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1151 Chlamydia pneumoniae分 離 に 対 す るPCR法 の応用 愛知 県 衛 生 研究 所1),静 岡 県 衛生 環 境 セ ンタ ー2),桜 ケ丘総 合 病 院3) 小林 慎 一1)森 高 行1)神 隆2)秋 眞 人2) 松谷 敏 郎3)三 司1)石 佑 弌1) (平成5年6月30日 受 付) (平成5年8月9日 受 理) Key words: Chlamydia pneumoniae, PCR, acute bronchitis Chlamydia pneumoniae (C. pneumoniae) が5歳 の急 性気 管支 炎女 児 か ら分 離 された.女 児血清中の C.pneumoniaeに 対 す るIgMとIgG抗 体 価 は そ れ ぞ れ1:20と1:2,560で あ っ た.Polym reaction(PCR)法 を 用 い て 分 離 過 程 を 追 跡 し た 結 果,C.pneumoniaeの ゲ ノ ムが 分 離 に 用 い た ぐい 液 及 び 分 離 開 始 後3代 目以 降 の 感 染 細 胞 に 検 出 さ れ た.組 織 培 養 法 でC.pneumoniaeが 分離 同定 さ れ た の は5代 継 代 培 養 後 で あ った.PCR法 は 分 離 用 検 体 の選 別 な ど組 織 培 養 法 に よ るC.pneumoniae の 分 離 効 率 の 向 上 に 有 用 な方 法 と考 え ら れ た. Chlamydia pneumoniae (C. pneumoniae) 1989年 に ク ラ ミジ ァの 第 三 の種 と し て提 唱 され て 以 来,肺 炎や気管支炎等の呼吸器疾患の主要な病 原 体 の1つ と して 知 られ て い る1)2).わ が 国 で の血 清疫学調査 に よ る と 健 康 成 人 の30~50%がC. pneumoniaeの 抗 体 を 保 有 して い る と報 告 され て お り,C.pneumoniaeは わが国に普遍的に存在す る病原体 と考 え られて い る3)~5).し か し臨床 材 料 か ら のC.pneumoniaeの 分離 は困難 とされ てお り,わ が国における分離例は少数にとどまってい る6)~8).C.pneumoniaeの 血 清 型 の 有 無 な ど解 決 く残 され りC. pneumoniaeの 効率的な分離法の確立が望まれて い る. 著者 ら はpolymerase chain reaction (PCR)法 でC.pneumoniaeの 遺伝子 が検 出され た 咽 頭 ぬ ぐ い 液 か らC.pneumoniaeを 分離する こ とが で きた の で,そ の 結 果 を 報 告 す る. 材料 と方 法 1.分 離用検体採取 急 性 気 管 支 炎 症 状(咳 嗽有 り,発 熱 無 し)を し た5歳 の 女 児 よ り咽 頭 擦 過 標 本 を 採 取 し,ク ミジ アの輸送 用保 存 液(sucrose phosphat glutamate,SPG)中 で 培 養 に 用 い る ま で 一80℃ 保存 した. 2.C.pneumoniaeの 分離 培 養 と同定 国 立 予 防 衛 生 研 究 所 よ り分 与 さ れ たHL細 を 用 い て,お お む ねKuoら の 方 法9)に 準 じ て 分 離 培 養 を 行 っ た.す な わ ち10%牛 胎 児 血 清(FCS) 加MEM培 地 で 細 胞 浮 遊 液(2×105cells/ml)を り,そ の1mlを カバ ース リップをいれた レイ トン 管 に分 注 し,37℃ で 単 層 培 養 した.検 体 各0.1mlを レ ー トン 管2本 に 接 種 し,室 温 で1,500rpm,1時 間 遠 心 吸 着 後,0.5μg/mlのcycloheximide含 の10%FCS加MEM培 地 を 加 えて37℃ で72時 培 養 し た.1本 の レ ー トン管 は カバ ー ス リ ップ に つ い て ギ ムザ 染 色 を 行 い,封 入体の有無を検索し た.残 り1本 は ラバ ー ポ リス マ ンで 細 胞 を か き と り継代 の試料 と し た.封 入体 の同定 別 刷請 求 先:(〒462)名 古屋 市 北 区辻 町字 流7-6 愛知 県 衛 生研 究所 小林 慎一 平 成5年12月20日

Chlamydia pneumoniae分 離に対するPCR法 の応用journal.kansensho.or.jp/kansensho/backnumber/fulltext/67/...Chlamydia pneumoniae分 離に対するPCR法 の応用 1153 pneumoniaeは,C

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  • 1151

    原 著

    Chlamydia pneumoniae分 離 に対 す るPCR法 の応 用

    愛知県衛生研究所1),静 岡県衛生環境セ ンター2),桜 ケ丘総合病院3)

    小 林 慎 一1)森 下 高 行1)神 田 隆2)秋 山 眞 人2)

    松 谷 敏 郎3)三 宅 恭 司1)石 原 佑 弌1)

    (平成5年6月30日 受付)

    (平成5年8月9日 受理)

    Key words: Chlamydia pneumoniae, PCR, acute bronchitis

    要 旨

    Chlamydia pneumoniae (C. pneumoniae) が5歳 の急性気管支炎女児から分離された.女 児血清中の

    C.pneumoniaeに 対 す るIgMとIgG抗 体価 はそ れぞ れ1:20と1:2,560で あ った.Polymerase chain

    reaction(PCR)法 を用 いて分 離過 程 を追跡 した結果,C.pneumoniaeの ゲノ ムが 分離 に用 いた咽 頭 ぬ

    ぐい液 及 び分離 開始 後3代 目以降 の感 染細 胞 に検 出 された.組 織培 養法 でC.pneumoniaeが 分離 同定 さ

    れた のは5代 継 代培 養後 で あ った.PCR法 は分離 用検 体 の選 別 な ど組 織培 養 法 に よ るC.pneumoniae

    の分離 効 率 の向上 に有 用 な方 法 と考 え られた.

    序 文

    Chlamydia pneumoniae (C. pneumoniae) は

    1989年 に ク ラ ミジ ァの 第 三 の種 と し て提 唱 され て

    以 来,肺 炎 や 気 管 支 炎 等 の 呼 吸 器 疾 患 の 主 要 な病

    原 体 の1つ と して 知 られ て い る1)2).わ が 国 で の血

    清 疫 学 調 査 に よ る と 健 康 成 人 の30~50%がC.

    pneumoniaeの 抗 体 を 保 有 して い る と報 告 され て

    お り,C.pneumoniaeは わ が 国 に普 遍 的 に存 在 す

    る 病 原 体 と考 え られ て い る3)~5).し か し臨 床 材 料

    か らのC.pneumoniaeの 分 離 は 困 難 と さ れ て お

    り,わ が 国 に お け る 分 離 例 は少 数 に と どま って い

    る6)~8).C.pneumoniaeの 血 清 型 の 有 無 な ど解 決

    す べ き 問 題 も 数 多 く 残 さ れ て お りC.

    pneumoniaeの 効 率 的 な分 離 法 の 確 立 が 望 ま れ て

    い る.

    今 回 著 者 ら はpolymerase chain reaction

    (PCR)法 でC.pneumoniaeの 遺 伝 子 が検 出 され

    た 咽 頭 ぬ ぐい 液 か らC.pneumoniaeを 分 離 す る

    こ とが で きた の で,そ の結 果 を 報 告 す る.

    材 料 と方 法

    1.分 離 用 検 体 採 取

    急 性 気 管 支 炎 症 状(咳 嗽 有 り,発 熱 無 し)を 呈

    した5歳 の 女 児 よ り咽 頭 擦 過 標 本 を 採 取 し,ク ラ

    ミ ジ ア の 輸 送 用 保 存 液(sucrose phosphate

    glutamate,SPG)中 で 培 養 に 用 い る ま で 一80℃ に

    保 存 した.

    2.C.pneumoniaeの 分離 培 養 と同定

    国 立 予 防 衛 生 研 究 所 よ り分 与 さ れ たHL細 胞

    を 用 い て,お お む ねKuoら の 方 法9)に 準 じて 分 離

    培 養 を 行 っ た.す なわ ち10%牛 胎 児 血 清(FCS)

    加MEM培 地 で細 胞 浮 遊 液(2×105cells/ml)を 作

    り,そ の1mlを カバ ー ス リ ップを い れ た レ イ トン

    管 に分 注 し,37℃ で 単 層 培 養 した.検 体 各0.1mlを

    レ ー トン管2本 に接 種 し,室 温 で1,500rpm,1時

    間 遠 心 吸 着 後,0.5μg/mlのcycloheximide含 有

    の10%FCS加MEM培 地 を 加 え て37℃ で72時 間

    培 養 した.1本 の レ ー トン管 は カバ ー ス リ ップ に

    つ い て ギ ムザ 染 色 を 行 い,封 入体 の 有 無 を検 索 し

    た.残 り1本 は ラバ ー ポ リス マ ンで 細 胞 を か き と

    り 継 代 用 の 試 料 と し た.封 入 体 の 同 定 は

    別刷請求先:(〒462)名 古屋市北区辻 町字流7-6

    愛知県衛生研 究所 小林 慎一

    平成5年12月20日

  • 1152 小林 慎一 他

    Chlamydia-Cel Pn(R)(Cellabs Pty,Australia)

    に よ る 間 接 蛍 光 抗 体 法 で 行 っ た,

    3.血 清 抗 体 価 の 測 定

    Wangら の 方 法10)に 従 っ て マ イ ク ロIF法 を

    行 った.抗 原 と してCpneumoniae TW-183株,

    C.trachomatis L2株 及 びC.psittaci budgerigar

    No.1株 を 用 いた.

    4.DNA抽 出 法

    検 体 を 細 胞 溶 解 液(最 終 濃 度:0.5%NP-40,

    0.5%Tween20,100μg/rnl proteinase K)と 混

    合 し55℃,1時 間 加 温 した.次 に95℃,10分 間 の

    加 熱 でproteinase Kを 失 活 させ た 後,PCRの 鋳

    型 と して 用 いた.

    5.PCR

    Campbellら が 報 告 したHL-1とHR-1を プ ラ イ

    マ ー と し て 用 い た11).PCR反 応 液(最 終 濃 度:

    PCR reaction buffer〔10mM Tris-HCI pH8.3 ,

    50mM KCI,1.5mM MgCl2,0.01%gelatin〕) ,

    100μM dNTPs,0.5μM Prirner pairs ,1.25U

    Taq PolymeraseとDNA試 料 を混 合 し,総 量50

    μ1と し た.DNA Thermal Cycler(R)(Perkin

    ellner cetus)に て30サ イ ク ル(94℃1分,55℃1

    分,72℃2分)の 増 幅 を行 った.

    PCR産 物 は1.5%ア ガ ロ ー ス ゲル に て 電 気 泳 動

    後,EtBr染 色 に てDNA断 片 の 有 無 を検 討 した.

    成 績

    1.C.pneumoniaeの 分 離 培 養

    咽 頭 ぬ ぐい 液 をHL細 胞 で 分 離 培 養 開 始 後5

    代 目 で 封 入 体 が 観 察 さ れ た.こ の 封 入 体 はC .

    pneumoniae同 定 用 キ ヅ トで 特 異 的 な 蛍 光 を 発

    し,分 離 され た ク ラ ミジ アはC.pneumoniaeと 確

    認 され た.な お 本 分 離 株 を50代 ま で継 代 した が,

    継 代 途 中 で 培 養 不 能 と な る こ とは な か った.

    2.血 清 学 的 成 績

    マ イ ク ロIF法 に よ る ク ラ ミジ ア3菌 種 に 対 す

    る血 清 抗 体 価 の 測 定 をTable 1に 示 した .IgG抗

    体 価 はCpsittaci及 びC.trachomatisに 対 して

    交 叉 反 応 が 認 め られ た が,C.pneumoniaeに 対 す

    る 抗 体 価 は1:2,560と 他 の2菌 種 の抗 体 価 と比

    べ て4管 差 以上 の 違 い が 認 め られ た .IgM抗 体 も

    3種 の ク ラ ミジ アに 対 して検 出 さ れ た が ,3菌 種

    Table 1 Microimmunofluorescence test for anti-

    bodies to Chlamydiae

    a) budgerigar strain b) L2 strain

    Fig. 1 Agarose gel electrophoresis of PCR-

    amplified DNA of C. pneumoniae

    1, throat swab; 2, 1st infected-cells; 3, 2nd cells;

    4, 3rd cells; 5, 4th cells; 6, 5th cells; 7, TW-183;

    M, molecular size markers (ƒÓ •~174 / Hae III

    digest).

    に 有 意 な差 異 は 認 め られ な か っ た.

    3.PCRに よ るC.pneumoniaeの 検 出

    女 児 の咽 頭 ぬ ぐい液 及 び 分 離 が確 認 され た5代

    目 ま で の 感 染 細 胞 に つ い てPCRでC .

    pneumoniae遺 伝 子 の 検 出 を 試 み た.そ の 結 果

    Fig.1に 示 す よ うに,患 者 の 咽 頭 ぬ ぐい 液 と分離

    開 始 後3代 目 の 感 染 細 胞 にC,pneumoniaeの 増

    幅DNAが 認 め ら れ た,組 織 培 養 法 に よ るC,

    pneumoniaeの 分 離 同 定 の 場 合 と比 べ て,PCRで

    は2代 先 行 して 感 染 細 胞 中 にC .pneumonぬeの

    遺 伝 子 が検 出 され た こ とか ら,PCR法 は 分離 過 程

    の追 跡 に も有 用 な方 法 と考 え られ た .

    考 察

    C.pneumoniaeは ヒ トの 呼 吸 器 疾 患 の 主 要 な

    病 原 体 の 一 つ と 考 え ら れ て い る が,C .

    感染症学雑誌 第67巻 第12号

  • Chlamydia pneumoniae分 離 に対 す るPCR法 の応 用 1153

    pneumoniaeは,C. trachomatisやC. psittaciと

    比べて臨床材料 か らの分離 は困難 とされて い

    る12).そ の主な理 由として,C. pneumoniaeの 分

    離用材料である咽頭擦過標本中に感染性粒子の数

    その ものが少ないことに起因していると考 えられ

    ている11).そ こで高感度にC. pneumoniaeを 検出

    する方法 として,C.pneumoniae遺 伝子を特異的

    に増幅をす るPCR法 が最近報告 されている11).

    今回著者 らもPCR法 を用いることにより,患 者

    の咽頭ぬぐい液 と分離開始3代 目以降の感染細胞

    にC.pneumoniaeの 遺伝子を検出す ることがで

    きた.組 織培養法による咽頭ぬぐい液からの分離

    では5代 目に分離が確認されたのに比べて,PCR

    では2代 早 くC.pneumoniaeが 検出されていた.

    従 って,臨 床材料からC.pneumoniae分 離培養を

    行 う際 にはPCR陽 性検体について分離を行い,

    さらにその分離過程をPCRで 追跡することによ

    り効率的なC. pneumoniae分 離の実施が期待 さ

    れる.し か し臨床検体のPCR陽 性率 と分離率 と

    の相関性 については例数が少 な く明確でないの

    で,今 後例数を増やして検討す る必要がある.

    C.pneumoniaeの 分離例 の中には分離が確認

    された ものの,継 代途中でC. pneumoniaeが 消失

    した例が報告されている13).し か し我 々の分離株

    は50代 まで継代 したが,途 中で消失することなく

    継代培養することができた.

    C. pneumoniaeは1血 清型 と考 え られている

    が,抗 原性の変異を示唆す る報告14)もあ り,今 後

    C. pneumoniaeの 分離株の蓄積に伴い,血 清型の

    問題 も解決すると思われる.

    文 献

    1) Grayston, J. T., Kuo, C. C., Campbell, L. A. &Wang, S. P.: Chlamydia pneumoniae sp. nov.for Chlamydia sp. strain TWAR. Intern. J. Syst.

    Bacteriol., 39: 88-90, 1989.2) Grayston, J. T., Campbell, L. A., Kuo, C. C.,

    Mordgorst, C. H., Saikku, P., Thom, D. H.&

    Wang, S. P.: A new respiratory tract path-ogen: Chlamydia pneumoniae strain TWAR. J.Infect. Dis., 161: 618-625, 1990.

    3) Kobayashi, S., Morishita, T., Miyake, T., Fuku-

    shi, H., Hirai, K., Ishihara, Y. & Isomura, S.:

    Prevalence of Chlamydia pneumoniae in Japan.

    J. Infect. Dis., 163: 417-418, 1991.

    4) 岸 本 寿 男: Chlamydia pneumoniae (TWAR株)

    感 染 症 に関 す る研 究 (第2報). 感 染症 誌, 64: 986

    -993 , 1990.

    5) Kanamoto, Y., Ouchi, K., Mizui, M., Ushio, M.& Usui, T.: Prevalence of antibody to

    Chlamydia pneumoniae TWAR in Japan. J.Clin. Microbiol., 29: 816-818, 1991.

    6) 小 川浩 司, 橋 口一 弘, 和 山行 正: 急性 気 管 支 炎患

    者 に お け るChlamydia pneumoniaeの 分 離 培 養

    な らび に血 清 学的 検 討. 感 染 症 誌, 66: 477-483,

    1992.

    7) 山 崎 勉: 本 邦 小 児 よ り分 離 され たChtamydia

    pneumoniae, AC-43の 性 状 につ いて. 感 染症 誌,

    66: 632-636, 1992.

    8) 金 本 康 生, 坂 野 尭: 急 性 気 管 支 炎 患 者 か ら の

    Chlamydia pneumoniaeの 分 離 と血 清 抗 体価. 感

    染 症誌, 66: 637-642, 1992.

    9) Kuo, C. C. & Grayston, J. T.: A sensitive cellline, HL cells, for isolation and propagation of

    Chlamydia pneumoniae strain TWAR. J. Infect.Dis., 162: 755-758, 1990.

    10) Wang, S. P. & Grayston, J. T.: Immunologicrelationship between genital TRIC, lympho-

    granuloma venereum and related organisms ina new microtiter indirect immunofluorescencetest. Am. J. Ophthalmol., 70: 367-374, 1970.

    11) Campbell, L. A., Melgosa, M. P., Hamilton, D. J.,Kuo, C. C. & Grayston, J. T.: Detection of

    Chlamydia pneumoniae by polymerase chainreaction. J. Clin. Microbiol., 30: 434-439, 1992.

    12) Cles, L. D. & Stamm, W. E.: Use of HL cellsfor improved isolation and passage of

    Chlamydia pneumoniae. J. Clin. Microbiol., 938-940

    , 1990.

    13) Kuo, C. C., Chen, H. H., Wang, S. P. & Grayston,

    J. T.: Characterization of TWAR strains, anew group of Chlamydia psittaci. In ChlamydialInfections (Oriel, J. D., Ridgway, G., Schachter,

    J., Taylor-Robinson, D. & Ward, M., ed.), p.321-324 , Cambridge University Press, Cambridge,

    1986.14) Carolyn, M. B., Johnson, J. E., Farshy, C. E.,

    Brown, T. M. & Berdal, B. P.: Antigenic varia-

    tion among strains of Chlamydia pneumoniae. J.Clin. Microbiol., 29: 1312-1316, 1991.

    平成5年12月20日

  • 1154 小林 慎一 他

    Application of PCR for Isolation of Chlamydia pneumoniae

    Shinichi KOBAYASHI1), Takayuki MORISHITA1), Takashi KANDA2), Masato AKIYAMA2),

    Toshio MATSUYA3), Takashi MIYAKE1) & Yuichi ISHIHARA1)

    1)Aichi Prefectural Institute of Public Health2)Shizuoka Prefectural Institute of Public Health and Environmental Science

    3)Sakuragaoka General Hospital

    Chlamydia pneumoniae was isolated from the throat swab of a 5-year-old girl with acute

    bronchitis. The titers of IgM and IgG antibodies to C. pneumoniae in the serum were 1:20 and 1:2560,

    respectively. C. pneumoniae genome was detected by polymerase chain reaction in the throat swab and

    the infected cells after three passages, while C. pneumoniae was isolated from the throat swab afterfive passages by cell culture. PCR is considered to be a helpful method to isolate C. pneumoniae

    efficiently in routine cell-cultures.

    感染症学雑誌 第67巻 第12号