全国小水力利用推進協議会平成29年度全国大会事例報告

地域経済の活性化と小水力発電～熊本の取り組み～

平成29年11月1日

熊本県小水力利用推進協議会

（ＮＰＯ法人 くまもと温暖化対策センター）

平成21年7月11日 熊本県小水力利用推進協議会設立

熊本県小水力利用推進協議会活動の軌跡（概要）

• 平成21年7月熊本県小水力利用推進協議会発足 勉強会を中心に活動

• 平成23年7月熊本県新エネルギー産業振興課（現、エネルギー政策課）とともに「新しい公共事業」により、協議会の中に「熊本県小水力発電研究会」を構成し、2年間活動を展開、具体的な事業化を模索。

• 市町村が既に行っていた県内30カ所以上の事業可能性調査結果を提供いただき、総合的に判断して最適とした南阿蘇村の案件を選定。事業者を募った結果、平成25年3月南阿蘇水力発電株式会社設立。工事発注を目前にして系統連系問題で頓挫。現在、九州電力の作業待ち。

• 平成25年4月研究会事業を終了。以降、活動を協議会に戻し個別の案件について事業化支援を展開。

• 平成28年7月総会で可能性のある4カ所の情報を開示し、事業者を募る。

• 平成29年度現在、県内11カ所、計4.6MＷ事業創出支援中。

平成21年7月設立総会の様子

項 目 値

①有効落差 35 m

②最大使用水量 0.70 m3/s

③総合効率 80％

④最大出力 192 kW

⑤設備利用率 79％

⑥年間発電量 1,328,000 kWh

南阿蘇水力発電事業

N

土地改良区が管理する農業用水路

次頁の写真撮影方向

南阿蘇水力発電所建設予定地の震災後の状況

隣接農地の地震による崩壊カ所

白川へ

取水ポイント

農用地区域外

農振農用地

発電所予定地

小水力発電事業化支援状況一覧 平成29年5月熊本県小水力利用推進協議会

NO 事業者 事業地 規模等 現状・記事等

１．南阿蘇水力発電(株)南阿蘇発電所

南阿蘇村河陰地内 出力198㎾基本設計済み、用地取得済み、設備認定済み、系統連系協議中（ＦＩＴ改正に伴い、工事負担金契約締結の申し出あり。）

２．熊本いいくに県民発電所㈱菊池細永発電所

菊池市原字川鶴1704番2他 出力 130㎾概略設計済み、用地取得済み、系統連系協議中（接続検討回答あり）、水利権・農振手続き等作業中

３．熊本いいくに県民発電所㈱八代泉古園発電所

八代市泉町古園1704番2 出力420㎾ 概略設計済み、流量調査等業務見積もり提出済み。今後の進め方を検討中

４．Ⅿ社水上村魚帰川発電所

水上村江代 出力990㎾ 概略設計済み、電源接続案件募集プロセス申込み済み

５．Ｋ社・Ｋ社笹原井出発電所（Ⅰ）

上益城郡山都町野尻地内 出力49㎾ 基本検討事項調査中

６．Ｋ社・Ｋ社笹原井手発電所（Ⅱ）

上益城郡山都町笹原地内 出力200㎾ 基本検討事項調査中、電源接続案件募集プロセス申込み済み

７．Ｋ社・Ｋ社錦野土地改良区

大津町錦野 出力140㎾ 町にて基本設計済み、町事業中止のため継続申し入れ協議中

８． Ｎ社 八代市東陽町川俣 出力970㎾ 概略設計、流量調査見積り提出済み、発注について社内手続き中

９． Ｂ社他４社 山江村鳥屋（宇那川） 出力500㎾概略設計、流量調査作業着手、県調査支援事業採択済み、電源接続案件募集プロセス申込み済み

１０．

Ｍ社 相良村椎葉谷 出力650㎾ 事業化に向けて調査中

１１．

Ｍ社 相良村山口谷 出力970㎾ 発電水利権が見込めず中断

１２．

Ｓ社・Ｋ社 五木村宮目木地区 出力380㎾ 事業化に向けて調査中

熊本県内事業化支援位置図

有明海 九州山脈

N

熊本の今後の取組み方針

• しばらくは支援中の案件の事業化推進を図る。しかし、募集プロセスによる系統連携問題の解決は、制度上そもそも困難ではないか・・・？

さらに！

• 小水力や太陽光、バイオマス等再生可能エネルギーによる電気を中心に調達し、公共施設や事業所に供給する地域新電力事業の創設を模索。

• 需要者自らが出資し、電気の価格設定に関わるとともに、需要者に節電目標を設定していただき、目標の達成を共に目指すシステムを組み込むことを検討。

• 事業者による事業者のための新電力事業は、小水力発電事業とともに地域経済の活性化と地球温暖化対策に寄与するものと確信。

頑張りますが、どうなるか分かりません (*_*;