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維持透析患者におけるロコモ度テストの有用性
(医)大田姫野クリニック
小林幸造 富永明博 坂本純平 福村宏
岡田理江 角昌晃 滋野和志
日本透析医学会CO I 開示
筆頭発表者名: 小林 幸造
演題発表に関連し、開示すべきCO I 関係にある企業などはありません。
はじめに
透析患者は導入初期より,筋肉量,筋力の減少とともに運動機能の低下が進むとされる.
運動機能の低下はADL,QOLに大きく影響し健康寿命を脅かす.
今回,我々は,運動機能の評価として日本整形外科学会が推奨するロコモ度テストに注目し,その有用性について検討した.
対象と方法
対象 当院透析患者59名(うちDM19名)平均年齢68.4±10.5歳平均透析歴118.3±93.7ヵ月
方法 ロコモ度テストと身体状態(BMI,%Fat,SMI),筋力値(下肢筋力,握力)を比較
BMI,%Fat,SMIはIn Body Japan社製In Body s10,下肢筋力はALCARE社製ロコモスキャン,握力は竹井機器工業社製GRIP-Dを使用した.統計学的検定はStudent`s-t検定を用い危険率5%未満とした.
ロコモ度テスト
立ち上がりテスト
2stepテスト
ロコモ25
立ち上がりテスト
このテストでは下肢筋力を測ります.片脚または両脚で,決まった高さから立ち上がれるかどうかで,程度を判定します.
2stepテスト
このテストでは歩幅を測定しますが,同時に下肢の筋力,バランス能力,柔軟性などを含めた歩行能力が,総合的に評価できます.
ロコモ25
ロコモ度テスト
ロコモ度1 ロコモ度2
片脚40cm 両脚20cm①立ち上がりテスト
1.3未満
7点以上
② 2stepテスト 1.1未満
③ ロコモ25 16点以上
ロコモ度0:運動機能維持ロコモ度1:運動機能低下がはじまる.筋力やバランス低下ロコモ度2:運動機能低下が進行.自立困難のリスクがある
ロコモ度テスト結果
(%)
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
立ち上がり 2ステップ ロコモ25 総合判定
ロコモ度2 ロコモ度1 ロコモ度0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9SMI
ロコモ度0 ロコモ度1 ロコモ度2 *P<0.05
(kg/㎡)(kg/㎡)
ロコモ度テストと身体状態
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45%FAT
0
5
10
15
20
25
30BMI(%)
*
ロコモ度テストと握力
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45 ロコモ度0
ロコモ度1
ロコモ度2
*
**
(kg)*P<0.05
ロコモ度テストと下肢筋力体重比
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2 ロコモ度0
ロコモ度1
ロコモ度2
*
*
*
*P<0.05
結 語
ロコモ度テストは,筋力値と相関しており,
透析患者の運動機能を把握する方法とし
て有用であると思われた.