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令和元年7月北 海 道 財 務 局【問い合わせ先】財務省北海道財務局総務部 経済調査課
電話011(709)2311(内線4381)
管 内 経 済 情 勢 報 告
前回(平成31年4月判断) 今回(令和元年7月判断)前回比較
備考
個人消費 緩やかに回復している 緩やかに回復している判断の据え置きは、平成30年10月判断以降、4期連続
生産活動 横ばいの状況にある 横ばいの状況にある判断の据え置きは、平成29年1月判断以来、10期ぶり
設備投資 平成30年度は前年度を上回る見込み 令和元年度は前年度を上回る見込み判断の据え置きは、平成29年10月判断以降、8期連続
雇用情勢着実に改善しており、人手不足感が拡がっている
着実に改善しており、人手不足感が拡がっている
判断の据え置きは、平成28年4月判断以降、14期連続
住宅建設 緩やかに持ち直しつつある持ち直しに向けたテンポが緩やかになっている
判断の下方修正は、平成30年10月判断以来、3期ぶり
観 光 緩やかに拡大しつつある 拡大しつつある判断の上方修正は、平成31年1月判断以降、3期
連続
公共事業 前年を上回る 前年を上回る判断の据え置きは、平成31年1月判断以来、2期ぶり
企業の景況感 「下降」超幅が拡大 「上昇」と「下降」が「均衡」判断の上方修正は、平成30年7月判断以来、4期
ぶり
企業収益 平成30年度は減益見込み 令和元年度は増益見込み判断の上方修正は、平成25年10月判断以来、23
期ぶり
Ⅰ.最近の北海道財務局管内の経済情勢
〔先行き〕先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果等もあって、景気は回復していくことが期待される。ただし、海外経済の不確実性などに留意する必要がある。
前回(平成31年4月判断) 今回(令和元年7月判断) 前回比較 総括判断の要点
総括判断 緩やかに回復している緩やかに回復している
【判断の据え置きは、平成31年4月判断以降、2期連続】
個人消費は、コンビニエンスストア販売が順調となっているほか、ドラッグストア販売が前年を上回っているなど、緩やかに回復している。生産活動は、横ばいの状況にある。雇用情勢は、着実に改善しており、人手不足感が拡がっている。観光は、拡大しつつある。
1(注) 令和元年7月判断は、前回平成31年4月判断以降、令和元年7月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している。
6.1
6.3
4.4
▲ 15.0
▲ 10.0
▲ 5.0
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5
28年 29年 30年 31年 元
年
家電大型専門店ドラッグストアホームセンター
0.9
3.5
▲ 0.7
▲ 15.0
▲ 10.0
▲ 5.0
0.0
5.0
10.0
3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5
28年 29年 30年 31年 元
年
スーパー
コンビニエンスストア
百貨店 ※北海道全店舗ベース
1.個人消費 ~緩やかに回復している~
【出所】(一社)日本自動車販売協会連合会、(一社)全国軽自動車協会連合会
〔乗用車新車登録・届出台数(前年比) 〕
(%)
(%)
○ スーパー販売は、春物衣料の不振などから、持ち直しに向けたテンポが緩やかになっている。
○ コンビニエンスストア販売は、店内調理品や麺類の売上が増加していることから、順調となっている。
○ 乗用車販売は、小型車の動きが鈍いものの、普通車が順調であることから、緩やかに持ち直しつつある。
○ ドラッグストア販売は、飲食料品が好調を維持しているほか、制汗剤や日焼け止めなどの売上も増加していることから、前年を上回っている。
○ 百貨店販売は、一部店舗の閉店などにより、前年を下回っている。
○ 家電販売は、大型4Kテレビが順調であるほか、大型白物家電が堅調であることから、前年を上回っている。
○ ホームセンター販売は、園芸用品やレジャー用品の動きが良かったことから、前年を上回っている。
○ このように、個人消費は全体として、緩やかに回復している。
野菜の相場が上がってきており売上増加に寄与しているものの、4月は天候が良くなかったため春物衣料が苦戦した。【スーパー】
ゴールデンウィークは天候が良かったため、郊外店を中心に観光需要を取り込むことができ、アイスコーヒー、冷たい麺類、アイスクリームに動きがみられた。【コンビニエンスストア】
増税を控えて顧客からの問い合わせが増加しており、駆け込みの動きが徐々にあらわれていると感じる。新型車の評判も良く、見込み通りの受注を確保できている。【乗用車販売店】
日焼け止めや殺虫剤、制汗剤などの季節商品が好調だったほか、天候が良い日には客足が増え、飲食料品、ティッシュや洗剤など日用品の売上も伸長した。【ドラッグストア】
4月は日ごとの気温差が大きく、春物衣料の動きが鈍かったが、5月に入り気温が上がり、カットソーやブラウス、ワンピースなどの初夏物衣料が動いた。【百貨店】
有機ELテレビの販売台数が伸びてきており、大型4Kテレビが順調。来年の東京オリンピック
までこのまま推移するのではないか。冷蔵庫や洗濯機は、共働き世帯の増加により大容量タイプが人気となっている。【家電量販店】
2
〔スーパー・コンビニエンスストア・百貨店販売額(前年比)〕
〔専門量販店販売額(前年比)〕
※北海道全店舗ベース
(%)
※北海道集計値
【出所】北海道経済産業局
【出所】北海道経済産業局
※Pは速報値
▲ 4.4
5.0
▲ 8.4
▲ 9.5
▲ 40.0
▲ 20.0
0.0
20.0
40.0
4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6p
28年 29年 30年 31年 元年
乗用車計普通乗用車小型乗用車軽自動車
97.0
104.9
85.0
90.0
95.0
100.0
105.0
110.0
3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5P
28年 29年 30年 31年 元
年
北海道
全国
2.生産活動 ~横ばいの状況にある~
〔鉱工業生産指数(季節調整値)〕
【出所】経済産業省、北海道経済産業局
3.設備投資 ~令和元年度は前年度を上回る見込み~
〔設備投資計画(前年度比)〕
【出所】財務省、北海道財務局
(%) (北海道) (全国)
生産活動は、「鉄鋼業」で自動車向けなどの需要が堅調となっているほか、「電気機械」などが増加している。一方、「金属製品」では大型案件の受注減により弱い動きとなっているほか、「化学・石油石炭製品」などが減少していることから、全体では横ばいの状況にある。
函館やニセコでのホテル建設需要により増産となっている。【鉄鋼業】
中国における自動車生産が減っており、その影響を受けて一部の車載向け電子部品の生産が落ちているが、別製品の生産ラインの増設により今後は増産を見込む。【電気機械】
今期はメインとなる厚手の段ボールの生産量が少なく、全体の生産量は前年を下回っている。【パルプ・紙・紙加工品】
設備投資を当局の法人企業景気予測調査(平成31年4~6月期)でみると、令和元年度(見込み)は、全産業では前年度を上回っている。製造業では、「窯業・土石製品」などで前年度を下回っているものの、「輸送用機械器具」、「食料品」などで前年度を上回っており、全体では前年度を上回っている。非製造業では、「電気・ガス・水道業」などで前年度を下回っているものの、「運輸業、郵便業」、「小売業」などで前年度を上回っており、全体では前年度を上回っている。
前年度に引き続き主力製品の生産を行う工場の増設や既存工場の老朽化に伴う改修を行う。【食料品】
設備の耐震化を行うほか、省力化やサービス向上のため、遠隔地にいる顧客との対話が可能な機器の配置拡大、主力路線の輸送力増強を行う。【運輸業、郵便業】
3
(27年=100)
※Pは速報値
21.8
10.7
14.1
42.7
0.8
30.3
12.3
16.1
6.8
▲ 10.0
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
平成29年度 平成30年度 令和元年度
全産業
製造業
非製造業
0
5.07.4
9.0
3.6
17.2
9.2
5.8
2.1
8.8
平成29年度 平成30年度 令和元年度
全産業
製造業
非製造業
0
1.13
1.35
0.70
0.80
0.90
1.00
1.10
1.20
1.30
1.40
1.50
1.60
3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5
28年 29年 30年 31年 元
年
北海道
全国
42.1
33.9
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6
25年 26年 27年 28年 29年 30年 31
年
元
年
(%ポイント)
2.8
2.4▲ 2.0
▲ 1.5
▲ 1.0
▲ 0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
4.5
5.0
5.5
6.0
6.5
1-3 4-6 7-9 10-12
1-3 4-6 7-9 10-12
1-3 4-6 7-9 10-12
1-3 4-6 7-9 10-12
1-3 4-6 7-9 10-12
1-3 4-6 7-9 10-12
1-3
25年 26年 27年 28年 29年 30年 31
年
前年同期差(北海道、右軸)
前年同期差(全 国、右軸)
完全失業率(北海道、左軸)
完全失業率(全 国、左軸)
4.雇用情勢 ~着実に改善しており、人手不足感が拡がっている~
〔有効求人倍率(常用・原数値)〕
〔完全失業率(原数値、前年同期差)〕
【出所】厚生労働省
【出所】総務省
(%ポイント)
(倍)
(%)
有効求人倍率は、平成22年2月以降112か月連続して前年を上回って推移している。なお、完全失業率は前年を下回っている。
働き方改革の影響により、残業時間を減らすために増員する企業がみられ、新規求人数の増加要因となっている。【公的機関】
求職者数の減少は全道的な動きで、人手不足感の強まりから、企業が待遇改善等を進めた効果により、離職率が減少したことが要因と思われる。【公的機関】
人手不足から、生産ラインの一部を止めざるを得ない状況となり、予定生産量に達しないこともある。求人サイトで募集しても、問い合わせは全くない。【食料品】
4
【出所】北海道財務局
不足気味
〔従業員数判断BSI〕
84
115
135
164
183
4451
4047 45
57
28
8.6
▲ 30.0
▲ 20.0
▲ 10.0
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
0
40
80
120
160
200
10~12 1~3 4~6 7~9 10~12 1~3 4~5
P
26年 27年 28年 29年 30年 29年 30年 31年
(元年)
外国人入国者数(左軸)
前年(同期)比(右軸)1,2241,266
1,3391,3721,346
328 305 332385
325 313 344
3.8
▲ 10.0
▲ 5.0
0.0
5.0
10.0
15.0
0
300
600
900
1,200
1,500
10~12 1~3 4~6 7~9 10~12 1~3 4~6
26年 27年 28年 29年 30年 29年 30年 31年
(元年)
来道客数(左軸)
前年(同期)比(右軸)
北海道
▲9.2
全国
▲8.7
▲ 40.0
▲ 20.0
0.0
20.0
40.0
3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5
28年 29年 30年 31年 元
年
北海道
全国
5.住宅建設 ~持ち直しに向けたテンポが緩やかになっている~
〔新設住宅着工戸数 (前年比)〕
【出所】国土交通省
(%)
5
6.観光 ~拡大しつつある~
○ 観光は、来道客数、外国人観光客がともに前年を上回っていることから、拡大しつつある。
○ 来道客数は、ゴールデンウィークが10連休であったことなどから、前年を上回っている。
○ 外国人観光客は、直行便の増便などから、韓国からの観光客を中心に前年を上回っている。
4月上旬はふっこう割の反動がみられたものの、中旬以降はクルーズ船の来航やゴールデンウィークの効果があり、4~5月は前年を大きく上回る利用者数となった。
【観光施設】
10連休が旅行需要を強く刺激したのか、予約が埋まるタイミングが例年より早かった。ゴールデンウィーク後も人気アーティストのコンサートがあり、堅調に推移した結果、5月の搭乗率は前年を大きく上回った。【その他運輸業】
直行便の増便やそれに伴う旅行商品の増加から、インバウンドは取扱金額、人数ともに前年を大きく上回っている。【旅行業】
〔来道客数〕 〔外国人入国者数〕
【出所】(公社)北海道観光振興機構 【出所】法務省
住宅建設は、持家では増加しているものの、貸家、分譲住宅では減少し
ていることから、全体では持ち直しに向けたテンポが緩やかになっている。
3月に消費増税前の駆込み契約が若干みられ、その後は前年を僅かに下回っているものの、堅調に推移している。【建設業】
貸家建設の実需はそれなりにあるものの、投資目的に適した土地の不足とアパートローン審査の厳格化、加えて相続対策需要の剥落により、需要は減少している。【専門調査機関】
分譲マンションは、土地、人件費、建築資材費の高騰により販売価格が高止まりしている。消費税率引き上げ前の駆け込み需要は全くみられなかった。【不動産業】
(万人) (万人) (%)
※北海道へ直接入国したもののみ集計※Pは速報値
(%)
※北海道外から航空機(国内線)、JR(北海道新幹線)、フェリーを利用して北海道入りした旅客数
4,006 4,392 4,367 4,681
2,2022,226 1,977
803901
882
1,766 1,311 1,346
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
10.5% 9.6% ▲0.6% 7.2%
平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和元年度
第1四半期 第2四半期
第3四半期 第4四半期
0
前年比(第1四半期)
年度
▲ 13.1
0.0
5.2
▲ 1.9
▲ 40.0
▲ 20.0
0.0
20.0
4~6 7~9 10~12 1~3 4~6 7~9 10~12 1~3 4~6 7~9 10~12
29年 30年 31年(元年)
全産業 製造業 非製造業
現状 先行き
上昇
下降
9.企業収益 ~令和元年度は増益見込み~
〔公共工事前払金保証請負金額〕
【出所】財務省、北海道財務局
(%)
6
8.企業の景況感 ~「上昇」と「下降」が「均衡」
~
7.公共事業 ~前年を上回る~
【出所】北海道建設業信用保証㈱ほか2社
企業の景況感を当局の法人企業景気予測調査(平成31年4~6月期)でみると、企業の景況判断BSIは、全産業では前四半期(平成31年1~3月期)に比べ、「下降」超から「均衡」となっている。なお、先行きは、「上昇」超となる見通しとなっている。
公共事業を前払金保証請負金額でみると、第1四半期は、独立行政法人等が前年を下回っているものの、国、北海道、市町村が前年を上回っており、全体では前年を上回っている。
10.金融 ~貸出金残高は前年を上回る~
11.企業倒産 ~前年を上回る~
12.消費者物価 ~前年を上回る~
〔景況判断BSI・業種別〕
【出所】北海道財務局
企業収益(除く 「電気・ガス・水道業」、「金融業、保険業」)を当局の法人企業景気予測調査(平成31年4~6月期)でみると、令和元年度(見込み)は、全産業では増益となっている。製造業では、「窯業・土石製品」などで減益となっているものの、「輸送用機械器具」、「情報通信機械器具」などで増益となっており、全体では増益となっている。非製造業では、「小売業」などで増益となっているものの、「学術研究、専門・技術サービス業」、「その他のサービス業」などで減益となっており、全体では減益となっている。
〔企業収益 (前年度比)〕
(%ポイント)
(億円)
▲ 1.1
▲ 8.4
5.96.9
▲ 2.9
18.0
▲ 8.2
▲ 13.0
▲ 8.9
▲ 20.0
▲ 10.0
0.0
10.0
20.0
平成29年度 平成30年度 令和元年度
全産業
製造業
非製造業
0
40.2
5.2
▲ 1.7
▲ 3.3
11.2
▲ 5.8▲ 5.3
2.7
0.3
▲ 2.4
平成29年度 平成30年度 令和元年度
全産業
製造業
非製造業
0
(注)電気・ガス・水道業、金融業、保険業
を除く