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12 (3)【基礎編】ソーシャルデザインキャンプの実施 1)目的 ソーシャルデザインセミナーで触れた「デザイン思考」「地域課題解決」にフォーカスし、「ブ レインストーミング」「アイデア発想」「プロトタイピング」を実践し、issue+designの地域の 活性化支援のノウハウをもとに、地域課題解決のために必要な企画を立案、実践できる市民を 育成する。 2)開催日時・開催場所 日時:平成 27 年 12 月 5 日(土)10:00~19:00 平成 27 年 12 月 6 日(日) 9:00~16:00 場所:市民活動プラザ星園 講師:筧裕介(issue+design) 定員:30 名 3)テーマ 「非婚・晩婚化」「生活習慣病」「冬の外遊び」 4)プログラム 1 日目】 ・開会 ・ウォーミングアップ ・講義ソーシャルデザインとは ・ワークショップ ワーク①:課題を共有する ワーク②:課題から発想する ワーク③:接点から発想する(接点カードを使用) ワーク④:事例から発想する(事例カードを使用) ワーク⑤:アイデアの評価(アイデアシート・スト ーリーシートを使用) ・発表:中間フィードバック・修正 ・修正・順次解散 2 日目】 ・発表:中間フィードバック・修正 ・ワークショップ ワーク⑥シナリオ化(8 コマシート・スケッチ シートを使用) ・プレゼンテーション ・閉会

3)【基礎編】ソーシャルデザインキャンプの実施 - Sapporo12 (3)【基礎編】ソーシャルデザインキャンプの実施 1)目的 ソーシャルデザインセミナーで触れた「デザイン思考」「地域課題解決」にフォーカスし、「ブ

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(3)【基礎編】ソーシャルデザインキャンプの実施

1)目的

ソーシャルデザインセミナーで触れた「デザイン思考」「地域課題解決」にフォーカスし、「ブ

レインストーミング」「アイデア発想」「プロトタイピング」を実践し、issue+designの地域の

活性化支援のノウハウをもとに、地域課題解決のために必要な企画を立案、実践できる市民を

育成する。

2)開催日時・開催場所

日時:平成 27年 12月 5日(土)10:00~19:00

平成 27年 12月 6日(日) 9:00~16:00

場所:市民活動プラザ星園

講師:筧裕介(issue+design)

定員:30名

3)テーマ

「非婚・晩婚化」「生活習慣病」「冬の外遊び」

4)プログラム

【1 日目】

・開会

・ウォーミングアップ

・講義ソーシャルデザインとは

・ワークショップ

ワーク①:課題を共有する

ワーク②:課題から発想する

ワーク③:接点から発想する(接点カードを使用)

ワーク④:事例から発想する(事例カードを使用)

ワーク⑤:アイデアの評価(アイデアシート・スト

ーリーシートを使用)

・発表:中間フィードバック・修正

・修正・順次解散

【2 日目】

・発表:中間フィードバック・修正

・ワークショップ

ワーク⑥シナリオ化(8 コマシート・スケッチ

シートを使用)

・プレゼンテーション

・閉会

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5)告知チラシ

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6)ワークショップ

■ワーク① 課題を共有する

・「非婚・晩婚化」「生活習慣病」「冬の外遊び」

のそれぞれのテーマについて、同じテーマを

設定さている 2 チームごとに集合し、ファシ

リテーターによりテーマの説明が行われた。

説明を聞きながらテーマに関する課題を青

い付せんに書き出した。

・個人で考えた課題をチーム内で発表し、共有

した。課題の書いた付箋を 1 つ目のフェーズ

から順にフェーズごとに分類し、課題の可視

化を行った。

■ワーク② 課題から発想する

・発想の方法について issue+design 岡本氏よ

り説明があった。アイデアの発想時は制約か

ら抜け出すこと、質より量を出すこと、人の

意見に便乗すること、課題を忘れないことな

どがポイントとされた。

・ワーク①でフェーズごとに分類された課題を

見ながら、その課題を解決するためのアイデ

アを個人で考え、黄色い付箋に書き出した。

■ワーク③ 接点から発想する

・世の中にあるもの・ことが描かれたカードを

使い、もの・ことと課題の接点と掛け合わせ

てアイデアを発想する方法で、さらに個人で

アイデアを考え、黄色い付箋に記入し個人用

のフェーズの書かれたシートに貼っていく

作業を 3セット行った。

■ワーク④ 事例から発想する

・30 枚の事例カードを読み、おもしろさや発想のヒントになりそうと感じた事例を 10~15

枚選択し、その事例と課題を掛け合わせて、また新たなアイデアを黄色い付箋に書き出し

ていった。

・ワーク②~④で個人で書き出したアイデアを、最初のフェーズから順に、どのような課題

からどのアイデアを思い付いたかをチーム内で共有し、アイデアをフェーズごとに分類し

た。

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■ワーク⑤ アイデアの評価と選択

・優れたアイデアの 3条件を元に、チームで出

されたアイデアの中から、よいアイデアに赤

いシールを貼り、自分が取り組みたいと思う

アイデアを選択した。

・取り組みたいアイデアを決定後、テーマい対

して選んだアイデアは、どのフェーズのどの

ような課題を解決するものなのかを具体的

に考え、「課題」「アイデア」と書いてあるア

イデアシートをに記入した。

・アイデアシート記入後、「いつ」「どこで」「誰

が」「何を」と書かれたストーリーシートに、

アイデアが実現するまでの物語を考え記入

した。課題のターゲットになる人物がいつ、

どこで、どんなサービス・もの・仕組みを利

用したいのかを流れがわかるように整理し

た。

・チーム内で個人で考えたアイデアを発表し、

チームメンバーよりフィードバック(シート)

を書いてもらい、アイデアのブラッシュアッ

プを行った。

■ワーク⑥ シナリオ化

・個人で取り組んできたアイデアを最終発表に

向けて、プロダクトのアイデアはスケッチシ

ートに、仕組みや場などのアイデアにはスト

ーリーシートに記入し、よりアイデアを具体

的にビジュアル化した。

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6)結果

2 日間かけて完成したアイデアの発表を行った。ソーシャルデザインキャンプ 2 日間を通し

て 24のアイデアが誕生した。

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(4)【実践編】実践ワークショップの実施

1)実践ワークショップ①

①目的

基礎編であるソーシャルデザインキャンプから生まれた 24 のアイデアを題材にし、企画や

プロトタイプを実践するために必要なプロセスを学ぶ。

②開催日時・開催場所

日時:平成 27年 12月 5日(水)18:00~21:00

場所:市民活動プラザ星園

講師:酒本宏(KITABA)

③プログラム

・基礎編ソーシャルデザインキャンプの振り返り

・情報提供

「ソーシャルデザインの実践に向けて」KITABA 酒本宏

・話題提供

26 年度プロジェクト「公園活用プロジェクト」橋場氏

26 年度プロジェクト「子育てママの楽しい時間プロジェクト」松浦氏

・ワーク1

24のプロトタイプを「プロジェクトを決めるマトリクス」にあてはめ分類・プロジェ

クトの選択

・ワーク2

ワーク1で選ばれた2つのプロトタイプを「実践につなげる思考プロセス」にあてはめ

て考えるグループワークを実施。

・まとめ・閉会

2つのプロトタイプの実施の方法を発表・共有。

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④告知チラシ

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⑤ワーク 1

24のプロトタイプの中から参加者がいくつかを選択し、「課題・社会課題への解決の効果」

の高い⇔低い、「実践のしやすさ」がかんたん⇔難しいを「プロジェクトを決めるマトリクス」

上で分類した。その中から実践してみたいプロトタイプを2つ選択した。

【プロジェクトを決めるマトリクス】

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「⑥恋愛応援コースター」と「⑨雪って特別?!留学生と雪遊び(⑩父子を撮影ママの写

真教室も併せて考える)」の 2つが選択された。

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⑥ワーク2

選択された「⑥恋愛応援コースター」と「⑨雪って特別?!留学生と雪遊び(⑩父子を撮

影ママの写真教室も併せて考える)」について、実践を想定し企画をブラッシュアップと実践

に向けた計画をグループで話し合った。

ア)恋愛応援コースター

■プロジェクトの概要

【課題】

・恋愛に積極的になれないすべての方へ

【アイデア】

・北海道出身の人生の先輩からの恋愛名言をとどける

・北海道の人なら誰もが知っている人のれない名言をさりげ

なく届ける。

・身近に感じられる人からの心に響く言葉を届ける。

【いつ】

・デート中

・女子会

・合コン

・ひとり呑み

【どこで】

・BAR(バー)

・レストラン

・居酒屋

【誰が】

・人生の先輩方(市長、区長、社長、校長先生など)

【何を(サービス・モノ・仕組み)】

・コースターに恋愛応援のメッセージや恋愛名言を届ける(企業の宣伝として・地域の若者

に向けたメッセージとして)

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■実践につなげるためのプロセス

【プロジェクトを実践する対象を決める】

・Barで一人飲み

・独身草食系“励まして欲しい”

・コレクター

・恋愛に積極的になれる人を対象にする方が現実的

・ある程度いい年の男女

・長く付き合っている女性にアプローチ

【ニーズの把握・営業】

○ホワイトデー前の期間に実践(お試し)

・飲食店の協力・企業の協賛を得るために、一度お試しで実践をする。お試しイベント時の

反響を元に、協賛または商品化を考える。

・お試し期間は 3 月上旬と考えている。

○20 代後半~30 代の男女へヒアリング

・恋愛に積極的になれない、結婚へのタイミングが難しいなど、そのような社会問題を仮定

しているため、現実にはどうなのか、恋愛の後押しをするツールとして需要があるかのヒ

アリングを行う。

○飲食店への可能性調査・営業をする

・恋愛応援コースターに賛同を得られるか、実際にお店に置いてもらえるか、ターゲットと

なる 20 代後半~30 代の男女が多く利用するお店の調査を行う。

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・お試し実践に向けて1~2店舗の飲食店に協力を得られるよう可能性調査を行う。

・また、スポンサーとしてサポートしてもらえるよう営業活動を行う。

○スポンサーを募る

・恋愛応援コースターに賛同してくれるスポンサーを募る。

・スポンサー企業には、コースター協賛企業として名前(広告)を載せたいと考えている。

・また、お試し実践時の反響などをまとめ、さらに営業活動をすすめる。

【お試しイベントの実施】

○お試しイベント時のコースター試作

・コースターの入稿から納品までを考えると、お試しイベント時には印刷会社にコースター

を注文することは難しい可能性があるため、自作で(各自のプリンタで)制作が可能か検

討をする。(オリジナルコースターキット

○名言を集める

・北海道内の社長や有名人から恋愛の名言を聞き集める。営業または電話・メールでのアポ

イントを取りコメントをもらう。

・また、歴史上の人物の名言や恋愛の格言など、書籍より探したり、身近な先輩カップルな

どの名言も追加し、コースターのバリエーションを持たせる。

○コースターのデザインをする

・実践(お試し)に向けて、デザインの決定・制作を名言集めと並行で行う。

・お試し実践時に得られた結果より、今後のさらなる活用に向けてデザインや名言のブラッ

シュアップを行っていく。

【当日までの準備・広報】

○印刷会社の検討

・印刷の納期や金額、ロット数などの検討が必要である。

・特殊印刷ができるかどうかなど、印刷会社の洗い出しをする。

○プロモーションムービーの撮影をする

・お試し実践時に恋愛応援コースターを実際に使っている様子をムービーに撮り、プロモー

ションムービーを制作する。

・ムービー編集が可能な技術者を探す他、ムービーに出演してくれるカップルの募集が必要

となる。

○コースターの宣伝をする

・プロモーションムービーをはじめ、札幌市内のイベント時(ビアガーデンなど)に実際に

利用してもらうなど、宣伝方法はさまざまである。

・今回は主に SNS(face book)で制作から実践まで、こまめに進捗状況の情報発信を行う。

・今後の反響によっては販売なども検討する。

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イ)子どもが雪遊びの先生に?!外国人と雪遊び企画!(⑩父子を撮影ママの写真教室)

■プロジェクトの概要

【課題】

・雪に対して特別な意識を持っていない。雪が

あることが日常である。

・遊ぶ場所がない(見つけにくい)

【アイデア】

・雪遊び研修をする。参加者(札幌に住む子ど

もたち)にイベントが始まる前に集まっても

らい、雪についての知識を学ぶ。

・実際に外国人と小学生が一緒になって雪遊び

を行う。雪に初めて触れ合う外国人と、雪遊

び研修を受けた小学生が触れ合い、普段は一

緒に遊ばない人と遊ぶことで雪の魅力・特別

感に気づく。

【いつ】

・週末土日のどちらかのイベント(13:00~16:00)

【どこで】

・ 豊平川沿いの公園や広場

【誰が】

・豊平小学校3~6年生とゲストハウスに泊まっている外国人または道外のゲスト

【何を(サービス・モノ・仕組み)】

・外国人ゲスト:見るだけじゃなくて、雪が楽しめるものだと実感することで旅行のいい思

い出になる。来年の冬も来たいと思ってもらう。

・札幌の子ども:雪を喜ぶ外国人ゲストと触れ合うことで雪がない国もあることを学び、雪

は特別なもだと意識づける。普段は一緒に遊べない外国人ゲストと遊ぶことで国際交流や

雪の楽しさを学ぶ。

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■実践につなげるためのプロセス

【ニーズの把握】

○外国人へのヒアリングを行う

・札幌在住の留学生に雪遊びイベントのニーズを調査をする。 (雪を通しての現地の人と

の交流や雪への価値観について等)

○ゲストハウス運営者・ホストファミリーなどにヒアリングの協力をしてもらう

・ニーズの調査のため、ゲストハウスの運営者やホストファミリーにヒアリングお仲介をし

てもらう。

・また、外国人が雪へどのような反応をしているかなど把握する。

○ミニイベントを実際に開催する

・札幌在住の小学生と外国人または道外ゲストとの雪を通した小規模な交流イベントを開催

しながら、ニーズの発掘をしていく

【協力を得る】

○場所の提供・相談をする

・札幌市の管理している公園や河川敷の広場など、冬季間貸し出しが可能な場所があるか札

幌市の公園管理(土木部)へ相談する。また、まちづくりセンターの広場を使用する場合

は各まちセンへ協力をお願いする。

○学校へ協力の打診をする

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・小学生の参加をお願いするために、小学校へ協力を求める。

・同時に、保護者へのイベントへの理解をいただくために、説明会を開催する。

○保護者へ当日の炊事のお願いをする

・外国人に北海道ならではの冬のあたたかい食べ物(豚汁・おしるこ等)の提供をするため、

協力してくれる保護者を募集する。

・ 関係機関として、屋外の炊事を想定しているため、対象となる区の保健センター(生活衛

生係)より許可をもらう。

○大学などの国際交流サークルのボランティアを募集する

・小学生と外国人とのコミュニケーションが円滑にできるよう、国際交流サークルにイベン

トへの参加をお願いする。通訳をお願いするとともに、一緒に雪の良さに触れてもらう。

○実際にかまくらが作れる人を探す、または講習を受ける

・冬の遊びに精通している人物を探し、当日雪に関するレクチャーをしてもらう。

・または、その人から事務局が講習を受け、実際に雪遊びや雪に関する知識を得る必要があ

る。

【当日までの準備】

○道具の準備をする

・イベント当日に必要な道具(かまくらづくり等)を準備をする。

・用具のレンタルが可能か、買いそろえる必要があるか、または参加者が持参可能か、道具

を揃える方法を考え、当日までに確保する。

○イベント当日にかかる費用を捻出する

・道具以外に、飲食代・参加料・燃料費・会場のレンタルにかかる費用等、イベント時にか

かる費用を検討し、費用確保を行う。

○チラシや SNS を使って情報発信をする

・イベント告知のため、facebook などの SNS やチラシ(回覧)などを利用してイベントの

告知を行う。

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2)実践ワークショップ②

①目的

実践ワークショップ①で学んだ企画を実践するため

のプロセスを、より具体的にどのように実践していく

かを深め、スケジュールや役割分担を行う。

②開催日時・開催場所

日時:平成 28年 1月 20日(水)18:00~21:00

場所:市民活動プラザ星園

講師:酒本宏(KITABA)

③プログラム

・第 1回実践ワークショップの振り返り

・講義 「プロジェクトを実践に近づけるために」㈱KITABA酒本宏

・ワーク:実践のためのブラッシュアップをする

実践プロジェクトのスケジュールを決める

準備や調整など役割分担をする

・今後の進め方

④ワーク 実践のためのブラッシュアップ

本ワークは、「何を」「いつまでに」するかを可視化するために、以下のワークシートを利用

した。

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■恋愛コースター

○お試し実践日:3/12(土).3/13(日)ホワイトデー前日・前々日(2日間)

○役割分担

チーム 何をする 内容 誰が

デザイン

チーム

デ ザ イ ン

(案)の提示

• コースターのデザインについてコンセプト

を出す。

• コンセプトを元に図に起こす。

全員

姉帯・丸藤

印刷会社の

調査

• 印刷にかかる費用とロット数を調べる。

• 対応可能な印刷会社を探す。 松浦

名言チー

名言リスト

の作成

• キャッチコピーを考える。

• 女性から言葉をもらう。

• 誰からもらうか検討する。

• もう言葉をもらえたらもらう。

姉帯・かも

はら・丸藤

調整 企画書作成 • コミーティング上で打合せ、企画書を作成

する。 小倉

お店探し

チーム

店舗のリス

トアップ

• 行きつけのお店など協力してくれそうなお

店にアプローチをする。

• 考えられる店舗のリストアップ(飲食店

街・チェーン店・個人経営のカフェ・飲食

店)

國見・佐渡

谷・松浦・

丸藤

○話し合いの結果

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■子どもが雪遊びの先生に?!外国人と雪遊び企画!

○役割分担

【リサーチ】

1月中

場所を確定

臼杵さん

①中島公園

②まこまる・緑小

③曙小

④星園

真駒内公園

児童館など広場もある。

ゲストハウスが多い

⇒札幌市公園管理

地下鉄

南 10西 8

消防

広い・アクセス悪い。

【調整】

1月中 企画書作成 本宮さん

人数の把握 最低人数と最高人数 場と原価

【広報】

決まった

段階で

Facebook 大学生ボランティアを味方に

2月まで チラシ作成 高井さん

チラシの配布 河嶋さん

当日 内容の決定 天候により雪遊びの内容は当日臨機応変に決めていく

【準備】

2月初旬 運営できる人

集める

なるべくここの全員(臼杵・大桑・河嶋・高井・田中・

藤田・本宮)

2月中 もの集める

○話し合いの結果

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3)実践ワークショップ特別編

①目的

ソーシャルデザインの実践の事例を絡めながら、プロジェクトを進めるための突破口の開き

方を学ぶ。

②開催日時・開催場所

日時:平成 28年 2月 24日(水)19:00~21:00

場所:市民活動プラザ星園

講師:齋藤 智彦(リバースプロジェクト)

③プログラム

・特別講義

「実践における突破口の開き方~富士吉田での取組をまじえて~ 」齋藤 智彦氏

・札幌ソーシャルデザインプロジェクト進行中のプロジェクト実践に向けて

「雪遊びプロジェクト」27年度札幌ソーシャルデザインメンバー 大桑氏

「恋愛応援コースタープロジェクト」27年度札幌ソーシャルデザインメンバー 小倉氏

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④告知チラシ

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⑤講演内容

■富士吉田市の概要

・富士山の吉田口という登山口がある。0合目から登ることができる。

・知名度は全国で3パーセントくらいあり、人口5万人の自治体である。東京から1時間弱

でアクセスが可能。

・勝手にコンパクトシティ:単純に住めるところがあまりなく、人口が密集している。

・まちがコンパクトなため、諸所にかかる時間が短く、物事のスピード感がよい。

・昔からの富士山信仰のおかげで栄えた都市であり、街ごと「世界文化遺産」を目指す。

・富士吉田市と札幌は平均気温が同じ。

・標高 750~900 メートル

・観光客は年間 2000 万人

■齋藤氏の会社について

・2013 年、地域おこし協力隊としてスタートし、現在は三期目である。現在は助成金と緊急

雇用やポケットマネーを利用して運用している。

・やりたいことがある人を会社に引き込み、事業ができるまで人材育成を行っている。

・事業企画の書き方、マネージメントについて、後方支援について、助成金の取り方、など

を齋藤氏の会社で学び、事業がまわってきたら独立をさせる。

・現在はゲストハウス、鍼灸屋、新世界通の飲食店、が独立・開業している。

・インバウンドを満足させるサービスをつくるため、外国人の視点から日本の良いところを

紹介する、外国人留学生に情報発信する仕組みを作っている。

・移住定住促進事業を行っている。

・みんな出資をするなど、いろんなお金の集め方を考え、まちづくりを実施している。

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○集客の壁の解消1(世界文化遺産を活用したまちづくりワークショップの事例紹介)

・内容はいいが、人数が集まらない・思うように広がらないのは、こちら側が一方的に思い

を伝えているだけで、参加する人のニーズを把握していないからである。

・最初に面白いことや、どのようなことをすれば集客できるかを考える。

・硬い印象ではなく、楽しいことを全面的に押し出す。

・最初に考えた「楽しいこと」に目標を摺り寄せていく。

・ソーシャルデザインを行うときは、課題や思いが前面に出がちで、多くの人に伝えること

など、得なければいけない効果を忘れがちである。

【事例】

タイトルを「世界文化遺産を活用したまちづくりワークショップ」では誰も来ない。

⇒空き家を解体した後の赤土を利用し、日干しレンガのでかまどづくりを行う。

≪従来の世界文化遺産を活用したまちづくりワークショップ≫

業務名:世界文化遺産を活用したまちづくりワークショップ

講 師:パーマネントカルチャーデザイナーの○○さん

手 法:座学の講義「世界文化遺産として次世代に残していくためには」

・タイトルが堅苦しい

・ただ話を聞くだけ

・机に座ってメモを取る

結 果:せいぜい10名くらいの集客

≪実践を伴った世界文化遺産を活用したまちづくりワークショップ≫

業務名:???(最初は伏せておく)

講 師:パーマネントカルチャーデザイナーの○○さん(かまどづくりなど、実践して

いることに着目するし、かまどづくりを実践する。)

手 法:富士吉田の家屋解体時に出てきた赤土を使い、日干し煉瓦のかまどづくりを実

践する。合わせて、参加者全員でBBQを行い、親睦を深める。

・楽しい時間を過ごす・体験する。

・実践をしながら、講師がそのものや行為の意味・仕組みなど、を伝えたい事を

内容にちりばめながら講義を行う。

・最後に、この「作業」をした理由を種明かしする。↓

業務名:世界文化遺産を活用したまちづくりワークショップ

・参加者に「持続可能な社会(文化遺産を生かしたまちづくり)」について実感

してもらうことによって、より理解が深まった。

結 果:一気に 50名の参加者が集まった。(市外・県外からも参加者が集まる)

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○集客の壁の解消2(移住計画の事例紹介)

・富士吉田市では、老人施設などが多くできてきているが、社会保障費が高い世代を呼んで

も意味がないため、若い子育て世代をターゲットにする。

・簡単に人を集められ楽しい仕掛けを考え、運営側も楽しめる仕掛けづくりを行う。

【事例】

≪従来の移住促進⇒移住フェアや説明会の実施≫

目 的:富士吉田市移住促進をする。(富士吉田の魅力を知って移住してもらう)

手 法:移住フェア・説明会・視察のツアーを組む

・1度の広告や、説明で終わるため、効率はよい。

・本当に移住する気のある人だけがやってくる。

・呼びかけたい世代にダイレクトに届くわけではない(≠高齢者=子育て世代)

・一度ツアーで現場視察をしても、ただ見るだけとなり、あまり魅力が伝わらな

い。

結 果:目的は同じく、「多くの人に富士吉田に来てもらいたい」、「富士吉田の人と仲良

くなってもらいたい・好きになってもらいたい」、「移住してほしい」だが、移

住促進のため、ただストレートに説明会やツアーを組んでも、相当移住する気

がある人しか集まらない。

≪富士吉田の移住促進⇒空き家争奪ソフトボール大会の開催≫

目 的:富士吉田市移住促進をする。(富士吉田の魅力を知って移住してもらう)

手 法:空き家争奪ソフトボール大会の開催。その後、全員でBBQを行い、親睦を深

める。

・まずは運営側の「ソフトボールをやりたい」からスタートする。

・移住促進のための「ただの飲み会」を東京で開催する。その時に「空き家争奪

ソフトボール大会」の告知を行う。⇒県外から 50名以上の集客ができた

・市の職員や地元民がたくさん参加し、外から来た人と交流を図れる。

・富士吉田市内外の人同士、ソフトボール(円陣を組む・全員で守備につくなど)

を通じて、自然とコミュニケーションを取ることができる。

・試合後BBQをし、ほろ酔い気分でまちの散策に行くと、仲良くなった地元の

人がまちについて教えてくれる。など、散策と交流が一度に体験できる。

結 果:

・参加する側も、主催する側も楽しめる。

・「移住して来たら楽しいことがある」と、より実感を持って伝えられる。

・地元の人と移住者とが直接交流ができる。

・「多くの人に富士吉田に来てもらいたい」、「富士吉田の人と仲良くなってもら

いたい・好きになってもらいたい」、「移住してほしい」が実現する。

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○移住促進の仕掛け(結・無尽の文化を活かした事例)

・富士吉田の習わしである「無尽・結」の文化を模して、飲み会の売り上げの一部を「移住

積み立て貯金」として、まちの人たちが移住者を呼び込むための積み立てしている。

・「富士吉田の住民が移住者向を応援するためにお金を積み立てている。」「移住してくれた人

には積み立てたお金をあげます。」というちょっとした狂気のような面白さがベースにあり、

移住者はその話が聞きたくなる。

・現在は 16万円たまっている。

○課題を楽しいものにする(新世界通復活祭の事例)

・新世界通りは、30店舗ほど立ち並んでいた歓楽街だったが、現在では不法投棄の現場と

なっていた。

≪従来の空き家の利活用≫

目 的:空き家を活用する。活用できるように場を整える。

手 法:空き家の解体し、新築そっくりに建て替える。

・古い建物自体を解体してしまうことが一番楽である。

・きれいで見栄えのいいものができる。

・現在の法律では、路地の狭い新世界通の建物を解体してしまうと、道路幅を確

保しなければいけないため、同じところに建物が建てられなくなる。

≪新世界通復活祭≫

目 的:空き家を活用する。活用できるように場を整える。

手 法:空き家をみんなで掃除する「王掃除大会」を実施する。

・「大掃除大会」を実施。

・掃除以外に楽しめる仕組みとして、BBQ・富士吉田名物の手打ちうどん作り

などを同時開催する。

・みんなでやれば、心折れずに楽しくできる。3人ぐらいだと心が折れる。

・今までは面倒であったり、時間やお金がかかるとされていた、「掃除」をみん

なで楽しく行うことで、その後、「あそこで何かはじめるらしい」のように、

参加者をはじめ、周辺住民が新世界通を気にし始めるようになる。

・片付けが終了し、注目が集まったら、改装を始める前に「お祭り」を開催する。

(新世界通復活祭)

・昔の新世界通は肩と肩がぶつかるくらい人がいた、というのを再現したい。

結 果:きれいになった空間や駐車場に空間にお店を出し、夏休み期間と重なったこと

もあり、結果的に 2000 人の集客があった。

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○ネガティブな要素をいかにポジティブにするか(新世界通再生の事例より)

・ソーシャルデザインとは、マイナスを隠すのではなくて、いかにプラスにしていくかを考

えていくことが重要である。

・世間的にネガティブなイメージを持っているものを解決することで、話題性が高まる。

■質疑応答

Q:移住者は実際どれくらいいるのか。

A:現在15人くらいいる。

飲み会は自体は毎月開催している。

定住促進のイベントだけではなく、自分たち(運営側)が楽しそうにしていた結果、「仲

間に入れてほしい」と人がどんどん集まってきて、移住者が増えた。

Q:富士吉田市ではもともと赤土が取れたのか。

A:持続可能な富士吉田市・文化遺産を生かしたまちづくりについて、講義形式でやると伝

わらないため、まずは自分たちのやりたいこと(おもしろいこと)をたくさん出し合っ

た結果、その中で現実的でかつ、やりたいこととして、ピザ釜づくりがあった。その後、

適任の講師を探し出した。

昔は富士吉田の周辺で赤土が取れたが、すべて業者が持って行ってしまったため取れな

くなってしまった。たまたま民家を壊した時に赤土が出てきて、それを使用した。「前は

取れた、今は取れない」というストーリーがある。参加者に持続可能な社会を考えても

らう機会ができた。

【事例】

≪新世界通の建物の改築の際の課題と解決方法≫

・新世界通の改築した建物の近くに仮設トイレを作らなくてはならなくなり、トイレを

作ることになった。

・トイレの前では食事をとりたくないので「壁を立てる」というのは、消極的な解決方

法であるため、・トイレをいかに面白く変えるかを考えた。

・食べるところの横にあっても全くいやではないトイレはどのようなものか考え、ネガ

ティブなイメージを持つトイレを、いかに建物の強みにしていくかを議論しあった。

・扉をつけるお金がない⇒建具をパッチワーク状につなげてつけてしまう。

・古い建物はぴかぴかに直すには限界がある⇒「美しい廃墟」をテーマに、植物を屋内

に植える。

・残すべきものはしっかり残し、お金をかけるところにはお金をかけ、見せたいところ

は見せる工夫をした。

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⑥雪遊びチームの発表

■難しく感じていること

・留学生への告知が難しい。知合い伝手に告知を行っている。言葉の壁もある。

・期間の短さもあり、集客に苦戦している。

・社会人と学生と、活動時間に差がある。

■人を集める声のかけ方

・40名は周りの友だちに声をかけまくればすぐ集まる数字ではある。

・売り文句、うたい文句を工夫することが大事である。

・「これはどこがおもしろいの?」、「おもしろくないならやらなくていいのでは?」「これの

一番面白いポイントは何なのか。」、「自分のやりたくなるポイントは何か」「どこが主体な

のか」、「どこに思いがあるのか」、「本当にお勧めなのか」を整理し、いかに面白おかしく

自分の言葉で伝えられるかがポイントとなる。

■現在のおすすめの点

「外国人と遊ぶことが特別な体験であり、子どもと雪遊びをすること」

⇒あっさり見えてしまう。

■参加人数の減少、継続かするにはどうしたらいいのか

・どこのワークショップでもだんだん参加者が減ってくるため、すごくむずかしい部分であ

るが、どのプロジェクトでも、どれだけいいチームを作るかのチームビルディングをどう

徹底するのかが重要である。

・「課題」をずっと見ていると、だんだん嫌になってくる。課題を探すということは、粗を探

すことと同じである。

・「マイナスなものをいかにネタにすることができるか」にもう一度着目し、チーム内で課題

の発見をしたあとは、その課題を必ずポジティブに、みんなが同じく楽しい方向を向ける

ようになるまで課題をつめることが大事である。

・課題が「つまらないまま」スタートしないようにする。

≪齋藤氏例1≫

「ゲストハウスにいる暇そうな外国人がいるのだけど、あいつらノリのいいやつだか

ら、一緒に雪遊びしない?そのあと飲みに行かないか?」など

・言い方次第で人を集めることができる。

≪齋藤氏例2≫

シカの獣害を考えるイベントを考える

「スノーシューやりたくな?ついでにシカ見てシカ食べよう!食べたいでしょ?」

・という人がぞろぞろ集まった。

・当日でも、その場に人があつまり楽しそうにしているだけで、人は集まってくる。

・自分がいかに楽しむかを考えるとよい。

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⑦コースターチームの発表

■プロジェクトの経過報告

・メッセージ集めに難攻している。

・イベントの日程が近いため、入稿や納期のスケジュールが厳しい。

・これからはコースターだけではなく、別の方法でも札幌のたくさんの人にメッセージに触

れさせる機会を増やしていきたい。

・チームメンバーはだんだん減っていったが、最初は一人で取り組もうとしていたため、何

名か仲間がいるだけでも助かっている。

・メッセージを書いてもらう行為が一番大事と考えている。メッセージをもらうことで、札

幌の非婚晩婚の実態を知り、それについて考えてもらいたい。

■齋藤氏より質問

・クリエイティブな仕事で社会に対してメッセージを出していくことは面白いが、揶揄する

と、どういったことを社会に求めているのか、メッセージがぼやけてしまいがちになる。

伝えたいメッセージをどこに設定しているのか。キャッチコピーやスローガンをどう伝え

るか。

・今回はマスに対して投げかける手法ではあるのだが、小さな規模(バーなど)で開催する

のはミスマッチではないか。

・まず、このプロジェクトはどこに向かっているのか?身近な人に札幌における非婚晩婚離

婚率の高さを伝えるのか、身近な人を結婚させるのか、社会的に認知させてボトムアップ

をしていきたいのか?

■小倉氏の回答

・自分自身知らない土地に来て、これから子どもを産んで育てるときに、地域で子どもを育

てられる環境になってほしいと思った。地域でそういう意識がないと地域全体での子育て

は実現しないと考えた。

・そもそも札幌市の離婚率の高さなどが要因で、結婚に踏み切れないということもあるのか

と思い、このプロジェクトにいきついた。

・(プロジェクトの終着点が)どことははっきりしていないが、今付き合っているカップルに

≪齋藤氏例≫

課題:最近仕事をしてくれない職員に対して、誰かが怒らなくてはいけないが、誰も怒

りたくない。

アイデア:どっきりにすればいいのではないか

・あるキーワードが出たときに怒るというルールを決めて、ドッキリをスタート。怒っ

た後は、走って出て行って、ドッキリのプラカードを持ってくる。

⇒「怒る」というネガティブなことを、楽しいことに変えることができた。

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結婚するといいことある、結婚するとこんなに楽しいというように、「結婚すること」がプ

ラスのイメージになるようにしたい。

・札幌の有名な人を選んでメッセージをもらおうとしていたが、伝手がないなどなかなか難

しく、今はもっと身近な「恋愛とか結婚に関して熱いメッセージ」を持っていそうな人(助

産師など)にもらうようにシフトした。

・今結婚している人のメッセージを読んで結婚した人が、今度は書く側にまわっていき、プ

ラスのイメージを循環させていきたい。

■齋藤氏のコメント

・「地域全体で子育てしたい」という言葉はとても腑に落ちる。

・社会的なムーブメントにするときは、それに対しての戦略必要だと考えている。

⇒ターゲットの設定。今回はどんな人なのか。年齢層は。どんな人に伝えたいのか。どのく

らいの規模の人に伝えたいか。どのような方法で伝えるのか。それらが決まってくると、

デザインや、開催場所はこれで合っているのかなどの整理ができるようになる。

・時間がないのは、ベンチャー企業なども皆同じく持っていないため、時間がない中で。次

は何をするのか、今回の一番クリアしなければいけない成功はどこに設定するのか。疲弊

せずに続けていけるか。

・成功と失敗の定義は、参加者が「なんか楽しかったね」にすれば、数字は大した判断基準

にはならない。

・運営の人たちの間で嫌な感じが残らず、「プロジェクトに取り組んでよかった」、「またやろ

う」と、次につながることが「成功」だと思う。「やったら疲れちゃった」では意味がない。

・「100人も参加してくれた」・「100人しか参加してくれなかった」というのはやる人側の気

分である。どこを成功させたいのか。今回は数字での成功を示すと苦戦しそうだが、やっ

たことで何を得たか(成功)を設定しておけば、次へのモチベーションにつながっていく。

・ソーシャルデザインは、結局発案者が「やる」と言ったものが残る。やる人が本気でやれ

ば進むものである。

・「やる」といった人はいかに「やめないか」が大切である。

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(5)報告会の開催

1)目的

平成 27 年度のセミナー、キャンプ、実践ワークショップを通して、実施された 2 つのプロ

ジェクトの成果や課題を共有し、今後の札幌におけるソーシャルデザインの可能性について検

討する。

2)開催日時・開催場所

日時:平成 28年 3月 26日(土)13:30~15:30

場所:市民活動プラザ星園

ゲスト:筧裕介(issue+design)

齊藤智彦(リバースプロジェクト)

参加者:11名

3)テーマ

「プロジェクト実践の成果と今後の展開について」

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4)告知チラシ

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5)実践プロジェクトの講評・意見交換

①どす恋応援コースター

【プロジェクトメンバー】

・役割分担はタスクを一覧に出して、個人

個人で出来そうなことを行うことにし

た。

・恋愛イベントとしてホワイトデーでのお

試し実践を行うことを目標に、スケジュ

ールを逆算してタスクの優先順位を決

定した。

・メンバーがあまり集まらず大変だったが、

最後までできて良かった。実践ワークシ

ョップの時にたくさんアイデアを出し

てもらったので、今後はアイデアを取り

入れながら、人を巻き込みながら続けて

いきたいと思った。

・ターゲットが絞り切れていなかったため、どういうメッセージを書いてもらうかを具体的

にお願いできなかったため、メッセージ性が強くなかった。どのようなシチュエーション

でコースターを使うかを、より具体的に伝えて、よりリアリティのある言葉をいただいて

届けないと、なかなかターゲットにはコースターの趣旨が伝わらないと感じた。

・お客さんがコースターを見て話題になるのはお酒が来るまでの僅かな時間のため、その瞬

間に、ターゲットの人にいかにマッチしたメッセージを出してインパクトを与えて見ても

らうかがポイントになると思ったので、メッセージをもらう段階が重要だと感じた。

・大きな規模のお店での実施は、スタッフやアルバイトの数が多く、プロジェクトの趣旨を

理解してもらうことが難しかったため、いかにシンプルに内容を伝えられるかが重要だと

わかった。

・コースターや説明のカードを見たお客さんが「これは何なのだろう」と気になってはいた

が、見てすぐ伝わるようなものではなかった。メンバー内でも最終的な目標までイメージ

できていなかった。

・イベント実施時にメンバーがお店の偵察に行っていたため、課題がその場で見つけられた

ことが良かった。

・小さなお店では、コースターがマスターとお客さんとの会話のツールになっていたことが

良かった。

・団体客へは、お客さんそれぞれに違うメッセージのコースターを置いてもらったため、メ

ッセージを見比べて会話が盛り上がる瞬間があったため、良かった。

・モニター的な合コンを企画して使ってもらったりするのも面白いと考えているが、今回の

コースターのようなイベント企画を行うなら、メッセージをもうちょっと集めるのに、ク

リスマスぐらい先に開催目標を設定しておき、その間にほかの企画やチーム作りを行うこ

とを考えている。

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・今後はプロポーズの応援企画も考えている。彼女のためにお金を使いたいという人からお

金をいただいて、北海道のすばらしい景色の中でサプライズムービーを取りながらプロポ

ーズをするという企画もありうると思う。

【筧氏】

・メッセージの力は大きいので、これから数が集まればかなり成功に近づく。

・恋愛中のカップルが見て後押しされるものにするか、相手がいない人が読んで恋愛し

たいという気持ちにさせるかのアプローチの言葉をもらうのかの 2パターンがあると

思うので、それによってもらう言葉が違ってくるのではないか。

・今の5つの中で、ちょっと内容があってないようなメッセージがある気がした。

【齋藤氏】

・コースターを見て、おもしろい、うまい、いいなと感じた。

・このプロジェクトの「目標」は何なのか。コースターを見た時、見た人が「これは何

を意図してやっているのか、目標としてやっているのか」がすぐわからないような気

がした。

・目標の立て方もいろいろあり、簡単に数値を目標にすることもあるが、「こういう景色

が見たい」という目標を立てるとスムーズにプロジェクトを進めることができること

がある。これを見たカップルが、こういうコメントするところが見たいというような、

目指すビジュアルイメージが描けていると、それに対して何が必要かメンバーと共有

しやすい。

・タスクに対して出来ることにアサインしてくださいというのは、受け身的、消極的な

アサインになってしまうため、だからそこ最初にやりたい事のタスクリストの作り方

をすると、仕事をお願いするのではなく、勝手に進んでやりたくなるため、仲間集め

がしやすくなる。

【酒本氏】

・もう少しターゲットを絞った方がいいことや、もう少しお店やシーンを絞って行うな

ど、今回やってみてわかったことがたくさんあったことは今後の活動にとってすごく

大きかったと思うし、良かったと思う。

・大きな店で若い人がたくさん集まった時に使うコースターと、小さな店でマスターが

その人に合ったものを渡すのと、種類を変えても良いのではないか。

・リゾートウェディング協会というものがあり、自身が 4月から代表になるため、連携

して企画をすることもありうる。

・国別で雪だるまづくりを行うところを見てみたい。

【藤崎係長】

・コースターを見た時に、プロジェクトの内容が伝わりづらいというところがあったと

思う。コースターの中に情報を詰め込むことはできないと思うので、携帯電話で読み

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取れる QRコードなどを入れておき、アクセスすると、文字が出てきたり、メッセージ

をくれた人の顔の映ったムービーが流れるというようにすれば、プロジェクトの情報

がわかりやすく伝わるのではと感じた。

②雪遊びプロジェクト

【プロジェクトメンバー】

・イベント開催までの 1 か月間の間に外国人

の雪遊びのニーズのヒアリングなどのリサ

ーチを行った。

・話し合いに参加していたメンバーと、当日

運営に当たったメンバーが結構入れ替わっ

ていった。

・実際に申し込んで参加したのが 6 割程度、

当日声をかけて参加した人が 4 割程度いた。

・そり遊びは子どもに需要があり、雪まつり

の最中にそり引きを行ったらお金が取れる

のではないかと思うくらい人気があった。

・チームのメンバーが協力的で進んで参加・協力してくれた。

・明確なリーダーを決めなかったため、事務局に任せてしまった部分が多く、メンバーと情

報共有することが難しかった。

・事前の外国人の集客が難しかったが、中島公園には外国人観光客が多く、声をかけること

で参加してくれる人が増えていった。

・子どもと外国人のふれあいが思ったほど多くなかったなど、やってみないとわからないこ

とがたくさんあった。

・自分自身、童心に帰って楽しむことができた。

・札幌市内では北海道大学付近の町内会で外国人との交流会などをやっているのだが、札幌

市の広報に報告は載るが告知が出ないと、参加者した保護者が言っていたため、告知の段

階から参加できるようにしていきたい。

・雪遊びではないが、プロジェクトメンバー内で、本物の竹で流しソーメンをしたことがな

い子どもに流しソーメンを体験させるイベント企画の話で盛り上がった。

・今回は雪の遊びを知らない子どもへのアプローチだったが、今度は流しソーメンなど、子

どもが知らない世界を体験させてあげられるようなプロジェクトを今後できたら良いと考

えている。

【齋藤氏】

・集客が大変だと以前言っていたが、広場で40人くらい集まって楽しそうにしていたら人

は集まると言ったら、本当にそうなった。

・よくよく考えると、どの点がソーシャルデザインだったのかと気になりだしたが、やって

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みて課題が出てきたというのが一つの成果だったり、その課題に対してどのようなアプロ

ーチの方法などが、ソーシャルデザインの面白みにつながる。

・子ども同士のケンカがあったら大変だとあったが、そこに対してデザインを加えることに

よって、どうやって課題をポジティブなものに変えていくのか、大変だったり時間がかか

ったりなど、やってみてわかった課題などをさらにデザインを加えていくと、もっと継続

的なものになるのではないかと思う。

【筧氏】

・すごくいいプロジェクトになったと思う。机上で考えてデザインしているよりも、やって

みることで成果につながるという、いい例だと思った。

・まちの中心部から近い一等地に広場があり、外国人観光客や地元の小学生なども自然と呼

び込めて、札幌のめぐまれた環境が活かされたプロジェクトになったと思う。

・普段あまり雪遊びをしない子ども向けに、1 度このようなイベントに参加することによっ

て雪遊びの楽しさを実感できるし、札幌の冬場の海外からの観光客がどれだけ札幌や北海

道の冬の楽しさをわかっているか、狸小路あたりを見ていると疑問に思ってしまうことが

あるが、このような機会が日常的にあり、地元の人と交流しながら雪遊びができる機会を

作るということも考えられることである。

・2回目以降の開催があるのかが気になっている。2回目はモチベーション的にも難しいため、

雪まつりの期間中にお金を取りながら開催するなど、新しいチャレンジを設定できるとま

たチームで頑張る前向きなアクションになる。

【酒本氏】

・インバウンドの方々は、このような地元の人と触れ合うことができて札幌の冬の良さを体

験できるようなイベントを求めているため、「お金を払ってでも参加したい」と思えるよう

な内容にブラッシュアップしていくことは、今後商品にしていくことができる可能性があ

る。

【藤崎係長】

・そり引きをすると子どもが疑似的なお金を稼ぐことができるような、職業体験のような形

だと面白いのではないかと思った。

・ポスターに「子どもが先生」と書いてあったのを見て、子どもが先生役をして、冬の遊び

を教えてあげるような役目を与えてあげることによって、参加する子どものモチベーショ

ンが上がるのではないかと感じた。

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③全体ディスカッション・講評

【参加者】

・雪遊びプロジェクトは、そこに通ってき

た地域の人同士のつながりが継続する

ことによりできていけば素敵だと思う。

・雪遊びプロジェクトにイベント当日だけ

参加した。当日は天気もよく、イベント

が楽しくなるような工夫ができやり切

った感があった。最後の雪合戦が一番楽

しく、子ども以上に大人の自分が楽しん

でいた。

・皆それぞれ札幌市の課題を感じ、それを形にできていることがすごく刺激になった。福祉

関係の仕事をしていて、福祉の面でも札幌市はたくさん課題があると感じているが、アイ

デアシートなどを見て、いい刺激を受けた。

・札幌市の課題解決という言葉にひかれてやってきたが、1 日だけで終わるものかと思って

いたら、続くということが分かり、参加していくたびに面白く感じ、続けられることがで

きた。

・どす恋応援プロジェクトも、雪遊びプロジェクトも、いろいろな立場の人が集まり一つの

課題に取り組んでいくことが面白く、参加しているうちに、人の心を動かすという場を少

しでも見てみたいと思うようになった。

・10月のセミナー参加時に、何か課題があって解決する時に人の心を動かす方法を仕組化し

ていくというのがソーシャルデザインなのだと話を伺い今回も参加をした。ソーシャルデ

ザインの実態がまだ掴みきれていないところがあるが、日々考えていきたい。

・雪遊びプロジェクトは、海外のお客さんと接する機会が多いため、募集の段階から中華圏

の人にアプローチできるかもしれない。

・どうしても子どもたちにとって、外国人は目が青くて鼻が高い人というイメージがあるが、

似たような顔つきでも全く違う文化を持っているということがわかってもらうきっかけと

なったら面白いと思っているため、次回はぜひ参加したいと考えている。

【齋藤氏】

・継続するためにはどのようにしていけば

よいか、という質問を受けたが、プロジ

ェクトは、どのような目的を達成するか

によって必ずしも継続する必要はないの

ではないかと思った。

・続けていくモチベーションとしては課題

の解決というところもあるし、楽しいポ

イントをいかに作っていくかもあるし、

お金をいかに稼ぐかというのもある。

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・自分自身でもソーシャルデザインとは何かよくわからない部分もあるが、自分の中のソー

シャルデザインポイントは何なのだろうと考えた時に、課題解決時に人の心を動かす方法

を仕組化していくというお話しも納得したが、雪遊びプロジェクトの感想で「大人が楽し

めた」と言っているのを聞いたときに、それがソーシャルデザイン的な要素だったのでは

ないかと感じた。

・コストの話に例えると、大人が子どもに対して、コストをかけることによって解決してあ

げるという手法はあまりソーシャルデザイン的ではない。大人も子どもも楽しい、そこに

はコストがかかっていないという手法がソーシャルデザイン的だと思っている。

・継続する方法や、盛り上げていく方法は、「義務化しない」「無理しない」「やりたくないこ

とはしない」

・プロジェクトがつぶれる時の最初の原因は、やりたくないなと思いながらやるからである。

・やりたくないプロジェクトをやりたくないうちに始めるとがつぶれてしまうので、できる

だけプロジェクトを始める前の段階でのやりたくない課題を楽しくなるアイデアを出し、

楽しくなるように「やりたい事」のタスクリストを作っていくところに時間をかけるよう

にしている。

・課題が出てきた時に次ぎどうするかという話になったのが何よりもよかったことだ。「何事

もやってみないとわかない」ということは本当にそうだと思うため、これからもどんどん

やっていってほしい。

【筧氏】

・何かを続けていくことは、1 回目は皆時間を費やして楽しくやろうとする、同じ目標に向

かっての消費をすることができるが、それを継続していくこととなると、誰かのライフワ

ークにならなければ難しいと思う。

・かなり社会に必要とされていることだったり、本人が非常にやりたいことであったり、学

生が 4年間の研究テーマにしてみても、なんでも良いと思う。誰かがそこにビジネスの機

会を見出して、仕事として本気で取り組んでもよいと思うが、誰かひとりでも、その人の

ライフワークの真ん中かその一部だと思えるようにならないと続かないと思う。

・頑張ろうとしている人を周りから支えようとすることは、それほど難しいことではなく、

自分のできる範囲で支援をしてくれる人は出てくるもので、ライフワークになる人がいな

ければそこで終わってもいいのではないかと思う。

・今年は 2つのプロジェクトがしっかり着地をして、来年度以降も継続していこうというも

のが見えてきたということに関しては、ある程度うまく動いていると思う。

・気になっているのは、キャンプに参加したのこりの 29人が気になっていて、残りの 29人

が 2つのプロジェクトに関わっていなくてもよいが、忙しい合間を縫って参加してくれて

いたので、何かしらの形で札幌ソーシャルデザインプロジェクトに関わることができるよ

うな仕組みや、1年目、2年目と積み上げていけるような仕組みや、仲間を増やしていける

仕組みとしてあればいいのではないかと思う。

・プロジェクトの新しい課題が見つかり、それが次に活かされるように、事務局側も課題を

見出して、次に進めてほしい。