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19 2.基準地震動Ssの策定 2-1基準地震動Ssの策定方針 2-2 微小地震の震源分布、地震発生層の検討、 及び敷地周辺における主な被害地震 2-3 検討用地震の選定 2-4 検討用地震の地震動評価 (a) 応答スペクトルに基づいた地震動評価 (b) 断層モデルを用いた地震動評価 2-5 震源を特定せず策定する地震動の検討

2.基準地震動Ssの策定...2009/10/09  · 23 基準地震動Ssの評価 基準地震動Ssは,まず,「応答スペクトルに基づいた地震動評価」を行い,次に,敷地への影響が大きいと考えられる地震について「断層モデルを用

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2.基準地震動Ssの策定

2-1基準地震動Ssの策定方針

2-2 微小地震の震源分布、地震発生層の検討、

及び敷地周辺における主な被害地震

2-3 検討用地震の選定

2-4 検討用地震の地震動評価

(a) 応答スペクトルに基づいた地震動評価

(b) 断層モデルを用いた地震動評価

2-5 震源を特定せず策定する地震動の検討

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2-1 基準地震動Ssの策定方針

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内陸地殻内地震※1

海洋プレート内地震※2

プレート間地震※3

海のプレート陸のプレート

海溝

※1※2

※3

応答スペクトルに基づく地震動評価

断層モデルを用いた地震動評価

基準地震動Ssの策定フロー応答スペクトルに基づく地震動評価

検討用地震の選定

内陸地殻内地震※1

震源を特定せず策定する地震動の検討

敷地ごとに震源を特定して策定する地震動

地震動評価

敷地に最も影響を及ぼすと考えられる地震

基準地震動Ss

地震資料

敷地周辺の中小微小地震分布

既往研究成果

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• 文献調査の結果及び地震発生層の検討結果から、震源モデルの断層長さ、傾斜角等の形状を決定する。

• 震源パラメータは、強震動予測レシピ(地震調査研究推進本部,2008)に従って設定する。

• 内陸地殻内地震のアスペリティは、断層の変位量が推定できる場合には、変位量の大きいところに配置する。

• 震源モデルは、地震調査研究推進本部の震源モデル及び中央防災会議の震源モデルも参照し、保守的に設定する。

震源モデルの設定

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基準地震動Ssの評価

基準地震動Ssは,まず,「応答スペクトルに基づいた地震動評価」 を行い,

次に,敷地への影響が大きいと考えられる地震について「断層モデルを用いた手法による地震動評価」を実施して評価する。

■応答スペクトルに基づいた地震動評価手法

① 解放基盤における水平及び鉛直方向の地震動評価ができること

② 震源の拡がりを考慮できること

③ 地震観測記録を用いて諸特性(地域特性等)が考慮できること

以上の観点から,Noda et al.(2002)の方法を用い地震動を評価する。

なお、敷地における観測記録が少ないことから、観測記録による補正は行わない。

■断層モデルを用いた地震動評価手法

地震動の短周期成分は統計的グリーン関数法,長周期成分は理論的

手法(3次元差分法)により計算するハイブリッド合成法により評価

※敷地近傍に位置する断層については、断層モデルを用いた地震動評価の結果を重視する。

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応答スペクトルに基づいた地震動評価

解放基盤表面における

平均応答スペクトル

地震基盤における

平均応答スペクトル

地盤増幅の補正項

地盤増幅率の補正  地盤の卓越周期の補正= ×

βh(T)

1

0.02 Tsl 5.00 10Tsl5.000.02

1

αh(T)

0.02 5.00

S(T)

0.02 Tsl 5.00

Sb(T)

αh(T)

βh(T)S(T)Sh(T)

周期 T(s)

Sb(T)

= × ×

Sh(T) αh(T) βh(T)Sb(T)×

周期 T(s)周期 T(s)周期 T(s)

M:マグニチュード

Xeq:等価震源距離

Vs:解放基盤表面での S波速度 (km/s)

Tsl:水平動に対する地盤の卓越周期 (s)

Xeq(地震波エネルギーが等価な震源距離までの距離)Xm

評価地点

dsem

断層面 パラメータ

(仮想)点震源

Noda et al. (2002)による水平地震動応答スペクトルの考え方

Noda et al. (2002)による水平地震動応答スペクトルの考え方

93.25.010 −= MTb0.13.010 −=− MTbTc

6.0log54.017.010 −+=− eqXMTcTd

⎪⎪⎩

⎪⎪⎨

≤≤

≤≤≤≤

=−

− TdTTce

TcTTbTbTTbT

tETcT

TcTd)(

)1.0ln(

2

0.10)/(

)(

2次曲線

指数曲線

1.0

0.1

0 Tb Tc Tdt

振幅包絡線の経時的変化

M:マグニチュード

Xeq:等価震源距離

Vs, Vpに応じた

周期依存項 T>T0の低減項

)())((log)()(log TcXTbXMTaTpSv eqeq ++−=

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統計的グリーン関数法を用いた地震動評価

釜江・他(1991)による統計的グリーン関数法を用い地震波形を計算する。

統計的グリーン関数におけるラディエーション係数は,釜江・他(1990)に従って設定する。

Irikura(1986)による経験的グリーン関数法 釜江・他(1991)による統計的グリーン関数法

Irikura(1986)による経験的グリーン関数法の要素地震(経験的グリーン関数)をBoore(1983)による統計的グリーン関数に置き換えて波形を合成

釜江・他(1990)によるラディエーション係数

周波数に依存したラディエーション係数の設定

1.0

0.5

0.00.0 0.5 1.0

≧5.0Hz4.0Hz3.0Hz2.0Hz

≦0.5Hz

π/2

0

Δφ

0 0 0

Frequency (Hz)

fl(=0.5) fh(=5.0)

サイト特性

地震基盤から解放基盤までの増幅特性は、斜め入射を考慮した1次元重複反射理論により評価する。

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3次元差分法を用いた地震動評価及びハイブリッド合成法

3次元差分法の解析条件

・水平方向グリッド間隔: 0.1km・鉛直方向グリッド間隔: 0.05km(深さ: 0~3.2km)

0.1km(深さ: 3.2~4.0km)0.4km(深さ: 4.0km~)

・時間ステップ間隔: 0.005s・有効周波数: 0.8Hz以下

マッチングフィルター

ハイブリッド合成法

3次元差分法

差分法: 不等間隔のStaggered Gridを用いた差分法(Pitarka,1999)

Q値の計算方法: Graves(1996)の手法

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2-2 微小地震の震源分布、地震発生層の

検討、及び敷地周辺における主な被害地震

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微小地震分布図(1)

133˚ 134˚ 135˚ 136˚ 137˚ 138˚

33˚

34˚

35˚

36˚

133˚ 134˚ 135˚ 136˚ 137˚ 138˚

33˚

34˚

35˚

36˚

0 50 100

km

RUK

133˚ 134˚ 135˚ 136˚ 137˚ 138˚

33˚

34˚

35˚

36˚

敷地周辺におけるM5.0以下の地震の震央分布

(地震諸元は,「気象庁地震カタログ」による)

震源深さ0-30km, 2004年~2007年4.0≦M<5.0

3.0≦M<4.0

M<1.0

1.0≦M<2.0

2.0≦M<3.0

133˚ 134˚ 135˚ 136˚ 137˚ 138˚

33˚

34˚

35˚

36˚

133˚ 134˚ 135˚ 136˚ 137˚ 138˚

33˚

34˚

35˚

36˚

0 50 100

km

RUK

133˚ 134˚ 135˚ 136˚ 137˚ 138˚

33˚

34˚

35˚

36˚

震源深さ30-60km, 2004年~2007年

100km

200km

100km

200km