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アンテナの製作
電気電子工学実験第2
特別実験
アンテナ
高周波数の電源が接続された導線では電子は振動している
電磁波を放射、受信するのをアンテナ(antenna)と呼ぶ
アンテナの語源は昆虫の触角俗称「feelers」
専門語では「antenna (antennae)」 または鹿の角「antler」から由来していると言われる
-2-
アンテナとは?
コンデンサに交流を流すと
変位電流
電流I
磁界
電流が流れているわけではないが電界が変化
⇒ 電流が流れているのと同じ=変位電流
-3-
変位電流の変化
変位電流
磁界
電界
磁界
電界
電波の進行方向
-4-
微小波元からの電気力線
-5-
電波の周波数,波長
アンテナから放射された電波は波として伝わっていく
x
y
z
電界
磁界
E
H
波長λ=波が1往復する間に進む距離
周波数=1秒間に通り過ぎる波の数
-6-
アンテナの分類
電界型アンテナと磁界型アンテナ
電界型アンテナ:ダイポールアンテナ 磁界型アンテナ:微小ループアンテナ
(波長が1/10以下,波長程度の場合電界型アンテナとして動作)
-7-
磁界型アンテナ
RFID:13.56MHz 波長よりはるかに短い=コイルとして動作
LC共振回路
数 cm
数 cm
LCf
2
10
Lの値は電磁界解析ソフト等で計算可能
定在波型アンテナと進行波型アンテナ
定在波型アンテナ:
-ダイポールアンテナ
-パッチアンテナ
進行波型アンテナ:
-ロングワイヤーアンテナ
ZL
-9-
半波長ダイポールアンテナ
長さ2Lが1/2波長となるアンテナ
2L=λ/2
電流分布
電圧分布
-10-
半波長ダイポールアンテナの指向性
半波長アンテナの垂直指向性
0°
270° E
sin
cos2
cos60 0
r
IE90°
180°
-11-
ダイポールアンテナに乗る波長が短くなっていくと放射指向性はどうなるか
-12-
共振状態アンテナの負荷抵抗
負荷抵抗
負荷抵抗=放射抵抗+損失抵抗(熱損失)
PT : 放射電力
Pl : 損失電力
RT
T
RR
R
TT RIP2
0
I0
TR
RR RR RIP2
0
放射効率
LL RZ
RTL RRR
-13-
アンテナのインピーダンス
V0の電源を接続したアンテナの端子の電流をI0とすると
インピーダンスは
アンテナの電流分布を正確に求めることは困難
モーメント法,伝送線路近似などで求める
0
0
I
VZ in 𝑉0
𝐼0
-14-
ダイポールアンテナのインピーダンス特性
-15-
伝送線路
無限長 a
b
c
d
abZ cdZ 0Z
0ZZZ cdab
0Z
特性インピーダンス
LZ
L
-16-
伝送線路近似
端子AB間のインピーダンスは
0Z LZ
L
inZ
kLjZZ
kLjZZZ
I
VZ
L
Lin
tan
tan
0
00
k
2
A
B
-17-
先端に𝑅𝐿の抵抗を接続した長さが𝐿の伝送線路で近似.イピーダンスは無損失線路(𝑅𝑅 = 0 )の基礎方程式から
kLjRZ
kLjZRZ
jXRI
VZ
L
L
ininin
tan
tan
0
00
L
L
Lin
L
T
in
RZkLRZ
kLRZX
RZkLRZ
kLR
2
0222
0
22
0
2
0222
0
2
tan
tan
tan
tan1
-18-
半波長ダイポールは𝐿 = 𝜆/4
このとき入力インピーダンスは
𝑅𝑖𝑛はアンテナの放射抵抗に相当.𝑅𝑖𝑛 = 73.1Ωのとき伝送線路のインピーダンスはダイポールアンテナのインピーダンスに近くなる.よって𝑅𝐿
0
2
0
in
L
in
X
R
ZR
13.73
2
0ZRL
-19-
kLtan
ダイポールアンテナの伝送線路近似特性
0Z LR
L
inZ
A
B
-20-
定在波
給電線の特性インピーダンスと接続した負荷のインピーダンスが異なると反射波が生じる.
進行波と反射波の合成が定在波
←送信機 アンテナ(負荷抵抗)→
進行波
反射波 定在波
縦軸が電圧、横軸が距離
-21-
反射係数
反射波がどの程度あるのかを表す係数
しかし,実際に測定できるのは定在波であり,進行波,反射波のみの電圧は測定できない
反射係数Γ= 反射波電圧
進行波電圧
-22-
電圧定在波比 (Voltage Standing Wave Ratio: VSWR)
1
1
min
max
V
VVSWR
定在波の電圧の最大値|Vmax|と最小値|Vmin|の比
-23-
|Γ|=1(VSWR=∞)
|Γ|=0.5(VSWR=3)
|Γ|=0.10(VSWR=1.2)
-24-
VSWRの例
円形アンテナ
直径:12cm
モノポールアンテナ
13cm
-25-
VSWR (測定値)
1
3
5
7
9
11
13
15
17
19
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3
周波数 [GHz]
VSW
Rモノポール
モノポール抵抗付
円
-26-
不平衡型,平衡型
同軸ケーブル アンテナ
-27-
V[V]
電圧0[V]
同電位
電圧V/2[V]
電圧 -V/2[V]
モードの異なる負荷
コモンモード電流
𝐼1 = 𝐼2 + 𝐼3
𝐼2 = 𝐼21 − 𝐼22
また
𝐼1 = 𝐼21
より
𝐼3 = 𝐼22
⇒ 同軸から電波
⇒ 放射パタンがゆがむ
-28-
ZL/2
ZL/2
ZG
ZS
I1
I3
I2 I22
I21
バラン
U字バラン
半波長の同軸ケーブル
インピーダンス変換
抵抗を装荷して周波数特性を測定
-29-
V
-V
𝑍𝐼𝑁 =𝑉
𝐼
I/2
-I/2
𝜆/2
𝑍𝐿 =2𝑉
𝐼/2
= 4𝑍𝐼𝑁
伝送線路
実効誘電率:4.6(FR1)
実効波長@500MHz:0.6/√3.2=0.335m
⇒λ/4=8.38cm
マイクロストリップライン:
1.3mm@(75.6Ω,H1.6mm, T0.035mm)
300Ωの抵抗を装荷してSパラメータ測定
SMA
8.4cm
1.0cm
-30-
300Ω
チャネルインパルス応答
直接波+遅延波
インパルス応答
-31-
反射
行路差=遅延
遅延
Sパラメータ
通信路のモデル化
-32-
𝑍𝑔
𝑍𝐿
送信アンテナ +通信路 +受信アンテナ
𝑆11 𝑆12
𝑆21 𝑆22
受信回路 送信回路
𝑎2:ポート2の進行波 𝑏2:ポート2の反射波
𝑎1:ポート1の進行波 𝑏1:ポート1の反射波
𝑎1 → 𝑏1 ←
𝑎2 ← 𝑏2 →
伝送路の周波数応答とインパルス応答
Sパラメータの定義
𝑏1
𝑏2=
𝑆11 𝑆12
𝑆21 𝑆22
𝑎1
𝑎2
𝑆21 𝑓 =𝑏2 𝑓
𝑎1 𝑓 𝑎2 𝑓 =0
=ポート2の反射波ポート1の入力波
周波数𝑓における伝送路の応答
特定の帯域で測定
伝送路応答⇒フーリエ変換⇒インパルス応答
-33-
-34-
フェージングの周波数相間
フラットフェージング
周波数選択性フェージング
遅延時間τ 周波数
遅延時間τ 周波数
Tb
Tb
2/Tb
2/Tb
伝送路の
周波数特性
伝送路の
周波数特性
アンテナ製作
地上波デジタル放送受信機用アンテナ
広帯域,高利得(470-710MHz)
アンテナ特性VSWR(2.0を切ることを目標)を計測
チャネルインパルス応答を計測,計算
製作したアンテナ
製作したアンテナ 参照アンテナ
-35-
不平衡型,平衡型
同軸ケーブル
U字バラン
アンテナ
-36-
V[V]
電圧0[V]
同電位
電圧V/2[V]
電圧 -V/2[V]
SM
A
8.4cm
実験日程
1週目:製作するアンテナの調査,バランの制作 専門書,論文,WEB等の調査
必要な材料の洗い出し
伝送線路によるバランの製作,Sパラメータの測定
2週目:アンテナの製作,測定 材料の加工
VSWRの測定,受信特性
3週目:チャネルインパルス応答の測定 Sパラメータ測定
マルチパス遅延計算プログラム作成
-37-
ディスカッション
PPT作成・プレゼンテーション 製作したバランの特性
製作したアンテナの原理,特徴(特に広帯域性の理由)
製作したアンテナの説明,アンテナの写真
VSWRの測定結果,チャネルインパルス応答
工夫した点,その他考察
-38-