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教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
准教授 浅野 信彦専門領域 カリキュラム研究、授業研究、教師教育研究
研究内容 既存の教科等の枠をこえて、子ども自身が「学ぶことの意味」を実感できるような教育実践の在り方を、カリキュラムと授業の研究を通して解明することを目指している。カリキュラム・マネジメントと授業実践は連続的な過程であり、これに関与する教師および教師集団がもつ教育観や子ども観がその土台をなしている。アクション・リサーチの手法で小・中学校のカリキュラム・マネジメントや授業研究の実際に携わりながら上記の研究課題に迫ることを試みている。教科教育学に収まらない視点(探究的な学び、教科横断的な学びなど)にこだわりを持っている学生を歓迎する。
教授 池田 進一専門領域 言語心理学、認知心理学
研究内容 心理学における定性的手法や定量的な手法を用いて分析することや、内外の心理学文献を読み込むことなどによって明らかにした学校教育に関わる諸問題に関して、理論研究、実践研究、調査研究、実験研究などができることを研究目標とする。具体的には、学力問題、不登校、読書教育、あるいは情報教育といった研究テーマに沿って、たとえば、本研究科と連携している越谷市教育センターなどでの試験的実践をもとにして、上記の様々な研究方法を修得することを目指す。
教授 出井 雅彦専門領域 生物学、植物系統学
研究内容 生物領域は範囲も広く多種多様な生物が研究対象となるが、私の対象は水中の光合成生物の珪藻である。珪藻の分類、形態、生殖、発生について、光学顕微鏡や電子顕微鏡を使い、研究を進めている。基本的には、珪藻に関する研究指導を行うが、珪藻などを教材として、児童生徒の自然観や科学的思考を育むための教材開発の指導も行う。生物学の研究ではまず一つの生物を深く知る必要がある。その中で自然と研究テーマが見えてくる。そして、テーマに沿って試行錯誤を繰り返す中で、研究の方法や科学的思考が身につき、発見がある。限られた時間の中で納得できる結果を得ることは決して容易ではないが、その努力を形にするための指導をする。
教授 井上 清子専門領域 精神医学、精神生理学、臨床心理学
研究内容 成人期までの問題行動や精神障害や発達障害を中心に、その原因やメカニズム、治療法や援助方法などを研究していく。治療的な個人心理療法(個人カウンセリング)に限らず、問題行動や不適応を予防し、対人関係を学習するための心理劇や構成的グループエンカウンター、SST(social skill training)などグループ(集団)カウンセリングの教育現場での実践の可能性や効果をテーマとして取り上げることも可能である。各研究テーマに沿って、理論研究、調査研究、事例研究、実践報告等ができることを目標として研究指導を行う。
教授 小倉 隆一郎専門領域 ピアノ、器楽教育、音楽科教育
研究内容 音楽教育の内、とりわけICTを活用した学習内容の研究を行う。最近のカリキュラムの動向や授業手法の研究に照らしながら、新しい教材の開発を企てる。一例をあげれば、生徒の声域に適した独創的な合唱編曲教材・現場の楽器編成を考慮した器楽合奏教材などを、電子楽器やコンピュータを利用して制作する。音楽教育におけるコンピュータの活用は今後、この分野の重要な研究課題になると考えられる。
教授 久保村 里正専門領域 基礎造形、造形教育、ビジュアルデザイン
研究内容 私の専門は基礎造形、とりわけ造形要素の組み合わせによる造形メソッドと、それを利用した基礎造形教育法について長年研究を進めています。基礎造形はあらゆる造形活動の基礎であり、その要諦である造形要素について研究を進めることによって、あらゆる造形の機能、美的効果を説明することが可能だと考えられています。芸術的な感性を形式知として理論化することによって、新しい造形教育法の確立を目標としています。 また基礎造形だけではなく、造形要素の研究から派生して、錯視芸術の研究、プリミティブアニメーションなどにも興味を広げ研究を行っています。研究は常にいくつかのテーマを抱え並行して進めていますが、基礎造形の視座から研究を進めています。
教授 小嶋 英夫専門領域 英語教育学、応用言語学、教師教育、異文化理解教育
研究内容 海外の教育研究機関で学びを継続した異文化間教育体験、国際的な視野で取り組んできた教師教育者としての実践体験を生かしながら、英語教育における学習者と教師の協働的・省察的・自律的成長をねらいとして、理論と実践の往還に基づく多様な研究を継続している。国内外の言語政策と言語教育の変遷、時代の求める教員養成教育や現職教員研修のあり方、学びと実践の共同体における学習者・教師オートノミーの育成、ディープ・アクティブ・ラーニング型授業の教育的効果、自律学習を支える英語教師の新しい役割などが研究内容に含まれる。
■学校教育専攻修士課程研究指導者一覧
教授 島崎 篤子専門領域 音楽科教育学、音楽教育学、音楽学
研究内容 教育的諸問題に対する問題意識を鮮明にしながら、音楽教育が担うべき課題を追究する。主に音楽教育における現代的な課題である創作教育を初めとして、日本や世界の音楽に関する教材論・方法論、授業づくりと授業分析などの研究分野を重視している。また音楽学の領域では、主に日本の伝統音楽や民俗芸能および諸民族の音楽の研究分野を指導する。各自の研究テーマについては、先行研究の分析および歴史的な研究の視点を重視すると共に、理論研究、事例研究、実践研究等を通じて、音楽教育の理論と実践の統一をめざす研究指導に取り組む。
教授 石井 智恵美専門領域 食品化学、調理科学、食文化
研究内容 家庭科は「衣」、「食」、「住」および「家族」の生活を総合的に学習することが要求される教科である。また、日常生活を円滑に運営していくための消費の知識や環境への配慮も重要な課題である。自身のテーマやその周辺の先行研究を丁寧に収集・理解することや他の領域とのかかわり方の可能性や内容の表現の仕方等の検討を経て独自の結論を導き出せるよう指導する。また、実験・実習を伴うテーマに関しては、新たな教材開発にも積極的に取り組んでいく。
教授 小幡 肇専門領域 生活科教育、総合的な学修
研究内容 木下竹次の『自律的学習法』は、『自己を拡張する』ことによって『社会の拡張』が実現するといった個人的教育である。そのため、『自ら機会を求め、自ら刺激を与え、自ら目的と方法を定め、社会に依拠して社会的自我の向上と社会文化の創造を図る』学習生活の必要を説いた。それは、子ども自身が、学習に際して『予備・修得・応用』と作用する三段階を一人で歩む『独自学習』に取り組み、それを団体で歩む『相互学習』へと進み、さらに『独白学習』に進む学習生活である。そのような学習生活を、今日の学校現場にいかに具現化していくかを共に研究していきたい。
教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
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教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
准教授 浅野 信彦専門領域 カリキュラム研究、授業研究、教師教育研究
研究内容 既存の教科等の枠をこえて、子ども自身が「学ぶことの意味」を実感できるような教育実践の在り方を、カリキュラムと授業の研究を通して解明することを目指している。カリキュラム・マネジメントと授業実践は連続的な過程であり、これに関与する教師および教師集団がもつ教育観や子ども観がその土台をなしている。アクション・リサーチの手法で小・中学校のカリキュラム・マネジメントや授業研究の実際に携わりながら上記の研究課題に迫ることを試みている。教科教育学に収まらない視点(探究的な学び、教科横断的な学びなど)にこだわりを持っている学生を歓迎する。
教授 池田 進一専門領域 言語心理学、認知心理学
研究内容 心理学における定性的手法や定量的な手法を用いて分析することや、内外の心理学文献を読み込むことなどによって明らかにした学校教育に関わる諸問題に関して、理論研究、実践研究、調査研究、実験研究などができることを研究目標とする。具体的には、学力問題、不登校、読書教育、あるいは情報教育といった研究テーマに沿って、たとえば、本研究科と連携している越谷市教育センターなどでの試験的実践をもとにして、上記の様々な研究方法を修得することを目指す。
教授 出井 雅彦専門領域 生物学、植物系統学
研究内容 生物領域は範囲も広く多種多様な生物が研究対象となるが、私の対象は水中の光合成生物の珪藻である。珪藻の分類、形態、生殖、発生について、光学顕微鏡や電子顕微鏡を使い、研究を進めている。基本的には、珪藻に関する研究指導を行うが、珪藻などを教材として、児童生徒の自然観や科学的思考を育むための教材開発の指導も行う。生物学の研究ではまず一つの生物を深く知る必要がある。その中で自然と研究テーマが見えてくる。そして、テーマに沿って試行錯誤を繰り返す中で、研究の方法や科学的思考が身につき、発見がある。限られた時間の中で納得できる結果を得ることは決して容易ではないが、その努力を形にするための指導をする。
教授 井上 清子専門領域 精神医学、精神生理学、臨床心理学
研究内容 成人期までの問題行動や精神障害や発達障害を中心に、その原因やメカニズム、治療法や援助方法などを研究していく。治療的な個人心理療法(個人カウンセリング)に限らず、問題行動や不適応を予防し、対人関係を学習するための心理劇や構成的グループエンカウンター、SST(social skill training)などグループ(集団)カウンセリングの教育現場での実践の可能性や効果をテーマとして取り上げることも可能である。各研究テーマに沿って、理論研究、調査研究、事例研究、実践報告等ができることを目標として研究指導を行う。
教授 小倉 隆一郎専門領域 ピアノ、器楽教育、音楽科教育
研究内容 音楽教育の内、とりわけICTを活用した学習内容の研究を行う。最近のカリキュラムの動向や授業手法の研究に照らしながら、新しい教材の開発を企てる。一例をあげれば、生徒の声域に適した独創的な合唱編曲教材・現場の楽器編成を考慮した器楽合奏教材などを、電子楽器やコンピュータを利用して制作する。音楽教育におけるコンピュータの活用は今後、この分野の重要な研究課題になると考えられる。
教授 久保村 里正専門領域 基礎造形、造形教育、ビジュアルデザイン
研究内容 私の専門は基礎造形、とりわけ造形要素の組み合わせによる造形メソッドと、それを利用した基礎造形教育法について長年研究を進めています。基礎造形はあらゆる造形活動の基礎であり、その要諦である造形要素について研究を進めることによって、あらゆる造形の機能、美的効果を説明することが可能だと考えられています。芸術的な感性を形式知として理論化することによって、新しい造形教育法の確立を目標としています。 また基礎造形だけではなく、造形要素の研究から派生して、錯視芸術の研究、プリミティブアニメーションなどにも興味を広げ研究を行っています。研究は常にいくつかのテーマを抱え並行して進めていますが、基礎造形の視座から研究を進めています。
教授 小嶋 英夫専門領域 英語教育学、応用言語学、教師教育、異文化理解教育
研究内容 海外の教育研究機関で学びを継続した異文化間教育体験、国際的な視野で取り組んできた教師教育者としての実践体験を生かしながら、英語教育における学習者と教師の協働的・省察的・自律的成長をねらいとして、理論と実践の往還に基づく多様な研究を継続している。国内外の言語政策と言語教育の変遷、時代の求める教員養成教育や現職教員研修のあり方、学びと実践の共同体における学習者・教師オートノミーの育成、ディープ・アクティブ・ラーニング型授業の教育的効果、自律学習を支える英語教師の新しい役割などが研究内容に含まれる。
■学校教育専攻修士課程研究指導者一覧
教授 島崎 篤子専門領域 音楽科教育学、音楽教育学、音楽学
研究内容 教育的諸問題に対する問題意識を鮮明にしながら、音楽教育が担うべき課題を追究する。主に音楽教育における現代的な課題である創作教育を初めとして、日本や世界の音楽に関する教材論・方法論、授業づくりと授業分析などの研究分野を重視している。また音楽学の領域では、主に日本の伝統音楽や民俗芸能および諸民族の音楽の研究分野を指導する。各自の研究テーマについては、先行研究の分析および歴史的な研究の視点を重視すると共に、理論研究、事例研究、実践研究等を通じて、音楽教育の理論と実践の統一をめざす研究指導に取り組む。
教授 石井 智恵美専門領域 食品化学、調理科学、食文化
研究内容 家庭科は「衣」、「食」、「住」および「家族」の生活を総合的に学習することが要求される教科である。また、日常生活を円滑に運営していくための消費の知識や環境への配慮も重要な課題である。自身のテーマやその周辺の先行研究を丁寧に収集・理解することや他の領域とのかかわり方の可能性や内容の表現の仕方等の検討を経て独自の結論を導き出せるよう指導する。また、実験・実習を伴うテーマに関しては、新たな教材開発にも積極的に取り組んでいく。
教授 小幡 肇専門領域 生活科教育、総合的な学修
研究内容 木下竹次の『自律的学習法』は、『自己を拡張する』ことによって『社会の拡張』が実現するといった個人的教育である。そのため、『自ら機会を求め、自ら刺激を与え、自ら目的と方法を定め、社会に依拠して社会的自我の向上と社会文化の創造を図る』学習生活の必要を説いた。それは、子ども自身が、学習に際して『予備・修得・応用』と作用する三段階を一人で歩む『独自学習』に取り組み、それを団体で歩む『相互学習』へと進み、さらに『独白学習』に進む学習生活である。そのような学習生活を、今日の学校現場にいかに具現化していくかを共に研究していきたい。
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教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
教授 白石 和夫専門領域 数学教育
研究内容 研究テーマは、学校数学のカリキュラムです。 コンピュータの発達に伴い、従来は数理的な扱いが困難であったさまざまな領域で数理的な考察手法が成果を挙げています。学校教育では、学んだ数学をさまざまな分野に生かしていくことのできる知識・技能として修得させなければなりません。たとえば、学んだ知識・技能を現実の問題に適合させ、修正していく能力が求められるでしょう。技能習得の観点から組み立てられたカリキュラムでそれを実現するのはむずかしいことです。数学が何を目指してどのようにして作られてきたのかがわかるような学習指導が必要になります。そのカリキュラムをどう作り、どう実現していくかについて考察するのが研究目標です。
教授 髙橋 克已専門領域 学校社会学、学級経営論、生徒指導・特別活動
研究内容 専門は学校・学級に関する社会学的研究であるが、特別活動・生徒指導等、いわゆる教科教育以外の領域に対して社会学的なアプローチをとる領域を研究指導する。たとえば、学級経営をめぐる理論史や国際比較、「学級崩壊」等の教育問題等。各研究テーマに沿った基本文献の講読、および必要に応じ調査を計画。実践的な研究を念頭におきつつ、理論をしっかり学ぶよう、マクロとミクロの往復という視点を重視したい。
教授 太郎良 信専門領域 教育学、教育史
研究内容 教育実践や教員のありように関して、教育史的なアプローチをすることの意義と方法についての研究指導をおこなう。学生が関心を抱いたテーマに関係する先行研究を収集・検証して問題意識を課題意識に絞り込むことを促すとともに、課題意識に応じて、史料収集と整理の方法、史料批判の方法等を、実際の研究作業を通して指導する。
教授 手嶋 將博専門領域 教育制度学、比較・国際教育学、国際理解教育
研究内容 日本の教育制度・政策上の諸課題の研究、東南アジアを中心とした諸外国の教育制度・政策との比較研究(国際学力問題、教員養成一研修、言語・外国語教育、シティズンシップ教育等)、国際理解教育の教材開発・授業分析に関する研究等を専門とする。国内外の文献の検討をペースに理論研究を行い、その理論研究から得た知見を実証的にするための授業分析、およびフィールドワーク(現地調査)の手法を用いて研究ができるように指導する。なお、海外の地域研究や日本との比較研究等を希望する場合は、対象国の現地語、または英語での文献読解や、面接・質問紙等の調査を行える程度の語学力を必要とする。
教授 土肥 麻佐子専門領域 被服学、衣文化、家庭科教育
研究内容
教授 豊泉 清浩専門領域 教育哲学、西洋教育史、道徳教育
研究内容 道徳教育は、人間としての生き方を形成することを目的としている。道徳科の指導は、単に知識や技術の面だけではなく、教師の生き方や人間理解が基盤となる。したがって、自己の生き方を深く探求するための根拠となる教育哲学ないし教育哲学的思考について考察する。また、道徳的価値の理解を基に、読み物教材や説話による道徳の授業を構想し、伝記による教材の開発も視野に入れ、道徳科の指導方法について研究する。
教授 永田 潤一郎専門領域 算数・数学教育
研究内容
教授 中本 敬子専門領域 教育心理学、認知心理学、認知科学
研究内容 教授・学習過程、学習評価を中心とした教育心理学的研究を指導領域とする。特に、協同的な課題解決型学習を通した概念獲得、ピア学習を通した学習方略の獲得、形成的評価とフィードバックに関心がある。手法としては、実験や準実験、質問紙調査、観察と発話データの分析等による心理学的手法が中心となる。修士論文では、教育心理学、認知心理学の基礎的知識を習得した上で、学生の興味・関心に合わせて先行研究を網羅した上で課題を設定し、実際にデータを収集し様々な分析手法を用いて検討していけるよう指導を行う。
教授 成田 奈緒子専門領域 小児医学、神経発達障害の病理、小児精神心理学
研究内容 犯罪の低年齢化、学力低下、心理疾患の増加など、子どもをめぐる問題には枚挙に暇がなく、今や教育、保育、医学や福祉が独立していては解決は不可能な時代になっている。このような背景を十分に考慮し、これらの問題について、生活習慣や心理背景、身体的・脳科学的な発達、生理・生化学的な変化など多角的側面から把握することを目指したクロスオーバー研究を行う。臨床症例の検討、医学的な身体データ測定、画像を用いた脳科学的機能測定法、保育所や学校や保健所をフィールドとする発達調査などの様々な手法を利用して、論理的に研究テーマを解析し考察を加えて論文を作成していくことで、人間を包括的に見ていける専門家の育成を目標とする。
教授 葉養 正明専門領域 教育行財政、教育政策論、地域教育計画、
教育社会学研究内容
最近の研究活動は、人口減少や震災などとの関係で調査研究を進め、理論形成を図るという点に力点を置いてきました。今後もそれは続ける予定ですが、現在始めようとしている新たなテーマは、「インナーシティーの小中学校教育の改善、開発研究一教育格差の視点とも絡ませながら」です。東京周辺部を取り上げ、実態調査などを基礎にしながら、学校教育の改善、開発の方途を探る、というのがねらいです。
平成29年度に告示された新学習指導要領において、その指導の充実が求められている数学的活動をテーマにした研究に取り組んでいる。数学的活動の教育課程上の位置づけや指導の在り方、教材の開発等を中心に数学的活動を活性化することで、子どもが数学をよりよく学ぶとともに学ぶこと自体の意義を実感できる授業の構築を目指している。また、これからの学習評価の在り方の研究にも取り組んでいる。数学科における指導と評価の一体化という視点から、継続的に実践可能で指導の改善に役立つ目標に準拠した観点別学習状況の評価の実現を目指している。
家庭科は、学校教育における様々な学びをベースに、家族・家庭生活、衣食住生活、消費生活・環境に係る生活事象をとらえ、よりよい生活の営みについて考え実践する総合科学である。このため家庭科教育では、知識の習得に加えて、生活の中から課題を見出し、解決のための実践をし、評価・改善して成果を表現するプロセスを指導することが求められている。自身のテーマについて、その周辺領域の研究を収集、理解しながら課題を見出し、仮説をたて、実践、評価する過程を、研究を通して体得する指導を行う。ICTの活用を視野に、家庭科の授業でこのプロセスを指導するための教材開発にも取り組んでいく。
教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
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教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
准教授 船山 智代専門領域 物理化学、生命科学、化学教育
研究内容
教授 八藤後 忠夫専門領域 保健社会学、障害児・者とその周辺問題
研究内容 原則として「障害児教育」に関するテーマを扱う。 障害児本人とその保護者・地域等をフィールドとし、その支援のあり方を社会疫学的な手法により解明を目指す。具体的な方法は、1)フィールドワーク、2)質問紙法、3)尺度測定、の3点である。得られた情報(データ)は、質的な解析と量的な解析によって結果を導きその結果を考察し、論文にまとめる。特に量的な研究においては基礎統計学を用いる。
教授 山縣 朋彦専門領域
研究内容
教授 山下 直専門領域 国語教育
研究内容 学習指導要領における〔知識及び技能〕〔思考力・判断力・表現力等〕の事項および、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」のそれぞれの領域に関わる学習指導のあり方をはじめ、教材論、指導論、授業論など国語科教育研究がこれまで対象としてきた内容全般に対応する。 言語活動を通して言葉の力をいかに育成するか、学習者の言語運用力をいかに育成するか、他教科との関わりを視野に入れた言葉の力の育成とはいかにあるべきかといった視点から、これからの国語科の学習指導のあり方を考える指導をしていきたい。
教授 吉田 正生専門領域 社会系教科教育学(社会科教育学)
研究内容 内外の社会系教科(英国のシチズンシップ、アメリカのソーシャル・スタディズなど)の研究と我が国の小・中学校の社会科教科書の分析を行って来た。 4年程前から、これまでとは大きくパラダイムの異なる社会科授業モデルとその教材開発に取り組んでいる。「社会参画学習」と名づけた。平成20年版学習指導要領から強調されるようになった「社会参画」を社会科授業として、個々の教師に負担をかけすぎることなく、どう具現化すべきかを追求しようとするものである。 モデルの実践可能性を模擬授業一実際の授業というステップで検証していくことも、現在の研究課題としている。歴史分野で授業開発しようと思い、明治国家体制のもと、日本画という制度や観念が形成されてゆく過程についての美術史の成果を反映した授業を開発した。今、唱歌など音楽方面にも目を向けはじ
准教授 六本木 健志専門領域 地理歴史科教育、日本社会史
研究内容 日本の村落を中心とした社会史に関して、文献史料だけでなく、民俗学・地理学・社会学などの手法を用いて、現在を生きている私たちが歴史をいかに読み直していくかという視座から研究を進めている。地域の個別具体的な事象から歴史の全体像に迫る手法で、開発による村落形成および農民の生活史について究明し、その成果を社会科・地歴科教育において、地域学習や身近な地域の教材化として活用するための授業研究にも取り組んでいる。
天文学で扱うデータは、時間的空間的に日常とかけ離れたスケールを扱うことが多い。そのデータの取得方法や、扱い方、解析方法について、自然科学の基礎を確認しつつ、大量データの統計的な取り扱いと論理性を考えていきたい。既存のアーカイブデータやオリジナルデータにより、銀河を初めとする天体の構造や進化の解析、観測システムの開発などを考えていきたい。
研究テーマは、生命科学関連の内容と化学教育の大きくは2つです。生命科学関連のテーマは、加齢が関わる眼疾患の治療に役立つ情報を、分子レベルで見出すことです。具体的には、眼の網膜における加齢に関わる分子および分子が持つ構造と機能の特徴、加齢に関連する分子が活性酸素から受ける影響およびそのメカニズムについて、魚を用いた実験と理論計算を併用して明らかにすることです。化学教育のテーマは、児童から大学生を対象に、科学的・論理的思考を育み深化させる化学教材と理解の深化の評価指標の作成、および、児童における粒子の概念の獲得を目指した教材の開発です。それに関連して、3歳位の幼児から小学校3年位までを対象とした科学絵本の作成に取り組み始めました。
天文学、おもに、銀河を初めとする天体データ解析・画像解析
めた。
教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
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教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
准教授 船山 智代専門領域 物理化学、生命科学、化学教育
研究内容
教授 八藤後 忠夫専門領域 保健社会学、障害児・者とその周辺問題
研究内容 原則として「障害児教育」に関するテーマを扱う。 障害児本人とその保護者・地域等をフィールドとし、その支援のあり方を社会疫学的な手法により解明を目指す。具体的な方法は、1)フィールドワーク、2)質問紙法、3)尺度測定、の3点である。得られた情報(データ)は、質的な解析と量的な解析によって結果を導きその結果を考察し、論文にまとめる。特に量的な研究においては基礎統計学を用いる。
教授 山縣 朋彦専門領域
研究内容
教授 山下 直専門領域 国語教育
研究内容 学習指導要領における〔知識及び技能〕〔思考力・判断力・表現力等〕の事項および、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」のそれぞれの領域に関わる学習指導のあり方をはじめ、教材論、指導論、授業論など国語科教育研究がこれまで対象としてきた内容全般に対応する。 言語活動を通して言葉の力をいかに育成するか、学習者の言語運用力をいかに育成するか、他教科との関わりを視野に入れた言葉の力の育成とはいかにあるべきかといった視点から、これからの国語科の学習指導のあり方を考える指導をしていきたい。
教授 吉田 正生専門領域 社会系教科教育学(社会科教育学)
研究内容 内外の社会系教科(英国のシチズンシップ、アメリカのソーシャル・スタディズなど)の研究と我が国の小・中学校の社会科教科書の分析を行って来た。 4年程前から、これまでとは大きくパラダイムの異なる社会科授業モデルとその教材開発に取り組んでいる。「社会参画学習」と名づけた。平成20年版学習指導要領から強調されるようになった「社会参画」を社会科授業として、個々の教師に負担をかけすぎることなく、どう具現化すべきかを追求しようとするものである。 モデルの実践可能性を模擬授業一実際の授業というステップで検証していくことも、現在の研究課題としている。歴史分野で授業開発しようと思い、明治国家体制のもと、日本画という制度や観念が形成されてゆく過程についての美術史の成果を反映した授業を開発した。今、唱歌など音楽方面にも目を向けはじ
准教授 六本木 健志専門領域 地理歴史科教育、日本社会史
研究内容 日本の村落を中心とした社会史に関して、文献史料だけでなく、民俗学・地理学・社会学などの手法を用いて、現在を生きている私たちが歴史をいかに読み直していくかという視座から研究を進めている。地域の個別具体的な事象から歴史の全体像に迫る手法で、開発による村落形成および農民の生活史について究明し、その成果を社会科・地歴科教育において、地域学習や身近な地域の教材化として活用するための授業研究にも取り組んでいる。
天文学で扱うデータは、時間的空間的に日常とかけ離れたスケールを扱うことが多い。そのデータの取得方法や、扱い方、解析方法について、自然科学の基礎を確認しつつ、大量データの統計的な取り扱いと論理性を考えていきたい。既存のアーカイブデータやオリジナルデータにより、銀河を初めとする天体の構造や進化の解析、観測システムの開発などを考えていきたい。
研究テーマは、生命科学関連の内容と化学教育の大きくは2つです。生命科学関連のテーマは、加齢が関わる眼疾患の治療に役立つ情報を、分子レベルで見出すことです。具体的には、眼の網膜における加齢に関わる分子および分子が持つ構造と機能の特徴、加齢に関連する分子が活性酸素から受ける影響およびそのメカニズムについて、魚を用いた実験と理論計算を併用して明らかにすることです。化学教育のテーマは、児童から大学生を対象に、科学的・論理的思考を育み深化させる化学教材と理解の深化の評価指標の作成、および、児童における粒子の概念の獲得を目指した教材の開発です。それに関連して、3歳位の幼児から小学校3年位までを対象とした科学絵本の作成に取り組み始めました。
天文学、おもに、銀河を初めとする天体データ解析・画像解析
めた。
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教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
授業科目の名称 担当者 授業科目設定のねらいと概要
学校教育学特論 太郎良 信 現代における学校教育のありようを考えるための方法として、わが国の近代と現代における学校教育の変化に関して、それぞれの時代の教育課題に向き合った創造的な探求の諸事例を軸としながら検討していく。学校教育がそれ自体として完結性をもっていると考えられていた時代の学校教育の姿を確認することによって、生涯学習社会における学校教育のあるべき姿を把握することを意図している。
教育社会学特論 金藤 ふゆ子 本講義では、教育に関する諸事象の中でも、特に子どもと学校、子どもと家庭・家族、子どもと地域社会に関する諸問題を取り上げ、その問題の背後にある要因を検討することを目的としている。ここではまず教育社会学の視座についてその歴史的経緯の理解を図り、その上で子ども期の社会化に焦点を当てながら、子どもと家庭・家族、子どもと学校、子どもと地域社会に関する内外の文献を講読し、現代の子ども達の社会的発達過程に生じている様々な問題の検討を行う。さらに近年の当該テーマに関する研究の動向を探り、研究内容の分析と共に研究方法や分析枠組みについて考察する。
教育心理学特論 池田 進一 まず、学力、読書教育、情報教育、コミュニケーション能力、絶対評価、テスト理論などに関して、最新の諸知見を修得する。そして、教師はその諸知見を利用して、児童・生徒における学びをどのように推進するかという意味での教授学的知識について検討する。とりわけ、児童・生徒の言語行動に関わる語彙能力、推理能力、記憶能力、要約能力、論理的思考能力、問題解決能力などの特性を検討することを通して、次期の学習指導要領から重視される「言葉の力」のあり方を追究する。
教育実践分析特論 浅野 信彦
論文演習 池田 進一 大学院における研究では、研究分野が専門的になり、院生は初期の段階から、深い探究と洞察、論理性が要求される。本演習では、こうした点を踏まえて、課題意識の捉え方や、研究を進めるにあたっての資料の検索・参照・引用、各研究分野における手法の援用、研究計画の立て方、学会や研究会におけるプレゼンテーション、論文の構成・執筆など、研究における一連の流れを念頭に置き、受講者が各自の研究課題を明確化し、大学院生としての基礎的な研究能力、論文執筆・発表能力を伸ばす。さらに、各自の課題意識や研究計画を端的に伝えられるように発表・プレゼンテーションを実施し、意見交換によって、発展的な研究に繋げていけるように指導する。
学校経営学特論 葉養 正明 この科目は、学校教育の制度や実態などを総括的に理解できる力を培うことにねらいを置いている。履修者の学習ニーズなどを勘案しながら、かつ、学校教育の制度的構造、直面する諸問題などを事例研究的に取り上げ、レポート発表を基礎にしながら、協議、討論する形式で進める予定である。
教育実践分析実習Ⅰ 浅野 信彦永田 潤一郎
越谷市立小中学校(受け入れ校)及び越谷市教育センターなどにおいて、実地に研究・実践を行う。 月ごとの共通課題について研究するとともに、自身の研究課題を明確にして実践研究にあたる。その上で、受け入れ校において、週1日を原則にして実践研究を行う。その際、受け入れ校の教員及び本学の教員から指導・助言を受ける。また、月に1回大学において実践研究の成果を交換し研究協議する。これらの取組を通して、実践分析の方法やフィールドワークの技法を学ぶとともに教師力や授業力等を身に付ける。また、学校組織の一員としてのあり方についても学ぶ。
教育実践分析実習Ⅱ 浅野 信彦永田 潤一郎
「教育実践分析実習Ⅰ」に引き続き、越谷市立小中学校(受け入れ校)及び越谷市教育センターなどにおいて、実地での研究・実践を行う。さらに、実践分析実習Ⅱでは、実践研究終了後、越谷市教育委員会、受け入れ校、本学担当教員及び院生による「実践分析協議会」を行い、成果と課題について協議する。
■学校教育専攻修士課程授業科目の概要
授業研究とカリキュラム研究の学問的な成果を踏まえて、子ども自身が「学ぶことの意味」を実感できるような教育実践の在り方を探求する。まずは、授業研究の理論や方法、カリキュラム・マネジメントの理論や具体的事例などを題材として、実際の教育実践を分析するための視点を明確化する。次に、院生は自らの研究テーマにもとづいて、アクションリサーチの手法によって教育実践にかかわる質的データを収集・分析し、報告書をまとめる。
教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
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教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
授業科目の名称 担当者 授業科目設定のねらいと概要
生徒指導特論 髙橋 克已 生徒指導はアメリカで発達してきた「ガイダンス」の考え方に由来する。そこでこの「ガイダンス」の考え方について、その概略や歴史的展開等をそれぞれ概観した後、「キャリア教育」「ゼロトレランス」等、生徒指導に関わる近年のキーワードをいくつかとりあげて更に理解を深める。又、各種の教育活動の基盤として学級経営の充実が求められ、生徒指導において特にその重要性は高い。そこで後半では、学級経営に焦点を当てて、国際比較の視点や歴史的な視点から、日本の学級経営に関する研究知見を紹介する。その上で、今後の生徒指導や学級経営のあり方について考察を深めていく。
学校カウンセリング演習 井上 清子 学校におけるカウンセリングの必要性が指摘され、周知のこととなってきている。そして、学校におけるカウンセリングは、スクールカウンセラーのみに任せられるものではなく、児童・生徒と関わる教員が身につけるべきスキルの一つである。本演習では、学級経営、生徒指導、進路指導、教育相談、保護者面談など、学校現場での具体的な場面を設定してのロールプレイング(役割演技)や事例検討等を通して、児童・生徒、及び保護者や関係者の行動や心理を理解し、円滑な関係作りや援助を行うために必要な学校カウンセリングの理論と技術を修得し、実践力を身につけることを目的とする。
障害児教育特論 成田 奈緒子 特別支援教育の法制化の動きに伴い、すべての教員に、障害児に関する正確な知識とそれに基づいた個別支援教育方法の実践能力が求められてくることは必至である。本持論では、先天的な脳の発達障害である自閉症などを初めとする、児童・生徒に様々な障害を引き起こす疾患群の医学的な発症機転を、最新の研究成果の知見を交えながら学ぶ。たとえば、自閉症の場合には個々の児童・生徒の認知の欠落程度と種類を脳の機能分野と一致させて把握することで、児童・生徒個別の支援教育が具体的に計画できる。このように、疾患特注を念頭においたオーダーメイドの障害児教育方法を研究し、実践に応用していくことを本持論の目標とする。
臨床心理学演習 井上 清子 児童・生徒の臨床心理学的問題が学校現場でみられることは希ではなく、教員は臨床心理学的知識をもち、児童・生徒を理解し、適切な支援や治療につなげることが必要とされている。本演習は、児童生徒の問題行動の基底にある心理や障害を正しく理解し援助につなげられる知識と技量を修得することを目的とする。学齢期に多い問題行動や精神障害について具体的な事例を提示し、その臨床心理学的理解や援助方法、日常生活での対応等について検討する。
教育評価特論 山森 光陽
調査・統計法演習 中本 敬子 調査や実験などに基づいた研究を行うための基礎的なスキルを習得することを目的とする。まず、調査法、実験法、観察法、面接法などの技法の効用と限界について考察する。次に、研究仮説を立てた上で、それを検討するための研究デザイン、データ収集、分析、考察を実習形式で体験していく。その過程で、仮説検証のプロセス、記述統計・推測統計の基礎、考察の視点、研究結果の表現方法を学ぶ。さらに、ExcelやSPSSなどのソフトウエアを用いた分析方法についても演習し、実践的なスキルを身につける。
発達心理学演習 池田 進一 知覚、記憶、推理、言語、理解、思考、問題解決、創造性などの認知における発達に関し、学校、家庭、社会のそれぞれの担う教育機能の中で、統合されたシステムとしての人間の心がどのようにして成立するのかという問題を考察する。とりわけ、主に語用論(表現とその使用者との関係を研究する分野)にもとづいて、青年期までの読み、書き、話すといった言語行動の発達が、自己意識や対人意識などの情意における発達とどのように関連しているのかを重点的に検討する。
よりよい授業を追求して 私は県立高校教員を定年退職した後も、再任用として勤務してきました。現場での経験はそれなりにあるつもりですが、校務に追われて、じっくり考える時間が取れませんでした。もっと知りたいこと、納得のいくまで探求したいことがたくさんあります。そこで私は、現職教員入学選考制度を利用し、大学院で勉強しようと考えました。 大学院では課題をレポートにまとめて発表、そして討論という形式の授業がほとんどです。先生方の専門性の高い講義や演習についていくのに四苦八苦ですが、充実感でいっぱいです。先生方や院生仲間のさまざまな見方は、とても刺激になります。今後もより良い授業を追求する実践者でありたいと思います。
教育学研究科 学校教育専攻修士課程2年吉野 淳子 さん
学習評価に関する最近の研究文脈では、形成的評価が学力に与える影響が大きいことが明らかとなっている。この講義では、学習者要因(性格、自己概念、動機づけなど)、家庭要因(社会経済的地位、テレビ視聴など)、学校要因(学級編制、学級風土など)、教師要因(教師-児童生徒関係など)、指導方法要因(フィードバック、テスト実施、宿題、協同学習、メディア活用学習など)が学力に与える影響に関する知見を対象としたメタ分析の結果を統合した研究の結果を網羅的に記述したテキストを用いて、学習評価が学力に与える影響を検討する。そのうえで、効果的な学習評価の実現につながる教育条件や、学習評価の効果に対する調整変数である学習者の個人差について議論する。そして、学習指導が実施される所与の条件下(教室)で個人差に配慮しつつ、効果的な学習評価を実施するための専門的な考え方の形成につなげる。
私は、音楽大学で器楽を中心に学んだ後、中学校の教員に採用されました。教職の現場に出て十数年が経ちましたが、心の中には常に、器楽の演奏には慣れていても肝心の教育に関する専門性は足りていない、という思いがありました。 そんな折、現職に就いたまま大学院に通って学び直すことができる、大学院派遣というシステムがあることを知り、本大学院への入学を決めました。現在、教育学研究科の先生方の下で、音楽科の教育法はもちろん、教育史や教育心理学、教育社会学や実践分析など、現場での経験を理論で裏打ちしていくかのような学びの日々を送らせていただいています。 院生室をはじめ、図書館やレッスン棟にいたるまで、施設が大変充実しており、また、先生方はもちろん様々なスタッフの方々に支えられて、毎日の研究が成り立っています。今後も常に感謝の気持をもって、学んでいきたいと思います。
教育学研究科 学校教育専攻修士課程2年
五ソ ウ ト メ
月女 洋ヨウ
介スケ
さん
学びたい時、学びたい場所
教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
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教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
授業科目の名称 担当者 授業科目設定のねらいと概要
生徒指導特論 髙橋 克已 生徒指導はアメリカで発達してきた「ガイダンス」の考え方に由来する。そこでこの「ガイダンス」の考え方について、その概略や歴史的展開等をそれぞれ概観した後、「キャリア教育」「ゼロトレランス」等、生徒指導に関わる近年のキーワードをいくつかとりあげて更に理解を深める。又、各種の教育活動の基盤として学級経営の充実が求められ、生徒指導において特にその重要性は高い。そこで後半では、学級経営に焦点を当てて、国際比較の視点や歴史的な視点から、日本の学級経営に関する研究知見を紹介する。その上で、今後の生徒指導や学級経営のあり方について考察を深めていく。
学校カウンセリング演習 井上 清子 学校におけるカウンセリングの必要性が指摘され、周知のこととなってきている。そして、学校におけるカウンセリングは、スクールカウンセラーのみに任せられるものではなく、児童・生徒と関わる教員が身につけるべきスキルの一つである。本演習では、学級経営、生徒指導、進路指導、教育相談、保護者面談など、学校現場での具体的な場面を設定してのロールプレイング(役割演技)や事例検討等を通して、児童・生徒、及び保護者や関係者の行動や心理を理解し、円滑な関係作りや援助を行うために必要な学校カウンセリングの理論と技術を修得し、実践力を身につけることを目的とする。
障害児教育特論 成田 奈緒子 特別支援教育の法制化の動きに伴い、すべての教員に、障害児に関する正確な知識とそれに基づいた個別支援教育方法の実践能力が求められてくることは必至である。本持論では、先天的な脳の発達障害である自閉症などを初めとする、児童・生徒に様々な障害を引き起こす疾患群の医学的な発症機転を、最新の研究成果の知見を交えながら学ぶ。たとえば、自閉症の場合には個々の児童・生徒の認知の欠落程度と種類を脳の機能分野と一致させて把握することで、児童・生徒個別の支援教育が具体的に計画できる。このように、疾患特注を念頭においたオーダーメイドの障害児教育方法を研究し、実践に応用していくことを本持論の目標とする。
臨床心理学演習 井上 清子 児童・生徒の臨床心理学的問題が学校現場でみられることは希ではなく、教員は臨床心理学的知識をもち、児童・生徒を理解し、適切な支援や治療につなげることが必要とされている。本演習は、児童生徒の問題行動の基底にある心理や障害を正しく理解し援助につなげられる知識と技量を修得することを目的とする。学齢期に多い問題行動や精神障害について具体的な事例を提示し、その臨床心理学的理解や援助方法、日常生活での対応等について検討する。
教育評価特論 山森 光陽
調査・統計法演習 中本 敬子 調査や実験などに基づいた研究を行うための基礎的なスキルを習得することを目的とする。まず、調査法、実験法、観察法、面接法などの技法の効用と限界について考察する。次に、研究仮説を立てた上で、それを検討するための研究デザイン、データ収集、分析、考察を実習形式で体験していく。その過程で、仮説検証のプロセス、記述統計・推測統計の基礎、考察の視点、研究結果の表現方法を学ぶ。さらに、ExcelやSPSSなどのソフトウエアを用いた分析方法についても演習し、実践的なスキルを身につける。
発達心理学演習 池田 進一 知覚、記憶、推理、言語、理解、思考、問題解決、創造性などの認知における発達に関し、学校、家庭、社会のそれぞれの担う教育機能の中で、統合されたシステムとしての人間の心がどのようにして成立するのかという問題を考察する。とりわけ、主に語用論(表現とその使用者との関係を研究する分野)にもとづいて、青年期までの読み、書き、話すといった言語行動の発達が、自己意識や対人意識などの情意における発達とどのように関連しているのかを重点的に検討する。
よりよい授業を追求して 私は県立高校教員を定年退職した後も、再任用として勤務してきました。現場での経験はそれなりにあるつもりですが、校務に追われて、じっくり考える時間が取れませんでした。もっと知りたいこと、納得のいくまで探求したいことがたくさんあります。そこで私は、現職教員入学選考制度を利用し、大学院で勉強しようと考えました。 大学院では課題をレポートにまとめて発表、そして討論という形式の授業がほとんどです。先生方の専門性の高い講義や演習についていくのに四苦八苦ですが、充実感でいっぱいです。先生方や院生仲間のさまざまな見方は、とても刺激になります。今後もより良い授業を追求する実践者でありたいと思います。
教育学研究科 学校教育専攻修士課程2年吉野 淳子 さん
学習評価に関する最近の研究文脈では、形成的評価が学力に与える影響が大きいことが明らかとなっている。この講義では、学習者要因(性格、自己概念、動機づけなど)、家庭要因(社会経済的地位、テレビ視聴など)、学校要因(学級編制、学級風土など)、教師要因(教師-児童生徒関係など)、指導方法要因(フィードバック、テスト実施、宿題、協同学習、メディア活用学習など)が学力に与える影響に関する知見を対象としたメタ分析の結果を統合した研究の結果を網羅的に記述したテキストを用いて、学習評価が学力に与える影響を検討する。そのうえで、効果的な学習評価の実現につながる教育条件や、学習評価の効果に対する調整変数である学習者の個人差について議論する。そして、学習指導が実施される所与の条件下(教室)で個人差に配慮しつつ、効果的な学習評価を実施するための専門的な考え方の形成につなげる。
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教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
授業科目の名称 担当者 授業科目設定のねらいと概要
国語科教育法特論Ⅰ 山下 直 国語科の性格及びその教育法について、学部での学習をさらに深めて取り扱う。国語科で取り上げる学習内容とは何か、国語科ではどのような能力を育成するのかなど、国語科という教科の本質について考える。そのため、まず第一に、人間にとっての言語(外国語と異なる母国語)とはいかなるものであるかについて考える。次に、母語と母国語の違いを明らかにしつつ、母語の獲得と言語の習得の問題について考える。さらに、言語の能力が全ての教科を貫く基盤であると言われるにいたった理由および、国語科が全ての教科の中核であると言われることの意味を考察し、特論2の実践編への足がかりとする。
国語科教育法特論Ⅱ 山下 直 特論Ⅰの本質的な理論のもと、実際の教育法について考えていく。(知識及び技能)と(思考力・判断力・表現力等)のそれぞれの指導事項で示されている資質・能力を、国語科の学習指導でどのように身に付けさせるべきかを具体的に論じる。
社会科教育法特論Ⅰ 吉田 正生 本授業のねらいは、次の2つである。1)受講生の頭の中に社会科教育関連の地図を作る。2)自分なりの社会科論に基づいて学習指導案を書けるようにする。 上記のねらいを達成するための講義の内容は、およそ次のとおりである。 社会科と一口に言っても様々な考え方に基づいて社会科の授業実践が行われている。それを大きく3つの立場に分けて、それぞれの根本的主張を具現化するための授業構成・教材・主発問がどのようなものかを講述する。それと合わせて、学習指導要領の変遷についても述べていく。
社会科教育法特論Ⅱ 六本木 健志 この講義は社会科の中でも歴史分野に特化したものとする。 歴史教育は暗記だといわれている。しかし、そうした暗記的な歴史教育を改善するためにさまざまな提案・実践がなされている。 本講義はそうしたものを「歴史教育改善動向」とし、それにはどのようなものがあるのか・なぜそうした主張がなされているのかなどを、歴史学における研究改善動向と結びつけて講述する。
数学科教育法特論Ⅰ 永田 潤一郎
数学科教育法特論Ⅱ 白石 和夫 算数・数学教育の専門性を向上させるために基礎となる知識や技能を修得することをねらいとする。 日本の算数・数学教育には、なぜそのように指導するのかが謎といえる領域が存在する。その理由を追求することによって教材観を養っていきたい。また、数学は「科学の言葉」ともいわれるように一つの言語体系である。数学が言語であるといわれる理由について理解を深めていきたい。さらに、算数・数学教育改革の各国における取組み、算数・数学科指導の系統性、数理科学の諸分野と数学との関連などから、適切な内容を選択し、数学教育の意義と必要性について考察し、数学教育の今日的課題に対する理解を深める。
理科教育法特論Ⅰ 船山 智代 本特論では、小・中・高等学校における理科に関して、児童・生徒の自然科学の概念形成に適した教材、ならびに教材を用いた指導方法について検討し、自然科学の概念を理解する際に必要な要素について考察、抽出する。授業では、まず最初に参考資料として、現行の教科書等から具体例を選択し、教材と指導内容のあり方について分析し、教材の持つ役割や意義について考察する。続いて、教材と概念形成との関連について考察し、自然科学の概念形成に必要と考えられる要素を抽出する。これらの演習を通して、受講者の自然科学に対する理解を深め、独自で教材開発を行う力をつけることをねらいとしている。
専門的で実践的な知識・技能の追及 私は高等学校の国語の教員を志しており、学部時代に比べてより専門的で実践的な教育に関する知識・技能を身に付けたいと考え、本大学院へ進学しました。 大学院の授業は、発表や討論が中心に展開されます。先生方や院生と議論することは、それまで自分が持ち得なかった新たな視点との出会いと、そこから教育を見つめ直し、追求することへと繋がります。 また、多くの先生方のご指導や準備室の方のサポート、院生室やパソコンの完備など、非常に恵まれた環境で過ごすことができます。このような環境で学べることに感謝し、今後も教育の研究に精進していきたいです。
教育学研究科 学校教育専攻修士課程1年荒舩 詩央里 さん
算数・数学に関する子どもの学力については、国内外で実施された調査の結果から、近年改善傾向が見られることが指摘される一方、小学校では「基準量、比較量、割合の関係を正しく捉えること」や「事柄が成り立つことを図形の性質に関連付けること」、中学校では「数学的な表現を用いて理由を説明すること」に課題があることが明らかになっている。この授業では、こうした現状を調査結果を基に分析的に捉え、今後の算数・数学教育の在り方を探る。
私は中国の大学を卒業してから約 1 年間、外資企業に就職し、人事管理部門で新入社員の職業訓練に従事していました。その仕事を通して、大学生の進路選択の多様性は主に個人的要因と社会的要因の影響を受けていると感じました。進路選択の要因に深く興味を抱き、文教大学大学院教育学研究科を選びました。心理学と教育学の学問的体系を基礎にして、地域社会と強く連携しつつ、学校教育にかかわる理論的かつ実践的な研究を行っています。現在、自分の研究テーマについて文献を集めて熟読しています。さらに研究方法を身につけた上で、アンケート調査を行う予定です。図書館、および院生室など、施設が非常に充実しています。幸いなことに、良い先生方と一緒に勉強ができて、良いアドバイスが得られます。どんな質問でも、非常に真剣な指導が受けられます。今後も常に感謝の気持ちをもって、「理論」と「実践」が豊かな高度職業人を目指して学んでいきたいと思います。 教育学研究科 学校教育専攻修士課程1年
趙チョウ
躍ヤ ク
さん
学び続ける高度職業人として
教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
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教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
授業科目の名称 担当者 授業科目設定のねらいと概要
理科教育法特論Ⅱ 出井 雅彦 理科授業においては実験・観察が重要な要素を占めている。理科は物理学、化学、生物学、地学領域、及びその境界領域を含み、発展的学習においては領域を超えた結びつきの教材を利用することができる。本特論では、生物学関連の学習内容に絞り、児童・生徒の個性に合わせた発展的学習にも活用できる実験観察の教材開発を検討していく。又、実験指導において、児童・生徒の興味や関心を引き出す方法、目的とする学習内容への理解を達成させる方法など、目的意識をもった実験指導方法を検討する。
音楽科教育法特論Ⅰ 島崎 篤子 音楽科教育の目的・教材・方法等について、教材分析、文献研究、実践研究等を通して深める。特に音楽あそび・音楽づくりを中心とした文献講読や創作体験を行う中で、日本や世界の創造的な音楽教育の系譜・内容・現状を把握するとともに、21世紀における音楽教育のあり方と授業研究の方法を探求する。○音楽教育の目的論・教材論・方法論○M.シェーファーの音楽教育論・サウンドスケープ論○創造的音楽学習の系譜とJ.ペインターのプロジェクト体験 など
音楽科教育法特論Ⅱ 島崎 篤子 R.シュタイナーの教育思想を学ぶことによって、今後の学校教育および音楽教育の望ましいあり方を考える。またシュタイナーの音楽論やシュタイナー系の音楽療法に関連のある竪琴(ライアー)の演奏体験を通して、学校教育における音楽教育の役割と使命を追究する。○R.シュタイナーの音楽論・教育論○音楽療法や療法的音楽教育とライアー(竪琴)○日本におけるライアーの導入の歴史と演奏法 など
美術科教育法特論Ⅰ 久保村 里正 美術科教育法特論Ⅰでは小学校、中学校、高等学校における、創造的美術教育の内容、意義について学ぶ。現行の学習指導要領では美術教育の内容を〔A 表現〕、〔B 鑑賞〕の2領域に分けており、更にその2つの領域を横断する共通の内容として、〔共通事項〕を設けている。この〔共通事項〕は、色・形・イメージといった基礎造形の範疇に含まれる内容となっているが、〔共通事項〕を単なる知的理解として切り離すのではなく、〔A 表現〕、〔B 鑑賞〕といった各領域の活動の中に位置づけ指導しなくてはならない。そこでこの授業では、知的理解に偏りがちな基礎造形の内容を、紙を中心とした材料体験を通して、知的側面と感覚的側面から理解をはかる。
美術科教育法特論Ⅱ 久保村 里正 現行の学習指導要領では美術教育の内容を〔A 表現〕、〔B 鑑賞〕の2領域に分けているが、その教科の活動は〔A 表現〕が大半を占めている。この〔A 表現〕の中には、絵画、彫刻、工芸、デザインといった各領域の活動が含まれているが、それぞれの領域に応じて、その表現に応じた指導が必要となる。そこで本講義では美術科教育法特論Ⅰで学んだ内容をふまえ、絵画、彫刻、工芸、デザインといった各領域の活動を通して、その内容、意義について学ぶ。
保健体育科教育法特論Ⅰ 八藤後 忠夫
保健体育科教育法特論Ⅱ 八藤後 忠夫
家庭科教育法特論Ⅰ 土肥 麻佐子
1)文化生態学からのヒントをもとに「生命」「文化」「社会」の関連を学ぶ。2)文化生態学が「モノ」と「コト」の科学であることを理解する。3)人類生態学からのヒントをもとに人間と環境に関してかんがえる。4)子どもの発育・発達・体力と健康に関して検討する。5)上記の学修をもとに保健体育科教育の実践に示唆する点を確認する。
1)世界・日本におけるその歴史的経緯を概観する。2)特に近代以降の日本における体育科教育を概観する。3)現代における体育科教育の課題と今後のあり方について検討する。4)日本における現行の指導要領を検討する。5)児童・生徒のための保健体育科教育の意味と意義を検討する。
家庭科教育は家庭生活に必要な見解,知識,技能を習得することを目的とした科目である。習得した見方・考え方を働かせ、衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して、ライフステージに応じたよりよい生活の実現に向けて、生活を工夫し創造する資質・能力を育成することを目指している。また家庭科教育は他教科で習得した知識も統合して生活の中で実践する、総合科学の側面をもつことが特徴である。このような家庭科の果たすべき役割やねらいを理解したうえで、日常生活に必要な基礎的な知識や技能を身につけ、学習の成果を積極的に生活に生かし、家庭生活における身近な課題解決能力を育てるための教育方法ついて考察する。家庭科の多岐にわたる内容を、相互に関連させ、総合的に展開する工夫と分析を通して「家庭科」についての理解を深める。家庭科教育における指導的な役割を果たす力の育成をめざす。
教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
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教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
授業科目の名称 担当者 授業科目設定のねらいと概要
理科教育法特論Ⅱ 出井 雅彦 理科授業においては実験・観察が重要な要素を占めている。理科は物理学、化学、生物学、地学領域、及びその境界領域を含み、発展的学習においては領域を超えた結びつきの教材を利用することができる。本特論では、生物学関連の学習内容に絞り、児童・生徒の個性に合わせた発展的学習にも活用できる実験観察の教材開発を検討していく。又、実験指導において、児童・生徒の興味や関心を引き出す方法、目的とする学習内容への理解を達成させる方法など、目的意識をもった実験指導方法を検討する。
音楽科教育法特論Ⅰ 島崎 篤子 音楽科教育の目的・教材・方法等について、教材分析、文献研究、実践研究等を通して深める。特に音楽あそび・音楽づくりを中心とした文献講読や創作体験を行う中で、日本や世界の創造的な音楽教育の系譜・内容・現状を把握するとともに、21世紀における音楽教育のあり方と授業研究の方法を探求する。○音楽教育の目的論・教材論・方法論○M.シェーファーの音楽教育論・サウンドスケープ論○創造的音楽学習の系譜とJ.ペインターのプロジェクト体験 など
音楽科教育法特論Ⅱ 島崎 篤子 R.シュタイナーの教育思想を学ぶことによって、今後の学校教育および音楽教育の望ましいあり方を考える。またシュタイナーの音楽論やシュタイナー系の音楽療法に関連のある竪琴(ライアー)の演奏体験を通して、学校教育における音楽教育の役割と使命を追究する。○R.シュタイナーの音楽論・教育論○音楽療法や療法的音楽教育とライアー(竪琴)○日本におけるライアーの導入の歴史と演奏法 など
美術科教育法特論Ⅰ 久保村 里正 美術科教育法特論Ⅰでは小学校、中学校、高等学校における、創造的美術教育の内容、意義について学ぶ。現行の学習指導要領では美術教育の内容を〔A 表現〕、〔B 鑑賞〕の2領域に分けており、更にその2つの領域を横断する共通の内容として、〔共通事項〕を設けている。この〔共通事項〕は、色・形・イメージといった基礎造形の範疇に含まれる内容となっているが、〔共通事項〕を単なる知的理解として切り離すのではなく、〔A 表現〕、〔B 鑑賞〕といった各領域の活動の中に位置づけ指導しなくてはならない。そこでこの授業では、知的理解に偏りがちな基礎造形の内容を、紙を中心とした材料体験を通して、知的側面と感覚的側面から理解をはかる。
美術科教育法特論Ⅱ 久保村 里正 現行の学習指導要領では美術教育の内容を〔A 表現〕、〔B 鑑賞〕の2領域に分けているが、その教科の活動は〔A 表現〕が大半を占めている。この〔A 表現〕の中には、絵画、彫刻、工芸、デザインといった各領域の活動が含まれているが、それぞれの領域に応じて、その表現に応じた指導が必要となる。そこで本講義では美術科教育法特論Ⅰで学んだ内容をふまえ、絵画、彫刻、工芸、デザインといった各領域の活動を通して、その内容、意義について学ぶ。
保健体育科教育法特論Ⅰ 八藤後 忠夫
保健体育科教育法特論Ⅱ 八藤後 忠夫
家庭科教育法特論Ⅰ 土肥 麻佐子
1)文化生態学からのヒントをもとに「生命」「文化」「社会」の関連を学ぶ。2)文化生態学が「モノ」と「コト」の科学であることを理解する。3)人類生態学からのヒントをもとに人間と環境に関してかんがえる。4)子どもの発育・発達・体力と健康に関して検討する。5)上記の学修をもとに保健体育科教育の実践に示唆する点を確認する。
1)世界・日本におけるその歴史的経緯を概観する。2)特に近代以降の日本における体育科教育を概観する。3)現代における体育科教育の課題と今後のあり方について検討する。4)日本における現行の指導要領を検討する。5)児童・生徒のための保健体育科教育の意味と意義を検討する。
家庭科教育は家庭生活に必要な見解,知識,技能を習得することを目的とした科目である。習得した見方・考え方を働かせ、衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して、ライフステージに応じたよりよい生活の実現に向けて、生活を工夫し創造する資質・能力を育成することを目指している。また家庭科教育は他教科で習得した知識も統合して生活の中で実践する、総合科学の側面をもつことが特徴である。このような家庭科の果たすべき役割やねらいを理解したうえで、日常生活に必要な基礎的な知識や技能を身につけ、学習の成果を積極的に生活に生かし、家庭生活における身近な課題解決能力を育てるための教育方法ついて考察する。家庭科の多岐にわたる内容を、相互に関連させ、総合的に展開する工夫と分析を通して「家庭科」についての理解を深める。家庭科教育における指導的な役割を果たす力の育成をめざす。
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教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
授業科目の名称 担当者 授業科目設定のねらいと概要
家庭科教育法特論Ⅱ 石井 智恵美 家庭科教育は人間の生活の基盤である家庭生活の意義を理解し、発達段階に応じた学習を通して家庭生活の充実と向上を目指すものであり、進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てることを目標とする。そこで、アメリカ合衆国の初等・中等の家庭科および家庭科関連の教科書指導書をもとに、アメリカにおける家庭科・家庭科関連教科教育の現状の把握、教科書の記述内容とその指導法についての検討、指導書に示される教材とその使用方法の検討、教科書・指導書の構成の検討等をする。更に、日本の家庭科教科書との比較検討、日本の教科書にはない題材および教材のバックグラウンドの検討等を通して教育内容や指導法の動向を探り、日本の家庭科の新たな指導法の模索につなげる。
生活科教育法特論 小幡 肇
英語科教育法特論 小嶋 英夫 教育における「教え中心」から「学び中心」へのパラダイム・シフト、これからの時代を生きる人々に求められる資質・能力、言語教育の世界的動向などを踏まえ、小・中・高を通じた一貫性のある英語教育のあり方について、理論・実践・研究の3領域を統合する視座から学び合う。国内外からの文献・資料をクリテイカルに読み、協議を通して理解を深め、教室での指導者に期待される専門的資質・能力と実践的指導力を主体的に身につけるように支援する。また、省察的実践者・研究者になることを奨励し、専門的な学びと成長を促すように配慮する。
道徳科教育法特論 豊泉 清浩 道徳科は、学校教育全体で行う道徳教育の要として、道徳的価値の理解を基に、自己の生き方についての考えを深めることを目標としている。道徳科と各教科、特別活動、生徒指導等との関係を理解する。道徳科で考える自己の生き方について、教育哲学の観点から理解を深める。読み物教材の検討による授業の構想や模擬授業を通して、道徳的実践意欲と態度を育成するための指導方法を修得する。
教育課題特論Ⅰ 八藤後 忠夫
教育課題特論Ⅱ
手嶋 將博 文部科学省では国際化に対応するわが国の教育目標として、異文化理解・受容と共生の態度、自国文化理解に根ざした自己の確立、自らの考えの発信を含めたコミュニケーション能力の育成を挙げている。本特論では、こうした諸能力の育成に関する理論・実践の検討を中心に、多文化共生状況にある東南アジアをはじめとした諸外国における異文化理解教育や自己の伝統文化理解とアイデンティティ確立、母語・外国語教育の現状と課題について、日本との国際比較的な視点から分析・考察を行う。さらに、多文化共生社会におけるシティズンシップ教育や、国際理解教育のより高次な目標である「地球市民意識の涵養」を目指すグローバル教育についても言及する。
教育課題特論Ⅲ
山縣 朋彦
教育の基礎的知識獲得の一環として「健康・疾病・障害」の問題を、自然科学(生物学)に加え社会科学的な側面からかんがえる。1)その導入として、スライド:「生命・文化・社会」に対して検討する。2)その後、関連するテキストを輪読しながら、毎時討論を行う。3)テキストを批判的に読みこなす訓練を通じて、論文作成に関する示唆的部分を
確認する。
自律的に学ぶ学習生活を通して育つ子ども及びそれを支えているものについて詳述する。そして、それらに基づいて、受講者が生活科・総合的な学習の時間において、自律的な学習生活を具現化する方策を検討し、これからの教育に向けて受講者自身のもつ授業観及び授業づくりの改善案を提案できるようにする。
本特論では、宇宙環境を次の4つの観点から考察していく。第1の観点は、日常とかけ離れた極限環境としての宇宙空間を理解していくものである。特に銀河系・銀河、宇宙空間における環境効果について、物理学的・幾何学的な特徴を考察する。第2は、生命存在の条件を通して、生命体にとっての宇宙環境を考えていく観点である。第3は人類の宇宙開発や宇宙探査に伴う太陽系環境への影響と、その捉え方について考察していく観点である。第4の観点は、地球自身を宇宙環境の一要素とみなし、地球環境について考察を加えていくものである。
教育学研究科-学校教育専攻(修士課程)
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