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“防災主任”が推進する宮城の防災教育 宮城県の公立学校では,東日本大震災の記憶と教訓を後世に伝え,子どもたちが防災に関する知 識を身に付けるとともに,災害の発生に備えるため,地域と連携した防災教育に取り組んでいます。 学校教育における防災教育推進の体制整備を図るため,平成24年度から県内全ての公立学校に 「防災主任」を配置し,学校における地域防災推進のコーディネーターとして活躍しています。 防災主任とは 学校の防災教育に関する年間計画 の立案や校内研修など,学校におけ る防災教育の中心となり推進してい ます。 災害時の体制構築や施設の点検・ 改善など学校の防災機能を整備して います。 家庭,地域,自治体の防災部局と 連携し,学校における地域防災推進 の連絡・調整の役割を担っています。 『防災教育』学校,地域の連携 町を挙げて「一斉避難訓練」を実施(亘理町) 連携 防災教育の推進 防災機能の整備 防災会議への参加 防災教育へ協力 地域学校安全委員会 総合防災訓練 災害時の連絡方法 引き渡し訓練 学 校 家 庭 自治体・消防署 地 域 防災主任 ●避難所へ避難(荒浜小) ●地区集会所での安否確認(吉田小) 県民防災の日に行われた亘理町の総合防災訓練では,学校 と地域住民,自治体が連携して,町内全小中学生約2700 人の下校時間帯における一斉避難訓練を実施。 訓練内容は,町内の各学校の防災主任で構成する防災主任 者会と町が協議をして,小中学校の下校時の発災を想定。保 護者(大人)がいない状況での避難方法や一時避難所となる 行政区での安否確認,学校への連絡などの訓練を実施しまし た。 宮城の防災教育だより 第1号

“防災主任”が推進する宮城の防災教育 · 「いのちの石碑」は震災津波被害の記憶を1000年先の未来へと伝えるために、女川 町内21の浜の津波が到達した地点よりも高い所に石碑を作ろうと,生徒が主体となり計

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Page 1: “防災主任”が推進する宮城の防災教育 · 「いのちの石碑」は震災津波被害の記憶を1000年先の未来へと伝えるために、女川 町内21の浜の津波が到達した地点よりも高い所に石碑を作ろうと,生徒が主体となり計

“防災主任”が推進する宮城の防災教育

地 域 と 共 に 取 り 組 む

宮城県の公立学校では,東日本大震災の記憶と教訓を後世に伝え,子どもたちが防災に関する知

識を身に付けるとともに,災害の発生に備えるため,地域と連携した防災教育に取り組んでいます。

学校教育における防災教育推進の体制整備を図るため,平成24年度から県内全ての公立学校に

「防災主任」を配置し,学校における地域防災推進のコーディネーターとして活躍しています。

その特長とはこのような特長です。ここには上

記の特長を簡単に説明します。その特長とは

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記の特長を簡単に説明します。その特長とは

防災主任とは ○ 学校の防災教育に関する年間計画

の立案や校内研修など,学校におけ

る防災教育の中心となり推進してい

ます。

○ 災害時の体制構築や施設の点検・

改善など学校の防災機能を整備して

います。

○ 家庭,地域,自治体の防災部局と

連携し,学校における地域防災推進

の連絡・調整の役割を担っています。

『防災教育』学校,地域の連携

町を挙げて「一斉避難訓練」を実施(亘理町)

連携

防災教育の推進 防災機能の整備 等

防災会議への参加 防災教育へ協力 等

地域学校安全委員会総合防災訓練 等

災害時の連絡方法 引き渡し訓練 等

学 校

家 庭

自治体・消防署

地 域

防災主任

●避難所へ避難(荒浜小) ●地区集会所での安否確認(吉田小)

県民防災の日に行われた亘理町の総合防災訓練では,学校

と地域住民,自治体が連携して,町内全小中学生約2700

人の下校時間帯における一斉避難訓練を実施。 訓練内容は,町内の各学校の防災主任で構成する防災主任

者会と町が協議をして,小中学校の下校時の発災を想定。保

護者(大人)がいない状況での避難方法や一時避難所となる

行政区での安否確認,学校への連絡などの訓練を実施しまし

た。

宮城の防災教育だより 第1号

Page 2: “防災主任”が推進する宮城の防災教育 · 「いのちの石碑」は震災津波被害の記憶を1000年先の未来へと伝えるために、女川 町内21の浜の津波が到達した地点よりも高い所に石碑を作ろうと,生徒が主体となり計

●このリーフレットの制作は平成26年11月です。

製作

お問い合わせ先はこちら

取 組 み 紹 介

宮城県総合教育センター『防災教育の研究』

無断転用禁止

『商品愛称』は●●●の商標または登録商標です。

〒981-1217 宮城県名取市美田園二丁目1番4号 (代)TEL 022-784-3541 FAX 022-784-3571

宮城県教育庁

教職員課・スポーツ健康課 〒980-8423 仙台市青葉区本町3-8-1 TEL 022-211-3639 FAX 022-211-3698 TEL 022-211-3662 FAX 022-211-3796

インターネットの情報もご覧ください

宮城県総合教育センターHP http://www.edu-c.pref.miyagi.jp/

●スタートパックを活用した教員研修

1000年後の命を守るために 女川町立女川中学校『いのちの石碑』プロジェクト

「いのちの石碑」は震災津波被害の記憶を1000年先の未来へと伝えるために、女川

町内21の浜の津波が到達した地点よりも高い所に石碑を作ろうと,生徒が主体となり計

画を立案しました。

■生徒の手による企画書

■建立された石碑

石碑建立の計画を実現するため,保護者や地域住民が「いのちの石碑をつくる女川の子ども

たちを支える会」を発足。計画を後押しして実現しました。

防災主任の取組

【校内】○全体計画及び年間計画の立案

○避難訓練,校内研修の企画実施

○学校防災マニュアルの作成・見直し

○安全点検,備蓄資材の点検管理

【校外】○自治体防災担当部局との連絡調整

○地域内学校との情報交換,交流

○自治会,企業,地域学校安全委員会

等との連携推進

○合同避難訓練,避難所運営訓練

●自ら身を守り乗り切る力

●知識を備え行動する力

●地域の安全に貢献する心

●安全な社会に立て直す力

●安全安心な社会づくりに貢献する心

自助・共助・公助

児童・生徒に 身に付けさせたい 5つの力と心

総合教育センターの防災教育研究グループでは,平成24年度から,教職員を

対象とした防災教育の研修の手引き「防災教育

スタートパック」,自らの命を守り抜く児童生

徒を育成するための教材や資料集「防災教育ト

レーニングパック」,そして,共助・公助の力

と心を育てるための「防災教育ハートフルパッ

ク」を開発。その活用を提言することで,学校

における防災教育の充実を支援しています。

東日本大震災によって大きな被害を受けた宮城県女川町の中学生たちは、自分たち

の手で1000年後の命を守るために、 ①絆のある町づくり、②高台へ避難できる

町づくり、③震災の記録を残すという3つのテーマを掲げ、これまで2年間取り組ん

できました。

そのうち③のテーマの一環として「1000年先まで記録を残す」ため、町内にあ

る全ての浜に津波が到達した地点よりも高い所に石碑を作ろうと動き始めたのが、こ

の「いのちの石碑」プロジェクトです。

石碑を作る資金を募るため、保護者や地域の方々等にご協力を頂きながら、生徒た

ち自身が「100円募金」を呼びかけました。

~「いのちの石碑」を作る女川の子どもたちを支える会HPより~