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革新的衛星技術実証プログラムに係る 実証テーマの募集案内 (革新的衛星技術実証 3 号機) 2020 年(令和 2 年) 2 6 国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構

2020 年(令和 2 年) 2 月 6 日 国立研究開発法人 宇 …革新的衛星技術実証プログラムに係る 実証テーマの募集案内 (革新的衛星技術実証

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革新的衛星技術実証プログラムに係る 実証テーマの募集案内

(革新的衛星技術実証 3 号機)

2020 年(令和 2 年) 2 月 6 日

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構

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目次

1.はじめに .........................................................................................................................................................................1 2.募集課題とカテゴリ ....................................................................................................................................................2 3.応募資格 .......................................................................................................................................................................3 4.審査・選定における審査項目 ..................................................................................................................................4 5.技術要求(革新的衛星技術実証 3 号機の実証テーマ) .................................................................................6 6.提案にあたっての留意事項 .....................................................................................................................................9 7.募集から選定までの流れ ...................................................................................................................................... 11 8.選定から成果報告まで........................................................................................................................................... 13 9.応募方法 .................................................................................................................................................................... 16

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1.はじめに

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」という。)は、民間企業・大学等による

超小型の人工衛星を活用した新たな知見の獲得・蓄積、将来ミッション・プロジェクトの創出、宇宙シ

ステムの基幹的部品や新規要素技術の軌道上実証実験などのための機会を提供する革新的衛星

技術実証プログラム(以下「本プログラム」という。)を実施しています。

本プログラムは、宇宙基本計画上の「宇宙システムの基幹的部品等の安定供給に向けた環境整

備」の一環として、超小型の人工衛星を活用した基幹的部品や新規要素技術の軌道上実証を適時

かつ安価に実施するもので、以下を目的としています。

[A] 衛星のキー技術の宇宙実証により、宇宙分野を支える技術基盤・産業基盤の 持続的な維持・発展、衛星産業の国際競争力の獲得・強化に繋げる。

[B] 新規の民間企業等参入のため、定期的な相乗り打ち上げ機会の確保によって ハードルを下げることで、宇宙利用拡大を促進する。これにより新規参入する 民間企業等との相互利用・連携が進み、新たなイノベーション創出にも繋がる。

[C] チャレンジングかつハイリスクな衛星技術/ミッションの開発・実証できる機会を 確保することで、宇宙産業のベンチャービジネス促進や宇宙分野における、 より優秀な人材の育成を図る。

また上記の他に、将来の政府の宇宙開発利用および産業界の宇宙ビジネスの発展に必要な挑

戦的なミッション・衛星開発技術を実現させていくにあたり、ミッション/システムレベルで必要となる

技術の軌道上実証として、以下を目的に追加しています。

[D] 官民で活用可能な、フレキシブルな衛星開発手法、革新的なミッション技術を 早いサイクルで宇宙実証し、挑戦的ミッション/システムの搭載を通じて 政府衛星・政府関連衛星の短期開発・低コスト化と高度化、産業界の 競争力強化に繋げる。

JAXAでは、特に、革新的衛星技術実証 3 号機に向けて、[A]~[D]の目的に合致する部品・コ

ンポーネント・サブシステム及び超小型衛星システム(100kg 級衛星システム、50kg 級衛星システ

ム、キューブサットシステム)を公募します。

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2.募集課題とカテゴリ

本プログラムでは、次の①~④のいずれかの条件を満たす実証テーマを募集の対象とします。 募集課題① 1.項の目的[A]に対応する実証テーマ

我が国の衛星関連機器・部品の価格競争力、性能、機能などを格段に向上させる技術

の実証

募集課題② 1.項の目的[B]に対応する実証テーマ

宇宙利用の拡大や新たなイノベーション創出が期待される技術・コンセプトの実証

募集課題③ 1.項の目的[C]に対応する実証テーマ

これまで世界で行われていない新たな宇宙利用ビジネス構想により、国内外の市場を

新たに創造する、または、それにより国内の宇宙産業の活性化につながる可能性のあ

る技術・コンセプトの実証

募集課題④ 1.項の目的[D]に対応する実証テーマ

挑戦的ミッション/システムの搭載を通した政府衛星・政府関連衛星の短期開発・低コスト

化と高度化を実現するためのフレキシブルな衛星開発手法や革新的なミッション/システム

技術の実証

募集課題④として JAXA 及び JAXA 以外の研究者や中立的な民間団体及び関係府省に所属し

ている委員からなるオールジャパンの調整委員会において確認した、挑戦的ミッション/システム

の搭載を通した政府衛星・政府関連衛星の短期開発・低コスト化と高度化、宇宙産業ビジョン 2030の実現による産業界の競争力強化に繋げる実証テーマ例を参考として下記に示します。

(1)高コストで長期期間を要していた衛星開発の革新 例:デジタルモデルを活用したフレキシブルな衛星開発手法 製造・試験の効率化を実現するアーキテクチャ変革

(2)宇宙産業ビジョン推進のための技術革新 例:5G 時代に IoT ノードとして衛星を利用するための通信方式

(3)衛星ミッション高度化 例:空間分解能、時間分解能、周波数分解能を飛躍的に向上するセンサ、 センサの高度化・小型化技術

(4)衛星のアーキテクチャ変革 例:オンボード処理化、地上の利用変化に対応する衛星機能の再構成技術

募集するカテゴリは以下のとおりです。

(Ⅰ) 小型実証衛星に搭載する部品・コンポーネント・サブシステム (以下「部品・コンポーネント・サブシステム」という。) (Ⅱ) 超小型衛星システム(100kg 級衛星システム) (Ⅲ) 超小型衛星システム(50kg 級衛星システム) (Ⅳ) 超小型衛星システム(キューブサットシステム)

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3.応募資格

応募者は、次の要件の全てを満たす者とします。これらの要件は、選定後に締結する技術実証

等に関する契約(以下「技術実証契約」という。)にも規定され、プロジェクト期間中も維持いただきま

す。

契約においては、これらの要件に加え提案者が必要な権限を有している等追加の要件もありま

す。詳細は技術実証契約書(「6.提案にあたっての留意事項」を参照)をご確認ください。

(1)日本国法に基づき適法に設立され、有効に存続する法人であり、現在行っている事業を行うため

に必要な権限及び権能を有していること。

(2)破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始若しくは特別清算開始その他これに類す

る法的倒産手続又は私的整理手続(外国法に基づくものを含む。)開始の申立てはなされておら

ず、租税公課について滞納処分又は保全差押を受けておらず、手形若しくは小切手の不渡り・支

払停止又は手形交換所の取引停止処分を受けておらず、その他信用状態の著しい悪化を生じて

いないこと。

(3)反社会的勢力ではなく、反社会的行為に従事しておらず、反社会的勢力との間に過去・現在又は

直接・間接を問わず、取引、金銭の支払い、便宜の供与その他一切の関係又は交流はないこと。

また、反社会的勢力に属する者又は反社会的勢力との交流を持っている者が役員として選任され

若しくは従業員として雇用されておらず、又は経営に実質的に関与していないこと。

(4)法令等及び技術実証契約の規定に従い、技術実証契約を適切に履行するために必要な技術的

能力及び経済的能力を有すること。

(5)応募者又はその関係者は、いずれも次のいずれかの条件に該当しない者であること。

イ 安全保障貿易管理に関する法令等に基づく国連武器禁輸国・地域に該当する国・地域の者

ロ 安全保障貿易管理に関する法令等に基づき、機構の技術情報を提供できない者

(6)実証テーマが第三者の知的財産権を侵害していないこと。

(7)JAXA による競争参加資格の停止措置または随意契約の停止措置を受けていない者。

(8)その他、JAXA が不適切と判断しうる事情がない者。

(9)JAXA が提示する秘密保持契約書及び技術実証契約を締結可能な者。

※ 選定された実証テーマの打上げに際しては、所属組織との技術実証契約の締結が必要になりま

すので、事前に所属組織の了承を得て、ご応募ください。

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4.審査・選定における審査項目

応募された実証テーマについては、「7.募集から選定までの流れ」に示す流れで表 1、表 2 に示

す審査項目に基づき審査を行い、選定されます。 なお、表 2 の加点審査項目については、募集課題(いずれか1つ)に対応した加点審査項目で審

査を行います。 また、選考において意義・価値は高いが技術的な底上げや更なる工夫が必要と認められた提案

については、革新的衛星技術実証 3 号機より後の実証を目指してJAXAとの共同研究等を行うこと

も可能です。

表 1:審査・選定における基礎点審査項目

分類 基礎点審査項目

提案テーマの技術成立

性確認 提案システムの設計及びサブシステム設計の実現性がある

システム成立性確認・

搭載可能性確認

JAXAの示す実証テーマに対する前提条件、リソース要求、及びインタフ

ェース条件に適合する。また、部品・コンポーネント・サブシステムの場

合、衛星システムとして成立する実現性がある

システム安全要求に適合している

軌道上運用(地上局整備、運用体制・計画、周波数免許取得等)の実現

性がある

実施計画の成立性確認 提案テーマの難易度、過去の開発実績等に照らして、実施計画(実施体

制、資金計画、スケジュール等)が妥当である

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表2:審査・選定における加点審査項目

募集課題 加点審査項目

① 我が国の衛星関連機器・

部品の価格競争力、性

能、機能などを格段に向

上する技術の実証

技術のベンチマークを行い将来衛星の競争力向上に資する可能性

がある

ターゲット市場のなかで優位なシェアを獲得できる見込みがある

具体的な事業プランが説明されており、妥当である

軌道上での実証意義が高い提案になっている

② 宇宙利用の拡大や新た

なイノベーション創出が

期待される技術・コンセプ

トの実証

これまで宇宙を利用していなかった国内外の人々を、新たに取り込

める可能性がある

既存の宇宙利用の分野では実績がなく、新たなイノベーションを期

待できる

本実証をふまえて期待されるイノベーション創出に向けたプランが説

明されており、妥当である

軌道上での実証意義が高い提案になっている

③ これまで世界で行われて

いない新たな宇宙利用ビ

ジネス構想により、国内

外の市場を新たに創造す

る、または、それにより国

内の人工衛星関連産業

の活性化につながる可能

性のある技術・コンセプト

の実証

新規市場を開拓する可能性、もしくは、人工衛星関連産業を活性化

する可能性がある

当該実証活動を通して、次世代を担う優秀な人材の輩出に貢献可

能である

実証後の継続的な促進、人材育成プランが記されており、妥当であ

軌道上での実証意義が高い提案になっている

④ 挑戦的ミッション/システ

ムの搭載を通した政府衛

星・政府関連衛星の短期

開発・低コスト化と高度化

を実現するためのフレキ

シブルな衛星開発手法

や革新的なミッション/シ

ステム技術の実証

提案手法・技術が、官と民のミッション・システムの短期開発・低コス

ト化・高度化に資する可能性がある ベンチマークを行い、ミッション・システムの競争力向上、もしくは、産

業競争力向上のインパクトが定量的に示されている

実証技術の今後の実証・実用化に向けたプランが説明されており、

妥当である

軌道上での実証意義が高い提案になっている

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5.技術要求(革新的衛星技術実証 3 号機の実証テーマ)

(1) 前提条件

革新的衛星技術実証 3 号機(部品・コンポーネント・サブシステムを搭載する小型実証衛星 3 号

機と超小型衛星システム)は、以下の軌道及びその近傍の軌道に投入されます。 軌道(初期) 軌道高度 : 500km、または、560km、投入誤差±10km 軌道傾斜角 : 97.4 度(高度 500km の場合)、または、97.6 度(高度 560km の場

合)、投入誤差±0.2 度 降交点通過地方時 : 9 時 30 分、ロンチウィンドウ-0~+10 分 軌道保持 : 小型実証衛星 3 号機は軌道保持を実施しない。このため、投入時の

軌道誤差により、定常段階終了時まで、太陽同期軌道からドリフトする また、部品・コンポーネント・サブシステムを搭載する小型実証衛星 3 号機は、以下の姿勢に制

御されます。 姿勢制御 実証運用時の定常姿勢 : 地球指向 姿勢マヌーバ : 周回の電力収支が成立する条件下において、定常姿勢(軌道座

標系)に対して、任意の方向を向いた 1 軸周りに±10deg 以上の

姿勢変更ができる、また、任意の方向を向いた 1 軸周りに、

0.5deg/s 以上の角速度で姿勢マヌーバを 1 分以上継続できる

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(2) リソース要求

(Ⅰ) 部品・コンポーネント・サブシステム 小型実証衛星 3 号機に搭載されることになる部品・コンポーネント・サブシステムは、複数の実証

テーマを搭載し、かつ、打上げまでの期間を満足するため、以下のリソース要求を満足してくださ

い。この要求を満足しない部品・コンポーネント・サブシステムの提案を妨げるものではありません

が、優先度は下げるものとします。 最大質量: 4kg 最大周回平均電力: 5W 最大寸法: 15cm×15cm×15cm データ・インタフェース: LVDS、RS422、(スペースワイヤも可能) 電源インタフェース: +5V、+12V、+24~33V 非安定 最大データ伝送レート: 2kbps(常時型実証) 最大データ伝送量: 100MB/週(イベント型実証) 軌道上実証期間: 1 年間(1 ヵ月の初期チェックアウト後) また、別途提示する「小型実証衛星 3 号機の実証テーマ公募における搭載インタフェース条件

書」に記載している前提条件、基本要求及びインタフェース条件への適合を、本条件書に添付して

いる「適合性確認シート」にて示してください。 なお、本条件書は、秘密保持契約書を締結の上、実証テーマ応募者に提供されます。

(Ⅱ) 超小型衛星システム(100kg 級衛星システム) 最大質量: 100kg 最大包絡域: 100cm×100cm×70cm 衛星固有振動数: 45Hz 以上(機軸方向)、30Hz 以上(機軸直交方向) ロケット分離機構: LightbandⓇ18.250inch 型に適合すること

(Ⅲ) 超小型衛星システム(50kg 級衛星システム) 質量: 50kg(40~65kg) 包絡域: 80cm×60cm×60cm 衛星固有振動数: 40Hz 以上(結合面平行方向)、80Hz 以上(結合面垂直方向) ロケット分離機構: LightbandⓇ8inch 型に適合すること

(Ⅳ) 超小型衛星システム(キューブサットシステム) 質量・寸法等: キューブサット規格※1の 1U~3U、6U※2 衛星固有振動数: 113Hz 以上(3 軸共通) ロケット分離機構: E-SSOD に適合すること※1 ※1 キューブサット規格は、CubeSat Design Specification 及びイプシロンユーザーズマ

ニュアルを参照してください。 ※2 6U は、分離機構を新たに開発するため、宇宙実証の意義が特に高い提案である 必要があります。

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(3) 引き渡し時期

(Ⅰ) 部品・コンポーネント・サブシステム エンジニアリングモデル(EM※3)、熱構造ダミー、フライトモデル(FM)の JAXA への引渡時期

は、以下のとおりとします。 ※3 熱構造特性・電気的性能がフライト品と同等のもの。各々別の供試体(すなはち、熱構

造ダミー及び電気 EM)に分けても可。なお、スケジュール上の制約から、EM を返却し

改修してフライトモデルにすることはできません。

EM、熱構造ダミー: 2021 年 1 月末、FM: 2021 年 7 月末

(Ⅱ~Ⅳ) 超小型衛星システム(100kg 級衛星・50kg 級衛星・キューブサット) 超小型衛星システムの JAXA への引渡時期は、以下のとおりとします。

50kg 級衛星及びキューブサット :2022 年 5 月中旬 100kg 級衛星 :2022 年 5 月末

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6.提案にあたっての留意事項

ご提案にあたり、ご留意いただきたい事項を以下のとおりまとめます。 (1)秘密保持契約書・技術実証契約書

革新的衛星技術実証3号機の選定、技術調整の状況に応じて、秘密保持契約書または技術実証

契約書を JAXA と締結していただきます。

特に、提案者・JAXA の作業、成果の取扱い、技術情報の開示、JAXA 衛星等の優先、損害賠償

の相互放棄、第三者賠償責任等革新的衛星技術実証3号機の搭載にあたり重要な事項は、全て技

術実証契約書に定められております。応募者は必ず技術実証契約書を予めご確認の上、本契約の

合意・締結が可能な場合にご提案ください。

各提案内容に対応する技術実証契約書は以下のとおりです。

部品・コンポーネント・サブシステム :革新的衛星技術実証プログラムにおける機器の軌道

上技術実証等に関する契約

超小型衛星システム :革新的衛星技術実証プログラムにおける超小型衛星

の打上げ及びその技術実証等に関する契約

(2)小型実証衛星とのインタフェースに係る各種作業

詳細は別途定める小型実証衛星との個別インタフェース文書に規定いたしますが、以下を含みま

す。

・ 小型実証衛星の開発試験に必要なエンジニアリングモデル(EM)の提供 ・ フライトモデル(FM)が引渡時期に間に合わない場合のための、ダミーウエイトの準備(フライ

トに対する耐環境性を有している場合、EM または熱構造ダミーがこれを兼ねることができる) ・ FM の提供

なお、部品・コンポーネント・サブシステムを提案される場合、小型実証衛星に一体として搭載できる

構造・クリーンインタフェースを原則とします。

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(3)成果の取扱い

提案者が得た成果(プロジェクトの全過程で実施した発明等に係る知的財産権、取得した情報等一

切の成果を言い、機構に帰属する知的財産権及び提案者との共有の知的財産権を除く。)に関する

権利は提案者に帰属いたします。

ただし、発明等が生じた場合には、速やかに機構に通知し、当該発明等に係る知的財産権の帰属

及び出願の要否等について機構と協議を行ってください。

JAXA は、研究開発目的で、提案者が得た成果を無償で自由に利用する(機構の研究開発目的で

自己以外の者をして利用させる場合も含む。)ことができるものとし、提案者は予めこれに同意いただ

きます。 上記の他にも公表時の JAXA の事前同意手続きや定期的な JAXA への報告など成果の取扱いに

ついては条件がありますので、詳細は技術実証契約書をご確認ください。

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7.募集から選定までの流れ

(1)作業の流れ

募集から選定までの流れを以下に示します。 で囲った箇所が、実証テーマ応募者が単独

または JAXA と共同で参加する作業です。

① 募集案内の公開: 2020 年 2 月 5 日(水)

② 応募申込・受付

応募者は、応募書類(応募申込書等)を作成の上、申し込んでください。

(詳細は「9.応募方法」をご覧ください。)

③ 技術要求説明会(仮称) 秘密保持契約の締結が必要となる場合があります。

④ 技術確認・相談対応

⑤ 実証テーマ集計期日(応募提案〆切): 2020 年 3 月 16 日(月)

⑥ 実証テーマの審査・選定 調整委員会にて、実証テーマを選定いたします。

⑦ 実証テーマの発表: 2020 年 5 月 29 日(金)(予定)

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(2)作業の詳細

④技術確認・相談対応

実証テーマの搭載実現に向け、以下の点について JAXA と詳細な技術確認を行います。

(a) システム安全(付録 2「システム安全について」参照)に対する適合性の確認 JAXA は、リスト登録された応募者に対し、搭載品の規模や性質に応じて安全解析の方針を

確認します。他のテーマ及びイプシロンロケットの安全な飛行に悪影響を与えないこと、JAXA の

施設での作業の安全、デブリ発生防止対策について確認するための技術確認を実施します。

(b) インタフェース条件に対する適合性の見込み JAXA は、小型実証衛星との機械的・電気的インタフェース(射場設備とのインタフェース含

む)、打上げ環境(振動・衝撃・熱・電磁適合性など)に係る実証テーマ(部品・コンポ―ネント・サ

ブシステム、超小型衛星システム)の設計について、適合性などを確認します。

(c) 他の実証テーマとの組み合わせの可能性(JAXA コーディネート) 技術調整の中で、他の実証テーマと組み合わせて、新たな価値を創造する、もしくは

より実証価値が高まるような可能性があれば、JAXA からご相談する場合があります。

⑤実証テーマの審査・選定

実証テーマの審査・選定は、JAXA 及び JAXA 以外の研究者や中立的な民間団体及び関係

府省に所属している委員からなるオールジャパンの調整委員会において行います。 調整委員会では、応募された実証テーマの中から、「4.審査・選定における審査項目」で示

した審査項目に基づき、テーマ毎の個別評価を行います。その後、個別評価結果の内容を全体

討議において審査し、個々の審査ポイント毎の意義・価値も考慮した上で、総合判断により選定

します。 なお、選定された実証テーマ名、ミッション、応募者名、選定理由は公開します。 また、選定されなかった実証テーマについては、不採択理由を応募者に対し送付します。

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8.選定から成果報告まで

(1)作業の流れ

選定から成果報告までの流れは以下に示すとおりです。 で囲った箇所が、実証テーマ提

案者が単独または JAXA と共同で参加する作業です。 付録 3「実証テーマ搭載までに提案者が行う主な作業の例」を併せてご参照ください。

① 実証テーマの選定

② 打上げ実施のための技術実証契約締結 詳細は別途提示する技術実証契約書をご確認ください。

③ 継続的な技術調整 提案者の実施する実証テーマの設計・製作・試験の進捗に合わせ、JAXA は、

提案者と継続的に技術要求への適合性について技術調整を実施します。

④ システム安全審査 JAXA は、実証テーマについて、衛星システム(小型実証衛星もしくは超小型

衛星システム)レベルでシステム安全審査を行います。提案者には、適宜参加

していただきます。

⑤ 適合性確認 衛星システム(小型実証衛星もしくは超小型衛星システム)が、衛星システムと

ロケットとの機械的・電気的インタフェース、打上げ環境(振動・衝撃など)など

を定める技術要求に適合していることを、書類審査または試験・検査により確

認します。なお、提案者は、開発の過程で実施した試験のデータは適合性試験

のデータとして用いることができます。

適合性確認試験の結果は、JAXA の適合性確認審査にて審査されます。

⑥ 部品・コンポーネント・サブシステムの搬入・引き渡し 部品・コンポーネント・サブシステムの提案者は、実証する部品・コンポーネン

ト・サブシステムを JAXA が指定する期日までに、指定する施設に搬入し、

JAXA へ引き渡します。

引き渡し後は、技術実証契約に基づいて作業及び管理いたします。

⑦ 宇宙活動法等申請・許可 超小型衛星システムの提案者は、宇宙活動法に基づき、人工衛星の管理に係

る許可を取得していただきます。実証テーマの内容により、衛星リモセン法の

許可・認定が必要な場合があります。

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⑧ JAXA への衛星システムの搬入 (打上げの約 3~1 ヶ月前を予定) 超小型衛星システムの提案者は、それぞれを JAXA が指定する期日までに、

指定する施設に搬入します。

搬入後は、技術実証契約に基づいて射場での作業及び管理をして頂きます。

⑨ 射場作業の実施 JAXA は、技術実証契約に基づいて射場での作業及び管理をいたしますが、

特に注意を必要とする作業(輸送後外観検査、吊り具の着脱、推薬充填、火工

品取り付け、ノンフライトアイテムの取り外し並びに衛星電源インヒビット※の確

認)につきましては、超小型衛星システムの提案者に実施して頂きます。

※ 事故につながる機能・機器と、それを動作させるエネルギー源(電源)との

間に設ける、物理的な遮断手段

⑩ 実証テーマの打上げ JAXA は、イプシロンロケットにより、実証テーマを打ち上げます。打ち上げ

結果は、速やかに提案者に通知いたします。

⑪ 実証テーマの運用 実証テーマの運用/データ評価

宇宙物体登録(超小型衛星システムの場合のみ)

⑫ 成果の報告 〔打上げ 1 ヵ月後〕

成果の報告 〔フルサクセス達成後〕

定常運用成果に関する報告 〔運用終了後 3 ヶ月以内〕

運用終了時の最終結果報告(成果に加えて、軌道上で不具合が生じた場合

は、その内容と推定原因も報告していただくものとします。) 〔随時〕

運用状況・実証内容に関する連絡

⑬ 実証結果のフォローアップ 〔実証テーマ運用終了の 1 年程度後を目途に〕

提案されたテーマの実証後の展望・ビジネスの展開に対する評価について 報告して頂きます。

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(2)ロケット取付け後の制約

ロケットへの取付け後は、実証テーマの点検、バッテリ充電は原則実施できません。なお、異常

検知した場合の対応等、必要に応じて点検モニタや緊急処置を要求することがあります。

(3)提案ミッションの辞退について 選定されたミッションを辞退される場合は、事前に JAXA にご相談の上、搭載辞退の手続き及び

技術実証契約解除の手続きを行って頂きます。JAXA が既に部品・コンポーネント・サブシステムま

たは超小型衛星システムの引渡しを受けている場合等実証テーマの打上げ中止にあたり経費が発

生している場合には、返還等に係る経費等を負担いただきます。

技術実証契約の解除条件に該当する場合、JAXA は、提案者に対して JAXA が被った損害等の

賠償を請求することがあります。また、次回以降の搭載をお断りさせて頂くことがあります。

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9.応募方法

(1) 応募書類の提出

応募者は、次の応募書類を用意の上、下記、応募先に送付またはメールで申し込んでください。

<応募書類>

・応募申請書 (添付 1 参照) ・実証テーマ提案書 (添付 2 参照) ・実証テーマ概要説明資料 (添付 2 参照) ・応募者の所属する組織の活動がわかる書類(リーフレット等)

(2) 応募・お問合せ窓口

応募書類の提出及びお問合せは、以下までお願い致します。お問合せの際には、事前に募集 案内をよくお読みになってから原則メールでお願い致します。回答までにお時間がかかる場合も ございますが、何卒ご了承ください。

〒100-0062 東京都千代田区神田駿河台 3-2-1

一般財団法人 日本宇宙フォーラム(JSF)

「革新的衛星技術実証プログラム 実証テーマ公募担当窓口」担当

電子メール:z-icccinquiry@ml.jaxa.jp

※本業務は 国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)からの委託によって

(財)日本宇宙フォーラム(JSF)が支援しています。

(3)応募の取り扱い

応募書類につきましては、返却いたしませんので、各応募者で応募内容を控えて頂きますよう お願いいたします。

(4)個人情報の取り扱い

個人情報については、実証テーマ選定目的以外には使用せず、外部にも公開いたしません。

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(添付 1)

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管理番号:

応 募 申 請 書 西暦 年 月 日

宇宙航空研究開発機構 革新的衛星技術実証プログラム 実証テーマ公募担当宛

所在地:

組織名: 印

部署名:

職名:

フリガナ

実施責任者 氏名: 印

電話番号: FAX: e-mail:

JAXA が実施する革新的衛星技術実証プログラムの実証テーマの募集に関し、当該募集

案内に記載の条件・内容を理解した上で、下記に示す実証テーマを「実証テーマ提案書」及び

「実証テーマ概要説明資料」を添付の上、応募いたします。

以上

記 実証テーマ名:

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(添付 2)

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「実証テーマ提案書」及び「実証テーマ概要説明資料」について

注意事項

(1)応募者は、実証テーマの詳細について、JAXA が提示するフォーマット「実証テーマ提案書(Excelファイル)」に必要事項を記入し、応募申請書に添付してください。 また、実証テーマの概要について、JAXA が提示する別のフォーマット「実証テーマ概要説明資料

(word ファイル)」に記入し、合わせて添付してください。

(2)「実証テーマ提案書」に記載が必要な項目は、「2.募集課題とカテゴリ」の募集課題及びカテゴリ

毎にフォーマットが異なっております。「実証テーマ提案書」の上部で応募する募集課題及びカテ

ゴリを選択の上、ご記入ください。 ※「実証テーマ概要説明資料」に記載が必要な項目は同じです。

(3)「実証テーマ提案書」および「実証テーマ概要説明資料」の作成にあたっては、JAXA が提示するフ

ォーマットに記入をお願い致します。(当該フォーマットの改変は不可とさせて頂きます)。 また、必要に応じて図、表等で内容を補足する資料を作成してください。(補足資料は特にフォー

マットはございません)。

(4)独自で用いている単語、略語等については定義を明確にしてください。

(5)未定の項目については、“未定”と明記してください。

(6)お送り頂いた「実証テーマ提案書」および「実証テーマ概要説明資料」は、実証テーマ選定目的以

外には使用せず、外部にも公開いたしません。また、候補選定に漏れた場合、「実証テーマ提案

書」および「実証テーマ概要説明資料」はすみやかに廃棄させて頂きます。

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(付録 1)

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参考: 分離機構の概要

MarkⅡ LightbandⓇ (衛星システム提案)

E-SSOD(衛星システム提案のうちキューブサット 3U サイズまでの場合)

E-SSOD 6U(開発する場合)

ロケット機軸方向XB

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(付録 2)

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システム安全について

実証テーマ提案者は、テーマに係るすべての活動(ロケット搭載品の設計/製造/試験や射場作業

等)を通して、安全にミッションを達成することが求められます。搭載品から物品を放出して第三者に損

害を与えたり、また、射場での事故により人が死傷したりする可能性について、ハザード解析※1を実施

し、設計あるいは運用による対策をとって、リスクを受入れ可能なレベルに低減します。

※1 ハザードとは事故をもたらす要因が顕在又は潜在する状態であること。

安全については、被害が実証テーマ提案者だけでなく、一般の人々を含む外部の人や物へ及ぶ場

合があり、重大な結果をもたらす可能性があるため、国と JAXA がそれぞれ安全要求を設定していま

す。

衛星システムを複数の提案者で構成する場合にも、衛星システムレベルでハザード解析します。

個々の構成要素だけでは、事故の原因やそれに対する制御方法が完結しない場合があるためです。

そのため、実証テーマ提案者が、衛星システムの中での役割分担に応じて、安全のための活動のど

の部分を担うか、予め設定しておくことが必要です。このような、システム安全活動上の体制やスケジ

ュール等の計画は、システム安全プログラム計画書として整理することが求められます。

ハザード解析を通じて実施するハザード管理の方法を以下に示します。

(1) ハザード及びその原因の識別

対象となるシステム及びその運用に係るハザードをその被害の度合いを含めて柔軟な発想で網羅

的に抽出します。次に、抽出したハザードの原因を識別します。

(2) ハザードの除去及び制御

ハザードは先ず除去することを検討します。除去できなければ、制御します。ハザードを制御すると

は、「①ハザードを最小にする設計による制御」、及び「②運用手順による制御」の優先順位で設計若

しくは運用でハザードの発生を防止することです。

① ハザードを最小にする設計による制御

設計で制御方法を検討する際に、JAXA の安全要求に適合した設計を検討する必要があります。

以下に基本的な安全要求を紹介します。

故障許容設計(被害の度合いに対応した故障許容要求、以下は被害が人員の死亡の例。)

人の死亡や死に至る可能性のある重度の障害をもたらすレベルのハザードに関して、いかな

る 2 つの故障、または 2 つの誤操作、または 1 つの故障と 1 つの誤操作のいかなる組み合

わせが起きても、事故がおきないこと。

リスク最小化設計

故障許容設計を適用することが合理的でない場合、適切な部品・材料の選定および適切な

マージンの確保等により、発生しうるハザードが最小になるようにする。(例:必要なマージン

を持った圧力容器)

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(付録 2)

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② 運用手順による制御

設計による対処が第一に求められますが、運用による制御も認められる場合があります。運用で

きる時間余裕があるか、要員が作業できるかがポイントになります。

(3) ハザード制御方法の有効性検証

ハザードの制御が「意図したとおり機能する」ことを、試験、解析、検査、デモンストレーションの何れ

か或いはその組み合わせによって確認します。

超小型衛星システムの提案者は、各構成要素を担当する提案者と協力し、上記(1)~(3)に示したハ

ザード解析を、開発の進捗(基本設計終了段階、詳細設計終了段階、開発完了段階)に応じて※2、ハ

ザードレポートを用いて実施する必要があります。

※2 開発の過程で適切なレベルの安全解析を実施することを求めており、すでに開発が進んだ段

階でテーマとして採択されたものについて、遡って安全解析を求めるものではありません。

JAXA は実証テーマ提案者が実施するハザード解析結果に基づき、「搭載品とその運用」が「JAXA

の安全要求」に適合しており、ハザードに関するリスクが受け入れ可能なレベルに低減されていること

を、独立な立場から安全審査を行うことで確認します。安全審査は、各分野の専門家で構成された審

査員からなるパネル形式で、ハザード解析を実施した技術者からの説明をいただき、ハザードレポート

を主要な審査対象として、搭載品の開発フェーズに応じて実施します。(搭載品の複雑さに応じて、複

数のフェーズを統合した審査を実施する場合があります。)以下に、各フェーズでの審査の主要観点を

示します。

フェーズ0(概念設計段階): ハザードとその原因の識別、適用すべき基本的な安全要求の確認

フェーズ I(基本設計段階): ハザードとその原因の識別の確認、ハザード制御方法、

ハザード検証方法の確認、適用すべき詳細な安全要求の確認

フェーズ II(詳細設計段階): ハザード制御方法の設計への反映結果の確認、詳細な検証方法の

設定の確認

フェーズ III(製造完了段階): ハザードの検証完了の確認、アクションアイテムのクローズの確認

安全審査に際して、必要に応じてハザード解析の検証結果を裏付ける源泉資料(図面、解析書、試

験報告書、検査成績書等)の提示をお願いします。

以下に、これまでの経験に見られる安全上重要な事例について、基本的な対応を示しますが、安

全要求の実現方法は多様です。異なる実施方法で安全要求の趣旨に合致させることを排除するも

のではありません。

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(付録 2)

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a.機構の設計 (ハザード解析により)可動機構の予期せぬ分離や展開が他衛星システムやロケットの飛行に影

響を与える可能性が有ると評価される場合は、打ち上げ時の環境に対して適切な余裕をもった機

械的健全性を有することに加え、誤動作しないことが求められます。

b. 衛星の構造 打上げ時の環境条件により超小型衛星システムが破壊すると、他衛星システムやロケット飛行に

影響を与える可能性があると評価された場合は、事前の解析、試験で十分健全性を確認し、その

結果を提示する必要があります。

c. 爆発性危険雰囲気区域 自身の衛星のほか、他衛星やロケットがヒドラジン等の爆発性のある燃料を搭載する可能性が

あります。その場合は、万一の漏洩に備え、着火源(高温ニクロム線、非防爆リレースイッチの火花

等)が存在しない事が求められます。

d. 民生用電池 宇宙用に開発された電池以外の民生品の電池を使用する場合、打上げ時の環境で、火災、破裂

や電解液の漏洩が発生する可能性があると評価される場合は、適切な検証が必要となります。

e. 民生用のリレーやスイッチ 分離スイッチや分離後電源を入れるリレー(特に FET)等、意図しない動作がハザードの原因と

なる場合は打上げ環境(振動環境、電磁放射環境等)での健全性が求められます。とくに実績の無

い民生用のものを用いる場合は注意をする必要があります。

f. 推進系の設計 推進系の破裂や推進薬の漏洩は、人員の死傷や火災等の重大なハザードを引き起こす可能性

があります。その場合は、機械的健全性を確認することに加え、推進薬漏洩につながる誤動作を防

止すること、また、万一の漏洩の際の対応方法を予め定める等の個別の安全要求に適合する必要

があります。

g. 電波放射 地上やロケット搭載中の電波放射は、その強度や周波数によって、人員、他衛星システムやロ

ケットにダメージを与える可能性があります。その場合は、意図しない放射が発生しないことが基

本的制御です。

h. デブリ発生防止 宇宙デブリの発生を防止することは、日本のみならず、国際的に要求される事項です。計画的に

物品を放出することを避けることはもちろん、衛星の運用終了後に長期間軌道上に残ったり、破片

を生じたりしないような配慮が求められます。

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(付録 3)

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実証テーマ搭載までに提案者が行う主な作業の例 超小型衛星システム提案者の実施する作業の目安として、過去、超小型衛星を搭載した時に超小

型衛星側にて実施した主な作業例を以下に記します。

JAXA が要求するインタフェース条件、環境条件お及び安全基準等の技術要求に対して、超小型衛

星システムの適合性を確認するため、以下のような類似作業を実施することになります。

1. 試験 ・振動試験・・・飛行中の振動環境での超小型衛星システムの健全性を確認する。 ・衝撃試験・・・打上げ時及び分離時の衝撃下での超小型衛星システムの健全性を確認する。 ・熱真空試験・・・フェアリング分離後の熱真空環境での機器の健全性を確認する。

以上は原則としてエンジニアリングモデル(EM)での認定試験(QT)レベル及びフライトモデル

(FM)での受入試験(AT)レベルでの試験が必要 ・フィットチェック・・・超小型衛星システム分離部の実寸モデルを用いてロケットとの機械的、電気

的、インタフェースの適合性及び作業性を確認する。

2. 審査/調整会 ・安全審査・・・開発段階に応じて、安全管理体制及び開発が安全要求に適合していることを確認す

る。 ・適合性確認審査・・・ロケットとのインタフェース条件等へ適合していることを確認する。(打上げの

約 3 ヶ月前) ・最終確認審査・・・最終的な打上げ準備状況を確認する。(打上げ 4~7 日前) ・技術インタフェース調整会(TIM)・・・設計のインタフェース調整のために実施する。

3. 各種手続

・宇宙活動法に規定される衛星運用に必要な認可取得手続き

・無線通信規則に規定する国際周波数調整手続き・・・無線通信規則に規定される国際周波数調整

に必要な資料の総務省への提出及びその調整作業を実施する。

・無線局免許手続き・・・無線局免許を取得するために必要な申請資料の総務省への提出及びその

調整作業を実施する。

・宇宙物体登録手続き

・その他必要な官辺手続き

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(付録 3)

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4. 主な提出資料類

・インタフェース管理文書(ICD)・・・JAXA との共同作業で、ロケットと衛星システムのインタフェース

を決定する。

・環境試験実施計画書・・・環境試験実施前に試験内容を確認する。

・環境試験実施報告書・・・環境試験結果データを確認する。

・飛行解析用データ・・・ロケット側が行う飛行解析に必要とされる衛星システムの質量、重心、慣性

能率等のデータを明確にする。

・超小型衛星システム搭載時取扱い指示書・・・超小型衛星システム搭載時に作業者に必要な情報

を明確にする。

・審査会用資料・・・各審査会時における審査資料一式。

・システム安全プログラム計画書・・・システム安全に関する体制や活動計画を明確にする。

・安全データパッケージ・・・システム安全に関する解析結果やデータ及び安全審査に必要な資料を

作成し、まとめる。

・ハザードレポート・・・予想ハザードを識別し、制御方法、検証方法を明確にする。

・全体行程管理表・・・プロジェクトマネージメントのために作成・維持する。

・教育・訓練実施/参加者記録・・・射場作業のために実施した教育訓練の記録のために作成 する。

・事故報告書・・・事故発生時に JAXA 及び関係者に報告する。

・成果報告書・・・本事業の成果を報告する。

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(付録 4)

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無線通信規則に規定される国際周波数調整とは

1. 無線通信規則に規定される国際周波数調整とは 人工衛星を打ち上げて宇宙局等を運用する場合、国際電気通信連合(ITU)憲章の「無線通信規

則」に規定する国際調整手続等が必要となります。 国際調整とは、ある国が打ち上げる衛星の無線局の運用により、他国の衛星網等に対して電波の

混信を生じさせるおそれがある場合に、混信が生じないよう、事前に、無線通信規則に従って、当該国

間で電波干渉量の軽減等に関する技術的な調整を実施することをいいます。

〔参考サイト〕 ○人工衛星の無線局及び地球局の開設マニュアル

URL: http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/proc/manual/index.htm ○周波数の国際調整について

URL: http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/freq/process/freqint/index.htm

2. 国際周波数調整に当たり必要な情報の記入例 下記の記入例は上記、国際周波数調整に必要な通信系関する情報の一部であり、本応募にあたり

必要な情報です。

(1)衛星システム通信網の目的 周回衛星システム(JAXA-1 衛星)を用いた衛星システム回線による画像伝送実験および宇宙空間

での無線機器の使用実験を行う。 実験手順は以下のとおり。

①A 地球局及び B 地球局からのコマンド(CMD)により、JAXA-1 衛星システムに搭載されたカ

メラで地球・宇宙画像を撮影する。 ②衛星システムで撮影した画像を、両地球局からのコマンド(CMD)により A 地球局又は B 地

球局へ送信する(DC)。 ③JAXA-1 衛星システム内部の動作状況等を、両地球局へ送信する(TLM)。

(2)無線通信システムの系統図

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(付録 4)

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3.周波数等

記入例 1. 衛星、地球局基本情報 (1) 衛星システム名

①名称 ②略称

衛星システム 1 号 JAXA-1

(2) 地球局 ①名称(所在地)

A 地球局(北海道) B 地球局(福岡県)

2. 通信回線基本情報(周波数帯域等) (1) 衛星⇒地球 テレメトリ用 S 帯 EIRP: 20 dBW (TLM)

通信用●●MHz帯 EIRP: 20 dBW (DC) (2) 地球⇒衛星 コマンド用 S 帯 EIRP: 20 dBW (CMD)

注 1)能動センサで電波を利用する場合も、関連の周波数情報を記載すること。 注 2)上記、各パラメータ以外で既に明らかな情報については任意の様式で記載すること。

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(付録 5)

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略語集

AT : Acceptance Test (受入検査) CMD : Command (コマンド/指令) DC : Date Carrier (観測データ用搬送波) E-SSOD : Epsilon Small Satellite Orbital Deployer (キューブサット放出装置) EIRP : Equivalent Isotropic Radiated Power (or Effective Isotropic Radiated

Power) (等価等方幅電力、(または実行放射(あるいは輻射)電力)) EM : Engineering Model (エンジニアリングモデル/寸法・重量・電気設計評

価モデル) FM : Flight Model (フライトモデル/搭載モデル) GSE : Ground Support Equipments (地上支援装置) ICS : Interface Control Specification (インタフェース管理仕様書) JAXA : Japan Aerospace Exploration Agency (宇宙航空研究開発機構) QT : Qualification Test (確認試験) TIM : Technical Interface Meeting (技術インタフェース調整会) TLM : Telemetry (テレメトリ/遠隔計測) TKSC : Tsukuba Space Center (筑波宇宙センター) USC : Uchinoura Space Center (内之浦宇宙空間観測所)

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(付録 5)

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用語集 超小型衛星システム :JAXA が公募する実証テーマのうち、超小型衛星形態のもの 小型実証衛星 :JAXA が公募する実証テーマのうち、部品・コンポーネント・サブシステムを

搭載する衛星 調整委員会 :JAXA の公募する相乗り機会を日本全体として公募選定の仕組みを調整

する JAXA 内部に設置された JAXA 内外委員からなる会議 選定評価委員会 :調整委員会の内部に設置され、審査・選定における審査項目に示す評価

ポイントに従って、実証テーマの選定のための評価を行う委員会。 サクセスクライテリア (成功基準)

:ミッション目標に対する達成の度合いを計るための基準。設定するサクセ

スレベルの目安を以下に示す。 【フルサクセス(100 点(優)のイメージ)】 予定していた要求を満たし、計画通りの成果を得る。 【ミニマムサクセス(60 点(可:合格)のイメージ)】 フルサクセスには至らないが最低限のミッション要求を満たす。 【エクストラサクセス(100 点越え(秀)のイメージ)】 フルサクセスを越えて成果を得る。

デジタル開発 :情報技術を活用し、設計・試作・製造を低コストかつ効率的に行う開発プロ

セス。 宇宙活動法 :人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律(平成 28 年法律

第 76 号) 衛星リモセン法 :衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律(平成

28 年法律第 77 号)