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1 / 12 三協化学株式会社 SDS TBA(ターシャリーブタノール) 安全データシート(SDS) TBA(ターシャリーブタノール) 作成日 2018 年 11 月 1 日 1.化学物質等及び会社情報 化学物質等の名称:ターシャリーブタノール 会社名 :三協化学株式会社 住所 :〒461-0011 愛知県名古屋市東区白壁 4 丁目 68 番地 電話番号 :052-931-3111 FAX番号 :052-931-0976 緊急連絡先 :052-931-3111 担当部門 :技術部 中村 喜一郎 推奨用途 :工業用の溶剤、洗浄剤。 2.危険有害性の要約 GHS分類 物理化学的危険性 可燃性個体 区分1 健康に対する有害性 急性毒性(経口) 区分5 皮膚腐食性・刺激性 区分3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 生殖毒性 区分2 特定標的臓器 全身毒性(単回曝露) 区分3(麻酔作用、気道刺激性) 環境に対する有害性 絵表示又はシンボル 注意喚起語 危険。 危険有害性情報 可燃性固体。 飲み込むと有害のおそれ。 軽度の皮膚刺激。強い眼刺激。 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い。 眠気又はめまいのおそれ。呼吸器への刺激のおそれ。

1 / 12 SDS TBA( 安全データシート TBA ターシャ …2 / 12 三協化学株式会社 SDS TBA(ターシャリーブタノール) 注意書き【安全対策】 すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。

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三協化学株式会社 SDS TBA(ターシャリーブタノール)

安全データシート(SDS)

TBA(ターシャリーブタノール)

作成日 2018年 11 月 1日

1.化学物質等及び会社情報

化学物質等の名称:ターシャリーブタノール

会社名 :三協化学株式会社

住所 :〒461-0011 愛知県名古屋市東区白壁 4丁目 68番地

電話番号 :052-931-3111

FAX番号 :052-931-0976

緊急連絡先 :052-931-3111

担当部門 :技術部 中村 喜一郎

推奨用途 :工業用の溶剤、洗浄剤。

2.危険有害性の要約

GHS分類

物理化学的危険性 可燃性個体 区分1

健康に対する有害性 急性毒性(経口) 区分5

皮膚腐食性・刺激性 区分3

眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A

生殖毒性 区分2

特定標的臓器 全身毒性(単回曝露) 区分3(麻酔作用、気道刺激性)

環境に対する有害性

絵表示又はシンボル

注意喚起語 危険。

危険有害性情報 可燃性固体。

飲み込むと有害のおそれ。

軽度の皮膚刺激。強い眼刺激。

生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い。

眠気又はめまいのおそれ。呼吸器への刺激のおそれ。

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三協化学株式会社 SDS TBA(ターシャリーブタノール)

注意書き【安全対策】

すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。

この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。

熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。

防爆の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。

静電気放電や火花による引火を防止すること。

個人用保護具や換気装置を使用し、曝露を避けること。

保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。

ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。

取扱い後はよく手を洗うこと。

環境への放出を避けること。

【救急処置】

火災の場合には適切な消火方法をとること。

吸入した場合:空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。

吐かせないこと。気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合:無理して吐かせないこと。直ちに医師の診断、手当てを受けること。

眼に入った場合:水で数分間、注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易に外せる場合

は外して洗うこと。眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚(又は毛髪)に付着した場合:直ちにすべての汚染された衣類を脱ぎ、多量の水と石鹸で

洗うこと。

曝露又はその懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。

【保管】

容器を密閉して涼しく換気の良いところで施錠して保管すること。

【廃棄】

内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。

国/地域情報 15.適用法令の項を参照。

3.組成、成分情報

化学名又は一般名 ターシャリーブタノール

別名 ターシャリーブチルアルコール

化学式 C4H10O

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三協化学株式会社 SDS TBA(ターシャリーブタノール)

構造式

CAS番号 75-65-0

官報公示整理番号 2-3049

分類に寄与する不純物及び安定化 情報なし。

濃度 99.0%以上。

4.応急措置

吸入した場合

被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合

汚染された衣類を脱ぐこと。皮膚を速やかに多量の水と石鹸で洗浄すること。

皮膚刺激が生じた場合や気分が悪い時は医師の診断、手当てを受けること。

汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。

目に入った場合

水で数分間、注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。

その後も洗浄を続けること。眼の刺激が持続する場合や気分が悪い時は医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合

口をすすぐこと。吐かせないこと。医師の診断、手当てを受けること。

予想される急性症状及び遅発性症状

麻酔作用があり、肝臓、腎臓及び心臓に対して有害な作用を及ぼす。咳、咽頭痛、悪心、吐き気、頭痛、

めまい、意識喪失。

最も重要な兆候及び症状

めまい、頭痛、吐き気。

応急措置をする者の保護

救助者は、状況に応じて適切な保護具を着用する。

医師に対する特別注意事項

症状は遅れて発現することがあり、過剰に曝露したときは医学的な経過観察が必要である。

5.火災時の措置

消火剤:小火災:二酸化炭素、粉末消火剤、散水、耐アルコール性泡消火剤。

大火災:散水、噴霧水、耐アルコール性泡消火剤。

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三協化学株式会社 SDS TBA(ターシャリーブタノール)

使ってはならない消火剤:棒状注水。

特有の危険有害性

火災によって刺激性、毒性、又は腐食性のガスを発生するおそれがある。

燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。加熱により容器が爆発するおそれがある。

引火性の液体及び蒸気である。

特有の消火方法

散水によって逆に火災が広がるおそれがある場合には、上記に示す消火剤のうち、散水以外の適切な消火剤

を利用すること。

散水以外の消火剤で消火の効果がない大きな火災の場合には散水する。

危険でなければ火災区域から容器を移動する。移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。

消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。

消火を行う者の保護

消火作業の際は、空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。風上から消火する。

6.漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

作業者は適切な保護具(8.曝露防止及び保護措置の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの

吸入を避ける。漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。

直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。関係者以外の立入りを禁止する。

漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。風上に留まる。

低地から離れる。密閉された場所に入る前に換気する。

環境に対する注意事項

排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。環境中に放出してはならない。

回収

少量の場合、乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。後で廃棄処理する。

少量の場合、吸収したものを集めるとき、清潔な帯電防止工具を用いる。

大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いて回収する。

大量の場合、散水は、蒸気濃度を低下させる。しかし、密閉された場所では燃焼を抑えることが出来ない

おそれがある。

封じ込め及び浄化方法と機材

危険でなければ漏れを止める。漏出物を取扱うとき用いる全ての設備は接地する。

蒸気抑制泡は蒸発濃度を低下させるために用いる。

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三協化学株式会社 SDS TBA(ターシャリーブタノール)

二次災害の防止策

すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。

排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

蒸気発生の多い場合は、噴霧注水により蒸気発生を抑制する。関係箇所に通報し応援を求める。

7.取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策

常温(20℃)では個体であるが温度の上昇(25℃以上)により液体に変化する。

電気設備及び工具は防爆型の物を使用し、静電気放電に対する予防措置を講ずること。

周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。-禁煙。

『8.曝露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。

静電気対策のために、装置、機器などの接地を確実に行う。

局所排気・全体換気

『8.曝露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行なう。

液の漏洩や蒸気の発散を極力防止する。

安全取扱注意事項

すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。

周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。眼への刺激性があるので眼に触れないようにする。

眠気又はめまい、呼吸器の刺激、器官の損傷のおそれがあるので、本製品に接触、吸入、飲み込みを

してはならない。

容器を転倒させ、落下させ、衝撃を加え、又は引きずるなどの取扱いをしてはならない。

ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。

眼に入れないこと。接触、吸入又は飲み込まないこと。

取扱い後はよく手を洗うこと。屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。

接触回避

『10.安定性及び反応性』を参照。

保管

技術的対策

保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。

保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。

保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。

保管場所の床は適当な傾斜をつけ、かつ、適当な溜升を設けること。

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三協化学株式会社 SDS TBA(ターシャリーブタノール)

保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。

保管条件

熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。-禁煙。

冷所、換気の良い場所で貯蔵すること。酸化剤から離して保管する。

容器は直射日光や火気を避けること。

容器を密閉して換気の良いところで貯蔵すること。

指定数量1/5以上の量は危険物貯蔵所以外の場所でこれを貯蔵してはならない。施錠して貯蔵すること。

混触危険物質

『10.安定性及び反応性』を参照。

容器包装材料

消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.曝露防止及び保護措置

管理濃度 設定されていない。

日本産衛学会(2015年版) 50ppm 150mg/m3

ACGIH(2013年版) TLV-TWA 100ppm

設備対策

防爆の電気、換気、照明機器を使用すること。

静電気放電に対する予防措置を講ずること。

この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。

空気中の濃度を曝露限度以下に保つために排気用の換気を行なうこと。

「火気厳禁」、「関係者以外立入禁止」等の必要な標識を見やすい箇所に掲示すること。

安全管理のため状況に応じて、ガス検知器等を設置する。

保護具

保護具は保護具点検表により定期的に点検する。

呼吸器の保護具

適切な呼吸器保護具(防毒マスク(有機ガス用)、高濃度の場合、送気マスク空気呼吸器、)を着用すること。

手の保護具

保護手袋を着用すること。

眼の保護具

眼の保護具を着用すること。

皮膚及び身体の保護具

保護長靴、耐油性(不浸透性・静電気防止対策用)前掛け、防護服(静電気防止対策用)等保護具を着用すること。

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三協化学株式会社 SDS TBA(ターシャリーブタノール)

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質

物理的状態、形状、色など 無色透明液体。

臭い 樟脳類似臭。

pH データなし。

融点・凝固点 25℃

沸点、初留点及び沸騰範囲 83℃

引火点 11℃

爆発範囲 下限 2.4vol%、上限 8.0vol%

蒸気圧 40.7KPa(25℃)

蒸気密度(空気=1) 2.6

比重(密度) 0.789(20/4℃)

オクタノール/水分配係数 log Pow = 0.35

自然発火温度 470℃

蒸発速度(酢酸ブチル=1) データなし。

粘度 データなし。

10.安定性及び反応性

安定性

通常の取扱いにおいては安定である。流動、撹拌などにより、静電気が発生することがある。

危険有害反応可能性

強無機酸、強酸化剤と接触すると火災や爆発の危険を生じる。

避けるべき条件

加熱。

混触危険物質

強無機酸、強酸化剤。

危険有害な分解生成物

燃焼により一酸化炭素、二酸化炭素を生じる。

11.有害性情報

急性毒性(経口)

ラットの LD50値として、2,298 mg/kg (雌)、3,046 mg/kg (雄) (NITE 有害性評価書 (2007))、

3,500 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、NTP TR436 (1995)、NTP TR53 (1997)、PATTY (6th, 2012))、

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2,200-3,500 mg/kg (DFGOT vol. 19 (2003))

区分5 飲み込むと有害のおそれ。

急性毒性(経皮)

ウサギ LD50:> 2,000 mg/kg (NITE 有害性評価書 (2007)、PATTY (6th, 2012)) 。

ウサギ LD0:2,000 mg/kg(DFGOT vol.19. (2003))。

区分外とした。

区分外

急性毒性(吸入:蒸気)

ラット LC50:> 10,000 ppm/4h(雌雄)(NITE 有害性評価書(2007)、>14,100 ppm/4h(PATTY(6th, 2012))。

区分外

皮膚腐食性・刺激性

DFGOT vol. 19 (2003) には、ウサギに無希釈の試験物質 0.5 mL を適用した試験で 2-4時間あるいは

24 時間後に刺激性は認められず、皮膚刺激性指数が 0.4 であったとの報告がある。NITE有害性評価書

(2007) には、ウサギの皮膚に試験物質 0.5 mL を適用した試験で軽度の皮膚刺激性がみられたとの報告がある。

また、ACGIH (7th, 2001) には、5人のヒト被験者に適用した試験で、適用部位に軽度の紅斑と充血が

認められたとの報告がある。以上の情報に基づき、区分外 (国連分類基準の区分 3 又は区分外) とした。

区分3 軽度の皮膚刺激。

眼に対する重篤な損傷・眼刺激性

NITE有害性評価書 (2007) には、ウサギの眼一次刺激性試験において、100 μLの適用で投与後 96 時間の

判定において強度 (未洗眼) ・中等度 (洗眼) の眼刺激性が報告されており、6匹中 2匹の動物において、

投与後 34日においても角膜傷害が持続していたとの記述がある。また、DFGOT vol. 19 (2003) には、

ウサギの試験で、眼に無希釈の試験物質を適用後 96時間までの間に中等度の刺激性が観察され、誘発された

角膜傷害の回復は緩やかであったこと、また眼を洗浄しない場合の刺激性は重度であったとの記述がある。

EU DSD 分類において「Xi; R36/R38」、EU CLP 分類において「Eye Irrit. 2 H319」に分類されている。

区分2A 強い眼刺激。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:モルモットを用いたマキシマイゼーション試験(OECD TG 406)で感作性は認められなかった。

モルモットを用いた別のマキシマイゼーション試験の結果、陽性率は 25~30%であり(DFGMAK-Doc.19 (2003))、

「陽性」とはみなされない(GHS 文書では 30%以上(アジュバンド使用)の反応で陽性と考えられているため)。

一方、ヒトでは本物質を含む日焼け止め液により、顔、頚部、腕および胸部に広範な掻痒性の発赤、小胞発疹を

起こした男性 1人に対し本物質の 70%溶液をパッチテストした結果、紅斑と水泡が見られた(NITE 有害性評価書

(2007))と報告されているが、エタノールとの交差反応による陽性の報告(NITE 有害性評価書(2007))や本物質は

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重大な感作性を有すると結論できない。

区分外

生殖細胞変異原性

ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、

in vivo では、ラットの骨髄細胞及びマウスの骨髄細胞及び末梢血赤血球の小核試験で陰性 (NITE 有害性

評価書 (2007)、NTP TR436 (1995)、NTP DB (Access on September 2013))、in vitro では、細菌の

復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験及び染色体異常試験で陰性である

(NITE 有害性評価書 (2007)、NTP TR436 (1995)、IUCLID (2000))。

区分外

発がん性

ACGIH (2001)で A4 に分類されている。ラットおよびマウスに 2 年間飲水投与した試験において、ラットでは雌

では発がん性を示す証拠はなく、雄で腎尿細管の腺腫または癌腫の発生頻度の有意な増加、マウスでは雄で甲状

腺濾胞細胞の腺腫または癌腫の発生頻度の僅かな増加、雌で甲状腺濾胞細胞の腺腫の有意に増加。

区分外

生殖毒性

ラットを用いた経口経路 (強制) 生殖発生スクリーニング試験 (OECD TG 421) において、親動物に一般毒性

(雄で腎臓重量増加、雌で投与 2-4 週間の間、一過性の傾眠、運動失調) がみられる用量で妊娠期間の

延長がみられ、さらに親動物に肝臓重量増加 (雄)、雌で妊娠期間中の体重増加抑制がみられる用量で

死産児数増加、生存児数減少、生存児低体重、平均同腹児数の低下がみられている (NITE 有害性評価書

(2007)) こと、マウスの妊娠 6~20日に混餌投与により用量依存的な同腹児数低下と死産児数増加が

みられている (NTP TR53 (1997)、NITE 有害性評価書 (2007)、DFGOT vol.19 (2003)) こと、さらに、

ラットの妊娠 8 日~出生までの混餌投与により、親動物で体重増加抑制が認めらた用量で分娩時体重減少、

生後の体重増加抑制、同腹児数低下、周産期及び生後の死亡率増加が示されている (DFGOT vol.19 (2003))

ことに基づき、区分 2 とした。なお、親動物の性機能及び生殖能に対する悪影響、及び児の発生における

催奇形性は認めれていない (NITE 有害性評価書 (2007)、DFGOT vol.19 (2003))。

区分2 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い。

特定標的臓器・全身毒性 (単回曝露)

ラットに経口投与 (4,000-6,000 mg/kg) による中枢神経系の抑制 (ACGIH (7th, 2001))、ウサギに経口投与

あるいはラットに吸入暴露による麻酔作用 (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol.19 (2003)、NITE有害性

評価書 (2007)、PATTY (6th, 2012)) がそれぞれ認められ、高濃度の蒸気暴露による昏睡がみられた

(NIOSH Publications 81-123 (1978))。一方、無嗅覚のヒトでは約 2秒間の暴露で鼻に刺激性がみられる

(DFGOT vol.19 (2003)) との記載があり、EU分類では R36/37 に区分されている。以上の知見に基づき区分 3

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三協化学株式会社 SDS TBA(ターシャリーブタノール)

(麻酔作用、気道刺激性) とした。これらの所見の他に、ラットに 1,850 mg/kg を経口投与による肝臓の

トリグリセライド濃度の増加 (ACGIH (7th, 2001)、NTP TR53 (1997)) があるが、さらに高用量の

経口投与 (4,000-6,000 mg/kg) によりトリグリセライド、コレステロール、リン脂質に変化は認められ

なかった (ACGIH (7th, 2001)) と記載がある。したがって、肝臓の所見に関してはデータの一貫性を欠き、

また、病理組織学的裏付けがないため分類根拠としなかった。

区分3 麻酔作用。気道刺激性。

特定標的臓器・全身毒性(反復曝露)

ラット及びマウスの 13 週間及び 2 年間経口 (飲水) 投与試験において、区分 2のガイダンス値範囲内の

用量までは毒性影響はみられず、区分外の高用量 (200 mg/kg/day 以上) ではラット、マウスとも膀胱

(移行上皮の過形成、炎症) に、加えて区分外の用量でラットで腎臓 (石灰化、慢性腎症 (雌雄ともに

みられたが、雄では雄ラット特異的な硝子滴の増加を伴っていた))、マウスで甲状腺 (濾胞上皮細胞の過形成)

に影響がみられた (NTP TR436 (1995)、NITE有害性評価書 (2007))。また、吸入経路では、ラット又は

マウスに蒸気を 13 週間吸入暴露した試験において、区分 2のガイダンス値を超える高濃度 (1080 ppm =

3.2 mg/L) でラットでは赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値の減少、肝臓及び腎臓重量の増加が、

マウスでは死亡、体重増加抑制がみられている (NTP TR53 (1997)、NITE 有害性評価書 (2007))。

なお、ラットでは区分 2の範囲内の濃度 (135 ppm = 0.41 mg/L) から用量依存的な腎症の重篤度の増加が

雄のみにみられたが、ラット 13 週間経口投与でも雄では腎症の重篤度の増加と共に硝子滴の増加が

みられており、α2u-グロブリンによる雄ラット特異的な現象と考えられた。以上より、経口及び吸入経路では

区分外相当であるが、経皮暴露による毒性情報がなく、データ不足のため分類できないとした。

区分外

吸引性呼吸器有害性

情報なし。

12.環境影響情報

水生環境急性有害性

魚類(ファットヘッドミノー)での 96時間 LC50=6410mg/L(有害性評価書, 2007)、

甲殻類(オオミジンコ)での 48 時間 EC50=5504mg/L(有害性評価書, 2007)、

藻類(セネデスムス)での 72 時間 ErC50>1000mg/L

区分外

水生環境慢性有害性

難水溶性でなく(水溶解度=1000000mg/L(PHYSPROP Database、2009))、急性毒性が低い。

区分外

残留性・分解性

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情報なし。

生体蓄積性

情報なし。

オゾン層への有害性

当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。

都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合には

そこに委託して処理する。

汚染容器及び包装

容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

空容器を廃棄する時は、内容物を完全に除去した後に処分する。

14.輸送上の注意

国際規制 海上規制情報 IMOの規定に従う。

UN No.:1120 Class:3 Packing GroupⅡ

航空規制情報 ICAO の規定に従う。

UN No.:1120 Class:3 Packing Group:Ⅱ

国内規制 陸上規制情報 消防法の規定に従う。

海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。

国連番号:1120 クラス:3 容器等級:Ⅱ

航空規制情報 航空法の規定に従う。

国連番号:1120 クラス:3 等級:Ⅱ

特別の安全対策

消防法の規定に従う。

危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載

すること。危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。

危険物の運搬中、危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急

措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。食品や飼料と一緒に輸送しては

ならない。重量物を上積みしない。移送時にイエローカードの保持が必要。

緊急時応急措置指針番号 129

15.適用法令

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三協化学株式会社 SDS TBA(ターシャリーブタノール)

労働安全衛生法 第 57条第 1項 名称等を表示すべき有害物。

第 57条第 2項 名称等を通知すべき有害物。

有機溶剤中毒予防規則 該当せず。

特定化学物質障害予防規則 該当せず。

危険物 引火性の物(4-3)

労働基準法 疾病化学物質に該当せず。

消防法 危険物 第四類 第一石油類 水溶性液体 危険等級Ⅱ

毒物劇物取締法 該当せず。

悪臭防止法 該当せず。

化審法 指定物質に該当せず。

PRTR法 該当せず。

船舶安全法 中引火性液体類。

海洋汚染防止法 施行令 海洋汚染物質 : Y 類。

16.その他の情報

参考文献

溶剤ポケットブック。

メルクインデックス。

溶剤ハンドブック。

危険防止救済便覧。

厚生労働省 職場の安全サイト GHSモデルSDS情報。

シグマアルドリッチ SDS情報。

記載内容について

この SDS は JIS Z 7253:2012 に準拠して作成しております。

この SDS は最新の情報に基づいて作成されておりますが、すべての情報を網羅しているものでは

ありませんので新たな情報を入手した場合には追加又は訂正されることがあります。

記載内容は現時点で入手できた資料、情報、データをもとに作成しておりますが、化学的性質、

危険・有害性等に関しては、いかなる保証をするものではありません。

記載の注意事項は通常の取扱を対象としたものであり、特殊な取扱をする場合は状況に応じた安全対策を

実施の上、お取り扱い願います。

すべての化学製品には未知の危険性、有害性の可能性がありますので取り扱いには十分ご注意ください。