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2007/10/8 集積回路工学 A.Matsuzawa 1
集積回路工学
東京工業大学大学院理工学研究科電子物理工学専攻
松澤 昭
2007/10/8 集積回路工学 A.Matsuzawa 2
2. LSI製造における基本プロセス技術
• 集積回路製造工程
• リソグラフィー
• エッチング
• 熱酸化
• 不純物拡散
• イオン注入
• 堆積
• ダマシン法
2007/10/8 集積回路工学 A.Matsuzawa 3
集積回路製造工程
熱酸化
熱酸化
素子間分離酸化膜
ゲート酸化膜
多結晶Si膜
①
②
③
④
窒化膜
酸化膜
露光・現像窒化膜エッチング
CVD(化学気相成長)
集積回路は露光・エッチング・酸化・成長などで作られる
2007/10/8 集積回路工学 A.Matsuzawa 4
絶縁膜
⑤
⑥
⑦
ゲート電極形成
露光・現像多結晶Si膜エッチング
ソース・ドレイン形成
イオン注入コンタクトアルミ配線
⑧
ゲート
ソース ドレイン
ゲート
更にイオン注入・配線金属形成なども用いられる
集積回路製造工程
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リソグラフィー
リソグラフィーはマスクパターンを光学技術を用いてレジスト上に露光する技術である。露光されたレジストを現像するとパターンが転写される。
スピンナーを用いてレジスト液を塗布する
80℃程度の温度で30分程度加熱し、溶媒を飛ばして固める
高圧水銀灯のi線(365nm)などを用いてマスクパターンを露光する通常、縮小投影露光を用いる。マスクパターンが1/5~1/10程度の寸法に投影される。
現像液に浸すとポジ型レジストでは露光部分が溶解ネガ型レジストでは未露光部分が溶解する
120℃程度の温度で30分程度加熱し、焼き固める
レジストに転写されたパターンをマスクにして下地の薄膜をエッチングし、集積回路パターンを薄膜上に転写する。
最後にレジストを除去すると、パターンが転写された薄膜が残る
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露光方式
露光には等倍マスクを用いるものもあるが、現在は縮小マスク(レチクル)を用いる縮小投影露光が主流となっている。レチクルは電子線露光により作成される。
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露光装置と解像度
θ
投影レンズ
ウエファー
光源
θ= sinnNANA
R λ∝
n: 媒質の屈折率
現代の露光装置は45nm程度の線幅のパターンを投影する最先端光学技術が使用される。
光源はArF (193nm) エキシマレーザ光が用いられる解像度Rは波長λに比例し、開口数NAに反比例する R:解像度
NA:開口数NAを上げれば解像度は増すが、焦点深度が浅くなるので
平坦性が要求される。
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エッチング
エッチングとはある部分を削るために化学反応触媒を用いる方法のことである。通常、レジストをマスクに下地をエッチングする。
液体を用いるもの:ウエットエッチング (等方性エッチング)気体を用いるもの:ドライエッチング
酸化膜:ふっ酸の希薄溶液窒化膜:りん酸(180℃)
アルミニウム:りん酸溶液
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ドライエッチング
高周波やマイクロ波によりプラズマを作り、ガスをイオン化してウエファーに照射する。イオンの進行方向に強くエッチングされる。
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熱酸化
歴史的な横型酸化炉
固体)固体) (( 22 OSOS ii →+
222 2(2( HOSOHS ii +→+ 固体)固体)
ドライ酸化
ウエット酸化
薄い酸化膜(酸素のみを用いる)
厚い酸化膜(水蒸気を用いる)
800℃~1200℃の温度
水蒸気は酸素中で水素を燃やして作る
Deal-Groveの酸化モデル
酸化は3つの過程が必要
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酸化膜圧と酸化時間
酸化膜圧が薄いときは生成膜圧は酸化時間に比例するが、酸化膜圧が厚いと生成速度は遅くなる。(酸素がシリコンに到達する時間が長くなるため)
2007/10/8 集積回路工学 A.Matsuzawa 12
不純物拡散
シリコンへの不純物の拡散は熱拡散かイオン注入を用いて行われる。不純物源は固体、液体、気体が用いられるが、現在は気体が主として用いられる。
800℃~1200℃の温度
2007/10/8 集積回路工学 A.Matsuzawa 13
不純物拡散マスク
シリコン中の特定領域にのみ不純物を拡散するためには不純物が入らないようにするマスクが必要である。通常酸化膜が用いられ、不純物、温度、拡散時間により必要な酸化膜厚さが算出される。
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拡散方程式
dxdNDJ −=不純物の流れ
( ) dJdxNdtd
−=⋅不純物の時間変化
2
2
dxNdD
dtdN
=拡散方程式
D: 拡散定数
Ea: 活性化エネルギー
D (c
m2 /s
)
⎟⎠⎞
⎜⎝⎛−=kTEDD a
o exp
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固溶限と濃度プロファイル
不純物濃度は上限値(固溶限)を持っている (AS, P, Bは固溶限が高いので良く用いられる)
この性質を利用し、表面に表面濃度一定の拡散を短時間行い(プレデポジション)、次にこれを不純物源としてゆっくりした拡散を行うのが一般的である。
濃度プロファイルは
不純物源が無限大では
不純物源が有限では
⎟⎠
⎞⎜⎝
⎛⋅=DtxerfCtxC s 2
),(
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛−⋅
π=
Dtx
DtQtxC
4exp),(
2
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イオン注入
高精度で薄い不純物分布が必要な場合はイオン注入が用いられ、現在の不純物注入の主流になっている。
イオン源で不純物をイオン化し、質量分析マグネットで必要なイオンのみを選択した後加速器で加速してシリコンに打ち込む。マスクとしてはレジストや酸化膜が用いられ、注入角度はチャネリングを防ぐために垂直から7度程度ずらして行われる。結晶の損傷を回復させるため、注入後800℃~1200℃でアニーリングを行う。
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イオン注入におけるエネルギと注入深さ
( )⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛
Δ
−−
Δπ= 2
2
2exp
2)(
p
p
p
DS
RRx
RNxN濃度分布
NDS:注入ドーズ量Rp: 投影飛程ΔRp: Rpの標準偏差
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堆積
堆積は絶縁物、金属、半導体の薄膜を積んで形成する技術である。物理蒸着と科学蒸着がある。
スッパッタ堆積
ターゲットにプラズマ中で励起されたアルゴンなどを衝突させ、ターゲット中の原子をたたき出して膜を堆積させる
下地の段差をなめらかに覆う(カバレッジ)ことが必要である
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ダマシン法
従来より金属配線材料としてアルミニウムが用いられてきたが、0.13umの技術から
電流密度が高く取れ、シート抵抗が低い銅が用いられるようになった。しかしながら、銅は従来のエッチング法では加工がしにくいため、ダマシン法(象嵌法)が用いられるようになった
配線するところをエッチングし、溝を掘り、銅でメッキする。余った銅はCMP (化学的機械研磨)法で除去する。
デュアルダマシン法はスルーホールと配線を同時に形成する技術である。
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参考図書
• 荒井英輔 インターユニバーシティー「集積回路A」 オーム社
• 小谷教彦・西村正 「LSI工学」森北出版
• 永田穣・柳井久義 「新判 集積回路工学(1)」 コロナ社
• 角南英夫 「VLSI工学」コロナ社