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肝管走行異常(副肝管)の臨床的検討 - Semantic Scholar › 7363 › 13bb79e36ce8eb1ac6...106(2028) 肝管走行異常(副肝管)の臨床的検討 日消外会誌18巻9号

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Page 1: 肝管走行異常(副肝管)の臨床的検討 - Semantic Scholar › 7363 › 13bb79e36ce8eb1ac6...106(2028) 肝管走行異常(副肝管)の臨床的検討 日消外会誌18巻9号

日消外会誌18(9) :2026~2029,1985年

肝管走行異常(副 肝管)の 臨床的検討

鹿児島大学医学部第2外科

山田 和彦 田中 紘輝 風 呂井 彰 浜田 信男

北国 敏 古川 勉 溝内 十郎 平 明

A CLINICAL STUDY ON THE ACCESSORY HEPATIC DUCT

Kazuhiko YAMADA,Koki TANAKA,Akira FUROI ,Nobuo HAMADA,Satoshi HOKKOKU,Tsutomu FURUKAWA ,

Juro MIZOUCHI and Akira TAIRA

The 2nd Department of Surgery ,Kagoshima University School of Medicine

肝管走 行 異常 を胆石 症355例 中16例(4.5%)に み とめ,臨 床的 検討 を 行 った.

合流型 式 よ り5型 に分類 され,原 疾患 別 で は肝 内結 石 症で14%の 高頻 度 にみ られた.術 前 発見 率 は

37%に す ぎなか った.走 行 異常 肝管 は後 区域 を支 配す る もの が多 く,こ れ までの報 告例 が前 区域 支配

が多 い とす る結果 と異 な った.肝 管 損傷 は2/16(12%)に 発生 し,stentを 用 いた修 復 で治癒 した.

肝管 走行 異 常は胆 道手 術 時 の損 傷 と関 連が 深 く,副 肝管(accessoryやaberrant hepatic duct)と

呼称 され てい る.肝 区域 支配 の面 か らみ る と多 くは,あ る肝 区域 の唯一 の胆 汁排 出路 で あ り副肝管 と

い う呼 称 は適 当で ない と考 え られ 呼称 に 関 し検 討 を要す る と思 われ る.

索 引 用語:肝 管走 行 異 常,副 肝 管,肝 管 損 傷,accessory hepatic duct ,aberrant hepatic duct

は じめ に

胆道 に は走行 異常 が多 い こ とが 知 られ てい る.胆 道

手 術 時 の損 傷 は,い わ ゆ る副肝 管 と して 混乱 の あ る

accessoryやaberrant hepatic ductに 関連 が深 い.近

年 肝区 域 とそ の胆 汁 排 出経路 として の胆管 との関係 が

認識 され るに至 り,従 来 副肝管 と呼称 され て きた もの

の 再検討 の必 要性 が 唱 え られ てい る1)2).事 実,報 告 者

に よ り発 生頻 度 は0~31%1)3)と 差 が あ り,副 肝 管 の 明

確 な定義 が な く混 乱 が生 じて い るもの と推測 され る.

この よ うな現 状 に基づ き教室 の 肝管 走行 異常 例 につ い

て検 討 を行 い,合 せて 副肝管 損 傷例 につ いて も言 及 し

た.

方 法 お よび対 象

過去8年 間(昭 和51年 ~昭 和58年)に 教 室 で経験 し

た 胆 石 症355例 を 対 象 と した .経 静 脈 的 胆 道 造 影

(DIC),内 視鏡 的逆 行 性胆 道造影(ERC)お よび術 中胆

道 造影 に よ り肝 管走 行異 常の有 無 を判定 し,肝 管走 行

異常 を認 めた16例 に つい て検 討 を加 えた.

結 果

肝管 走 行異常 は胆 石症355例 中16例(4.5%)の 頻 度

にみ られ た.男 女比 は9対7で あ り,年 齢は39歳 か ら

66歳 にわ た った.

走行 異常肝 管 の合 流型 式 をAか らEの5型 に分類 し

た.胆 嚢管 に合 流す る型 式(図1-A)は3例(19%),

胆 嚢管 が走行 異 常肝管 に合流 す る型式(図1-B)は3

例(19%),総 胆 管 に合 流 す る型 式(図1-C)は2例

(12%),総 肝 管 に 合 流 す る 型 式(図1-D)は7例

(43%),そ して胆嚢 管 に合 流す るが一端 が盲 端 に終 っ

て い る もの(図1-E)が1例(6%)で,走 行異 常肝

管 が総肝 管 に合流 す る型 式 が最 も多 く見 られた。Eの

型式 は肝 区域 を支配 して いな か った.

これに 合併 した結 石 は肝 内9例,総 胆管3例,胆 嚢

4例(表1)で,そ れ ぞれ肝 内結 石 症の14%,総 胆 管

結 石症 の3.6%,胆 嚢 結 石症 の1.9%で あ った,頻 度 は

肝 内結 石症 で最 も高 く,合 流 の型 式 は9例 中6例 が総

肝管 へ の合 流で あ った.ま た結 石 の所 在 につ いて厚 生

省研 究班 病 型分 類(案)に した が った分類 を示 した(表

<1985年5月15日 受理>別 刷請求先:山 田 和彦

〒890鹿 児島市宇宿 町1208-1鹿 児 島大学 医学部

第2外 科

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1985年9月 105(2027)

図1 肝管走行異常合流型式

A

D

B

E

C

表1 結石症別頻度

表2 肝内結石症例の結石所在部位

厚 生省特 定疾患対策肝 内胆管障害研 究班肝 内結石症 の病

型 分類規 約(案)に よる

I:Intrahepatic type L:Left type

E:Extrahepatic type R:Right type

一は結石の主た る存在 部位を示す

2).走 行 異常 肝 管 自体 に結石 の存 在 を み た症 例 は な

い.

各種 検査 法 別の発 見率 はDICで2/9(22%),ERCで

4/9(44%)で あ り,術 前 に診 断し えた もの は16例 中6

例(37%)で あ った.残 り10例 は術 中胆 道造影 に よ り

診 断 されて い る(表3),

走 行異 常肝 管 が支配 す る肝 区域 につ いて検 索 した.

肝 区域枝 の 同定 は前後 像 のみ では決 定 が困難 な場 合 が

あ り,可 能 な限 り斜位 像 を撮影 す るよ うに して い る.

そ の結 果,斜 位像 が得 られ支 配肝 区域 の証 明が で きた

もの は5例 で,こ れ らは全 例 後区 域支 配で あ った.前

後 像 のみ しか得 られず 支配 肝 区域 の証 明 がで きな か っ

表3 診断法

た もの は10例,肝 区域 とは無関 係 な ものが1例 であ っ

た(表4).

手 術時 肝管 損傷 は16例 中2例(12%)で あ る.1例

は走 行異 常肝 管 が胆嚢 管 に合流 してお り胆嚢 結石 で 胆

嚢摘 出術 時 に静脈 と誤 り一 部切 開 した ところ胆 汁の流

出 を認 め,造 影 を行 い走 行異常 肝管 と判 明 した.吸 収

性縫 合 糸(4-0 Dexon)で 直 接縫 合 閉鎖 し,6Fr.の ア

トムチ ュー ブを総 胆管 か ら損傷 部 を越 えて 肝側肝 管 に

挿 入 し同時 にTチ ューブに よ る総 胆管 ドレナ ー ジも併

用 した.術 後 胆 道系酵 素 が一過 性 に上 昇 した のみで 特

に異常 は な く術 後1ヵ 月 目にチ ュー ブを抜 去 し,そ の

後 の経 過 は良好 で あ った,他 の1例 は走行 異常 肝管 に

胆 嚢管 が合 流 して いた もので,胆 嚢結 石症 に胆 嚢摘 出

術 が施 行 された.肝 十二 指腸 靱帯 剥離 操作 中 に走行 異

常 肝 管 を完 全 離 断 し た も の で 吸 収 性 縫 合 糸(4-0

Dexon)で 端 々吻合 を行 い症例1と 同様 に6Fr.ア トム

チ ュー ブを挿入 し,Tチ ュー ブに よ る総 胆管 ドレナ ー

ジ も併用 した.術 後 吻合 部 か らの胆 汁漏 出が み られた

が,約3ヵ 月後 に は胆汁 漏 出 はな くな り,造 影 で も異

常 はみ られず チ ュー ブを抜去 した.そ の後 の経過 は 良

好 で,そ れぞ れ術後5年,お よび2年 を経過 した 現在

健在 で あ る(表5).

表4 支配肝 区域

表5 肝管損傷例

原疾患 損 傷 再 建法 チ ユーブ留置期間 転帰

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106(2028) 肝管走行異常(副 肝管)の 臨床的検討 日消外会誌18巻9号

考 察

肝 管走 行 異常(い わ ゆ る副 肝 管)は,accessoryや

aberrant hepatic ductと 呼称 され る こ とが 多 く混 乱

が あ る.頻 度 は報告 者 に よ り0~31%1)3)と 大 きな差 が

あ る.言 葉 の意 味 か らはaccessoryを 付随 的 と考 え,

主た る胆汁 排 出路 としての肝 管 に付加 的 な余 分の肝 管

があ る と解 され る,こ の場 合結 紮 切離 して も差 支 つか

えな い もの といえ る.Kuneら1)は,か ってaccessory

hepatic ductと して報 告 され て いる ものは右 肝管 が形

成 され ず左肝 管 と右 の前 お よび後 区域枝 の三 本 が,そ

れ ぞれ直 接総 肝管 に合 流 して,そ の うちの1本 を指 し

た もの で特 に肝 外 の部 分が 長 い時 に この よ うな間 違 い

が起 りや す い として い る.Kune4)の 剖 検 お よび胆 道造

影 な どの検 討 では,右 肝 管 が形成 されず右 前 お よび後

区域 枝 が 直 接総 肝 管 に合 流 す る型 式 が約25%に み ら

れ,こ れ らは,あ る肝 区域 の唯一 の胆 汁排 出路 なので

accessoryやaberrant hepatic ductと 呼 ぶ の は 間違

いで あ る と強調 してい る.ま た 香 月 ら2)は,「狭 義 の副

肝 管(accessory hepatic duct)とsegmental bileduct

として の異所(合 流)肝 管(aberrant hepatic duct)

とに厳重 に 区別す べ きで あ る.」と して い る.過 去 に報

告 され てい る肝管 走行 異常例 を これ に あて はめ てみ る

と,狭 義 の副 肝管 に合 致す る型式 は見 い出 し えなか っ

た.わ れわ れ の症例 に類 似の ものが あ り,図1-Eに 示

した.し か し,こ れが肝 区域 を支 配す るもの とは考 え

られず,香 月 らの い う狭 義 の副肝管 と呼称 すべ きか問

題 が あ る.胆 道 にはvariationが 多 く,何 が正 常 で何 が

異 常で あ るか を定 義づ ける こ とには困難 があ るの で分

類 に関 して は,今 後更 に検 討 を要す る もの と考 え られ

る.肝 区域支 配 の面 か ら検 討す る と,ほ とん どの走 行

異 常肝 管 は原 則 と して結 紮 切 離 して は な ら な い もの

で,副 肝管 とい う語 そ の もの に問題 が生ず る.

走行 異常 肝管 の肝 支配 区域 につ い ては,右 前 区域 支

配 とす るこれ まで の報告 例1)~6)に対 して われ わ れ の症

例 で斜位 像 が得 られ た5例 はすべ て右 後 区域支 配 であ

り結 果 を異 に した.胆 管 の肝 区域 支配 は胆 道造 影 の前

後像 の み か らは同定 困難 な症例 が 多 く,斜 位 ない し側

面 像 が必 要 とされ る.岡 崎7)は肝 血 管造 影 診 断 に立 体

読影 を行 い,従 来 成書 に記載 され て いる模式 図 は右肝

動 脈 の前 枝 お よび後枝 の位 置関 係 が全 く逆転 してい る

と指 摘 して い る.胆 管 枝 の同定 に おい て も この点 の 注

意 が 必要 と思 われ た.

肝 管走 行異 常が 胆石 症 に多 く併存 す る こ とは知 られ

てお り,わ れ われ の症例 で は肝 内結 石症 で14%の 高頻

度 にみ とめ られ た.し か し結石 所在 部位 と走 行 異常肝

管 との関 連 はみ とめ られ なか った.

肝管 走 行異常 は通常,術 中 の胆道 造影 に よって は じ

めて判 明 す る ことが多 く,事 実,術 前 のDICやERCで

の判 明率 は37%(6/16)に す ぎな か った.術 中胆 道造

影 の励 行 と読影 の重 要 性が再 認識 された.

術中 肝管 損傷 を2例(12%)に 経験 したが,症 例 毎

の 解剖学 的位 置 関係 の熟知 が不測 の事 態 を防止 す る上

で 大切 な こ とは 言 うまで もない,過 って切 断 した場 合

の処 置 に関 して は,Longmireら8)が,胆 道感 染 の ない

正 常 の肝 細 胞 機 能 を 有 す る胆 管 非 閉 塞 肝 が50%あ れ

ば,胆 管 閉塞 され た側 の肝 を その ま ま放 置 して も十分

に正常 の肝 機 能 を保持 す るの で,あ えて閉塞 を解 除す

る必要 は な い と述 べて い る よ うに,一 肝 区域 の胆 汁排

出路 にす ぎな い走 行異 常肝管 を切 断 した 場合 に は,単

に結 紮 す るの み で放 置 して も良 い とい う考 え方 もあ

る.し か し走行 異常肝 管 は胆 石症 に多 くみ られ,わ れ

わ れの 症例 で は,特 に肝 内結 石症 に高頻 度 に併 存 して

お り,肝 内結 石症 で は胆汁 中 の有菌 率 が きわ め て高 く,

結 石 の存 在 に伴 う肝 の萎 縮 を きた して い る こ とが 多

い.こ の よ うな走 行異 常肝 管 を結 紮放置 す れば,正 常

の肝機 能 を保 持 し えない ことや 胆管 炎 を惹起 し,そ れ

に伴 う種 々の 臨床 症状 を招 くと推測 され る.し た が っ

て切断 した走 行異常 肝管 は可能 な限 り胆 管の端 々吻合

に よる再建 に努 め るべ きで あ る と考 え てい る,再 建 に

際 して大切 な ことは,術 中 に損傷 を 発見 して直 ちに修

復 す る ことで あ り,胆 管 狭窄 を起 さない よ うに修復 に

は細 心 の注意 が必 要 で あ る.胆 管 は腸管 な どと異 な り,

治癒 過程 で過 剰 な線維 化 が起 り狭 窄 を きた し易 い こと

が知 られ て い る.原 因 として 胆汁 の影響 や胆 管 壁 の虚

血 が 考 え られ て い る9)10).Douglasら10)は 損傷 部 に胆 汁

の作 用が 及ぼ な い よ うにbile diversionを 工 夫 し,損

傷 部 を安 静 な状態 に保 つ ことに よって最 小 の線維 化 に

くい止 め る こ とが 可能 であ る と報 告 し て い る.し た

が って,stentを 留置 す る場合 は単 に胆汁 ドレナ ー ジに

よ って胆道減 圧 を はか る とい う目的 のみ で な く修復 部

に 胆汁 の作用 が 及 ばな い よ うな 留置法 を工 夫す べ きで

あ る.stent留 置 期間 につ い ては論 議 の分れ る ところで

あ る.2ヵ 月 の留 置 で 良 し2)とす る もの か ら1年 は 必

要1)とす る もの まで あ る.も ち ろん 損傷 の程度 は半 周

の もの か ら全 周 に及 ぶ もの,ま た欠 損部 距離 の 大小 と

さま ざ まで 一 率 に は 決 めが た い と思 わ れ る.Belzer

ら11)は,ヤ ギを 用 いて胆 管 の半周 欠損 に遊 離 自家 静脈

片で修 復 を行 い胆管 の修 復過 程 を観 察 し胆管上 皮 は6

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1985年9月 107(2029)

週 で 欠損 部 に再生 し,5ヵ 月で修 復過 程 は安定 す ると

報 告 してい る.ま た,田 崎 ら12)はイ ヌの胆 管 に全 周 欠損

を作 り両 側胆 管断端 を 塩化 ビニール チ ューブで連結 す

る ことで 非吻 合再 建の 可能 性 を検 討 してい る.3cm欠

損,非 大 網被 覆群 で12週 に して欠損 部 が完全 に胆 管上

皮 で おお わ れた と報 告 し,臨 床 例13)で12週 のstent留

置期 間 が必要 で あ る としてい る.わ れわ れ も自験 例 の

検討 な どか ら,単 に胆 管 の一部 を切 開 した よ うな場 合

は1ヵ 月位 の留置 期間 で 良い と思わ れ るが,原 則 とし

て は3ヵ 月 の留置 期間 が妥 当 と考 えて い る.胆 汁 の漏

出 な ど修 復部 の安 静 が うま く得 られな い よ うな場 合 は

そ れ以上 の留 置期 間 が必要 とされ るで あ ろ う.胆 管 の

修復 は 今後 に残 され た問題 も多 く新 しいprostheseを

含 めて 将来 に期待 す る部 分が まだ 多い.

結 語

1. 副肝管 の 呼称 に は混 乱 がみ られ,肝 区域支配 の観

点 か ら呼称 に 関 し検 討 を要す る と考 え られ る.

2. 走行 異常肝 管(い わゆ る副肝 管)は 肝 内結 石症 で

高 頻度 にみ られた が,結 石 の所在 部位 との関連 性 はな

か った.

3. 走行 異 常肝 管 の支 配 す る肝 区域 は右後 区域 が 多

く,右 前 区域支 配が 多 い とす る従 来 の結果 と異 な った.

4. 走行 異 常 肝管 の術 前 診 断 率 は37%に す ぎず 術 中

胆道造 影 の重 要性 が再 認識 され た.

5. 胆管 損 傷 は術 中 に発 見 し直 ちに適 切 な修 復 が な

され れ ば,予 後 は比較 的 良好 と考 え られ る.修 復 に際

しては吻 合部 に胆 汁 の作用 が可 及的 に及 ば ない よ うに

安定 した修復 が得 られ るため の工夫 が重 要 であ る.

文 献

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