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主体的・協働的な学びを通した 課題解決的な授業モデルの提案 (2年次)

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主体的・協働的な学びを通した

課題解決的な授業モデルの提案

(2年次)

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目 次

Ⅰ 研究の概要

1 研究の背景

・・・・・・・・・・・・・・(1) これからの学校教育で育てたい子どもの姿 23

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2) 授業改善の視点について 23

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 研究のねらい 26

3 研究の内容

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) 研究主題 26

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2) 3年間の研究概要 26

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) 本年度の研究 27

Ⅱ 各教科からの分析

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 中学校 理科 28

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 小学校 算数 30

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 中学校 社会 30

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 中学校 数学 31

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 中学校 英語 31

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 高等学校 国語 32

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 高等学校 数学 32

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アンケート集計結果(教師) 33

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アンケート集計結果(児童生徒) 35

Ⅲ 研究のまとめ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 Akitaractive 36

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 Akitaractive Check Sheet 37

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・使用したアンケート 39

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・■ 引用・参考文献 43

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1 研究の背景

(1) これからの学校教育で育てたい子どもの姿

先日発表された新しい学習指導要領で改善すべき事項として,次の六つが挙げられてい

ます。

①「何ができるようになるか」(育成を目指す資質・能力)

②「何を学ぶか」(教科等を学ぶ意義と,教科間・学校段階間のつながりを踏まえた教

育課程の編成)

③「どのように学ぶか」(各教科等の指導計画の作成と実施,学習・指導の改善・充実)

④「子ども一人一人の発達をどのように支援するか」(子どもの発達を踏まえた指導)

⑤「何が身に付いたか」(学習評価の充実)

⑥「実施するために何が必要か」(学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策)

本研究では,これからの学校教育で育てたい子どもの姿を,次の三つと考えました。

①社会的・職業的に自立した人間として,我が国や郷土が育んできた伝統や文化に立脚

した広い視野をもち,理想を実現しようとする高い志や意欲をもって,主体的に学びに

向かい,必要な情報を判断し,自ら知識を深めて個性や能力を伸ばし,人生を切り拓い

ていくことができること。

②対話や議論を通じて,自分の考えを根拠とともに伝え,他者の考えを理解し,自分の

考えを広げ深めたり,集団としての考えを発展させたり,他者への思いやりを持って多

様な人々と協働したりしていくことができること。

③変化の激しい社会の中でも,感性を豊かに働かせながら,よりよい人生や社会の在り

方を考え,試行錯誤しながら問題を解決し,新たな価値を創造していくとともに,新た

な問題の発見とその解決に向けて取り組むことができること。

以上のような,新しい学習指導要領の理念等を踏まえつつ,今まで秋田県で積み重ねら

れてきた授業形態,発問,授業展開などを分析し,子どもたちが自ら問いを発し,他者と

協働しながら課題解決する授業を,研究協力校とともに構想し,その実践と検証を通して,

秋田の「深い学び」を推進していくための授業モデルを提示することにしました。

(2) 授業改善の視点について

授業改善の視点について,要素を「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「何ができるよ

うになるか」という三つの要素に分けて考えます(図1)。

「何を学ぶか」には,各教科等で育む資質・能力を明確化し,目標や内容を構造化して

Ⅰ 研究の概要

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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いくことが重視されます。授業を磨いていく視点の共有化を図り,授業改善に全員で協働

しながら取り組むことが求められています。

「どのように学ぶか」では,アクティブ・ラーニングを重視した授業改善であり,これ

は学習プロセスの視点に立って「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」という三

つの学びで構成されています。

「何ができるようになるか」では,「主体的・対話的で深い学び」を通して,「何を理

解しているか,何ができるか」「理解していること・できることをどう使うか」「どのよ

うに社会・世界と関わり,よりよい人生を送るか」が三つの柱になります(図2)。

「主体的な学び」では,子どもが見通しをもって粘り強く取り組み,自らの学習活動を

振り返って次につなげる学びを示しています。子ども自身が興味をもって積極的に取り組

むとともに,学習活動を自ら振り返って意味付けたり,獲得された知識・技能や育成され

た資質・能力を自覚したり,共有したりすることが求められています。

「対話的な学び」では,他者との協働や外界との相互作用を通じて,自らの考えを広げ

深める学びを示しています。身に付けた知識や技能を定着させるとともに,物事の多面的

で深い理解に至るためには,多様な表現を通じて,教師と子どもや,子ども同士が対話し,

思考を広げ深めていくことが求められています。

「深い学び」では,習得・活用・探究という学習プロセスの中で問題発見・解決を念頭

に置いた学びを示しています。新しい知識や技能を習得したり,それを実際に活用して,

問題解決に向けた探究活動を行ったりする中で,培った力が総合的に活用・発揮される場

面が設定されることが求められています。

以上の三つの学びはアクティブ・ラーニングの視点での授業改善そのものであり,これ

まで秋田県で取り組まれてきた,探究型授業が目指してきた姿とも重なります。

主体的・対話的で深い学びの実現のためには,子どもたちが学習内容を人生や社会の在

り方と結び付けて深く理解し,これからの時代に求められる資質・能力を身に付け,生涯

にわたって能動的に学び続けることができるようにするため,子どもたちが「どのように

学ぶか」という学びの質を重視した改善を図っていくことが必要になります。学びの質を

高めていくためには,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて,日々の授業を改善

していくための視点を教師間で共有し,授業改善に向けた取組を活性化していくことが重

図1 授業改善の視点

アクティブ・ラーニングの視点での授業改善

各校での授業

何ができるようになるか

どのように学ぶか何を学ぶか

課題の発見と解決に向けて主体的 ・ 協働的 に学ぶ学習

授業モデル

図2 育成すべき資質・能力の三つの柱

育成すべき資質・能力の三つの柱(案)

どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか

何を理解しているか何ができるか知識・技能

理解していること・できることをどう使うか

思考力・判断力・表現力等

学びに向かう力人間性等

「確かな学力」「健やかな体」「豊かな心」を総合的にとらえて構造化

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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要だと考えます。そして学びの深まりの鍵となるのが,各教科等の特質に応じた見方・考

え方です。見方・考え方は新しい知識・技能を既にもっている知識・技能と結び付けなが

ら社会の中で生きて働くことを通して習得したり,思考力・判断力・表現力等を豊かなも

のとしたり,社会や世界にどのように関わるかの視座を形成したりするために重要なもの

です。既に身に付いている教科における見方・考え方が,習得・活用・探究という学びの

過程の中で繰り返し働くことによって,資質・能力が更に伸ばされたり,新たな資質・能

力が育まれたりし,それによって見方・考え方が更に深まると考えられます。

「アクティブ・ラーニング」の視点での授業改善は,形式的な対話を取り入れた授業実

践や特定の指導技術の習得にとどまるものではなく,子どもたちそれぞれの興味や関心を

基に,一人一人の個性に応じた多様で質の高い学びを引き出すことを目指すものであり,

更に,それを通してどのような資質・能力を育むかという観点から,学習の在り方そのも

のの問い直しを行っていく視点が大切であると考えます。

また,「カリキュラム・マネジメント」は,学校の組織力を高める観点から,学校の組

織や経営の見直しにつながるものです。カリキュラム・マネジメントの実現のためには次

の三つの柱が重要です。

①各教科等の教育内容を相互の関係で捉え,学校教育目標を踏まえた教科等横断的な視

点で,その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと。

②教育内容の質の向上に向けて,子どもたちの姿や地域の現状等に関する調査や各種デ

ータ等に基づき,教育課程を編成し,実施し,評価して改善を図る一連のPDCAサイ

クルを確立すること。

③教育内容と,教育活動に必要な人的・物的資源等を,地域等の外部の資源も含めて活

用しながら効果的に組み合わせること。

今回の改訂で提起された「主体的・対話的で深い学び」と「カリキュラム・マネジメン

ト」は,教育課程を軸にしながら,授業,学校の組織や経営の改善などを行うためのもの

であり,両者を一体として捉えてこそ学校全体の機能を強化することができます。

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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2 研究のねらい

本研究では,県内の各学校における授業を「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「何が

できるようになるか」の視点で分析して課題を把握し,その解決に向けた方策を発信する

ことで,授業改善に向けた取組が更に推進され,児童生徒の学びの質が高まることを目指

します。

3 研究の内容

(1) 研究主題

研究主題は「主体的・協働的な学びを通した課題解決的な授業モデルの提案」としまし

た。平成27年度の研究では,「主体的」「協働的」をキーワードに,県内の優れた授業実

践を分析するとともに,次世代型教育推進センターとも連携し,学習指導要領改訂の方向

性で示されている三つの視点を基に,小学校国語・算数・理科,中学校社会・英語の授業

モデルを提案しました。ここで提案しました授業モデルは,型を示すものではなく,むし

ろ型にとらわれ過ぎることのないように授業が展開されることを目指したものです。

2年目は研究主題を継続し,1年目で提案したモデルを基に,更に校種を広げて授業を

構想し,子どもの姿を通して検証しました。そして,秋田県で培われた実践の継承と更な

る発展を目指していきたいと考えました。対話的な学習は協働的な学習に含まれていると

捉え,三つの視点「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」が効

果的に機能した深い学びについて,子どもの姿から見つめ直してみたいと考えました。そ

して,アクティブ・ラーニングと教育理論を踏まえ,主体的・協働的な学びを通して,児

童生徒一人一人が深い学びに結び付くよう,授業モデル「Akitaractive(アキタラクティ

ブ)」を提案したいと思っています。

(2) 3年間の研究概要

平成27年度の研究では,次期学習指導要

領の方向性を示す三つの視点を取り入れた

授業モデルであるセンター授業改善プラン

を提案しました。平成28年度は,授業モデ

ルに基づいて実践した研究協力校での授業

を分析し,成果と課題を検証しました。平

成29年度は,授業モデル「Akitaractive」

とチェックシートの活用と検証を行い,「授

業モデルを支えるカリキュラム・マネジメ

ント」として提案します(図3)。図3 研究計画の概要

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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(3) 本年度の研究

年度当初,小・中・高等学校から研究協力校9校にお願いしました。研究協力校には延

べ29回訪問し,必要に応じて授業構想の段階から関わるとともに,「主体的・協働的な学

びを通した課題解決的な授業」の実践と検証をしました。また,授業を提示した学級には,

年2回アンケートを実施し,教師や児童生徒の意識がどう変容したかについて分析しまし

た。そして,これらを基に,授業モデル「Akitaractive」とチェックシートを作成をしま

した。

秋田の探究型授業の基本的なプロセスに,三つの視点を対応させて研究を進めました。

本研究では「深い学び」をこれまでの学習や体験との関連付け,他者との関わりによる考

えの形成,学習内容の獲得と新たな学びへの意欲,これらがつながり合い,教科等におけ

る児童生徒の見方・考え方が成長していく学びと捉えています(図4・5)。

そして,これまでの秋田の優れた授業実践が,発展していくために提案する授業モデル

「Akitaractive」について,実践等を通して,その必要性について説明します。

図5 秋田の探究型授業と「深い学び」図4 「深い学び」とは

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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各教科において,授業モデルに基づいて実践した研究協力校での授業を分析,検証しま

した。検証したものの中から,小学校算数,中学校社会・数学・理科・英語,高等学校国

語・数学を紹介します。

1 中学校 理科

中学校第1学年理科「身のまわりの物質」の授業を紹介します。ねらいは,「4種類の

気体がそれぞれ何であるか確かめる実験を行い,その結果から気体名を特定することがで

きる」です。

「何を学ぶか」において,前時に設定した課題と生徒が立案した実験計画を確認しまし

た。教師は,生徒に思考させるために,調べる気体として,「空気」の他に「空気と酸素

の混合気体」を加え,問いを引き出しました。生徒は既習事項を振り返り,本時にどんな

活動をしたらよいかについて見通しをもちました(図6)。

そして,教師は,更に思考させる手立てとして,できるだけ少ない手順で判断するよう

に指示したことにより,生徒は必要な実験方法や順序について,再度,見直すことができ,

新たな気付きが生まれました(図7)。

「どのように学ぶか」において,生徒が対話を通して自分の判断と他者の判断を比較・

検討することで,次の学習への意欲が高まる姿が見られました。生徒たちは,予想された

結果が得られなかった場合も,他者との対話を通して適宜実験方法を練り直していました

(図8)。その際,教師が生徒の問題意識を触発するような問いを発するとともに,生徒

自身の考えについて振り返りを促すことで,対話の質が高まりました(図9)。

「何ができるようになるか」において,全てのグループの結果を一覧にして提示し,そ

れを基に生徒同士が考察し,対話を通して,根拠を明確にした結論を導き出しました(図

図6 中学校第1学年理科① 図7 中学校第1学年理科②

気付きを手掛かりに思考を促す

気付き

試験管は数に限りがあります。

できるだけ少ない手順で判断してください。

Ⅱ 各教科からの分析

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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10)。さらに本時では,学びと実生活を結び付けました。このように教師がまとめをコー

ディネートしたり,振り返りの視点を工夫したりして,生徒の思考を揺さぶることは,見

方・考え方を広げるために効果的と言えます(図11)。

この授業における「何を学ぶか」「どのよ

うに学ぶか」「何ができるようになるか」の

場面では,従来の探究型授業のプロセスに,

児童生徒が他者と対話しながら考えを練り直

す時間を保障することや振り返りにおいて教

師が問いかけをすることなど,教師が様々な

手立てを講じて,より児童生徒主体の授業を

展開することが「深い学び」につながりまし

た(図12)。

図8 中学校第1学年理科③ 図9 中学校第1学年理科④

図10 中学校第1学年理科⑤ 図11 中学校第1学年理科⑥

図12 秋田の探究型授業と学びの深化

再思考

他者との関わりを通した考えを練り直す時間の保障

計画どおりやってもこの2本が分からないよ

対話

水を入れる?

BTB溶液は?

水を入れても何も変化しないよ

そうか,それやってみようよ

展開 どのように学ぶか対話

実験方法の再思考を促す問いかけ

振り返り

予想と違った点は何かな?

どっちも火が消えてしまって・・・・

線香はどうやって確かめたの?

何ができるようになるかまとめ

対話考察

生徒同士が対話を通して考察する場の設定

どのように学ぶか

何ができるようになるか

何を学ぶか

センタくん タンキュちゃん

1単位時間における学びの深化

見通し

考えをもつ

話合い

振り返り

秋田の探究型授業の基本的なプロセス

再思考

対話

考察

振り返り

考察再思考

対話 振り返り

問い 振り返り

気付き

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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2 小学校 算数

第2学年「かけ算」では,「5,2,3,

4の段のかけ算を適用して考え説明すること

ができる」ということをねらいとしていまし

た。

「どのように学ぶか」では,ある児童が,

はじめ,どんぐりの数を2の段を使って求め

ようとしていました。その後,教師が児童数

人の考えを黒板にまとめたことにより,これ

を参考にして,「2の段,5の段とあるなら,

他の段でもできるのかもしれない」と自らの

学びが広がり始め,友達の考えから問いを見いだしていました(図13)。

3 中学校 社会

第2学年「日本の諸地域 近畿地方」では,

「京都市で景観が保護されている理由を,歴

史的背景から捉え,保護の必要性とその課題

を考察し,判断することができる」というこ

とをねらいとしていました。

「何を学ぶか」では,教師が外観の全然目

立たないコンビニエンスストアの写真を提示

したところ,今までの認識とのずれから,生

徒たちは「店にお客さんを呼びたいはずなの

に,コンビニエンスストアが全然目立たない」

という発言をしました。このような気付きを

基に,「生活に密接に関わっているのに,景観を守る必要はあるのか」を学習テーマに設

定して,授業を展開していました(図14)。

図13 小学校第2学年算数

図14 中学校第2学年社会

2のだんや5のだんだけでなく,他のだんでもできるのかもしれない。

友達の考えから学びを広げ,問いを見いだすための視覚化

大豊小学校 第2学年算数

気付き

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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4 中学校 数学

第3学年「y=ax²」では,「ジェット

コースターの速さの変化の様子について考

え,表やグラフから違いについてまとめる

ことができる」ということをねらいとして

いました。

「何ができるようになるか」では,自分

たちの活動を振り返ったときに,ジェット

コースターが加速していく音と数学の関数

が結び付いていることの驚きをきっかけに,

次の時間にはもっと正確にグラフに表現して

みたいという意欲が生まれました。このように,生徒が考えをまとめて発表する場面を適

宜設定することで,関数の考え方が成長し,学びの深化が見られました(図15)。

5 中学校 英語

第1学年「Unit 5 学校の文化祭」では,

「好きなものについての会話に積極的に取り

組んでいる」「Whatで始まる疑問文やbe動詞

+補語(形容詞)の文を正しく用いて尋ねた

り,聞かれたことに答えたりしながら,好き

なものについて会話をすることができる」と

いうことをねらいとしていました。

「どのように学ぶか」では,好きなスポー

ツや音楽などについて,小学校外国語活動の

学習内容を踏まえ,生徒の実態を見極めなが

ら,教師が本時で学んだ表現を少しずつ増やしていくよう指示しました。生徒はALTや

友達の表現をヒントにしながら,グループ内で対話を広げ,英語でより豊かなコミュニケ

ーションを図っていました。生徒は,自己の表現を工夫することや,友達と話し合うこと

によって活用することのよさに気付くことができました(図16)。

図15 中学校第1学年数学

図16 中学校第1学年英語

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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6 高等学校 国語

第3学年「論理的文章 日本語を考える『漢

字の性格』」では,「文章の構造を捉える」を

ねらいとしていました。精読(全体を俯瞰し

論理を読む)から味読(評価・吟味をしなが

ら読む)を4~5人のグループ学習を中心に

行いました。

「どのように学ぶか」では,全体で確認し

た文章構造について,吟味の視点を踏まえ,

グループで「本文の表現を確認した方がいい

よね」「ワークシートに各段落のキーワード

を記入して分類してみよう」などと,どのように課題を解決するかの話合いを行った上で,

KP(紙芝居プレゼン)法を用いて文章の組立てや論理展開を検討しました。生徒は,文

章構造を捉えることができただけでなく,筆者の文章の特色に気付くとともに,互いの「読

み」の多様さを実感していました(図17)。

7 高等学校 数学

第3学年「微分積分」では,「和の極限に

ついて定積分を利用して求めることができ

る」をねらいとしていました。

「何を学ぶか」では,教師は,特別な形を

した和の極限を定積分と結び付けて考える

ことや曲線で囲まれた部分の面積を微小な

長方形で近似することについて確認し,生

徒に見通しをもたせました。この後,生徒

は把握することが困難な本時の課題に対し

て,数学の事象を焦点化・共有化し,ペア

で思考を整理することを通して,数学を体系化していました(図18)。

図17 高等学校第3学年国語

図18 高等学校第3学年数学

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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アンケート集計結果(教師)

研究協力校9校158名の先生方の結果を集計すると,6月に実施した1回目のアンケー

トでは,②「ICTの活用した授業を児童生徒は期待している」,⑨「児童生徒は授業の

中で学ぶ内容に興味を示していると思う」,⑩「児童生徒にとって教科の内容は社会に出

たとき役立つと思う」という項目は,「強くそう思う」「そう思う」を合わせた肯定的な

回答が80%以上の数値を示しました。

反対に,①の「自分の関心に合った学習テーマを決める授業をよく行っている」,④の

「観察・実験や調査など解決方法を考える授業をよく行っている」,⑦の「グループで活

動を振り返る授業をよく行っている」の項目は,肯定的な回答が50%を下回りました。

1回目のアンケートから,先生方は,児童生徒が高い志や意欲をもって将来学び続ける

ために,主体的に学びに向かうことができるような授業づくりをしていることが分かりま

す。しかしながら,児童生徒にじっくり思考させたり,学んだことを振り返らせたりする

活動がまだまだ足りないと感じていることが分かりました(図19)。

図19 アンケート集計結果1回目(平成28年6月実施)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

⑩児童生徒にとって教科の内容は社会に出たときに役立つと思う

⑨児童生徒は授業の中で学ぶ内容に興味を示していると思う

⑧学習のまとめをみんなの前で発表する授業をよく行っている

⑦グループで活動を振り返る授業をよく行っている

⑥グループで話し合った内容をまとめ、次につなげる工夫をしている

⑤テーマについてグループで話し合う授業をよく行っている

④観察・実験や調査など解決方法を考える授業をよく行っている

③個人で何かを考え調べる授業を児童生徒は期待している

②ICTを活用した授業を児童生徒は期待している

①自分の関心に合った学習テーマを決める授業をよく行っている

「強くそう思う」 「そう思う」 「あまりそう思わない」 「全くそう思わない」

アンケート集計結果(教師) 1回目

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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11月に2回目のアンケートを実施しました。1回目と比べて,①「自分の関心に合った

学習テーマの設定を決める授業をよく行っている」,⑦「グループで活動を振り返る授業

をよく行っている」という項目が約10ポイント増加していました。

全体的に大きく減少した項目はありませんが,④「観察・実験や調査など解決方法を考

える授業をよく行っている」の項目は,1回目同様,肯定的な回答が少ないという結果と

なりました。

1回目のアンケートにおいて課題であった「自分の関心に合った学習テーマを決めるこ

と」や「学んだことを振り返ること」について,授業が進化していることを感じます。今

後は,児童生徒が自ら解決方法を考え,再思考を繰り返す学びの場を設定し,他者ととも

に試行錯誤しながら課題解決を図る授業を目指すことが「深い学び」につながると考えま

す(図20)。

図20 アンケート集計結果2回目(平成28年11月実施)

「強くそう思う」 「そう思う」 「あまりそう思わない」 「全くそう思わない」

アンケート集計結果(教師) 2回目

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

⑩児童生徒にとって教科の内容は社会に出たときに役立つと思う

⑨児童生徒は授業の中で学ぶ内容に興味を示していると思う

⑧学習のまとめをみんなの前で発表する授業をよく行っている

⑦グループで活動を振り返る授業をよく行っている

⑥グループで話し合った内容をまとめ、次につなげる工夫をしている

⑤テーマについてグループで話し合う授業をよく行っている

④観察・実験や調査など解決方法を考える授業をよく行っている

③個人で何かを考え調べる授業を児童生徒は期待している

②ICTを活用した授業を児童生徒は期待している

①自分の関心に合った学習テーマを決める授業をよく行っている

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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アンケート集計結果(児童生徒)

アンケート項目の「自分の関心に合った学

習テーマを決める場面があると,やる気が出

る」について,ある学校の児童生徒は,1回

目と2回目を比べると肯定的な回答の数値が

約10ポイント増加しています。中でも「強く

そう思う」と回答した児童生徒は約40ポイン

ト増加しています。

このことから,教師が児童生徒の興味関心

に寄り添い,学習テーマを決める授業を意識

して行うことで,児童生徒が主体的に授業に

臨む可能性が高まると言えます(図21)。

「テーマについてみんなや友達ともっと話

し合いたい」という項目について,ある学校

の児童生徒は,肯定的な回答の数値が1回目

と2回目を比べると約10ポイント増加してい

ます。中でも「強くそう思う」という回答は

約20ポイント増加しています。

このことから,協働的に学んだことについ

て,適宜振り返る場を設定することが友達と

一緒に話し合うよさを実感させることになる

と言えます(図22)。

「学んだことを振り返って考えると,『こ

んないい考え方があったんだ』『友達のやり

方も使ってみよう』などと感じる」という項

目について,ある学校の児童生徒は,肯定的

な回答の数値が約10ポイント増加していま

す。中でも「強くそう思う」と回答した児童

生徒は約15ポイント増加しています。

このことから,振り返って考えると,獲得

した学びの実感や新たな学びに挑戦する意欲

が生み出されることが分かります。そのため

にも,児童生徒が自分たちの活動を振り返っ

たり,考えをまとめて発表したりする場面の

充実が授業改善のポイントと言えます(図23)。

アンケート集計結果の比較(児童生徒)

「自分の関心に合った学習テーマを決める場面があると,やる気が出る」

1回目

2回目

「強くそう思う」 「そう思う」 「あまりそう思わない」 「全くそう思わない」

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

「テーマについてみんなや友達ともっと話し合いたい」

1回目

2回目

アンケート集計結果の比較(児童生徒)

「強くそう思う」 「そう思う」 「あまりそう思わない」 「全くそう思わない」

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

アンケート集計結果の比較(児童生徒)

「学んだことを振り返って考えると,『こんないい考え方があったんだ』『友達のやり方も使ってみよう』などと感じる」

1回目

2回目

「強くそう思う」 「そう思う」 「あまりそう思わない」 「全くそう思わない」

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

図21 アンケート集計結果(学習テーマ)

図22 アンケート集計結果(話合い)

図23 アンケート集計結果(振り返り)

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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1 Akitaractive(アキタラクティブ)

子どもの学びを支える教師の授業力を高めるものは,不断の授業改善の積み重ねです。

時代の急激な変化や急速な世代交代へ対応するために,秋田の今までの取組を後の世代へ

継承し,更なる発展を目指していくことが,今後より一層必要であると考えます。

平成27年度は秋田の今までの優れた授業実践を収集・分析し,それにアクティブ・ラー

ニングの視点と,主体的・協働的な学びを取り入れた授業改善プランを作成して,授業モ

デルの提案をしました。今年度は,次期学習指導要領改訂の視点である「何を学ぶか」「ど

のように学ぶか」「何ができるようになるか」という三つの視点で,再度捉え直した授業

改善プランと,秋田の探究型授業のプロセスをベースに,「Akitaractive(アキタラクティブ)

学びをつなげるイメージ図」を提案します(図24)。

AkitaractiveCheck Sheetによる省察

Akitaractive 学びをつなげるイメージ図 子どもの姿(思考)から深い学びを目指す

教科特有の見方・考え方の広がり深まりは,探究心の芽ばえとなり,新たな“問い”を生む。連続する学びは生きる力へ。学びの獲得と新たな学びを創出する。

アキタラクティブ

これまでの学びを振り返り,

学びの中での気付きを手掛かりに,学びが始まる。

何を学ぶか

Akitaractiveを基に授業構想

何ができるようになるか

「友達の考えを使ったらできた」「次はこんなことを試したい」「あの場合はどうなるのだろう」

「このことは知っているよ」「こうなるはずが,

なぜこうなるのだろう」

学びの出発

学びの再思考

学びの獲得と新たな学びの創出

進化→深化

進化→深化

互いの考えを伝え合い,相手の考えを受け止め,自分の考えを練り直す。一人の学びは,さらに大きな学びへ広がり,他者との関わりを通して「学び」の再思考が新たな価値を創造する。

探し直す・選び直す再び試す

試して失敗→もう一度探し直す→選び直す→再び試す→

どのように学ぶか

「こんな考えもあるんだ」「こうなるかもしれないよ」

探し直す・選び直す再び試す

図24 Akitaractive 学びをつなげるイメージ図

Ⅲ 研究のまとめ

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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「何を学ぶか」では,これまでの学習や日常生活との関連を重視します。子どもの問い

を顕在化し,問いを価値付け,いろいろな面から見通しをもたせることが大切です。これ

を「学びの出発」としました。

そして「どのように学ぶか」では,対話的な学びを通して問いについて試行錯誤し,思

考が進み理解が深まっていく授業展開を心掛けます。これを「学びの再思考」としました。

次に,「何ができるようになるか」の視点では,教科特有の見方・考え方の広がり深ま

りが,探究心の芽生えにつながるようにします。これを「学びの獲得と新たな学びの創出」

としました。これが学びを連続的なものにするイメージです。

このように,学びが進化して深まる場面は,授業の終末だけでなく,授業の途中で何度

も見られ,感想としての振り返りだけではなく,思考レベルでの振り返りと変容が見えま

した。図24に示されてあるように,「探し直したり,選び直したり,再び試したりする」

といった「再思考」をさせることが重要です。つまり,教科特有の見方・考え方が,どの

ように成長していくのかといった変容レベルで考えた授業を構想していくことが大切であ

ると考えます。そこで,教材研究をしたり,授業構想をしたりする際には,自らの授業実

践を振り返り,改善していくために,「Akitaractive(アキタラクティブ)学びをつなげ

るイメージ図」を活用いただき,子どもの姿から「深い学び」を目指してほしいと考えて

います(図24)。

2 Akitaractive Check Sheet

図25 Akitaractive Check Sheet

□ これまでの学びを振り返り, 見通しをもっているか□ 問いを引き出すための課題設定があるか□ 気付きを手掛かりに,問いの発見があるか

□ 対話や議論を通じて, 自分の考えを広げ深めているか□ 解決過程を振り返って考え直したり, 他者の考えを生かして探し直したりするといった試行錯誤を体験しているか

□ 考えを分かり易く相手に伝えたり,仲間とよりよく解決しようとしているか□ 集団としての考えを発展させたり,より多くの人と協働したりして解決しようとしたか

□ 驚きや感動,新たな問いへの意欲の高まりがあるか□ 全体の学びを振り返ることで,自らの成長を実感しているか□ 学んだことを日常生活や社会生活に生かそうとしているか

見方・考え方が成長する

何を学ぶか

どのように学ぶか

何ができるようになるか

Akitaractive Check Sheet (アキタラクティブチェックシ-ト)授業構想を始める際,授業設計を終えた後,実際の授業の終末等,適宜,アキタラクティブチェックシートを用いて,教師自身も

子どもの姿を共に振り返る。

学びの再思考

学びの獲得と新たな学びの創出

学びの出発

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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「Akitaractive」を具現化するために「Akitaractive Check Sheet」(図25)を作成し

ました。「学びの出発」「学びの再思考」「学びの獲得と新たな学びの創出」を,学びをつ

なげる三つのイメージとし,各項目を参考にできるようになっています。しかしながら,

「深い学び」は,1単位時間の授業の中で全てが実現されるものではなく,単元や題材と

いうまとまりの中で,取り組む必要があります。来年度は,更に一歩進めて,学校全体の

教育活動に機能させるための「カリキュラム・マネジメント」の実践について研究を進め

ていきたいと考えております。

今後も,教科の特性や子どもの様々な実態に応じて授業を見つめ直し,子ども一人一人

の主体性や協働性を大切にし,課題解決に向かうことによる「深い学び」の実現が,郷土

あきたの教育活動を推進していきます。

<研究協力校>

・三種町立金岡小学校

・潟上市立大豊小学校

・潟上市立追分小学校

・五城目町立五城目小学校

・由利本荘市立西目小学校

・三種町立山本中学校

・潟上市立天王中学校

・潟上市立天王南中学校

・五城目町立五城目第一中学校

・由利本荘市立西目中学校

・秋田県立秋田西高等学校

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センター研究「どのように学ぶか」などに関するアンケート

秋田県総合教育センター

◎ ここ1か月くらいの授業を思い浮かべてください。

次の質問について,当てはまる記号に○印を付けてください。

(ア 強くそう思う イ そう思う ウ あまりそう思わない エ 全くそう思わない)

① 児童が自分の関心に合った学習テーマを決める授業をよく行っている。

② パソコンやタブレットなどのICTを活用する授業を児童は期待している。

③ 個人で何かを考えたり調べたりする授業を児童は期待している。

④ 児童が観察・実験や調査などで解決方法を考える授業をよく行っている。

⑤ 児童がテーマについてグループで話し合う授業をよく行っている。

⑥ 児童がグループで話し合った内容をまとめ,次につなげる工夫をしている。

⑦ 児童がグループで活動を振り返って何が良かったか,悪かったかを考える授業を

よく行っている。

⑧ 児童が学習のまとめをみんなの前で発表する授業をよく行っている。

⑨ 児童は授業の中で学ぶ内容に興味を示していると思う。

どのようなところに興味を示していると思いますか。

(自由記述)

使用したアンケート(小学校教師用)

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

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⑩ 児童にとって,教科の内容は社会に出たときに役立つと思う。

どのようなところが役に立つと思いますか。

(自由記述)

あなたの考える「深い学びの過程」とはどのようなことですか?

(自由記述)

御協力ありがとうございました。

ア イ ウ エ

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秋田県総合教育センター 平成28年度 研究紀要

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センター研究「どのように学ぶか」などに関するアンケート(児童用)けんきゆう まな かん じ ど う よ う

秋田県総合教育センターあき た けんそうごうきよういく

◎ ここ1か月くらいの授業を思い浮かべてください。げつ じゆぎよう おも う

次の質問について,当てはまる記号に○印を付けてください。しつもん あ き ごう しるし

(ア 強くそう思う イ そう思う ウ あまりそう思わない エ 全くそう思わない)つよ おも おも おも まつた おも

① 自分の関心に合った学習テーマを決める場面があると,やる気が出る。じ ぶん かんしん あ がくしゆう ば めん き

② パソコンやタブレットなどを使う授業が好きだ。つか じゆぎよう す

③ 個人で何かを考えたり調べたりする授業が好きだ。こ じん なに かんが しら じゆぎよう す

④ 観察・実験をしたり調べたりして解決方法を自分で考えると,もっと知りたくなる。かんさつ じつけん しら かいけつほうほう じ ぶん かんが し

⑤ テーマについてみんなや友達ともっと話し合いたい。ともだち はな あ

⑥ みんなや友達といっしょに話し合った内容をまとめると,生活や学習の中で学んだともだち はな あ ないよう せいかつ がくしゆう

ことがどう役立つかを,もっと知りたくなる。やく し

⑦ 学んだことを振り返って考えると,自分の考えに自信をもつことができる。ふ かえ かんが じ ぶん かんが じ しん

⑧ 学んだことをみんなや友達と振り返ると,「こんないい 考え方があったんだ」ともだち ふ かえ かんが かた

「友達のやり方も使ってみよう」などと感じる。ともだち かた つか かん

⑨ 算数で学ぶ内容に興味がある。さんすう ないよう きよう み

アとイを選んだ人に質問です。どのようなところに興味がありますか。えら しつもん きよう み

(自由記述)じ ゆう き じゆつ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

ア イ ウ エ

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⑩ 算数で学んだことは,将来,社会に出たときに役に立つと思う。さんすう しようらい しやかい で やく た おも

アとイを選んだ人に質問です。どのようなところが役立つと思いますか。えら しつもん やく だ おも

(自由記述)じ ゆう き じゆつ

御協 力ありがとうございました。ご きようりよく

ア イ ウ エ

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<引用・参考文献>

秋田県教育委員会(2016)『平成28年度学校教育の指針』

秋田県教育委員会(2016)『平成28年度学校教育の指針(本年度の重点)』

秋田県教育庁義務教育課(2011)『“「問い」を発する子ども”の育成に向けて』

秋田県総合教育センター(2010)「あきたのそこぢから」

秋田県総合教育センター(2012~2015)「特色ある学校(園)」

秋田県総合教育センター(2012)『平成23年度研究紀要 43集』

秋田県総合教育センター(2013)『平成24年度研究紀要 44集』

秋田県総合教育センター(2014)『平成25年度研究紀要 45集』

秋田県総合教育センター(2015)『平成26年度研究紀要 46集』

秋田県総合教育センター(2016)『平成27年度研究紀要 47集』

国立教育政策所(2016)『資質・能力理論編』国研ライブラリ-.東洋館出版社.

新算数教育研究会(2016)『講座 算数授業の新展開 算数の本質に迫るアクティブ・ラ

ーニング』東洋館出版社.

中央教育審議会教育課程特別部会(2015~2016)

日本数学教育学会(2009)『算数教育指導用語辞典』教育出版社.

文部科学省(2008)『小学校学習指導要領』

文部科学省(2008)『中学校学習指導要領』

文部科学省(2009)『高等学校学習指導要領』

文部科学省(2008)『小学校学習指導要領解説 総則編』

文部科学省(2008)『中学校学習指導要領解説 総則編』

文部科学省(2009)『高等学校学習指導要領解説 総則編』

文部科学省(2011)『言語活動の充実に関する指導事例集 ~思考力,判断力,表現力等の育成に向けて~【小学校版】』

文部科学省(2012)『言語活動の充実に関する指導事例集 ~思考力,判断力,表現力等の育成に向けて~【中学校版】』

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センター研究

主体的・協働的な学びを通した

課題解決的な授業モデルの提案(2年次)

教科・研究班

教科・研究班

主幹(兼)班長 長 浜 中

主任指導主事 熊 谷 禎 子

加賀谷 英 一

平 川 研

指 導 主 事 黒 澤 望

小 玉 和 彦

阿 部 智 博

椎 名 美穂子

鈴 木 潤

小松田 哲 也

三 洲 龍 太

部 谷 靖 子

金 敬 子