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(仮称)唐津洋上風力発電事業 計画段階環境配慮書 平成31年3月22日 再エネ主力発電化推進機構 洋上唐津発電合同会社 資料4 目次 1.会社概要 2.事業計画の概要 3.事業実施想定区域及びその周囲の概要 4.計画段階配慮事項の検討に係る調査、 予測及び評価の結果

(仮称)唐津洋上風力発電事業 計画段階環境配慮書...(仮称)唐津洋上風力発電事業 計画段階環境配慮書 平成31年3月22日 再エネ主力発電化推進機構

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(仮称)唐津洋上風力発電事業

計画段階環境配慮書

平成31年3月22日

再エネ主力発電化推進機構

洋上唐津発電合同会社

資料4

目次

1.会社概要

2.事業計画の概要

3.事業実施想定区域及びその周囲の概要

4.計画段階配慮事項の検討に係る調査、予測及び評価の結果

Page 2: (仮称)唐津洋上風力発電事業 計画段階環境配慮書...(仮称)唐津洋上風力発電事業 計画段階環境配慮書 平成31年3月22日 再エネ主力発電化推進機構

1.会社概要

• 再エネ主力発電化推進機構洋上唐津発電合同会社

• 代表取締役 星野 敦

• 住所

〒105-0004 東京都港区新橋6−17−21住友不動産御成門駅前ビル10FTEL: (03) 6432 0698FAX: (03) 6432 0699

1.会社概要

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• 設立目的:

洋上風力発電所の構築、開発行為

行政申請業務

電力送電線及び自営線の構築

不動産売買及び賃貸

• 構成メンバー: 株式会社INFLUX 他

1.会社概要

• 株式会社INFLUX• 代表取締役 星野 敦

• 住所

〒105-0004 東京都港区新橋6−17−21住友不動産御成門駅前ビル10F

1.会社概要

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【事業内容】

株式会社INFLUXは、平成30年3月に設立され、ブラックロック・ジャパン株式会社のアセットマネジメント会社として事業をスタートさせました。

ブラックロックは世界的資産運用会社が日本で10案件のメガソーラー発電所を所有し、その発電所の開発を事業の展開を始め、株式会社INFLUXのメインのクライアントとなります。

主な業務内容は、ファンドが購入した発電所用地地権者との協議、送電線の構築(地権者との交渉、売買・地上権設定契約)、林地開発申請のための測量、図面作成申請書作成、地元同意、河川同意、関係行政各部署との協議、住民説明会、EPC、メーカーのアレンジ、パネルメーカーとのアレンジ、ゼネコンとのアレンジ、メンテナンス会社とのアレンジなど、多岐に渡ります。

1.会社概要

【国内で、開発を進めている太陽光発電プロジェクト】

青森県(新城)50M宮城県(大崎)30M、宮城県(黒川)16M、宮城県(利府)40M福島県(白河)24M※稼働中、福島県(須賀川)25M和歌山県(周参見)6M奈良県(生駒)21M広島県(大竹)30M大分県(湯布院)18M宮崎県(田野)25M

【国内で開発を進めている洋上風力プロジェクト】

洋上風力発電では、早々からの取り組みで佐賀県、長崎県などで漁協組合公認の

アセスメントに着手し、アジアで最大規模となる洋上風力で世界的に注目される風力

開発事業を計画しています。

【海外で開発を計画しているプロジェクト】

海外では、インド及び韓国でのメガソーラー発電所をはじめ、陸上風力発電、洋上

風力発電も視野に入れた事業展開を計画しています。

1.会社概要

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【主要取引先】

• パネルメーカー:

ジンコソーラー、JAソーラ、カナディアン・ソーラー、京セラ、

LGジャパン、ハンファQセルズ、ソーラーフロンティア 他

• EPC会社:

IHIプラント建設 大和ハウス工業、日揮、日揮プラントイノベーション、

京セラ、東武建設 他

• ゼネコン会社:

青木あすなろ建設、熊谷組、深松組 他

• 開発業者・設計会社:

日建設計シビル、シーエーコンサルタント、DNV 他

• 顧問弁護士:

モリソンフォスター法律事務所、べーカー&マッケンジー法律事務所

1.会社概要

2.事業計画の概要

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• 事業名称:

(仮称)唐津洋上風力発電事業

• 事業実施想定区域の位置 :

唐津市神集島北部の海域

• 事業実施想定区域の面積 :

約2,653ha

• 風力発電機の基数:

34基~43基 (9,500kW~12,000kWクラスを想定)

• 最大総発電出力:

408,500kW (約140,000世帯)

※佐賀市、唐津市の世帯数に相当(佐賀県:約31万世帯)

2.事業計画の概要

2.事業計画の概要

事業実施想定区域の位置 航空写真

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• プロジェクトスキーム (仮)2.事業計画の概要

SPC (再エネ主力発電化推進機構)

EPC会社

造船会社 ケーブル会社 風車メーカ BOP (Balance of Plant) (変電所等)

測量会社 工事会社地質調査会社

• プロジェクト工程 (主なマイルストーン)

2.事業計画の概要

EIA (環境影響評価:Environmental Impact Assessment) 完了予定: 2022年8月

基礎工事:2022年8月~ 2022年12月

風力発電機組立・設置工事等:2023年1月~2023年3月

海底ケーブル敷設等電気工事:2023 年4月~2023年10月

送電線、接続:2023年3月~2025年10月

運転開始予定:2025年12月

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• 環境影響評価 (EIA)スケジュール

配慮書: 2019年3月14日届出

方法書: 2019年10月(予定)

準備書: 2021年12月(予定)

評価書 :2022年3月(予定)

2.事業計画の概要

• 送電線/自営線

オプション 1: ルート⑤(玄海原子力線)(220kV Line) 空き容量:879 MW 送電線/自営線距離:12 km

Option 2: ルート④(唐津西九州線)(220kV Line) 空き容量:231MW 送電線/自営線距離:9.4 km

2.事業計画の概要

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• 送電線/自営線

2.事業計画の概要

• 風車(オプション1):

2.事業計画の概要

メーカ名:MHI Vestas (9.5 MW)型番: V164-9.5MW

項目 諸元

定格出力 9.5 MW

ブ レ ー ド枚数 3

ロ ー タ ー直径 164 m

ハブ高さ 105 m

海水面▽

海水面からの風力発電機の高さ190m 程度

ローター直径164 m

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• 風車(オプション2):

2.事業計画の概要

メーカ名:GE Renewable Energy (12 MW)型番: Haliade-X-50/60 Hz

項目 諸元

定格出力 12 MW

ブ レ ー ド枚数 3

ロ ー タ ー直径 220m

ハブ高さ 138m

海水面▽

海水面からの風力発電機の高さ250m程度

ローター直径220 m

• 基礎工事工法

モノパイル式 (着床式) ●ジャケット式 (着床式)

2.事業計画の概要

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• 地元への貢献・メリット

<地元雇用政策に貢献>

1.地元の業者へ依頼

2.メンテナンス業務を地元に依頼

3.部品関係も地元の製作所、鉄工所等に依頼

<地域への貢献>

1.災害時、地域住民へ無償電力配給

2.地域施設へ電力配給(区民館等へ)

3.地元の観光産業の発達

2.事業計画の概要

3.事業実施想定区域及びその周囲の概況

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3.事業実施想定区域及びその周囲の概況

①地形及び地質の状況(海域)②動植物

③主要な景観資源及び眺望点

④住居等の状況

⑤漁業権の設定状況

⑥自然関係法令

3.事業実施想定区域及びその周囲の概況

①地形及び地質の状況(海域)

「海底地形デジタルデータ(M7014対馬海峡、M7024九州西岸海域)」(一般財団法人日本水路協会、2009年6月)をもとに作成

出典:「地質図Navi(対馬-五島海域表層底質図)をもとに作成

・事業実施想定区域及びその周囲は、水深20~40m程で比較的穏やかな傾斜・水深20~30m付近は中粒砂及び細粒砂またはシルト、水深30~40m付近に中粒砂、細粒砂及びシルト及び粗粒砂、水深40~50m付近に粗粒砂が分布

水深の状況 海底の地質の状況

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3.事業実施想定区域及びその周囲の概況

②動植物(文献調査)

うち、29科49種が重要な種

分類群確認種数

(重要な種の種数) 主な確認種

哺乳類 5目8科13種(2目3科3種) キクガシラコウモリ、ニホンノウサギ、タヌキ、キツネ、ニホンアナグマ、イノシシ等

鳥類 16目40科100種(7目10科15種) カルガモ、カイツブリ、カワウ、アオサギ、ホトトギス、カモメ、ハヤブサ、ツバメ等

爬虫類 2目7科9種 (重要種なし) クサガメ、ニホンヤモリ、ニホンカナヘビ、シマヘビ、アオダイショウ等

両生類 2目4科11種 (2目4科5種) カスミサンショウウオ、アカハライモリ、ニホンヒキガエル等

魚類 8目16科45種 (6目8科12種) ニホンウナギ、オイカワ、カワムツ、ミナミメダカ、スズキ、ボラ等

昆虫類 11目68科288種(4目13科23種) オニヤンマ、スズムシ、アサギマダラ、ノコギリクワガタ、ウリハムシ等

分類群名 科数 種数 主な確認種

シダ植物 17 63 イワヒバ、ゼンマイ、ワラビ、トラノオシダ、ヤブソテツ、ノキシノブ等

種子植物

裸子植物 6 7 イチョウ、アカマツ、クロマツ、スギ、ヒノキ、イヌガヤ 等

被子植物

双子葉植

物離弁花類 69 389 オニグルミ、イヌシデ、イタビカズラ、ヒメツルソバ、ウマノアシガタ、ナズナ等

合弁花類 27 211 キジョラン、ハマクサギ、タツナミソウ、オオイヌノフグリ、キツネアザミ、フキ等

単子葉植物 20 229 ノビル、ホテイアオイ、ツユクサ、イヌムギ、チガヤ、ススキ、シュロ等

合 計 139 899 -

■動物(陸域)

■植物(陸域)

3.事業実施想定区域及びその周囲の概況

■動植物(海域)

分類群確認種数

(重要な種の種数) 主な確認種

海棲哺乳類2目5科17種(1目3科6種)

ミンククジラ、ザトウクジラ、スナメリ、ネズミイルカ、イシイルカ、マイルカ、マダライルカ、スジイルカ、オキゴンドウ、ハナゴンドウ、カマイルカ、シワハイルカ、バンドウイルカ、ゴマフアザラシ 等

海棲爬虫類1目1科1種

(1目1科1種) アカウミガメ

魚介類8綱21目58科76種

(2目2科2種)

コウイカ科、ジンドウイカ科、マダコ科、ガンギエイ、エソ科、イカナゴ、ベラ科、

オキヒイラギ、ヒメジ、シロギス、チダイ、マダイ、ハゼ科、カサゴ、カナガシラ、コチ科、ネズッポ科、ヒラメ科、カレイ科、ウシノシタ科、カワハギ 等

潮間帯生物(動物)

3綱8目17科31種(1目1科1種)

サラサバイ、チグサガイ、ハナチグサ、ウラウズガイ、メダカラガイ、ミクリナガニシ、

ヒシオトメ、ヒメヨウラクガイ、イトマキレイシダマシ、イボニシ、レイシガイ、ボサツガイ、クロヘリアメフラシ、イトマキヒトデ、コシダカウニ、アカウニ、ムラサキウニ 等

底生動物10綱19目49科53種

(-)

ウミケムシ科、ギボシイソメ科、イトゴカイ科、ミズヒキゴカイ科、ウミイサゴムシ、タマガイ科、ホタルガイ、キセワタガイ科、ケシトリガイ、ウメノハナガイ、シズクガイ、フトヒゲソコエビ科、ヒサシソコエビ科、ナガサキキバガニ、イボガザミ、

スナクモヒトデ科、マメウニ科 等

海藻草類4綱20目40科99種

(2目2科2種)

アマノリ属、マクサ、カニノテ、無節サンゴ藻類、フダラク、エツキイワノカワ、カイノリ、スギノリ、ユカリ、トサカノリ、ワツナギソウ、マサゴシバリ、イギス属、ヤレウスバノリ、ヒメゴケ、イシゲ、フクロノリ、ワカメ、カジメ、クロメ、アラメ、ヤハズグサ、ヘラヤハズ、アミジグサ、ヒジキ、ホンダワラ、イソモク、アオノリ属、アオサ属、ハネモ属、

エビアマモ 等

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3.事業実施想定区域及びその周囲の概況

②動植物(鳥類の渡り経路)衛星追跡経路図

ハチクマ(春季) ハチクマ(秋季)

・事業実施想定区域及びその周囲では衛星追跡経路図よりハチクマの渡り経路が確認されている。

□:事業実施想定区域を含む佐賀県の唐津市

「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引き(平成23年1月・平成27年9月改正版)」をもとに作成

□:事業実施想定区域を含む佐賀県の唐津市

3.事業実施想定区域及びその周囲の概況

②動植物(海域植物の状況)

・事業実施想定区域の海底は砂泥質からなり、藻場の分布は確認されていない。

・事業実施想定区域周辺の小川島、神集島等の周辺には、クロメ、アラメ等の大型海藻からなる藻場やホンダワラ類からなるガラモ場が形成されている。

「自然環境調査 Web-GIS shapeデータダウンロード 藻場調査 佐賀県」、「環境アセスメントデータベース(EADAS)」をもとに作成

神集島

小川島

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3.事業実施想定区域及びその周囲の概況

③主要な景観資源及び眺望点

景観資源は、「屋形石の七ツ釜」、「虹の松原」、「松島海岸」等の17地点存在。

景観資源 主要な眺望点

・主要な眺望点は、「小友キャランコビーチ」、「立石山」、 「七ツ釜展望台」等の16地点が存在。

3.事業実施想定区域及びその周囲の概況

④住居等の状況

■学校、病院その他の環境の保全についての配慮が特に必要な施設の配置の状況

・事業実施想定区域及びその周囲においては、港近くに住居等が集中している。

■住居等の配置の概況

・事業実施想定区域及びその周囲においては、小川島、神集島等に学校、病院その他の環境の保全についての配慮が特に必要な施設が存在する。

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3.事業実施想定区域及びその周囲の概況

⑤漁業権の設定状況

事業実施想定区域及びその周囲の海域は以下の漁業権が設定されている。

・16区域の共同漁業権、・40区域の区画及び定置漁業権

「CeisNet 漁業マップ」、「海洋台帳」をもとに作成

3.事業実施想定区域及びその周囲の概況

⑥自然関係法令自然公園の指定状況

「国土数値情報自然公園地域(平成27年)」、「EADAS(環境アセスメントデータベース)」をもとに作成

事業実施想定区域及びその周囲には、「自然公園法」に基づく「玄海国定公園」の特別地域及び普通地域が存在する。

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4.計画段階配慮事項に関する調査、予測、評価の結果

4.1 計画段階配慮事項の選定

4.2 調査、予測及び評価の結果

①騒音及び超低周波音

②風車の影

③動植物

④景観

4.計画段階配慮事項の検討に係る調査、予測及び評価の結果

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影響要因の区分

環境要素の区分

工事の実施 稼働後

工事用資材等の搬出入

建設機械の稼働

造成等の施工による一時的な

影響

地形改変及び施設の存在

施設の稼働

大気環境

大気質 窒素酸化物 × ×

粉じん等 × ×

騒音及び超低周波音 × × ○

振動 × ×

水環境 水質 水の濁り × ×

底質 有害物質 ×

その他環境

地形及び地質

重要な地形及び地質

×

その他 風車の影※1 ○

動物 重要な種及び注目すべき生息地

× × ○

海域に生息する動物 × ○

植物 重要な種及び重要な群落 × ×

海域に生息する植物 × ○

生態系 地域と特徴づける生態系 × × ×

景観 ○

人と自然との触れ合いの活動の場 × ×

廃棄物 産業廃棄物 ×

残土 ×

放射線の量 ×

4.1 計画段階配慮事項の選定

注) 1. は、「発電所アセス省令」の「風力発電所別表第五」の参考項目であることを示す。2. 「○」は選定した項目を示す。3. *1:「風車の影」とは、影が回転して地上に明暗が生じる現象(シャドーフリッカー)のことをいう。

4.1 計画段階配慮事項の選定

①騒音及び超低周波音【調査結果】

・事業実施想定区域から2kmの範囲には、「騒音に係る環境基

準」の類型指定地域及び 「騒音規制法」による規制区域はない。

・住居等は主に事業実施想定区域の西~南側に存在する。

【予測結果】

・風力発電機の配置エリアから2kmの範囲に住居等は909箇所

存在するが、風車音の影響を及ぼす可能性のある事業実施想

定区域及びその周囲500mに住居・配慮施設は存在しない。

【評価結果】

風力発電機の設置位置は、配慮が特に必要な施設からは十分な離隔をとることを検討しており、風力発電機の機種(音響パワーレベル)の選定、配置及び基数を事業者が実行可能な範囲で考慮することにより、重大な環境影響を回避又は低減することが可能であると評価する。

【方法書以降の手続きにおいて留意する事項】

・風雑音による影響等に留意し、事業実施想定区域周辺の騒音

及び超低周波音の状況を適切に把握する。

・選定した風力発電機の機種から音響パワーレベルを設定し、既

設風力発電機・計画風力発電機との複合的・累積的影響につい

ても考慮しながら定量的に予測した上で、必要に応じて事業者

が実行可能な範囲で環境保全措置を検討する。

4.2 調査、予測及び評価の結果

区分事業実施想定区域からの距離(km)

0~0.5 0.5~1.0 1.0~1.5 1.5~2.0 計

住居等 0 2 309 598 909

学校 0 0 0 2 2

保育施設 0 0 0 0 0

福祉施設 0 0 0 1 1

医療機関 0 0 1 0 1

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②風車の影【調査結果】

・調査地域は、事業実施想定区域から2,2kmの範囲

※ローター直径の10倍を目安準とした。

・事業実施想定区域及びその周囲1.1kmに住居は5件存在するが配慮

施設は存在しない。

【予測結果】

・事業実施想定区域から2,2kmの範囲について、住居数および施設数を

整理した。これらの住居および施設については、事業実施により、風

車の影の影響を受ける可能性があると予測する。

【評価結果】

・風車の影に関する影響範囲の2.2km以内に住居が存在するため、風

車の影による影響を受ける可能性が予測されるが、風力発電機の設

置位置の検討にあたっては、「これらの住居及び配慮が特に必要な施

設からは十分な離隔をとること」、「機種又は配置を事業者が実行可能

な範囲で考慮する(必要に応じて風力発電機と住居等との離隔をさら

に大きくする等)こと」により、重大な環境影響を回避又は低減すること

が可能と評価する。

【方法書以降の手続きにおいて留意する事項】

・事業実施想定区域及びその周囲における配慮が特に必要な施設等の

窓の向きや遮蔽物等の状況を現地踏査により把握する。

・選定した風力発電機の機種(ローター直径、ハブ高さ)及び配置から日

影図を作成し、既設風力発電機・計画風力発電機との複合的・累積的

影響についても考慮しながら、これらを重ね合せることにより影響の範

囲及び程度を予測し、必要に応じて事業者が実行可能な範囲で環境

保全措置を検討する。

4.2 調査、予測及び評価の結果

区分事業実施想定区域からの距離(km)

0.0~1.1 1.1~2.2 計住居等 5 1,212 1,217学校 0 2 2

保育施設 0 0 0福祉施設 0 1 1医療機関 0 1 1

③動植物 4.2 調査、予測及び評価の結果

■空域を飛翔する動物

【調査結果】

・鳥類の重要な種(7目10科15種)が確認された。

環境区分 種名影響の予測結果

海岸・海域コクガン、ヒメウ、クロサギ、シロチドリ、ホウロクシギ、ハマシギ、ウミスズメ、カンムリウミスズメ、ミサゴ、ハヤブサ (10種)

事業実施想定区域上空を飛翔することにより、風力発電機の存在・稼働が影響を及ぼす可能性がある。

農耕地(渡りあり) コシャクシギ (1種) 生息環境から事業実施想定区域上空を飛翔する可能性は低く、風力発電機の存在・稼働が影響を及ぼす可能性は低いが、春季及び秋季の渡り期には影響を及ぼす可能性がある。

森林(渡りあり) ハイタカ (1種)湖沼河川(渡りあり) マガン (1種)森林(渡りなし) カラスバト (1種) 事業実施想定区域上空を飛翔する可能性は低く、風力発電機

の存在・稼働が影響を及ぼす可能性は低い。湖沼河川(渡りなし) オシドリ (1種)

【予測結果】

【評価結果】・事業実施想定区域上空を飛翔する鳥類等については、風力発電機の存在・稼働による移動経路の阻害 及びブレード・タワーへの接触が考えられる。

・予測結果によると、文献調査により確認された海岸・海域を主な生息環境とする重要な種については、事 業実施想区域上空を飛翔する可能性があるため、風力発電機の存在・稼働による生息環境の変化に伴う影響が生じる可能性があると評価する。

・現段階ではまだ事業計画が検討中であり、現地調査を実施していないため、予測及び評価が簡易的で不確実性を伴うものとなっている。

【方法書以降の手続きにおいて留意する事項】

・周辺地域における鳥類の専門家へのヒアリングを適宜行いながら現地調査を実施し、事業実施想定区域及びその周囲に生息する鳥類の状況を適切に把握する。

・工事中における影響、既設風力発電機・計画中の風力発電機との複合的・累積的影響についても考慮しながら調査、予測及び評価を行い、必要に応じて事業者が実行可能な範囲で環境保全措置を検討する。

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③動植物 4.2 調査、予測及び評価の結果

・ジャケット式の方がモノパイル式より改変面積が大きく、事業実施想定区域の海域を

利用する動物への影響が大きくなると予測する。

■海域における改変面積の予測結果

■予測に用いた基礎構造の条件

■海域に生息する動植物【調査結果】・海棲哺乳類では1目3科6種、海棲爬虫類では1目1科1種、魚介類では2目2科2種、潮間帯生物(動物)では1目1科1種が確認された。

・海域に生育する植物として、4綱20目40科99種の海藻草類が確認されている。海藻草類では2目2科2種の

重要な種が確認された。

【予測結果】

モノパイル式 ジャケット式

基数 43基杭の直径※注1 φ10m×1本 φ2.6m×4本改変断面幅 φ10m ~19m

改変断面積 約80㎡/基 約360㎡/基(基礎杭間の空間を考慮)

基礎構造 設置基数 改変面積/基 総改変面積 備考

モノパイル式 43基 約78.5㎥/基 約3,376㎡ 1本の基礎杭で支持するため、1本あたりの直

径が最大となる

ジャケット式 43基 約360㎡/基 約15,480㎡複数本の杭を打ち込んで構築するため、基礎杭間の空間に対する評価次第では、計算上の改変面積が増大する

③動植物 4.2 調査、予測及び評価の結果

■動物の重要な種への影響の予測結果(海域)

分類群 主な生息環境 種名 影響の予測結果

海棲哺乳類

比較的浅い海にも出現し、季節的移動を行う又は回遊は不明(ネズミイルカ)

ザトウクジラ、スナメリ、ネズミイルカ

事業実施想定区域内における繁殖や上陸・産卵場等の存在は確認されていないものの、回遊等により付近を通過する可能性があることから、影響が生じる可能性がある。

主に外洋性で大きな回遊はしない(シャチ)又は不明

マダライルカ、オキゴンドウ、シャチ

海棲爬虫類 世界の大洋に広く分布。砂浜で産卵 アカウミガメ

魚介類

沿岸の水深20~80mの砂泥質の海底 ガンギエイ 事業実施想定区域の水深帯及び底質環境を主な生息環境とすることから、事業の実施に伴い、生息環境の一部が変化する可能性がある。

内湾から水深340m位までの貝殻混じ

りの砂底~砂泥底に生息カナガシラ

潮間帯生物(動物) 温帯の岩礁域(水深3m前後) アカウニ事業実施想定区域及びその周辺に生息する可能性は低い。

分類群 主な生息環境 種名 影響の予測結果

海藻草類

外海の岩上、低潮線から10mの深さ

に生育 トサカノリ 事業実施想定区域の水深帯及び底質環境を主な生息環境とすることから、事業の実施に伴い、生息環境の一部が変化する可能性がある。

潮間帯下部から35mに達する潮下帯

の岩礁に生育 エビアマモ

藻場 主に岩礁性

クロメ、アラメ等の大型海藻からなる藻場やホンダワラ類からなるガラモ場

事業実施想定区域内の分布はみられない。

■動物の重要な種への影響の予測結果(海域)

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③動植物 4.2 調査、予測及び評価の結果

【評価結果】

・事業に伴う改変箇所は、風力発電施設の基礎部周辺に限られることから、改変に伴い海域に生

息生育する動 植物の生息生育環境への影響が及ぶ範囲は、海域のごく一部と考えられる。

・改変区域の底質は、神集島北側の一部の区域を除き砂泥質であり、文献調査結果によると、事

業実施想定区域内に藻場の分布はみられないことから、事業の実施に伴い、植物の生育環境

に影響が生じる可能性は低く、杭周辺に根固め・洗掘防止工を施工することになるが、砂泥部に

構造物を設置することにより、海藻の付着基盤が出現することから、新たな生育環境が創出され

る可能性があると評価する。

・現段階ではまだ事業計画が検討中であり、現地調査を実施していないため、予測及び評価が簡

易的で不確実性を伴うものとなっている。

【方法書以降の手続きにおいて留意する事項】

・周辺地域における魚類、海棲哺乳類、海藻草類等の専門家へのヒアリングを適宜行いながら現

地調査を実施し、事業実施想定区域及びその周囲に生息する動植物の状況を適切に把握する。

・工事中における水の濁りや水中音による影響、既設風力発電機・計 画中の風力発電機との複

合的・累積的影響についても考慮しながら調査、予測及び評価を行い、必要に応じて事業者が

実行可能な範囲で環境保全措置を検討する。

【調査結果】

・景観資源においては、「屋形石の七ツ釜」、

「虹の松原」、「松島海岸」等の17地点存在。

・主要な眺望点においては、「小友キャランコ

ビーチ」、「立石山」、 「七ツ釜展望台」等の

16地点が存在。

【予測結果】

・主要な眺望点及び主要な景観資源につい

ては、いずれも事業実施想定区域内に含ま

れず、直接的な改変は生じない。

・垂直見込角が最も大きいものは、事業実施

想定区域に最も近い七ツ釜展望台で12.9

度、次いで大きいものは小友キャランコ

ビーチで8.5度と予測された。

④景観 4.2 調査、予測及び評価の結果

主要な眺望点の分布状況

Page 22: (仮称)唐津洋上風力発電事業 計画段階環境配慮書...(仮称)唐津洋上風力発電事業 計画段階環境配慮書 平成31年3月22日 再エネ主力発電化推進機構

④景観 4.2 調査、予測及び評価の結果

【評価結果】

・主要な眺望点及び主要な景観資源については、いずれも直接的な改変は生じない

ことから、眺望点及び景観資源に係る重大な影響を回避していると評価する。

・主要な眺望点16地点のうち、七ツ釜展望台において垂直見込角が10度以上となっ

ており、眺望景観への影響が予想される。

しかし、実際は海岸からある程度の離隔をとって風力発電機を設置することを検討

している。また、事業実施想定区域内における風力発電機の機種、色彩及び配置を

事業者が実行可能な範囲で考慮することにより、重大な環境影響を回避又は低減

することが可能と評価する。

【方法書以降の手続きにおいて留意する事項】

・選定した風力発電機の機種(風力発電機高さ)及び配置から可視領域図を作成し、

景観の専門家等へのヒアリングを適宜行いながら現地調査を実施する。

・事業実施想定区域周辺では、複数の既設風力発電機・計画中の風力発電機が存

在しており、これらとの複合的・累積的影響についても考慮しながらフォトモンター

ジュや視角による予測及び評価を行い、必要に応じて事業者が実行可能な範囲で

環境保全措置を検討する。