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IBM Operational Decision Manager バージョン 8 リリース 5 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー€¦ · v Oracle WebLogic Server 12c ... WebSphere Application Server でOperational Decision Manager クラスターを作成す

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IBM Operational Decision Managerバージョン 8 リリース 5

概要: Operational DecisionManager 製品ファミリー

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お願い本書および本書で紹介する製品をご使用になる前に、 51ページの『特記事項』に記載されている情報をお読みください。

本書は、Operational Decision Manager バージョン 8 リリース 5 モディフィケーション 1、および新しい版で明記されていない限り、以降のすべてのリリースおよびモディフィケーションに適用されます。

お客様の環境によっては、資料中の円記号がバックスラッシュと表示されたり、バックスラッシュが円記号と表示されたりする場合があります。

 

原典: IBM Operational Decision Manager

Version 8 Release 5

Overview: Operational Decision

Manager product family

発行: 日本アイ・ビー・エム株式会社

担当: トランスレーション・サービス・センター

第1刷 2013.11

© Copyright IBM Corporation 2008, 2013.

目次概要: Operational Decision Manager . . 1V8.5.1 の新機能 . . . . . . . . . . . . . 1ビジネス・ユーザー向けの新機能 . . . . . . 1開発者向けの新機能 . . . . . . . . . . . 2管理者向けの新機能 . . . . . . . . . . . 6

Operational Decision Manager の紹介 . . . . . . 8Operational Decision Manager の概要 . . . . . 8ビジネス・サイクルと IT サイクルの同期化によるビジネスの俊敏性 . . . . . . . . . . 11補足的意思決定管理戦略 . . . . . . . . . 13Operational Decision Manager のロールおよびアクティビティー . . . . . . . . . . . . . 16ビジネス・ルール・アプリケーションの開発 . . 21

Java または XML に基づくビジネス・ルール・アプリケーション . . . . . . . . . 21.NET プラットフォーム用のビジネス・ルール・アプリケーション . . . . . . . . . 25

イベント・ルール・アプリケーションの開発 . . 27ビジネス・ユーザーの意思決定管理 . . . . . 29意思決定ガバナンス . . . . . . . . . 30ルール・プロジェクトの意思決定管理 . . . 31イベント・プロジェクトの意思決定管理 . . . 33

Operational Decision Manager インストールの理解 . 35Operational Decision Manager の構成 . . . . . 35

セキュリティー . . . . . . . . . . . . 41通信プロトコル . . . . . . . . . . . . 42サード・パーティー製ツールおよび SAM . . . 43サード・パーティー・ツール . . . . . . 43オープン・ソース・ソフトウェア . . . . 44Eclipse . . . . . . . . . . . . . 44Apache Ant . . . . . . . . . . . 44

ソフトウェア資産管理システム . . . . . . 45「ソフトウェア資産管理」について . . . 45SAM、ライセンス・ファイル、および製品インストーラー . . . . . . . . . . 45SAM ライセンスの可視化 . . . . . . 45ライセンスとアーカイブのリパッケージ . . 46ライセンスと複数のルール・アプリケーション . . . . . . . . . . . . . . 46

アクセシビリティー . . . . . . . . . . . 46インフォメーション・センターのアクセシビリティー機能 . . . . . . . . . . . . . . 47

特記事項 . . . . . . . . . . . . . . 51商標 . . . . . . . . . . . . . . . . . 53

索引 . . . . . . . . . . . . . . . . 55

© Copyright IBM Corp. 2008, 2013 iii

iv IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

概要: Operational Decision Manager

意思決定管理ソリューションを実装するには、製品を構成するさまざまなモジュールを理解して、最もニーズに合うアーキテクチャーを選択する必要があります。

V8.5.1 の新機能バージョン 8.5.1 には、製品のさまざまなユーザー向けの新規フィーチャーが含まれています。

ビジネス・ユーザー向けの新機能V8.5.1 には、前回のリリースで導入されたフィーチャー (改善されたプロジェクト・ガバナンスや、Decision Center Business Console でのデシジョン・テーブルの横並び比較など) が含まれています。

バージョン 8.5.1 および 8.5.0 では、以下のフィーチャーが導入されています。

Readme 情報はインストール情報へ移動 (V8.5.1)

製品資料に README が含まれなくなりました。readme 情報は、インストール情報(インフォメーション・センターの製品インストール・セクション) から見付けることができます。プラットフォームのサポートと障害に関する情報は、引き続きIBM® サポート・サイトで入手できます。 詳細...

意思決定ガバナンス・フレームワーク (V8.5.0)

Decision Center は、変更管理およびガバナンスのためのすぐに使える規範的なメソッドを提供します。メソッドは、デシジョン・サービス、リリース、およびアクティビティーを使用するフレームワークに基づいています。このフレームワークは、Decision Center Business Console に用意されています。 詳細...

オールインワンの意思決定表エディター (V8.5.0)

Decision Center Business Console は、すべての意思決定表編集機能を 1 つのエディターで提供します。ルールを記述しながらテストしたり、表の行の順序を最適化したりすることが可能になりました。意思決定表の更新手順は、新しいチュートリアルに示されています。 詳細...

Business Console でのバージョンの比較 (V8.5.0)

アクション・ルールまたは意思決定表の 2 つのバージョンを Decision Center

Business Console で横に並べて比較できます。 詳細...

© Copyright IBM Corp. 2008, 2013 1

開発者向けの新機能V8.5.1 では、新規バージョンのアプリケーション・サーバーのサポートが導入され、意思決定エンジンが分散プラットフォームにまで拡張されています。 V8.5.1 では、PL/I および COBOL のサポートが強化され、意思決定エンジンが分散プラットフォームにまで拡張されています。

バージョン 8.5.1 および 8.5.0 では、以下のフィーチャーが導入されています。

スタンドアロン・サーバーのインストール・オプションをランチパッドから削除 (V8.5.1)

スタンドアロン・サーバーをインストールするためのオプションが、ランチパッドに含まれなくなりました。スタンドアロン・サーバーのプロファイルを作成する方法は、2 とおり残っています。

v standalone.properties ファイルに値を設定し、standalone.bat スクリプト・ファイルを実行することで、プロファイルを作成できます。どちらのファイルも<installdir>/shared/standalone ディレクトリーに配置されています。

v プロファイル管理ツールを使用し、用意されているプロファイル・テンプレートを使用することで、プロファイルを作成できます。

詳細...

アプリケーション・サーバーの新規バージョン (V8.5.1)

V8.5.1 では、以下に示す新規バージョンのアプリケーション・サーバーがサポートされています。

v Oracle WebLogic Server 12c

v WebSphere® Application Server 8.5.5

Decision Center Business Console で、Decision Center Enterprise Console と同じアプリケーション・サーバーのバージョンがサポートされるようになりました。 詳細...

サポート対象のすべてのプラットフォームで使用可能な意思決定エンジンがサポートする機能の強化 (V8.5.1)

V8.5.1 では、分散プラットフォームのユーザーに、ルール・エンジンの選択肢として、意思決定エンジンとクラシック・ルール・エンジンの 2 つを提供します。元々は z/OS® のみで使用可能であった意思決定エンジンを、サポート対象のすべてのプラットフォームで処理できるようになりました。

ルール・セットを Rule Designer から配布するのか Decision Center から配布するのかに関わらず、ルールの実行に際して、ならびに Rule Designer と Decision Center

間のルール・プロジェクトの同期に際して、ルール・セットのビルド・モードが考慮されます。

意思決定エンジンは、ルール実行の全体的なパフォーマンスを向上させるように設計されています。このエンジンは、ルール・アーティファクトをコンパイルして、実行可能なコードを含んだアーカイブにします。実行時にコードの構文解析や解釈が行われないので、エンジンにおけるルール・セットのロードが高速化しています。

2 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

意思決定エンジンについては、V8.5.1 では以下の機能のサポートが追加されています。

v Rule Execution Server:

– ホスト化されたトランスペアレント・デシジョン・サービス

– モニター対象トランスペアレント・デシジョン・サービス

– デシジョン・ウェアハウス

v Rule Execution Server コンソール:

– メイン・ルール・セット・ビューの更新済みプロパティー・リスト

– ルール・セットの意思決定エンジン・バージョンが Rule Execution Server のバージョンと互換性がない場合の警告。

– ルール・セットのテスト

– ルール・セットの統計

– ルール・セット・アーカイブのコンテンツ・ビュー

v Rule Designer:

– RuleApp 用クライアント・プロジェクト

– リモート・デバッグとローカル・デバッグ

引き続き V8.5.1 でもクラシック・ルール・エンジンがデフォルトのエンジンです。既存のルール・セット・アーカイブを意思決定エンジンで使用するには、既存のルール・セット・アーカイブを再生成し、再配布する必要があります。コンパイル済みアーカイブ用のキャッシュ・フィーチャーを、以前のバージョンの Operational

Decision Manager で使用していた場合は、必ず、コンパイル済みアーカイブ・キャッシュのディレクトリー全体を空にしてから、実行単位 (XU) を再開してください。 詳細...

Readme 情報はインストール情報へ移動 (V8.5.1)

製品資料に README が含まれなくなりました。readme 情報は、インストール情報(インフォメーション・センターの製品インストール・セクション) から見付けることができます。プラットフォームのサポートと障害に関する情報は、引き続き IBM

サポート・サイトで入手できます。 詳細...

非推奨の機能

次の表に、非推奨になった機能を示します。

表 1. 非推奨の機能

非推奨 モジュール 説明

JSR-94 (V8.5.1) Decision Server Rules JSR-94 実装は V8.5.1 では推奨されません。このフィーチャーは、本製品の将来のリリースでは削除されます。代わりにルール・セッション API

を使用してください。 詳細...

概要: Operational Decision Manager 3

表 1. 非推奨の機能 (続き)

非推奨 モジュール 説明

IlrRuleInformation.getActions ()

メソッド (V8.5.1)

Rule Designer およびDecision Center 用の意思決定エンジン

以前のバージョンと異なり、意思決定エンジンのルールは、単一のアクションのみに関連付けることができます。

V8.5.1 では、非推奨メソッドは String getActionName()

で置き換えられます。 詳細...

PL/I サポートの拡張 (V8.5.1)

現在、PL/I インクルード・ファイルから PL/I XOM を生成する際、 PL/I の BIT

ストリングがサポートされています。シングル・ビットの BIT は Java™ のブール型にマップされ、 複数ビットの BIT は Java BitSet クラスにマップされます。 詳細...

COBOL サポートの拡張 (V8.5.1)

現在、既存の Java BOM から COBOL のコピーブックを生成する際、Java のChar、Enum、および Map データ型がサポートされています。これらは COBOL のデータ型にマップできます。 詳細...

NIST SP800-131A サポート (V8.5.0)

Operational Decision Manager は、米国連邦情報・技術局 (NIST) Special Publications

800-131a のセキュリティー標準 (遷移モードと Transport Layer Security (TLS) 1.2

の使用による厳格モード) をサポートしています。 詳細...

WebSphere Application Server プロファイル・テンプレートはコンポーネントとしてインストールされます (V8.5.0)

WebSphere Application Server で Operational Decision Manager クラスターを作成するために必要なプロファイル・テンプレートを、ランチパッドを使用してカスタム構成をインストールする際、または Installation Manager を使用する際に、コンポーネントとしてインストールできます。このプロファイル・テンプレート・コンポーネントは、ターゲットの WebSphere Application Server をホストするコンピューターのリポジトリーを拡張します。 詳細...

Operational Decision Manager Express® (V8.5.0)

製品インストーラーには、新しいエントリー・レベルのオファリングであるOperational Decision Manager Express をインストールするオプションが含まれています。対応するライセンスを有している場合は、このオプションにチェック・マークを付ける必要があります。 詳細...

4 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

ルール・オーサリングおよびルール実行のための PL/I サポート(V8.5.0)

PL/I インクルード・ファイルから PL/I XOM を生成するために、PL/I がサポートされています。PL/I モデルから BOM を設計したり、ルールを作成したり、PL/I

アプリケーションでルールの実行を可能にしたりできます。 詳細...

ルール・セット実行のための REST デシジョン・サービス (V8.5.0)

Representational State Transfer (REST) デシジョン・サービスは、クライアント・アプリケーションが HTTP 要求を通じてサーバーにアクセスできるようにし、IBM

Worklight® およびその他のシステムとの統合を実現します。 詳細...

Rule Designer Eclipse SDK 3.6.2 と JDK 7 を使用 (V8.5.0)

Rule Designer は、デフォルトで JDK 7 を含む Eclipse SDK 3.6.2 を必要とします。 JDK 6 を使用するには、Eclipse 用のパラメーターをリセットする必要があります。 詳細...

Operational Decision Manager での組み込みルールの管理 (V8.5.0)

Business Rules Embedded では組み込みルールをエクスポートできるため、エクスポートしたルールを Rule Designer または Decision Center で管理することができます。 詳細...

非推奨の機能

次の表に、非推奨になった機能を示します。

表 2. 非推奨の機能

非推奨 モジュール 説明

IlrRuleInformation.

getActions () メソッド(V8.5.1)

Rule Designer およびDecision Center 用の意思決定エンジン

以前のバージョンと異なり、意思決定エンジンのルールは、単一のアクションのみに関連付けることができます。

V8.5.1 では、非推奨メソッドは String getActionName()

で置き換えられます。 詳細...

概要: Operational Decision Manager 5

表 2. 非推奨の機能 (続き)

非推奨 モジュール 説明

COBOL コード生成 (V8.5.0) Rule Designer およびDecision Center

生成された COBOL サブプログラムを使用する代りに、RuleApps を zRule Execution

Server for z/OS に配布してルールを実行できます。 詳細...

Rules for COBOL の COBOL

コード生成機能を使用する場合は、「COBOL 生成プロジェクトのマイグレーション」ウィザードを使用して、ユーザーのルール・プロジェクトを、zRule Execution Server

for z/OS と互換性のあるルール・プロジェクトにマイグレーションできます。 詳細...

バージョン 8.5.0 および8.5.1 では、デフォルトではCOBOL コード生成のユーザー・インターフェースがRule Designer に表示されません。COBOL コード生成ユーザー・インターフェースをRule Designer に表示するには、Rule Designer を停止して、ファイル<InstallDir>/eclipse.ini

に次のパラメーターを追加します。

-Dcobol.code.gen=true

その後、ファイルを保存し、Rule Designer を再始動します。

管理者向けの新機能V8.5.1 では、旧バージョンの Decision Center のデータベースに対するプログレッシブ・マイグレーションのサポートが導入されています。 V8.5.1 は、システム管理機能をアップデートし、ロジカル・パーティション (LPAR) の実行データを収集します。

バージョン8.5.1 および 8.5.0 では、以下のフィーチャーが導入されています。

6 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

Decision Center データベースのプログレッシブ・マイグレーション(V8.5.1)

7.0、7.5、または 8.0 のDecision Center のデータベースがある場合、データベースの一部を V8.5.1 に移行し、これらの移行済みプロジェクトを処理した後、データベースの残りの部分の移行準備が整った時点で、Ant タスクを実行することができます。 詳細...

LPAR で実行している意思決定の回数の記録 (V8.5.1)

実行データ (ランタイムにアプリケーションが要求した意思決定の回数など) の収集に、システム管理機能 (SMF) が使用されるようになりました。このフィーチャーを使用するには、実行環境に応じた構成手順を実行する必要があります。 詳細...

Readme 情報はインストール情報へ移動 (V8.5.1)

製品資料に README が含まれなくなりました。readme 情報は、インストール情報(インフォメーション・センターの製品インストール・セクション) から見付けることができます。プラットフォームのサポートと障害に関する情報は、引き続き IBM

サポート・サイトで入手できます。 詳細...

NIST SP800-131A のサポート (V8.5.0)

Operational Decision Manager は、米国連邦情報・技術局 (NIST) Special Publications

800-131a のセキュリティー標準 (遷移モードと Transport Layer Security (TLS) 1.2

の使用による厳格モード) をサポートしています。 詳細...

WebSphere Application Server プロファイル・テンプレートはコンポーネントとしてインストールされます (V8.5.0)

WebSphere Application Server で Operational Decision Manager クラスターを作成するために必要なプロファイル・テンプレートを、ランチパッドを使用してカスタム構成をインストールする際、または Installation Manager を使用する際に、コンポーネントとしてインストールできます。このプロファイル・テンプレート・コンポーネントは、ターゲットの WebSphere Application Server をホストするコンピューターのリポジトリーを拡張します。 詳細...

TCP/IP 管理モードによるリモート XU インスタンスのモニター(V8.5.0)

Rule Execution Server コンソールでは、TCP/IP 管理モードで、コンソールが実行されている JVM またはクラスターの外部の XU インスタンス (Java EE および Java

SE の両方) をモニターおよび管理できるようになりました。 詳細...

zRule Execution Server for z/OS のコンソール・モードの柔軟性強化 (V8.5.0)

HBRMODE=CONSOLE ランタイム変数を指定した場合に、オプションで zRule

Execution Server for z/OS をコンソール・モードで実行できるようになりました。コンソール・モードでは、同じグループ内のすべてのサーバー接続の管理がコンソールに委任されます。このオプションにより、システムの運用と管理における柔軟性と制御性が改善されます。 詳細...

概要: Operational Decision Manager 7

IMS™ ユーザーへの追加サポートによるパフォーマンスの強化(V8.5.0)

COBOL アプリケーションがメッセージ処理領域で実行されているときは、IMS が事前初期設定ルーチンを使用して zRule Execution Server for z/OS への接続を確立できます。このルーチンにより、COBOL アプリケーションが実行のたびに接続したり切断したりする必要がなくなるので、全体的なパフォーマンスが向上する可能性があります。 詳細...

Operational Decision Manager の紹介Operational Decision Manager を使用することで、ビジネスは、的確で、自動化された意思決定により、リアルタイムでデータに対応することができます。 Operational

Decision Manager を使用することで、IT ユーザーとビジネス・ユーザーも同様に、組織内の運用システムで使用されるビジネス意思決定ロジックを管理できます。

Operational Decision Manager の概要Operational Decision Manager は、意思決定および変更検出ツールを組み合わせて、進化、追跡、監査、およびテストが容易なビジネス・ルール管理システムを提供します。

Operational Decision Manager には、以下の 2 つの主要コンポーネントが含まれています。

意思決定を管理し、イベントを検出するための Decision Server

Decision Server は、プロセス、トランザクション、またはインタラクションの特定のコンテキストに応じて、可変性の高い意思決定の応答を自動化するためのランタイム・コンポーネントおよび開発コンポーネントを提供します。ビジネス・ネットワークをモニターして、イベント・ベースのデータ・パターンを検出し、そのパターンに基づいてアクションを実行し、さらにその情報を何百、何千ものビジネス・ルールに照らして処理し、フロントエンド・システムおよびバックエンド・システム内でどのように対応するかを決定することができます。

そのビジネスの担当者が意思決定管理を行えるようにするための Decision Center

Decision Center により、ビジネス・ユーザーは、IT 部門への依存を限定した形で、組織の知識とベスト・プラクティスに基づいて、意思決定およびイベントを直接管理できます。依存度にはさまざまなレベルがあり、開発者が実装したビジネス・ロジックを業務ユーザーが限定的に見直すケースから、ビジネス・ロジックの指定、作成、テスト、配布を業務ユーザーが完全に管理するケースまであります。ビジネス部門と IT 部門が共同作業し、組織全体の協調のもとに自動化された意思決定を実装し、新しい外的および内的要件に応じて改善する際に、保守のライフサイクルを加速します。

次の図は、Operational Decision Manager が、ルール・アプリケーションの開発、ルールの管理と作成、および実行環境用に提供するコンポーネントを示します。

8 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

業務ポリシーからビジネス・ルールへ

業務ポリシーは、保険の価格設定やローンの引き受け、社会サービスや保健サービスの適格性の承認、オンライン購入での製品の推薦など、意思決定を行う際に使用されるステートメントです。 業務ポリシーは、通常はアプリケーション・コード内に if-then ステートメントの形で存在しますが、手順解説書やその他の文書など、ドキュメンテーション目的で他の場所に保管することもできます。

業務ポリシーは、複数のビジネス・ルールで表現できます。 次に、分かりやすい業務ポリシーの例を示します。

Customers who spend a lot of money in a single transaction need an upgrade.

ルール・キャプチャーのプロセスは、概念的なオブジェクト・モデルとしてポリシーを表現するために必要な語彙を形式化し、「仮定条件/その場合」という形で業務ポリシーの論理を表現することです。

語彙が作成されたら、上記の業務ポリシーを以下のビジネス・ルールで実装することができます。

ifthe customer’s category is Goldand the value of the customer's shopping cart is more than $1500

thenchange the customer’s category to Platinum

概要: Operational Decision Manager 9

業務ポリシーに IT ポリシーまたはセキュリティー・ポリシーが組み込まれている場合は、ビジネス・ルール管理と追加機能を組み合わせることで、業務ポリシー面に対応することができます。 例えば、「高額の買い物をする顧客は、優遇サービスを受けるべきである」 や「高額の買い物をする顧客は、支払い時に追加セキュリティー処理を必要とする」 などです。

この形式のビジネス・ルールでは、ビジネス・ロジックをパッケージ化し、ビジネス・ルール・アプリケーションとしてアプリケーション・コードから呼び出すことができます。 そのため、業務ポリシーに変更を行っても、アプリケーションまたはプロセス・コードの変更は不要です。

イベント・パターン検出からイベント・ルールへ

イベントは、ビジネスの状態が変化したことを示す電子信号です。 適切なアプリケーションが適切なタイミングで適切な目的のために実行されるようにビジネス・イベントを調整するという課題は、多種多様なビジネス・システムが稼働している現在の企業内では、特に困難なものになる場合があります。また、バッチ処理アプリケーションから、クライアント/サーバーやブラウザー・ベースのイントラネットおよびインターネット・アプリケーションに至るまで、幅広いテクノロジーも採用されています。 これらのシステム内で発生するイベントや、人為的に発生するイベントの処理の調整には、大規模なシステムの再設計と、数カ月に渡る変更、テスト、および配布作業が必要になる可能性があります。

ビジネス・システムの統合を短期間で実現するには、複雑で費用のかさむ、既存システムの再設計や再配布に代わる方法が必要です。 その解決策は、ビジネス・イベントの処理層を実装することです。この層は、既存システム全体にわたって存在し、それらのシステムに既に備わっている機能を利用して、それらのシステム間で発生する複雑なインタラクション (ビジネス・イベント) を管理します。 このアーキテクチャー層をビジネス・イベント処理 (BEP) と呼びます。 ビジネス・イベント処理層は、あるビジネス・システムにおける重要なイベントを、重大なイベントに対応するための情報を必要とする他のシステムに伝達します。

大規模な組織では、毎日数千万というイベントが発生していますが、それらのイベントやその発生の重要度は必ずしも同じではありません。 それを見抜くには、1 つ以上のソースから、関連していないように見えるイベントのパターンがいつ発生したかを判別し、そのイベントのパターンに対する応答の実行を調整する能力が必要になります。

ビジネス・イベント処理は、ビジネス・イベントまたはイベント・パターンがいつ発生したのか (または発生しなかったのか) を検出して、アクション可能なビジネス・シチュエーションを示し、適切なタイミングで適切な応答またはアクションを調整するための機能です。

イベント・ルールは、類似または関連するイベント、欠落したイベント、および集合イベント間のイベント・パターンの検出とそれらへの応答に役立ちます。 また、イベント・ルールは、パターン検出をコンテキストに関連付け、そのパターンに時間のディメンションを適用します。 したがって、例えば、次のようなロジックを作成できます。

if events A and B occur and event C does not occur in <time frame>,then do actions X, Y and Z after time frame

10 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

例えば、小売 Web サイトで、顧客が買い物かごに本を追加して (イベント A)、配送情報ページを表示したが (イベント B)、1 週間以内にオンライン・チェックアウトで購入を完了しなかった場合は (イベント C)、その顧客に E メールを送信します (アクション X)。 さらに 1 日が経過した後、本の詳細情報で顧客お気に入りデータベースを更新して (アクション Y)、顧客が購入を完了していないことを知らせるメッセージを販売部門に送信します (アクション Z)。

ビジネス・システム間のインタラクションの方法を記述した事前定義ロジックを使用することにより、Event Runtime はそれらのシステムが適切なアクションを実行できるように、それらのシステムにリアルタイムで通知することができます。

意思決定管理を使用する理由

ビジネス・イベントとビジネス・ルール管理システム (BRMS) は相互補完能力が非常に高いテクノロジーで、これらを組み合わせることで、インテリジェントで即応性の高い、自動化した意思決定が可能になります。 これらのテクノロジーを使用することで、指定された時間内に発生したデータ・パターンを検出し、それに反応し、さらにトランザクション型やプロセス指向のビジネス・システムに適切な意思決定を自動的に提供できるソリューションを柔軟に構築できます。

ビジネス・イベントとビジネス・ルールを組み合わせることにより、ビジネスの俊敏性が高まり、意思決定自動化機能が強化され、その結果、ビジネスの成果が着実に向上し、リソースおよび価値が最大化されます。 意思決定管理ソリューションにより、以下の洞察力を得るためのソースを再活用できます。

v 履歴データ

v 予測知識

v シミュレーションおよびイベント

Operational Decision Manager により、ビジネス・ユーザーは、意思決定を管理し、非常に短い時間で変更を行うことができます。これにより、企業は不測の事態に対応しやすくなるほか、高度に自動化されるために、対処までの時間も短縮されます。

関連情報:

35ページの『Operational Decision Manager の構成』Operational Decision Manager は、分散オペレーティング・システムにインストールされる一連のコンポーネントで構成されます。

ビジネス・サイクルと IT サイクルの同期化によるビジネスの俊敏性

ビジネスの俊敏性は、即応性のある的確な意思決定を自動化できるかどうかにかかっています。 Operational Decision Manager では、意思決定をビジネス・アプリケーションから切り離して管理することで、変化するビジネス・ニーズにより柔軟に対応できるようになります。

運用システムの変更に対処する能力は、意思決定能力に直接関係します。 すべての取引、注文、顧客とのインタラクションまたはプロセスは意思決定に依存し、意思

概要: Operational Decision Manager 11

決定は特定の内部要件または外部要件、および状況背景に依存します。 その結果、すべての変更は意思決定に影響し、それらの意思決定の多くはビジネス・システム内で自動的に処理されます。

意思決定管理をアプリケーション・コードから分離すると、ビジネス専門家はビジネス・ロジックを定義および管理することで、実動システムでそのビジネス・ロジックを更新するために必要な時間および作業量を減らすことができます。また、ビジネス環境の変化に対する組織の対応力を向上させることができます。

Operational Decision Manager は、ビジネス・ルール・アプリケーションとイベント・アプリケーションの設計、開発、および配布を行うための環境を提供します。IT サイクルは、このインフラストラクチャーの開発、保守から構成されます。 インフラストラクチャーのセットアップ後、分散したビジネス・チームでは、Web ベースの環境を介して連携を取ることで、ビジネス・ルールおよびイベントの作成や保守を行えるようになります。

意思決定管理とアプリケーション開発のライフサイクルは並行して進めることができます。意思決定は、アプリケーションの開発に余分な負荷をかけることなく、ビジネス・コンテキストの要求に従って進めることができます。アプリケーションが更新されるたびに、意思決定管理環境をアプリケーションと同期化します。

この分離によって、意思決定とアプリケーション・アーキテクチャーの非同期管理が可能になります。 例えば、アプリケーション開発者は、アプリケーションのインフラストラクチャーの変更や中核をなすビジネス要件の追加に応じて、新しいアプリケーションのバージョンを開発することができます。 同時に、ポリシー管理者は、進化する市場、変動する規制環境、新しいイベント・パターンなどに対応して提供された新しい意思決定に関する作業を実行できます。

12 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

開発者とビジネス・ユーザーは、異なるスケジュールで作業を行うだけでなく、異なるスキルやアプリケーションの見方を反映して、異なるツールで作業することも予想されます。

例えば、開発者は Java に精通しています。 ソース・コード管理システムを使用して、お互いに邪魔をすることなく、プロジェクトの別コピーで同時に作業を行います。

一方、ビジネス・ユーザーは、アプリケーション開発の細部には関係せず、意思決定のテストおよび管理に関与します。 そのため、ポリシー全体の文脈内でルールの作成、整理、検索を手助けできるツールを必要とします。

開発者とビジネス・ユーザーがそれぞれ独自の環境とペースで作業を行う場合は、これらの 2 つのグループの作業を同期化してマージする必要があります。

最後に、開発者とビジネス・ユーザーは両方とも、ルール実行環境にアクセスして、新しいビジネス・ロジックや変更されたビジネス・ロジックをテスト、検証して、実動にロールアウトできるようにルールを配布する必要があります。

関連情報:

16ページの『Operational Decision Manager のロールおよびアクティビティー』Operational Decision Manager は、作業環境は異なっていても、連携して、包括的な意思決定管理プラットフォームを提供するモジュールの集合体です。

『補足的意思決定管理戦略』ビジネス・ルールおよびリアルタイム・イベントにより、企業におけるビジネス・プロセスの俊敏性が向上します。

他の IBM 製品との相乗効果Operational Decision Manager は、その他の IBM 製品を補完し、これにより、ビジネスは増長し続ける複雑さと変化に直面する中で意思決定サイクルの自動化、管理、および改善を実現することができます。

補足的意思決定管理戦略ビジネス・ルールおよびリアルタイム・イベントにより、企業におけるビジネス・プロセスの俊敏性が向上します。

Operational Decision Manager には、ビジネス・ルールとイベント・ルールの 2 つの補完的な意思決定管理戦略をサポートするツールが用意されています。 処理するデータのタイプと、このデータに適用する推論の種類に応じて、2 つの戦略のいずれか一方が実施されます。

ルールとイベントは、意思決定管理ドメイン内の補完的なサービスであり、これらを一緒に使用することで、ユーザーは連携する概念、用語、ツールを使用してルールを作成および管理し、組み合わせられたユース・ケースをサポートできるようになります。

使用パターン

意思決定管理

ビジネス・ルール イベント・ルール

データのタイプ 静的データのスナップショット・ビュー。

さまざまな時間フレームでのデータ。

概要: Operational Decision Manager 13

使用パターン

意思決定管理

ビジネス・ルール イベント・ルール

推論 定義済みのルール実行順序を使用するか、ルール・エンジンの推論に基づくアルゴリズムによって決定される順序を使用して、ルールを実行する。

多様なソースからの複数の関連性のないイベントを処理してパターンを特定し、このパターンが特定されたら非同期で応答する。

ミリ秒単位から月単位まで、幅広い期間に渡ってエンタープライズ・イベントを処理する。

実行それぞれの呼び出しに、固有のトランザクションとして対応する。API によって、例えば Web サービスとして呼び出される、またはビジネス・プロセスから呼び出される。

ネットワークから個別のイベントを受け取り、注目すべきイベント・パターンを検出した場合、他のシステムに対するアクションを開始することによってそれに対応する。

結果 1 つ以上の値を計算して、意思決定し、対応する。

ビジネス・アクティビティーのパターンが期待どおりに発生しなかった場合にアクションを開始する。 これらのアクションは、アラートの場合と後続処理の場合がある。

ビジネス・ルールとイベントの組み合わせによって的確な意思決定を実行できるようにすることで、ビジネスはビジネス・ネットワーク内の変更に対して洞察的で速やかなアクションを取れるようになります。 ルールおよびイベントは、ランタイム環境で組み合わせることができます。 Event Runtime は、Web サービス・インターフェースを使用することによってビジネス・ルールを実行できます。 ルールとイベント間のランタイム統合について詳しくは、『Decision Server Events からのDecision Server Rules の呼び出し』を参照してください。

次の表に、2 つのユース・ケースのビジネス・ルールとビジネス・イベントを組み合わせる方法を示します。

14 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

ユース・ケース

意思決定管理

ビジネス・ルール イベント・ルール

自動車保険 v

オファリングを提供するかどうかを決定し、提供する場合は何を提供するかを決定する。

v

さまざまな係数の組み合わせに基づいて価格を調整する。

v

顧客の行動をモニターし、販売促進の適切なタイミングを見極める。

v

短期間に保険の見積もりを複数回要求しているケースを検出する。

v

一定期間内に受け入れられなかった見積もり要求を検出する。

v

顧客への販売促進を実行に移す。

クレジット・カード・サービス

v

取引が所定のしきい値を超えているかどうかを検出し、その取引を許可または拒否する。

v

顧客のプロファイルと行動に基づいて顧客に通知する。

v

クレジット・カードに関するイベントを検出する (支払い)。

v

クレジット・カードに関するデータを集約する (ルールによって許可された支払いおよび引き出し)。

v

取引を許可または拒否するための意思決定を求める必要がある場合にビジネス・ルールを呼び出す。

概要: Operational Decision Manager 15

関連情報:

11ページの『ビジネス・サイクルと IT サイクルの同期化によるビジネスの俊敏性』ビジネスの俊敏性は、即応性のある的確な意思決定を自動化できるかどうかにかかっています。 Operational Decision Manager では、意思決定をビジネス・アプリケーションから切り離して管理することで、変化するビジネス・ニーズにより柔軟に対応できるようになります。

『Operational Decision Manager のロールおよびアクティビティー』Operational Decision Manager は、作業環境は異なっていても、連携して、包括的な意思決定管理プラットフォームを提供するモジュールの集合体です。

Operational Decision Manager のロールおよびアクティビティー

Operational Decision Manager は、作業環境は異なっていても、連携して、包括的な意思決定管理プラットフォームを提供するモジュールの集合体です。

意思決定管理ソリューションの開発および保守には、次の 2 つのユーザー・カテゴリーが関与します。

v IT ユーザー

アーキテクト、開発者、および管理者は、ルール・アプリケーションの開発および保守を行います。

v ビジネス・ユーザー

ビジネス・アナリスト、ポリシー管理者、およびルール作成者は、意思決定ロジックの開発および保守を行います。

16 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

次の表は、意思決定管理ソリューションの開発および保守に関与する IT ユーザーおよびビジネス・ユーザーの各種タイプについて説明したものです。

表 3. ビジネス・ルール・アプリケーションおよびイベント・アプリケーションの開発のためのユーザー・ロール

ロール アクティビティー 説明

設計

統合

配布

アーキテクトは、主にDesigner で作業し、次の処理を担当します。

v ルールの全体的な配布編成を管理し、実行が最適化されていることを確認する。

v 開発者やビジネス・ユーザーも同じように使い勝手が良いように、プロジェクト編成を定義する。

v ルール・アプリケーションの細分性と、より広い範囲のビジネス・プロセスにルール・アプリケーションをどう適合させるかを定義する。

v 管理対象のビジネス意思決定で、アプリケーションのロールに応じた有用なコンテキストを提供する。

設計

作成

テスト

統合

配布

開発者は、主に Designer で作業し、次の処理を担当します。

v ビジネス・ルール・アプリケーションとイベント・アプリケーションの開発、テスト、デバッグ、および配布を行う。 ルールの設計に対する入力を提供する。

v ルール実行のコードを作成する。

開発者は、オブジェクト・モデル、API、および開発環境(Java EE アプリケーション・サーバーや Java SE) に精通しています。

概要: Operational Decision Manager 17

表 3. ビジネス・ルール・アプリケーションおよびイベント・アプリケーションの開発のためのユーザー・ロール (続き)

ロール アクティビティー 説明

配布

管理

モニター

監査

システム管理者は、サーバーで作業し、サーバーが円滑に稼働するようにします。 これらのサーバーは、Decision

Center 用の場合、またはランタイム環境用の場合があります。

管理者は、次の処理を担当します。

v Decision Center およびRule Execution Server のサーバーとデータベースの配布および構成を行う。

v Decision Center およびRule Execution Server へのユーザー・アクセスを管理する。

v ビジネス・オブジェクト・モデルとルールがプロジェクトのすべてのフェーズで一貫性のある形で定義されるようにする。

v プラットフォーム間でルールを共有できるようにする。

v テスト用のトレース・データ・ソースを構成する。

v アプリケーションを配布する。

v 変更が加えられた場合に、ルール・セットおよびイベント・アセットを再配布する。

v 詳細実行レポートを生成する。

v ルール実行の追跡およびモニターを行う。

v 特定のアプリケーション状態を復元する。

18 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

表 3. ビジネス・ルール・アプリケーションおよびイベント・アプリケーションの開発のためのユーザー・ロール (続き)

ロール アクティビティー 説明

設計

作成

テスト

同期化

検討

検証

ビジネス・アナリストは、Designer および Decision

Center で作業を行います。

ソフトウェア・アプリケーション内部の設計から統合まで、ビジネス部門と IT 部門の間の架け橋となります。

ビジネス・アナリストは、次の処理を担当します。

v 開発者とポリシー管理者の両方からの検証に従って、ルールの正式な仕様を定義する。

v ルールで使用される語彙を定義する。

v ビジネス・ルール候補を特定する。

v ルール作成者が保守できるように、ビジネス・ルールとイベント・ルールの作成および編成を行う。

v ルール実行が期待どおりの結果を出すことを検証する。

ビジネス・アナリストは、技術的な知識レベルによっては、開発者のタスクとして定義されているタスクを実行することがあります。 ただし、一般的に、ビジネス・アナリストがコードを作成することはありません。

概要: Operational Decision Manager 19

表 3. ビジネス・ルール・アプリケーションおよびイベント・アプリケーションの開発のためのユーザー・ロール (続き)

ロール アクティビティー 説明

検討

検証

作成

ポリシー管理者は、組織内の意思決定の所有者です。主にDecision Center で作業を行います。

ポリシー管理者は、次の処理を担当します。

v ルールの正式な仕様の設計に参加する。

v ビジネス・アナリストの力を借りて、語彙要素を定義する。

v ルールの作成と更新を行う。

v ルールの実行がどのように調整されているかを検討する。

v 業務ポリシーの状況を報告する。

v ルールをテストして、正しく記述されていることを確認する。

v シミュレーションを実行して、ルールが意図する業務結果をもたらすことを確認する。

v 意思決定ガバナンスとの関連でリリースおよび検証アクティビティーを管理する。

作成

検討

ルール作成者は、Decision

Center で作業を行います。

ルール作成者は、次の処理を担当します。

v ルールを更新する。場合よって作成することもある。

v ビジネス・ルールとイベント・ルールを検討する。

v 意思決定ガバナンスとの関連で変更アクティビティーを作成する。

20 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

関連概念:

『Java または XML に基づくビジネス・ルール・アプリケーション』IT ユーザーが Rule Designer で作業を行って、ビジネス・ユーザー用のルールの作成および管理インフラストラクチャーを定義するので、ビジネス・ユーザーは基礎となる実動プラットフォームを意識する必要がありません。 ビジネス・ユーザーは、プラットフォームにかかわらず、同じ方法でビジネス・ルールを作成、検討、および管理できます。

27ページの『イベント・ルール・アプリケーションの開発』イベント・アプリケーションを開発するため、開発者、アーキテクト、およびビジネス・アナリストは、協力して、データ・モデルの設計、イベント実行の調整、イベントの作成と検討とテスト、および各種実動プラットフォーム (Java SE、Java

EE、または z/OS) への作成されたイベント・アプリケーションの配布を行います。

29ページの『ビジネス・ユーザーの意思決定管理』Decision Center は、スケーラブルな意思決定管理サーバーおよびリポジトリーで、ビジネス・ルールおよびビジネス・イベントのオーサリング、管理、検証、および配布用の統合的な Web 環境を提供します。

関連情報:

11ページの『ビジネス・サイクルと IT サイクルの同期化によるビジネスの俊敏性』ビジネスの俊敏性は、即応性のある的確な意思決定を自動化できるかどうかにかかっています。 Operational Decision Manager では、意思決定をビジネス・アプリケーションから切り離して管理することで、変化するビジネス・ニーズにより柔軟に対応できるようになります。

13ページの『補足的意思決定管理戦略』ビジネス・ルールおよびリアルタイム・イベントにより、企業におけるビジネス・プロセスの俊敏性が向上します。

ビジネス・ルール・アプリケーションの開発ビジネス・ルール・アプリケーションを開発するため、開発者、アーキテクト、およびビジネス・アナリストは、協力して、データ・モデルの設計、ルール・セット実行の調整、ルールの作成と検討とテスト、および各種実動プラットフォーム (Java

SE、Java EE、z/OS、または .NET) への作成されたビジネス・ルール・アプリケーションの配布を行います。

Java または XML に基づくビジネス・ルール・アプリケーションIT ユーザーが Rule Designer で作業を行って、ビジネス・ユーザー用のルールの作成および管理インフラストラクチャーを定義するので、ビジネス・ユーザーは基礎となる実動プラットフォームを意識する必要がありません。 ビジネス・ユーザーは、プラットフォームにかかわらず、同じ方法でビジネス・ルールを作成、検討、および管理できます。

Java または XML に基づくルール・アプリケーションを開発し、そのアプリケーションを分散プラットフォームまたは z/OS 上の WebSphere Application Server に配布することができます (『ビジネス・ルール・アプリケーションのアーキテクチャー』を参照)。 Java に基づくルール・アプリケーション開発の実践の概要については、『概要: ビジネス・ルール入門』を参照してください。

概要: Operational Decision Manager 21

次の図に、Java または XML に基づくビジネス・ルール・アプリケーションを開発する場合に使用する各種ツールと、この開発で実行する必要がある作業を示します。

設計

IT ユーザーおよびビジネス・アナリストは、まず Rule Designer を使用して、ビジネス・ルール・アプリケーションを設計します。

v ビジネス・ルール・アプリケーションをルール・プロジェクト にどう編成するかを定義します (『アプリケーションをルール・プロジェクトに編成するためのガイドライン』を参照)。ルール・プロジェクトは Eclipse プロジェクトの一種で、ビジネス・ルール・アプリケーション開発専用であり、ソース・コード制御(SCC) システムに格納できます (『ルール・プロジェクトを設計する』を参照)。

v 1 つの実行可能な意思決定単位としてまとめられた一連のビジネス・ルールのことをルール・セット と呼びます。 ルール・セットのパラメーターを定義して、呼び出し側アプリケーションからルール・セットにデータを渡したり、ルール・セットからデータを取得したりします。

v ビジネス・アナリストと協力して、ビジネス・ルールで使用する語彙 を定義します。 次に、Rule Designer で、その語彙の要素と関係を定義するビジネス・オブジェクト・モデル (BOM) を開発します (『チュートリアル: 語彙の定義』を参照)。 BOM を実行オブジェクト・モデル (XOM) (実行時に使用される Java または XML モデル) にマップすることで、トップダウン方式で語彙を定義できます。 また、語彙をボトムアップ方式で作成することもできます。その場合は、XOM から BOM を生成した後、BOM がビジネス語彙に適した基礎となるように BOM のフィルタリングおよび構成を行ってください (『ビジネス・オブジェクト・モデルの設計』を参照)。

v 次に、ルール・プロジェクトで、ビジネス・ルールを格納するためのルール・パッケージ構造を編成し、ビジネス・ルールの大まかな実行フローを指定するためにルール・フロー を定義します (『ルール・セット実行を調整する』および『チュートリアル: 最初のルール・フローの作成』を参照)。

22 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

v ビジネス・アナリストの協力を得て、ルール・モデル拡張機能 を使用して、ビジネス・ルールの管理および追跡のためのプロパティーを定義します (『ビジネス・ルール管理拡張機能』のサンプルを参照)。 Rule Designer には、ルール・モデル拡張機能のエディターが用意されています。

v Decision Validation Services でテストとシミュレーションをどのように実行するかを構成したりカスタマイズしたりすることによって、ビジネス・ユーザー検証ツールをセットアップします (『チュートリアル: Excel テスト用に BOM を構成』を参照)。

作成

ルールの作成および管理を担当している場合は、プロジェクト内のビジネス・ルールの大半を作成することがあります (『ルールのオーサリング』を参照)。ビジネス・ルールの作成および管理を担当しているのがビジネス・ユーザーの場合は、複雑なルールのみを作成し、ビジネス・ユーザーのビジネス・ルールの作成を簡単にするためのいくつかのツールを設定します。

v IT ユーザーおよびビジネス・アナリストが作成できるビジネス・ルールのタイプは、次のとおりです。

– アクション・ルール (『チュートリアル: アクション・ルールの作成』を参照)

– 意思決定表 (『チュートリアル: 意思決定表の編集』を参照)

– 意思決定ツリー

これらのビジネス・ルールはすべて、ビジネス・アクション言語 (BAL) に基づいています。この言語は、自然言語に見えるように設計されています。さらに、テクニカル・ルールも作成できます。これらのルールは、ILOG® ルール言語 (IRL)

に基づき、プログラミングのスキルを必要とします (『ルール・ベース・プログラミング』のサンプルを参照してください)。

v IT ユーザーおよびビジネス・アナリストは、ビジネス・ルール・テンプレートを作成できます。

v ビジネス・アナリストの協力を得て、語彙のカテゴリー を定義します。これらのカテゴリーを使用することで、ビジネス・ルールを作成する際に使用可能な語彙要素をフィルターに掛けることができます。

v 例えば、ルール・オーサリング拡張機能を作成して、一部の語彙要素について値エディター を統合したり、データ・ソースから値を取得する動的ドメイン を定義したりすることができます (『オーサリング拡張』のサンプルを参照)。

テスト

Rule Designer でビジネス・ルール・アプリケーションをデバッグします。ビジネス・アナリストは、ビジネス・ルール・アプリケーションに希望するビジネス・ロジックが実装されていることをテストします。

v ルール・セットをデバッグします (『チュートリアル: ルール・セットのデバッグ』を参照してください)。 このために、組み込みルール・エンジン を使用してルールの実行を管理します (『ルール・プロジェクトをデバッグする』および『組み込みルール・エンジンを使用してルールを実行する』を参照)。

v IT ユーザーまたはビジネス・アナリストは、制約されたセマンティック・クエリーを使用してルール分析を実行します (『ルール・プロジェクトの確認を参

概要: Operational Decision Manager 23

照)。これらのクエリーでは、個々のルールおよびルール・セット全体の整合性および完全性のチェックを行います。 ルール分析レポートはカスタマイズできます。

v IT ユーザーまたはビジネス・アナリストは、ルールに関するシナリオをテストします。 これらのテストは、完全な Rule Execution Server 環境を使用せずに、Rule Designer で直接実行できます。

シナリオのテストについて詳しくは、以下を参照してください。

– Decision Validation Servicesでのテスト

– z/OS 上でのルール・セット実行の検証

– チュートリアル: Excel シナリオ・ファイルのデバッグ

– サンプル: JUnit を使用してテストする DVS アーカイブ

v Decision Center で業務結果を表示するためにシミュレーションに取り込むことのできるキー・パフォーマンス・インディケーター (KPI) を作成します。

統合と配布

Rule Designer からビジネス・ルール・アプリケーションを統合し、配布します。配布は、Decision Center から実行することもできます。

v ルール・セットを RuleApp と呼ばれる実行可能アーカイブにパッケージし、この RuleApp に対してルール・エンジンを実行するコードを作成します (『ルール・エンジン統合』のサンプルを参照)。

v 呼び出しアプリケーションに RuleApp を公開する方法を決定します。

– Java SE ルール・セッション (『サンプル: Java SE ルール・セッション』を参照)

– Java EE ルール・セッション (『サンプル: Java EE ルール・セッション』を参照)

– メッセージ駆動型ルール Bean (『サンプル: メッセージ駆動型ルール Bean』を参照)

– トランスペアレント・デシジョン・サービス (『サンプル:「Web またはモニター・トランスペアレント・デシジョン」サービス』および『チュートリアル:

Java または .NET 上でのホスト化されたトランスペアレント・デシジョン・サービスの実行』を参照)

v 選択されているアプリケーション・サーバーに合わせて Rule Execution Server

を構成します。 Rule Execution Server は、配布されたビジネス・ルールの実行環境であり、管理およびモニターの対象となります。 Rule Execution Server は、生成された意思決定をアプリケーションができる限り簡単に呼び出すことができるように、ルール・セット・インスタンスの作成、プーリング、および管理を処理します。『チュートリアル: IBM Rational® Application Developer 上の Decision

Server を呼び出す Web アプリケーションの作成』を参照してください。

v RuleApp を Rule Execution Server に配布します。 Rule Execution Server コンソールで、RuleApp を管理します。

Rule Execution Server での RuleApp の管理について詳しくは、以下を参照してください。

– チュートリアル: RuleApp を管理する

24 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

– Javaルール実行環境を管理する

v

テスト実行を有効にするには、特にシナリオ・テストの場合は、シナリオ・サービス・プロバイダー (SSP) および XOM を Rule Execution Server ストレージに配布します。

管理とモニター

Rule Execution Server には、ビジネス・ルール・アプリケーションを管理およびモニターするためのツールが用意されています。

v Rule Execution Server コンソール、Ant スクリプト、またはエンタープライズ管理ツール (IBM Tivoli®、HP OpenView など) と JMX MBean を使用して、Rule

Execution Server 内でのルール・セットの実行をモニターします。

v Rule Execution Server で実行されるビジネス・ルール・アプリケーションをデバッグできます (『チュートリアル: リモート Rule Execution Server アプリケーションのデバッグ』を参照)。

v ルール・セットのバックアップ・バージョンを作成し、必要に応じて以前のバージョンに戻します。

v また、実行結果をモニターし、デシジョン・ウェアハウス にアーカイブすることもできます。 また、パフォーマンスに関する統計を収集することもできます。

監査

ルール・セット実行トレース・データにより、規制要件を満たすために必要になることがある、過去の意思決定の監査証跡が得られます。 さらに、この種のデータは、過去のトランザクションで下した意思決定に関連するすべてのルールを表示することによって、その意思決定を調査または正当化するための手段になります。

v Rule Execution Server のデシジョン・ウェアハウスを使用して、格納されている意思決定の管理、バックアップ、および削除を行うことができます (『実行されたデシジョンを監査する』を参照)。

v デシジョン・ウェアハウスでは、モニターが有効になっているルール・セットに関する詳細レポートを保管したり、取得したりすることもできます (『サンプル:

デシジョン・ウェアハウスのカスタマイズ』を参照)。

v キー・パフォーマンス・インディケーター (KPI) を作成します。 通常、ビジネス・ユーザーは、レポートを使用して、変化するビジネス条件を反映してこれらの KPI に基づき業績を改善するように、業務ポリシーを調整します。

.NET プラットフォーム用のビジネス・ルール・アプリケーション

.NET 環境にルールを配布して実行することができます。

Rule Designer で開発されたルール・セットを使用して、.NET でルール・アプリケーションを実行することができます。ルール・セットを .NET DLL としてネイティブの .NET 環境に配布するか、.NET 環境から呼び出すことのできる Web サービスとして公開することができます。 次の図に、ルール・セットの DLL をネイティブの .NET 環境に配布する方法を示します。

概要: Operational Decision Manager 25

Decision Server には、.NET バージョンのルール・エンジンが含まれ、ネイティブの .NET 環境にロードして使用できるバージョンに BOM を再マップするための一連のツールが用意されています。

v BOM を開発します。 Java プラットフォームと .NET プラットフォームの両方で実行するには、例えば、Java 2 CSharp Translator for Eclipse を使用して、Java

XOM からこの BOM を作成してから、Java XOM を .NET XOM に変換できます。ターゲット・プラットフォームが .NET のみの場合は、.NET XOM を開発します。 BOM から XOM へのマッピングを使用して、BOM を .NET クラスにマップする必要があります。 Rule Designer の BOM エディターを使用して、この BOM から XOM へのマッピングを定義することはできません。 別個の B2X

ファイルで定義する必要があります。

v Decision Server で、配布可能な .NET DLL を生成します。 この DLL に、ルール・セットと BOM が入ります。 .NET プラットフォームで、.NET 実行オブジェクト・モデル (XOM) と、関連する BOM から XOM へのマッピングを提供します。 次に、.NET DLL を .NET プラットフォームに配布して実行します(『.NET のルール・エンジンを使用してルールを実行する』および『サンプル:

.NET に対する実行: .NET のルール・エンジン』を参照)。

.NET プラットフォームでルールを実行するには、Decision Server を使用して、Java

環境または .NET 環境から、オブジェクト・モデルに基づくホスト化されたトランスペアレント・デシジョン・サービスとしてルール・セットを公開することもできます。 Rule Designer でルールを作成および管理し、デシジョン・サービスを作成してビジネス・ロジックを .NET プラットフォームで公開します (『チュートリアル: Java または .NET 上でのホスト化されたトランスペアレント・デシジョン・サービスの実行』を参照)。

v .NET Framework ツールを使用して、.NET クラスから XML スキーマを生成します。 次に、生成されたスキーマを XOM として使用し、この XOM に対するルールを Rule Designer で作成します。

v ルール・セットのパラメーターを設定し、ビジネス・ルールをルール・プロジェクトに追加することによって、デシジョン・サービス・インターフェースを定義します。

26 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

v ルール・セットを Rule Execution Server に配布することで、そのルール・セットをデシジョン・サービスとして公開します。 次に、.NET プロジェクトへのWeb 参照の追加によって、.NET アプリケーションからデシジョン・サービスを呼び出します (『.NET でデシジョン・サービスを呼び出す』を参照)。

イベント・ルール・アプリケーションの開発イベント・アプリケーションを開発するため、開発者、アーキテクト、およびビジネス・アナリストは、協力して、データ・モデルの設計、イベント実行の調整、イベントの作成と検討とテスト、および各種実動プラットフォーム (Java SE、Java

EE、または z/OS) への作成されたイベント・アプリケーションの配布を行います。

イベント・ルール・アプリケーションを開発し、ビジネス・システム間でのリアルタイムのイベント調整を実装します (『ビジネス・イベント処理のハブとしてのDecision Server Events』を参照してください)。イベント・アプリケーション開発の実践の概要については、『イベント・ルール入門』を参照してください。

IT ユーザーおよびビジネス・アナリストは、データ・モデルを設計します (『データ・モデルの構築』を参照してください)。 データ・モデルは、データの出力元 (イベント・オブジェクト、データ接続)、およびビジネス・イベント評価の結果の送信先 (アクション・オブジェクト) を識別するビジネス・オブジェクト で構成されます。 ビジネス・オブジェクトは、ルールの処理を行うデータ環境を提供します。イベント・オブジェクトによってビジネス・オブジェクトが構成され、ビジネス・オブジェクトからアクション・オブジェクトが定義されます。

v Event Designer で、イベント・プロジェクト にイベント・アセット を作成します。 このイベント・プロジェクトには、統合するビジネス・システムごとにフォルダーを作成できます。 このビジネス・システム・フォルダーに、次の要素を作成します。

– ビジネス・システム間のプロセスを開始するイベント、およびそのイベントのイベント・オブジェクト。

概要: Operational Decision Manager 27

– イベントが発生した場合に実行される可能性があるアクションおよびそのアクション・オブジェクト。

v ほとんどのイベントおよびアクションでは、コネクターを定義します。 イベント・コネクターはデータを Event Runtime に渡し、アクション・コネクターはEvent Runtime からデータを取得します。 次のタイプのコネクターが使用可能です。

– E メール

– ファイル・システム

– FTP

– HTTP

– JMS

– リレーショナル・データベース

– SOAP

– ユーザー・コンソール

v ビジネス・ロジックの評価を完了するために必要なデータを提供するデータ接続(一般的には、リレーショナル・データベース) を定義します。 例えば、ロジックが顧客のサービス・レベルを使用する可能性があるが、そのデータがマスターの顧客テーブルを含む DB2® データベースでのみ使用可能であるような場合です。

ユーザーおよびビジネス・アナリストが、Event Designer でビジネス・ロジックを作成します。『ビジネス・ロジックの作成』を参照してください。

v イベント・ルール を作成します。これで、各種ビジネス・システムとやり取りする方法が決まります。 例えば、イベント・ルールでは、顧客が Transaction

Processing ビジネス・システムから多額の資金転送を行うときは、Customer

Service ビジネス・システムが顧客と連絡を取って、投資選択を提供する必要がある、と記述できます。

v イベント・ルール・グループ は、1 つ以上のイベント・ルールで構成されます。各イベント・ルールは、イベントによってトリガーされ、1 つ以上のアクションをトリガーできます。 必要に応じて、フィルター を使用して、ルール間でロジックを共有することもできます。

データ接続およびイベント・アセットを Event Runtime に配布および統合します(『Event Runtime サーバーへのアセットの配布』を参照してください)。

v Event Runtime は、イベントがシステムに入るとそのイベントをモニターし、イベントがプロセス内を移動するとイベントの進捗状況と対応するアクションを追跡します (『Decision Server Events コンポーネント』を参照してください)。

v あるビジネス・システムでイベントが発生したときに、別のシステムで 1 つ以上のアクションが必要になる可能性がある場合、関連するデータ (フィールド名、フィールド・タイプ、および値) のことをイベント・ペイロードと呼びます。 ビジネス・システムのコネクターは、このイベント・ペイロードを JMS キューに渡します。 Event Runtime は、JMS キューからメッセージを取り出し、イベント・ペイロードに入っている値を適切なビジネス・オブジェクトに取り込みます。 Event Runtime は、イベントを解析し、イベントを参照するイベント・ルール・グループを識別して、さらに評価を必要とするフィルターが存在するかどうかを判別します。 アクションにイベント・ルールが含まれている場合、 Event

Runtime は、そのイベント・ルールの評価を試みて、アクションの条件を満たし

28 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

ているかどうかを判別します。 欠落している値があると、 Event Runtime は、外部のデータ接続から欠落している情報の取得を試みます。 アクションは、条件が真の場合にのみ開始されます。 アクションに条件が含まれていない場合は、適切なアクションが開始されます。

ユーザーおよびビジネス・アナリストは、イベント・ウィジェットを使用して、ビジネス・ロジックをテストします。

v イベント・テスター・ウィジェットで、ビジネス・プロセス内のイベント・ロジックをテストします。 イベント・テンプレートを定義して評価します。 これで、評価したフィルターの結果を表示し、実行されたアクションを確認できます。 また、まだ評価されていない時間基準のイベントと、まだ実行されていない時間基準のアクションも確認できます (『イベント・テスター・ウィジェットを使用したイベント・ロジックのテスト』を参照してください)。

v イベントの取り込みウィジェットおよびイベント再生ウィジェットで、(通常はテスト・システムで) 実動システムからイベントを取り込み、その 1 つ以上のイベントのシーケンスを再生します (『イベント取り込みウィジェットおよびイベント再生ウィジェットを使用したイベント・ロジックのテストと分析』を参照してください)。

ランタイム環境でビジネス・イベントの処理をモニターします。

v パフォーマンスに関する統計を収集するには、WebSphere Application Server でPerformance Monitoring Infrastructure (PMI) を有効にします (『Decision Server

Eventsのモニター』を参照してください)。

v イベント・グラフ・ウィジェットでは、イベント・ルール・グループの評価で使用されたイベント、アクション、およびフィルターの履歴をリアルタイムで示すグラフを表示します (『Decision Server Eventsのモニターおよびイベント・ルールのテストのためのイベント・ウィジェットの使用』を参照してください)。

開発環境およびランタイム環境を管理します。

v ブラウザー・ベースの「管理」インターフェースで、開発環境およびランタイム環境のモニターと管理を行います。詳しくは、WebSphere Application

Server/Decision Server Eventsの管理』を参照してください。開発環境では、「管理」を使用してシステム・イベントおよびイベント・ルール・グループの処理を表示し、アプリケーションが設計どおりにイベントの処理とアクションの生成を行っていることを確認します。レポートを実行したり、コンテキスト処理を表示したりすることもできます。

v ユーザー認証を定義し、イベント・ウィジェットにアクセスします (『Decision

Server Eventsの保護』を参照してください)。

ビジネス・ユーザーの意思決定管理Decision Center は、スケーラブルな意思決定管理サーバーおよびリポジトリーで、ビジネス・ルールおよびビジネス・イベントのオーサリング、管理、検証、および配布用の統合的な Web 環境を提供します。

Decision Center は、ロール・ベースのセキュリティー、履歴の保守、カスタム・メタデータなど、プロジェクト・ガバナンスを提供します。 ビジネス・ユーザーは、ビジネス・ルールとイベント・ルールに同一の基礎となるルール言語テクノロジーを使用し、同じ管理および作成環境にアクセスできます。 Decision Center は、ビジ

概要: Operational Decision Manager 29

ネス・ユーザーのマルチユーザー・アクセス、および IT ユーザー環境とビジネス・ユーザー環境の同期化によって、チーム間のコラボレーション強化を実現できます ( 16ページの『Operational Decision Manager のロールおよびアクティビティー』を参照してください)。

関連情報:

概要: Decision Center

意思決定ガバナンスビジネス・ユーザーは、Decision Center Business console で、リリースおよび変更アクティビティーに基づく、変更管理およびガバナンスのためのすぐに使える手法を使用して作業を行うことができます。この手法を意思決定ガバナンスと呼びます。

Decision Center での意思決定ガバナンスの実践の概要については、チュートリアル:

Decision Center Business Console でのガバナンス・ワークフローの検索を参照してください。

次の図に、Decision Center での意思決定ガバナンスの主なツールおよび作業を示します。

同期化

IT ユーザーとして意思決定ガバナンスを有効にするには、ルール・プロジェクトをデシジョン・サービスとして Decision Center に公開します (デシジョン・サービスおよびデシジョン・サービスの作成を参照)。そうすると、Decision Center Business

console で、ビジネス・ユーザーが管理を開始できる初期リリースとともにデシジョン・サービスが使用可能になります (リリースを参照)。ビジネス・ユーザーが変更したデシジョン・サービス・リリースをいつでも同期化することができます (ルールの同期化と格納を参照)。

30 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

作成

ビジネス・アナリストとルール作成者が、Decision Center Business console で、ビジネス・ルールを作成するための変更アクティビティーを作成します (変更アクティビティーを参照)。 Rule Designer で開発されるカスタム値エディターを Decision

Center Business console に統合することができます (サンプル: Business Console のカスタム値エディターを参照)。

検証

ポリシー管理者が、リリースと結果のテスト計画を追跡および管理する検証アクティビティーを作成します (検証アクティビティーを参照)。そうすると、Enterprise

console を使用して、当該リリースでテスト・スイートとシミュレーションを実行することができます。ポリシー管理者はレポートを検証アクティビティーの結果に組み込むことができます (ルールの検証を参照)。

管理

Decision Center Enterprise console を使用して、ユーザー・アクセスおよび Decision

Center リポジトリーの構成を管理することができます。さらに、Business console のユーザー用のプロファイルを構成することもできます (Business Console でのユーザー構成およびサンプル: Business Console ユーザー・サービス統合を参照)。Decision Center リポジトリーは、ビジネス・ルールの監査およびロールバックをサポートするサービスを提供します (『Decision Centerの管理』を参照してください)。

配布

変更アクティビティーと検証アクティビティーがすべて完了すると、ポリシー管理者が当該リリースを承認して完了し、その時点で配布が可能になります。 Rule

Execution Server に Decision Center Enterprise console から RuleApp を配布します(このタスクはポリシー管理者が行う場合もあります)。 Decision Center リポジトリーがビジネス・ルールの実動ストレージである場合は、実動プラットフォームに直接配布します。テスト・プラットフォームに配布することもできます (ルールの配布を参照)。

ルール・プロジェクトの意思決定管理IT ユーザーは、ルール・プロジェクトを Decision Center に公開します。ビジネス・アナリストとポリシー管理者は、Decision Center リポジトリーを使用してビジネス・ルールを保守します。レポート作成ツールは Decision Center Enterprise

Console に用意されていますが、ビジネス・ルールをオフラインで共有するためにはRule Solutions for Office を使用します。ビジネス・アナリストやポリシー管理者は、ビジネス・ルールを Enterprise Console から Rule Execution Server に配布できます。これは、直接行うことも、システム管理者の協力を得て段階を追って行うこともできます。

Enterprise Console でのビジネス・ルール管理の実践の概要については、『ビジネス・ルール入門』および『チュートリアル』を参照してください。

次の図に、Decision Center でのビジネス・ルール管理の主なツールおよび作業を示します。

概要: Operational Decision Manager 31

ビジネス・アナリストおよびポリシー管理者がビジネス・ルール・アプリケーションを使用できる準備が整ったら、ルール・プロジェクトを Decision Center に公開します。ポリシー管理者およびビジネス・アナリストによる変更に応じて、ルール・プロジェクトの作業用コピーは随時 Decision Center リポジトリーのコンテンツと同期化できます (『ビジネス・ユーザーと開発者間のルールの同期化』を参照してください)。

ポリシー管理者およびルール作成者は、Decision Center Enterprise console、Decision Center Business Console、および Rule Solutions for Office でビジネス・ルールを作成できます。 Rule Solutions for Office を使用することで、ルール作成者は Microsoft Word でルールを作成し、Microsoft Excel で意思決定表を編集します。 RuleDoc でルールとルール以外が混在するコンテンツを作成し、ルールの実際の実装コンテンツと一緒にセマンティック情報を保持することができます (『ルールのオーサリング』を参照してください)。 Rule Designer で開発した、ビジネス・ルールの作成および管理の各拡張機能は、Decision Center Console、および Rule

Solutions for Office に統合できます ( 『Decision Centerのオーサリング拡張』、および『Decision Centerのビジネス・ルール管理拡張機能』のサンプルを参照してください)。

ポリシー管理者は、ブランチを使用してビジネス・ロジックの複数のリリースで作業を行い、ルール・プロジェクト内のビジネス・ルールに関するクエリーを作成し、レポートを作成してクエリーの結果を検討します。 ポリシー管理者は、これらのクエリーを使用してスマート・フォルダーを定義できます。スマート・フォルダーにより、ルール・プロジェクトのコンテンツを Enterprise Console でビジネス指向の方法で確認できます。ポリシー管理者は、ルール・プロジェクトでビジネス・ルールを検索することで、自分の作業の結果を確認したり、他のユーザーによる変更を見直したりできます (『ルールの見直しおよび管理』を参照してください)。

32 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

ポリシー管理者は、確実にビジネス・ルールが正しく記述され、ルール・セットにカプセル化されているビジネス・ロジックが更新によって壊れないようにする必要があります (『ルールの検証』を参照してください)。 ポリシー管理者は、Enterprise

Console を使用して、ルールのテストおよびシミュレーションを実行することにより、適切に定義されている使用シナリオに照らしてビジネス・ロジックを検証します。シナリオ・サービス・プロバイダー (SSP) は、Rule Execution Server を呼び出してルール・セットを実行し、レポートを生成します。 レポートには、テスト・スイートまたはシミュレーションで成功および失敗したテストの詳細が示されています。実行結果 (入力データ、出力データ、実行フロー、およびどのルールが実行されたか) は、 Rule Execution Server の機能の 1 つであるデシジョン・ウェアハウスに保管できます (『Decision Centerでのテスト』のサンプルを参照してください)。

Enterprise Console を使用して、ユーザー・アクセスおよび Decision Center リポジトリーの構成を管理できます。 Decision Center は、ビジネス・ルールの監査およびロールバックをサポートする履歴サービスとバージョン管理サービスを提供します(『Decision Center の管理』を参照してください)。

ユーザーまたはポリシー管理者は、ルール・セットを Enterprise Console から Rule

Execution Server に配布します。 Decision Center リポジトリーをビジネス・ルールの実動ストレージとして使用するかどうかに応じて、実動プラットフォームまたはテスト・プラットフォームに直接配布します (『ルールの配布』を参照してください)。

イベント・プロジェクトの意思決定管理イベント・プロジェクトを Decision Center に公開します。ビジネス・アナリストおよびポリシー管理者は、Decision Center リポジトリーを使用してイベント・ルールを保守します。 レポート作成ツールは、Decision Center Enterprise Console に用意されています。ポリシー管理者は、イベント・ルールを Enterprise Console からイベント・ランタイムに配布します。これは、直接行うことも、システム管理者の協力を得て段階を追って行うこともできます。

次の図に、Decision Center でのイベント管理の主なツールおよび作業を示します。

概要: Operational Decision Manager 33

ビジネス・アナリストおよびポリシー管理者がイベント・アプリケーションを使用できる準備が整ったら、イベント・プロジェクトを Decision Center に公開します。ポリシー管理者およびビジネス・アナリストによる変更に応じて、イベント・プロジェクトの作業用コピーは随時 Decision Center リポジトリーのコンテンツと同期化できます (『ビジネス・ユーザーと開発者間のルールの同期化』を参照してください)。

ポリシー管理者およびルール作成者は、Enterprise Console でイベント・ルールを作成できます。Event Designer で作成したルール・モデル拡張機能は、Enterprise

Console に統合できます (『ルールのオーサリング』を参照してください)。

ポリシー管理者は、ブランチを使用してビジネス・ロジックの複数のリリースで作業を行い、ルール・プロジェクト内のイベント・ルールに関するクエリーを作成し、レポートを作成してクエリーの結果を検討します。 ポリシー管理者は、これらのクエリーを使用してスマート・フォルダーを定義できます。スマート・フォルダーにより、イベント・プロジェクトのコンテンツを Enterprise Console でビジネス指向の方法で確認できます。ポリシー管理者は、イベント・プロジェクトでイベント・ルールを検索することで、自分の作業の結果を確認したり、他のユーザーによる変更を見直したりできます (『ルールの見直しおよび管理』を参照してください)。

ポリシー管理者は、確実にイベント・ルールが正しく記述され、ビジネス・ロジックが更新によって壊れないようにする必要があります。ビジネス・ロジックを検証する場合、ポリシー管理者はイベント・テスト・ウィジェットを使用することができます。イベント・テスター・ウィジェットでは、ビジネス・プロセス内のイベント・ロジックをテストできます (『イベント・テスター・ウィジェットを使用したイベント・ロジックのテスト』を参照してください)。イベントの取り込みウィジェットおよびイベント再生ウィジェットでは、(通常はテスト・システムで) 実動システムからイベントを取り込み、その 1 つ以上のイベントのシーケンスを再生できます (『イベント取り込みウィジェットおよびイベント再生ウィジェットを使用したイベント・ロジックのテストと分析』を参照してください)。

34 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

Decision Center Enterprise Console を使用して、ユーザー・アクセスおよび Decision

Center リポジトリーの構成を管理できます。 Decision Center は、ビジネス・ルールの監査およびロールバックをサポートする履歴サービスとバージョン管理サービスを提供します (『Decision Centerの管理』を参照してください)。イベント・グラフ・ウィジェットでは、イベント・ルール・グループの評価で使用されたイベント、アクション、およびフィルターの履歴をリアルタイムで示すグラフを表示することもできます (『 Decision Server Eventsのモニターおよびイベント・ルールのテストのためのイベント・ウィジェットの使用』を参照してください)。

ユーザーまたはポリシー管理者は、Decision Center Enterprise Console からイベント・ランタイムにイベント・アセットを配布します。Decision Center リポジトリーをイベント・ルールの実動ストレージとして使用するかどうかに応じて、実動プラットフォームまたはテスト・プラットフォームに直接配布します (『ルールの配布』を参照してください)。

Operational Decision Manager インストールの理解製品ファミリーの構造および各コンポーネントのインストール先の概要について説明します。

Operational Decision Manager の構成Operational Decision Manager は、分散オペレーティング・システムにインストールされる一連のコンポーネントで構成されます。

Operational Decision Manager は、いくつかのコンポーネントで構成されます。コンポーネントは、IBM Installation Manager を使用してインストールされます。一部のコンポーネントはデフォルトでインストールされていますが、その他のコンポーネントはオプションです。必要なものをいつでもインストールでき、必要に応じてインストール済み環境を更新できます。Installation Manager は、各コンポーネントをインストールする前に、前提ソフトウェアがインストールされているかどうかシステムをチェックします。

Operational Decision Manager は、以下の基本的な Installation Manager 機能を使用します。

v インストーラー内での言語パックの選択

v 既存の製品パッケージの更新

v 既存の製品パッケージの変更

v 製品パッケージのロールバック

v 製品パッケージのアンインストール

次の図は、インストール可能なハイレベルな Operational Decision Manager のコンポーネントを示します。

概要: Operational Decision Manager 35

Decision Server と Decision Center は別個のコンポーネントですが、相互に連携します。例えば、Decision Center のサンプルおよびチュートリアルを実行するには、両方のコンポーネントを同じコンピューターにインストールして、一方のコンポーネントのインストール・ディレクトリーが他方のコンポーネントによって認識されている必要があります。デフォルトではいずれのコンポーネントのインストール・ディレクトリーも同じであり、同じ Installation Manager パッケージ・グループ・ディレクトリーを共有します。

分散プラットフォームには、以下の一連のコンポーネントをインストールできます。

v 37ページの『Decision Server 』

v 39ページの『Decision Center』

36 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

Decision Server

表 4. Decision Server Rules

コンポーネント 説明

Rule Designer 開発者、モデラー、およびアーキテクト向けのビジネス・ルール・アプリケーション開発ツール

デフォルトでインストールされるもの:

v

ルール・エンジン

ルール・エンジンのインスタンスは、オブジェクトを対象としてビジネス・ルールの条件を評価し、実行に適格なルールを判別します。

v

.NET のルール・エンジン

.NET プラットフォームでルールを評価するルール・エンジン。

v

COBOL 管理

COBOL モデルに基づくルール・プロジェクトを作成できる管理機能。

デフォルトでないオプション:

v

Scorecard Modeler

Scorecard Modeler は、事前定義されたスコア戦略および推論戦略を完備した、すぐに使用可能なスコア・モデルを提供することで Rule Designer の機能を拡張します。

Rule Execution Server ルール・エンジンを組み込んだ管理対象のビジネス・ルール実行プラットフォーム。

Rule Execution Server アプリケーション・サーバー・アーカイブ

サポートされる各アプリケーション・サーバー用の Rule Execution Server Java EE 配布アーカイブ。

WebSphere Application Server 以外のサポートされるアプリケーション・サーバーで Rule

Execution Server を構成する場合は、そのサポートされるアプリケーション・サーバーに応じたオプションを選択してください。

概要: Operational Decision Manager 37

表 5. Business Rules Embedded

コンポーネント 説明

Business Rules Embedded Business Rules Embedded は、ビジネス・ルールをアプリケーションに組み込むために使用します。

表 6. Decision Server Events

コンポーネント 説明

Event Designer Event Designer は、イベント・アプリケーションの設計、開発、テスト、配布、保守、およびモニターに使用します。

Event Runtime Event Runtime は、アプリケーション開発時に定義されたリアルタイムのビジネス・イベント調整を管理します。 Event Runtime は、WebSphere Application Server に配布して構成することができます。

イベント・ウィジェット イベントの取り込みウィジェットおよびイベント再生ウィジェットは通常、テスト目的で(通常はテスト・システム上で) システムからイベントを取り込み、その 1 つ以上のイベントのシーケンスを再生しようとするビジネス・ユーザーが使用します。

イベント・テスター・ウィジェットは通常、ビジネス・プロセス内のイベント・ロジックをテストするビジネス・ユーザーが使用します。

Decision Server インストール済み環境の全体像を以下の図に示します。

38 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

Decision Center

コンポーネント 説明

Decision Center ポリシー管理者およびビジネス・ユーザー用のビジネス・ルール管理ツール・セット。Enterprise Console、Business Console、および共有リポジトリーを含みます。

Rule Solutions for Office Rule Solutions for Office は Microsoft Word

および Microsoft Excel のアドインを提供し、Microsoft Office を使用したビジネス・ルールの編成および管理を可能にします。

概要: Operational Decision Manager 39

コンポーネント 説明

Decision Center デフォルトでインストールされるもの:

v

イベント取り込みウィジェットおよびイベント再生ウィジェット

イベントの取り込みウィジェットおよびイベント再生ウィジェットは通常、テスト目的で (通常はテスト・システム上で) システムからイベントを取り込み、その 1 つ以上のイベントのシーケンスを再生しようとするビジネス・ユーザーが使用します。

v

イベント・テスター・ウィジェット

イベント・テスター・ウィジェットは通常、ビジネス・プロセス内のイベント・ロジックをテストするビジネス・ユーザーが使用します。

v

イベント・グラフ・マネージャー・ウィジェット、イベント・グラフ・ウィジェット、およびイベント・レイアウト・ウィジェット

これらのウィジェットは、イベント処理、アクション作成、イベント・ルール・グループ評価、数値フィールドの合計値および平均値など、システムのアクティビティーをリアルタイムで表示するグラフの作成および表示に使用されます。

v

イベント・ユーザー・コンソール

ユーザー・コンソールは、ヒューマン・アクティビティーをプロセス・フローに統合する機能を提供します。

Decision Center アプリケーション・サーバー・アーカイブ

サポートされる各アプリケーション・サーバー用の Decision Center Java EE 配布アーカイブ。

WebSphere Application Server 内以外のサポートされるアプリケーション・サーバーでDecision Center を構成する場合は、そのサポートされるアプリケーション・サーバーに応じたオプションを選択してください。

Decision Center インストール済み環境の全体像を以下の図に示します。

40 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

セキュリティー安全にアプリケーションを構成できるように、アプリケーション・サーバーは、リソースへのアクセスを検査し、アクセス権を管理します。

Operational Decision Manager は、連邦情報処理標準 (FIPS) 140-2 および National

Institute of Standards and Technology (NIST) Special Publications 800-131a セキュリティー標準サポートの認証を取得済みです。

FIPS 140-2 標準とは、重要であるが機密扱いでない情報を収集、保管、転送、共有、および配布する政府の各部門および規制対象業界で使用する暗号モジュールを認証するための情報技術テクノロジー・セキュリティー認証プログラムのことです。

NIST SP800-131A モード (遷移モードまたは厳密モード) で実行されるようにWebSphere Application Server V8.5 を構成するには、ページ『WebSphere

Application Server の SP800-131 標準 strict モード向けの構成』に移動してください。

アプリケーション・サーバーでセキュア・モードを構成することで、配布するアプリケーションのセキュリティーを向上させることができます。

セキュア・モードでは、アプリケーション・サーバーが次の処理を行います。

v リソースへのアクセスをチェックします。適切なセキュリティー権限がなければ、Java 反映機構を使用したクラスへはアクセスできません。

v アクセス権を管理します。Rule Execution Server コンソールのアクセスは、この機構で管理されます。

概要: Operational Decision Manager 41

デフォルトでは、Rule Execution Server は最小限のセキュリティーでインストールされます。 Rule Execution Server コンソール・アプリケーションは、resAdministrators、resDeployers、および resMonitors の 3 つの固有のロールを定義します。 これらのロールは、各種 JSP/サーブレットへのアクセスを管理します。

Rule Execution Server MBeans に固有のパーミッション実装はありません。 JMX

を使用して MBeans にアクセスするために必要なものは、正しい資格情報のみです。

Java 2 Security は、システム全体の整合性を向上させる、ポリシー・ベースの精巧なアクセス制御メカニズムを提供します。 Java 2 Security は、Java EE ロール・ベースの承認からは独立しています。 Java 2 Security は、グローバル・セキュリティーとは無関係に有効または無効にすることができます。ただし、アプリケーション・サーバーの中には、グローバル・セキュリティーが有効になると、Java 2

Security も有効になるものがあります。 Java 2 Security は、グローバル・セキュリティーが有効な場合でも、無効にすることができます。

注: Rule Execution Server のセキュリティー構成は、企業内のアプリケーション、ドメイン、またはサーバー・スコープのセキュリティー・ポリシーによって決まります。 適宜、Java EE アプリケーション・アーキテクトまたはシステム管理者とともに Rule Execution Server を呼び出すアプリケーションのセキュリティー設定を見直してください。

Decision Center および Rule Execution Server のインストールは、インストール設定ウィザードを使用して行います。 Decision Center の場合、インストール設定ウィザードにより、セキュリティー・アクセスをセットアップするときにアプリケーション・サーバーに正しいグループを作成することができます。 Rule Execution Server

の場合、インストール設定ウィザードにより、正しいタイプのデータベース・スキーマを作成することができます。

通信プロトコルRule Execution Server は、HTTP およびセキュアな HTTPS 通信プロトコルをサポートしています。 プロトコル・ファクトリーはカスタマイズできます。

Rule Execution Server との通信では、HTTP または HTTPS 通信プロトコルがサポートされます。 Rule Execution Server との通信は、Decision Center または Rule

Designer から行われます。

通信は、次の 2 とおりの方法でカスタマイズできます。

v セキュア・モードで信頼されない証明書をサポートする。

v カスタム・プロトコルをサポートする。

セキュア・モード

デフォルトでは、HTTPS は信頼できる証明書しかサポートしません。 そのため、Rule Execution Server とセキュア・モードで通信する場合、デフォルト JVM によって信頼されないデモ証明書を使用して接続することはできません。 信頼されないデモ証明書を使用して接続しようとすると、アプリケーション・サーバーで SSL ハ

42 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

ンドシェーク例外が発生します。 信頼されない証明書での通信を機能させるには、アプリケーション・サーバーの始動スクリプトに以下の Java システム・プロパティーを追加してください。

-Dilog.rules.res.allowSelfSignedCertificate=true

Ant タスクの場合に HTTPS で信頼されない自己署名証明書を許容するには、以下のように Java システム・プロパティー ilog.rules.res.allowSelfSignedCertificate をtrue に設定します。

<property name="ilog.rules.res.allowSelfSignedCertificate" value="true"/>

カスタム・プロトコル

以下のシステム・プロパティーを使用して特定のプロトコルのプロトコル・ファクトリーをカスタマイズすることができます。

v custom.protocol.factory: プロトコル・ファクトリーの完全修飾名。

v custom.protocol.scheme: プロトコル・ファクトリーをカスタマイズする対象のプロトコルの名前。

v custom.protocol.defaultPort: URL でポートが指定されていない場合にこのプロトコルで使用するデフォルト・ポート。

これらのシステム・プロパティーとプロトコル・ファクトリー・クラスorg.apache.commons.httpclient.protocol.ProtocolSocketFactory の実装をクラス・パスに指定して HTTP 通信を開始する JVM を起動する必要があります。

以下の条件が 2 つとも満たされる場合、custom.protocol.factory に指定したプロトコル・ファクトリーはインスタンス化され、登録されています。

v HTTP クライアントがインスタンス化されている。

v 通信に使用される URL 内のプロトコルが、プロパティー custom.protocol.scheme

の値と同じである。

プロトコルを実装するには以下の方法があります。

v 以下のシステム・プロパティーを指定して Ant タスクを実行する。

-Dcustom.protocol.factory=com.ilog.MyProtocolFactory-Dcustom.protocol.scheme=https -Dcustom.protocol.defaultPort=443

v 以下のプロパティーを build.xml ファイルに追加する。

<property name="custom.protocol.factory" value="com.ilog.MyProtocolFactory"/><property name="custom.protocol.scheme" value="https"/><property name="custom.protocol.defaultPort" value="443"/>

サード・パーティー製ツールおよび SAMOperational Decision Manager インストーラーは、オープン・ソースのサード・パーティー製ソフトウェアをインストールします。

サード・パーティー・ツールサード・パーティー製のオープン・ソース・ソフトウェア・ツールが Operational

Decision Manager に付属しています。

概要: Operational Decision Manager 43

オープン・ソース・ソフトウェア:

製品のユーザー・エクスペリエンスを向上させるために、Operational Decision

Manager には多くのサード・パーティー製オープン・ソース・ライブラリーおよびツールが組み込まれています。

v 『Eclipse』

v 『Apache Ant』

IBM では、このようなオープン・ソース・コミュニティーにおける業績や、オープン・ソースのパッケージを作成およびサポートしている多くの個人デベロッパーに、感謝の意を表します。

オープン・ソース・パッケージは、Operational Decision Manager を強化するために提供されています。 このようなパッケージは IBM ではサポートしておらず、IBM

はプロダクション環境でこれらを使用した際の適合性について表明しません。 サポート情報については、各パッケージのホーム・ページにアクセスし、関連するユーザー・コミュニティーを参照してください。

Eclipse:

この IDE のいずれのバージョンもまだインストールされていない場合は、オプションで Eclipse をインストールできます。

ユーザーの便宜を図るために、標準の Operational Decision Manager インストーラーには、オプションの環境として Eclipse が用意されています。 Operational

Decision Manager を使用したアプリケーション開発には Eclipse が必要ですが、既存の、互換性がある Eclipse バージョンに Operational Decision Manager をインストールすることもできます。 Operational Decision Manager を使用して開発するアプリケーションに Eclipse を組み込む必要はありません。 ただし、一部の機能を使用する場合は、最終的なアプリケーションに特定の Eclipse ライブラリーを組み込む必要がある場合があります。

Apache Ant:

Apache Ant は、事前構成されたビルド・スクリプトおよび配布スクリプトを提供するためにインストールされます。

Java ベースのビルド・ツール、Ant のバージョン 1.7.1 は <InstallDir>/shared/

tools/ant ディレクトリーに提供されています。

Ant の詳細については、http://ant.apache.org を参照してください。

Ant は、Operational Decision Manager インストールの一部としてインストールされます。事前構成されたビルド・スクリプトおよび配布スクリプトを提供します。これらのスクリプトは、Operational Decision Manager を統合したアプリケーションの開発に不可欠で、最終アプリケーションの要素として役に立ちます。 ただし、これらは Operational Decision Manager アプリケーションの必須要素ではありません。最終的なアプリケーションに Ant を組み込んでいなくても、Operational Decision

Manager を使用するアプリケーションでは、製品のすべての機能を完全に使用できます。

44 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

ソフトウェア資産管理システムソフトウェア資産管理 (SAM) は、ライセンス強化システムとしてインストールされます。

「ソフトウェア資産管理」について:

開発するビジネス・ルール・アプリケーションには、 sam.jar ファイルを組み込む必要があります。

ソフトウェア資産管理 (SAM) は、Operational Decision Manager のライセンス強化システムです。 SAM は sam.jar という名前の JAR ファイルの形式で提供されており、Operational Decision Manager で開発したビジネス・ルール・アプリケーションのクラスパスにこのファイルを含める必要があります。

sam.jar ファイルは特定の顧客用のファイルですが、その顧客に属している複数のマシン上で使用することができます。

注:

Operational Decision Manager 配布を通して、sam.jar ファイルの多くのコピーを持つことができます。任意の Operational Decision Manager モジュールを使用できるようにするためには、この SAM ファイルがモジュールのクラスパスで可視である必要があります。

SAM、ライセンス・ファイル、および製品インストーラー:

製品のインストール中に、インストーラーは、インストール中のモジュール用に購入したライセンスを含めるために sam.jar ファイルを作成または更新します。

ライセンスの詳細は、使用したインストーラー (評価版または正規版) とインストール時に使用したパスワードに基づいています。

v 以前にインストールしたモジュールに対して、例えば評価期間の延長など追加アクセス権を取得した場合、インストーラーを起動して新しい権限を使用してモジュールを再インストールする必要があります。

v 追加のモジュールに対するアクセス権が付与されている場合は、インストーラーを起動してそれらをインストールし、ファイル・ツリー全体のすべての SAM

JAR を更新して、新しいアクセス権 (通常は古いモジュールと新しいモジュールの SAM JAR に対するもの) を組み込む必要があります。 インストール済みのツリーを超えた追加アクセス権を (Eclipse またはアプリケーション・サーバー上で) 享受するには、更新されたツリーから再度配布する必要があります。

SAM ライセンスの可視化:

モジュールをインストールしたら、SAM ライセンスをそのモジュールのクラス・パスで可視にします。

このタスクについて

製品を使用できるようにするには、各モジュールの SAM ファイルでライセンス詳細を可視にしなければなりません。

概要: Operational Decision Manager 45

手順

ライセンスを可視にするには、次の手順に従います。

1. 使用するマシンにモジュールをインストールします。

インストーラーによってライセンス・ファイルがインストール・ファイルに追加されます。 ライセンス・ファイルは、sam.jar 内にあります。

2. この JAR ファイルを適切なクラスパス内に配置して、Operational Decision

Manager モジュールの実行時に JAR 内のライセンス・ファイルが可視になるようにしてください。

注:

classpath_*.xml ファイルを使用してクラスパスを設定する場合、ライセンス・ファイルは自動的に含められます。 classpath_*.xml ファイルは、対応するOperational Decision Manager コンポーネントの lib サブディレクトリー内にあります。

ライセンスとアーカイブのリパッケージ:

sam.jar ファイルを含むモジュール・アーカイブをリパッケージする場合は、このファイルもリパッケージする必要があります。

Decision Center のリパッケージについて詳しくは、アプリケーション・サーバーの構成および配布に関する資料を参照してください。

ライセンスと複数のルール・アプリケーション:

複数のビジネス・ルール・アプリケーションを開発する場合は、アプリケーションを実行するときにコンソール出力にメッセージが表示されます。その場合、各アプリケーションに対して SAM アプリケーション名を指定する必要があります。

対処法はアプリケーションに含まれるコンポーネントによって異なります。例えば、以下のような方法で SAM アプリケーション名を指定することができます。

v ルール・セット内のプロパティーで設定する (IlrPropertyNames インターフェースを参照してください)

v IlrRuleset.setApplication(java.lang.string) メソッドを使用する

v アプリケーションを開始するときに Java システム・プロパティーilog.sam.application を設定する

v Rule Execution Server コンソールでルール・セット・プロパティーilog.sam.application を使用する

アクセシビリティーアクセシビリティー機能により、運動障害や視覚障害など、身体に障害を持つユーザーが Operational Decision Manager を快適に使用できるようになります。

本製品は以下のアクセシビリティー機能をサポートしています。

キーボード・ショートカット

46 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

各種の Operational Decision Manager 環境およびその文書内を、キーボード・ショートカットを使用してナビゲートできます。 Eclipse や Microsoft

Office などのルール管理環境には、それぞれのアクセシビリティー機能に関する文書が用意されています。 また、キーボード・ショートカットに関するトピックは、Operational Decision Manager の文書にも記載されています。

拡大率

表示システムの設定を使用して、開発インターフェースおよびサポート文書を拡大できます。

スクリーン・リーダー

IBM Easy Web Browsing など、デジタル音声シンセサイザーを使用したスクリーン・リーダーを使用して、画面上の表示内容を聞き取ることができます。 この製品スイートおよびその文書でのこの支援技術の使用について詳しくは、ご使用の支援技術の文書を参照してください。

技術文書

IBM 製品のインフォメーション・センターでは、Web ブラウザーを使用してアクセス可能なブラウザー・ベースの環境を共有します。

キーボード・ショートカット

以下の表に、Operational Decision Manager のモジュールとそれらのキーボード・ショートカットに関するトピックをリストします。

製品モジュール キーボード・ショートカットのトピック

Rule Solutions for Office v ルール・フロー・エディターのキーボード・ショートカット

v ルール・エディターのキーボード・ショートカット

Decision Center v ビジネス・ルール: ユーザー・オプション

v イベント・ルール: ユーザー・オプション

Decision Server Events v アクセシビリティー

関連概念:

『インフォメーション・センターのアクセシビリティー機能』アクセシビリティー機能は、運動障害や視覚障害など、身体に障害を持つユーザーが情報技術製品を問題なく使用できるようにサポートします。

インフォメーション・センターのアクセシビリティー機能アクセシビリティー機能は、運動障害や視覚障害など、身体に障害を持つユーザーが情報技術製品を問題なく使用できるようにサポートします。

本製品の主要なアクセシビリティー機能を使用して、以下の操作を行えます。

概要: Operational Decision Manager 47

v スクリーン・リーダー・ソフトウェアやデジタル・スピーチ・シンセサイザーなどの支援テクノロジーを使用して、画面上に表示された内容を使用します。本製品でこれらのテクノロジーを使用する方法について詳しくは、支援テクノロジーの製品資料を参照してください。

v キーボードのみを使用して、特定の機能やキーボード以外の機能を使用した場合と同等の機能を操作します。インフォメーション・センターをナビゲートするには、キーボードで以下のキーの組み合わせを使用します。

– 右側の「トピック」ペインに直接移動するには、Alt + K を押し、その後 Tabを押します。

– 「トピック」ペインでリンク間を移動するには、Tab を押します。

– 内容 (ナビゲーション) ビューに移動するには、以下のいずれかの操作を行います。

- Microsoft Internet Explorer の場合には、Alt+C を押してから、Enter または上矢印を押します。

- Firefox の場合には、Alt + C を押します。

– 「検索結果」ビューに移動するには、以下のいずれかの操作を行います。

- Microsoft Internet Explorer の場合には、Alt+R を押してから、Enter または上矢印を押します。

- Firefox の場合には、Alt + R を押します。

– ナビゲーション・ツリーでノードを展開または省略するには、右または左の矢印を押します。

– 次のトピック・ノードに移動するには、下矢印または Tab を押します。

– 前のトピック・ノードに移動するには、上矢印または Shift + Tab を押します。

– いずれかのビューの内部から次のリンク、ボタン、またはトピック・ノードに移動するには、Tab を押します。

– ペインの先頭または末尾にスクロールするには、Home または End を押します。

– 前のトピックに移動するには Alt + 左矢印を押し、次のトピックに移動するには Alt + 右矢印を押します。

– 次のペインに移動するには、F6 を押します。

– 前のペインに移動するには、Shift + F6 を押します。

– アクティブなペインを印刷するには、Ctrl + P を押します。

– 「クイック・メニューを開く」を使用してトピックおよびそのサブトピックを検索または印刷するには、以下の手順に従います。

- メニューを開くには、内容 (ナビゲーション) ビューのトピックで Alt +M を押します。

- メニュー上の前の項目に移動するには、上矢印を押します。

- メニュー上の次の項目に移動するには、下矢印を押します。

- メニュー上の項目を選択するには、その項目に移動し、Enter を押します。

- メニューを閉じるには、Esc を押します。

48 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

– 画面に表示された内容を拡大できます。文字サイズの変更方法について詳しくは、ご使用の Web ブラウザーの資料を参照してください。

インフォメーション・センターの資料には、アクセシビリティーを補助する以下の追加機能が含まれています。

v ユーザーがスクリーン・リーダー・ソフトウェア・テクノロジーを利用できるように HTML 形式で資料が提供されています。

v 視覚に障害のあるユーザーが画像の内容を確認できるよう、資料内の各画像には代替テキストが提供されています。

概要: Operational Decision Manager 49

50 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

特記事項

本書は米国 IBM が提供する製品およびサービスについて作成したものです。

本書に記載の製品、サービス、または機能が日本においては提供されていない場合があります。 日本で利用可能な製品、サービス、および機能については、日本IBM の営業担当員にお尋ねください。 本書で IBM 製品、プログラム、またはサービスに言及していても、その IBM 製品、プログラム、またはサービスのみが使用可能であることを意味するものではありません。 これらに代えて、IBM の知的所有権を侵害することのない、機能的に同等の製品、プログラム、またはサービスを使用することができます。 ただし、IBM 以外の製品とプログラムの操作またはサービスの評価および検証は、お客様の責任で行っていただきます。

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〒103-8510

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Mail Point 151,

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Winchester,

Hampshire,

England SO21 2JN

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IBM 以外の製品に関する情報は、その製品の供給者、出版物、もしくはその他の公に利用可能なソースから入手したものです。 IBM は、それらの製品のテストは行っておりません。したがって、他社製品に関する実行性、互換性、またはその他の要求については確証できません。 IBM 以外の製品の性能に関する質問は、それらの製品の供給者にお願いします。

本書には、日常の業務処理で用いられるデータや報告書の例が含まれています。 より具体性を与えるために、それらの例には、個人、企業、ブランド、あるいは製品などの名前が含まれている場合があります。 これらの名称はすべて架空のものであり、名称や住所が類似する企業が実在しているとしても、それは偶然にすぎません。

著作権使用許諾:

本書には、さまざまなオペレーティング・プラットフォームでのプログラミング手法を例示するサンプル・アプリケーション・プログラムがソース言語で掲載されています。 お客様は、サンプル・プログラムが書かれているオペレーティング・プラットフォームのアプリケーション・プログラミング・インターフェースに準拠したアプリケーション・プログラムの開発、使用、販売、配布を目的として、いかなる形式においても、IBM に対価を支払うことなくこれを複製し、改変し、配布することができます。 このサンプル・プログラムは、あらゆる条件下における完全なテストを経ていません。 したがって IBM は、これらのサンプル・プログラムについて信頼性、利便性もしくは機能性があることをほのめかしたり、保証することはでき

52 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

ません。これらのサンプル・プログラムは特定物として現存するままの状態で提供されるものであり、いかなる保証も提供されません。 IBM は、お客様の当該サンプル・プログラムの使用から生ずるいかなる損害に対しても一切の責任を負いません。

それぞれの複製物、サンプル・プログラムのいかなる部分、またはすべての派生的創作物にも、次のように、著作権表示を入れていただく必要があります。

© (お客様の会社名) (西暦年). このコードの一部は、IBM Corp. のサンプル・プログラムから取られています。 © Copyright IBM Corp. _年を入れる_.

商標IBM、IBM ロゴおよび ibm.com は、世界の多くの国で登録された International

Business Machines Corporation の商標です。 他の製品名およびサービス名等は、それぞれ IBM または各社の商標である場合があります。 現時点での IBM の商標リストについては、http://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml」をご覧ください。

Linux は、Linus Torvalds の米国およびその他の国における商標です。

Microsoft、Windows、および Windows ロゴは、Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標です。

UNIX は The Open Group の米国およびその他の国における登録商標です。

Java およびすべての Java 関連の商標およびロゴは Oracle やその関連会社の米国およびその他の国における商標または登録商標です。

特記事項 53

54 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

索引日本語, 数字, 英字, 特殊文字の順に配列されています。なお, 濁音と半濁音は清音と同等に扱われています。

[ア行]アーカイブリパッケージのライセンス面 46

アーキテクトロール 16, 21, 27

アクセシビリティー身体障害キーボード・ショートカット 46

意思決定管理アクティビティー 16

アプリケーションからの分離 11

ビジネス・ユーザーの 29

ロール 16

意思決定管理戦略選択 13

ビジネス・イベント処理 13

ビジネス・ルール管理 13

イベント・ルール・アプリケーション 16

開発 27

統合 27

オープン・ソース・ソフトウェア 44

[カ行]開発者ロール 16, 21, 27

カスタマイズ通信プロトコル 42

ガバナンス 29

ルール検証 29

管理者ロール 16, 21, 27, 29

検証する意思決定 29

コンポーネントのインストール概要 35

[サ行]シナリオ 29

シミュレーション 29

新規フィーチャー概要 1, 2, 6

セキュア・モード通信プロトコル 42

セキュリティーインストール時の アーカイブ配布 41

ソフトウェア資産管理 (SAM)

ライセンス強化システム 45

[タ行]通信プロトコルカスタマイズ 42

セキュア・モード 42

同期化ビジネス・サイクルと IT サイクル

11

[ハ行]ビジネスの俊敏性 11

ビジネス・アナリストロール 16, 21, 27, 29

ビジネス・イベント処理 11, 13

イベント・パターン検出の表現としての 11

ビジネス・サイクルと IT サイクル同期化 11

ビジネス・ユーザー 29

イベント・ルールの管理 29

ビジネス・ルールの管理 29

ビジネス・ユーザーの意思決定管理 16

ビジネス・ルール管理 11, 13, 29

業務ポリシーの表現としての 11

ビジネス・ルール・アプリケーション 16

開発 21, 25

統合 21, 25

ライセンス 45

COBOL データに基づく 21

Java または XML データに基づく 21

.NET データに基づく 21, 25

ポリシー管理者ロール 16, 29

[ラ行]ライセンスソフトウェア資産管理 45

ルール作成者ロール 16, 29

連邦情報処理標準 FIPS 41

ロールアーキテクト 16

開発者 16

管理者 16

ビジネス・アナリスト 16

ポリシー管理者 16

ルール作成者 16

EEclipse

インストール・オプションとして 44

MMicrosoft Excel

ビジネス・ルールの作成 29

Microsoft Word

ビジネス・ルールの作成 29

SSAM

参照: ソフトウェア資産管理 (SAM)

© Copyright IBM Corp. 2008, 2013 55

56 IBM Operational Decision Manager: 概要: Operational Decision Manager 製品ファミリー

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