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発表論文 タイトル – 「ユースケースポイント計測におけるアクタと ユースケースの自動分類の試みと支援ツールの試作」 著者 津田道夫、楠本真二、松川文一、山村知弘 出典 電子情報通信学会論文誌. D, Vol.J91-D,2008 pp.956-965 0

2008 電子情報通信学会論文誌-ユースケースポイント計測におけるアクタとユースケースの自動分類の試みと支援ツールの試作

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Page 1: 2008 電子情報通信学会論文誌-ユースケースポイント計測におけるアクタとユースケースの自動分類の試みと支援ツールの試作

発表論文

• タイトル

– 「ユースケースポイント計測におけるアクタと

ユースケースの自動分類の試みと支援ツールの試作」

• 著者

–津田道夫、楠本真二、松川文一、山村知弘

• 出典

–電子情報通信学会論文誌. D, Vol.J91-D,2008

pp.956-965 0

Page 2: 2008 電子情報通信学会論文誌-ユースケースポイント計測におけるアクタとユースケースの自動分類の試みと支援ツールの試作

概要

• 目的:ソフトウェア開発の早期段階で、

開発規模の見積りを行うため

• 手法:ユースケースポイント計測ツールを作成

• 結果:ユースケースモデルに適応し、

適応可能性を確認

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背景1

• ファンクションポイント法(FP法)

– ソフトウェアの機能規模を測定する手法の1つ

–入出力、インターフェイスなどの数をカウント

–開発工数の見積りに利用

開発プロセスが

設計段階まで進んでいる必要がある

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背景2

受注競争が激化・開発期間が短期化

より早期の段階で、見積りを行いたい

ユースケースポイント法を使用

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ユースケースポイント法(UCP法)

1:アクタ・ユースケースの重み付け

2:未調整ユースケースポイントの算出

3:技術要因・環境要因による調整

4:ユースケースポイントの算出

5:工数の見積り4

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アクタの分類と重みづけ

1. アクタ名による分類

人間・外部システムを判断

• 名前の語尾に

「システム」

「サーバ」 など

が付いていれば外部システム

• そうじゃなければ人間

2. キーワードによる分類

単純・平均的・複雑を判断

• アクタが行う処理を

キーワードとして設定

アクタ

外部システム 人間

平均的 複雑平均的単純

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ユースケースの分類と重みづけ

1. 形態素・係り受け解析により、

イベント候補を抽出

2. イベントに対する動詞を分類

3. トランザクションを判定

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Page 8: 2008 電子情報通信学会論文誌-ユースケースポイント計測におけるアクタとユースケースの自動分類の試みと支援ツールの試作

1. イベント候補の抽出

• ユースケース記述のイベントフローから、

トランザクションになり得るイベントを抽出

「南瓜」を使い、

イベントフロー中の名詞・動詞の情報を入手

助詞などをチェックし、主語・目的語を判定

主語がアクタとシステムのものをイベント候補に7

Page 9: 2008 電子情報通信学会論文誌-ユースケースポイント計測におけるアクタとユースケースの自動分類の試みと支援ツールの試作

2. イベントに対する動詞を分類

主語と述語の対応がとれても、

必ずトランザクションになるとは限らない

動詞をアクタ入力・システム出力に分ける

さらにアクタ入力を、

A:主アクタへの応答の動詞(例:入力する など)

B:別システムへの入力を想定させる動詞(例:送信する など)

に分ける 8

Page 10: 2008 電子情報通信学会論文誌-ユースケースポイント計測におけるアクタとユースケースの自動分類の試みと支援ツールの試作

3. トランザクションの判定

• 1トランザクション

–主アクタのシステムに対する要求

–システムの応答

• ただし、対象イベントがトランザクション開始の可能性

がある場合

–その前の行の動詞がA:

→まだ入力処理の途中

–その前の行の動詞がB・その他:

→トランザクションの始まり 9

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工数見積り支援ツール

1. XMI解析部:

ユースケースモデルから、アクタ、

ユースケース、イベントなどを抽出

2. シナリオ解析部:

アクタ・ユースケースのタイプ分類を行い、

未調整ユースケースポイント算出

3. 要因評価部:

技術要因・環境要因に対し評価

4. UCP測定部:

ユースケースポイント値・工数[人/時]を算出

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評価方法• 以下の

–実際のプロジェクトで作成されたユースケースモデル

–キーワードリスト

を使い、ツールと手作業により決定された

–アクタの分類結果

–ユースケースの分類結果

–総トランザクション数

を比較

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評価結果と考察

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• アクタの分類結果

ほぼ一致

A,Bが0.8なのは、

アクタが外部システムで

情報が不明確だったから

• ユースケースの分類結果

ほぼ完全一致

Cが0.9なのは、

「単純」「平均的」の境界を

挟むユースケースが2つ

あったから

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まとめ

UCP法を使うと、FP法より早い段階で工数の見積もりを行える

UCP計測ツールを作成

ユースケースモデルへの適応結果から、実用可能性を示した

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私見

• 長所

–単純にイベントフロー数をカウントせず、解析・分類を行った

–評価結果が良くなるまで何回も、ツールを推敲しているように感じられる

• 短所

–どの部分が自動で、どの部分が手動なのかが明確でない(システムの実行画面を載せるべき)

–評価ではUCP法で出された工数と、FP法で出された工数を比較するべき

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