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診療所の安全対策の現状と課題 患者の安全確保に資する
「医療事故の防止策」について 2012・11・25
医療安全全国共同行動
茨城県医師会 石渡 勇
生涯教育(推進)委員会
医療安全対策委員会
(会員の)医の倫理・自浄(向上)委員会 紛争処理委員会
(信頼と研鑽) 医療問題中立処理委員会(茨城版医療ADR)
医療安全を取り巻く状況(茨城県医師会)
患者の権利 意識の向上
紛争処理委員会
医の倫理の向上
自浄作用 活性化
医師免許 の更新制
生涯教育の充実と評価 で代替え
生涯教育 生涯教育委員会
医療問題中立処理 委員会
医療過誤
医療の安全 (質の向上) 患者の安全
医療安全対策委員会 (含再教育)
医の倫理・自浄委員会
裁定委員会 懲罰
2 茨城県医師会 石渡勇 提供
<医療紛争と医療事故>
明白な医療事故以外の紛争
・ 患者誤解
・ IC不足
・ 医師・患者関係不良
・ 医師 and/or 患者の人間的側面
・ コミュニケーション能力不足 等
医療問題中立処理委員会(医療ADR)
3 茨城県医師会 石渡勇 提供
<医療紛争と医療事故>
医療事故の発生と要因
・ 明らかな過失(医師賠償責任保険)
・ グレーゾーン(医師賠償責任保険)
・ 医師知識・技術の欠落(生涯教育・再教育)
・ 医師(医療従事者)連携の不備(研修・講習会)
・ 不可抗力の領域(無過失補償制度)
・ 院内管理体制の不備(相談・指導) 等
4 茨城県医師会 石渡勇 提供
医療事故防止研修会の必要性
・ 安心・安全な医療提供体制の構築
・ プロフェッショナルオートノミーの確立
・ 医療事故の再発防止
・ 社会的責任と信頼確保
5 茨城県医師会 石渡勇 提供
複数(リピーター)会員の共通点
・ 人間的側面の問題
・ 自信過剰
・ 院内管理体制の不備
・ 医学医療の知識及び技術不足
・ 医療連携不備
・ 医師の職業倫理欠落
・ 反省の欠如
・ その他
医の倫理・自浄委員会
医療安全対策委員会:再教育
6 茨城県医師会 石渡勇 提供
医事紛争/医療安全に対する
茨城県医師会の取り組み
1. 医事紛争解決に向けての事業
1)医事紛争処理委員会の設置
2)医事紛争解決の手引き(第1-3版)
2. 苦情処理に関する事業
苦情処理窓口の設置
3. 茨城県医療安全相談センター事業への協力
4. 茨城県医療問題中立処理委員会の設置
5. 医の倫理・自浄委員会
6. 医療安全対策委員会(再教育)
7. 裁定委員会(処罰) 7 茨城県医師会 石渡勇 提供
平成22~23年度日本医師会(原中)会長諮問 医療安全対策委員会
医療安全の推進と新しい展開
医療事故削減戦略システム
中小医療機関を中心に
実践
そして新しい展開・医療安全文化
8 茨城県医師会 石渡勇 提供
重点項目別事例から学ぶ医療安全
1.緊急時の迅速対応 2.薬剤の誤投薬防止 3.採血・注射の安全な実施 4.見落としを防ぐ 5.検査と処置の安全な実施 6.手術の安全な実施 7.感染防止対策 8.医療機器の安全な操作と管理 9.転倒・転落の防止
インシデント・アクシデントレポート
9 茨城県医師会 石渡勇 提供
茨城県医師会戦略計画 アクション1:項目の選別と実施計画 ①採血・注射の安全な実施、インシデント・アクシデント報告、②対象:診療所と中小病院、③市郡医師会への参加依頼通知、④アンケート調査、⑤市郡医師会で回収、⑥匿名化し、茨城県医師会送付、⑦集計 東日本大震災発生 アクション2:講習会(医療事故削減戦略システム~事例 から学ぶ医療安全~セカンドステージ) アクション3:茨城県医師会HPに事業の内容掲載 アクション4:前回調査に協力していただいた医療機関に再度アンケート調査 アクション5:空欄のない21回答者には3回目の調査 アクション6:その他の調査(産婦人科)
10 茨城県医師会 石渡勇 提供
アクション2:講習会平成23年6月1日
医療事故削減戦略システム 重点項目の構成
1.事例
2.本事例の問題点
3.システムで実現する安全確保・予防の
ための取組
4.参考資料
11 茨城県医師会 石渡勇 提供
12
【3-‐1】採血の安全な実施 1. 事例 <採血後の左とう骨神経不全麻痺> 55歳女性 人間ドックで左橈骨側手関節部付近から採血。採血時左2指
にビリビリした疼痛があったが気にしなかった。1週間後痺れ感が続く旨の訴えあり、他院紹介により3週間の加療要と診断された。
その他:抗がん剤・高カリウムの注射液漏れによる壊死 2. 本事例の問題点 ○橈骨側手関節部からの採血は優先する部位ではなく、肘橈
側皮静脈を 優先、次に肘正中皮静脈を選択する。 ○穿刺時や採血中の訴えに対しては中止することを考慮する。 ○採血器具の適切性
(重点項目3)採血・注射の安全な実施
茨城県医師会 石渡勇 提供
13
【3-‐1】採血の安全な実施 システムで実現する安全確保・予防のための取組
1) 患者の特性を把握し、患者や家族に対して採血の目的や手技について十分に説明する。静脈が細い、怒張しづらい患者にはその旨をあわせて説明する。 も適切な穿刺部位を選ぶ。
2) 通常は肘部が 適で、第一選択は外側部橈側皮静脈、次に正中部肘正中皮静脈が望ましい。神経損傷のリスクを考慮し、肘部内側の尺側皮静脈からの採血を避ける。
3) 適切な器具や針を選択、準備する。
(重点項目3)採血・注射の安全な実施
茨城県医師会 石渡勇 提供
14
4)手洗い、手袋、消毒、駆血の手順の確認。
5)穿刺時の訴えや痺れ感に留意し、血液の流入や針の刺入部ほか患者を十分に観察する。
6)電撃痛など訴えにより採血を中止する。しびれの起こる部位にて刺激した神経が推定できる。
7)確実に止血し、内出血、疼痛、痺れ、知覚異常の有無を確認する。
(重点項目3)採血・注射の安全な実施
茨城県医師会 石渡勇 提供
15
8)実施後の適切な説明、指示をする。少しでも違和感、感覚の異常が残るようであれば翌日でもすぐに来院するように指示する。
9)実施後の訴えには即応し、適切に対応する。必要に応じて他院(整形外科または神経内科)を紹介する。
10)注射・採血の正しい行い方を模型を使って練習する方法もあり、地区医師会により講習会を開催する。
(重点項目3)採血・注射の安全な実施
茨城県医師会 石渡勇 提供
肘部の静脈と神経走行
16 茨城県医師会 石渡勇 提供
手の神経支配領域
17 茨城県医師会 石渡勇 提供
採血・静脈注射時に起きる神経損傷の予防 ○肘窩部の採血・静脈注射では橈骨皮静脈(親指側を走る)が も安全である。
○正中皮静脈、尺骨皮静脈(小指側を走る)の付近を上腕動脈と比較的太い神経が走行しているので、穿刺を避けるか、充分な注意を払う。
○肘窩部に穿刺可能な静脈が無い場合には、前腕または手脊の静脈を用いる。ただし、橈骨茎状突起から12cmの橈骨側は避ける。これは橈骨浅枝を傷害させないためである。
○太い静脈を選択すると事故が少ない。 ○注射針を刺したまま方向を変えて血管を捜さないようにする。
○採血後の出血、点滴開始後の点滴もれを確認する。
○試行中・施行後のしびれ・痛みなどの有無を確認しておき、診療
録に記載する。症状の出現した場合の連絡方法を知らせる。
18 茨城県医師会 石渡勇 提供
19 茨城県医師会 石渡勇 提供
静脈採血の自己点検表
20
愛知県医師会の調査用紙を参考
茨城県医師会 石渡勇 提供
結果
○静脈採血の自己点検表の解析
第1回目(サンプル数143):講習会前 第2回目(サンプル数81) :講習会後 第3回目(サンプル数21) :第1回目調査から空欄
のない報告者 評価:3段階 ○、△、× ○:適、ある、なっている、実施されている
△:不十分な点がある ×:不適切 記載無(空欄)
21 茨城県医師会 石渡勇 提供
結果
(1)採血に適した姿勢 1.患者の緊張を解くような対応をする。 ○133 、△9 、×0 、空欄1、 正解率93% 第1回目93%⇒第2回目95%⇒第3回目100%
2.患者には座位、採血者は対面に位置し、目標とする血管と正面になる位置とする。 ⇒ 採血部位は心臓の位置より下にする。 ○136、 △4、 ×1、 空欄2、 正解率95% 第1回目95%⇒第2回目98%⇒第3回目100%
(2) 採血管の準備 3.使用する採血管を室温に戻す。 ○123 、△5 、×0 、空欄15、 正解率86% 第1回目86%⇒第2回目94%⇒第3回目100%
4.採血管をホルダーに入れ、しっかりと固定する。 ○117 、△10 、×2 、空欄14、 正解率82% 第1回目82%⇒第2回目86%⇒第3回目100%
22 茨城県医師会 石渡勇 提供
結果
(3) 穿刺静脈の選び 5.ひじの外側(親指側)にあたる静脈を選ぶ。 ○108 、△18 、×12 、空欄5、 正解率76% 第1回目76%⇒第2回目88%⇒第3回目100%
6.駆血帯を上腕中間で絞める。 ○132 、△9 、×0 、空欄2、 正解率92% 第1回目92%⇒第2回目98%⇒第3回目100%
7.指の腹で血管の弾力性を確かめる。 ○136 、△5 、×0 、空欄2、 正解率95% 第1回目95%⇒第2回目99%⇒第3回目100%
(4) 皮膚の消毒 8.目標とする静脈の周囲を消毒する。 ○135 、△1 、×3 、空欄4、 正解率94% 第1回目94%⇒第2回目99%⇒第3回目100%
23 茨城県医師会 石渡勇 提供
結果
(5) 採血 9.採血針を切り口を上向きにして静脈と平行にして穿刺する。 ○135 、△0 、×0 、空欄8、 正解率94% 第1回目94%⇒第2回目99%⇒第3回目100%
10.採血管をホルダー内に差し込み血液が流入する状態を確認する。 ○122 、△1 、×0 、空欄20、 正解率85% 第1回目94%⇒第2回目99%⇒第3回目100%
11.複数の採血管に採血する時は、採血針先が動かないように固定して採血管を順にホルダーに差し替える。 ○118 、△2 、×0 、空欄23、 正解率83% 第1回目94%⇒第2回目99%⇒第3回目100%
24 茨城県医師会 石渡勇 提供
結果
(6) 採血針の抜針 12.採血の血流が止まったら、直ちに採血管をホルダーから抜く。 ○115 、△5 、×0 、空欄23、 正解率80% 第1回目94%⇒第2回目99%⇒第3回目100%
13.駆血帯を外す。 ⇒ 採血管をホルダーから抜いたあとに、駆血帯を外す。 ○129 、△3 、×0 、空欄11、 正解率90% 第1回目94%⇒第2回目99%⇒第3回目100%
14.穿刺部位にアルコール綿を軽く当てながら、採血針を静かにまっすぐ引き抜く。 ○133 、△0 、×0 、空欄10、 正解率93% 第1回目94%⇒第2回目99%⇒第3回目100%
25 茨城県医師会 石渡勇 提供
結果
(7) 部位の圧迫止血
15.採血針を抜いたら直ちに消毒用アルコール綿で穿刺部位を圧迫して止血する。
○133 、△6 、×0 、空欄9、 正解率93%
第1回目93%⇒第2回目99%⇒第3回目100% 16.止血されたら、穿刺部位にガーゼ付きの絆創膏を貼り付ける。
○128 、△6 、×0 、空欄9、 正解率90%
第1回目90%⇒第2回目98%⇒第3回目100%
(8) 採血針の廃棄
17.使用した採血針を廃棄する。 ○136 、△0 、×0 、空欄7、 正解率95%
第1回目95%⇒第2回目99%⇒第3回目100%
18.使用したホルダーは、適正な消毒方法を用い消毒する。
○110 、△11 、×7 、空欄15、 正解率77%
第1回目77%⇒第2回目78%⇒第3回目95%
26 茨城県医師会 石渡勇 提供
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(個-4)診療所におけるインシデントレポート
茨城県医師会 石渡勇 提供
インシデント・アクシデントレポート
サンプル数:115
発生日時:日5、月12、火22、水13、木25、金13、土14、不明11 発生時間帯:日勤帯(午前8時から午後5時)14と
準・夜勤帯(午後6時~午前7時)87、不明14 発生場所:玄関1、待合室1、受付3、診察室2、処置室10、病室10、
その他82、不明7
薬物:点滴68、静注15、筋注0、皮下注2、皮内注0、経口9、外用0、 麻薬0、その他0
内容:処方・指示ミス1、投与量4、誤調剤2、点滴もれ52、人違い1、 投与忘れ16、点滴速度1、その他静脈穿刺ミス12、
☆人工透析事例が多く、回数を重ねているうちに、脈管確保が困難になっている。
28 茨城県医師会 石渡勇 提供
インシデント・アクシデントレポート
サンプル数:115
検査:X線2、内視鏡1、採血・採尿25 内容:人違い2
転倒転落:4件あり、車椅子1、自立歩行2、ベットから1件 接遇:診療中のトラブル(パソコンが故障し診療不能患者が怒る)1、
暴言1、その他、初診と再診の誤りクレーム1
食事:特になし 生命危険度:ない70、低い32例、可能性あり3、
高い以上の項目に該当する事例はなかった。 患者信頼度:損なわない42、あまり損なわない9件、少し損なう件28、
大きく損なう6件
29 茨城県医師会 石渡勇 提供
日本産婦人科医会院内報告制度
30
☆茨城県産婦人科医会では、同様な報告を継続的 に実施している機関もある。 サンプル数:58
医療の安全を確保するための改善策立案に必要な資料となる。従って、些細と思われるものでも文書で報告する。報告者には罰則を設けないことが肝要である。開示請求に関する法的整備(保護)はなされていないので、事故調報告、カルテとは別に保管する。
茨城県医師会 石渡勇 提供
レポート分析結果
対象:医師、看護師(助産師)、事務員、検査技師、薬剤師、
今回調査 ○対象:中小分娩医療機関 分娩700/年、 開腹手術180/年 (帝王切開術含む) ○従業員:医師6人(非常勤1人含む)、助産師3人、薬剤師1人、正・准看護師40人、検査技師3人、事務員5人、給食5人 ○調査期間:平成23年1月~平成23年12月 ○分析レポート数:58
31 茨城県医師会 石渡勇 提供
事故発生の要因分析
32
1と2の要因が組み合わされる場合も多い
茨城県医師会 石渡勇 提供
事故発生の要因分析
33
1と2の要因が組み合わされる場合も多い
茨城県医師会 石渡勇 提供
診療に関する職種別体験数
今回調査:合計58 医師8(14%)、助産師6(10%)、看護師16(28%)、薬剤師1、 検査技師1、事務員26(45%)、給食0
34
診療行為を職種別にみると、看護師で注射・点滴、検査、経口薬の与薬に関するものが多い。医療行 為の頻度が多いことによるが、ダブルチェックも必要である。新人の教育は重要である。
茨城県医師会 石渡勇 提供
発生場所
今回調査:合計57 受付20(35%)、外来17(30%)、病棟8(14%)、 分娩室2、新生児室2、手術室2、薬局4、検査室2、厨房0、その他0、空白1
35
インシデント・アクシデントの発生場所は、病棟41.6%、外来20.1%、受付8.1%、新生児室6%、分娩室5.5%、手術室4.8%、薬局3.3%、検査室2.4%、厨房1.4%である。分娩の多い医療機関では新生児室・分娩室で発生が多くなる。
茨城県医師会 石渡勇 提供
体験した内容(385件)
今回調査、合計70重複あり: 診療に関するもの 42(60%)、 療養に関するもの 5(7%)、 観察・評価・情報伝達に関するもの 23(33%)、 環境に関するもの 0
36
体験したインシデント・アクシデントの内容をみると、診療に関するものが最も多く61%、観察・評価・情報伝達に関するもの31%、療養に関するもの4%である。
茨城県医師会 石渡勇 提供
診療に関するもの
今回調査:合計37 与薬10、注射点滴10、輸血0、機械類の捜査・モニター1、 検査9、チューブ類の外れ・閉塞など1、内視鏡0、手術0、 麻酔0、分娩0、医療ガス0、その他6
37
診療の内容をみると、注射・点滴が95 件(30%)、経口薬の与薬75 件(24%)、検査60 件(19%)、分娩16 件(5%)となる。
茨城県医師会 石渡勇 提供
診療に関する職種別体験数
今回調査: 看護師:与薬2、注射・点滴6、検査5、 機械類の操作モニター1
38
診療行為を職種別にみると、看護師で注射・点滴、検査、経口薬の与薬に関するものが多い。医療行為の頻度が多いことによるが、ダブルチェックも必要である。新人の教育は重要である。
茨城県医師会 石渡勇 提供
観察・評価・情報伝達に関するもの
39
観察・評価・情報伝達に関するものでは、情報の記録53 件(31%)、 伝達申し送り47 件(27%)、 患者の観察・病態評価36 件(21%)、患者家族への説明・接遇の不適切が17 件(10%)である。 また、その他の項目では患者の取り違えが75%をしめている。
茨城県医師会 石渡勇 提供
危険度レベル
今回調査:合計45 レベル0;10(22%)、 レベル1;24(53%)、 レベル2;7(16%)、レベル3;3(7%)、 レベル4;1(2%)、レベル5;0、 空白16
40
レベル0:ミスがあったが未実施 レベル1:実害なし:適度な観察 レベル2:低い:観察強化 レベル3:可能性あり:治療の必要あり レベル4:高い:後遺症を残す危険性が高い レベル5:極めて高い。事故が死因となる可能性が高い
危険度レベル別の発生状況では、ミスがあったが実施されなかったレベル0と実行はされたが実害がなかったレベル1が全体の63%をしめ、 後遺症を残す危険が極めて高いレベル4は1.1%、あるいは事故が死因となる可能性が高いレベル5は0.5%である。
茨城県医師会 石渡勇 提供
インシデント・アクシデントの発生理由
今回調査: 経験不足10、連絡不備1、説明不足1、高次機関への搬送の遅れ1、 その他15(確認不足11、登録ミス1、カルテ記入漏れ1、読み間違い1、 カルテ保管1、空白31
41
インシデント・アクシデントの発生理由であるが、経験不足が189 件(40%)、確認不足が87 件(18.4%)、連絡不備70 件(14.8%)技量不足25 件(5.3%)、説明不足24 件(5.1%、患者取り違え22 件(4.7%)で単純な不注意によるウッカリミスがほとんどである。
茨城県医師会 石渡勇 提供
体験時の(身体的)健康状態
今回調査: 普通27(77%)、疲労8(23%) (勤務のため4、私生活のため0、勤務+私生活のため4)、 空白25
42
体験時の身体的健康状態であるが、86%が普通と答えている
茨城県医師会 石渡勇 提供
体験時の(精神的)健康状態
今回調査:合計35 普通27(77%)、疲労(勤務のため)5(14%)、 疲労(私生活のため)0、 疲労(勤務+私生活のため)3(9%)、 空白25
43
体験時の精神的健康状態であるが、88.1%が普通と答えている。心身ともに疲れていなくても事故が発生することに注意せねばならない。
茨城県医師会 石渡勇 提供
まとめ
1. 医療事故削減戦略システム実践~採血・注射の安全な実施 もっとも多い実施上の誤りは採血部位であった。橈骨(親指)側の
血管からの採血がもっとも推奨されているが、その正解率は76%で、正中静脈から採血されている例がかなり見られた。医療機関の取り組みにもよるが、三回目の調査ではすべての項目で、満足できるほどの改善が見られた。今後も、2~3か月に一度の教育確認を継続的に実施することが重要である。
2. インシデント・アクシデントレポート調査では、人工透析実施機関からの報告が多く、十分な調査と評価はできなかった。
3. 日産婦医会のインシデント・アクシデントレポート調査に従って実施した。合計58サンプルのなかで、医師8(14%)、助産師6(10%)、看護師16(28%)、薬剤師1、検査技師1、事務員26(45%)、給食0であった。体験内容は、診療に関するもの60%、療養に関するもの7%、観察・評価・情報伝達に関するもの33%であった。診療に関するもの37では与薬10、注射点滴10、検査9、機械類の捜査・モニター1であった。
44 茨城県医師会 石渡勇 提供
平成22年医療安全対策委員会のこれからの方向
• 「医療事故削減戦略システム」の理解と職員への徹底
• 各地域医師会においてシステムの構築
• 安全のための行動方針の作成
国民の安全と安心のために行動する医師会
45 茨城県医師会 石渡勇 提供