10
平成19 年度 山口県水産研究セ ンター事業報告 (2008) 外海漁業管理技術開発調査研究事業 (3) カタクチイワシシラスの資源量推定に関する研究 渡辺俊輝 ・河野光久 ・中村武史* 1 カタクチイワシは、本県水産加工業にとって大変重要 な魚種 であ り、特 に仔魚後期 にあたるシラスは、 ち りめ んの加工原料 として商業価値が高い。そのため、関係者 から精度の高い漁況予報の実施が望まれている本研究 では、計量魚群探知機を使用 してカタクチイワシシラス (以下 シラス)の魚群量を定量的に把握するとともに、 漁場形成のメカニズムを調べ、短期的な漁況予測を行 う ことを最終的な目的とした。前年に引 き続いて、深川湾 をケースス タデ ィの場 として各種調査 を実施 した。 なお、この研究は (独)水産大学校 との共同研究であ り、音響調査を (独)水産大学校が、漁場環境調査や漁 況予測 を山口県水産研究セ ンターが担 当 した。 秋季 に深川湾でシラス漁場が形成 されるときの魚群分 布特性および漁場形成要因を把握するため、漁業調査船 2くろ しお に よ り、 図 1 に示す海域で以下の調査を実 施 した。 131oO6'E 131008'E 131010'E 131012'E 34026'N 34024'N 34922'N 1 深川湾の調査点 (●は調査点 を示す) 1 深川湾の漁場環境調査 CTD( アレ ック電子 : ASTD687) に よ り水温 ・塩 分 ・蛍光強度、AD CP( 日本無線 : JLN-616) によ り流 向 ・流速を 計測 した。 また、深川湾沖合か ら湾奥の4 (Sta.4,9 , 14 , 18) で採水 し、栄養塩 の分析 を行 った。12 (Sta . 3,4 , 5 , 8,9 , 10 , 13 , 14 , 15 , 17 , 18 , 19 ) で は、 ノルバ ックネ ッ トの鉛直曳 きに よる動物 プラ ンク トン調査 を行 った。 こ れ らの調査 は、初漁 期 として2007 10 16 日、盛漁期 と して10 26 日、漁期後 として 2008 1 23 日の計 3 回実 施 した。 蛍光強度のデー タは、中川ら (2000) の較正手法に従っ て、クロロフ ィル値 に換算 した。これ ら一連 の クロロフィ ル観測につい ては、(独)西海区水産研究所 海洋動態研 究室 に協 力 ・指導 していただいた。 また、水産研 究セ ン ター内海研究部 環境病理グループには、栄 養塩の分析 につ いて協力 していただいた。 2 魚群量調査 盛漁 期の漁場環境調査 と時期をあわせて、周波数 200kHz 70kHz の計量魚 群探知機 (Simrad:EK60)用いた音響 調査 を実施 した。 さらに、計量魚群探知機 に 現 れ るエ コー反 応の生物種 を確認するため、口径60cm 開閉式Bong o ネ ッ トを用 いたサ ンプ リング調査 を実施 し た。音響調 査の翌 日には、湊市場 において、深川湾で操 業 した棒受 網漁船か らシラスのサ ンプルを入手 し、計量 魚群探知機 にエ コー反応 として現れた と 推測されるシラ の全長組成 を把握 した。 3 漁獲統計調査 当研 究 を開始 した2006 年以降の長門市湊地区のシラス の 日別漁獲量 を調べ、秋季 の漁獲動 向 を把握 した。 また、 長期的な秋季のシラス漁獲量の変動傾向も調

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平成19年度 山口県水産研究センター事業報告 (2008)

外海漁業管理技術開発調査研究事業

(3) カタクチイワシシラスの資源量推定に関する研究

渡辺俊輝 ・河野光久 ・中村武史*1

目 的

カタクチイワシは、本県水産加工業にとって大変重要

な魚種であり、特に仔魚後期にあたるシラスは、ちりめ

んの加工原料として商業価値が高い。そのため、関係者

から精度の高い漁況予報の実施が望まれている。 本研究

では、計量魚群探知機を使用してカタクチイワシシラス

(以下 シラス)の魚群量を定量的に把握するとともに、

漁場形成のメカニズムを調べ、短期的な漁況予測を行う

ことを最終的な目的とした。前年に引き続いて、深川湾

をケーススタディの場として各種調査を実施した。

なお、この研究は (独)水産大学校との共同研究であ

り、音響調査を (独)水産大学校が、漁場環境調査や漁

況予測を山口県水産研究センターが担当した。

方 法

秋季に深川湾でシラス漁場が形成されるときの魚群分

布特性および漁場形成要因を把握するため、漁業調査船

第2くろしおにより、図1に示す海域で以下の調査を実

施した。

131oO6'E 131008'E 131010'E 131012'E

34026'N

34024'N

34922'N

図 1 深川湾の調査点 (●は調査点を示す) 1 深川湾の漁場環境調査CTD(ア レ

ック電子 :ASTD687)によ り水温 ・塩分 ・蛍光強度、AD

CP(日本無線 :JLN-616)により流向 ・流速を

計測 した。また、深川湾沖合から湾奥の4点(Sta.4,9,14,18)

で採水 し、栄養塩の分析を行った。12点(Sta.3,4,5,8,9,10,13,14,15

,17,18,19)では、ノルバ ックネットの鉛直曳

きによる動物プランクトン調査を行った。これらの調査は、初漁

期として2007年10月16日、盛漁期として10月26日、漁期後として

2008年 1月23日の計3回実施した。蛍光強度のデー

タは、中川ら(2000)の較正手法に従って、クロロフ

ィル値に換算した。これら一連のクロロフィル観測につい

ては、(独)西海区水産研究所 海洋動態研究室に協力

・指導していただいた。また、水産研究センター内海研究部 環境病理グループには、栄

養塩の分析につ

いて協力していただいた。2 魚群量調査盛漁

期の漁場環境調査 と時期 をあわせて、周波数200kHzと70kHzの計量魚

群探知機 (Simrad:EK60)を用いた音響

調査を実施した。さらに、計量魚群探知機に現れるエコー反

応の生物種を確認するため、口径60cmの開閉式Bong

oネットを用いたサンプリング調査を実施した。音響調

査の翌日には、湊市場において、深川湾で操業した棒受

網漁船からシラスのサンプルを入手し、計量魚群探知機にエコー反応として現れたと

推測されるシラス

の全長組成を把握した。3 漁獲統計調査当研究を開始

した2006年以降の長門市湊地区のシラスの日別漁獲量

を調べ、秋季の漁獲動向を把握した。また、長期的な秋季のシラス漁獲量の変動傾向も調べ

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結果および考察

1 深川湾の漁場環境

(1)水温、塩分およびクロロフィル濃度

後述するようにシラスの分布する水深が15m以浅また

は海底付近と考えられたため、ここでは図2に10m深の

水温 ・塩分水平分布図を示す。10月16日 (初漁期)は、

湾奥から湾央の西側にかけて低温 (22.5-22.7℃)、湾奥

13TO6'E 13TO8'E 13日 0'E 13日 2'E

34'26'N

34'24'N

34'22'N

13TO6'E 13TO8'E 13TIO'

E 13日 2'E3426'N34'24'N3422'N13TO6'E 13TO8'E

13TIO'E 13T12'E34'26'N34'24'N3422'N で低塩分 (33.7-34.0)であった。10月26日

(盛漁期)は、湾奥から湾央の東側にかけて低温 (22.4-22

.7℃)、湾の東側でわずかに低塩分 (34.01-

34.05)であった。盛漁期の水温 ・塩分場と初漁

期のそれとを比べると、湾沖の水温 (塩分)から湾内の水

温 (塩分)値を差引いた値 AT(△S)が、盛漁期の方が1オーダ

ー小さかった。2008年 1月23日 (漁期後)には、1

0月の2回の調査時よりも水温が約8℃低下し、塩分が約0.5高くなっていた。

13TO6'E

13TO8'E 13TIO'E 13T12'E3426'N

34247N

3422'N

13TO6'E 13TO8'E 13TIO'E 13712'E

3426'N3

424'N3

422'N13TO6'E

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深川湾を南北に横断する観測点 (Sta.4.9,14.18)のク

ロロフィル鉛直断面図 (図3)によると、10月16日には、

湾沖 (Sta.4)から湾央 (Sta.14)にかけてクロロフィ

ル極大がみられ、Sta.9の10m深では1.6皿g/mSを超えて

いる。しかし、各測点の海底からその直上数mまでクロ

ロフィル濃度が低い領域もみられる。10月26日になると、

クロロフィル極大の値は小さくなるものの、表層から下

層までほとんどの領域で0.7mg/mS以上になっているの

が特徴的である。1月23日には10月の2回の調査よりも

クロロフィル濃度が低下していた。

(2)動物プランクトン

2007年10月16日 (初漁期)、10月26日 (盛漁期)、2008

年 1月23日 (漁期後)における動物プランクトンの査定

結果を表 1に示す。ここでは、3回の調査時の海域平均

の動物プランクトンの総個体数と沈殿量の記述にとどめ

0 11川 0 1仙] 」.__」

Sta.4 9 14 18 Sta.4 9

(LLI)LJI

da凸

る。初漁期、盛漁期、漁期後の順に、総個体数は78個/m

3、429個/m3、145個/mL沈殿量は0.

39me/m3、0.82mP/m8、0.43mC/m'であった.よって

、盛漁期の稔個体数は初漁期の5.5倍、漁期後の2,9倍となる。また、盛漁期の沈殿量は初漁期、漁期後の約2倍であった。シラスは動物プ

ランクトン (ノープリウス、コペボーダ、

甲殻類の幼生)や植物プランクトン (

珪藻)を摂餌するので、盛漁期の深川湾の餌料 (動物プランクトン)環境は良好であっ

たと推察され

た。(3)栄養塩栄養塩の分析結果は表2-1-2- 3のとおりであ

る。ここでは生物活動の指標となるN02の断面図を図4

に示す。盛漁期のN02が初漁期に比べて1オーダー小さ

くなっていた。

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表1 動物プランクトン査定結果

柄 調査点種名 2007年10月16日 2007年10月26日 劫鴨年1月23ElSta_3 Sta.4 Sta.5 Sta.8 Sta.9 Sta.10Sta.13Sta.14Sta_15Sta17Sta.18Sta.19 Sta.3 Sta.4 S上a.5 Sta.8 Sta.9 Sta.10Sta_13Sta.14Sta.15Sta.17Sta.18Sta.19 Sta.3S上a.4 Sta.9 Sta_14Std.18Sta.19レディオラリア上iFIRADlOLARIA 0.1 0.1 0.7 0.7 0.3 0.8 1.3 1.

9 12 17.0 0.3 1.1 10.0 0.6 68.0 26.0 7,0 9.0板足

虫親 FORAMINTFERIDA 1.4 0.1 1.0 0.3 0.3 03 12 0.4ヒドロ虫頼HYDROZOA 5.6 0.9 2.1 6B 3.3 7.8 2.7 1.3 12.0

10.tl 42 1,1 1.0 1.1 7.0 16.0 3.0 2.0 6.0 6.0SIPHONOPHORA

8.0 4.0 2.l:t 6.0腹足網 CAVOLINIIDAE 0.6 02 0.4 0.7 0.3 1.1 0.9 0.4 2.7 4.0 3.7 62 1.7 32 2.4 6.9 4.0 0.8 5.4THECOSOMATA 8.I) 10.にl 29.0 7.0 7.0 3.0 3.0 4.0 1.0

多毛網 Tomobtmssp 0.1 0.4線形動物門 NEMATODA 10.0

患脚頼 PenL.Lioorz'roslris 0.1 0.3 0.4 1.3 2.7 2.12.I:El.adnetergeSh'na 0.5

アゴアシ絹 HAL(XYPRIDIDAE 0.9 2.2 1.3 5.0

02 0.3 1.7 0.6 02 0.7 3.I: 0.10.5 5.0 5.0 4.0 1.0.irort血dmoe 3.0 3.0 10.0

Jlort由cTYthraeo 1.0 0.5 0.3 0.3 弧7 16.7 0.5 1.8 2.4 2.0 52 13.8JCqrtioomorT'L'

2.0 1.0 3.0 5.0 22.0」lortiabanfca 0.2AlaTtiGS如en'

14.0.4rqrtiaspp.10.7CosmocoLonusdaT,a,Llm' 2.0

1.0Namoca血nusminoT 0.1

Undinulol7ulgaTis 02 0.3 0.3 0.9 0.3 1.4 1.5 0.3 0.6 0.8 10.00.4EucoLanussp.

3.0EuchaeLai〃dica 03 03 0.4Parue〟chaeLaco〝cinna 02 0

.6 2.4 0.1 5.0Pwae〟chae由LILa〝o1.4 1.0PLeuromammasp. 0,6

Pwacoknusmzsi1.OStn'S 0.7 14,4Pwarok1T〟SaCulealus 2.0 10.0 10.0

5.0 6.0PwocoLa仙SPan.〟S6.0 38.(t 13.0 10.( 3.〔Paracahz〝idaespp. 5.0 10.0 6.0

PonteLLinaPLumata 3.0

Acrocabnusspp. 5.9 0.8 0.7 1.8 1.33.6 3.0 0.8Canth

ocalanus♪auL,er 2.0CaLocalonusPlumuLosus 3.0

Candaciabibinnata 0.5 0.1 0.4 2.0

Candaciopachydac&la 020.3 1.6 0.4Ca〝daciatuberculata

0.5 0.4 0.7 3.0 1.3 7.0CentropLZgeSfurcalus 0.1 22 0.8 4.8 0.5 0.8 0.3 0.7 0.5 43.8 5∴. 8.0 5.0 12.5 3.0 3.4 3&4 19.0 15.4

Clausocalanusspp.3.0 10.0 26.0 26.0 13.0 12.0 6.0Labz'doceTaaCu払 0.3 0.9 1.0 0.4 0.1 1.6 4.0 1.4 0.4

JscoLecithricclLaminor3.0ScoLelithrhdanae 0.3 0.1 0.43.0Temoradz'Scaudala 02 0.5 0.4 02 02 0.3 0.3 1.4 I.I 0.5 1.1 0.6 0.4 0.4

Temoraturbinatq 03

TortanusfoTClbatus 0.2 0.2 0.6 0.3 0.3 0.5OithonaatLontica 2.4 3.4 1.3 0.9 0.8

Oithona/alLLU 0.6 0.8 0.8 1.6 1.1 1.8Oifhonalongisbina 2.0 0.8 0.6 2.7 2.3 3.I 4.5 4.6 8.1 5.1 1.3 2.0 5.0 4.0 2.0

OithoTta♪Lumz/era 3.0 19.0 18.0 3.0 7.0 1.0Oithonatenuis

1.0Oncaeacom/era3.0Oncaeocmediterra〝ea

4.0Oncaeavenustu 7.0 16.0 ll.0 7.0 5.0 4.0

Oncaeaspp. 1.5 0.1 1.1 6.4 0.3 1.1 12 2.4 4.1. 0.8 1.1 0.6 0.8ClytemnestTaSCutelLata

2.0Co7yCaeuSajiPbis 7.0 7.0 &0 2.0 5.0 1.0CorycaeussL)eciosus 3.0

10.0 1.0CoTyCaeuSSpP. 0.8 0.8 3.3 2.0 0.2 0.3 1.9 1.8 0.4 1.3 52 6.1 1.1 3.2 1.1 2.8

Jsabbhirz'nqsp. 0.1 0.3 02 0.4 0.5 0.I 03Cobiliasp. 0.1

Copef加iteofAcqTtiq 0.3 0.4 2.3 0.5 3.I 12 0.8 弧0 4.7 42 13.8 32 23.0 6.6 5.9 3.0 6.3 152 19.0

2&3 26.0 5.0 9.0CopepoditeofNa〝1ZOCOLanus 2.0CopeDOditeofUndinuLo 0.7 3.6 14.4 0.8 10.0CopepoditeofCALANⅠDAE 4.1 2.3 6.9 7.3 2.9 3.3 5.1 3.0 1.1 1.3 1.4 2.6

CopepoditeofChzusocahnus 5.0 5.0 6.0 6.0CopeDOditeofEuchaeta 0.4CoDeJX)diteofEuchaetidae

21.0 18.0 ll.0 9.0 1.0CopepoditeofPmeuchaeto 1.6 8.3 1.5 1.4 12 0.4

CopepoditeofCandacia 0.1 1.1 0.7 1.0 0.5 0.7 3.0 1.4 0.8 0.a

EcopepoditeofCANDACIIDAE 3.0CopepoditeofCenfrobageS 0.1 1.6 0.2 1.5 0.6 0.6 0.7 0.5 14.3 6.8 48.0 14.5 14.1 17.0 8.0 23.2 19.0 22.1 26.0CopepditeofEucqhnus 0.5 0.6 0.9 2.1 OB 52 0.4 39.I:I 19.3 ll.0 13.4 16.3 4.6 1.01copepoditeofPwacqlanus 32 0.8 32 33.3 6.0 5.0 3.0 6.0 1.0 1.0CopepoditeofPARACALANIDAE 3.0 3.0 4.0CopepoditeofAcrocaLanus 6.8 1.0 1.1 0.9 0.4 22 2.9CopepoditeofLabzldocera 3.0 1.5 4.0 9.8 0.6 0.5 9.4 6.1 0.9 3.0 7.0 5.1 1.4CopepoditeofLucicutia 2.0CoPepoditeofPonteLlino 10.0CoDePOditeofTemwa 02 03 0.4 02 1.4 0.9 2,7 05 1.5 6.0 1.6 0.8 0.6 2.4 0.4CopepoditeofTorla〝us 0.5 1.1CopepoditeofCALANOⅠDA 143CopeDOditeofOifhona 0.5 0.2 0.3 0.7 0.3 2.0 1.6 1.9 2.4 8.0 1.3 0.4 1.0CopepoditeofMl'CYOSetelLo 02 0.7 05CopepoditeofCorycaeus 0.7 03 6.0 10.0CopepOditeofFarTanulo 3.0CopepoditeofOncaca 1.0 1.0Copepoditeof5hLIL)hz'Tina 10.0NaupJiusofCOPEPODA 2

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表2-1 2007年10月16日の栄養塩分析結果

採水 日 St・No・ 驚 ,B "(:読," "(註 ," "(註 ," (DuIM", P(:読,p (ucghla.)

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16

0

5

10

20

30

40

1.10

0.36

0.36

0.46

0.34

0.34

B-1 0.48

0.04 0.02

0.05 0.08

0.09 0.37

0.06 0.08

0.22 2.29

0.20 4.90

0.19 5.40

0.03 2.94

0.20 1.63

0.34 0.62

0.44 0.45

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16

0

5

10

20

30

0.52

0.34

0.50

0.48

0.29

B-1 0.39

0.04 0.01

0.04 0.02

0.07 0.11

0.27 3.44

0.24 4.74

0.22 4.98

0.26 0.87

0.30 0.69

0.36 0.42

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16

0

5

10

20

0.57

0.34

0.48

0.64

B-1 0.62

0.06 0.01

0.04 0.02

0.31 2.94

0.28 4.65

0.27 4.98

0.30 0.47

0.29 0.38

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16

2007/10/16 B-1 0.52

0.07 0.08

0.04 0.01

0.16 1.10

0.25 1.83

0.01 2.26

0.01 1.57

0.08 2.00

0.15 1.39

表2-2 2007年10月26日の栄養塩分析結果

採水 日 St.No.採水層 NH。-N NO 2-N NO 3-N DIN Po ヰ-P ChLa(m) (LLM) (PM) (uM) (uM) (LIM) (ug/I)

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26

0

5

10

20

30

40

0.12

0.10

0.75

0.79

1.30

0.75

B-1 0.72

0.06 0.04

0.03 0.01

0.06 0.03

0.06 0.03

0.05 0.07

0.06 0.01

0.06 0.06

0.03

0.07

0.05

0.05

0.10

0.08

0.05

1.66

1.31

1.57

1.64

1.66

1.64

1.49

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26

0

5

10

20

30

1.20

0.70

0.63

0.77

0.70

B-1 0.84

0.06 0.22

0.05 0.01

0.05 0.01

0.05 0.04

0.06 0.04

0.06 0.03

0.10

0.07

0.05

0.07

0.07

0.06

1.55

1.16

1.31

1.55

1.81

1.40

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26

14 20

0.94

0.63

0.72

0.91

14 B-1 1.15

0.06 0.06

0.06 0.01

0.04 0.01

0.0 5 0.01

0.03 0.02

0.06

0.08

0.08

0.10

1.33

1.31

1.24

1.14

0.05 0.96

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26

2007/10/26 B-1 1.13

0.04 0.10

0.05 0.02

0.0 5 0.01

0.07 0.12

0.06 0.98

0.64 0.96

0.06 1.07

0.10 1.19

-28-

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表2-3 2008年1月23日の栄養塩分析結果

採水 日 St.N。. 誓水軍 N/H_4二N N,0_2TIN N,0_3TIN ,DIN PO 4-P Ch1-a(m) (LIM) (LIM) (LIM) (LIM) (LLM) (Llg/I)

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

4

4

4

4

4

4

0

5

10

20

30

40

4 B-1

0.59 1.00

0.50 0.86

0.56 0.87

0.70 0.83

0.59 0.82

0.59 0.82

0.59 0.80

3.30 4.89

2.94 4.30

2.98 4.41

2.94 4.47

3.01 4.42

2.98 4.39

2.93 4.32

0.27 1.18

0.26 1.01

0.26 0.95

0.24 1.09

0.25 1.03

0.27 0.72

0.27 1.18

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

9

9

9

9

9

0

5

10

20

30

9 B-1

0.59 0.85

0.62 0.84

0.42 0.83

0.33 0.83

0.53 0.83

0.59 0.79

3.40 4.84

2.99 4.45

2.96 4.21

2.96 4.12

2.94 4.30

2.91 4.29

0.28 1.01

0.28 0.68

0.28 0.81

0.27 1.09

0.26 0.81

0.27 1.30

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

14 20

14 B-1

0.59 1.05

0.59 0.83

0.62 0.84

0.67 0.67

0.70 0.58

3.07 4.71

2.92 4.34

2.86 4.32

2.65 3.99

2.56 3.84

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

2008/1/23

0.84 0.69

0.70 0.64

0.56 0.60

18 B-1 0.59 0.55

2.78 4.31

2.75 4.09

2.80 3.96

2.74 3.88 0.30 0.87

-29-

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2 魚群分布特性

図5-1-5-3は10月26日の昼間深川湾において、

200kHzおよび70kHzの2周波数の計量魚群探知横によ

り得られた湾奥、湾央及び湾口の各観測ラインのエコー

グラムの一部を示したものである。両周波数のエコーグ

ラムをみると、各ラインともに顕著な周波数特性が表れ

ている。このことはすなわち、中層から底層では広範

囲かつ層状に分布する70kHz<200kHzのエコー反応が、

海底付近ではパッチ状に分布する70kHz≒200kHzある

いは70kHz<200kHzのエコー反応が観測されたことを

示している。

このような計量魚群探知機に現れたエコー (2周波

数間でのエコー反応の違い)を確認するため、開閉式

Bongoネットを海底付近から表層にかけて傾斜曳きし、

生物採集を行った。その結果、Copepoda(カイアシ類)

やDecapoda(十脚類)などの動物プランクトンが主に採

集された (図6)が、シラスは採集できなかった。その

原因として、網具の曳網速力 (2-2.5knots)よりもシ

ラスの遊泳速力が勝っていたこと、使用した網具の口径

が小さいために逃避したことが考えられる。今後は、網

0

10

20

30

40

S0

(

2)

Wdao

20

30

40

6

口面積が大きく高速に曳網できる綱具等を用いて生物種

を確認したい。

Bongoネットではシラスが採集できなかったが、宮

下 (1996)およびMiyashitaetal.(2004)による2周波

sv差法を用いて、70kHzと200kHzの計量魚群探知機の

エコー反応から、シラスのエコー反応の抽出を試みた。

具体的には、音響調査の翌日に深川湾の操業船6隻か

ら入手したシラスの全長組成 (図7)を基に、70kHzと

200kHzのシラスの理論TS(Targetstrength)を周波数

毎に求め、2周波数間のTS差 (ATS200-70kHz)から

シラスのみのエコーを抽出した。なお、シラスの理論

TSについてはStanton(1993)によるス トレータシリン

ダモデルも用いて推定した。この結果、シラスの全長

範囲における理論TS差 (ATS200ー70kHz)は、最小全

長 (20mm)で7.26dB、最大全長 (36mm)で-2.51dBとなっ

た。この値を基に、計量魚群探知機より得られた2周波

数間のSV差のエコーグラムからシラスの反応を抽出し

た結果、シラスは湾奥、湾央及び湾口のそれぞれの海域

で15m以浅の表層付近および海底付近に分かれて分布す

る傾向にあった (図8)0

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01020

40

60

0

(u

)

LItdad

20

40

50

60

(≡)qtdaG

■':◆'4ば…甲~リrWY702■叩.:1経て' F, 】tl,r'狩場LFrer′叩,∫ph.iPや■JでL'㍗ γ'71㌢ー■rr,早,■t許す一:I:; ・輔I+.㍗?.

: 宇必 ㍗- H ii∃i lil i】[ i

】 ー 圭 jl 】王 F■一 i 【ー1 l ! !/ I

= 二 ≡ ≡ = ;.-,-;∴一言 :I.,I:i-36 -39 42 145 ・48 ・51 -

54 -57 -60 -63 ・66 -89 -72図5-2 湾央のエコーグラム (上段が70kHz、下段が200kHz

を示す)-36 ・39 -42 -45 -48 -51 ・54 -57 ・60 163 166 -69 -72

図5-3 湾口のエコーグラム (上段が70kHz、下段

が200kHzを示す)ICtmpedla

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(≡

)Lt

)dad

73 65 59 53474135282115 09 02 104 -10 116 125

Asv2..k.lz_,OkHz(dB)

図8 SV差法によ り抽出され たカタク チイワシの分 布(上段 から順に湾臭、湾央、

湾口を示す)

32006 年と2007 年のシラス 漁凍量の El変動

200 7年は 2006年よりも約1ケ月、主漁期の始まりが遅

れたことがわかる(図9)。しかし、主漁期の継続する

期間は両年とも2ケ月程度で一致している.また、シラ

ス漁獲量は、ある日を境にし てパルス的に伸 張

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4 秋季シラス漁獲量の長期変動

図10に1964-2007年までの秋季における湊地区の 1隻

あたりのシラス漁獲量 (漁獲量の操業隻数による商)の

時系列を示す。ここで、秋季 とは9月から12月の値を積

算 したものを示 した。図10によると1998年以降、シラス

(61)州世頗

erq;+嶋洲L

0寸 O) 寸O くD トー

O) O) のT~ ▼- 1~~ O) 寸 O) 寸 O)寸トー CO の O) O) ⊂〉O)

O) O) O) O) 0▼一 一 ▼- ▼-

▼- N図10 湊地区棒受網 ・すくい網の秋季

シラスの漁獲量変動 (1964-2007年)

は増加傾向にあることがわかる。 したがって、2006

年から取組んでいる当研究は、シラスの高水準期に実施したと位置づけ

られる。 周期性を調べるため、この時系列についてスペク トル解析をしたところ、2.9年、4.0年、4.9

年お よび 7.1年に エネルギー ピークがみ られた( 図11)

。6000

>1LSN山C]m⊃∝トU山dS 0

002