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CAD実習Ⅰ 2011.10.14
資料 2
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画像処理の基礎Ⅱ
1.画像合成
今回は Photoshopを利用して模型写真と敷地写真を合成する手法について学習する。
以下の 2つの画像を組み合わせて一つの合成写真を作成する。
敷地写真(背景) 模型写真
合成写真
CAD実習Ⅰ 2011.10.14
資料 2
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1-1 素材の準備
HP(schedule→第 2 回授業)より合成のためのデモ(「背景」「模型」)をダウンロードし、デスク
トップに保存する。
URL: http://morolab.arch.kumamoto-u.ac.jp/puk2011/cad1/manuel/schedule2.html
1-2 写真を取り込む
PhotoShopを起動し、 ファイル → 開く から「背景」と「模型」を別々に開く
1-3 模型写真の建物部分を切り抜く
1)多角形選択ツール を利用して建物部分だけを選択し、コピーする。
2)「背景」ファイルにペーストする。このとき自動的にレイヤーが分かれる
3)各レイヤーに「背景」、「模型」と名前を付ける。
※レイヤーとは:「レイヤー」とは透明のフィルムのようなものである。例えば、図 1のように 3枚のレイヤー(透明フィルム)にそれ
ぞれ円、長方形、多角形が描かれている場合を考える。これらのレイヤーを重ねて真上から見ると図 2 のように見え
るはずである。
それぞれのレイヤーには自分の好きな名前を付けることができる。ある時は1つのレイヤーだけを表示したり、また
ある時は全てのレイヤーを表示したりすることができる。
レイヤ“1階”
レイヤ“地下”
図 1 レイヤの上下関係
レイヤ“2階”
図 2 レイヤ“2階”、“1階”、“地下”
を全て表示した状態
切り抜いてコピー&ペースト
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1-4 「模型」の微調整
1) 編集 → 自由変形ツール を利用して周りの建物とエッジとパースを揃える。
2)パースを揃えるときは角のハンドルを Ctrl +「クリック&ドラッグ」で掴んで移動することで
位置を合わせる。
3)模型と背景の建物の遠近感を 編集 → 変形 → ゆがみ で調節してあわせる。
※合成写真について:合成する際に違和感がないようにするためには、模型写真を背景となる敷地写真に合わせて撮影しておく必要が
ある。この時、角度・高さ・距離の比率が実際の位置と同程度になるように注意して撮影を行わなければならな
い。
隣の建物のエッジ位置やパース角
度を合わせる基準にすると良い
CAD実習Ⅰ 2011.10.14
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1-5 前後関係の調整
「背景」に「模型」をペーストしただけでは「模型」の前面に来るべきものに重なってしまう。そ
こで、建物の前面に来るべきものを「背景」からコピーし新たにレイヤーを作成しペーストする。そ
れを「模型」レイヤーの前に持ってくることで「模型」を隠す。
1)右にある民家と木が模型の前面になっていることがわかる。従って、コピーしたレイヤーを前に
持ってくる。
2)レイヤー「背景前面」と名前を付ける。
1-6 要らない部分を消す
消しゴムツール を使って要らない部分を消していく。このとき、消す対象のレイヤーがアク
ティブの状態になっているか確認してこの作業を行う。
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1-7 合成した写真に修正を加える
スタンプツール を利用して不必要な部分を消していく。
→スタンプツールとは、画像のサンプルを採取し、別の画像または同じ画像の一部の上に適用するこ
とができる。あるレイヤーの一部を別のレイヤーの上に複製することもできる。ツールを使用する
たびに、サンプルが塗り重ねられる。
練習:飛行機を増やしたり減らしたりしなさい。
①スタンプツールを選択してコピーしたい場所の中心で Alt+クリック する。(図 1)
②増やしたい場所でクリックし、ドラッグすることで図 1の基点を中心にペーストされる。(図 2、3)
背景の右手前にあるゴミ箱を消す。この際なるべく近くの壁面をコピーするとよい。
※修正方法:修正をかけるときには必ずレイヤーを分ける必要がある。なぜなら、間違えたときには最悪そのレイヤーだけを破棄でき
るようにしておく必要があるからである。例えば、修正を「背景」に直接してしまうと、「ヒストリー」で戻る方法にも限
界があり、「背景」そのものを入れ替えなければならなくなる。そのため、修正レイヤーを作成し、「スタンプツール」の
コピー部分を「背景」から採ってきて修正レイヤーにコピーしてゆく方法を行う。
修正前 修正後
図 1 図 2 図 3
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1-8 模型と背景の明度差をあわせる
「模型」レイヤーをアクティブにし、操作を行う。
1) イメージ → 色調補正 → トーンカーブ を利用することで背景との明度差を調整し、模
型を背景になじませる。
2)焼きこみツール を利用し、建物に陰影をつけ、境界をぼかすことで合成写真としての違
和感をできるだけ消していく。
焼きこみツールのオプションを下図のように設定する。
3)逆光を設定し不自然な感じを取り除く。
周りの暗さに合わせて「模型」自体のトーンを下げる。また、隣の建物との距離感を出すために焼
きこみツールで境界をぼかす。
修正前 修正後
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2.文字の入力
2-1 横書き文字ツール (縦書き文字ツール )
文字ツールを使うことで、画像上に文字を入力することができる。
文字を入力する場合、文字ツールを選択し、画像上の任意の位置でクリック、またはドラッグして入
力範囲を決定する。その後、文字を入力し、オプションバーの[現在の編集をすべて確定]ボタン (ま
たは、Ctrl + Enter)をクリックして確定する。
文字の内容を変更する場合、変更したい文字を選択する。次に、文字ツールを選択し、文字をドラッ
グさせて変更したい文字を反転表示させる。その後、オプションバーまたは、「文字」パレットの内容
を変更し、確定する。
1)文字ツールのオプションバー
文字ツールを選択すると表示され、文字についての基本的な設定ができる。
※アンチエイリアス:「アンチエイリアス」とは文字の輪郭のギザギザを中間色で埋めて滑らかに表示することを言う。[なし][シャー
プ][鮮明]など 5つから選択できる。[なし]を選ぶと文字の輪郭がギザギザになり、それ以外のものでは文字が滑
らかに表示される。
2)「文字」パレット
オプションバーの[文字パレットと段落パレットの切り替え]ボタンをクリックすると表示され、行
や文字の間隔、文字の縦横比率などさらに細かな設定ができる。
「なし」を選択 「シャープ」を選択
フォントファミリー
サイズ
垂直比率
選択した文字に詰め
字送り(トラッキング)
ベースラインシフト
ハイフンとスペルの言語
フォントスタイル
行送り
水平比率
文字間のカーニング
テキストカラー
アンチエイリアス
フォントファミリー フォントスタイル
サイズ
アンチエイリアス
文字揃え
カラー
ワープテキスト作成
文字パレットと段落
パレットの切り替え
現在の編集をすべて確定
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3)レイヤースタイル
入力した文字はフォントや色を変化するだけでなく、さまざまな効果を加えることができる。
(1)ドロップシャドウ
文字に影を付けて浮き上がったように表現するのが「ドロップシャドウ」である。
① レイヤー メニュー → レイヤースタイル → ドロップシャドウ を選択する。
②[レイヤースタイル]ダイアログボックスが表示される。[不透明度](影の濃さ)[角度][距離][サイ
ズ]などを設定し、[OK]ボタンをクリックする。
(2)ベベルとエンボス
文字を立体的に表現するのが「ベベルとエンボス」である。
① レイヤー メニュー → レイヤースタイル → ベベルとエンボス を選択する。
②[レイヤースタイル]ダイアログボックスが表示される。[スタイル][深さ][角度]などを設定し、
[OK]ボタンをクリックする。
「レイヤースタイル」ダイアログボックス
ここで影の設定を行う
ここでベベルとエンボスの設定を行う
「ベベルとエンボス」ダイアログボックス
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4)スタイルパレット
レイヤースタイル以外に簡単に文字を加工する方法として、「スタイル」パレットを使う。あらか
じめ用意されている、さまざまな表現が簡単に適用できる。
①加工するテキストレイヤーを選択する。
②[カラー]パレットのウインドウにある[スタイル]タブをクリックして[スタイル]パレットを表示
する([スタイル]タブがない場合、ウインドウメニュー → スタイル をクリックし表示させる)。
③[スタイル]パレットが表示される。表示されているサムネイルからスタイルを選択するか、[スタ
イル]パレット右上の をクリックしてパレットメニューを表示し、スタイルを選択する。
ここでは、[テキスト効果2]を選択する。
④スタイルを置き換えてよいか確認のダイアログボックスが表示され、OK をクリックする。[へこん
だアルミニウム(細)] をクリックする。
「スタイル」パレット(初期化) 「スタイル」パレット(テキスト効果2)
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2-2 横書き文字マスクツール (縦書き文字マスクツール )
[文字マスクツール]を使うと、簡単に画像を文字の形に切り抜くことができる。文字は、画像の絵柄
がよく見えるように、太めのフォントに設定する。
①元になる画像を開き、[横書き文字マスクツール]を選択する。
②画像の上をクリックすると、画像が赤くなり、ポインタが点滅したら、文字を入力・確定する。
③文字の形の選択範囲ができるため、選択範囲メニュー → 選択範囲反転 を選択する。
④Backspace キーを押して、削除すると、文字の形に画像が残る。
3.次回授業の連絡
次回の授業では、前半で作成した住宅模型と敷地写真の合成写真の作成を行う。
そのため、次回の授業時には、各自の「模型写真」と「敷地写真」の画像データを準備して
おくこと。
① 元の画像を用意 ② 文字マスクツールで文字を入力
③ 選択範囲を反転させる ④ 選択範囲を削除して完成
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練習 2
別の敷地写真に、建物の写真を合成しなさい。
1.素材の準備
下記より合成のための「敷地写真」「建物写真」「人物写真」をダウンロードし、デスクトップに保
存する。
URL: http://morolab.arch.kumamoto-u.ac.jp/puk2011/cad1/manuel/schedule2.html
2.素材の切り抜き
切り抜きのラインは輪郭のわずかに内側をたどるようにすると、仕上がりがきれいになる。
「人物」は人物が写っている写真から、適当な人物を 1~2名程度選び切り抜く。
また、「建物」を合成した際に隠れてしまう、前面の建物と電線の一部についても、敷地写真から
切り抜いておく。
3.素材の調整-位置とサイズ-
「建物写真」は、素材の向きと合成後の向きが異なるため、編集 → 変形 → 水平方向に反転
を行い、向きを変える。
4.素材の調整-パース・色・光-
前述の資料を参考に微調整を行う。ブラシツール を使って人物の影を手描きでつける。影用の
新規レイヤーを用意し、人物レイヤーよりも下側に配置する。[不透明度]を変更し調整する。
5.提出
今回学習した、[文字ツール]の効果を使用して、自分の学籍番号-氏名を画像内に入力する。入力
後、下図を参考に印刷を行い、提出する。
印刷方法:
① ファイル → プリント をクリック後下図のダイアログボ
ックスを開く。
②[ページ設定]で、A4・縦使いになっていることを確認する。
③[メディアサイズに合わせて拡大・縮小]のチェックボックスをク
リックし、チェックする。
④[一部プリント]ボタンをクリックし印刷する。
③チェックが入っていることを確認
②
④
完成予想