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19 症  例 背  景 孤立性総腸骨動脈瘤は比較的稀であるが,その外科的治療は 時に技術的に困難かつ高侵襲であり,その合併症や手術関連死 亡も考慮しなければならない 1, 2わが国でも企業製デバイスが承認されて以後,とくにハイリ スク症例において,ステントグラフト内挿術はより安全で効果 的な腹部大動脈瘤および腸骨動脈瘤治療の一端を担っている. 一方,孤立性総腸骨動脈瘤に対するステントグラフト内挿術 EVAR)は腹部大動脈瘤に対するそれと同様に,分岐型ステン トグラフトの使用する方法と,脚もしくはエクステンションと 呼ばれるチューブ型ステントグラフト単体を使用し瘤を空置す る方法がある 3~5.コスト,透視時間,造影剤,手技の煩雑さを 考慮すると,チューブ型ステントグラフトのみの使用で総腸骨 動脈瘤を空置できればより低侵襲である. しかしながら稀に中枢ランディング部分の腸骨動脈径が太 く,企業製デバイスの単体のみでは規格外症例も存在すること があり,中枢ランディング部分の血管径に対してデバイスが過 小なことがある. 企業製デバイスのゴアエクスクルーダーのコントララテラグ レッグ(W.L. Gore & associates Inc.)の留置方法の工夫によって孤 立性総腸骨動脈瘤をレッグ単体のみで加療した症例を経験した ので報告する. 症  例 症 例:67 歳,男性 主 訴:なし(画像異常) 既往歴:直腸癌に対して開腹低位前方切除術. 現病歴:直腸癌経過観察中の CT にて拡大傾向のある右総腸 骨動脈瘤を指摘されたため当院紹介となった. 来院時現症:下腹部正中に手術痕あり. 血液検査データ:特記すべき所見なし. 術前 CT Fig. 1A):内腸骨動脈分岐直前の右総腸骨動脈瘤 37 mm,総腸骨動脈径 17 mm,外腸骨動脈径 14 mm手術所見:鼠径靭帯直上の横切開から総大腿動脈を確保し アクセスルートとした.右内腸骨動脈をコイル塞栓した(Orbit 18 mm×2 + 16 mm×1 + 14 mm×3).右総大腿動脈へは通常通りガ イドワイヤ下にまずは 22Fr シースを挿入した(Fig. 1B). バックテーブル手技(Fig. 2):今回留置部位は,中枢固定部位 17 mm,末梢固定部位 14 mm であったためゴアエクスクルー ダーのラージコントララテラルレッグの末梢径 20 mm のデバイ スを反転することによって中枢の 17 mm の固定部位に対応する 湘南鎌倉総合病院外科(Tel: 0467-46-1717247-8533 神奈川県鎌倉市岡本 1370-1 受付:2012 11 29 受理:2013 1 15 doi: 10.11401/jsvs.12-00094 孤立性総腸骨動脈瘤に対し反転した ゴアエクスクルーダーラージコントララテラルレッグを留置した 1 池谷 佑樹  荻野 秀光 要  旨:孤立性総腸骨動脈瘤は,腸骨動脈瘤を含む腹部大動脈瘤のうち約 7%との報告があり比較的稀な疾 患であるが,ハイリスク症例において開腹人工血管術は時として煩雑で過大侵襲となりえる.当症例では企業 製デバイスの留置方法を工夫してレッグ単体で治療し得たステントグラフト内挿術(EVAR)症例を報告する. 症例は直腸癌に対する低位前方切除術術後の 67 歳男性で拡大傾向のある総腸骨動脈瘤を指摘され当院紹介と なった.来院時 37 mm で内腸骨動脈分岐直前の孤立性右総腸骨動脈瘤であった.下腹部開腹手術後であったた EVAR を選択した.また孤立性であったためレッグ単体での治療を目指した.中枢ランディング部分は径 17 mm で末梢ランディング部分は外腸骨動脈の 13 mm であったため中枢径の太いテーパーデバイスが必要とさ れたため,ゴアエクスクルーダーラージコントララテラルレッグを反転して留置し瘤を空置し治療した.合併 症なく,より低侵襲で安全に治療し得た症例を経験した.術後,瘤拡大やエンドリークなく経過良好である. (日血外会誌 2013;22:801–804索引用語:孤立性総腸骨動脈瘤,ステントグラフト,エクスクルーダー,ラージコントララテラルレッグ 日血外会誌 2013;22:801–804

孤立性総腸骨動脈瘤に対し反転した ゴアエクスクルー …ssa-prg.com/thesis/pdf/PDF_145801316215.pdf · 19 症 例 背 景 孤立性総腸骨動脈瘤は比較的稀であるが,その外科的治療は

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■ 症  例

背  景

 孤立性総腸骨動脈瘤は比較的稀であるが,その外科的治療は時に技術的に困難かつ高侵襲であり,その合併症や手術関連死亡も考慮しなければならない1, 2). わが国でも企業製デバイスが承認されて以後,とくにハイリスク症例において,ステントグラフト内挿術はより安全で効果的な腹部大動脈瘤および腸骨動脈瘤治療の一端を担っている. 一方,孤立性総腸骨動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(EVAR)は腹部大動脈瘤に対するそれと同様に,分岐型ステントグラフトの使用する方法と,脚もしくはエクステンションと呼ばれるチューブ型ステントグラフト単体を使用し瘤を空置する方法がある3~5).コスト,透視時間,造影剤,手技の煩雑さを考慮すると,チューブ型ステントグラフトのみの使用で総腸骨動脈瘤を空置できればより低侵襲である. しかしながら稀に中枢ランディング部分の腸骨動脈径が太く,企業製デバイスの単体のみでは規格外症例も存在することがあり,中枢ランディング部分の血管径に対してデバイスが過

小なことがある. 企業製デバイスのゴアエクスクルーダーのコントララテラグレッグ(W.L. Gore & associates Inc.)の留置方法の工夫によって孤立性総腸骨動脈瘤をレッグ単体のみで加療した症例を経験したので報告する.

症  例

 症 例:67歳,男性 主 訴:なし(画像異常) 既往歴:直腸癌に対して開腹低位前方切除術. 現病歴:直腸癌経過観察中の CTにて拡大傾向のある右総腸骨動脈瘤を指摘されたため当院紹介となった. 来院時現症:下腹部正中に手術痕あり. 血液検査データ:特記すべき所見なし. 術前 CT(Fig. 1A):内腸骨動脈分岐直前の右総腸骨動脈瘤37 mm,総腸骨動脈径 17 mm,外腸骨動脈径 14 mm. 手術所見:鼠径靭帯直上の横切開から総大腿動脈を確保しアクセスルートとした.右内腸骨動脈をコイル塞栓した(Orbit

18 mm×2 + 16 mm×1 + 14 mm×3).右総大腿動脈へは通常通りガイドワイヤ下にまずは 22Frシースを挿入した(Fig. 1B). バックテーブル手技(Fig. 2):今回留置部位は,中枢固定部位17 mm,末梢固定部位 14 mmであったためゴアエクスクルーダーのラージコントララテラルレッグの末梢径 20 mmのデバイスを反転することによって中枢の 17 mmの固定部位に対応する

湘南鎌倉総合病院外科(Tel: 0467-46-1717)〒 247-8533 神奈川県鎌倉市岡本 1370-1

受付:2012年 11月 29日受理:2013年 1月 15日doi: 10.11401/jsvs.12-00094

孤立性総腸骨動脈瘤に対し反転した

ゴアエクスクルーダーラージコントララテラルレッグを留置した 1例

池谷 佑樹  荻野 秀光

要  旨:孤立性総腸骨動脈瘤は,腸骨動脈瘤を含む腹部大動脈瘤のうち約 7%との報告があり比較的稀な疾患であるが,ハイリスク症例において開腹人工血管術は時として煩雑で過大侵襲となりえる.当症例では企業製デバイスの留置方法を工夫してレッグ単体で治療し得たステントグラフト内挿術(EVAR)症例を報告する.症例は直腸癌に対する低位前方切除術術後の 67歳男性で拡大傾向のある総腸骨動脈瘤を指摘され当院紹介となった.来院時 37 mmで内腸骨動脈分岐直前の孤立性右総腸骨動脈瘤であった.下腹部開腹手術後であったため EVARを選択した.また孤立性であったためレッグ単体での治療を目指した.中枢ランディング部分は径17 mmで末梢ランディング部分は外腸骨動脈の 13 mmであったため中枢径の太いテーパーデバイスが必要とされたため,ゴアエクスクルーダーラージコントララテラルレッグを反転して留置し瘤を空置し治療した.合併症なく,より低侵襲で安全に治療し得た症例を経験した.術後,瘤拡大やエンドリークなく経過良好である.(日血外会誌 2013;22:801–804)

索引用語:孤立性総腸骨動脈瘤,ステントグラフト,エクスクルーダー,ラージコントララテラルレッグ

日血外会誌 2013;22:801–804

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802 日血外会誌 22巻 5 号

Fig. 2 Back-table procedure. A: Bending and cutting off the olive at the end of

the catheter, B: Excluder was inserted into the 20Fr sheath, C: Excluder was predeployed in the 20Fr sheath, D: Cutting off the tip of the end of the inner sheath, to be used as a pusher.

A

C

B

D

Fig. 1 Preoperative CTA and operative angiography. A: Preoperative CTA, B: Operative angiography,

C: Deploying reversed stent graft, D: Operative final angiography.

A

C

B

D

ようにした. まずは,エクスクルーダーの先端にあるオリーブ型チップを鋏で離断し,体外デプロイメントした際に先端部分がひっかかりデリバリーカテーテルが抜去不能にならないように予防した(Fig. 2A). エクスクルーダーのラージコントララテラルレッグのPXC201000を 20Frシース(日本光電ウルチマムシース)先端より反転して挿入し(Fig. 2B),シース内へデプロイしステントグ

ラフトをシース内へ充填した(Fig. 2C). 抜去した内筒は,後にステントグラフトのプッシャーとして使用するため先端を鈍になるように 3 cmのあたりで離断した(Fig. 2D). メインテーブル手技(Fig. 3):ステントグラフトが充填された20Frシースを,右鼠径部に留置してあった 22Frシース内へガイドワイヤに乗せて挿入し(Fig. 3A),先端を切断し準備しておいた内筒をプッシャーとして 20Frシース内のステントグラフトを 22Frシース内へ押し込み充填した.造影にて位置決めした

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8032013年 8 月 池谷ほか:孤立性腸骨動脈瘤に対するステントグラフト

後,再度内筒を使って(Fig. 3B)22Frシースをアンシースし(Fig. 1C, 3C),反転されて充填されているステントグラフトを,総腸骨動脈分岐直後から外腸骨動脈に留置した(Fig. 3D).バルーンにて圧着した後,確認造影ではエンドリーク,血管損傷はみられず終了とした(Fig. 1D). 術後経過:術後経過は問題なく術後 2日目に退院.殿筋性跛行なし.術後 1年の CTではエンドリークなく瘤は縮小傾向である.

考  察

 孤立性総腸骨動脈瘤は比較的稀であるが,その治療は従来からの人工血管置換術は時に技術的に困難であり,とくにハイリスク症例においては高侵襲であるため,その合併症や手術関連死亡も考慮せざるを得ない.瘤が腸骨動脈内外分岐にかかる場合,人工血管置換術では内腸骨動脈再建が可能であるが当症例のように下腹部開腹手術既往がある場合は,手技は煩雑になり難易度も上昇する.一方,企業製ステントグラフトが使用可能になって,とくに低侵襲性といった側面において,ステントグラフト内挿術による瘤空置は孤立腸骨動脈瘤に対する治療の一端を担っていることは間違いない.当症例では,内腸骨動脈のコイル塞栓術を併用した場合に一定の確率で起こりうる合併症である臀筋性跛行はみられなかったが,高侵襲の開腹術と比較した時,とくに当症例のような背景をもつ場合は血管内治療の利点が大きいと考えられる.しかしながら,ステントグラフト内挿術による治療においては例外なく中枢および末梢での十分な固定長を必要とし,適切なデバイス規格の選択が必須であ

る.単体のステントグラフト内挿術により孤立性総腸骨動脈瘤を治療しようとした場合は,まず企業製デバイスの規格のもので標準的留置方法が可能であるかを考える.時には胸部大動脈瘤用のチューブ型ステントグラフトの使用も考慮されるが,当症例のように一部の症例ではそれが過小,もしくは過大である状況に遭遇してしまう.孤立性総腸骨動脈瘤はしばしば内腸骨動脈分岐直前,もしくはそれを含む場合も多く末梢ランディングは外腸骨動脈となりテーパー型のデバイスが望ましいが,通常のテーパー型のデバイスは中枢の径がエクスクルーダーでは16 mm,ゼニスでは 12 mmの規格しか存在しない.エクスクルーダーの場合ですら,中枢ランディングする総腸骨動脈径が14~15 mm以上の場合は規格が過小になり,通常ではコントララテラルレッグ単体での留置では瘤空置は見込めない.本症例では中枢が 16 mmでありランディングするには過小デバイスである.エクスクルーダーには俗に“ベルボトム”と呼ばれるリバーステーパー型のラージコントララテラルレッグという末梢側が太い規格が存在し 16 mm,18 mm,20 mmの規格がある.そこでこれらを反転して留置すれば当症例のような解剖学的特徴の総腸骨動脈瘤を空置できると考えた.エンドロジックパワーリンクリムエクステンションには 20-20-55というサイズを取り揃えてはいるが,筆者は当デバイスの実施医ではなく,また当院にはゴアエクスクルーダーのストックを常備しているため,デバイスアクセスがいいといった側面もありゴアエクスクルーダーを選択した. わが国での報告は見当たらず,海外では 3例の報告があった.報告では Hiramotoら6)および Leonら7)は当症例のような体

Fig. 3 Main-table procedure. A: Inserted the 20Fr sheath with the pre-

deployed Excluder into the 22Fr sheath in the patient, B: Re-predeployed in the 22Fr sheath in the patient. Blunt inner sheath was used as a pusher, C: Unsheathed and started to be deployed, D: Totally deployed in the patient.

A

C

B

D

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804 日血外会誌 22巻 5 号

外プレデブロイメントによる反転したゼニスエクステンションリムを使用する方法を,van der Steenhovenら8)は体外プレデプロイメント方式を取らずに反転したゴアエクスクルーダーコントララテラルレッグを留置する方法を報告している.しかしエクスクルーダーを使用した体外プレデプロイメント方式の報告はなかった.上記報告例に比べデバイス破損への懸念およびバックテーブル操作での煩雑さの観点を比べるとより安全で簡便な方法であると考えられる.

結  語

 ステントグラフト内挿術はとくにハイリスク症例においてはより治療の選択肢が広がり低侵襲かつ安全な治療法として確立されつつある.企業製デバイスもさまざまな規格が出されるようになり,多くの症例は規格範囲内での留置によってほとんどが治療可能になったが,本症例のように未だに例外的症例も存在することがある. 企業製デバイスが使用可能になって,よりステントグラフトが身近なものになったが,それぞれのデバイスの特徴,仕組みをよく知ることによって,たとえ解剖学的に規格外の症例に対しての変則的な留置方法であったとしても,安全に低コスト・低侵襲で容易に効果的な瘤空置が可能であると考えられる.

利益相反

 共著者全員が利益相反はない.

文  献

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down Gore Excluder contralateral leg without extracorporeal prede-

ployment for aortic or iliac aneurysm exclusion. J Vasc Surg

2011;53:1738-1741.

A Case of Placement of the Reversed Gore Excluder Large Conralateral Leg for Isolated Iliac Artery Aneurysm

Yuki Ikegaya and Hidemitsu Ogino

Department of Surgery, Shonan Kamakura General HospitalKey words: iliac aneurysm, abdominal aortic aneurysm, stent graft

Isolated iliac artery aneurysms are rare, comprising only 7% of abdominal aortic aneurysms (AAAs). Open repair of

isolated iliac aneurysms is technically challenging and associated with considerable morbidity and mortality, especially in

the high risk patients. Recently, endovascular repair of isolated common iliac aneurysms has emerged as an alternative to

open repair. We described a novel technique using back table manipulation of a commercially available stent graft to

accommodate a challenging anatomical scenario. A 67-year-old male with a history of open low anterior resection for rectal

cancer was referred to our hospital for the expanding right isolated common iliac aneurysm. The aneurysm was 37 mm in

diameter adjacent to the internal iliac artery. The diameter of the proximal sealing zone was 17 mm, larger than that of the

distal sealing zone, 14 mm. A reversed tapered device was needed. We described the off label use of the Gore Excluder

contralateral leg endoprosthesis in a reversed configuration to accommodated this diameter mismatch. The procedure was

minimally invasively completed without any complications and the aneurysm was totally excluded postoperatively without

endoleaks and expansion.

(Jpn J Vasc Surg 2013;22:801–804)