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1 投稿中のプレプリント 2019 年 9 月 17 日掲載 1 表題:都市近郊の海岸生態系に対する市民による需要 2 英語表題:Demands for urban coastal ecosystems by citizens 3 簡略表題:海岸生態系の需要 4 5 著者:諸住健*・小池文人 6 Authors:Ken Morozumi and Fumito Koike 7 所属:横浜国立大学大学院環境情報学府 8 所属英文:Graduate School of Environment and Information Sciences, Yokohama 9 National University 10 連絡著者:諸住健 11 住所:240-8501 横浜市保土ケ谷区常盤台 79-7 環境情報研究院 12 住所英文:Graduate School of Environment and Information Sciences, Yokohama 13 National University, 79-7 Tokiwadai, Hodogaya-ku, Yokohama 240-8501, Japan 14 Phone: 045-339-4356 15 e-mail: [email protected] 16 *現所属:京浜急行電鉄株式会社 17 18

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投稿中のプレプリント 2019 年 9 月 17 日掲載 1

表題:都市近郊の海岸生態系に対する市民による需要 2

英語表題:Demands for urban coastal ecosystems by citizens 3

簡略表題:海岸生態系の需要 4

5

著者:諸住健*・小池文人 6

Authors:Ken Morozumi and Fumito Koike 7

所属:横浜国立大学大学院環境情報学府 8

所属英文:Graduate School of Environment and Information Sciences, Yokohama 9

National University 10

連絡著者:諸住健 11

住所:240-8501 横浜市保土ケ谷区常盤台 79-7 環境情報研究院 12

住所英文:Graduate School of Environment and Information Sciences, Yokohama 13

National University, 79-7 Tokiwadai, Hodogaya-ku, Yokohama 240-8501, Japan 14

Phone: 045-339-4356 15

e-mail: [email protected] 16

*現所属:京浜急行電鉄株式会社 17

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要 約:自然に接することを求める需要に応えるため様々なツーリズムが発達して19

いる。日本では海に接する大都市が多く、海岸の生態系は都市生活者にとって身近20

な自然となり得る可能性を持つ。都市において、現在は市民によるアクセスが制限21

されている海岸を適切に開発、開放することができれば都市住民の生活向上が見込22

まれる。本研究では、東京都市圏の都心から郊外を経て農村に至る景観傾度に沿っ23

た海岸で、砂浜海岸や岩場海岸、コンクリート護岸、親水石積み護岸などの様々な24

海岸生態系に対する市民の利用の状況をルートセンサスによる直接観察で調査し,25

一般化線形モデルによるポアソン回帰を用いて、利用人数に影響する要因を検出し26

た。その結果、魚釣り、遊び (砂遊びや水遊び)、生物採集の順に利用者が多く、生27

態系を直接利用する魚釣りと生物採集の利用者は全体の 53%と半数を超えることか28

ら、海岸では生態系への需要が大きいことが明らかとなった。最も利用者の多かっ29

た魚釣りは、秋季にコンクリート護岸で利用者密度が高く成人男性の利用が多かっ30

た。遊びでは、初夏に砂浜海岸で利用者密度が高く、性比に偏りは見られなかった31

が,他の海岸利用と比較して子どもが多かった。生物採集は、初夏に岩場海岸や親32

水石積み護岸が利用され、遊びについで女性や子どもの利用も多かった。今回観察33

された傾向からは、海岸生態系への大きな需要に応えるには魚釣りに向いた未解放34

のコンクリート護岸を開放することが自然資源の開発として効果的で、都市の子ど35

もが生態系に初めて接する機会を提供するには、垂直護岸などを子どもの利用が多36

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い生物採集に向いた親水石積み護岸に造成することが適当であると考えられた。今37

回の結果は、都市の人工護岸を未利用の自然資源として開発する際に目的とする利38

用タイプと利用者属性を定めた計画策定が可能であることを示唆している。 39

40

キーワード:魚釣り、自然資源、生物採集、生態系サービス、レクリエーション 41

42

Abstract:Many tourist visit various ecosystems in the world; however urban coastal 43

ecosystems have not been used enough, although they are close to huge population. 44

Approach by citizens is prohibited and the ecosystems are left unused in most of 45

urban coasts in Tokyo metropolitan area. In this study, we measured the density and 46

field activities of people using various coastal ecosystems in concrete seawall, masonry 47

seawall, natural and artificial sandy coast and natural rocky coast in order to know the 48

amount of demands to coastal ecosystems by urban citizens. Human population 49

within 30 km, 10 km and 3 km were considered in the analysis to evaluate the number 50

of potential users. The activities were classified to fishing, organisms gathering 51

without specialized technique, non-biotic activities concerning sand or water, and 52

other activities as photographing and walking. Organism-related activities excessed 53

half of observed people, and ecosystems were important resource for urban coastal 54

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activities by citizens. Each activity related to age and gender of users and also to 55

coastal types. It is possible to predict density, activity, and human attributes of users 56

in urban coastal ecosystem planning based on the results of this research. 57

58

Key words: ecosystem services, fishing, natural resources, recreation, organism 59

gathering 60

61

62

63

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はじめに 64

生活者としての市民は自然に接することを求めるため、山地の森林や湿原、遠隔地65

の海などに向かうツーリズムが盛んであるが、都市の中の海はあまり利用されてい66

ない。日本には海に接する大都市が多いため、都市生活者にとって都市の海岸の生67

態系は身近な自然となりうる可能性がある。文化的生態系サービスとしての市民に68

よる自然の利用に関する研究も増えており (松井ほか 2013; 岡田ほか 2015; 69

Fischer 2018)、海岸や沿岸での生態系サービスの需要や価値を知るために行われた70

人々の海岸利用や意識についての研究もあるが (Scholz et al. 2011; Klain and Chan 71

2012; Leeworthy et al. 2018)、その多くはインタビューやアンケート形式で行われて72

いることが多い。これらの方法は調査が容易ではあるが、対象者の選択方法や質問73

の設定などにより現場の実態と差が出る問題や(安藤 2009; 佐藤 2015)、回答が時74

代の風潮の影響を受け実際の行動との乖離などが発生する可能性もある。そのた75

め、直接観察による現地調査で海洋生態系の利用者の行動を確認することも重要で76

ある。 77

動物の空間的な密度分布は理想自由分布で説明されることが多い (Fretwell and 78

Lucas 1970)。すなわち餌資源の分布、その場所の採餌コスト、競争する他個体のコ79

ストなどの空間密度分布に応じて、各個体が等適応度になるように密度分布する。80

餌資源の密度が高ければ動物の個体密度も高まるが、餌資源の密度や質が低ければ81

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低密度で分布し、最終的にどの個体も同じ好適性となるような空間分布となる。利82

用する海岸や方法を自由に選ぶことができる市民の利用密度分布も、海岸生態系利83

用で得られる総合的なメリットが一定になるように分布する可能性がある。この原84

理を人間の密度分布と海岸の生態系サービスに応用することで、生態系サービスの85

資源としての質の比較や空間的な密度分布を理解するための、ひとつの枠組みにな86

り得ると考えられる。心の満足もかかわるレクリエーション利用において、利用者87

による海岸生態系の選択を解析するには貨幣価値に換算して現象を捉えるよりも88

(The Economics of Ecosystems and Biodiversity, http://www.teebweb.org/)、野外89

で観察された空間分布が未知の要因によるコスト―ベネフィット関係を反映してい90

ると考える理想自由分布のアプローチの方が、研究が容易である可能性がある。 91

都市や近郊において海岸には砂浜海岸や岩場海岸、コンクリート護岸、親水石積み92

護岸などの多様な海岸が存在する。砂浜海岸には砂泥底ベントス群集と砂泥底に対93

応する魚類群集が成立し、岩場海岸には岩上の固着性ベントス群集と磯の魚類群94

集、コンクリート護岸では垂直なコンクリート上の固着性ベントス群集と壁面や周95

辺の魚類群集、石積み護岸では固着性ベントス群集に加えて隙間が多いためそれに96

対応したカニ類などを含む生物群集が成立している (Lalli and Persons 2005; Kaiser 97

et al 2011; 秋山ほか 2015; 横浜市環境科学研究所 2018)。これに対応して、砂浜98

海岸の生態系では潮干狩りや投げ釣り、磯では様々な生物の観察・採集と磯釣り、99

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潮間帯へのアクセスが困難な垂直なコンクリート護岸では様々な魚釣り、石積み護100

岸では子どものカニ取りなどの観察・採集や投げ釣りが行われている (堀川ほか 101

1972; 松村ほか 2003)。ここで仮に、管理者により市民のアクセスが制限されて102

いた海岸を開放したり、潮間帯へのアクセスが困難な垂直なコンクリート護岸を石103

積み護岸に変えるなどにより未利用である都市の人工海岸の生態系を自然資源とし104

て開発することができれば、都市住民の生活向上につながるであろう。なおここで105

自然資源の開発とは、制度改変を含むさまざまな手段による未利用の自然資源の活106

用促進を意味している。 107

本研究では、砂浜海岸や岩場海岸、コンクリート護岸、親水石積み護岸、などで108

形成される様々な海岸生態系に対する市民の利用についてルートセンサスにより調109

査し、市民による海岸生態系利用の視点から自然資源の評価を行った。 110

111

方 法 112

調査地 113

本研究では、世界最大級の都市圏である東京都市圏の中央部から西部において、114

都心から郊外を経て農村に至る景観傾度に沿った海岸を調査対象とした。都市化傾115

度に沿った調査を行うことで、潜在的な利用者密度の要因を明示的にモデルに組み116

込んだ評価が可能になる。調査ルートは東から、市街地に接する東京湾の千葉県習117

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志野市茜浜緑地から千葉県千葉市千葉ポートパーク付近まで (調査ルート A)、都心118

にあたる東京都品川区天王洲アイル駅付近から東京都大田区森ケ崎公園まで (調査119

ルート B)、郊外にあたる神奈川県横須賀市鴨居港から神奈川県横須賀市三笠公園ま120

で (調査ルート C)と神奈川県藤沢市片瀬漁港から神奈川県中郡大磯港まで (調査121

ルート D)、さらに農村地域にあたる静岡県伊東市川奈いるか浜から静岡県熱海市小122

山臨海公園まで (調査ルート E)である (図 1)。海岸を 7 つのタイプ (岩場海岸、123

親水石積み護岸、コンクリート護岸、砂浜海岸、テトラポッド護岸、河口等開水124

面、市民による利用が禁止された海岸)に分類した。各ルートに 100m 間隔の集計125

ポイントを設定し、現地踏査に加えて空中写真も用いて各点における海岸タイプを126

判読した。 127

128

野外調査 129

海岸生態系の利用者のルートセンサスは、太陽が出ている日中に各ルートの海岸130

を歩き、発見した海岸利用者について記録を行った。季節と場所により利用者密度131

が極めて高く全数調査が困難であったため、全ての調査において発見した人 5 名ご132

とに最初の 1 名を調査対象とした。 133

各調査対象者について位置を記録し、遊び (砂遊び、水遊びなど)、生物採集 (潮134

干狩り、カニ取りなど)、魚釣り、その他 (散歩、休憩、写真撮影など)の 4 タイプ135

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に利用方法を分類して記録した。利用タイプの区分は、1)野生生物の直接的な利用136

が調査者から観察できるか、2) 野生生物の直接的な利用において特殊な用具や技能137

を必要とするか、3)生物的自然の利用を直接観察できないとき物理的な自然の直接138

的な利用を観察できるか、の観点によっている(図2)。なお生活者による潮干刈や139

クボガイなどの食用採集は重要な食料としてではなく自然と接するレクリエーショ140

ンの一環であり、また子どもによる食用としない遊びでのカニとりとの区別も困難141

なためまとめて「生物採集」とした。バードウォッチングは他の眺望利用と区別が142

困難であったためこの研究では「その他」に含めた。カモメなどの野生生物への給143

餌はほとんど見られなかった。 144

また属性情報として年齢 (0 歳~20 歳未満、20 歳以上~50 歳未満、50 歳以上)、145

性別を観察により記録した。この年齢区分はヒトの繁殖に関する発達段階をもとに146

しており、0 歳~20 歳未満は親の養育を受ける子ども、20 歳~50 歳未満は繁殖・147

育児行動を行う世代、50 歳以上は自らの世代による繁殖を終了した世代である。 148

海岸タイプは徒歩によるアクセスが困難な河口等開水面と、市民による利用が禁149

止された海岸を除き、岩場海岸、親水石積み護岸、コンクリート護岸、砂浜海岸、150

テトラポッド護岸の5タイプを記録した。 151

天候の影響を避け、利用に適した状況で調査するため、気象庁の当日の天気予報152

が雨でない土曜日、日曜日、祝日に調査を行った。冬季の調査は 2017 年 12 月 16153

図 2

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日~2018 年 2 月 4 日、夏季の調査は 2018 年 5 月 12 日~2018 年 7 月 1 日、秋季の154

調査は 2018 年 10 月 6 日~2018 年 10 月 28 日に行った。海開き後の海水浴シーズ155

ンの砂浜海岸は、音楽などのイベントや物販などによる動員が多く、必ずしも海岸156

生態系の利用者だけではないと考えられたため調査を行わなかった。 157

158

データ解析 159

調査ルートの中で管理者の方針や地形などにより、徒歩による海岸へのアクセス160

が容易でない場所は解析から除外した。港湾などでは防波堤により海岸線の形状が161

複雑であるため、海岸線長あたりの利用者密度を定義することが難しい場合もあ162

る。このため GIS (QGIS 2.18.20)を用いて海岸線の 100m ごとに集計ポイントを設163

定し、半径 100m 以内で記録された調査対象者人数 (5 人に 1 人のサンプル)を釣164

り、遊び、採集、その他の 4 利用タイプごとに集計し,その後全数に換算した。な165

お海岸タイプは集計ポイントのものとしたため、円の外縁では異なる海岸タイプも166

多少混在する。 167

調査地域には都心から農村までの幅があるため、各ポイントを利用する可能性が168

ある人口を距離に応じた重力モデル (Schneider et al. 1998)によって評価した。こ169

の研究では最大距離 30km までの人口を考慮したが、30km は通勤可能な距離のほぼ170

上限であるとともに(牛島 2012; 神田・磯田 2017)、鉄道利用で片道 500 円程度171

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(JR 東日本幹線運賃、https://www.jreast.co.jp/consumption-172

tax/pdf/usually_main.pdf 2019 年 8 月 12 日確認)であるため同じ海岸を日常的に173

訪問することが可能な範囲である。各ポイントから半径 3km 内、半径 3km~10174

㎞、半径 10km~30km の人口をメッシュ人口データから取得し (国土数値情報、175

http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/)、中心のポイントからの距離の 2 乗に反比例するウェイ176

トをかけてこれらの人口を合計した。 177

178

利用可能人口 = ∑1

領域 i の距離2i 領域 i の人口 (1) 179

180

なおポイントからの距離の代表値は、以下の式を用いて面積に関して半分となる円181

の半径で代表させた。 182

183

領域 i の距離の代表値 = √(内側の円の半径)2+ (外側の円の半径)

2 (2) 184

185

この利用可能人口には 2 桁程度の差があったため、対数変換してから以後の解析に186

利用した。 187

利用者密度を推定するモデルを作成し、また様々な要因の影響を評価するため、188

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一般化線形モデルによるポアソン回帰を行った (RStudio 0.99.903)。目的変数は集189

計ポイント地点の利用人数(調査対象者)、説明変数は 0(あてはまらない)と1190

(あてはまる)で表現した海岸タイプ 5 変数 (岩場海岸、親水石積み護岸、コンク191

リート護岸、砂浜海岸、テトラポッド護岸)、季節も 0(あてはまらない)と1(あ192

てはまる)で表現した 3 変数 (冬季、初夏、秋季)、利用可能人口の対数、とした。193

複数の海岸タイプや季節は排他的な関係にあるため、海岸タイプにおける砂浜海岸194

と、季節における秋をリファレンスとして回帰モデルからあらかじめ除外した。行195

動タイプごとの利用の需要を把握するため、目的変数は魚釣り、遊び、生物採集の196

それぞれの人数と、これらの合計人数として、それぞれ解析を行った。係数の比較197

を可能にするため、説明変数は全て標準化した。予測モデルでは intercept に ln5 を198

加えることで現地でのサンプリング調査の影響を補正し全利用者数を予測した。 199

200

結 果 201

海岸のタイプ 202

自然海岸である岩場海岸は、都心付近のルート A や B で比率が低く、郊外や農村203

地付近のルート C、E で高かった (図 3)。各ルートの中で比較すると、ルート D 以204

外ではコンクリート護岸が最も多いが、ルート D では砂浜が最も多い。都心に近い205

ルート A と B では岩場海岸は見られなかったが、親水石積み護岸は他のルートに比206

図 3

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べて多くみられた。テトラポッド護岸は、ルート B と C においては見られなかっ207

た。 208

209

調査ルートと利用者密度 210

野外調査でサンプリングされた人数は合計で 1011 人であった。集計ポイント周辺211

の半径 100m 内の利用者密度はルート C で 11.37±17.93 人/半径 100m (平均±標212

準偏差)と最も多くなり、ルート E で 3.17±5.99 人/半径 100m と最も少なかった213

(表 1)。利用者の属性ごとに利用者密度を集計すると、性別ごとの利用者密度ではど214

の調査ルートでも男性利用者の方が多い結果となった(表 1)。一方、世代ごとの利215

用者密度はルートごとに異なり、ルート A、C、D ではそれぞれ 20 歳以上 50 歳未216

満が 2.92±5.69 人/半径 100m、4.7±6.62 人/半径 100m、2.76±4.38 人/半径217

100m、ルート B では 0~10 代が 2.65±8.89 人/半径 100m、ルート E では 50 代以218

上が 1.27±2.69 人/半径 100m と最も多かった。 219

集計ポイントあたりの利用者密度は、全季節を通じて全ての調査ルートで冬季に220

最も少なかった(表 2)。最も利用の多かった季節は、ルート A、B、D、E では初夏221

で、順に 10.05±16.09 人/半径 100m、11.85±22.34 人/半径 100m、11.48±222

12.23 人/半径 100m、5.27±8.08 人/半径 100m となったが、ルート C のみ秋季の223

14.84±22.34 人/半径 100m であった。海岸タイプについては、ルート A、B、D224

表 1

表 2

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で砂浜の利用者密度が最も多く、それぞれ 7.81±13.07 人/半径 100m、23.7±225

29.17 人/半径 100m、6.5±8.71 人/半径 100m、ルート C では親水石積み護岸が226

最も多く 17.5±21.36 人/半径 100m、ルート D ではテトラポッド護岸が最も多227

く、22.22±15.48 人/半径 100m であった。利用タイプにおいては、ルート A、228

C、E で釣り利用の人数が最も多く、それぞれ 2.09±7.81 人/半径 100m、8.17±229

16.51 人/半径 100m、1.13±3.03 人/半径 100m、ルート B、D では遊びの利用が230

最も多く、2.37±9.9 人/半径 100m、4.54±7.88 人/半径 100m であった。また、231

ルート A のみ採集利用の人数が釣り利用の人数と同数であり、採集もルート内での232

利用者密度が最多の利用タイプである。 233

234

利用タイプと利用者の属性 235

利用タイプの中で、最も人数が多かったのは釣りで 39.4%であった。それに次い236

で、遊びが 30.9%、生物採集が 13.9%となり、散歩や写真撮影などその他の利用は237

合わせて 15.8%であった。 238

利用者の性別比率について男女比 1:1 を基準としてχ2検定により比較した結果,239

魚釣り、生物採集、その他、合計した総計において男性の方が、利用比率が有意に240

高かった。唯一、遊びのみは利用比率において男女間の差はないという結果となっ241

た。特に釣りでは、性別によって利用に大きな差が出ることが明らかとなった (図242

図 4

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4)。また利用タイプと世代ごとの比率の関係性について日本人の人口比率を基準と243

してχ2検定により比較した結果、よりすべての利用タイプにおいて、世代間の比率244

に有意差があることが示された。グラフより釣りは比較的年齢層が高く、遊びと生245

物採集は年齢層が低いことが見てとれる (図 5)。 246

247

利用者密度を決める要因 248

半径 100m 内の遊びの人数を目的変数としたポアソン回帰では、利用可能人口、249

コンクリート護岸、冬季、初夏が有意な説明変数となり、利用可能人口と初夏の係250

数が正、コンクリート護岸、冬季の係数が負となった(表 3)。半径 100m 内の生物251

採集の人数を目的変数としたポアソン回帰では、テトラポッド護岸以外の説明変数252

が有意な変数となり、利用可能人口、岩場海岸、石積み護岸、初夏の係数が正、コ253

ンクリート護岸、冬季の係数が負となった。半径 100m 内の魚釣りの人数を目的変254

数としたポアソン回帰ではその他の結果とは異なり、利用可能人口が有意ではな255

く、岩場海岸、コンクリート護岸、石積み護岸、テトラポット護岸、冬季、初夏が256

有意な変数となった。係数については、コンクリート護岸のみが正、岩場海岸、親257

水石積み護岸、テトラポッド護岸、初夏、冬季が負であった。 258

259

考 察 260

表 3

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海岸において生態系を直接利用する魚釣りと生物採集を行っていた人数を合計す261

ると全利用者の 53%となり、海岸では生態系を直接利用する需要が大きいことが明262

らかになった(図 3)。 263

264

利用タイプごとの需要 265

海岸生態系の利用では,利用タイプごとに海岸タイプや季節が明瞭に異なってお266

り、また利用者の年代性別も異なっていた (表 3、図 4、5)。この結果は、都市の人267

工護岸を自然資源として開発する際に、目的とする利用タイプと利用者属性を定め268

た自然再生護岸の造成が可能であることを示唆している。 269

全体として利用者が多い魚釣りでは、秋季にコンクリート護岸を多く利用する傾向270

が示され、特に成人男性による利用が多い。魚釣りに適した水深のある場所へのア271

クセスが垂直なコンクリート護岸によって可能になっており、また秋には漁獲が容272

易であることによると考えられる(釣具のイシグロ、https://www.ishiguro-273

gr.com/fishing-guide/detail.php?id=67)。需要が大きいため(図 3)、現在はアクセス274

が制限されている都市や近郊の垂直なコンクリート護岸を可能な限り市民に開放す275

ることで、都市住民の生活向上に寄与すると考えられる。 276

次に利用者が多い遊びは、砂遊びなど必ずしも生物が対象とは限らないが、打ち277

上げられた貝殻など生物由来の物を利用することも考えられ、また水質や地形形成278

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を含めて生態系との間接的な関係があり得る。遊びでは初夏に砂浜が利用され、他279

と比較して子どもや女性の利用も多い(表 3、図 4、5)。都心においてもお台場など280

の公園では人工の砂浜海岸が整備されてきている。 281

生物採集では初夏に岩場海岸や親水石積み護岸が利用され、遊びについで子ども282

や女性の利用も多い。岩場海岸だけでなく親水石積み護岸も同程度かそれ以上の利283

用があるという結果であったことから (図 4、5)、人工の親水石積み護岸は生物採284

集において天然の岩場海岸と同じような機能を果たしているということが考えられ285

る。石積み護岸は生物多様性や水産資源の保全、市民の憩いの場、環境学習の場な286

どの機能が期待されており、天然の岩場海岸が非常に少ない都心付近の海岸では人287

工の親水石積み護岸を造成することで生物多様性の保全に寄与する(田中ほか 288

2012)。都市では子どもが自然と接する機会を失うことで、自然に対する関心や保全289

意識が低下し、自然と接する意欲の減少をもたらす経験の絶滅が起きることが知ら290

れているが(Soga and Gaston 2016)、都心で子どもが生態系と接することができる291

親水石積み護岸は効果的な対策となりうる。 292

なお、「その他」とした散歩、休憩、写真撮影はバードウォッチングも含まれてお293

りオープンスペースの利用として生態系に関わるが、眺望に関する利用が多く直接294

観察により生態系の利用と判断することができなかったため本研究では解析を行わ295

なかった。 296

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18

297

利用者属性 298

生態系利用を目的とする海岸開発を行う際は、対象とする年齢層や性別に合わせ299

た海岸タイプを造成することが重要であると考えられる。女性は自然環境に対する300

選好性が男性より高い傾向が北米から中南米にかけての多くの国における調査で知301

られているものの(Zelezny et al. 2000)、実際の野外活動では都市の緑地において302

も男性よりも訪問頻度が低い傾向がオランダの研究で明らかになっている 303

(Bloemsma et al. 2018)。今回の調査においても魚釣りや生物採集といった生態系へ304

の需要は男性の方が高く、上記の傾向と一致していた。女性や子どもの利用を促進305

するには、遊びや採集に向いた砂浜海岸や石積み護岸が効果的であると考えられ306

る。一方で、成年男性の利用を促進するためにはコンクリート護岸による魚釣りが307

効果的である。ただし今回は調査していないが護岸に接した桟橋も効果が見られる308

可能性がある。 309

310

利用可能人口との関係 311

全体として利用可能人口が多い地域では利用者密度も高く、特に人口密集地の近312

くで海岸生態系への需要が大きいことが確認された (表 3)。理想自由分布において313

は自宅からの距離により移動コスト(金額のみでなく子どもを移動させることの困314

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難なども含む)が生ずるため、利用者密度が高くても近隣の海岸を利用していると315

考えることができる。他方で魚釣りでは利用可能人口の影響は検出されなかった。316

理想自由分布においてルート D 程度のような遠距離 (都心から 45km 以上)であっ317

ても移動コストの影響を受けない程度に利用メリットが大きい可能性があるほか、318

人口密集地で水質の悪化や乱獲など自然資源としての生態系の劣化が起きているの319

が原因で利用者密度が低下している可能性や、他の利用タイプ以上に同時利用者に320

よる過密を避けているため人口密集地の利用密度が低い可能性も考えられる。 321

322

都市における人工護岸の自然資源開発にむけて 323

都心に最も近い本調査のルート B から 30km 以内の海岸の 100m ごとのサンプリ324

ング調査では市民による利用が禁止された海岸が 60%を超えており、大量の自然資325

源が未利用のままになっている。アクセスが困難で危険なコンクリート垂直護岸等326

を安全に改良しアクセスを可能とすることで未利用の自然資源を利用可能なものと327

して開発することが可能である。都心や郊外など特定の地域に特定の海岸タイプを328

造成したとき、どの程度の利用者数が見込まれるかを表 3 のパラメータを利用して329

付録1 表1~4にまとめた。都心、市街地、近郊、大都市に近い農村地域につい330

て、半径 100m 以内の海岸(海岸線が直線的であれば 200m)の利用者密度の推定値331

を読み取ることができる。たとえば都心に親水石積み護岸を造成すると初夏に 28.75332

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人/半径 100m の生物採集者と、38.45 人/半径 100m の遊び利用者が期待される。333

この表を利用していくことで、より効果的な住民へのサービス提供や、都市におい334

てコンクリート護岸化されてきた海岸に潜在的に存在する未利用の自然資源を、自335

然再生や利用促進により開発することができると考えられる。 336

ただし現在は利用者のモラルが低いことや事故の発生により管理者が新たに利用337

禁止とする海岸施設も少なくない(中日新聞社、338

https://sp.chunichi.co.jp/fish/news/news_kiji_chubu2.php?file=CK20190206020000339

77_3 2019 年 8 月 12 日確認)。これは海岸生態系に対する需要が多すぎることによ340

る過剰利用と考えることができるが、利用者側にも節度のある利用が求められ、開341

放するにあたっては十分な安全対策も必要である。また都市近郊の自然海岸は希少342

であるため人工海岸に改変するのではなく保全を優先すべきある。 343

344

引用文献 345

秋山義弘・井芹絵里奈・岡田知也 (2015) 沿岸域の環境デザインに向けた魚類の類346

型. 土木学会論文集 B2(海洋工学), 71: I_1495-I_1500. 347

https://doi.org/10.2208/kaigan.71.I_1495 348

安藤明之(2009)初めてでもできる社会調査・アンケート調査とデータ解析 第 2 版. 349

日本評論社, 東京 350

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21

Bloemsma LD, Gehring U, Klompmaker JO, Hoek G, Janssen NAH, Smit HA, Vonk 351

JM, Brunekreef B, Erik Lebret, Wijga AH (2018) Green space visits among 352

adolescents: Frequency and predictors in the PIAMA birth cohort study. 353

Environmental Health Perspectives, 126: 047016-1 - 047016-9. 354

https://doi.org/10.1289/EHP2429 355

Fischer LK, Honold J, Botzat A, Brinkmeyer D, Cvejić R, Delshammar T, Elands B, 356

Haase D, Kabisch N, Karle SJ, Lafortezza R, Nastran M, Nielsen AB, van der Jagt 357

AP, Vierikko K, Kowarik I (2018) Recreational ecosystem services in European 358

cities: Sociocultural and geographical contexts matter for park use. Ecosystem 359

Services, 31: 455–467. https://doi.org/10.1016/j.ecoser.2018.01.015 360

Fretwell SD, Lucas Jr. HL (1970) On territorial behavior and other factors influencing 361

habitat distribution in birds. Theoretical development, Acta Biotheoretica, 19: 16-362

36. https://doi.org/10.1007/BF01601955 363

堀川 清司, 佐々木 民雄, 五十嵐 元(1972)海洋性レクリエーションとその環境.海岸364

工学講演会論文集,19: 83-91. https://doi.org/10.2208/proce1970.19.83 365

神田兵庫・磯田弦(2017) 大都市圏における人口密度と地価と通勤流動との相互関係366

-東京大都市圏の事例-.地理情報システム学会講演論文集 26:ROMBUNNO.B12 367

Kaiser MJ, Attrill MJ, Jennings S, Thomas DN, Barnes DKA, Brierley AS, Hiddink JG, 368

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22

Kaartokallio H, Polunin NVC, Raffaelli DG (2011) Marine Ecology: Processes, 369

Systems, and Impacts. Oxford University Press, New York 370

Klain SC, Chan KMA (2012) Navigating coastal values: Participatory mapping of 371

ecosystem services for spatial planning. Ecological Economics, 82:104-113. 372

https://doi.org/10.1016/j.ecolecon.2012.07.008 373

松村志真秀・秋葉和美・板垣貴喜・根本鉄郎(2003)釣りの操作と釣り方の分析と体374

系化 -海水魚(磯の釣りと防波堤の釣り)-. 木更津工業高等専門学校紀要,36:133-375

136 376

Lalli CM, Parsons TR(2005)生物海洋学入門 第 2 版(關 文威監訳, 長沼 毅訳). 講談377

社, 東京 378

Leeworthy VR, Schwarzmann D, Goedeke TL, Gonyo SB, Bauer LJ (2018) 379

Recreation use and spatial distribution of use by Washington households on the 380

outer coast of Washington. Journal of Park and Recreation Administration, 36:56-381

68. https://doi.org/10.18666/JPRA-2018-V36-I1-7915 382

松井孝典・渡辺浩志・町村尚(2013)自然公園のツーリズム利用を対象とした文化的383

生態系サービスの構造解析. 土木学会論文集 G(環境), 69:Ⅱ_413-Ⅱ_422. 384

https://doi.org/10.2208/jscejer.69.II_413 385

岡田知也・井芹絵里奈・三戸勇吾・高橋俊之・秋山吉寛・渡辺謙太・吉田稔・桑江386

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23

朝比呂(2015)干潟域における文化的サービスの定量的評価. 土木学会論文集 B3(海387

洋開発), 71:I_838-I_843. https://doi.org/10.2208/jscejoe.71.I_838 388

佐藤郁哉(2015)社会調査の考え方 下.東京大学出版会, 東京 389

Schneider DW, Ellis CD, Cummings KS (1998) A transportation model assessment of 390

the risk to native mussel communities from zebra mussel spread. Conservation 391

Biology,12: 788-800. https://doi.org/10.1111/j.1523-1739.1998.97042.x 392

Scholz AJ, Steinback C, Kruse SA, Mertens M, Silverman H (2010) Incorporation of 393

spatial and economic analyses of human-use data in the design of marine protected 394

areas. Conservation Biology, 25: 485-492. https://doi.org/10.1111/j.1523-395

1739.2010.01626.x 396

Soga M, Gaston KJ(2016) Extinction of experience: the loss of human–nature 397

interactions. Frontiers in Ecology and the Environment, 14(2): 94–101. 398

https://doi.org/10.1002/fee.1225 399

田中ゆう子・鈴木秀男(2012)生物共生護岸における生息場としての機能の変遷. 土400

木学会論文集 B2(海洋工学), 68: I_1191-I_1195. 401

https://doi.org/10.2208/kaigan.68.I_1191 402

横浜市環境科学研究所(2018)横浜の川と海の生物(第 14 報・海域編). 横浜市環境403

科学研究所, 横浜 404

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牛島 千尋(2012) 東京 60 圏の都市サイクルと都市の拡大・縮小.駒澤大學文學部研405

究紀要 70: 117-135 406

Zelezny LC, Chua PP, Aldrich C (2000) Elaborating on gender differences in 407

environmentalism. Journal of Social Issues, 56: 443–457 408

409

付 録 410

付録 1 表 1.都心 (ルート Bの利用可能人口に相当)における海岸 100mあたりの、良天候の休411

日に同時に利用する利用者密度の期待値。 412

413

付録 1 表 2.市街地 (ルート Aの利用可能人口に相当)における海岸 100mあたりの、良天候の414

休日に同時に利用する利用者密度の期待値。 415

416

付録 1 表 3.近郊 (ルート Cおよび Dの利用可能人口に相当)における海岸 100m あたりの、良417

天候の休日に同時に利用する利用者密度の期待値。 418

419

付録 1 表 4.大都市圏に近い農村地域 (ルート E の利用可能人口に相当)における海岸 100m420

あたりの、良天候の休日に同時に利用する利用者密度の期待値。 421

422

423

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表1 海岸利用者の属性ごとの密度(人/半径 100m)。集計ポイント周辺 100m以内の調査対象者の平均人数±標準偏差を示す。 424

性別 世代 全平均

男 女 20 歳未満 20 歳以上 50 歳未満 50 歳以上

ルート A 4.62±8.14 2.03±5.79 1.8±5.2 2.92±5.69 1.93±4.06 6.65±11.99

ルート B 4.57±8.94 1.83±6.11 2.65±8.89 2.08±5.31 1.67±3.15 6.39±14.33

ルート C 8.74±13.26 2.63±5.94 2.72±6.62 4.7±9.06 3.95±5.52 11.37±17.93

ルート D 4.69±6.77 2.52±4.48 2.71±5.36 2.76±4.38 1.75±3.11 7.22±9.57

ルート E 2.15±4.36 1.02±2.63 0.77±2.72 1.13±2.76 1.27±2.69 3.17±5.99

425

426

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表 2 海岸の状況や利用方法ごとの海岸利用者の密度(人/半径 100m)。集計ポイント周辺 100m 以内の調査対象者の平均人数±標準偏差を示427

す。 428

季節 海岸タイプ

調査

地 冬 初夏 秋 砂浜海岸 岩場海岸

親水石積み

護岸

垂直コンクリー

護岸

テトラポッド護

ルート

A 4.27±4.92

10.05±

16.09 5.64±11.4 7.81±

13.07 na 3.89±6.57 6.11±11.49 2.02±3.17

ルート

B 3.29±5.05

11.85±

22.34 4.04±6.86 23.7±

29.17 na 6.09±10.52 3.96±8.16 na

ルート

C 5.48±7.44

13.79±

19.69

14.84±

21.66 3.69±5.24 10.21±8.6 17.5±21.36 14.11±19.74 na

ルート

D 2.61±4.18

11.48±

12.23 7.57±8.24 6.5±8.71 na 13±14 13.89±11.37 22.22±15.48

ルート

E 1.02±2.27 5.27±8.08 3.23±5.32 5.64±8.14 1.74±3.43 3.33±2.36 2.3±4.72 1.56±3.85

429

430

431

432

433

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27

表 2 続き 434

435

利用タイプ

調査地 釣り 採集 遊び その他

ルート A 2.09±7.81 2.08±8.53 1.07±3.16 1.41±2.74

ルート B 2.17±4.11 0.98±4.76 2.37±9.9 0.87±2.17

ルート C 8.17±16.51 1.48±5.47 0.24±1.07 1.48±2.9

ルート D 1.33±4.34 0.32±1.87 4.54±7.88 1.03±2.24

ルート E 1.13±3.03 0.32±1.61 1.06±3.37 0.66±1.9

436

437

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表 3 魚釣り、生物採集、遊び、全利用の人数を目的変数とした 4通りのポアソン回帰における回帰係数。全利用は釣り、採集、遊び、その他の合438

計。サンプリング調査のためポアソン回帰の誤差評価は観察値で行ったが、表には全人数を予測する式となるよう補正後の値を示す。 439

目的変数

説明変数 魚釣り 生物採集 遊び 全利用

(Intercept) 0.3776 *** -0.8691 *** -1.12357 *** 1.72529 ***

利用可能人口 -0.01924 0.44528 *** 0.38547 *** 0.15343 ***

海岸タイプ

砂浜海岸 0.0 (reference) 0.0 (reference) 0.0 (reference) 0.0 (reference)

岩場海岸 -0.30841 *** 0.38025 *** -3.95275 -0.10608 ***

親水石積み護岸 -0.13474 *** 0.10014 . -0.05581 -0.10012 ***

テトラポッド護岸 -0.54330 *** -0.12669 -0.10154 -0.36045 ***

コンクリート護岸 1.01288 *** -0.26788 *** -1.13793 *** 0.07799 **

季節

秋 0.0 (reference) 0.0 (reference) 0.0 (reference) 0.0 (reference)

冬 -0.47704 *** -0.46704 ** -0.40956 *** -0.35490 ***

初夏 -0.15208 *** 0.88988 *** 0.51476 *** 0.20355 ***

***P<0.001; **P<0.01; *P<0.05; .P<0.1 440

441

442

443

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図の説明 444

445

図1 調査ルート地図。国土数値情報を参照して作成。 446

447

図2 直接観察での調査における生活者による海岸の自然の利用タイプの区分。 448

449

図 3 各調査ルートの海岸タイプ比率。 450

451

図 4 利用タイプと性別構成比。χ2 検定により有意に(p<0.05)男女差が認めら452

れた利用タイプには" * "を付与した。 453

454

図 5 利用タイプと年齢構成比。χ2 検定により有意に(p<0.05)男女差が認めら455

れた利用タイプには" * "を付与した。 456

457

458

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図 1 著者名:諸住健・小池文人 459

460 461

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図2 著者名:諸住健・小池文人 462

463

464

465

466

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図 2 著者名:諸住健・小池文人 467

468

469

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図 4 著者名:諸住健・小池文人 470

471

472

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図 5 著者名:諸住健・小池文人 473

474

475

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35

都市近郊の海岸生態系に対する市民による需要 476

諸住健・小池文人 477

478

付録 1 表 1.都心 (ルート Bの利用可能人口に相当)における海岸 100m あたりの、良天候の休日に同時に利用する利用者密度の期待値。海水479

浴シーズンは含まない。()内は推定値の平均-標準偏差と平均+標準偏差であり、この 2 値に 2 倍以上の差があるものについては記載していな480

い。 481

利用タイプ 季節 砂浜海岸 岩場海岸 親水石積み護岸 テトラポッド護岸 垂直コンクリート護岸

魚釣り 初夏 0.89 (0.87-0.9) 0.25 (0.2-0.31) 0.57 (0.51-0.63) 0.18 (0.16-0.21) 6.75 (6.21-7.33)

秋季 1.23 (1.11-1.36) 0.34 (0.3-0.4) 0.79 (0.77-0.8) 0.25 (0.24-0.27) 9.31 (9.31-9.32)

冬季 0.45 (0.44-0.45) 0.12 (0.1-0.16) 0.29 (0.25-0.32) 0.09 (0.08-0.11) 3.39 (3.05-3.76)

生物採集 初夏 4.13 (3.73-4.58) 19.84 (13.93-

28.25) 5.75 (4.3-7.68) 2.86 (1.91-4.29) 2.42 (1.89-3.09)

秋季 0.63 (0.58-0.68) 3.01 (2.53-3.57) 0.87 (0.78-0.97) 0.43 (0.35-0.54) 0.37 (0.34-0.39)

冬季 0.23 (0.18-0.3) 1.12 (0.68-1.83) 0.32 (0.21-0.5) 0.16 (0.09-0.28) 0.14 (0.09-0.2)

遊び 初夏 12.31 (11.77-

12.87) -

10.24 (9.08-

11.54) 9.17 (6.96-12.07) 1.26 (1.12-1.42)

秋季 4.13 (3.59-4.76) - 3.44 (3.36-3.52) 3.08 (2.57-3.68) 0.42 (0.41-0.43)

冬季 1.73 (1.71-1.76) - 1.44 (1.21-1.72) 1.29 (0.93-1.8) 0.18 (0.15-0.21)

482

483

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484

付録 1 表 2.市街地 (ルート Aの利用可能人口に相当)における海岸 100mあたりの、良天候の休日に同時に利用する利用者密度の期待値。 485

()内は推定値の平均-標準偏差と平均+標準偏差であり、この 2値に 2倍以上の差があるものについては記載していない。 486

利用タイプ 季節 砂浜海岸 岩場海岸 親水石積み護岸 テトラポッド護岸 垂直コンクリート護岸

魚釣り 初夏 0.89 (0.87-0.9) 0.25 (0.2-0.31) 0.57 (0.51-0.63) 0.18 (0.16-0.21) 6.75 (6.21-7.33)

秋季 1.23 (1.11-1.36) 0.34 (0.3-0.4) 0.79 (0.77-0.8) 0.25 (0.24-0.27) 9.31 (9.31-9.32)

冬季 0.45 (0.44-0.45) 0.12 (0.1-0.16) 0.29 (0.25-0.32) 0.09 (0.08-0.11) 3.39 (3.05-3.76)

生物採集 初夏 2.97 (2.88-3.06) 14.25 (10.77-

18.85) 4.13 (3.33-5.13) 2.06 (1.48-2.86) 1.74 (1.46-2.06)

秋季 0.45 (0.39-0.52) 2.16 (1.96-2.38) 0.63 (0.6-0.65) 0.31 (0.27-0.36) 0.26 (0.26-0.27)

冬季 0.17 (0.14-0.2) 0.8 (0.53-1.22) 0.23 (0.16-0.33) 0.12 (0.07-0.19) 0.1 (0.07-0.13)

遊び 初夏 9.24 (8.4-10.16) - 7.69 (7.17-8.24) 6.88 (5.5-8.62) 0.95 (0.88-1.01)

秋季 3.1 (2.56-3.76) - 2.58 (2.51-2.65) 2.31 (2.03-2.63) 0.32 (0.31-0.33)

冬季 1.3 (1.25-1.35) - 1.08 (0.95-1.23) 0.97 (0.73-1.29) 0.13 (0.12-0.15)

487

488

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付録 1 表 3.近郊 (ルート Cおよび Dの利用可能人口に相当)における海岸 100mあたりの、良天候の休日に同時に利用する利用者密度の期待489

値。 ()内は推定値の平均-標準偏差と平均+標準偏差であり、この 2値に 2倍以上の差があるものについては記載していない。 490

利用タイプ 季節 砂浜海岸 岩場海岸 親水石積み護岸 テトラポッド護岸 垂直コンクリート護岸

魚釣り 初夏 0.89 (0.87-0.9) 0.25 (0.2-0.31) 0.57 (0.51-0.63) 0.18 (0.16-0.21) 6.75 (6.21-7.33)

秋季 1.23 (1.11-1.36) 0.34 (0.3-0.4) 0.79 (0.77-0.8) 0.25 (0.24-0.27) 9.31 (9.31-9.32)

冬季 0.45 (0.44-0.45) 0.12 (0.1-0.16) 0.29 (0.25-0.32) 0.09 (0.08-0.11) 3.39 (3.05-3.76)

生物採集 初夏 2.55 (2.53-2.56) 12.22 (9.55-

15.63) 3.54 (2.95-4.25) 1.76 (1.31-2.37) 1.49 (1.3-1.71)

秋季 0.39 (0.32-0.46) 1.85 (1.74-1.97) 0.54 (0.54-0.54) 0.27 (0.24-0.3) 0.23 (0.22-0.24)

冬季 0.14 (0.12-0.16) 0.69 (0.47-1.01) 0.2 (0.14-0.28) 0.1 (0.06-0.15) 0.08 (0.06-0.11)

遊び 初夏 8.09 (7.19-9.11) - 6.73 (6.43-7.05) 6.03 (4.93-7.37) 0.83 (0.79-0.87)

秋季 2.72 (2.19-3.37) - 2.26 (2.15-2.38) 2.02 (1.82-2.25) 0.28 (0.26-0.29)

冬季 1.14 (1.07-1.21) - 0.95 (0.86-1.05) 0.85 (0.66-1.1) 0.12 (0.11-0.13)

491

492

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付録 1 表 4.大都市圏に近い農村地域 (ルート Eの利用可能人口に相当)における海岸 100mあたりの、良天候の休日に同時に利用する利用者493

密度の期待値。海水浴シーズンは含まない。 ()内は推定値の平均-標準偏差と平均+標準偏差であり、この 2値に 2倍以上の差があるものに494

ついては記載していない。 495

496

497 利用タイプ 季節 砂浜海岸 岩場海岸 親水石積み護岸 テトラポッド護岸 垂直コンクリート護岸

魚釣り 初夏 0.89 (0.87-0.9) 0.25 (0.2-0.31) 0.57 (0.51-0.63) 0.18 (0.16-0.21) 6.75 (6.21-7.33)

秋季 1.23 (1.11-1.36) 0.34 (0.3-0.4) 0.79 (0.77-0.8) 0.25 (0.24-0.27) 9.31 (9.31-9.32)

冬季 0.45 (0.44-0.45) 0.12 (0.1-0.16) 0.29 (0.25-0.32) 0.09 (0.08-0.11) 3.39 (3.05-3.76)

生物採集 初夏 1.07 (0.88-1.3) 5.14 (4.87-5.43) 1.49 (1.48-1.5) 0.74 (0.67-0.82) 0.63 (0.59-0.66)

秋季 0.16 (0.11-0.24) 0.78 (0.69-0.88) 0.23 (0.19-0.27) 0.11 (0.1-0.12) 0.09 (0.08-0.12)

冬季 0.06 (0.06-0.06) 0.29 (0.24-0.35) 0.08 (0.07-0.1) 0.04 (0.03-0.05) 0.04 (0.03-0.04)

遊び 初夏 3.82 (2.98-4.91) - 3.18 (2.92-3.47) 2.85 (2.66-3.06) 0.39 (0.36-0.43)

秋季 1.28 (0.91-1.82) - 1.07 (0.89-1.28) 0.96 (0.93-0.98) 0.13 (0.11-0.16)

冬季 0.54 (0.44-0.65) - 0.45 (0.44-0.46) 0.4 (0.35-0.46) 0.06 (0.05-0.06)