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8 自分らしく尊厳をもって 地域で生を全うできる社会をめざして 代 表 植本 眞砂子 この度、18年間代表を務めてくださった小林敏子さんの後の 4 代目の代表をさせ ていただきます。私は 27 年前の会発足時からの会員ですが、介護や医療の専門家では ありません。母と妹の介護当事者で、自身が高齢者です。市民の目線で、地域の声・課題を掘り 起こし、性別・年代に関わりなく、自分らしく尊厳をもって地域で生を全うできる社会をめざし て、会員の皆様と共に手を携え進んでいきたいと思っております。 今年は、介護保険法施行 20 年の節目の年です。変容している介護保険制度を持続可能なものに するための議論を始めた矢先の「新型コロナウィルスの蔓延」で、私たちの生活は一変しました。 特に、最前線で苦労されている医療・介護現場の人材不足、「コロナ感染者」と医療・介護職への 人権侵害、訪問介護・在宅介護の困難性、ケアラーの問題、医療と介護の連携など、従来からの 多くの課題が顕在化し、危機的状況です。営業自粛・休業による非正規雇用の方々の失業問題は、 女性の貧困問題、高齢者の貧困問題としての課題です。 また、コロナ感染者の看取りと葬儀の問題は、私たちの死生観を揺るがしました。 この間の会員の皆様のご経験を持ち寄っていただき、問題を整理し、経験をお互いの生活に活 かしつつ、それぞれの地域や自治体に働きかけてまいりましょう。 皆様の引き続きのご支援・ご協力、活動への参画をよろしくお願いします。 自分らしく尊厳をもって地域で生を全うできる社会をめざして ················· 1 総会報告、新役員紹介 ································· 2~3 新型コロナウイルス禍で想うこと…募集! ·························· 3 wabas 大阪のさらなる発展を願って!、新しい運営委員さんで~す! ··········· 4~5 浜田きよ子さん講演会「ご存知ですか?今どきの“むつき”のこと」 ············ 6~7 結城康博さんとの意見交換会「コロナ禍と介護、暮らし」 ················· 8~9 研究会だより(介護問題研究会、認知症勉強会、シニアライフ・サポート倶楽部) ····· 10~11 運営委員会だより ···································· 11 インフォメーション ··································· 12

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8

自分らしく尊厳をもって

地域で生を全うできる社会をめざして

代 表 植本 眞砂子

この度、18年間代表を務めてくださった小林敏子さんの後の 4代目の代表をさせ

ていただきます。私は 27年前の会発足時からの会員ですが、介護や医療の専門家では

ありません。母と妹の介護当事者で、自身が高齢者です。市民の目線で、地域の声・課題を掘り

起こし、性別・年代に関わりなく、自分らしく尊厳をもって地域で生を全うできる社会をめざし

て、会員の皆様と共に手を携え進んでいきたいと思っております。

今年は、介護保険法施行 20年の節目の年です。変容している介護保険制度を持続可能なものに

するための議論を始めた矢先の「新型コロナウィルスの蔓延」で、私たちの生活は一変しました。

特に、最前線で苦労されている医療・介護現場の人材不足、「コロナ感染者」と医療・介護職への

人権侵害、訪問介護・在宅介護の困難性、ケアラーの問題、医療と介護の連携など、従来からの

多くの課題が顕在化し、危機的状況です。営業自粛・休業による非正規雇用の方々の失業問題は、

女性の貧困問題、高齢者の貧困問題としての課題です。

また、コロナ感染者の看取りと葬儀の問題は、私たちの死生観を揺るがしました。

この間の会員の皆様のご経験を持ち寄っていただき、問題を整理し、経験をお互いの生活に活

かしつつ、それぞれの地域や自治体に働きかけてまいりましょう。

皆様の引き続きのご支援・ご協力、活動への参画をよろしくお願いします。

目 次

自分らしく尊厳をもって地域で生を全うできる社会をめざして ················· 1

総会報告、新役員紹介 ································· 2~3

新型コロナウイルス禍で想うこと…募集! ·························· 3

wabas大阪のさらなる発展を願って!、新しい運営委員さんで~す! ··········· 4~5

浜田きよ子さん講演会「ご存知ですか?今どきの“むつき”のこと」 ············ 6~7

結城康博さんとの意見交換会「コロナ禍と介護、暮らし」 ················· 8~9

研究会だより(介護問題研究会、認知症勉強会、シニアライフ・サポート倶楽部) ····· 10~11

運営委員会だより ···································· 11

インフォメーション ··································· 12

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第 107号 2020年 7月 22日発行

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- 2 -

1月に国内初の新型コロナウイルス感染者が確認され、パンデミックに至る感染拡大で、4月 7

日には緊急事態宣言が発出されるなど、緊迫した状況が続きました。大阪は 5月 21日に、宣言は

解除されましたが、当会の集会型の活動は 3 月末から休止状態でした。そこで今年は集まっての

定時総会開催を断念し、会員の皆さまに「総会議案書」をお送りし、その返信の「書面議決書(ハ

ガキ)」での決議となりました。

2020年 4月 1日時点での会員数は 128名、事務局に届いた書面議決書は 80通(内 3名が 3/31

で退会)で、77 通は全ての議案を承認。会則第 18 条第 1 項 決議に必要な会員の 1/3 を満たし

ているので、第 1号議案から第 6号議案の全ての議案は承認されました。

◆2020年度 活動テーマ:「人生 100年時代~これからのわたしの暮らし~」

日本は多くの国民の個々の努力に加えて、医療保険の充実や医療技術の発展により、世界で

もトップクラスの長寿国となり、「人生 100年時代」と言われるようになりました。

しかし、90 歳を超えて生存可能であっても、女性では 70~80%は要介護状態、男性は 50~

70%弱が要介護状態になると言われています。介護保険が実施されてから今年はちょうど 20

年、社会的な介護の手が必要とされているところに十分に届き、医療と介護の連携により地域

で生が全うできる社会を私たちは求めています。

今、少子化・晩婚化・晩産化が進み、社会保障の担い手は減少しています。一方、この 1 月

から始まった新型コロナウィルス感染の猛威は、医療・介護の現場への大きな影響とともに今

後の経済事情の急激な悪化が予測されます。今後、財政事情を前面に出した医療・介護サービ

スの見直しは、今以上に厳しいものが予想されます。

当会では、こうした社会情勢のもと、超高齢期を迎えても性別にかかわりなく、自分らしく

生を全うできる住みやすい社会の構築をめざして、会員対象の勉強会や、公開セミナー、アン

ケート調査、政策提言などの活動を続けてまいります。

引き続き、当会の活動にご協力ご参加をどうぞよろしくお願いいたします。

◆2020年度 活動計画(社会情勢に応じて、これら活動の一部変更があるかもしれません)

1.総会(年1回)、運営委員会(月1回、必要に応じて随時)

2.活動テーマに沿った講演、シンポジウム、セミナー等(年4回程度)

第1回 10月 17日(土)講演会「認知症・・・医師と介護者の立場から」松本一生さん

第2回 11月 14日(土)講演会「人生 100年時代 自分らしく 地域で生を全うする」

~「ホームホスピス」ってどんなの?~

NPO法人ホームホスピスふさの家代表 東田 敦子さん

NPO法人ホームホスピス 風の栞代表 松澤 ミサホさん

第3回 医療と介護のこと(予定)

第4回 未定(会員交流会など、会員の皆さまからのリクエストにお応えする)

3.研究会(会員対象に暮らしに役立つ学習会や交流会を開催)

4.講師派遣(介護保険基礎講座をはじめ、要請に応じて地域・団体等に出向く)

2020年度 定時総会報告

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2020年 7月 22日発行 第 107号

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- 3 -

5.広報活動 会報年4回発行、ホームページ運営、リーフレットの活用

6.外部活動 他団体との連携や活動など、介護保険や介護労働関連事業者などとのネットワ

ークを生かした活動

◆2020年度役員(2020年 4月~2022年 3月 ※下線は新役員)

代 表 : 植本 眞砂子

副 代 表 : 古田 洋子 吉年 千寿子

事 務 局 長 : 田代 眞朱子

会 計 : 津山 好子 山中 理恵子

各 部 代 表 : 大平 喜代江 松浦 惠子

会 計 監 査 : 荒木 美子 小林 昌子

◆新役員(編集部紹介)

副代表:吉年千寿子さん(広報部)

1998年に入会後、ヘルパーの労働環境に関心を抱き、当時の「介護労働研究会」に

所属。2005 年から運営委員。現在は「介護問題研究会」の座長。これまでに出前

講座やホットライン、各種アンケート調査プロジェクトに関わり、また無所属市

民派として市議会議員を務め 6 期目になる。最近話題の手作りマスクやエコたわ

しの作成など幅広く活動を続けられている。

会計:津山好子さん(総務部)

2001年に入会、翌年には当時の企画部として運営委員に。この数年間は在職でお

母さまの介護を果たし看取られた。その間もリーフレット作成プロジェクト長を

務めるなど活発に活動。最近定年退職され、「死するのは本人一人、人生最終章の

過ごし方及び看取りのありかた」などをテーマに、地域での研修会に参加する取

り組みも始められた。

会計:山中理恵子さん(総務部)

3 年前に 95 歳のお母さまを亡くされ、「人生 100 年時代」を実感。定年退職後大

学に通ったり、趣味の会に入ったり、「どのように人生を終うのか」をより意識す

るようになったとのこと。堤修三さん著『社会保険の政策原理』の介護保険の章

を読み解く勉強会ではファシリテーターを務められた。趣味は読書、散歩、お母

さま伝授の編み物を楽しまれる。

今も感染者数に一喜一憂する毎日で、未だ確かな収束の兆しが見えませんが、コロナ自粛下での

皆さまの暮らしはどのように変化し、どのような想いを持たれたのでしょう。またこの間、在宅で

の介護や介護現場、医療現場はどうだったのでしょう。私たち、介護者、要介護者、ケアワーカー、

医療従事者など、それぞれの立場で感じられたこと、考えられたことを同封の用紙に記しお寄せく

ださい。非日常の中で少しずつ日常を取り戻しつつありますが、この体験を記録し、共有すること

は今後の私たちの生活、社会を考えるうえで大変重要なことだと思います。

締め切りは 8月 15日です。ご投稿をお待ちしています。

新型コロナウイルス禍で想うこと…募集!

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第 107 号 2020 年 7 月 22 日発行

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- 4 -

植本新代表(左)より「目録」を贈呈される小林敏子前代表

「wabas 大阪」のさらなる発展を願って!

小林 敏子

2001年春、竹中恵美子代表より、引継がせて

いただいた責務を辞し、この度、植本眞砂子新

代表にバトンをお渡ししました。この 18年間、

会員の皆様には運営委員の方々を中心に多彩

な活動を実行され、多くの勉強をさせていただ

きました事に心より感謝いたしております。

時代は少しずつ変化し、平均寿命も女性:87.32

歳、男性:81.25歳(2019年)と世界でも最高

レベルとなり、超高齢社会を迎えることとなりました。一方、医療や生活支援・介護を必要とす

る人も多くなってきております。今までには考えられなかったほど長期となった高齢期を安心し

て豊かに過ごせる社会をめざして、私達は話し合い、種々の講演会、勉強会や調査活動などを行

って参りました。今後もこれらの活動が活発に続けられること、健やかな日々が過ごせる住みや

すい社会でありますことを祈っております。長い間お世話になりまして有難う

ございました。この会のさらなる発展を願い、ともに活動を続けてまいり

たいと思います。

母を 86歳で、父を 99歳で見送りました。両親ともに認知症を患い、母は心の病

と重なって心の平安を保ちがたくなり、また通所介護や居宅介護を拒否。一方、父

は奔放な性格で、群がる人たちに惜しみなく金品をふるまい、挙句に父の債務を私

が肩代わりする羽目に。意を決して成年後見人になったものの、自分の年金が自由

にならないと嘆く父が切なくて、複雑な思いに苛まれました。療養病院の現実、ホスピスで救わ

れたことなど、さまざまな経験を、現在4期目の市議として施策提案に活かしています。

その他、「平和・人権・環境」を守る活動に携わりながら、女性の視点で時代を読み解くフェミ

ジャーナルの運営委員を担っています。政治や社会の課題に取り組みつつ、DV被害者やシング

ルマザー支援をはじめ、一人ひとりの暮らしや困りごとに寄り添い活動しています。また多様な

障害者市民との交流、精神保健福祉ボランティアや、原発被災者(児)への保養キャンプ、地域

の子ども食堂の取り組みを大切にしています。これからどうぞよろしくお願いいたします。

中西智子さん

コロナ禍で定時総会が開催できず、長い間代表を務めてくださった小林敏子前代

表に、会員の皆さまと一緒にお礼や労いの言葉をお伝えする機会がないまま過ぎて

いました。3月 3日から閉館(一部→全館)していたドーンセンターが 3カ月ぶりに開館し、当会

も活動を再開しました。今年度初めて集会型で開催した運営委員会(6/13)で、プリザーブドフラ

ワー(右上)と、運営委員がそれぞれの思いを籠めた「寄せ書き」を小林先生にお渡しして、感謝の

気持ちをお伝えしました。雨模様で足元が悪いこともあり、お花は当日ご自宅に届くように手配を

し、植本新代表から「目録」を手渡し、「長い間有難うございました」・「これからのこと、よろし

くお願いしますね」と新旧代表のバトンが引き継がれました。 (事務局)

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2020 年 7 月 22 日発行 第 107 号

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元小学校教員です。退職後、生野区コリアタウンの近くに「まちの拠り所~Yosuga

~」というスペースを開設し「頼る縁(よすが)もあるかもよ」「ここにくれば

なんとかなるかもよ」を掲げ、誰もが安心して豊かに暮らせるまちづくりをめざ

し、主に、子どもたちへの支援活動(子ども食堂・弁当)や映画上映会、学習会

などの文化発信をゆるゆるぼちぼち行っています。また、生野のよりよい町づく

りをめざす地域の方たちとも出会いました。

生野区の空き家活性化事業の第4事例としてインタビュー動画がユーチュー

ブで紹介されました。一般社団法人ひとことつむぐ(まちの拠り所~Yosuga ~)の HP もあるの

で、よかったら、ご覧下さい。 https://www.hitokoto-yosuga.space

当会とのご縁は、現職の時に知り合った役員の方に「退職したら入会します」とお約束してい

たからですが・・・現在、要介護5の 93歳の父と暮らしています。まさに、介護のど真ん中にい

て、疑問や矛盾もたくさん生じてきました。また、Yosugaでの活動を通して感じている「ヤング

ケアラー」の問題が気になっています。まずは、しっかり勉強しなくては!と思い、運営委員に

なりました。どうぞよろしくお願いします。

保健師として、市の保健センターに勤務しておりました。その後従事した大阪府

国保連合会での介護保険サービスの内容に関する苦情相談対応では、小林敏子先

生に委員としてご指導をいただきお世話になりました。現在は、保健師を養成す

る教育に携わっております。学内の新型コロナウイルス対策の厳守に疲弊しなが

ら、病院看護師や行政保健師としてコロナ対策の最前線で勤務している教え子たち

の激務を危惧し、一日でも早いコロナ収束を祈る毎日です。

当会との関わりは、2017年「介護問題ホットライン」のボランティア、2018年

の「介護と人権の協同調査・研究事業」への参加からです。その際に役員の方から入会のお誘い

をいただきました。私自身は、母が認知症を発症して一人暮らしが困難になり、介護保険サービ

スを利用するようになるまで、制度は知っているものの、現場を知らない状態でした。

今後は、皆様とご一緒に学習し、先輩方の柔軟な思考についていけるよう、また、高齢社会に

貢献できるよう努めていきたいと思っております。若輩者ですが、よろしくお願いいたします。

中村晶子さん

足立須香さん

■お詫びして訂正

会報第 106号「院内集会」報告記事で以下の誤りを訂正させていただきます。

下線部分が正しい発言内容です。

・8 頁(左)14 行目の袖井孝子さんの発言は「応能負担」ではなく、正しくは「応益負担」でした。

・9 頁(左)7 行目、沖藤典子さんの発言は、

「介護保険は社会保障であって福祉ではない」は「介護保険は社会保障であって社会福祉である」

「当初からの生活援助はずし論が自立支援促進に…反故に」は「身体介護が増えた。自立支援という

ことだが、生活援助の削減をすすめて、身体介護に誘導するのではないか」

発言者の意図とは異なる文言を掲載してしまいました。訂正して心よりお詫び申し上げます。

会報編集委員はこの過ちを肝に銘じ、今後の編集作業に精進いたします。

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第107号 2020年 7月 22日発行

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ご存知ですか?

今どきの“むつき”のこと ~いずれ来るその時を快適に~

より良い排泄ケアは暮らしを変える――排泄ケアは尊厳にかかわるものであり、だからこそ生

きる意欲を左右するものです。そのためにはまず、トラブルの原因をしっかり探ることから始ま

る――介護の原点から考えていきましょうと、丁寧な説明が始まりました。

◆いろいろな相談

京都の「むつき庵」にはいろいろな方が相談

に来られます。寝たきりになっておむつをし、

尿漏れすることもあり、「トイレに行きたい」

という訴えが頻繁にあると家族から相談があ

ります。このお年寄りはどんな状態で寝ている

のか、食事は?身体機能は?認知症は?…。

様々な尿トラブルとみられる現象を前にし

たとき、まず、なぜそのようなことになったの

かをしっかり分析し、きちんと見ていくこと、

すなわち「アセスメントをする」ことが重要と

のこと。きちんと聞き取ると排泄困難になって

いる原因や、大きな病気が見つかることもあり、

まずしっかりした観察、聞き取りが必要だと言

われます。

◆環境を整え、おむつを見直す

おむつをしていたお年寄りの生活環境を見

直し、歩きにくかったおむつの当て方を改善す

ることで、ポータブルから自分でトイレに行く

ことができるようになった事例。また家の改装

でトイレが以前とは違うところに移り、トイレ

が分からなくなったとか、今まではいていたパ

ンツと違う紙パンツに戸惑っているのかもし

れないなど、排泄習慣は体が覚えていて、些細

なことが排泄困難を引き起こしていることが

ある。丁寧な聞き取りから排泄がうまくいくと、

暮らし全体が変わってきたことなど、困難とな

る原因をひとつずつ解決していくことで、生活

全般の改善につながることができた、という事

例を紹介されました。

講 師 : 浜田きよ子さん (高齢生活研究所所長、「むつき庵」代表)

と き:7 月 1 日(水)13 時 30 分~16 時 ところ:ドーンセンター 4 階中会議室

現象 尿が出にくい、尿閉、頻尿、尿漏れ

身体疾患の影響 前立腺肥大症

神経因性膀胱

感染症…

食事・水分の

影響 偏った食事

水分摂取量…

薬剤の影響 抗コリン薬(排出障害)

向精神薬…

認知機能

トイレ習慣の影響

身体機能の影響

トイレ環境

そのために現状の把握が必要

おむつ使用がもたらす問題点

①皮膚トラブル、褥そうリスク

②姿勢への影響

(座位姿勢の崩れなど)

③動きにくいこと

(寝返り・立位・座位)

④臭い

⑤後始末(ごみの処理)

✱当日のレジュメよりwabas大阪作成

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2020年 7月 22日発行 第 107号

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◆正常な排尿、排便について

健康な大人は一日 1,000ml~2,000ml の尿量

があり、1回に 150~500mlの排尿量があります。

必要な水分は 1,300~2,000ml 前後でお茶やコ

ーヒーなどの飲み物からだけでなく食事からも

摂っています。

便意は食後に起こりやすい。便意があるのに

トイレに行く時間がなく我慢すると便秘になっ

てしまうなど体験も含めてお話しされました。

排尿、排便のメカニズム、体の仕組みだけで

なく、食事、水分摂取と排泄との関係や、トイ

レ環境など幅広く排泄についての説明が続きま

した。排泄補助具(姿勢保持のため)や、尿量を

図る器具、陰部洗浄の説明、褥瘡についてなど

多くの事例をお聞きしました。

◆具体的にパッド、紙パンツ、紙おむつの見本で

正しい使い方をするにはその方の排泄習慣

を把握し、漏れないようにする工夫や、基礎知

識が必要と強調され、特にパッドの重ね使いは

かえって漏れてしまうとのこと。その理由につ

いてサイズ、尿量とパッドの選択間違い、当て

方など丁寧に説明されました。おむつが影響す

る生活上での問題点(歩きにくさ、臭い、ごみ)

などにも話が広がりました。

パッドにペットボトルの 20CC のお茶をしみ

こませ、会場の参加者に回し、どんな状況にな

るか(凝固剤で硬くなっている)を実際に見せ

ていただき、重さやパッドの状態について理解

できました。

【会場からの質問に答えて】

Q.若いころ痔になった経験があり、石鹸やウ

オシュレットも使いすぎるな、と言われた

が、陰部洗浄には石鹸は使わないほうがい

いのでは?

A.確かにウォッシュレットの使い過ぎはよ

くないのです。ただおむつ交換時に肛門周

辺が汚れていれば石鹸を泡立てて使いま

す。便には雑菌が含まれているからです。

その後は多量のぬるま湯で洗い流すこと

や、保湿などのスキンケアも必要です。

Q.グループホームで大吸収のパッドを使用し

ている。夜中に起こさなくて済むから、と

いう理由で。どう考えたらいいのか?

A.眠りの深さは人によって異なります。その

ため「起こさない」と一律に決めるのでは

なく、個別にその人の眠りや排泄の状態に

より判断するのがよいと思います。

Q. グループホームでは、布パンツだけ・布パ

ンツにパッド・紙パンツにパッドの三通り

の利用があるが、その人に合わせた個別ケ

アではなく一律にしている。紙パンツ代が

高い、と家族が訴える。「おむつ外し」が

掛け声だけになっているのではないか。

A.「おむつ外し」はよいケアの結果です。そ

の人に合わせた排泄介助が必要。適切なも

のを選び、アセスメントのうえで、その人

に合った対応をすればおむつも外れ、経費

節約もでき自立支援につながるはず。

✤おむつフィッター研修、おむつ検定

最後に「むつき庵」で 16 年以上続いている

「おむつフィッター研修」の紹介がされました。

当会会員が受けた「おむつフィッター研修」で

一番印象に残ったのは、受講者が実際に紙おむ

つを当て、その中に排尿し、計量することを経

験するという課題だったとのこと。紙おむつに

はなかなか排尿できず、我慢できなくなったと

きに洋式トイレに紙おむつのまま座って、やっ

と出たということです。私も 20 年ほど前にヘ

ルパー養成研修を受けたとき同じ経験をした

ことを思い出しました。

尿意のある認知症のお年寄りに「おむつして

いるから…」、とか「紙パンツにしたら?」と

いうのは人間の尊厳を損なうひどい行為だと

いうことを肝に銘じなければ、と思いました。

食べることと同じくらい人間にとって大切

な排泄の問題。気持ちよく暮らすには気持ちよ

く出すことができる。健康な暮らしを維持でき、

生きる意欲をも左右するという、排泄問題。介

護の基本を改めて考えるよい機会でした。

(小堀 直子)

様々なケース、用途に合わせたパッドの材質や形が紹介さ

れ、その多さに驚くと同時に、質問に丁寧に答えて下さり

「ケアの大前提は本人が主体」を実感

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第 107号 2020年 7月 22日発行

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- 8 -

研究会メンバー対象 合同勉強会(介護問題研究会主催)

とき:2020年 7 月 9日(木)10時~12 時 ところ:ドーンセンター 中会議室

問題提起:結城 康博さん(淑徳大学社会福祉学部教授)

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言とその解除後も、介護に

関わる現場は感染防止のために非日常的な対応を迫られ、衛生用品などの機

器・機材の不足と人材不足の中で懸命の努力を続けておられます。

その間の私たちの暮らしも、外出自粛要請により家への閉じこもりを余儀

なくされ、楽しみごとや友人とのおしゃべりも憚られて、これまでとはあまり

に違った日々に、募る不安と戸惑いの数か月を過ごしてきました。介護現場の状況に詳し

い結城康博さんからお話を聞き、意見交換しました。

<コロナ禍での介護現場へのタイムリーな調

査を報告>

結城康博さんは、5 月上旬にインターネッ

ト等を活用して介護従事者への「在宅介護現

場における介護従事者の意識調査」を行い、

503 名からの回答を得て、21 日に報道関係者

と関連団体へ報告されました。

◆介護サービスが休止しているものは

複数回答において最も多い回答が「そもそ

も休止していない」が 41.9%。次いで「デイ

サービス」34.0%、「休止はしていないが事業

所側からサービスを減らして欲しいとの要望

がある」が 30.6%。

「 ショートステイ」は 17.9 %。ヘルパー

(訪問介護)は 4.8%と少ない割合であった。

◆介護事業所で、1 か月前と比べて衛生用品

(マスク、消毒液など)の過不足については

「足りていない」35.0%、「あまり

足りていない」29.0%となってお

り、約 6 割強が足りていないと回

答し、不足しているといった認識である。

◆介護従事者の求める最優先施策は

1 つ選ぶとしたら、「介護スタッフなどの

特別支給の助成金」24.3%、「介護報酬アップ」

23.1%となっている。

令和 2 年度第 2次補正予算で 4,132 億円が

計上され、介護従事者に対して「慰労金」と

して一律 5 万円、新型コロナウイルス感染症

が発生又は濃厚接触者に対応した施設・事業

所において 20 万円が支給されることになっ

た。これは、今回の調査での介護従事者の要

望とも合致するものであるが、全額国庫負担

の助成金であるにも関わらず、申請窓口が都

道府県であるため、兵庫県のように知事が申

請しないと決定すれば、県内の介護事業所に

は交付されないことになる。(7月 9日時点※1)

感染防止に懸命に努めてクラスターを出さ

なかった事業所こそ評価するべきなのに、助

成金が交付されないのは理不尽なことである。

このような地方分権のあり方は、福祉施策

とは馴染まない。

今回のコロナ関連の財政措置は、介護保険

20 年の歴史上最高であり、単年度ベースで

3.7%の介護報酬アップに匹敵するものであ

る。このコロナ禍によって介護事業所の力が

弱っている今、さらなる臨時の介護報酬引き

上げが必要である。

◆遠距離家族介護は

都市部(7都道府県)に別居している家族

が、地方に住む独居もしくは老老夫婦の介護

をすることについて、41.9%の介護従事者が

「協力は控えてほしい」と答えており、都会

から地方への移動が難しくなり、家族が遠距

離介護をすると地元のデイサービスなどが使

えなくなるというような実態があった。

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2020年 7月 22日発行 第 107号

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コロナ禍での開催は、ソーシャルディスタンスを

とってゆったりと、通常定員の半数で。

◆「要介護者(要支援者)の在宅サービス利用

控え」をしているケースは

半数以上「いる」と回答しており、かなり

の利用控えがあった。それも利用者本人より

も家族の意向によるものが多数を占めたこと

が自由記述からもうかがえる。その結果とし

て、多くの利用者において心身の機能低下が

起こり、介護度が重度化することが懸念され

る。1 年後、ないし数年後にはその影響が現

れるので、できるだけ早く普通のケアプラン

サービスに戻すために、利用控えをいかに戻

していくかが課題である。

<「財政出動」から「財政規律」に転換か>

今後の新型コロナ問題の第 2 波、第 3 波に

もよるが、一定程度の収束期が固まったら、

一挙に「財政出動」から「財政規律」施策に

転換されるであろう。つまり、何らかの増税

策が打ち出されるに違いない。

例えば、2011年の東日本大震災による復興

増税といった施策が待ち構えているかもしれ

ない。「財政規律」策が国政の流れへと転換さ

れた後には、介護報酬改定も厳しい局面を迎

える可能性が高い

<参加者との意見交換>

❖小規模事業所とサロンを経営する参加者か

らの報告では、

①衛生用品、防護服、消毒

アルコールなどの不足

②高齢ヘルパーの退職や

休職による人材不足

③利用者の利用控えによる収入激減

④「3密」が避けられない状況でのケアによ

るストレス

⑤コロナを出さないための消毒作業などの煩

雑さなどの労苦が多々ある

⑥コロナ加算があっても計算が複雑で利用限

度額が増えるために加算請求しにくいなど、

深刻な状況が浮き彫りになった。

❖介護者家族からの報告では、

「ショートステイやデイサービスが断られ

てもその代替先が分からない、情報がない」

という切実な声があり、豊中市では、①介護

従事者への PCR検査 ②サービス休止・自粛に

ついての市の情報提供のありかた ③サービ

ス休止後の代替サービスの確保、を第 2 波・

第 3 波に向けて行うよう市に要望したことの

紹介があった。

「特養が面会中止のため、母にスマホを渡

してテレビ電話したいと施設側に求めたが断

られた。これは、施設側の人材不足が考えら

れると思う」。ICT 活用※2 についての方針は

厚労省の事務連絡ですでに

出ているが、実際は施設側の

対応が追い付かず、環境面や

人材確保において施設間の

格差がある。

◆まとめに換えて

今後の高齢者施策は、団塊世代が全て 85

歳以上となる 2035年が大きな節目となる。85

~89歳で要介護率は 50.1%となり、認知症高

齢者推計は約 890 万人となる。さらに、独居

高齢者は 2035年には男性約 322万人、女性約

519 万人と推計され、大量の孤独死の発生が

危惧される。いずれにしろ、2035年問題は在

宅介護・施設介護の最大の危機である。これ

から先の 15年を見据え、自分自身の生活設計

の見直しと意識変革も必要になるであろう。

今回のコロナ禍での経験を踏まえ、改めて

コロナ後、ウィズコロナの介護保険を持続可

能なものにするため、これからも議論の場を

設けたい。

(吉年 千寿子)

※1.その後、兵庫県は、医療機関、介護・障害・救護施

設等に勤務する従事者に、円滑かつ適切に給付できるよ

う検討していると発表(7/14 同県ホームページ)

※2.Information and Communication Technology の略

で、通信技術を活用したコミュニケーションの意

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第 107号 2020年 7月 22日発行

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✥介護問題研究会✥

今年度に取り組もうとしていた「介護保険 20年の総ざらい」は、新型コロナウイルス禍の影響

を受けて、大きな変換を迫られています。ようやく今年度の第 1回介護問題研究会を 6月 26日に

開催しました。今後、月 1回会合を持つ予定です。

先ず、当研究会が中心になって実施する予定であった「団塊の世代の暮らしと介護に関する意

識調査研究事業」のアンケート調査は 1 年間延期し、今年度は調査の意義や方法、課題などにつ

いて議論を重ねつつ、基本設計としての仮説づくり、調査票の作成などの準備を進め、来年度の

実施を目指すことにしました。

コロナ感染拡大による緊急事態宣言下での自粛要請は、介護と暮らしに多大な影響を与え、介

護現場における課題をさらに浮き彫りにしています。「3密」を避けては成り立たないケアの実態

をどう考えて、これから新型コロナなどの感染症に対処していけばいいのか、その中で介護保険

制度はどこまで使えるのか、正に根幹を揺るがされるような問題に直面しています。

これらに関して、P8~9 に掲載しましたように、7月 9 日に「コロナ禍と介護、暮らし」につ

いての合同勉強会を開催し、結城康博さんと会員で意見交換を行いました。

また、9月 14日には、チラシの要領で、堤修三さんとの会員対象勉強会をシニアライフ・サポ

ート倶楽部との共催で行います。今後も多くの皆さまにご参加いただきますよう、どうぞよろし

くお願いいたします。 (吉年 千寿子)

※お問い合わせ先: 事務局 TEL&FAX 06-6762-0550 E-mail: [email protected]

✥認知症勉強会✥

新型コロナウィルスの緊急事態宣言が解除されて 10日ほど経った 6月 3日(水)、本年度最初の

認知症勉強会を開催しました。今回は急遽予定を変更してNHK厚生文化事業団の動画「本人が

語る『私の認知症』」という 4人の座談会を見て、認知症当事者の方々の声に耳を傾けました。そ

の中のお一人、元看護師で日本認知症本人ワーキンググループ(JDWG)代表の藤田和子さんは、

仲間とともに、認知症本人としてのご自分たちの体験と意志をもとに「認知症とともに生きる希

望宣言」を社会に向けて発信。そこには副題として「一足先に認知症になった私たちから、すべ

ての人たちへ」と書かれていて、そう、認知症は誰もが罹りうるのだと再認識しました。

当勉強会恒例の廻し音読では、この「認知症とともに生きる希望宣言」を参加者一人ずつが声

に出して順番に読み上げました。自分の事として読み、そして聴いたとき、この「希望宣言」は、

認知症の人の尊厳を守り、認知症の人との共生を支える力になると感じました。

少し先ですが、10月 17日(土)には、当勉強会が中心となって、認知症の第一人者である松本

一生先生の講演会を開催いたします(12頁参照)。私達は、認知症になっても、住み慣れた地域で

あたりまえの暮らしを続けることが出来る社会の実現を願っています。認知症のことを我が事と

してご一緒に考えてみませんか、勉強会へのご参加をお待ちしています。 (田代 眞朱子)

※お問い合わせ先: 事務局 TEL&FAX 06-6762-0550 E-mail: [email protected]

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✥シニアライフ・サポート倶楽部✥

勉強会は原則として奇数月の第 1水曜日に開催していますが、今年は 5月 30 日(土)の総会後

の講演会を当倶楽部が担当することになっていました。ところがこのコロナウイルス禍で、ドー

ンセンターの閉鎖が続き、総会が書面議決となり、講演会「人生 100 年時代 自分らしく地域で

生を全うする」~「ホームホスピス」ってどんなの?~は 11月 14日(土)に延期になりました。

今年度の第 1回勉強会は 7月 1日(水)に当倶楽部が担当で、浜田きよ子さん(高齢生活研究

所所長・むつき庵代表)をお招きし、会員対象の拡大勉強会を開催しました。(P6~7参照)

第 2回勉強会は 9月 2日(水)に、日本在宅医療連合会により WEB開催された市民講座「人生

最終段階を考える~食べられなくなったら、どうする?」に参加した当倶楽部会員からの報告を

お聞きし、話し合います。

また、9月 14日(月)には介護問題研究会と共催で、堤修三さんとの会員対象勉強会「介護保

険制度は持続可能?」を大阪市中央公会堂地下会議室で行います。(チラシ参照)

20世紀中頃までは、考えることができなかったほどの高齢期の延伸、健康な高齢者の増加とと

もに、支援を要する高齢者もまた増加しております。当倶楽部では、自分らしく豊かに高齢期を

過ごすための日常生活のありかたや工夫を、そして、それを支える医療・介護・社会保障制度な

どについて学びたいと思います。皆さまのご参加をお待ちしています。 (小林 敏子)

※お問い合わせ先: 事務局 TEL&FAX 06-6762-0550 E-mail: [email protected]

新型コロナウイルスの緊急事態宣言のため、ドーンセンターは 5 月 18 日まで閉館となり、運営委員

会は 3回にわたる WEB運営委員会で実施

【2020年度 第 1回 WEB運営委員会】 2020年 4月 11日(土)

①5/30(土)予定の総会の議案書(案)について: 決算報告、活動テーマ、予算案は承認。第 6号議案

の役員の構成は 8 人と決定。 会計監査は郵送による持ち回り ②議案書等印刷&発送(5/8) ③講演

会:「人生 100年時代、自分らしく地域で生を全うする」~「ホームホスピス」って、どんなの?~

ホームホスピスふさの家:東田敦子さん 風の栞:松澤ミサホさん(5/30)

【第 2回 WEB運営委員会】 2020年 5月 9日(土)

①総会議案書決定、発送(5/12) ②総会は非集会型とし、書面議決書(ハガキ)により決議する ③総

会報告は新代表名で会員に郵送 ④総会後の講演会(第 1 回運営委員会③参照)は延期 ⑤調査事業

「団塊の世代の暮らしと介護に関する意識調査研究事業」は次年度に実施。助成金は交付決定され

ても辞退し、来年度再チャレンジ

【第 3回 WEB運営委員会】 2020年 5月 31日(日)

書面議決による総会の結果報告 全議案可決を確認

【第 4回運営委員会】 2020年 6月 13日(土) ドーンセンター

①書面議決の定時総会:会員数 128(4/1現在) 議決書 80通、承認 77通 2019年度活動報告、決算報

告、監査報告、2020年度活動テーマ・活動計画、予算、役員改選の全議案可決 ②総会報告書、新旧

代表挨拶郵送(6/13) ③会費徴収:年度を 4 半期に分け、徴収額を期ごとに減額 ④講演会:松本一

生さん(医師、松本診療所ものわすれクリニック院長 10/17) ⑤講演会:「人生 100 年時代、自分ら

しく 地域で生を全うする」~「ホームホスピス」ってどんなの?(11/14) ⑥国際女性年平和集会

(8/7) ⑦講師派遣プログラム:総務部担当に変更

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運営委員会日程

8 月 8 日 (土)

9 月 19 日 (土)

10 月 17 日 (土) 11 月 14 日 (土)

大阪 講演会のご案内

◆講演会: 『医師の視点&家族の視点で 認知症ケアを考える』

❖と き: 2020 年 10 月 17 日(土)13:30~16:00

❖講 師: 松本 一生 さん

❖ところ: ドーンセンター 4F 大会議室①

❖申込先: 高齢社会をよくする女性の会・大阪 事務局 (定員 72 名 申込順)

❖参加費: 会員 500 円 非会員 1,000 円

※会員はオブザーバー(議決権はない)として

いつでも運営委員会に参加していただけます。

運営委員会って、どんな事をしてるの?

興味のある方は、ぜひ見学にいらして下さい。

お待ちしています。

本誌の記事を転載する場合は事務局へご連絡ください。

◆ 年会費(4,000 円) 未納の方に振替郵便用紙を同封いたしております。行き違いのありました時はご容赦下さい。

◆ 会員及び会員外からも活動賛助金 1口 5,000円をお受けしております。 (会則 7条) ご協力ください。

◆ 郵便振替口座 00980-1-17848 高齢社会をよくする女性の会・大阪

◆ 郵便貯金口座 ゆうちょ銀行 〇九九店 当座預金 17848 受取人名 コウレイシヤカイヲヨクスル

ジヨセイノカイ オオサカ

◆ご寄附いただきました (敬称略)

秋田 佳津 秋山 佳子 荒木 美子

泉 眞規子 伊野 小雪 角本 典子

郡 妙子 小平 良 小林 敏子

斉藤 民子 竹田 美壽恵 田代 眞朱子

前川 美奈子 向平 次子 森 俊江

横山 清美

運営委員会は原則として

毎月第2土曜日の

午前 10 時~12 時

ドーンセンターの

中会議室他で開催

(一般公開)

なにげない日常がこんなにも有難か

ったのかと思い知らされた半年間でし

た。コロナ禍で生活が一変。追い打ちを

かける線状降水帯による豪雨、地震…。

皮肉なことに災厄を祓う恒例の夏祭り

は縮小や中止に。

必要なことは何か、大切なことは何

か、この間の戒めや教訓を拾い集め「個

人の尊重」と「集団の中の一人」を考え

る日々です。

第二波に備え会報編集作業もオンラ

イン導入を試行。高齢者といえども挑む

力が求められる昨今です。

新体制がスタートしました。希望を持

って前進しましょう!

(松浦

惠子)

(松浦 惠子)

日 時:10月 11日(日)10時~17時半

10月 10日(土)前夜祭

会 場:東京家政大学 板橋キャンパス

東京都板橋区加賀 1-18-1

(JR埼京線 十条駅下車徒歩 5分)

テーマ:「介護保険 20年 いまここからの出発」

※詳細は、追ってご案内いたします。

NPO 法人 高齢社会をよくする女性の会

「全国大会 in 東京」 のお知らせ

医療法人圓生会松本診療所院長・老年精神科医

歯科医師、元大阪人間科学大学教授ほか、著書多数

(コロナ関連で定員半減の場合あり)

◆会報についての感想・ご意見募集◆

「高齢社会をよくする女性の会・大阪」の会報

をご覧になっての感想やご意見を下記までお寄

せください。お待ちしています。

[email protected]

F A X :06-6762-0550