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★ ホームページにも掲載しております!是非ご覧ください。★ ( 株 ) レンタルのニッケン 編集・発行:品質技術部営業支援部 お問い合わせは:TEL03-5512-7411 発行日/ 2011 年 4 月 1 日 No. 4 月号 2011 112 安 全   第 一 安 全   第 一 安 全   第 一 contents 特集 建設業における安全管理 安全衛生管理体制の例 5月号の予告 安全第一 熱中症 安全施工サイクルの例 建設業における安全用語 2011年 は、工場や建設現場などの職場において、 という意味の標語(スローガン)です。また、「安全はすべてに優先する」という標語も同じような意味で使われ、「安全 第一」と同じくらい目にする標語です。この「安全第一」の標語はどの工場や建設現場にも掲げられている大事な標語 です。ご存知とは思いますが、振り返りの意味で、その由来を調べてみました。 日本では、この運動に感銘を受けた古河鉱業足尾鉱業所所長の小田川全之(おだがわ まさゆき)氏が、 1912年に「安全専一(あんぜんせんいち)」と名付けた標示板を坑内外に掲示し、従業員の安全意識の高揚 を図るなど同鉱業所をあげて安全活動を始めました。これが、日本の産業界における自主的な産業安全運 動の創始と考えられています。 産業安全運動は「次の世代」へと引き継がれました。その代表の一人が、蒲生俊文(がもう としぶみ)氏です。同氏は、”Safety First”を「安全第一」と和訳しました。また、1917 年に「安全第一協 会」を設立して機関誌「安全第一」を発行し、2年後の1919年には、 安全週間運動を最初に企画・開催し、産業安全のシンボルマーク・ 緑十字を考案するなど、産業安全運動を社会運動へと発展させまし た。そしてその後は毎年途切れることなく今日に至っています。 建設業は、もっとも安全標語が必要な業種といっても過言ではありません。これらの標語を常々目にし、口にし、耳 にしていながら、どこかで事故が起きているのが現状です。未然に危険を察知し、事故を避けるためには、現場で作業 される方一人一人の意識向上がとても重要です。建設業の安全標語に求められているのは、作業に携わる方の心の中に 注意喚起する力です。 今月号では、「安全管理」の原点に立ち返り、「建設業における安全管理」の参考例と、よく使われる「用語」の意味や必 要性について取り上げました。 4月は新入社員が多く入社される時期です。その皆さんに対して「安全管理」が定着し、その浸透を図るためには、 「なぜこの標語ができたのか」「なぜこの標語を掲げるのか」など、その必要性を具体的にわかりやすく説明することが 必要と考えます。今月号を読んだ新入社員の皆さんが、初めての現場で意識を持って作業していただけるよう、そのお 役立ちができればと思っています。 中央労働災害防止協会では、「安全専一」の標示から数えてちょうど100年目に当たる2011年 の年間標語を、 「安全専一」から100年 未来へつなごう安全の心 と定め、100 年 を迎える安全運動の大切さを、未来へつなげていこうという気持ちを表現しています。 衛生旗 安全旗 シンボルマーク「緑十字」 安全衛生旗 「安全第一」 「安全第一」 「安全第一」 「安全を何よりも重要に考える」 「安全を何よりも重要に考える」 「安全を何よりも重要に考える」 「安全第一」の標語は、1906年、アメリカのUSスチール社(製鉄業)のE.H.ゲーリー会長が初めて唱え ました。あまりにも労働災害が多いため、会社の経営方針を”Safety First”(「安全第一」「品質第二」 「生産第三」)に改め、何よりも「安全」を優先、その結果として「災害の減少」「製品の品質向上」「生産量 の増加」となり会社も大飛躍したそうです。この方針を出す前は、「生産第一」「品質第二」「安全第三」 だったようです。この「安全第一」の経営方針は全米の経営者の関心を呼び、世界中に広まりました。

112112 安 全 第 一 目次 contents 集 建設業における安全管理 安全衛生管理体制の例 告 特 集安全第一 熱中症 安全施工サイクルの例 建設業における安全用語

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Page 1: 112112 安 全 第 一 目次 contents 集 建設業における安全管理 安全衛生管理体制の例 告 特 集安全第一 熱中症 安全施工サイクルの例 建設業における安全用語

★ ホームページにも掲載しております!是非ご覧ください。★

( 株 ) レンタルのニッケン編集・発行:品質技術部/営業支援部

お問い合わせは:TEL03-5512-7411

発行日/ 2011 年 4 月 1 日

No.4 月号

2011年

112

安 全   第 一安 全   第 一安 全   第 一

目次contents

特集建設業における安全管理安全衛生管理体制の例

5月号の予告特集 安全第一

熱中症安全施工サイクルの例建設業における安全用語

2011年

       は、工場や建設現場などの職場において、という意味の標語(スローガン)です。また、「安全はすべてに優先する」という標語も同じような意味で使われ、「安全第一」と同じくらい目にする標語です。この「安全第一」の標語はどの工場や建設現場にも掲げられている大事な標語です。ご存知とは思いますが、振り返りの意味で、その由来を調べてみました。

日本では、この運動に感銘を受けた古河鉱業足尾鉱業所所長の小田川全之(おだがわ まさゆき)氏が、1912年に「安全専一(あんぜんせんいち)」と名付けた標示板を坑内外に掲示し、従業員の安全意識の高揚を図るなど同鉱業所をあげて安全活動を始めました。これが、日本の産業界における自主的な産業安全運動の創始と考えられています。

産業安全運動は「次の世代」へと引き継がれました。その代表の一人が、蒲生俊文(がもう としぶみ)氏です。同氏は、”Safety First”を「安全第一」と和訳しました。また、1917年に「安全第一協会」を設立して機関誌「安全第一」を発行し、2年後の1919年には、安全週間運動を最初に企画・開催し、産業安全のシンボルマーク・緑十字を考案するなど、産業安全運動を社会運動へと発展させました。そしてその後は毎年途切れることなく今日に至っています。

 建設業は、もっとも安全標語が必要な業種といっても過言ではありません。これらの標語を常々目にし、口にし、耳にしていながら、どこかで事故が起きているのが現状です。未然に危険を察知し、事故を避けるためには、現場で作業される方一人一人の意識向上がとても重要です。建設業の安全標語に求められているのは、作業に携わる方の心の中に注意喚起する力です。

 今月号では、「安全管理」の原点に立ち返り、「建設業における安全管理」の参考例と、よく使われる「用語」の意味や必要性について取り上げました。 4月は新入社員が多く入社される時期です。その皆さんに対して「安全管理」が定着し、その浸透を図るためには、「なぜこの標語ができたのか」「なぜこの標語を掲げるのか」など、その必要性を具体的にわかりやすく説明することが必要と考えます。今月号を読んだ新入社員の皆さんが、初めての現場で意識を持って作業していただけるよう、そのお役立ちができればと思っています。

中央労働災害防止協会では、「安全専一」の標示から数えてちょうど100年目に当たる2011年の年間標語を、 「安全専一」から100年 未来へつなごう安全の心 と定め、100年を迎える安全運動の大切さを、未来へつなげていこうという気持ちを表現しています。

衛生旗 安全旗

シンボルマーク「緑十字」

安全衛生旗

「安全第一」「安全第一」「安全第一」 「安全を何よりも重要に考える」「安全を何よりも重要に考える」「安全を何よりも重要に考える」

「安全第一」の標語は、1906年、アメリカのUSスチール社(製鉄業)のE.H.ゲーリー会長が初めて唱えました。あまりにも労働災害が多いため、会社の経営方針を”Safety First”(「安全第一」「品質第二」「生産第三」)に改め、何よりも「安全」を優先、その結果として「災害の減少」「製品の品質向上」「生産量の増加」となり会社も大飛躍したそうです。この方針を出す前は、「生産第一」「品質第二」「安全第三」だったようです。この「安全第一」の経営方針は全米の経営者の関心を呼び、世界中に広まりました。

Page 2: 112112 安 全 第 一 目次 contents 集 建設業における安全管理 安全衛生管理体制の例 告 特 集安全第一 熱中症 安全施工サイクルの例 建設業における安全用語

朝 礼 作業開始状況の確認

休 憩

昼 食

作業打合せ会

休 憩

現場終了

1日の整理

社内ミーティング

新規入場者教育(随時)

現場内安全パトロール

作業終了前片付け(全員)

終業時確認(安全当番)

職員打合せ

所長巡視

現場内安全確認

所長巡視

作業前打合せKYK、作業前点検

●朝の挨拶●出欠、体調、服装、保護具のチェック●本日の作業内容の確認●連絡事項の伝達●KYK(危険予知活動)の実施状況の確認●安全衛生目標、本日の安全標語の唱和●体 操            等

●「協力業者」「班(作業毎)」別に作業 状況チェック

 ・確認した通り実施しているか ・他職との取合いは大丈夫か ・安全な作業が行われているか ・不安全行動はとっていないか 等

●1日の反省を行う●不安全箇所、不安全行動の有無●作業内容の変更●明日の朝礼での伝達●日常管理書類の整理  等

●本日の作業進捗状況の報告と検討・調整

●明日の作業内容と安全指示 事項の説明●安全作業状況の報告と改善●所長による現場巡視報告 等

ある現場の1日

出 勤退 出

作業打合せ会

朝 礼

作業開始状況の確認

社内ミーティング

「毎週」の実施事項例

「毎週」 「毎月」 「随時」 の実施事項例

「毎日」 の実施事項例

「毎月」の実施事項例 「随時」行う活動例①週間安全工程打合せ②週間点検③週間一斉片付け

①災害防止協議会の開催②定期点検、自主検査(元請・専門工事業者)③災害事例等による安全衛生教育④職長会の開催

①入場予定業者との事前打合せ②新規入場者教育③持込機械の届出

現場内安全パトロール

現場での作業を安全に行うためには、安全管理と施工を一体化して考える必要があります。このため、建設現場における安全管理活動の体質化・習慣化を図るため、毎日の作業における「安全施工サイクル運動」の導入が進められています。

「安全施工サイクル運動」を効果的に行うには、現場作業前の準備から作業終了後の片付け・清掃に至るまでの毎日行うことをパターン化すること、現場で作業する元請業者・下請業者等すべての業者が協力し、実態に即した活動を行うことが重要です。また、「安全施工サイクル運動」は毎日の実施事項と、毎週・毎月・随時行う活動もありますので、ご紹介します。

建設業では「同一現場で元請、一次、二次下請等多数の事業者が存在する重層請負制度」「仕事の進捗状況によって日々刻々と変わる労働環境」により、安全衛生管理体制の構築が労働災害の防止や労働者の安全と健康を確保し実行する手段の一つとして大変重要になっています。

統括安全衛生責任者11 11

22

33

22 元方安全衛生管理者

災害防止協議会(規模に関係なく)

安全衛生責任者

関係請負人

33安全衛生責任者

関係請負人

33安全衛生責任者

関係請負人

33安全衛生責任者

関係請負人

33安全衛生責任者

関係請負人

33

全体の労働者数が50人以上の規模の現場管理体制例

一定の工種の小規模現場では…

元請業者・下請業者の安全管理実施項目

建設業における安全管理

安全衛生管理体制 安全施工サイクル(現場の1日・安全活動)

建設現場の安全を管理する責任者であり、災害発生防止のため、災害防止協議会の設置・運営、作業間の連絡・調整、作業場所の巡視や、下請業者が行う安全衛生教育の指導及び援助を行うなど、現場全体の安全管理全体を行います。

統括安全衛生責任者(法15・25の2、30、令7、則18の2)

選任には一定の要件が必要です。統括安全衛生責任者の指揮のもと、安全又は衛生に関する具体的な事項を管理します。

元方安全衛生管理者(法15の2、則18の2~ 5)

全ての下請業者が選任します。統括安全衛生責任者と下請業者の連絡、混在作業によって発生する労働災害の危険の有無の確認、後次の下請業者の安全衛生責任者との作業の連絡及び調整を行います。

「統括安全衛生責任者」「元方安全衛生管理者」に替えて店社から現場を管理する「店社安全衛生管理者」が必要となります。また、元請業者・下請業者ごとの労働者数が50人以上の場合は、「安全管理者」「衛生管理者」「産業医」「安全衛生委員会」等の選任が必要になります。

①工事安全衛生方針・目標・計画の設定・作成②過重の重層請負の改善③店社及び関係請負人と連携した危険性又は 有害性等の調査と措置の実施事項の決定④工事用機械設備・持込機械等の安全性の確保⑤安全な施工方法の採用⑥土砂崩壊等のおそれがある作業場所の 安全確保の指導⑦下請業者と共同して作業を行う場合の、 作業内容等についての連絡調整の実施

①安全衛生責任者の選任などの安全衛生管理体制の確立②元請業者の行う統括管理に対する協力③店社及び元請業者と連携した危険性又は有害性等の 調査等の実施④作業主任者、職長等による適切な作業指揮⑤使用する工事用機械設備・持込機械等の点検整備、 安全作業マニュアル等の遵守⑥ミーティングの実施等による安全な作業方法の 周知徹底及び実施⑦新規入場者に対する教育の実施⑧再下請業者への的確な指示の実施

元請業者・下請業者の皆さんがそれぞれ安全管理について実施しなければならないことを調べてみました。

安全衛生責任者(法16、令3、則19)

労働災害の防止や労働者の安全と健康を確保する方法の一つに安全衛生管理体制の構築があり、その詳細は労働安全衛生法で定められています。複数の業者が同一の現場で混在して作業を行う建設現場では、事故が発生しやすい状況にあります。ここでは、建設業において必要な安全衛生管理体制(組織図)と、それぞれの主な役割について取り上げました。

参考:建設業における総合的労働災害防止対策の推進について(平成19年3月22日付 基発第0322002号)

元請業者が実施すること 下請業者が実施すること

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建設業における安全用語

整 頓

清 潔

清 掃

しつけ

整 理

Step.1危険要因の洗い出し

Step.1 Step.2リスクの見積り

Step.2 Step.3リスクの評価

Step.3 Step.4リスク低減の対策と実施

Step.4 Step.5Step.5実施内容の記録

不要

必要

29件29件

300件300件軽微な事故・災害

ヒヤリハット

重大な事故・災害重大な事故・災害1件1件

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安全ニュースのご活用についてのお願い

表紙では、建設業で掲示されている安全標語「安全第一」を取り上げました。さらにその意味と必要性を高めるため、また新入社員の皆様の理解を深めるため、安全標語によく使われている「安全用語」をご紹介致します。

職場環境の維持改善で用いられるスローガンのことです。この効果として、業務の効率化、不具合流出の未然防止、職場の安全性向上等があげられています。

ヒヤリ・ハットの法則

5S

用語2

職場の潜在的な危険性または有害性を見つけ出し、これを除去・低減し、安全衛生水準の向上を目的とする先取り型の安全管理の手法をいいます。

事故や災害を未然に防ぐことを目的に、その作業に潜む危険を予想し、これに対する対策を決め、行動目標を立て、一人ひとりが実践する活動です。シートやイラストを使って訓練を行うKYT(危険予知トレーニング)や、作業開始前に作業責任者が中心となって行うのがKYM(危険予知ミーティング)です。

「ヒヤリ」としたり「ハッと」するなど、重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例のことであり、労働災害を未然に防止するための概念です。1つの重大な事故・災害の背後には同じような29の軽微な事故が潜んでおり、さらにその後ろには「ヒヤッと」したり「ハッと」したりする300の障害がない事故が潜んでいるというのが、「ヒヤリハットの法則」(ハインリッヒの法則)と呼ばれています。

KYK(危険予知活動)用語3

用語4

人為的過誤や失敗(ミス)のことです。建設現場においては、以下のような原因が考えられます。

ヒューマンエラー (human error) 用語5

リスクアセスメント用語1

必要な物と不要な物を分け、不要な物を捨てる。

必要な物がすぐに取り出せるように置場所、置き方を決め、表示を確実に行うこと。

整理・整頓・清掃を徹底して実行し、汚れのないきれいな状態を維持すること。

掃除をしてゴミ、汚れのないきれいな状態にすると同時に細部まで点検すること。

礼儀作法をその人の身につくように教え込むこと。決められた事を、決められた通りに実行できるよう習慣づけること。

保護具・服装の誤り

指定外使用

危険場所への接近

不安全な行為運転の失敗(乗物)

安全確認

危険の誘発

第1R

【現状把握】どんな危険が潜んでいるか?

第2R

【本質追究】これが危険のポイントだ!!

第3R

【対策樹立】あなたならどうする?

第4R

【目標設定】私達はこうする!!

確 認

危険予知活動(KY活動)の進め方

保護具を使わないで作業

不安定な場所へ移動する

運転中の掃除・注油・修理・点検