上方アプローチの特徴
手術の時に、股関節を脱臼させずに、人工関節を入れることが
入れる できます。股関節のまわりの筋肉と靭帯のねじれがない状態で
状態で 手術ができるためです。ヒトは4足歩行から2足歩行に進化したので、
で、 進 4足歩行に近い、横向きに寝っ転がって、体を軽く丸くして寝る時の
軽 股関節の角度が、股関節のまわりの筋肉と靭帯のねじれがとれている
筋肉 状態です(図2)。人工骨頭置換術では、筋肉を切らずに手術
できますが、人工股関節全置換術では一部筋肉を切らないとできない場合もあります。筋肉を切らない長所として、術後
脱臼しにくい、痛みが少ない、リハビリが早いことが挙げられます。早い方で術後2週間で退院することができます。上方アプロー
チは、より安全に、より容易に、より侵襲を少なくと考え、工夫してきたアプローチです。
人工股関節手術(大腿骨の処置)の様子
やまクロInformation
《 採 用 》 《 退 職 》
産婦人科 嘱託医師 長田 広樹 (H30年 9月1日付) 内 科 部長 民本 泰浩 (H30年8月31日付)
産婦人科 副部長 髙石 清美 (H30年10月1日付) 産婦人科 嘱託医師 宮本 圭輔 ( 〃 )
産婦人科 嘱託医師 伊東 智宏 ( 〃 ) 産婦人科 嘱託医師 宮田 康平(H30年9月30日付 )
医師人事異動のお知らせ