国際会議において海外の研究者らに提供した東北 I L C 専用の カンファレンスバック(170枚提供) 16 岩手経済研究 2015 年2月号

1500073 p16 232015年1月 レセプションで歓談するlcc最高責任者リン・ エバンス氏(左から2人目)と達増岩手県知事(右)、谷村会長(左)

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ILCへの期待と課題(第5回)

国際リニアコライダー(ILC)の実現にむけて

岩手県ILC推進協議会 

会長     

谷 

村 

邦 

 (盛岡商工会議所会頭、岩手県商工会議所連合会会長)

2014年2月の本シリーズ第1回に続き、

「国際リニアコライダー(ILC)の実現にむけ

て」と題し、昨年1年間の当協議会を中心とした

様々な活動を振り返るとともに、政府をはじめ

とした関係各方面の動きをご紹介いたします。

引き続きILC誘致実現にむけて積極的な活

動を展開してまいりますので、読者の皆様方に

は、当協議会の活動に対する更なるご理解とご

支援をお願い致します。

世界の科学者が候補地北上サイトへ!

2014年、ILC建設候補地で国際学会が

3回開催され、委員会の視察も1回行われまし

た。

当協議会はそれぞれの学会や視察を積極的に

支援。歓迎レセプション等で岩手の良さをア

ピールし、さらに世界の研究者の皆様に東北I

LC専用のカンファレンスバックをプレゼント

しました。世界の科学者からは、候補地が自然

豊かな環境にあり既存の街から近いことや、食

事がとてもおいしくILC実現にむけた熱意が

非常に高いことなど、岩手を称賛していただい

ております。

①MDI‐CFS会議

ILCのMDI部門(衝突点付近の設計を

担う部門)とCFS部門(施設関係の設計を

担う部門)が合同で、現地に特化した衝突地

点付近の設計を進めることが主なテーマ。

シリーズ

国際会議において海外の研究者らに提供した東北ILC専用のカンファレンスバック(170枚提供)

16岩手経済研究 2015 年2月号

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シリーズ ILCへの期待と課題

2014年9月4日〜6日 

参加者:32名 

主会場:一関市立図書館、現地視察 

②ILD会議

ILD(ILCで行う電子と陽電子の衝突

実験を測定する装置)グループがこれまで進

めてきた測定器の設計をさらに完成にむけて

検討することと、これからの活動にむけて組

織をより強固なものへと変えていくことが主

なテーマ

2014年9月6日〜9日

参加者:約80名

主会場:水沢グランドホテル、プラザイン水

沢、現地視察

(①、②ともにILC国際推進組織であるリ

ニアコライダーコラボレーション(LCC)

と測定器グループであるILDグループなら

びに東北大学の共催)

  

③ILCワークショップPosipol 2014

 (実施主体:KEK、岩手大学)

偏極陽電子源、高強度の陽電子源、X線/

ガンマ線源及びその応用の問題について活発

な議論。陽電子源の技術・研究開発はILC

の実現に極めて重要。 

2014年8月27日〜29日

参加者:34名

主会場:一関市立図書館

④CERN‐KEK委員会北上サイト視察

 

2014年11月20日

参加者

CERN:R

udiger Voss

広報部長、F

ido

Dittus

広報官

KEK:徳宿先生、山本明先生

東北大:吉岡先生、佐貫先生ほか

※CERN:欧州原子核研究機構

 

KEK:高エネルギー加速器研究機構

主会場 

現地視察、プラザイン水沢

協議会の玉山副会長が意見交換会に出席

し、受け入れ体制整備にむけた地元の積極的

な活動をアピール。

LCCが再び候補地の視察へ

さらに2015年1月13日には、LCCの最

高責任者であるリン・エバンス氏、ハリー・

ウィーツ氏、マキシン・フロネク氏、マイク・

ハリソン氏、スティナー・ステイプネス氏、ブ

ライアン・フォスター氏ほか主要メンバーが一

昨年に引き続き来県。ILC建設時の重量物を

陸揚げする港湾と機材の物流ルート、北上山地

の地形、インフラなどを視察しました。一関市

2014年9月 建設候補地周辺視察の様子(写真提供:岩手県政策地域部科学ILC推進室)

17 岩手経済研究 2015 年2月号

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のレストラン「世嬉の一」で開催された当協議

会主催のレセプションで「子どもたちに夢と希

望を与えるILCの実現にむけて活動は正念場

であり、関係する皆様方と手を取り合い、総力

を挙げて取り組みたい」との私の挨拶に対し、

エバンス氏からは「被災地の復興状況に感心し

た。科学的側面から、北上山地が世界で唯一の

完璧な候補地である。地元の皆様の熱意とおも

てなしに感動している。日本政府が早期に誘致

を決定するよう支援したい。」と述べられまし

た。LCCの方々と達増知事、千葉県議会議長、

勝部一関市長、小沢奥州市長とともに活発な歓

談・交流を行い、固い握手を交わしました。

大学、研究機関等との連携が加速化!

2014年は、産学官連携そしてKEK、先

端加速器科学技術推進協議会(AAA)等との

積極的な連携が加速化された1年でした。

①地元大学でのILC関連セミナーの開催

・岩手大学:「加速器連続セミナー」年6回

会場:岩大銀河ホールほか

・岩手医科大学:「加速器科学の医療応用セミ

ナー」(岩手医大・岩手大の共催) 

会場:岩手医大矢巾キャンパス

・岩手県立大学:公開講座「ILC

セミナー」

 

会場:岩手県立大学講堂

②(公財)いわて産業振興センターとKEKの

連携岩

手県から受託し、加速器関連の製造工程

を分析し、工程ごとに求められる技術や必要

となる機械・設備等の内容を調査・報告。

・「加速器関連産業参入セミナー」2回

2014年10月28日 

2015年2月16日(予定)

講師:KEK 

山中先生、早野先生、山本明

先生ほか

③岩手県工業技術センターとKEKの連携

・「ILC展示紹介コーナー」の設置

2014年10月4日(一般公開デー)

2015年1月 レセプションで歓談するLCC最高責任者リン・エバンス氏(左から2人目)と達増岩手県知事(右)、谷村会長(左)

2014年10月 岩手県工業技術センター一般公開デー「ILC展示紹介コーナー」での研究者による解説

18岩手経済研究 2015 年2月号

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シリーズ ILCへの期待と課題

内容:1回30分、計6回

KEK広報室藤本順平氏、ILC推進準備

室髙橋理佳氏がILCや加速器、素粒子につ

いて解説。来場した親子連れらが理解を深め

る。

④産学官が連携した先進地視察

・つくば:KEK及び関連企業等視察会

2014年2月18日〜19日 

参加者:47名

・千葉県柏市:柏の葉スマートシティ国際

 

キャンパスタウン視察会

2014年3月7日 

参加者:32名

・兵庫県:日本最大の放射光施設 SPring-8

(播磨科学公園都市内)視察会

2014年7月25日〜26日  

参加者:29名

・つくば:KEK産業視察会

2014年9月9日 

参加者:40名

これらの視察では、ILCで使われる実際

のモジュールや工作機械などの見学、加速器

の産業応用への理解と地元企業の参入状況、

さらには外国人の研究施設などまちづくりの

面も含めて産学官が連携して調査・研究を行

う。

 ⑤

AAAとの連携

・AAAの取組みとILCに関するものづくり

セミナー

2014年8月22日

会場:盛岡商工会議所

参加者:60名

講師:AAA事務局長 

松岡雅則氏ほか

・先端加速器科学技術推進シンポジウム

2014

in

東北

2014年8月23日 

会場:奥州文化会館大ホール

参加者:約800名

講師:KEK機構長鈴木厚人氏、日本創成会

議座長増田寛也氏、東京大学素粒子物理国際

研究センター准教授山下了氏

・AAA事務局訪問

2014年12月12日 

谷村会長、玉山副会長、廣田理事らが、AA

A事務局がある㈱三菱電機本社を訪問し、協

議会の活動状況を説明、積極的な連携を依頼。

岩手大学学長の故堺茂樹先生が取り組まれた

岩手大学の2016年4月の組織再編案では、

工学部を理工学部に拡充し、物理などに興味を

持つ高校生の受け皿としている。さらにKEK

と、共同研究・教育の相乗効果を高めるための

連携・協力に関する協定書を締結。

また、岩手県立大学では、2015年4月、

2014年7月 日本最大の放射光施設SPring-8(兵庫県)視察の様子

19 岩手経済研究 2015 年2月号

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これまで積極的なご支援をいただいた中村学長

から鈴木KEK機構長に学長職が引き継がれる

こととなっており、KEK、AAAとの連携な

ど、ILC実現にむけた活動へのご指導と強力

な産学連携が図られるものと期待している。

協議会活動は躍動感を持って!

昨年の協議会は、実現に向けてステップアッ

プした1年。講演会だけではなくさまざまな事

業を展開。ホームページのリニューアルやPR

グッズの製作など広報活動にも力を注いだ。

主な講演会活動

・県民集会

2014年6月26日

会場:岩手県民会館中ホール

「宇宙の始まりに素粒子で迫る」

東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構

機構長 

村山斉氏

「ILCの社会的役割」

東京大学素粒子物理国際研究センター

センター長 

駒宮幸男氏

「ILCの現状と未来に向けて」

ILC戦略会議 

議長 

山下了氏

 ・学生むけ講演会

「ドイツ 

マインツ大学 

齋藤武彦教授」に

よる巡回特別授業

2014年5月17日〜24日、11月22日〜29日

盛岡市、奥州市、一関市、北上市、大槌町、

釜石市、山田町、野田村、久慈市、陸前高田

市、住田町の小・中・高校・住民講座等 

28

講座

 ILCの研究者の方々が来県され、ご講演い

ただくたびに熱心な意見交換がなされており、

先生方からは、地元の熱意に感嘆の声があがっ

ている。特にも村山、駒宮、山下先生という世

界の誘致活動の第一線で活躍されているお三方

を講師に迎えた講演会は、各方面から高い評価

をいただき、実現にむけた大きな一歩を踏み出

すことができた。

② 

広報活動

・推進協議会HPのリニューアル(H26・6月)

および英語版の作成・公開による世界への発

ILC応援用ポロシャツと岩手県印刷工業組合・盛岡広域振興局との共同事業による年賀状

20岩手経済研究 2015 年2月号

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シリーズ ILCへの期待と課題

信(H26・10月)

・ILC応援ポロシャツの作成

協議会取りまとめ分…約100枚/岩手

県・一関市・奥州市…約600枚

・ILC建設実現PR年賀状の作成・販売

 

2万8000枚

(岩手県印刷工業組合・岩手県盛岡広域振興

局との共同事業)

・岩手県盛岡広域振興局と連携した普及・啓発

活動デ

ザインをリニューアルし横断幕(合庁)、

のぼり(250枚)、卓上のぼり(1200枚)、

ポスター(1600枚)を作成・配布

・PR活動に係るグッズの提供

「銀河プラザ」(首都圏)等でのPR活動の

ため、標準理論クリアファイルを作成・配付

盛岡商工会議所ILC実現検討会議が

提言書を作成

2013年12月25日、盛岡商工会議所では、

ILC建設実現にむけた課題について、県都盛

岡市として必要な各種調査・研究等を行うこと

を目的として「ILC実現検討会議」を設置し

ました。

以来、ILC実現にむけどのような役割を果

たしていくべきか、盛岡商工会議所の8つの常

設委員会が民間の発想とスピード感を持って可

能な限り多くの課題について検討を加え、

2014年9月に提言書をとりまとめました。

本提言書は、ILCの実現をめざし盛岡市、

岩手県の未来の創造にむけて、めざすべき地方

都市の姿のひとつとしてまとめたものでありま

す。2015年は、これら8つの提言を行政、

大学、関係団体との連携を強めながら、進行管

理を徹底し、提言書の実行にむけて積極的に取

り組んで行く所存です。(提言書の概要は23ペー

ジに掲載)

実現にむけた要望活動もレベルアップ!

2014年も活発な要望活動を展開しまし

た。増

田寛也日本創成会議座長(前知事)には、

機会あるごとにILCの最新の状況など中央の

情報を伺いつつ、推進協議会としての活動のあ

り方について、1年を通してご意見をいただい

てまいりました。2015年2月2日の盛岡商

工会議所90周年記念行事では講師をお願いして

おります。

ILC実現検討会議提言書表紙に描かれた『ILC中央キャンパス』イメージ図

盛岡商工会議所ILC実現検討会議で作成した提言書

21 岩手経済研究 2015 年2月号

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河村建夫ILC建設推進議員連盟(議連)会

長とは数回お会いしておりますが、2014年

9月に北上で開催された第35回全日本マスター

ズ陸上競技選手権大会に来県された折にも長時

間にわたり懇談いたしました。同年11月の東京

での要望時には、実現検討会議の提言書を手交。

河村先生から「地元の大変な尽力に敬意を表し

たい。議連もしっかりとした活動をお約束す

る。」という言葉を頂戴しました。

また、同議連の小坂憲次・鈴木俊一両副会長、

塩谷立幹事長をはじめ大島理森復興加速化本部

長、東北6県の自民党県連会長、復興庁、文部

科学省に対して数回にわたり要望活動をしてお

ります。さらに昨年からは、ILCが産業のイ

ノベーションを加速させるという観点から、東

北経済産業局や中小企業庁を訪問し理解を求め

ております。

このように要望活動も幅広く行い、東北から

オールジャパンを見据えた活動にレベルアップ

して、日本再生の役割を担う国家プロジェクト

として位置づけられるよう尽力しております。

ILCの実現は皆様とともに

文部科学省(文科省)では、副大臣を座長と

するILCタスクフォースを設置し、土屋定之

文部科学審議官をトップに、嶋崎政一素粒子・

原子核研究推進室長のチームが推進していま

す。2013年の日本学術会議の答申を受け、

専門的見地から議論を行うため、2014年5

月にILCに関する有識者会議を設置し、現在

その下で、計画の科学的意義や役割などを検討

する部会と、事業費などを検証する部会とで検

討を進めています。

米国や欧州との交渉も始まっており、世界か

らILC実現に向けた日本のリーダーシップに

期待が集まっている2015年こそ、日本政府

として正式にILC日本誘致の方針を決定し、

世界の合意を取り付けられるよう働きかけを強

化していかなければなりません。 

また、私たちにとりましてもILC誘致が最

終目的ではなく、そこから岩手・東北をどう変

えていくかが非常に重要であります。

世界の研究者とその家族の方々が岩手の人々

と交流し、美しい自然、豊かな文化、美味しい

食材、ホスピタリティあふれた東北の人々の笑

顔を世界に発信できるよう努めなければなりま

せん。

子どもたちに夢や希望を与え、未来を創造し

ていくため、2015年をまさに「取りに行く

年」として決意し、活動してまいります。

2014年11月 ILC実現検討会議提言書を受けとる河村建夫議連会長(中央)と谷村会長(左)、盛岡商工会議所廣田専務理事(右)

22岩手経済研究 2015 年2月号

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シリーズ ILCへの期待と課題

Ⅰ 関係機関との連携にむけて提言1 行政・大学・研究機関・産業界からなるオール

いわての推進       (総務政策委員会)ILCは世界にただ一つ建設される基礎科学の研究

拠点であり、真の国際拠点となる。ILCは岩手のみならず東北全体の復興ひいては日本の再生にもつながる国際プロジェクトであることから、オールいわての体制が整備され、東北一丸およびオールジャパンへと気運を醸成させるかが重要である。そのために私どもはILCを実現することの意義を行政・大学・研究機関・産業界がよく理解し、それぞれが有する資源・機能を有効に活用、連携できるように本提言を推進していく。

Ⅱ まちづくりにむけて提言2 未来にむけたグローバル都市〜暮らしやすいま

ちづくりと知の拠点〜をめざして(まちづくり委員会)

「豊かな自然環境」「地域の文化・まち並み」と融合したまちづくりをめざし、研究者らが安心して生活できるような住環境や、国際コンベンションを開催するための施設・体制等を整備するとともに、自然・歴史・文化・食材等を満喫できる多様なアクティビティーを提供する都市の整備を進める。また、産学官連携による新産業創出等を促進し、持続的に成長する「知の拠点機能」を持つ都市づくりを行う。提言3 再生可能エネルギーを利用した環境にやさしい

まちづくり      (環境問題特別委員会)「環境にやさしいまち」をめざし、再生可能エネルギーを利用したまちづくりを推進する。化石燃料エネルギーから再生可能エネルギーへの代替を進め、地域内で資源が循環する「エネルギーの地産地消」を促進するとともに、東日本大震災津波のような災害に左右されない自立したエネルギー体系の確立したまちづくりを推進する。

Ⅲ 外国人対応にむけて提言4 自然と科学が織りなす国際的な歴史・文化都市

「MORIOKA」へ      (観光国際委員会)外国人が安心して生活できるような「国際都市MORIOKA」をめざす。そのため、「来訪者を導く」、「案内する」ことを念頭に、盛岡市内に掲示されるサイン類の見直し、WiFi設備の充実、ボランティアガイドの育成などを行う。さらに、国際都市「MORIOKA」を世界にアピールするための新たなイメージづくりを行う。提言5 外国人研究者が研究に専念できる生活環境    と家族がなじめる地域づくり                  (税制問題特別委員会)外国人研究者とその家族が安心して快適な暮らしを

《盛岡商工会議所ILC実現検討会議提言書の概要》

未来にむけてグローバル都市の実現をめざそう!!

  〜 世界から集まってくる人々が笑顔あふれる暮らしをおくられるように、                 世界に岩手・盛岡らしさを発信していこう 〜

おくることができるよう、居住・生活全般・医療・教育・交通等各分野の環境整備に取り組む。また、ILCを国際的な地域社会を創造する大きな機会ととらえ、身近な文化交流を経て将来の「国際交流都市」への発展をめざし、次代を担う若者や子供を中心とした様々な国際交流を推進する。

Ⅳ 企業の参入にむけて提言6 国家戦略特区構想に関連した生活基盤の確立

と地元企業の参入にむけて        (中小企業振興委員会)

国家戦略特区申請を念頭におきながら、外国人研究者の金融取引にかかわる信用保証への対応、国内未認可医薬品への対応、外国人子弟の国内未認可医薬品への対応、外国人子弟の教育体制の拡充など、外国人研究者等の生活全般の利便性を向上させる。研究施設等のアウトソーシング業務について、研究施設等と地元企業双方向の各種の情報交換を行い、地元企業主体の研究会を組織するなど、地元企業の受注を進める環境づくりを行う。研究開発分野における研究者のニーズと地元企業の技術のマッチングを目的とする情報統合ポータルサイトの新設、見本市等の開催により地元企業の参入機会の拡大を促進する。提言7 意欲ある地元企業が参入するための仕組みづく

りと加速器関連産業の集積にむけて             (産業育成特別委員会)ILCの建設や運用に伴う業務に地元企業が参入することは、地元企業の技術力や信用力を高め、地域に新たな雇用や産業を生み出すきっかけとなるほか、加速器関連産業が集積することは、次世代の新技術や新産業の土台を作り、高い成長力につながるものである。そのためには、地元企業が参入できる分野や可能性、障壁等を把握し、参入機会を検討・拡大するとともに、企業誘致のための環境整備や誘致企業のニーズに応えられるような産学官の連携と人材の高度化を進めていく。

Ⅴ 広報戦略にむけて提言8 ILCのブランド化と世界にむけた岩手    ブランドの魅力発信         (盛岡ブランド創出特別委員会)岩手県民がILCと地域の関わりを深く知り、将来を担う子どもたちに夢と希望を与えるILCのブランド化にむけた活動を展開する。ILCについて積極的に学ぶことができるよう体験型学習施設等を利用したILCの情報発信拠点を設ける。ILCの実現を契機に、岩手・盛岡の魅力とおもてなしの精神を全世界に発信する。

23 岩手経済研究 2015 年2月号