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平成 25 年 10 月 ブリストル・マイヤーズ株式会社
ファイザー株式会社 経口 FXa 阻害剤
エリキュース®錠 2.5mg、5㎎「市販直後調査」の最終報告
謹 啓
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
経口 FXa 阻害剤 エリキュース®錠 2.5mg、5mg につきまして、平成 25 年 2 月 26 日の発売
日より市販直後調査を実施してまいりましたが、平成 25 年 8 月 25 日をもちまして、本調査を
終了致しました。先生方におかれましては、本剤の適正使用にご協力を賜りまして、誠にあり
がとうございます。 今般、本剤の発売日から平成 25 年 8 月 25 日までの 6 ヵ月間に収集された副作用情報を、 終報告としてまとめましたので、ご報告申し上げます。
本剤の発売日から平成 25 年 8 月 25 日までの 6 ヵ月間に、本剤を投与された推定患者数※1は
約 8,000 人で、この期間に 73 例 97 件(重篤:22 例 35 件、 非重篤:53 例 62 件)の有害
事象が報告され、本剤との因果関係が否定されなかった副作用は 62 例 71 件(重篤:14 例 16件、非重篤:49 例 55 件)でした。 なお、本剤の使用に際しましては、添付文書、新医薬品の「使用上の注意」の解説及び適正
使用ガイド等をご参照のうえ、適正なご使用をお願い申し上げます。 また、本剤をご処方された患者さまに有害事象が認められた場合は、速やかに医薬情報担当
者までご連絡いただきますよう重ねてお願い申し上げます。
謹 白
※1推定患者数とは、出荷数量からの予測に基づきます。
2
※2大出血とは、本剤の臨床試験にて規定した ISTH(International Society on Thrombosis and Haemostasis:国際血栓止
血学会)の定義(改変)に基づいたもので、重要な臓器における出血、2g/dL 以上のヘモグロビン量の低下を伴う出血、
2 単位(米国で使用されている輸血単位)以上の輸血が必要となる出血、又は死亡に至る出血を示します。 ※3 HAS-BLED スコアとは、抗凝固療法(おもにワルファリン)中の心房細動患者における出血リスクを評価するため、ESC
(欧州心臓病学会)から提唱されたものです。HAS-BLED スコアと大出血の発現率は関連することが示されており、同
スコアが 3 点以上で出血の発現率が高いとされています。リスク項目には収縮期血圧 160mmHg 以上、肝障害、腎障害、
脳卒中の既往、出血傾向、INR 不良、65 歳以上、抗血小板薬併用、アルコール依存があり、該当の場合にはそれぞれに
1 点を加算します「Pisters R, et al ; Chest 2010 ; 138 ; 1093-1100」。
「市販直後調査」最終報告のまとめ
1. 本剤の発売日から平成 25 年 8 月 25 日までの 6 ヵ月間に、本剤を投与された推定患者数
は約 8000 人で、この期間に 62 例 71 件(重篤:14 例 16 件、非重篤:49 例 55 件)の
副作用が報告されました。このうち、重篤な副作用は、脳梗塞及び胃腸出血が各 2 件、
脳出血、脳血管発作、出血性脳梗塞、出血性梗塞、くも膜下出血、硬膜下血腫、血胸、
メレナ、出血性直腸潰瘍、下部消化管出血、肝障害、皮下出血が各 1 件報告されました。
また、「大出血」※2に該当する副作用は 8 例 8 件(脳出血、出血性脳梗塞、出血性梗塞、
くも膜下出血、硬膜下血腫、血胸、胃腸出血、下部消化管出血)でした。
なお、副作用による死亡例はありませんでした。
2. 重篤な出血事象が認められた 11 例の出血部位は、頭蓋内 5 例、消化管 4 例、呼吸器 1例、皮膚または皮下組織 1 例でした。また、重篤な出血事象 11 例のうち 6 例は投与開
始から 2 週間以内に発現し、多くの出血事象は 1 ヵ月以内に発現していました。 本剤の投与開始後は、出血の徴候を見逃さないよう十分に観察していただくようお願い
いたします。
3. 重篤な出血事象が認められた 11 例のうち、投与開始前のクレアチニンクリアランスよ
り、禁忌に該当すると思われる症例が 1 例、クレアチニンクリアランス未測定の症例が
2 例確認されました。 投与開始前には、必ず腎機能(クレアチニンクリアランス)に基づき、禁忌(腎不全[ク
レアチニンクリアランス 15mL/min 未満])及び本剤の減量基準に該当していないか確認
していただくようお願いいたします。
4. 重篤な出血事象 11 例のうち 6 例において、本剤と抗血小板薬が併用されていました。
本剤と抗血小板薬の併用の可否については、本剤との併用を開始する前にリスクベネフ
ィットを考慮して慎重に判断していただくようお願いいたします。
5. 大出血※2が認められた 8 例において、HAS-BLED※3スコアを用いて出血リスクを評価
したところ、HAS-BLED スコア 3 点以上が 6 例でした。これら 6 例は、いずれも「65歳以上」、「高血圧合併」、「脳卒中既往」に該当する症例でした。 本剤投与前には出血リスクを確認し、介入可能な出血リスク(高血圧、抗血小板薬併用、
アルコール依存等)については、積極的に介入いただくようお願いいたします。
3
1.市販直後調査期間中に収集された副作用
本剤の発売日から平成 25 年 8 月 25 日までの 6 ヵ月間に、62 例 71 件(重篤:14 例 16 件、
非重篤:49 例 55 件)の副作用が報告されました。このうち、重篤な副作用は、脳梗塞及び胃
腸出血が各 2 件、脳出血、脳血管発作、出血性脳梗塞、出血性梗塞、くも膜下出血、硬膜下血
腫、血胸、メレナ、出血性直腸潰瘍、下部消化管出血、肝障害、皮下出血が各 1 件報告されま
した。また、非重篤な副作用は、鼻出血と血尿が各 7 件、皮下出血が 4 件、歯肉出血が 3 件等
でした(表1)。なお、副作用による死亡例はありませんでした。
この市販直後調査の終了報告には、情報収集が継続中であるものも含まれていることから、今
後の調査や評価により、副作用名及び重篤性等が変更される場合があります。
表1.市販直後調査期間中に収集された副作用一覧
器官別大分類 副作用名※4 重篤 非重篤 総計
感染症および寄生虫症 歯周炎※5 1 1
血液およびリンパ系障害 血小板減少症 1 1
内分泌障害 甲状腺腫※5 1 1
神経系障害 脳出血 1 1
脳梗塞※5 2 2
脳血管発作※5 1 1
出血性脳梗塞 1 1
頭痛※5 1 1
くも膜下出血 1※6 1
眼障害 眼の異常感※5 1 1
眼脂※5 1 1
血管障害 血腫 1 1
出血性梗塞 1 1
出血 2 2
呼吸器、胸郭および縦隔障害 鼻出血 7 7
血胸 1 1
4
表1.市販直後調査期間中に収集された副作用一覧(つづき)
器官別大分類 副作用名※4 重篤 非重篤 総計
胃腸障害 腹部不快感 1 1
便秘 1 1
下痢 2 2
胃腸出血 2 1 3
歯肉出血 3 3
歯肉痛※5 1 1
歯肉腫脹※5 1 1
メレナ 1 2 3
悪心※5 2 2
出血性直腸潰瘍※5 1 1
下部消化管出血 1 1
直腸しぶり※5 1 1
肝胆道系障害 肝障害 1 2 3
皮膚および皮下組織障害 皮下出血 1 4 5
点状出血 1 1
光線過敏性反応※5 1 1
発疹 2 2
腎および尿路障害 血尿 7 7
生殖系および乳房障害 外陰部出血 1 1 一般・全身障害および投与部位の状態
異常感※5 1 1
倦怠感 1 1
末梢性浮腫※5 1 1
臨床検査 活性化部分トロンボプラスチ
ン時間延長 1 1
腎機能検査異常※5 1 1
傷害、中毒および処置合併症 硬膜下血腫 1※7 1
創傷出血 1 1
計 16 55 71 ※4 ICH 国際医薬用語集日本語版(MedDRA/Jversion16.0 に基づく基本語(PT)を使用)
※5 集計時点において、使用上の注意から予測できない副作用です(添付文書 2012 年 12 月作成第 1 版に基づく)。 ※6 医師報告事象名は外傷性クモ膜下出血です。 ※7 医師報告事象名は慢性硬膜下血腫です。
5
1)副作用症例の年齢分布 本剤の市販直後調査期間中に副作用が報告された 62 例の年齢分布(図1-1)は、60 歳未満
が 2 例(20 歳代と 50 歳代が各 1 例)、60 歳から 64 歳が 4 例、65 歳から 69 歳までが 6 例、
70 歳から 74 歳までが 13 例、75 歳から 79 歳までが 15 例、80 歳代が 17 例、90 歳代が 4 例、
不明が 1 例であり、副作用が報告された 62 例中 36 例と半数以上(58%)が 75 歳以上でした。
このうち、出血に関連した副作用が報告された 39 例における年齢分布を確認したところ(図 1
‐2)、28 例は 75 歳以上でした。なお、出血事象の詳細については次頁「2.出血事象に関す
る発現状況」にて紹介します。
60歳未満
3%
60-64歳
6%
65-69歳
10%
70-74歳
21%
75-79歳
24%
80歳代
28%
90歳代
6%
不明
2%
図1-1.年齢分布(副作用症例:62例)
60歳未満
3%
60-64歳
5%
65-69歳
8%
70-74歳
13%
75-79歳
31%
80歳代
33%
90歳代
7%
図1-2.年齢分布(出血事象の副作用症例:39例)
6
2. 出血事象に関する発現状況 本剤の市販直後調査期間中に 39 例 42 件の出血に関連した副作用が報告されました(表3)。
このうち、重篤な出血事象は 11 例 12 件(胃腸出血 2 件、脳出血、出血性脳梗塞、出血性梗塞、
くも膜下出血、硬膜下血腫、血胸、メレナ、出血性直腸潰瘍、下部消化管出血、皮下出血が各
1 件)であり、その出血部位は主に頭蓋内及び消化管でした。 次頁以降に、1)出血に関連した副作用の発現時期、2) 重篤な出血事象一覧、3)抗血小
板薬との併用について、4)大出血※8 の出血リスク、5)本剤の処方に関して先生にお願した
いこと、及び6)重篤な出血事象の症例概要を示します。
表3.市販直後調査期間中に収集された出血事象の出血部位内訳
出血部位 重篤(件数) 非重篤(件数) 総計
頭蓋内
脳出血(1) 出血性脳梗塞(1) 出血性梗塞(1) くも膜下出血(1) 硬膜下血腫(1)
- 5
消化管
胃腸出血(2) メレナ(1)
出血性直腸潰瘍(1) 下部消化管出血(1)
胃腸出血(1) 歯肉出血(3) メレナ(2)
11
泌尿器 - 血尿(7) 7 呼吸器 血胸(1) 鼻出血(7) 8
皮膚または皮下組織 皮下出血(1) 皮下出血(4) 点状出血(1) 創傷出血(1)
7
その他 - 血腫(1) 出血(2)
外陰部出血(1) 4
計 12 30 42 ※8大出血とは、本剤の臨床試験にて規定した ISTH(International Society on Thrombosis and Haemostasis:国際血栓止
血学会)の定義(改変)に基づいたもので、重要な臓器における出血、2g/dL 以上のヘモグロビン量の低下を伴う出血、
2 単位(米国で使用されている輸血単位)以上の輸血が必要となる出血、又は死亡に至る出血を示します。
7
1)出血に関連した副作用の発現時期 本剤の市販直後調査期間中に出血に関連した副作用として報告された 39 例 42 件のうち、本
剤投与開始日と副作用発現日が確認された 34 例 36 件において出血事象の発現時期を確認した
ところ、29 件は本剤投与開始から 1 ヵ月以内に発現していました。また、このうち重篤な出血
事象 12 件について発現期間を確認したところ、9 件は投与開始から 1 ヵ月以内に発現し、この
うち 6 件は投与開始から 2 週間以内に発現していました(図2)。
一方、本剤投与開始から 2 ヵ月以上経過した症例において、偶発的に発生した転倒による重
篤な出血事象が 2 件発現していました。この出血事象は、転倒から 2 週間以上経過した後に確
認されていました。 本剤の使用に際しては、投与期間にかかわらず、出血や貧血等の徴候について十分に観察い
ただきますようお願いいたします。
※9本集計は本剤発売から 6 ヵ月間に収集した出血事象の発現時期を図示したものであり、出血事象の発現が投与早期のみに
出現することを示すものではありません
15
31 1 1
8 63 3 2 1 1
9
2023
2931 31 32 33 33 33 34 35 36
0
5
10
15
20
25
30
35
40件数
投与開始日から出血までの日数※9
図2.出血事象発現までの期間
重篤件数
非重篤件数
累積件数
8
2)重篤な出血事象一覧
本剤の市販直後調査期間中に報告された重篤な出血事象の内訳を示します(表4)。重篤な出
血事象 11 例 12 件のうち 9 例は 70 歳以上の高齢者であり、また、8 例は脳梗塞の 2 次予防と
して使用されていました。 なお、本剤投与開始前のクレアチニンクリアランスより、禁忌(クレアチニンクリアランス
15mL/min 未満)に該当すると思われる症例が 1 例、また、クレアチニンクリアランス未測定
の症例が 2 例確認されました。本剤投与開始前には必ず腎機能(クレアチニンクリアランス)
を確認いただきますようお願いいたします。
表4.重篤な出血事象一覧
副作用名 本剤 1 日
投与量
年齢
性別 発現時期 転帰
本剤
処置
血清クレアチニン
(クレアチニンクリアランス※10)
《体重》
脳梗塞
予防
高血圧
合併
抗血小板薬
の併用
脳出血 5mg 70 歳代 男性
投与 13 日目回復
後遺症有中止
1.55mg/dL (26mL/min) 《45 ㎏》
2 次 予防
○ ×
出血性脳梗塞 10mg 70 歳代 女性
投与 10 日目 回復 継続
0.5mg/dL (93mL/min) 《61.6 ㎏》
2 次 予防
○ ×
出血性梗塞 10mg 70 歳代 男性
投与 12 日目 回復 中止
0.9mg/dL (50mL/min) 《51kg》
2 次 予防
○ クロピドグレル
硫酸塩 シロスタゾール
くも膜下出血 5mg 80 歳代 女性
投与 2 日目 回復 中止
1.71mg/dL (14mL/min) 《35 ㎏》
2 次 予防
○ クロピドグレル
硫酸塩
硬膜下血腫 10mg 60 歳代 男性
投与 72 日目 軽快 中止
1.09mg/dL (62mL/min) 《68kg》
1 次 予防
× ×
血胸 10mg 70 歳代 男性
投与 89 日目 回復 中止 未測定 2 次 予防
○ クロピドグレル
硫酸塩
胃腸出血 10mg 70 歳代 男性
投与 13 日目 回復 中止
0.81mg/dL (65mL/min) 《59.2 kg》
2 次 予防
○ アスピリン
胃腸出血 10mg 20 歳代 男性
投与 52 日目 回復 中止
0.77mg/dL (116mL/min)《56kg》
×※11 × ×
メレナ 出血性直腸潰瘍
5mg 70 歳代 男性
投与 22 日目 回復 中止 未測定 2 次 予防
○ ×
下部消化管出血 10mg 70 歳代 女性
投与 11 日目 回復 中止
0.74mg/dL (64mL/min) 《58.6kg》
2 次 予防
○ クロピドグレル
硫酸塩
皮下出血 10mg 80 歳代 男性
投与 27 日目 回復 減量
1.03mg/dL (50mL/min) 《63kg》
1 次 予防
○ アスピリン
○:該当あり、×:該当なし
※10クレアチニンクリアランスは、報告された性別、年齢、体重、血清クレアチニン値に基づき、ブリストル・マイヤーズ株
式会社にて Cockcroft-Gault 計算式により算出した値です。 ※11 本症例は適応外使用(バッドキアリ症候群による血栓塞栓症の予防のため)でした。
9
3)抗血小板薬との併用について 本剤の市販直後調査期間中に重篤な出血事象が報告された 11 例 12 件のうち 6 例において抗
血小板薬が併用されていました(表4)。1 例目は本剤と抗血小板薬 2 剤(クロピドグレル硫酸
塩、シロスタゾール)の併用例、他の 5 例は本剤と抗血小板薬単剤の併用例(アスピリン 2 例、
クロピドグレル硫酸塩 3 例)でした。 本剤と抗血小板薬を併用して投与する際には、リスクベネフィットを考慮した慎重に判断い
ただきますようお願いいたします。特に、抗血小板薬 2 剤との併用時には、出血リスクが特に
増大するおそれがあるため、本剤との併用についてはさらに慎重に検討し、治療上の有益性が
危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用するようお願いいたします。 4)大出血※12の出血リスク
本報告では、副作用を重篤性に基づき「重篤」あるいは「非重篤」と区分していますが、出
血事象について本剤の臨床試験(ARISTOTLE 試験など)で用いられた「大出血」という定義
を用いて区分したところ、8 例 8 件の大出血が認められました。 大出血が認められた 8 例において、HAS-BLED スコア※13を用いて出血リスクを評価したと
ころ(表5)、HAS-BLED スコア 3 点以上が 6 例 6 件(脳出血、くも膜下出血及び下部消化管
出血は各 4 点、出血性梗塞、出血性脳梗塞、及び血胸は各 3 点)でした。これら 6 例は、いず
れも「65 歳以上」、「高血圧合併」、「脳卒中既往」に該当する症例でした。 本剤投与前には出血リスクを確認し、介入可能な出血リスク(高血圧、抗血小板薬併用、ア
ルコール依存等)については、積極的に介入いただくようお願いいたします。
表5.大出血※12の出血リスク(HAS-BLED スコア※13による)
副作用名 出血発現前の血圧
160mmHg 以上 (mmHg)
高血圧
合併 肝障害
腎機能
障害
脳卒中
既往 出血
傾向
INR 不良※14
65 歳 以上
抗血小板薬併用
又は アルコール依存
HAS- BLED スコア
(参考値※15)
脳出血
×
13 日前:154/83
(発現日:143/72)
○ ○ × ○ ○
○ × 4
(5)
くも膜下出血* ― ○ × × ○ ○ ○
○
クロピドグレル
硫酸塩
4 (5)
下部消化管出血
×
4 日前:142/62
(発現日 125/86)
○ × × ○ ○ ○
○
クロピドグレル
硫酸塩
4 (5)
出血性梗塞
×
5 日前:124/71
(発現日 112/62)
○ ― × ○ × ○
○
クロピドグレル
硫酸塩
シロスタゾール
3 (4)
血胸* ×
17 日前:148/76 ○ × × ○ × ○
○
クロピドグレル
硫酸塩
3 (4)
出血性脳梗塞 ○
8 日前:186/104 ○ × × ○ × ○ ×
3 (3)
胃腸出血 ― ― ○ × × ○ × × 2
(2)
硬膜下血腫* ×
(発現日:143/99) × × × × × ○ ×
1 (1)
○:該当、×:該当なし、-:情報なし、*:転倒による事象
10
※12大出血とは、本剤の臨床試験にて規定した ISTH(International Society on Thrombosis and Haemostasis:国際血栓止
血学会)の定義(改変)に基づいたもので、重要な臓器における出血、2g/dL 以上のヘモグロビン量の低下を伴う出血、
2 単位(米国で使用されている輸血単位)以上の輸血が必要となる出血、又は死亡に至る出血を示します。 ※13 HAS-BLED スコアとは、抗凝固療法(おもにワルファリン)中の心房細動患者における出血リスクを評価するため、ESC
(欧州心臓病学会)から提唱されたものです。HAS-BLED スコアと大出血の発現率は関連することが示されており、同
スコアが 3 点以上で出血の発現率が高いとされています。リスク項目には収縮期血圧 160mmHg 以上、肝障害、腎障害、
脳卒中の既往、出血傾向、INR 不良、65 歳以上、抗血小板薬併用、アルコール依存があり、該当の場合にはそれぞれに
1 点を加算します「Pisters R, et al ; Chest 2010 ; 138 ; 1093-1100」。 ※14 HAS-BLED スコアでは、「INR 不良」の項目を、ワルファリン治療における INR コントロール不良の出血リスクとして
取り扱っており、本剤には非該当のため、斜線で表記しています。 ※15本スコアでは、報告医から収集した情報を元に評価しており、収縮期血圧に関わらず「高血圧の合併あり」と報告された
場合を出血リスクとして取扱ったときのスコアの値を参考値として括弧書きで表示しています。
5)本剤の処方に関して先生にお願いしたいこと 患者さまに対し本剤の服用中は、鼻出血、皮下出血、歯肉出血、血尿、喀血、吐血及び血便
等の異常な出血の徴候や転倒に注意し、はげしい頭痛・麻痺・言語障害、吐血、血便・血尿な
どの日常とは異なる自覚症状が現れた場合には、すぐに主治医に連絡されるようご指導をお願
いいたします。
患者さまへ服薬指導頂きたい事項をまとめた服薬指導せん「エリキュース錠を服用される患
者さまへ」(次頁)を用意しております。本服薬指導せんをご要望の際には、医薬情報担当者に
ご連絡いただきますようお願いいたします。
11
服薬指導せん「エリキュース錠を服用される患者さまへ」
(平成 25 年 2 月作成)
12
6)重篤な出血事象の症例概要 重篤な出血事象 11 例 12 件のうち、特に重要な 4 例の症例概要を以下に示します。
症例 1 患者 本剤 1 日
投与量 投与期間
副作用
性・年齢 使用理由[合併症] 経過及び処置
男性
70 歳代
発作性心房細動
[脳梗塞、塞栓性
脳卒中、良性前
立腺肥大症、高
血圧、腎障害
(クレアチニンク
リアランス
26mL/min※16)、
大動脈瘤(胸部、
腹部)]
5 ㎎、
13 日間
副作用名(転帰):脳出血(回復・後遺症有)、肝障害(回復)
投与 1 日前
投与 1 日目
(投与開始日) 投与 2 日目 投与 3 日目
投与 6 日目
投与 7 日目
投与 10 日目
投与 13 日目
(投与中止日)
17 時 35 分、脳梗塞発症(右麻痺、失語症状)。18
時 35 分、当該施設に搬入。心房細動あり検査で心
原性塞栓の診断。19 時 43 分アルテプラーゼ、エ
ダラボン投与開始。体重 45㎏。血圧 154/83mmHg。 20 時、アルテプラーゼ投与 24 時間経過し、本剤 1
回 2.5mg、1 日 2 回にて投与開始。 嚥下が少し改善(藤島嚥下グレード 4)し、何とか内服のみ可能であった。 発熱あり。後に誤嚥性肺炎と判断された。
PT-INR1.22、APTT47.4 秒と軽度延長。 発熱のため、タゾバクタムナトリウム・ピペラシ
リンナトリウム投与開始。エダラボン投与中止。
INR1.22。経口摂取困難のため、経鼻胃管からの
本剤投与に切り替えた※17。 再開通確認。頭部 MRI の T2*強調画像ではそれ
までに見られなかったごく小さな出血性脳梗塞の
目らしきものがみられる。高栄養流動食開始。 解熱し、タゾバクタムナトリウム・ピペラシリン
ナトリウム投与中止。 脳出血、肝障害発現。
午前 10 時、声かけに反応不良。JCSⅢ-100 で開眼
なく、痛み刺激で払い除けるようになった。38.7
度高熱あり。インフルエンザ検査は陰性。意識レ
ベル低下。発熱による反応低下の可能性も考え、
クーリングで経過観察。瞳孔不同なし。当日の
PT-INR(1.27)が亢進し、夕方より本剤中止。夜
間になっても反応不良あり。38 度以下になっても
不変。発熱に対し、誤嚥性肺炎として、セフトリ
アキソンナトリウム水和物投与開始。肝障害も認
13
中止 2 日目
中止 4 日目
中止 5 日目
中止 8 日目
中止 9 日目
中止 11 日目
中止 13 日目
中止 23 日目
中止 31 日目
中止 50 日目
め、グリチルリチン一アンモニウム・グリシン・
L-システイン配合注射剤による治療も行った。 朝 6 時、JCSⅡ-30、痛み刺激でうっすら開眼あり。
朝 9 時、明らかに反応低下あり。頭部 CT 検査施
行、脳出血を確認。梗塞部と同側に大きな血腫(長
径 7.5cm、短径 4.5cm、7 スライス)があり、対側
を圧迫。脳浮腫も著明で脳出血に準じて治療を開
始した。低ナトリウム血症あり経管栄養からナト
リウム投与開始。葉酸低下に対して、葉酸内服を
開始。濃グリセリン投与し、血圧コントロールの
ため、ニカルジピン塩酸塩持続静注を行った。一
過性に CPK 上昇を認めたが、すみやかに低下を確
認。
体温 37.5 度、血圧 120~150/80mmHg 前後、呼
びかけに開眼し、JCSⅡ-20、対症的治療を継続。
NIHSS 29 点。下痢あり。頭部 CT 検査により血
腫拡大なし。
JCSⅡ-10。水様便多量にあり。NIHSS 28 点。
JCSⅠ-3、軟便多量あり。血圧に対するニカルジピ
ン塩酸塩持続静注中止。NIHSS 30 点。
JCSⅠ-3、左上肢拳上可能となる。発語も不明瞭な
がらあり。
頭部 CT 検査にて血腫吸収傾向。
JCSⅠ-3、笑顔もみられるようになる。
肝障害は回復。
頭部 CT 検査にて血腫さらに吸収され、正中偏位
なし。脳出血は回復したが後遺症あり。
JCSI-3、失語あり、開眼し、話しかけると笑顔あ
り。車椅子全介助、支えあれば立位は可能だが歩
行は不可能。バルーン留置している。経口摂取は
14
困難で経管栄養中。Yes-No の意志表示がなんとか
できることがある。翌月、PEG(胃ろうカテーテル)
を設置予定。
臨床検査等 単位 投与
1 日前
投与
3 日目
投与 13 日目
(投与中止日)
中止
3 日目
中止
16 日目
中止
23 日目
中止
37 日目
血清クレアチニン mg/dL 1.55 1.19 0.96 0.88 0.88 0.81 0.76
血小板数 ×104/mm3 10.9 15.5 28.9 28.9 28.6 23.6 23.7
ヘモグロビン g/dL 12.2 11.7 11.0 10.7 11.7 11.3 11.9
PT 秒 10.8 13.3 13.8 ― ― ― ―
PT-INR 0.99 1.22 1.27 ― 1.01 ― ―
APTT 秒 32.9 47.4 ― ― 33.8 ― ―
AST IU/L 30 18 125 122 37 30 28
ALT IU/L 23 13 181 208 54 33 29
CK IU/L 103 ― 104 1088 ― ― ―
CRP mg/dL 0.34 4.45 2.63 4.69 2.1 2.91 3.29
血圧 mmHg 154/83 140/75 143/72 129/70 ― ― ―
併用薬:ランソプラゾール、タゾバクタムナトリウム・ピペラシリンナトリウム、ニフェジピン、メトプロ
ロール酒石酸塩、リン酸ジソピラミド、ファモチジン、メコバラミン、水酸化マグネシウム、デュタステリ
ド、タムスロシン塩酸塩、スルファメトキサゾール・トリメトプリム製剤 ※16クレアチニンクリアランスは、報告された性別、年齢、体重、血清クレアチニン値に基づき、ブリストル・マイヤーズ株式会社
にて Cockcroft-Gault 計算式により算出した値です。
※17 本剤の粉砕経管投与は安全性及び有効性が確立されていません。粉砕投与は推奨していません。
15
症例 2 患者 本剤 1 日
投与量
投与期間
副作用
性・年齢 使用理由
[合併症] 経過および処置
女性
80 歳代
心房細動
[高血圧、腎障害
(クレアチニンク
リアランス 14
mL/min※18)、大
動脈瘤(腹部)、
腸管膜動脈血栓
症、脳梗塞、
慢性心不全]
5 ㎎、
2 日間
副作用名(転帰):くも膜下出血(回復)
(報告事象名:外傷性クモ膜下出血)
投与約 1 ヵ月
前
投与 2 週間前
投与 1 日目
(投与開始日)
投与 2 日目
(投与中止日)
来院時、心胸郭比上昇及び食欲低下を認
め、頭重感の訴えあり、念のため頭部 CT
検査を実施、異常所見なし。血清クレアチ
ニン 1.31mg/dL、PT 39.8 秒、PT-INR が
4.25 のため、ワルファリン投与中止。
血清クレアチニン 1.44mg/dL。
非弁膜症性心房細動による血栓塞栓予防
に対し、本剤投与開始。本剤投与前の
PT-INR 0.99、PT13.秒、BNP 1473。血清
ク レ ア チ ニ ン 1.71mg/dL 、 BUN
58.8mg/dL と腎機能悪化を認め、本剤の禁
忌に該当について考慮したが、昨年末から
今 春 ま で の 腎 機 能 検 査 値 は
BUN27.1-30.9mg/dL、血清クレアチニン
1.31-1.48 で経過のため、脱水傾向にあっ
たことが当日の腎機能に影響し、一時的に
特に悪化したものと判断。また、ワルファ
リンの投与再開は食事の影響と思われる
INR のコントロール不良が継続し、容認で
きない状況であった。家族の要望もあり、
血栓塞栓リスクを考慮し、本剤投与を決
定。同日夕食後より本剤 2.5mg を投与開
始。
朝食後に本剤 2.5mg を内服し、7 時 20 分
頃、物音を聞いた家族が洗濯物を干そうと
して倒れていた患者を発見。駆けつけた時
点で患者の意識はなく、2-3 分で回復。8
時頃救急外来に搬送。来院時の頭部 CT 所
見にて、左くも膜下に軽度の出血(5mm
厚 3 スライス程の限局性出血:左中大脳動
16
中止 2 日目
脈由来)を確認。出血所見が軽度であり、
くも膜下出血を起因とする意識消失によ
る転倒とは考えにくく偶発的転倒による
外傷性クモ膜下出血と診断。もともと認知
症が進行していた背景及び翌日頭部 CT検
査を予定したことも考慮し、念のため入院
下で経過観察をすることとなった。入院時
体重 35kg。
頭部 CT 検査結果にて出血は完全に消失
されたため、退院。くも膜下出血に対する
処置なし。エリキュースの再投与なし。ク
ロピドグレル硫酸塩継続中。
臨床検査等 単位 投与
1 ヵ月前
投与
2 週間前
投与 1 日目
(投与開始日)
投与 2 日目
(投与中止日)
血清クレアチニン mg/dL 1.31 1.44 1.71 1.56
BUN mg/dL 27.1 30.9 58.8 51.7
血小板数 ×104/mm3 22.3 20.9 18.8 19.7
BNP pg/mL ― ― 1473 ―
PT 秒 39.8 13.2 13.0 13.9
PT-INR 4.25 1.01 0.99 1.08
D-Dimer μg/mL ― ― ― 5.7
FDP μg/mL ― ― ― 9.6
心胸郭比(CTR) % ― ― 71 72
併用薬:クロピドグレル硫酸塩、メチルジゴキシン、トラセミド、フロセミド、テルミサルタン、カ
ルベジロール、スピロノラクトン、プロピベリン塩酸塩 ※18 クレアチニンクリアランスは、報告された性別、年齢、体重、血清クレアチニン値に基づき、ブリストル・マイヤーズ株式
会社にて Cockcroft-Gault 計算式により算出した値です。
17
症例 3 患者 本剤 1 日
投与量 投与期間
副作用
性・年齢 使用理由[合併症] 経過及び処置
男性
70 歳代
心房細動
[脳梗塞、高血圧
気胸、頚動脈狭
窄、薬剤性肝障
害]
10 ㎎、
14 日間
副作用名(転帰):出血性梗塞(回復)
投与 10 日前
投与 3 日前
投与 1 日前
投与 1 日目
(投与開始日)
投与 7 日目
投与 12 日目
投与 14 日目
(投与中止日)
中止 3 日目
中止 12 日目
中止 14 日目
左中大脳動脈閉塞による脳梗塞を認め、入院
加療。左頸部内頚動脈に約 60%の狭窄確認。
入院時、JCS3、全失語、右上下肢麻痺 1/5。
心機能検査で心房細動を認めた。頸部病変を
認めたため、クロピドグレル硫酸塩 1回 75mg
1 日 1 回およびシロスタゾ―ル 1 回 100mg、
1 日 2 回の 2 剤を併用する抗血小板療法開始。
入院後、神経学的所見は不変であった。
1 週間後の CT では出血性変化なし。
身長 163cm、体重 50.6 ㎏、血中クレアチニ
ン 0.90mg/dL。誤嚥性肺炎の治療実施。
心房細動を認めたために、本剤 1 回 5 ㎎、1
日 2 回投与開始。
血圧 124/71mmHg
神経学的に変化を認めなかったが、ルーチン
で実施した投与 12 日目の頭部 CT にて、入院
時の脳梗塞巣に一致して、出血性梗塞を認め
た。血圧 112/62mmHg。
本剤及び抗血小板薬 2 剤の投与中止。出血性
梗塞に対しての処置は特になし。その後も、
神経学的に変化なく経過。
血圧 107/63mmHg
血圧 99/68mmHg
頭部 CT 所見にて、出血性梗塞は改善が認め
られたため、他経口抗凝固剤の投与開始。転
帰は回復と判断。その後、出血性変化は認め
ず、神経症状も変化なく経過している。
18
臨床検査等 単位 投与 1 日前 投与 5 日目 投与 7 日目 投与 12 日目 中止 12 日目
血清クレアチニン mg/dL 0.90 0.83 0.84 0.95 1.27 血小板数 ×104/mm3 11.6 41.3 31.4 33.4 27.0 ヘモグロビン g/dL 13.3 14.0 13.9 12.4 13.3
併用薬:クロピドグレル硫酸塩、シロスタゾール、イルべサルタン、ジゴキシン、アムロジピンベシル
酸塩、エプレレノン、トリクロルメチアジド、グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システ
イン塩酸塩水和物
19
症例 4 患者
本剤 1 日投与量
投与期間
副作用
性・年齢 使用理由
《既往歴》 [合併症]
経過及び処置
男性
70 歳代
心房細動
《脳梗塞》
[洞不全症候群 、
頸動脈硬化症、
高血圧、糖尿病]
10 ㎎、
13 日間
副作用名(転帰):胃腸出血(回復)
投与 2 年前
投与 1 日目
(投与開始日)
投与 4 日目
投与 13 日目
(投与中止日)
中止 2 日目 中止 10 日目
中止 11 日目
血栓症予防のため、アスピリン 100mg と
ワルファリンカリウム 2mg を服用。 納豆を食べたいという食事の理由よりワ
ルファリンカリウムを中止し、本剤 1 回 5
㎎、1 日 2 回投与開始。アテロ―ム性脳梗
塞の予防にアスピリン 100mg の投与は継
続。体重 59.2 ㎏ ルーチンで行った便ヒトヘモグロビンが
114ng/ml、504ng/ml、331ng/ml と陽性。
タール便が出るとのことで来院。同日病院
内でもタール便を確認し、入院。タール便
の発現は 2 回のみ。本剤およびアスピリン
の投与を中止。上部消化管内視鏡検査の結
果、出血源なし。以降後、下血は認めてい
ない。出血に関する処置なし。 胃腸出血は回復。ヘモグロビン値はさほど
減少せず。 大腸内視鏡検査の結果、出血源なし。大腸
内視鏡検査後、他経口抗凝固薬を数回服
用。 退院後、本剤の投与再開。下血の再発なし。
臨床検査等 単位 投与 24 日前 中止 2 日目 中止 15 日目
血清クレアチニン mg/dL 0.81 ― 0.73 血小板数 ×104/mm3 16.4 17.9 20.5 ヘモグロビン g/dL 15.2 14.4 13.1
BUN mg/dL ― ― 12.1
併用薬:アスピリン、エソメプラゾールマグネシウム水和物
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エリキュース®錠の「警告」、「禁忌」、「用法・用量」について
本剤の投与にあたっては、 新の添付文書を確認の上、適正にご使用いただきますようお願いいた
します。
2013 年 10 月作成
EQ/13-10/0136/15-09 SRM68D029A
【警 告】 本剤の投与により出血が発現し、重篤な出血の場合には、死亡に至るおそれがある。本剤の
使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤投与の適否を慎重に判断すること。本剤に
よる出血リスクを正確に評価できる指標は確立されておらず、本剤の抗凝固作用を中和する
薬剤はないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候
を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
(「禁忌」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「過量
投与」の項参照)
【禁 忌(次の患者には投与しないこと)】 (1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 (2)臨床的に問題となる出血症状のある患者[出血を助長するおそれがある。](「重要な基本
的注意」)の項参照) (3)血液凝固異常及び臨床的に重要な出血リスクを有する肝疾患患者[出血の危険性が増大
するおそれがある。] (4)腎不全(クレアチニンクリアランス 15mL/min 未満)の患者[使用経験がない。]
【用法及び用量】 通常、成人にはアピキサバンとして 1 回 5 ㎎を 1 日 2 回経口投与する。なお、年齢、体重、
腎機能に応じて、アピキサバンとして 1 回 2.5 ㎎ 1 日 2 回投与へ減量する。 〈用法・用量に関連する使用上の注意〉 次の基準の 2 つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高く、本剤の血中濃度が上昇する おそれがあるため、1 回 2.5mg1 日 2 回経口投与する。(「臨床成績」の項参照) ・80 歳以上(「高齢者への投与」の項参照) ・体重 60 ㎏以下 ・血清クレアチニン 1.5 ㎎/dL 以上