サントリーホール情報誌 Winter 2017 特集 クリスマスには 清らかな歌声を、 新年はウィンナ・ワルツで 晴れやかに インタビュー ピアニスト 辻井伸行 2017年 12月 〜 2018年 3月の コンサート案内

特集 クリスマスには - サントリー · クリスマスには ... の意)のオーケストラウィーンの伝統ある劇場フォルクスオーントリーホールに持って来てくれるのが、

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Page 1: 特集 クリスマスには - サントリー · クリスマスには ... の意)のオーケストラウィーンの伝統ある劇場フォルクスオーントリーホールに持って来てくれるのが、

サントリーホール情報誌Winter 2017

特集クリスマスには

清らかな歌声を、新年はウィンナ・ワルツで

晴れやかに !インタビュー

ピアニスト 辻井伸行2017年12月〜 2018年3月の

コンサート案内

Page 2: 特集 クリスマスには - サントリー · クリスマスには ... の意)のオーケストラウィーンの伝統ある劇場フォルクスオーントリーホールに持って来てくれるのが、

クリスマスを

彩るハーモニー

特集ク

リスマスには

清らかな歌声を、

新年は

ウィンナ・ワルツで

晴れやかに!

心躍る季節になりました。

クリスマスにはキャロルの歌声を聴き、

新年へのカウントダウンは

ジルヴェスター(ドイツ語で大晦日)・コンサートで。

お正月は優雅にニューイヤー・コンサートを楽しむ……

そんな過ごし方が、日本でも定番になりつつあります。

華やかで楽しい、サントリーホールの

ウィンターシーズンをご紹介します。

2番』をベートーヴェンの時代のヴァイ

オリンで、アルゼンチンの作曲家でバン

ドネオン奏者アストル・ピアソラの『ア

ヴェ・マリア』をヴィオラで、映画音楽の

巨匠エンニオ・モリコーネの『ガブリエ

ルのオーボエ』をバロック・オーボエで奏

でます。普段のBCJのコンサートでは

めったに聴くことのできない、この日な

らではのロマンティックな調べに、心地

よくあたたかな気分が広がることでしょ

う。ソリスト歌手によるシューマンやR・

シュトラウスのクリスマス歌曲も、コン

サートホールで聴けるまたとない機会で

す。

「クリスマスは赦しの日。音楽に包まれ

 

クリスマス・イヴ。

「なにやら高まる気持ちそのままに、音

楽を楽しんでください。クリスマス・キ

ャロルの数々を、バッハ・コレギウム・

ジャパン(BCJ

)の世界一のアカペラハ

ーモニーで、お聴かせします」と語るのは、

『サントリーホール

クリスマス

オルガン

コンサート

クリスマスChoice』の

仕掛け人、指揮者・オルガニストの鈴木

優人さんです。12月23日はBCJによる

ながら、今年1年をゆっくり振り返るよ

うな場になれば。演奏のクオリティは自

信を持ってお届けします。でも堅苦しく

なく、家族で過ごすクリスマスのような

気分でいらしてください」。

 

清らかで贅沢な気分のイヴを!

バッハ・コレギウム・ジャパン

(BCJ)

バロック時代の音楽作品をオリジナル楽器で演奏することを目的に、鈴木雅明氏によって結成されたオーケストラと合唱団。世界の第一線で活躍するスペシャリストたちのアンサンブルは、国内外で絶賛されています。

鈴木優人さんは、サントリーホールのオルガンを最もよく知るオルガニストの1人。オーバーホールしたばかりで「よりクリアにきれいなった」音色をお楽しみください。

『メサイア』全曲演奏会、

24日はBCJによるクリス

マスオルガンコンサートが、

ここ数年の定番です。

 

今年のイヴのコンサート

では、ブラームスの美しい

オルガン曲『11のコラール

前奏曲』で、透明な歌声と

伸びやかなオルガンの響き

に包まれ、浄化された気分

に。さらに、BCJの管弦

楽器の名手たちも登場、ベ

ートーヴェン『ロマンス第

3 2Hibiki Vol .2Hibiki Vol .2

Page 3: 特集 クリスマスには - サントリー · クリスマスには ... の意)のオーケストラウィーンの伝統ある劇場フォルクスオーントリーホールに持って来てくれるのが、

 

音楽に溢れた、あのウィーンの華やか

で楽しい年末年始を日本でも実現したい

――そんなサントリーホールのある制作

プロデューサーの想いから、サントリー

ホールのジルヴェスター・コンサートは

25年も前に始まりました。

 

大晦日のウィーン。人々は劇場やホー

ルやレストランなど様々なイベント会場

へと繰り出します。至るところで音楽が

流れています。1年を締めくくるこの日

に、国立オペラ座とフォルクスオーパー

の2つの劇場で、ヨハン・シュトラウス

Ⅱ世のオペレッタ『こうもり』を楽しむ

のが昔ながらの伝統です。それぞれの豪

華な配役陣が街の話題になります。22時、

王宮では大舞踏会(ジルヴェスター・バ

ル)が開催されます。これを皮切りに2

月までの2ヵ月間、長く寒い冬を吹き飛

ばすウィーンの舞踏会シーズンが続くの

も伝統。ワルツシーズンの幕開けです。

 

そして、時計の針が零時を指した瞬間、

夜空に高々と花火が上がり、祝福の爆竹

が方々で鳴らされます。おめでとうのハ

グ&キッス。乾杯!乾杯!乾杯! 

夜通

し踊り、歌い、飲み明かしながら、新年

を迎えるのです。

そんなウィーンの賑わいを、丸ごとサ

ントリーホールに持って来てくれるのが、

ウィーンの伝統ある劇場フォルクスオー

パー(民衆の劇場の意)のオーケストラ

です。大晦日には本拠地で『こうもり』

のオーケストラ・ピットにいるはずなの

に、なぜ東京に? 

――そうなのです、

ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団

はこの20数年間毎年、地元組と日本組と

半分ずつに分かれて、ジルヴェスターと

ニューイヤーのコンサートを開催してい

るのです(日本組を希望する楽団員が多

くて、競争率は高いそうです!)。

 

フォルクスオーパーはオペレッタの殿

堂。オペレッタは、気楽に楽しめるハッ

ピーエンドの恋物語が大半です。『こう

もり』は19世紀のウィーンを舞台に、仮

面舞踏会あり刑務所騒動あり夫婦愛あり

浮気あり復讐劇もありながら、最後は

「すべてはシャンパンの泡のせい」と乾

杯してめでたく幕を閉じる、喜歌劇です。

このウィンナ・オペレッタの最高傑作を、

コンサート形式でギュッと凝縮してお届

けしようというのが、今年の『ジルヴェス

ター・コンサート』の観どころ聴きどこ

ろ。一度はどこかで耳にしたことのある

ワルツやポルカの軽快な響き、「お酒を

飲めば物事がよく見えてくる」とか「逆

らえない運命を忘れてしまえる人は幸せ

だ」とか、人生の真実(?)を散りばめ

た台詞や歌声に、心がすっかり解き放た

れてしまうかもしれませんね。

 

そして、毎年趣向を凝らしたカウント

ダウンが始まります。会場全体の気持ち

がぴったり合わさり……零時。あけまし

ておめでとうございます! 

恒例のラデ

ツキー行進曲で舞台も客席も一体となり、

楽しさ最高潮。銀テープが勢いよく飛び

交い、華やかに新年を迎えるのです。

2016-2017 サントリーホール ジルヴェスター・コンサート、『こうもり』の一幕。

ウィーンっ子たちが愛する「フォルクスオーパー」(右)では、オペレッタ『こうもり』が上演されます。大晦日の夜、ウィーンの空には花火が舞います。

お祭り気分の

ジルヴェスター

ウィーン・

フォルクスオーパー

交響楽団

Volksoper Wien

© D

imo D

imov/Volksoper W

ien, zum einm

aligen Abdruck freigegeben

New

Year's Eve in Vienna / City hall

© Ö

sterreich Werbung, Photographer: G

. Popp

5 4Hibiki Vol .2Hibiki Vol .2

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ニューイヤー・コンサートに向かう

お客様の顔は、みな晴れやかです。着

物姿のご夫婦や、おめかしをしたお孫

さん連れの3世代家族、会場での一体

感を楽しみに毎年いらっしゃるお馴

染みさんの姿も。

 

ウィーン・フォルクスオーパー交響

楽団による優雅な管弦楽、華やかな歌

声、美しいバレエ・ダンサーも登場する、

心躍る舞台。今回で3度目のニューイ

ヤーを指揮するマエストロ、グイド・

マンクージは、作曲家でもあり、氏の

作曲によるワルツ『ローマ散策』は日

本初お披露目です。ウィンナ・オペレ

ッタの父スッペ作『ボッカチオ』から

の名曲や、イタリアのオペラ作曲家ポ

ンキエッリ『時の踊り』、ヨハン・シュト

ラウスⅠ世『ヴェネツィア人のギャロッ

プ』、ヨハン・シュトラウスⅡ世のオペ

レッタ『ヴェネツィアの一夜』から「ゴ

ンドラの歌」など、そこはかとなくマエ

ストロの故郷のイタリアの薫りがするの

も、2018年ニューイヤー・コンサー

トの選曲の特徴です。もちろん最後は、

『美しく青きドナウ』で。そしてアンコー

ルに登場する曲は……乞うご期待です!

2018年の

幕開け

 今年、ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団は100周年を迎えました。私達の音楽の第2の故郷である素晴らしいサントリーホールで、皆様方と一緒に私達の百周年と新年をお祝いできることは大きな喜びです。 若くして活躍しているソプラノ歌手アドリアーナ・クチェローワは、日本での初登場を楽しみにしています。マエストロ、マンクージも、テノール歌手モンタゼーリもオーケストラも、再び素晴らしい日本で演奏できることを大変に楽しみに、また皆様方にあたたかく迎えて頂けることをとても嬉しく思っています。再会を楽しみに !

ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団一同

ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団の楽団員たち。ウィンナ・ワルツで大活躍する楽器ウィンナ・ホルンやウィンナ・オーボエ、打楽器奏者の活躍ぶりにも注目です。

サントリーホールのニューイヤー・コンサート、記念すべき第1回は 1988 年。ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートで有名なウィリー・ボスコフスキー氏の指揮で実現しました。写真は当時のプログラム。

 

コンサートの前や幕間の時間も

心躍るひととき。

 

レセプショニストの笑顔に迎え

られてエントランスから一歩足を

踏み入れると、そこはマホガニー

と大理石の落ち着いた空間、ホワ

イエです。ホワイエの左右と2階

にある、バー「インテルメッツオ」

ではお酒やコーヒーを楽しむこと

ができます。海外のオペラハウス

やコンサートホールでは一般的な

バーコーナーを、日本で初めて設

けたのはサントリーホール。

 

クリスマスや新年のコンサート

なら、少し早めに着いてシャンパ

ンで乾杯! 

華やかな時間の始ま

りを。また、幕間に、ウイスキーや

コーヒーを飲みながら、聴いたば

かりの音楽の感動を大切な人と分

かち合うのもおすすめです。

コンサート前に、幕間に。

華やかな気分に乾杯!「インテルメッツオ」とはイタリア語で「間奏曲」。幕間、緊張を

ほぐすにもよい心地よく落ち着いた空間。

「インテルメッツオ」のシャンパンはローラン・ペリエ。繊細な泡と高貴な香りが華やかな時間にぴったり。プチ・フールと一緒に。

駐日オーストリア大使に

ウイーンの年末年始の様子を

伺いました。

 

大晦日や元日は、過去一年の成功を祝福し将来に期

待して、乾杯します。親戚や親しい仲間たちと「鉛占

い」で新年を占ったり、幸運を呼ぶお守りを贈り合う

伝統的な風習があります。1874年に初演されたオ

ペレッタ『こうもり』の観劇も、大晦日に欠かせない

風物詩となりました。「ウィーンのジルヴェスタープ

ファード」(大晦日フェス)もヨーロッパ最大の大晦

日イベントです。多彩なプログラムが街中で開催され、

昨年度は世界中から65万人の人々が集まりました。

 

午前零時ぴったりに聖シュテファン大聖堂の大鐘

「プンメリン」が迫力ある低音で鳴り始めると、オー

ストリア中が一斉に『美しく青きドナウ』の調べで踊

りながら、エレガントに新年へと旅立つのです。

 

新年最初のハイライトは、元日の午前中、各地で行

われるニューイヤーコンサートです。とくにウィーン

楽友協会大ホールでの魅惑的な響きは、90数ヵ国5千

万人以上の視聴者が、テレビの生中継で楽しんでいま

す。オーストリアのこれらの伝統を誇りに思い、末永

く後世に引き継がれることを心から願っています。

フーベルト・ハイッス駐日オーストリア大使

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今年、CDデビューから10周年を迎え

た辻井伸行さん。コンサート・デビュー

は1998年、10歳のとき。来年はデビ

ュー20周年です。今では日本のみならず、

海外でも多くのコンサートを行い、多く

の著名な指揮者やオーケストラと共演。

その演奏は称賛を受けています。

「小学生のときサントリーホールのブル

ーローズ(小ホール)でソロリサイタル

をさせていただきました。そのときに、

まさかサントリーホールで自分が演奏で

きるなんてと、とても嬉しかったことを

覚えています。また、その日、大ホールで

は憧れのピアニストであり指揮者のウラ

ディーミル・アシュケナージさんがチェ

コ・フィルハーモニー管弦楽団を率いて

コンサートをされており、アシュケナー

ジさんと同時にサントリーホールでコン

サートをしているのだと、さらに感激し

ました」

 

辻井さんは恥ずかしそうに次にこう言

いました。

「僕は夢がどんどん大きくなっていくの

で、いつか自分も大ホールに立てたらい

いなあ、と新たな夢を描きました」

 

その夢は2008年に実現し、以来多

くの素晴らしい演奏をサントリーホール

で重ねてきました。アシュケナージさん

とも共演がかない、昨年のシドニー公演、

今年のベルリン公演でも多くの聴衆を興

奮させました。

「サントリーホールは響きがとても素晴

らしいですし、ピアノも素晴らしいです。

緊張もありますが、ホールとピアノの相

性もすごくよいので、とても安心して演

奏に臨んでいます」

 

ホールの響きといえば、客席で忘れら

れない経験をしたこともあるそうです。

「中学生のときにエフゲニー・

キーシン

の『展覧会の絵』をサントリーホールで

初めて聴きました。ホールの後ろのほう

の席に座っていたのですが、キーシンの

弱じゃく

音おん

が素晴らしくて感動しました。こ

んなふうに、ホールの最後列に座ってい

る人にも美しく響く弱音を弾けるように

なりたい、と強く思いました」

 

演奏会のために世界中を旅している辻

井さんは、音楽づくりにも活きるさまざ

まな経験をされています。クリスマスに

もひとつの思い出が。

「ロックフェラーセンターでリサイタル

をすることが出来たとき、有名なクリス

マスツリーを触ってみたいと楽しみにし

ていました。演奏会が無事に終わり、ツ

リーのところに行きました。するとあま

りに巨大で高いところにあって、触るこ

とはかなわなかったのですが、かわりに

ツリーの足元の天使の彫像の羽に触るこ

とができたのです。ニューヨークのクリ

スマスのざわめきや華やいだ空気、そう

いうものがひとつになった幸せな空気に

包まれ、印象的でした」

 

辻井さんは幼少時から作曲も手掛けて

います。ニューヨークの幸福な瞬間は

『ロックフェラーの天使の羽』という曲

に結実し、デビューCD『début』

に収められました。

 

2018年もコンサートの予定が国内

外で詰まっている辻井さんですが、新し

い曲も勉強したいと思っているそうです。

「ピアノ曲はとても数が多くて、一生か

かっても勉強しきれないほどですが、少

しでも新しいプログラムを聴いていただ

けるよう頑張りたいと思っています。

 

ヴァン・クライバーンさんが亡くなる

直前に、『きみはクラシックに馴染みの

ない人にもコンサートに足を運んでもら

えるようなピアニストになりなさい』と

言われました。

 

クラシックは敷居が高いというイメー

ジがあって馴染みのない方も多いと思う

のですが、そこでしか味わえない生の音

楽の感動を体験していただいてこそ、ク

ラシックを好きになっていただけるので

はと感じています。そのためにも、さま

ざまなプログラムをお届けしていきたい

と思っているのです」

辻井伸行(ピアニスト)

サントリーホールから始まった夢

Hibiki Special Interview

Vol.2 Nobuyuki Tsujii

辻井伸行(つじい・のぶゆき)1988年東京生まれ。幼少の頃よりピアノの才能に恵まれ、98年、10歳でオーケストラと共演してデビューを飾る。2000年にはソロ・リサイタル・デビュー。09年、「第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」で日本人として初の優勝を果たす。11年カーネギーホールでのリサイタル・デビュー。12年にはアシュケナージ指揮フィルハーモニア管弦楽団の定期演奏会でロンドン・デビュー、およびゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団の招きによるサンクトペテルブルクの白夜音楽祭へのデビューなど、著名指揮者との共演で華 し々い成功を収めた。13年には、イギリス最大の音楽祭「BBCプロムス」への初出演が「歴史的成功」と称賛される。15年、佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団との共演および、ゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団とのドイツ、日本での公演が高い評価を得た。CDリリースも積極的に行い、エイベックス・クラシックスより16枚のCDをリリース、クラシック界異例の大ヒットを記録している。オフィシャル・サイト http://www.nobupiano1988.com/

2017年11月13日辻 井 伸 行 début10周年記念特別コンサートにて

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開館30周年を経て、2017年

2月から7カ月にわたって過去最

大規模の全館改修と増築を行った

サントリーホール。

 

コンセプトは「伝統の継承と革

新」でした。

「伝統の継承」とは1986年オ

ープン以来の〝世界一美しい響き〟

のホールという理想の追求と、そ

の雰囲気を守りつづけていくこと。

「革新」は、さまざまなお客様

により快適に演奏会を楽しんでい

ただけるよう、可能な限りダイバ

ーシティデザインへ対応したこと。

 

あえてデザイン変更は行わず、

サントリーホールならではの心地

よさ、響きのよさを大切にしてい

ます。見えない部分が多いのです

が、訪れて目にすることができる

改修をご紹介します。

 

サントリーホールの〝新しい顔〟

を見つけてみませんか?

新しくなった

サントリーホールに

ようこそ

大ホール  大ホールは壁や床を新しくし、舞台の床板を全面張り替えています。そしてオルガンは3カ月をかけてオーバーホール。すべてのパイプをきれいにし、オーストリアから来日した技術者が匠の技を駆使して整音・調律を行いました。客席・舞台の灯りはLEDに

(一部を除く)。ホールを見渡すと、少し明るくなった感じがします。

化粧室  心地よい時間に実は大切なトイレの快適さ。大ホールのトイレを増設し、女性トイレには化粧直し用カウンターを。また、女性トイレはひとめで空室がわかるよう、ト音記号の表示サインがついています。

客席の椅子 開館時と同じ素地・色・デザインの布地を調達して、クッションの張替えと木地の補修をしました。座り心地がとてもよくなったというお声をいただいています。まだお客様が少ない時間に見渡してみると、席の赤色が華やかに映えています。

Before & After Concert

あらたなダイニングスポットも近隣に誕生!

アフターコンサートは赤坂インターシティAIRで

プレミアムビールとタイ料理を。

9月に誕生したばかりの緑あふれる大型複合施設、赤坂インターシティAIR。そのB1Fにオープンしたカリフォルニアのビーチ・海風・陽光をイメージしたスタイリッシュなタイ料理のカフェレストラン「ギン カーオ カフェ カリフォルニア タイ」。本格的なタイ料理とプレミアムビールを楽しみながらコンサートの後のひとときを。※当日のチケットの半券で、「ザ・プレミアム・モルツ〈香る〉エール」を一杯無料でプレゼント。(2018年3月末まで)お酒を召し上がらない方はスタッフにおたずねください。

Gin Khao Cafe California Thaiギン カーオ カフェ カリフォルニア タイ港区赤坂1-8-1☎03-6277-6051赤坂インターシティ AIR 地下1階東京メトロ溜池山王駅14番出口直結平日:11:30~15:00(L.O.14:30)

17:00~23:00(L.O.22:15)土・祝:11:00~21:00(L.O.20:30)日 :定休

オリエンタル・リゾートを感じさせる店内。天気のよい日はテラス席で。

特製のタレに付け込んだ丸鶏をじっくりグリルした香ばしい「ガイヤーン」。プレモルとの相性もぴったり。

アートも楽しむ  サントリーホールには開館時からさまざまなアート作品があり、美しく手入れされています。たとえばホワイエのステンドグラスはガラス芸術家、三浦啓子氏による「律」。エントランス上の壁画

(写真下)は日本を代表する抽象画の巨匠、故 宇治山哲平画伯の最晩年の作品です。コンサート前後の時間にアート鑑賞をお楽しみください。

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残席僅少

残席僅少 残席僅少 残席僅少

残席僅少

コンサート案内201 7年 1 2月〜2 0 1 8年3月

Concert Information

冬の風物詩、キリストの生涯を描いた壮大な『メサイア』全曲演奏会です。最高峰のアンサンブルと荘厳な合唱、美しいアリア。お馴染みの「ハレルヤ・コーラス」が響きます。

オルガンの響きと美しい合唱、管弦楽のロマンティックな調べに包まれて過ごす極上のクリスマス・イヴ。心あたたまるひとときを。

【チケット料金】

S 9,500円 A 8,000円 B 6,500円

P 4,000円 学生 1,000円 ホテルオークラディナー付 S席 24,000円(税・サ込)

ヘンデル オラトリオ『メサイア』HWV 56

指揮 : 鈴木雅明合唱・管弦楽: バッハ・コレギウム・ジャパンソプラノ: 森 麻季アルト(カウンターテナー): テリー・ウェイテノール: 櫻田 亮バス: ドミニク・ヴェルナー 

サントリーホール × ホテルオークラ東京

スペシャル・コラボレーションクリスマスコンサートに合わせ、ホテルオークラ東京の池田順之総料理長による特別メニューをお楽しみいただけるプラン。23日(土・祝)のディナー付S席はコンサート後に全6品フルコースメニューを、24日(日)のブッフェ付S席はコンサート前にランチ&スイーツブッフェ

(30種類以上)を、ホテルオークラ東京アスコットホールにてお召しあがりいただけます。オンリーワンのクリスマスを !

イタリアの古いキャロル 汝、星より降り来たりてテノール : 櫻田 亮シューマン 「クリスマスの歌」 作品79-16バス : ドミニク・ヴェルナー                ほかオルガン : 鈴木優人 指揮 : 鈴木雅明 合唱 : バッハ・コレギウム・ジャパン 

【チケット料金】S 5,500円 A 3,500円S席ペア券 10,000円(S席2枚)ホテルオークラブッフェ付 S席 12,500円(税・サ込)

ブラームス 11のコラール前奏曲 作品122 クリスマス・キャロル まきびとひつじを/いけるものすべて/ひさしくまちにし/まぶねのかたえに/きよしこの夜オルガン: 鈴木優人ベートーヴェン ロマンス第2番 ヘ長調 作品50ヴァイオリン : 若松夏美ピアソラ 『アヴェ・マリア』ヴィオラ : 成田 寛モリコーネ ガブリエルのオーボエ    オーボエ: 三宮正満R. シュトラウス 「クリスマスの歌」TrV2ソプラノ : 澤江衣里

12月23日(土・祝) 15:00開演

12月24日(日) 16:00開演

サントリーホール クリスマスコンサート2017

バッハ・コレギウム・ジャパン『メサイア』

サントリーホール クリスマス オルガンコンサート2017

バッハ・コレギウム・ジャパンのクリスマス Choice

鈴木雅明©Marco Borggreve

川瀬賢太郎©Yoshinori Kurosawa

飯森範親©山岸伸

日本初の試み、こどものためのオーケストラ定期演奏会。2017年シーズンは楽器をテーマにしたプログラムです。残り2回はクリスマスと春休みシーズンに開催。家族でサントリーホールデビューにも最適です。開演前のプレトーク(10:40〜)もお楽しみに !オーケストラ:東京交響楽団 司会:坪井直樹(テレビ朝日アナウンサー)

第63回 クリスマス・パーティー12月16日(土) 11:00開演指揮: 川瀬賢太郎 オルガン: 室住素子

フンパーディンク歌劇「ヘンゼルとグレーテル」序曲ウィリアムズ 映画『ハリーポッターと賢者の石』より

「ヘドウィグのテーマ」(オルガン・ソロ)アイヴズ 交響曲第2番 第5楽章アンダーソン クリスマス・フェスティバル

第64回 愉しいデザート2018年3月24日(土) 11:00開演指揮: 飯森範親 オーボエ: 荒木奏美(東響首席奏者)トロンボーン: 鳥塚心輔(東響首席奏者)

モリコーネ 映画『ミッション』より「ガブリエルのオーボエ」

山下康介 NHK連続テレビ小説「瞳」メインテーマ宮川彬良 シンフォニック・マンボ No.5シューマン 交響曲第3番 「ライン」 第2楽章(こども奏者との共演)グローフェ 「ミシシッピ組曲」より

“ハックルベリー・フィン” “マルディ・グラ”【チケット料金】1回券 3500円

(小学1年生からご入場いただけます)

2018年シーズンも4月からスタート。テーマは、<音楽と感情> 笑って(^o^)、怒って(`´)、泣いて(T_T)、楽しんでヽ (^o^)丿12月13日(水)より一般発売

(「サントリーホールメンバーズ」先行発売は12月7日(木))

サントリーホール ホームページ(http://suntory.jp/HALL/)では、指揮者インタビューで、各回のプログラムをくわしく紹介しています。こども定期演奏会の公式ホームページ http://www.codomoteiki.net/

親子でサントリーホール、クラシック音楽との出会い

バークレイズ証券株式会社 特別協賛 東京交響楽団&サントリーホール

こども定期演奏会 2017 楽器ア・ラ・カルト 

このマークのついた公演は、未来を担うこどもたちや若きプロフェッショナルな音楽家たちに向けたサントリーホールの活動「ENJOY! MUSICプログラム」の一環として開催します。音楽に出会うよろこびの場、音楽を創るよろこびの場、そして、より開かれたホールをめざし、様 な々取り組みを行っています。

こども奏者とオーケストラ

売切 売切

音楽で感じる特別なクリスマス 

13 12Hibiki Vol .2Hibiki Vol .2

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コンサート案内201 7年 1 2月〜2 0 1 8年3月

Concert Information

音楽の都ウィーンの響きで、華やかな新年の幕開けです。心躍る優雅な1日をお過ごしください。

【チケット料金】S 11,000円 A 9,000円B 7,000円  C 5,000円

スッペ オペレッタ『ボッカチオ』序曲 ポンキエッリ オペラ『ジョコンダ』より「時の踊り」 ヨハン・シュトラウスI世『ヴェネツィア人のギャロップ』作品74 ヨハン・シュトラウスII世 オペレッタ『ヴェネツィアの一夜』より

 「ゴンドラの歌」マンクージ ワルツ『ローマ散策』 ロッシーニ オペラ『ウィリアム・テル』序曲レハール 『ジュディッタ』より「友よ、人生は生きる価値がある」ヨハン・シュトラウスII世 ワルツ『シトロンの花咲くところ』作品364レハール 『メリー・ウィドウ』より「ヴィリアの歌」 レハール オペレッタ『パガニーニ』より「誰も私ほどあなたを愛してはいない」ヨハン・シュトラウスII世 ワルツ『美しく青きドナウ』作品314  ほか

〈他都市公演情報〉1月5日(金)大阪 フェスティバルホール (TEL:06-6231-2221)1月6日(土)岩国 シンフォニア岩国コンサートホール (TEL:0827-29-1600)1月7日(日)名古屋 日本特殊陶業市民会館フォレストホール (クラシック名古屋 TEL:052-678-5310)1月8日(月・祝)甲府 コラニー文化ホール (山梨県立県民文化ホール)(TEL:055-228-9131)

2018年1月1日(月・祝)、2日(火)、3日(水) 14:00 開演

2018年はクラシック音楽から始まる

瑞 し々い歌声でオペラを

キユーピースペシャル

サントリーホール ニューイヤー・コンサート 2018ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団

オペラ・アカデミー修了生たち

マエストロ・サッバティーニの薫陶を受けたオペラ・アカデミー修了生とアドバンスト・コース現役生が、コーチング・ファカルティ(指導陣)とともに、モーツァルトからヴェルディまで名オペラのアリアや重唱をお届けします。

ソプラノ : 迫田美帆、熊田祥子、大田原 瑶、金子 響

メゾソプラノ : 細井暁子 バリトン : 石井基幾 アンサンブル助演(コーチング・ファカルティ) :  天羽明惠、野田ヒロ子(ソプラノ)、 櫻田 亮(テノール)、増原英也(バリトン)ピアノ (コーチング・ファカルティ) : 古藤田みゆき ナビゲーター : 朝岡 聡 

モーツァルト オペラ『フィガロの結婚』よりモーツァルト オペラ『コジ・ファン・トゥッテ』よりロッシーニ オペラ『セビリャの理髪師』より ヴェルディ オペラ『ラ・トラヴィアータ』より

ほか

【チケット料金】指定 3,000円

2018年2月22日(木) 19:00開演 ブルーローズ(小ホール)

サントリーホール オペラ・アカデミー

オペラティック・コンサート

毎年恒例の大晦日コンサートは、ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団が奏でるワルツ、ポルカで華やかに始まります。後半は男女の人間模様を描いたオペレッタ『こうもり』より。舞台と客席一体となった特別な年越しです。

ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団指揮 : グイド・マンクージ バレエ:バレエ・アンサンブルSVOウィーン

ロッシーニ オペラ『ウィリアム・テル』序曲ポンキエッリ オペラ『ジョコンダ』から

「時の踊り」ヨーゼフ・シュトラウス ポルカ・シュネル

『騎手』作品278マンクージ ワルツ『ローマ散策』

ヨハン・シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』(抜粋)ロザリンデ:アドリアーナ・クチェローワ(ソプラノ) アイゼンシュタイン:メルツァード・モンタゼーリ(テノール)アデーレ:天羽明惠(ソプラノ) フランク:町 英和(バリトン) オルロフスキー:米谷朋子(メゾソプラノ)アルフレード:又吉秀樹(テノール)イーダ:鷲尾麻衣(ソプラノ) ほか

【チケット料金】S 12,000円 A 10,000円 B 8,000円  C 6,000円

大晦日のカウントダウンをサントリーホールで

12月31日(日)22:00開演〜2018年1月1日(月・祝) 0:30終演予定

ウィーンの心躍る舞踏曲、オペレッタで年越し

サントリーホール ジルヴェスター・コンサート 2017-2018

『こうもり』アイゼンシュタイン役メルツァード・モンタゼーリ

『こうもり』ロザリンデ役アドリアーナ・クチェローワ

指揮:グイド・マンクージ

ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団指揮: グイド・マンクージバレエ : バレエ・アンサンブルSVOウィーンソプラノ: アドリアーナ・クチェローワ テノール: メルツァード・モンタゼーリ 

15 14Hibiki Vol .2Hibiki Vol .2

Page 9: 特集 クリスマスには - サントリー · クリスマスには ... の意)のオーケストラウィーンの伝統ある劇場フォルクスオーントリーホールに持って来てくれるのが、

プレゼント *A・Bよりお選びください。

B サントリーホール×にじゆら 手ぬぐい6名様

伝統的な型染めの一種「注染(ちゅうせん)」で制作した、専門ブランド「にじゆら」とサントリーホールとのコラボレーション手ぬぐい。糸の芯まで染める本染めで、使えば使うほど風合いが増します。

A サントリーホールオリジナルハンカチ6名様

ピアノ、ヴァイオリン、ホルンの刺繍とサントリーホールの文字がワンポイントでデザインされた、エレガントな麻(リネン)100%のハンカチです。

※0570で始まるこの電話番号は、国際電話および一部のIP電話・プリペイド方式の携帯電話からはご利用できません。 ご利用いただけない場合は、03-3584-4402へお電話ください。

【チケット窓口】10:00~18:00 ※18時以降の公演がある場合は開演時刻まで営業/休館日・年末年始は休業

公演情報、チケットのご購入、先行販売がご利用いただける「サントリーホール・メンバーズ・クラブ」など詳細は、サントリーホールホームページをご覧いただくか、サントリーホールチケットセンターにお問い合わせください。

サントリーホールホームページ http://suntory.jp/HALL/サントリーホールチケットセンター Tel. 0570-55-0017

(10:00~18:00 )オペレーターが対応いたします(休館日・年末年始は休業)

サントリーホール情報誌Winter 2017

特集クリスマスには

清らかな歌声を、新年はウィンナ・ワルツで

晴れやかに !インタビュー

ピアニスト 辻井伸行2017年12月〜 2018年3月の

コンサート案内

<サントリーホール情報誌『Hibiki』>サントリーホールは1986年に東京初のコンサート専用ホールとして“世界一美しい響き”をコンセプトに誕生しました。これからもサントリーホールの響きを、より多くの方々にお届けしたい――そんな想いを込めて、情報誌『Hibiki』を発行しています。表紙絵は、海外にも活躍の場を広げる陶芸家・アーティストの鹿児島睦(Makoto Kagoshima)氏による描きおろしです。

みなさまの年末年始の予定に、ぜひ音楽との時間を加えていただければ、とお届けしましたサントリー情報誌『Hibiki』、いかがだったでしょうか。今後も充実したHibikiをお届けしていきたいと思います。ぜひみなさまのご意見をお聞かせください。アンケートにお答えくださった方の中から抽選で、サントリーホールのオリジナルグッズをプレゼントいたします。サントリーホームページ http://suntory.jp/HALL/ の応募フォームに希望のプレゼント、アンケートのお答え、お名前・ご住所等をご記入のうえ、ぜひご応募ください。

Q u e s t i o n n a i r e & P r e s e n t

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サントリーホール情報誌『Hibiki』Vol.2

2017年12月1日発行発行責任者 ● 市本徹雄編集発行 ● サントリーホール〒107-8403 東京都港区赤坂1-13-1TEL, 03-3505-1001(代表)

企画編集 ● サントリーホール/ 株式会社スケープスデザイン ● 中澤睦夫(SAKU CORPORATE DESIGN)

表紙絵 ● 鹿児島睦印刷製本 ● 共同印刷

サントリーホールディングス株式会社は公益財団法人サントリー芸術財団のすべての活動を応援しています。

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