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はじめてのスクラッチ
1
はじめての SCRATCH スクラッチ
1 スクラッチとは
スクラッチはMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボ(研究所)が子供たちのため
に開発したプログラミング学習ツールです。 難しいプログラミングの方法が分からなく
ても、かわいいキャラクタを動かしたり、音や音楽を鳴らしたりしているうちに、楽しくプロ
グラミングのことが分かり、いろいろな工夫や、新しい作品を作りたくなるような仕組み
になっています。
2 スクラッチの種類
スクラッチの最新バージョンは 3.0 です。オンライン版かオフライン版かは使用教室の環境
や指導者(保護者、学校)と相談して選んでくだい。
バージョン 特徴
Scrach 3.0 オンライン それまでの Scrach 2.0 から新しく 2019/1/2に
Scrach 3.0 がリリースされました。
最大の特徴は、タブレットでも使用できるようになっ
たことです。ただし「キーを押したら」など、使えな
い命令もあります。
使用できるブラウザは GoogleChrome,Microsoft
Edge などで、InternetExplorer は使えません。
インターネット環境があればインストールしないで、
すぐに使用できます。
インターネットの接続が良く、作品のコミュニティー
に参加する場合におすすめ。
Scrach 3.0 オフライン Scrach 3.0 にはダウンロードして使用する、オフラ
イン版があります。オンラインのコミュニケーション
機能以外は、オンライン版と同じです。
インターネットの接続が良くない場所や、インターネ
ットを接続したコンピュータ利用が心配な場合にお
すすめです。
ダウンロードサイト https://scratch.mit.edu/download
0 スクラッチの準備
はじめてのスクラッチ
2
3 スクラッチの開始
(1) ブラウザから「スクラッチ プログラミング 公式サイト」で検索するか、アドレス
https://scratch.mit.edu/ を入力して、公式サイトを表示します。
(2) ここではチュートリアルを使用しないので「閉じる×」ボタンで消します。
はじめてのスクラッチ
3
(3)Scratch3.0 の画面
☆ いっぱいボタンや部品がありますが、少しずつ使っていくので、心配ありません。
☆ 日本語をひらがなにする場合は、[言語]ボタンを押して、選んでください。
ブロックパレット
(命令ブロック置き場)
カテゴリー
(ブロックの種類選択)
言語 保存 表示モード
緑の旗と赤信号
スプライト
スプライト
情報
タブ
新規スプライト
スプライトの座標
スプライトリスト
ステージ
スクリプトエリア
メニュー
はじめてのスクラッチ
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○ ねこをうごかして、プログラミングの方法をおぼえよう。
1 スクラッチのはじめの画面
① ねこのようなキャラクタ(登場する動物やもの)をスプライトと言います。 いま、ねこス
プライトは、ステージ(舞台)の中央にいます。
② スクリプトとは、「簡単なプログラム」のことです。 いま、スクリプトエリアの上のスプラ
イト情報にねこスプライトがいます。 つまり、ねこスプライトにスクリプトを書き込む準備
ができています。
1 ねこをうごかす
②
①
はじめてのスクラッチ
5
2 スクリプトでねこをうごかす
① ブロックパレットから【10うごかす】ブロックをスクリプトエリアへドラッグ&ドロップします。
② ブロックをクリックすると、ねこが少し動きます。さらにクリックすると、壁まで行きます。
③ ねこが壁までいったら、しっぽを、
ドラッグ&ドロップして、中央へ
移動します。
☆ スクリプトは、クリックすると
すぐに命令を実行して、動作を
確認することができます。
3 ねこを連続してうごかす
① スクリプトのカテゴリから制御を選択します。
ブロックパレットが制御のブロックになります。
② 【ずっと】ブロックを置き、間に
【10 歩動かす】ブロックをはさみます。
③ 【ずっと】ブロックをクリックすると
ねこが壁まで移動します。
☆ねこはずっと動くので、赤い●の停止、
ボタンをおしましょう。
①
②
①
②
③
はじめてのスクラッチ
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4 スクリプトの開始と停止
スクリプトを がクリックされたときに、
開始するようにスクリプトを追加します。
① イベントスクリプトから
【 がクリックされたとき】を、スクリプト
エリアに置き、先に作ったすくりぷとを
付けます。
② これで、 をクリックすると
ねこがうごきはじめます。
●で停止します。
このままでは、ねこはかべにぶつかって止まって
しまうので、ぶつかると向きを変えるようにします。
③ スクリプトのカテゴリーを動きにします。
④ 【もし端に着いたら、跳ね返る】を
【10歩動かす】の下に入れます。
⑤ をクリックしてうごかしてみよう。
①
②
④
⑤
③
はじめてのスクラッチ
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⑥ 止めたときに、中央にもどるように、
スクリプトを追加します。
【x座標を 、y座標を にする】
スクリプトを置きます。座標の数字を
クリックして2つとも0をキーボードから
入力します。
このスクリプトをクリックすると、いつでも
ねこは中央に移動します。
5 スクリプトの保存と読み込み
作ったスクリプトを保存しましょう。
① メニューの[ファイル]から[コンピュータに保存する]
を選びます。
② 画面の下に保存したファイル名が
表示されます。
保存先は「ダウンロードフォルダ」で
名前は自動的に付けられます。
作ったファイルの読み込み方法です。
③ メニューの[ファイル]から[コンピュータから
読み込む]を選びます。
④ フォルダを選んでファイルを探します。
④ ファイルを選んで「開く」ボタンを押します。
⑥
①
③
④
⑤
②
はじめてのスクラッチ
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1 ねこが左右に動くとき、逆さまにならないようにしてみよう。(ヒント 動きのブロックから
探してみよう)
2 ねこを上下に移動してみよう。(ヒント 最初の向き)
2 ねこ以外のスプライトはいるのかな?探してみよう。(ヒントなし)
チャレンジ
はじめてのスクラッチ
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○ ねこをうごかして、図形を一筆書きしよう。
1 準備
① スクリプトが残っていたら、メニューの
[ファイル]から[新規]を選びます。
② ねこを小さくします。スプライトリストの
大きさを[50]にします。
2 ねこの一筆書き
①
②
はじめてのスクラッチ
10
2 ペンを使えるようにします
① 画面右下の追加機能ボタンを ② ペン機能を選択します。
押します。
③ ペンのブロックが追加されました。
他の機能を追加したいときは
同じ方法で追加します。
3 一筆書きで四角形を描きます
① ペンカテゴリーから【ペンを下す】、
動きカテゴリーから【10歩動かす】
【15⤵度回す】を選んでつなげます。
② 歩数と角度は数字をクリックして
100歩と 90度に変更します。
③ また、ペンカテゴリーから【全部消す】
も選んでおきます。
①
②
③
①
②
③
はじめてのスクラッチ
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④ 【ペンを下ろす】をクリックして実行すると、ねこが 100歩進んで 90度右を
向きます。これを4回行うと四角形が描けます。
2回実行 4回実行
⑤ 【全部消す】をクリックすると線が消えます。
3 繰り返しのブロックを使おう
四角形では、100 歩進んで右に 90 度回る、を4回繰り返しました。これを繰り返しのブ
ロックで実行します。
① イベントから【 が押されたとき】
制御から【10回繰り返す】
【すべてを止める】を選びます。
② 動きのスクリプトを繰り返しのブロックの
中に入れ、回数を4回に変更します。
③ 先頭に【 が押されたとき】、
最後に【すべてを止める】を置きます。
④ をクリックして、四角形が描ける
ことをかくにんしよう。
③
②
①
はじめてのスクラッチ
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1 三角形を描いてみよう。 2 五角形を描いてみよう。
3 六角形を描いてみよう 4 星形を描いてみよう。
4 円に近い図形を描いてみよう。 ヒント1
回転の角度の合計が、何度になると
もとの位置にもどるのかな?
ヒント2
円に近づけるためには角度をどうするの?
歩数はどうするの?
チャレンジ
はじめてのスクラッチ
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○ 音ブロックを使って、かえるのうたを演奏しよう。
5
1 音楽を使えるようにします
① 画面右下の追加機能ボタンを ② 音楽機能を選択します。
押します。
③ 音楽のブロックが追加されました。
3 かえるのうたの輪唱
① ②
③
はじめてのスクラッチ
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1 音を入力します。
① イベントカテゴリーから
【 が押されたとき】
音楽カテゴリーから
【楽器を(1)ピアノにする】
【60の音符を 0.25拍鳴らす】
を選んでつなげます。
② 60の音符をクリックすると鍵盤が
あらわれます。
楽譜を見て音程を選びます。
③ 音符の長さを 0.5にします。
4分音符の長さを 0.5拍としています。
したがって、8分音符は 0.25拍に
なります。
④ 休符は【0.5拍休む】を選んでつなげ
ます。
⑤ 途中で をクリックして音楽を
確かめながら音符を入力します。
①
②
③
④
④
はじめてのスクラッチ
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⑥ 完成例 2 輪唱のパートをつくります
① 最初から3番目の【60の音符を 0.5拍ならす】を
右クリックして[複製]を選びます。
☆選んだブロックから下のブロックが複製されます。
② 最初のパートの5小節目のはじめをドラッグして
ブロックを分けます。ここにイベントカテゴリーの
【メッセージ1を送る】を入れます。
③ ▼をクリックして[新しメッセージ]を選びます。
④ 「だい2パートかいし」を入力します。
①
②
③
④
はじめてのスクラッチ
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⑤ 【だい 2パートに送る】のブロックが入り
ました。
ここがだい2パートの開始点になります。
⑥ 複製した、だい 2パートの先頭に、
【メッセージ1を受け取ったとき】を置きます。
⑦ ▼をクリックして「だい2パートかいし」を
選びます。
⑧ 最初のパートの演奏が、【だい 2パートの
かいしを送る】に来たとき、だい 2パート
の先頭から演奏がはじまり、輪唱になります。
⑨ を押して演奏しましょう。また、楽器を変更して演奏しましょう。
1 だい3パートをつくって輪唱しましょう。
チャレンジ
⑤
⑥
⑦
⑦
はじめてのスクラッチ
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かえるのうた2パート完成例
はじめてのスクラッチ
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○ むしは一本の線の上を外れないように歩きます。線の上を歩く「むし」ロボットをつく
りましょう。
1 むしスプライトの準備をします。
① スプライトリストの左下の
[スプライトを選ぶ]を押します。
② [スプライトを選ぶ]が開き、たくさんのスプライトが表示されます。
ここでは、むし[Beetle]をえらんで説明しますが、ほかのスプライトでもできま
す。
選択したスプライトはスプライトリストに
追加されます。
③ [コスチューム]タブを押すとむしの画像が表示されます。この画面では、スプライ
トの画像を編集することができます。
4 むしの道
①
②
③
はじめてのスクラッチ
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④ むしの前に、2つの丸いセンサーを付けます。
[〇]を選択したあとに、塗りつぶし▼を押します。
⑤ 色を選びます。このとき、むしの絵に使われていない色を選びます。
⑥ 枠線▼を選びます。枠線は塗りなしに設定します。
⑦ 片方を塗ります。
⑧ 同様にもう一つのセンサーも保管します。
④
⑤
⑥
⑦
⑧
はじめてのスクラッチ
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⑨ ステージのねこスプライトを消します。スプライトリストのねこアイコンのごみ箱を
押します。
⑩ むしスプライトは大きさ 50に小さくしておきます。
2 道をつくります。
① ステージから背景を選択します。 ② 背景タブを選択します。
③ 背景ツールから四角を選びます。 ④ 塗りつぶしの色を選択します。
⑤ 画面いっぱいに四角を描きます。 ⑥ 背景のツールから筆を選びます。ただし、
センサーの色とは別の色にします。
⑦ 筆の太さを 70にします。 ⑧ 道をかきます。
⑩ ⑨
⑧
⑦
③
①
④ ⑤
②
⑥
はじめてのスクラッチ
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3 むしスプライトにプログラムを書きます。
① むしにプログラムを書くように画面を設定します。まず、メニュータブをコード
にします。
② スプライトの「むし」を選択します。
③ コードエリアに「むし」のスプライトが表示されていることを確認します。
※プログラムはほかのスプライトや背景にも書くことができます。書くスプライト
をまちがえないようにしましょう。
④ 右のようにプログラムをつくります。
⑤【□色が□色に触れた】スクリプト
は、調べるカテゴリーにあります。
色は、スポイトツールで、
ありセンサーの赤と青、
背景の白を選びます。
⑥ むしを中央にもどすスクリプトも
用意します。
①
②
③
④
⑤
⑥
はじめてのスクラッチ
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4 むしをうごかしてみよう
① むしを道の上において、 を押してスタートしよう。
☆ むしは道の上を歩きましたか。もし、みちを外れたら、どうして外れるのか考え
ましょう。
☆ むしのスクリプトの歩数、回転角度、を調節してみましょう。
5 道を外れないしくみ
① むしが左に進んで青色がうす緑に触れると、右に回転します。
② 青色と赤色がうす緑色に触れないときは、まっすぐ進みます。
③ むしが右に進んで赤色がうす緑に触れると、左に回転します。
② ① ③
はじめてのスクラッチ
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1 むしを増やそう (ヒント スプライトを複製)
2 道の途中にエサを置いて、しばらく立ち止まるようにしよう。
(ヒント 黄色に触れたら ○秒待つ)
3 むしの代わりにべつのスプライトを歩かせてみよう。
チャレンジ
はじめてのスクラッチ
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○ ぞうがかばにボールをあてるゲームをつくろう。
1 ゲームの計画
ゲームに登場するスプライトと、その動きを決めていきます。
① ぞうは、矢印キー(← →)を押すと左右に動きます。
② ボールは、スペースキーを押すと、ぞうが鼻から打ち上げます。
かばに当たるか、画面の上にいくと消えます。
③ かばは、画面を左右に移動します。
移動する速さは、遅くなったり速くなったりします。
ボールが当たると、「いて!」と言います。
2 スプライトの用意
① そう かば ボール のスプライトを[スプライトを選ぶ]から追加します。
大きさは 50~60ぐらいにします。ねこスプライトは消します。
② スプライトの名前は、ボール、ぞう、かば、に変更しておきます。
5 ぞうとかばのシューティングゲーム
⑪ ⑫
⑬
①
①
②
はじめてのスクラッチ
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3 ぞうのスクリプト
○ ぞうの動きは、左右の矢印キーを押すと左右に移動します。この動きをスクリプト
で書きます。
① イベントカテゴリーから
【スペースキーが押されたとき】スクリ
プトを選択します。
そして、スペースキーの部分を右向き矢
印と左向き矢印に変更します。
② 矢印キーが押されたあとに、動きカテ
ゴリーから【10歩動かす】を選びます。
この時、左に移動するは、値を-10 歩
にします。
③ このスクリプトを実行すると、ぞうは
左右に移動することがわかります。
しかし、ボールは、ぞうのいる場所から投げなければなりません。そこで、ボールにぞ
うの場所 X座標を伝えるために、変数を使います。
④ 変数カテゴリーから、[新しい変数を作る]を ⑥ 変数のブロックができました。
選びます 同じように[速度]変数も作って
おきます。
⑤ 変数名を「X座標」、すべてのスプライト用
を選んで、[OK]ボタンを押します。
①
②
④
⑤
⑥
はじめてのスクラッチ
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⑦ 変数カテゴリーから【X 座標と1ずつ変える】を選び、値を 10または-10に変更しま
す。
⑧ 動きカテゴリーから【X座標を にする】を選び、値を【x座標】にします。
⑨ それぞれのブロックをつなげて、ぞうが左右に動くスクリプトを完成します。
⑦
⑧
はじめてのスクラッチ
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4 かばのスクリプト
① かばは、かべとかべの間を往復して
いるので、動かすだけならこのような
スクリプトになります。
② かばは、ボールとぶつかると止まる
ので、ブロックを追加します。
【ボールに触れた】ブロックは、調べる
カテゴリーから選びます。
③ ここでかばの動きを実行し、ボールをマウスで移動しておばけに触れさせると、かば
が止まることが分かります。
②
③
はじめてのスクラッチ
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④ 次に、ボールが触れたときに「いて!」
と言う表示をするように、ブロックを
追加します。
⑤ 見た目カテゴリーから【 と 秒言う】
ブロックを【ボールに触れたまで繰り返す】
ブロックの下に置きます。
値を いて! 2 に変えます。
⑥「いて!」は2秒後に消えるので、⑤の
下に【隠す】ブロックを置きます。
⑦ このままだと、一度消えると見えなく
なるので、最初に【表示する】ブロックを
置きます。
⑧ ここでおばけの動きを実行し、ボールを
マウスで移動しておばけに触れさせると、
おばけが「いて!」と言って止まること
が分かります。
⑨ さらに、おばけのスピードを変化させる
ために、1から 10までの乱数を発生して
速度変数に値をいれ、⑩動かす歩数に
入れます。
これで完成です。
なお、おばけの高さは、最初におばけを
置いた高さになります。
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
④
はじめてのスクラッチ
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5 ボールのスクリプト
① ボールの動きは、
【スペースキーが押され
たとき】から始まります。
② ボールの最初の位置は、
X座標が、ぞうと同じ
「X座標」、Y座標は
像の位置に合わせます。
③ ボールは一番上の Y座標
が 150より大きくなるか
おばけに触れるまで
10ずつ上がります。
④「または」や = などの計算
は、演算カテゴリーから選び
ます。
これで完成です。実行してみましょう。
1 ボールがぶつかったら得点が入るようにしよう。
2 おばけが飛ぶ高さを変化させてみよう。
①
② ③
チャレンジ
はじめてのスクラッチ
30
参考資料
小学生からはじめるわくわくプログラミング 阿部 和広 日経 BP 社
小学生からはじめるわくわくプログラミング2 阿部 和広 倉本 大資 日経 BP 社
SCRATCH ではじめよう! プログラミング入門 阿部 和弘 日経 BP 社
教員免許状更新更新講習資料
静岡産業大学情報学部 2017 2018 2019 2020 高橋 等