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学校体育指導資料 第49集 中 学 校:指導計画の作成 高等学校:体つくり運動の実践例 茨城県教育庁学校教育部保健体育課

中 学 校:指導計画の作成 高等学校:体つくり運動 …...はじめに 来年度より小学校,令和3年度より中学校において,新学習指導要領が全面実施となりま

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学校体育指導資料 第49集

中 学 校:指導計画の作成

高等学校:体つくり運動の実践例

令 和 2 年 3 月

茨城県教育庁学校教育部保健体育課

Page 2: 中 学 校:指導計画の作成 高等学校:体つくり運動 …...はじめに 来年度より小学校,令和3年度より中学校において,新学習指導要領が全面実施となりま

はじめに

来年度より小学校,令和3年度より中学校において,新学習指導要領が全面実施となりま

す。さらに,令和4年度より高等学校が年次進行で実施されます。

現在,各学校におかれましては,その準備に当たられていることと思います。学習指導要

領の趣旨を十分に理解され,子供たちにどのような力をどのような方法で身に付けさせてい

くのか,指導者がしっかりと押さえて指導に当たることが重要と言えます。

そこで,今年度で第 49 集となる本指導資料では,中学校保健体育科における指導計画の

作成について,事例を掲載いたしました。今後,令和3年度に向け,本指導資料を参考に各

学校が生徒の実態に対応し,より一層学習効率の高い指導計画を作成していただきますよう

お願いいたします。

また,高等学校においては,「体つくり運動」の実践例を紹介しております。生徒が様々な

運動に触れ,その心地よさや重要性を理解することで,その後の生活においても運動を取り

入れながら,健康な生活を送ることができる力を身に付けさせていただきたいと思います。

こういった学校体育の取組により,生徒一人一人が生涯にわたって心身ともに健康で,豊

かなスポーツライフを実現・継続できるよう願います。

作成に当たりましては,大学の有識者の方々や各学校の先生方に御協力を得まして,これ

までの研究内容や実践を基に具体的な内容で構成しました。

作成に御協力いただきました作成協力委員の皆様に対しまして,心から感謝申し上げます。

令和2年3月

茨城県教育庁学校教育部保健体育課長

益 子 雄 行

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Ⅰ 中学校:指導計画の作成

1 指導計画の作成について……………………………………………………1

⑴ 指導計画作成の重要性について

⑵ 指導計画作成に当たって配慮する事項について

⑶ 主体的・対話的で深い学びについて

2 単元計画の作成について……………………………………………………4

授業づくり

〇バランスのよい運動を選ぶ体つくり運動の授業……………………8

〇男女共習で喜びを味わえるマット運動の授業………………………16

〇学び合う陸上競技(短距離走・ハードル走)の授業………………20

〇生徒に提示する課題を工夫した水泳の授業…………………………24

〇ジグソー法を取り入れたバスケットボールの授業…………………28

〇タスクゲームを取り入れた球技の楽しさを味わう

ソフトボールの授業……………………………………………………32

〇3つの工夫で好きになる!剣道の授業………………………………36

〇ジグソー法を取り入れた仲間と協力して完成を目指す

ダンスの授業……………………………………………………………40

〇ワークショップを取り入れた体育理論の授業………………………44

Ⅱ 高等学校:体つくり運動の実践例

1 新学習指導要領における取扱い……………………………………………48

2 新学習指導要領における評価規準の例……………………………………50

3 体ほぐしの運動の例…………………………………………………………51

4 実生活に生かす運動の計画…………………………………………………57

参考・引用文献……………………………………………………………………67

目 次

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Ⅰ 中学校:指導計画の作成

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【図1 12 年間の体育・保健体育の指導内容】

1 指導計画の作成について

(1) 指導計画作成の重要性について

体育・保健体育では,小学校,中学校,高等学校の 12 年間を,発達の段階を踏まえて,

各種の運動の基礎を培う時期(小 1~小4),多くの領域の学習を経験する時期(小5~

中2),卒業後も運動やスポーツに多様な形で関わることができるようにする時期(中3

~高校)と,4-4-4のまとまりで捉えています。

また,今回の改訂により,小学校段階との接続及び高等学校への見通しを重視し,指

導内容の系統性が改めて整理され,各領域における「思考力,判断力,表現力等」「学び

に向かう力,人間性等」の指導内容の重点化を図ることも示されています。

これらのことを踏まえ

ると,小学校段階でどの

ような学びをしてきたの

か,中学校の入学段階で

の生徒の実態を把握し,

指導計画を立案すること

が重要であり,その後の

学びを通して,多様な形

で運動やスポーツに関わ

ることができるように見

通しをもたせながら,高

等学校へ接続することが

求められていると考えら

れます。まずは,3年間

を見通した年間指導計画を作成し,その上で,単元の指導計画をしっかりと立案してい

くことが必要です。

(2) 指導計画作成に当たって配慮する事項について

単元の指導計画を作成するに当たっては,「知識及び技能」「思考力,判断力,表現力

等」「学びに向かう力,人間性等」の指導内容をバランス良く指導し,生徒が偏りなく身

に付けることができるようにすることが大切です。また,それらを育成するためには,

主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うことが重要です。

主体的・対話的で深い学びを毎時間,1単位時間内で実現しようとすると,どうして

も無理が生じてしまいます。中学校の1単位時間は通常 50分ですので,毎時間,話し合

いや試行錯誤する時間を多く確保していると,運動学習場面が少なくなってしまい,運

動量が減ったり,技能が身に付かなかったりといったことが生じることも考えられます。

3つの内容はバランスよく指導することが重要ですが,運動を介して学習する保健体育

科の特性がぼやけてしまうことや,生徒が消化不良を起こしてしまうようなことは,避

けなければなりません。

そこで,何時間かのまとまりや単元としてのまとまりとしてこれを実現しよう考える

1

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ことで,教師側も余裕を持って計画や指導に当たることができます。例えば,3時間目

までは基本的な知識や技能を習得する場面を多くし,それ以降は生徒同士が見合い教え

合える視点を提示しながら対話を重視する場面を多くしていくといったことが考えられ

ます。ただし,基本的な知識や技能を身に付けるといっても,一斉指導で一方的に教え

込むといったことではありません。そこには,生徒が主体的に取り組めるような,運動

教材の取り上げ方やペアやトリオ,グループで行うといった学習形態など,様々な指導

の工夫が必要になってきます。また,対話を重視するからといって教師が全く関わらな

いということではありません。教師は,しっかり生徒の様子を観察し,生徒同士では気

付かない視点を提示したり,他のグループでの話合いを全体で共有したり,話合いとな

る材料を提供したりといった役割を果たさなければなりません。

他にも,学習の見通しをもったり自分の学びを振り返ったりする場面をどこに設定す

るのか,対話により自分の考えを広げたり深めたりする場面をどこに設定するか,生徒

が考える場面と教師が教える場面をどのように組み立てるかといった視点で,単元の構

成を考えていく必要があります。

(3) 主体的・対話的で深い学びについて

主体的な学びについては,学習課題が生徒の必要感のある課題になっているかが大切

です。指導者が,一方的に与えた課題では,表面上は主体的に動いているように見えて

も,実際にはただやっている,または,やらされている活動になってしまいます。生徒

が自分の現状や学びを振り返り,自分の課題を発見してこそ,自ら解決したいという思

いにつながっていきます。そのためには,ただ学習カードを用意し自分の課題について

書かせるといったことではなく,教師の発問や声掛けであったり,仲間との話し合いに

よる振り返りであったり,様々な手だてを講じて課題を発見し,その解決の見通しやゴ

ールイメージをもたせることが重要です。また,その際,一つの課題がクリアできたら

また新たな課題に挑戦できるようにしたり,課題が自分に合ったものなのかを考えさせ

修正したりすることができるような,教師側の声掛けも必要です。

対話的な学びについては,ただ話し合う時間を設定するだけでなく,話し合う視点を

示したり話し合う材料を提供したりすることが大切です。これについては,例えば球技

において学習カードやグループカードを用意して,自分のチームの動きやシュートのタ

イミングや数などを記入し,それに基づきながら,チームの課題を発見し,それを解決

していく話し合いを行うことが考えられます。ICTの活用もその手立ての一つとして

考えられますが,記録したことを基にすることで,課題が明確になり,対話が促進され

ることにもつながります。また,ゲームとゲームの間に話合い及びチーム練習を入れる

ことで,1試合目の課題を解決するといった必要感のある対話になるといったことも考

えられます。他にも,単元の前半では作戦や練習方法を教師側から複数提示し生徒が選

択できるようにし,後半では前半の学習を基にこれまでの作戦や練習方法を発展させる

といったことも考えられます。そういった,対話の道筋や基になるような材料を提供し,

教師側が学習環境を整えていくことが大切です。

深い学びについては,試行錯誤を繰り返しながら,思考を深めよりよく解決する学び

になることが必要です。具体的には,図2のような,思考力,判断力,表現力等が育成

2

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【図3 身に付ける資質・能力の関係性のイメージ】

されている場面が考えられま

す。図2は,支え釣り込み足

の学習を,ICT機器を使い,

グループで試行錯誤しながら

課題解決学習に取り組んでい

る場面です。支え釣り込み足

について学ぶという学習課題

から,最終的には様々な運動

場面で「軸足が大切である」

といった汎用的な知識を獲得

することに至っており,こう

いった学びが,深い学びにつ

ながると考えます。

保健体育科では,運動を介し

て学習を進めていきますので,それぞれの運動領域の特性に触れさせ,技能を向上させ

ることはとても重要なことです。ただ,それを生徒がどう学んでいくのかということが

更に重要なのです。上述したような授業では,グループでの課題解決学習が設定され,

主体的・対話的な学びが促進されるようなICT機器といった学習環境が整えられてい

ます。また,これらの学びを支える肯定的な雰囲気が醸成され,最終的に汎用的な知識

を習得する深い学びにつながっています。つまり,3つの学びが絡み合って学習が成立

し,生徒が技能のポイント(知識)を確認しながら技(技能)の習得を目指し,提示さ

れた動きのポイントやICTに写る自分や仲間の映像を基に課題やできばえを伝え合い

(思考力,判断力,表現力等),一

人一人の違いに応じた課題や取組

について肯定的に認め合う(学びに

向かう力,人間性)という,身に付

けるべき資質・能力が育成されてい

る状態といえます。

主体的・対話的で深い学びは,そ

れぞれが独立したものではなく,関

連付けて充実させていくことが重

要であり,順序性や階層性を示すも

のではありません。また,授業改

善の推進に向けては,知識及び技能を指導しながら,生徒の思考を深めるための発言や

意見交換を促したり,気付いていない視点を提示したりするなど,指導方法を工夫しな

がら教師がしっかりと関わることが重要です。

これらの学びを実現するためには,いつも通りの授業,今まで通りの授業といった意

識ではなく,ここでは何をどういう学び方で習得させるのかといった視点での単元計画

や授業計画を作成することが重要になってきます。その際,具体的な指導の手立てを計

画の中に盛り込んでいくことが大切です。

【図2 深い学びのイメージ 田村学(2018)「深い学び」を参考に筆者作成】

3

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2 単元計画の作成について

作成の手順 ①~③ 球技(ゴール型)の簡易単元構造図 授業づくりのポイント

ゴール前の空いている場所に動くことができるようにするために,ジグソー法において,いろいろな

練習方法をチームに伝達し,課題に応じた練習方法を選択できるようにする。

時 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

10

20

30

40

知 総

作成の手順 ④ 授業づくりのポイント ゴール前の空いている場所に動くことができるようにするために,ジグソー法において,いろいろな

練習方法をチームに伝達し,課題に応じた練習方法を選択できるようにする。

時 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

10

20

30

40

知 総

②指導時間を決めます。

・得点しやすい空間にいる味 方にパスを出すことがで きる。

・パスを受けるために,ゴー ル前の空いている場所に 動くことができる。

・提供された練習方法から, 自己やチームの課題に応 じた練習方法を選ぶこと ができる。

・練習の補助をしたり仲間に 助言したりして,仲間の学 習を援助しようとするこ とができる。

③単元のゴールを決める。

・どのような技能ができるようになればよいか。

・どのようなことが分かっていればよいか。

・その他,どのようなことが身に付いていればよいか。

・オリエンテ

ーショ ン ・特性 や成り 立ち ・中学

2年生で学ぶ内容の

確認

④オリエンテーション及び毎時間行う準備運動,

振り返り等について記載します。

健康観察・課題把握・場の準備・準備運動(スキルウォームアップ)

①学習指導要領の記載から,授業づくりの考

え方(大事にすること,工夫する点等)を考

えます。

学習の振り返り

4

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作成の手順 ⑤

授業づくりのポイント ゴール前の空いている場所に動くことができるようにするために,ジグソー法において,いろいろな

練習方法をチームに伝達し,課題に応じた練習方法を選択できるようにする。

時 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

10

20

30

40

知 総

作成の手順 ⑥

授業づくりのポイント ゴール前の空いている場所に動くことができるようにするために,ジグソー法において,いろいろな

練習方法をチームに伝達し,課題に応じた練習方法を選択できるようにする。

時 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

10

20

30

40

知 総

・オリエンテーショ ン ・特性 や成り 立ち ・中学2年生

で学ぶ内容の確認

健康観察・課題把握・場の準備・準備運動(スキルウォームアップ)

ボール操作 ドリブルパス シュート

試 し のゲーム

パス&ラン

ポストプレー

スクリーンプレー

ジグソー法

連携ゲーム リーグ戦

ボ ー ル 操作 ドリブル パス シュート

試しのゲーム

パス&ラン ポストプレー スクリーンプレー

ジグソー法

大会 エキスパート活動 ホームグループへの伝達練習方法の選択

連携ゲーム

リーグ戦

課題練習

単 元の まと め

グループ話し合い

・オリエンテーショ ン ・特性 や成り 立ち ・中学2年生

で学ぶ内容の確認

健康観察・課題把握・場の準備・準備運動(スキルウォームアップ)

⑤技能について,おおまかな指導内容を仮置きします。

学習の振り返り

学習の振り返り

⑥指導内容に応じた学習活動を計画し,修正を繰り返します。

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作成の手順 ⑦

授業づくりのポイント ゴール前の空いている場所に動くことができるようにするために,ジグソー法において,いろいろな

練習方法をチームに伝達し,課題に応じた練習方法を選択できるようにする。

時 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

10

20

30

40

知 総

作成の手順 ⑧

授業づくりのポイント ゴール前の空いている場所に動くことができるようにするために,ジグソー法において,いろいろな

練習方法をチームに伝達し,課題に応じた練習方法を選択できるようにする。

時 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

10

20

30

40

知 総

・オリエンテ

ーショ ン ・特性 や成り 立ち ・中学

2年生で学ぶ内容の

確認

健康観察・課題把握・場の準備・準備運動(スキルウォームアップ)

ボ ー ル 操作 ドリブル パス シュート

試しのゲーム

パス&ラン ポストプレー スクリーンプレー

ジグソー法

大会 エキスパート活動 ホームグループへの伝達練習方法の選択

連携ゲーム

リーグ戦

課題練習

単 元の まと め

グループ話し合い

勝 敗 を 競う楽しさ

積極的 仲間に助言 話合いに

参加

仲間の課題 練習選ぶ 仲間に伝える

学習の振り返り 特性

ドリブル 空間にパス 技能の程度

空間に動く

場所に立つ 分担役割

⑦評価の計画をします。

・オリエンテ

ーショ ン ・特性 や成り 立ち ・中学

2年生で学ぶ内容の

確認

健康観察・課題把握・場の準備・準備運動(スキルウォームアップ)

ボ ー ル 操作 ドリブル パス シュート

試しのゲーム

パス&ラン ポストプレー スクリーンプレー

ジグソー法

大会 エキスパート活動 ホームグループへの伝達練習方法の選択

連携ゲーム

リーグ戦

課題練習

単 元の まと め

グループ話し合い

勝 敗 を 競う楽しさ

積極的 仲間に助言 話合いに

参加

仲間の課題 練習選ぶ 仲間に伝える

学習の振り返り 特性

ドリブル 空間にパス 技能の程度

空間に動く

場所に立つ 分担役割

⑧評価の機会について修正します。

「知識」は記述,「技

能」は観察により評

価を行うので,1単

位時間に重なる場合

もあります。

観察による評

価が重なって

いるので,修

正 が 必 要 で

す。

1単位時間に

3つの観点を

評価している

ので,修正が

必要です。

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作成の手順 ⑨

授業づくりのポイント ゴール前の空いている場所に動くことができるようにするために,ジグソー法において,いろいろな

練習方法をチームに伝達し,課題に応じた練習方法を選択できるようにする。

時 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

10

20

30

40

知 総

作成の手順 ⑩ 完成

授業づくりのポイント ゴール前の空いている場所に動くことができるようにするために,ジグソー法において,いろいろな

練習方法をチームに伝達し,課題に応じた練習方法を選択できるようにする。

時 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

10

20

30

40

知 総

・オリエンテ

ーショ ン ・特性 や成り 立ち ・中学

2年生で学ぶ内容の

確認

健康観察・課題把握・場の準備・準備運動(スキルウォームアップ)

ボ ー ル 操作 ドリブル パス シュート

試しのゲーム

パス&ラン ポストプレー スクリーンプレー

ジグソー法

大会 エキスパート活動 ホームグループへの伝達練習方法の選択

連携ゲーム

リーグ戦

課題練習

単 元の まと め

グループ話し合い

勝 敗 を 競う楽しさ

積極的 仲間に助言 話合いに

参加

仲間の課題 練習選ぶ 仲間に伝える

学習の振り返り 特性

ドリブル 空間にパス 技能の程度

空間に動くパス 場所に立つ

分担役割

・オリエンテ

ーショ ン ・特性 や成り 立ち ・中学

2年生で学ぶ内容の

確認

健康観察・課題把握・場の準備・準備運動(スキルウォームアップ)

ボ ー ル 操作 ドリブル パス シュート

試しのゲーム

パス&ラン ポストプレー スクリーンプレー

ジグソー法

大会 エキスパート活動 ホームグループへの伝達練習方法の選択

連携ゲーム

リーグ戦

課題練習

単 元の まと め

グループ話し合い

③カード

①観 ②観 ③観

①カード ②カード習選ぶ

③カード

①カード

①観 ②観 ②カード

④観 ③観

④カード

⑩評価の機会に評価方法を記載する。

⑨評価を修正します。

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バランスのよい運動を選ぶ体つくり運動の授業

1 対象 中学校第1学年

2 学習指導要領の内容及び単元の目標

(1) 次の運動を通して,体を動かす楽しさや心地よさを味わい,体つくり運動の意義と行

い方,体の動きを高める方法などを理解し,目的に適した運動を身に付け組み合わせる

ことができるようにする。 (知識及び運動)

ア 体ほぐしの運動では,手軽な運動を行い,心と体の関係や心身の状態に気付き,仲

間と積極的に関わり合うことができるようにする。

イ 体の動きを高める運動では,ねらいに応じて,体の柔らかさ,巧みな動き,力強い

動き,動きを持続する能力を高めるための運動を行うことともに,それらを組み合わ

せることができるようにする。

(2) 自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,

自己や仲間の考えたことを他者に伝えることができるようにする。

(思考力,判断力,表現力等)

(3) 体つくり運動に積極的に取り組むとともに,仲間の学習を援助しようとすること,一

人一人の違いに応じた動きなどを認めようとすること,話合いに参加しようとすること

などや,健康・安全に気を配ることができるようにする。(学びに向かう力,人間性等)

3 単元の評価規準

知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に 取り組む態度

①体つくり運動には,心と体を ほぐし,体を動かす楽しさや 心地よさを味わう意義があ

ることについて,学習した具 体例を挙げている。

②体の動きを高めるためには, 安全で合理的に高める行い

方があることについて,学習

した具体例を挙げている。 ③運動の組合せ方には,効率の

よい組合せとバランスのよ

い組合せがあることについ

て,学習した具体例を挙げて いる。

①体ほぐしの運動で,「心と体の関

係や心身の状態に気付く」,「仲間

と積極的に関わり合う」ことを踏

まえてねらいに応じた運動を選

んでいる。 ②体の動きを高めるために,自己の

課題に応じた運動を選んでいる。 ③学習した安全上の留意点を,他の

学習場面に当てはめ,仲間に伝え

ている。 ④体力の程度や性別等の違いを踏

まえて,仲間とともに楽しむため

の運動を見付け,仲間に伝えてい

る。

①仲間の補助をしたり

助言をしたりして,

仲間の学習を援助し

ようとしている。 ②一人一人の違いに応

じた動きなどを認め

ようとしている。 ③ねらいに応じた行い

方などについての話

合いに参加しようと

している。 ④健康・安全に留意し

ている。

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4 単元の工夫

単元づくりのポイント

(1) 体の柔らかさを高めるための運動

◯運動例

・回転運動(様々な姿勢で,腕や脚などを回転させる。)

・ボールを使って(長座姿勢,開脚姿勢,8の字)・あぐら移動 ・ペアストレッチ

・タオルを使って ・椅子を使って(ストレッチ)ひじ・ひざタッチ ・肩入れ腕立て

◎行い方のポイント

・体を温めてから行うと効果的に行うことができます。

・体の各部位に事前に力を加えたり,意識的に力を抜いたりすると効果的です。

・ひとつの運動を反復することが大切です。

・全身の部位の運動を組み合わせることが大切です。

☆運動例を参考に運動の行い方を工夫しよう。

・運動例を参考に,全身の柔らかさを高めるための自分なりの運動を考えてみよう。

・緊張→解緊の組合せや意識的な解緊を行おう。

・運動例を参考に全身の柔らかさをより効果的に高める運動の行い方を工夫してみよう。

例:回転運動(2分)→ペアストレッチ(2分)→タオルを使って(2分)→ひじ・ひざタ

ッチ(2分)→肩入れ腕立て(2分)

(2) 巧みな動きを高める運動

◯運動例

・鉛筆ステップ ・お尻歩き ・歌ってキャッチ ・椅子を使って(足踏み)

・二人で縄跳び ・片足バランス ・新聞紙でジャグリング ・ブリッジ歩行

◎行い方のポイント

・できない運動の学習に取り組むときには,「ゆっくり→素早く」「小さく→大きく」

「弱く→強く」「易しく→難しく」など,段階的に運動の学習を進めることが大切です。

・自分がもう少しでできそうな運動にバランス良く,幅広く取り組むことが大切です。

・運動ができるようになったら,より難しい課題を工夫してさらに能力を高めよう。

☆運動例を参考に運動の行い方を工夫しよう。

・それぞれの運動例の課題を達成するための「動きの学び方」を工夫してみよう。

・運動例を参考に,巧みな動きをバランスよく,またそれらをより高めるための自分なりの

運動を考えてみよう。

例:鉛筆ステップ(ゆっくり)→(素早く)→お尻歩き(ゆっくり)→(素早く)→片足バ

ランス→(ボールを置いたり拾ったり)→新聞紙でジャグリング

(3) 力強い動きを高めるための運動

◯運動例

「楽しくできること」「体力がより高められること」を実践できるように,「体の動きを高

める運動」の運動例や自分で開発した運動を順序や強度,さらには反復回数に注意しながら,

効率よく組み合わせたり,バランスよく組み合わせたりすることができるようにする。

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・3種のスクワット ・ひざ曲げ伸ばし腹筋 ・ブリッジ(体幹)

・まきまきリフトアップ ・リストカール(ペットボトル)・ボールを使った腹筋

・椅子,箱,ボールでの腕立て ・タオル引き ・ブリッジ(体幹)

◎行い方のポイント

・使う身体の部位が偏らないようすべての部位を使う運動を選ぶことが大切です。

・繰り返すことのできる最大の回数(例:10回)を手がかりに,無理のない運動の強度と反

復回数を選ぶことが大切です。

・反復する中で姿勢が崩れないように注意しましょう。

☆運動例を参考に運動の行い方を工夫しよう!

・運動例を参考に,全身の力強い動きを高める自分なりの運動を開発してみよう。

・条件を変えても安定して行える強度と回数を工夫してみよう。

・一定回数を安定して行える付加条件を工夫してみよう。

例:ひざ曲げ伸ばし腹筋(10回×3)→ボールを使った腹筋(10 回×3)まきまきリフトア

ップ(3往復)→スクワット(10回)→左右交互スクワット(10 回)

④ 動きを持続する能力を高めるための運動

◯運動例

・まねっ子ジョギング ・長縄跳び ・短縄&エアー縄跳び ・逆さ自転車こぎ

・腕立てランニング ・雑巾がけ ・体幹腕立て

◎行い方のポイント

・心拍数や疲労感などを手がかりにして,無理のない強度と時間を選ぶことが大切。

・一つの運動を持続するだけでなく,「巧みな動きを高めるための運動」や「力強い動きを高

めるための運動」など,異なるねらいをもった運動を組み合わせ,反復して行うことで,

運動を持続する能力の向上に取り組むこともできます。

・音楽を流しながら行ったり,「体ほぐしの運動」と関連させたりすることもできます。

☆運動例を参考に運動の行い方を工夫しよう!

・運動例を参考に,自分自身にとって無理のない強度と時間を選んでみよう。

・「動きを持続する能力を高めるための運動」の例に加えて,それ以外のねらいをもった運動

例も参考にしながら,一定時間(例:10分間)で取り組むことができる動きを組み立てよ

う。

・活動場所に応じて組み合わせる運動を工夫してみよう。

例:2人でジョギング(5分)→長縄跳び(8の字5分)→(長縄+短縄5分)

⑤運動の組む合わせのポイント

・体の柔らかさを高めるには,体を温めてから,はじめに動きの中の体の柔らかさ,続いて

静止姿勢の体の柔らかさを高めよう。

・巧みな動きを高めるには,まずはさまざまな運動をできるようにし,後から身に付けた運

動を組み合わせて,より高度な動きを身に付けよう。

・力強い動きを高めるには,体を温めてから,はじめに素早く力を出す運動,次に全身の力

強さを高める運動に取り組み,それから体の一部の力強さを高める運動に取り組もう。

・動きを持続する能力を高める時は,心拍数が急激に高まらないよう,強度を高めていこう。

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運動例2 ○柔

あぐらで移動

【ねらい】 ゆっくり動きながら股関節の柔らかさを高める。

【行い方】 ①足首をもち両足裏を合わせ,少し前に出して座る。 ②お尻をかかとの方へ移動する。 ③慣れてきたらお辞儀をし,おでこを床につけるイメージで前に移

動する。 【ポイント】 かかとをできるだけ前に出し,ゆっくり移動する。

運動例1 ○柔

タオルを使って ① ③ ②

【ねらい】 セルフストレッチの中で筋に力を入れたり,抜いたりを繰り返し

体各部の体の柔らかさを高める。 【行い方】 ①タオルを片足の土踏まずに掛け,膝を伸ばす。 ②タオルを両足の土踏まずに掛け,両膝を伸ばす。 ③タオルを足の甲に掛け,頭とかかとを着けるイメージで体を反

る。 【ポイント】 筋を伸ばした状態で,はじめ意識的に力を入れ,それから一気に抜

く。

① ②

11

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運動例1 ○巧

鉛筆ステップ (鉛筆) (鉛筆) 【ねらい】 リズミカルに動くことができる能力を高める。

【行い方】 ①鉛筆2本置くことでできる3つのエリアを,様々なステップで

素早く足踏みする。 ②鉛筆の本数や幅,置く向きでバリエーションを変えることがで

きる。 【ポイント】 かかとを着けずに拇指球で床を押す。

運動例2 ○巧

歌ってキャッチ

【ねらい】 ボールの動きに対応してタイミング良く,力を調節して動くこと

ができる能力を高める。 【行い方】 ①自分の好きな歌等を歌いながらボールをつく。最初は利き腕で 行い,できたら逆手で行う。

②歌の終わりには写真のように,ボールを背面キャッチしたりす

るなどバリエーションを加えても良い。 【ポイント】 ボールをよく見て,歌のリズムに合わせてバウンドさせる。キャ

ッチする前のボールコントロールを大切にする。

① ② ① ②

12

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運動例1 ○力

スクワット3種 ① ② ③ 【ねらい】

自己の体力に応じた負荷条件を選んで力強い動きを高める。

【行い方】

① 腰幅程度に脚を開き,つま先は外側に向けて直立する。タオルを頭に乗せ,

手は腰の位置に置き,背筋は伸ばして,軽く膝を曲げる。

息をゆっくり吸うと同時に太ももと床が平行になるくらいまでしゃがん

だら,息を吐きながら膝を伸ばしきらないように立ち上がる。

② 左右交互に伸脚の姿勢をとる片足スクワットを行う。

③ 片足を椅子に乗せて片足スクワットをする。(椅子は体の後ろに置くが,ね

らいに応じて変えてもよい。)

【ポイント】

お尻を後ろに突き出すようにしながら,軸がぶれないようにしゃがみこむ。膝が

つま先の前に出ないようにする。目的に合わせて回数や屈伸の大きさ,屈伸のスピ

ードで負荷を調節する。

運動例1 ○持

長縄跳び

【ねらい】

巧みな動きを高めつつ動きを持続する能力を高める。 【行い方】 「縄の入り口と出口」「縄の回す向き」を変えながら単調

な動きの繰り返しにならないように工夫する。 仲間と協力して楽しみながら行う。

【ポイント】 止まらずできる限り走り続けながら行う。

13

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◯体つ くり

運動の意義 ・グループで意 見 を 交

流 ・学習カードへ記入

【体ほぐしの

運動】 ・リーダーの真

似をして走

る ・リズムに乗っ

て (リズムダ

ンス )手つな

ぎ鬼

5 指導と評価の計画(7時間扱い)

時 1 2 3 4 ○5 6 7

10 20 30 40

オリエンテ

ーション

習得技術の

確認

集合整列・挨拶・健康観察・本時の課題確認

準備運動(単元に必要である基本的な動きを習得するためのスキルウォームアップ)

整理運動・まとめ・次時の課題等

知 ①カード ②カード ③カード 総

③観 ④カード ②観・カード ①カード

態 ④観

①観 ②観 ③観

思④仲間と楽しむ運動を見付け伝える

思③安全上の留意点を当てはめる

バランスのよい組み合わせ

【体ほぐしの運動】 ・のびのびとした動作で用具などを用いた運動

・緊張したり緊張を解いて脱力したりする 〈個人→ペア〉

【体の動きを高める運動Ⅰ】 「運動の行い方を確認しよう」→4つの

運動のねらいに応じた運動例の学習

【体の動きを高める運動Ⅱ】 「ねらいに応じて運動を組み合わせよう」(柔らかさ,巧みさ,力強さ,動きの持続) ・自己分析→ねらいの設定→コース選択→ペアを決める→運動の選択

・1つのねらいを取り上げて,効率のよい運動例を組み合わせる.

【運動の組合せ】 「ねらいや自己の体力に応じてバランスのよい組み合わせ方を見付けよう」 ◯バランスのよい組み合わせ方を見付ける。 ※主にグループでの活動。 ・組合せを考える→実践→修正 ・バランスのよい組み合わせた運動を実践してみることを通して,ねらいと自

己の体力に応じた組み合わせになっているかを振り返り修正を加える。

態①仲間の補助

思②自己の課題に応じた運動を選ぶ

【体ほぐしの運動】 ・課題に応じた運動

【体ほぐしの運動】 ・いろいろな条件で,歩いたり走ったり跳びはねたりする運動 ・仲間と協力して課題を達成するなど,集団で挑戦するような運動

〈主にグループ〉

◯実践発表会を行う ・グループごとに,バランスのよい運動の組み合わせを発表し合い,取り組み方の工夫や組み合わせ方について共有する。

・発表会→アドバイスタイム→自分の組み合わせを確定→生活の中で実践

◯学習のまとめ

態②違いを認める

知①楽しさ

◯オリ エンテーション ・学習の見通しをもつ

・学習の約束

に つ い て確認

効率のよい組み合わせ

態④健康安全

知③組み

合わせ方 態③話し合

いに参加

思①ねらい

に応じた運

知②合理的に高める

14

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6 本時の展開(5/7時間)

(1) 本時の目標

体の動きを高めるために,自己の課題に応じた運動を選ぶことができるようにする。 (思考力,判断力,表現力等)

(2) 準備・資料

椅子,タオル,ボール,新聞紙,筆記用具

(3) 展開 ※分かる授業づくりの個への手立て

学習内容・活動 指導の手立て・評価 1 集合・挨拶をする。

2 本時の学習課題をつかむ。

体の動きを高めるバランスのよい組み

合わせ方とはどのような組合せだろうか。

3 体ほぐしの運動を行う。

・いろいろな条件で,歩いたり走ったり跳

びはねたりする運動

4 自己にあった体の動きを高めるバラン

スのよい組み合わせ方を見付ける。

例1:2人でジョギング(3分)→回転運動

(5分)→鉛筆ステップ(5分)→ス

クワット(15×3)

例2:膝支持腕立て(15×3)→バランス腹

筋(10×3)→2人でジョギング(10

分)→タオルを使って(5分)

5 運動を交換し意見交換を行う。

・運動交換→意見交換→再実践

6 本時の学習のまとめ,振り返りを行う。

・素早い行動を意識するように支援する。

・健康観察を行う。

・ねらいに対応した評価の方法について説明す

る。

・心と体がリラックスできる雰囲気づくりに努

める。

※運動が苦手な生徒に対して,つまずきに対応

した易しいうごきから始めるよう助言する。

・ねらいが異なる運動をバランスよく組み合わ

せてできるよう助言する。

・各個人よって行う時間や回数,強度等の条件

を考えるようアドバイスする。

※自分に合った組合せができない生徒に対して

例を参考に考えるようアドバイスする。

【思考・判断・表現】

自己にあった体力を高める運動を選ぶこと

ができる。 (観察・学習カード)

・同じグループ内で,選んだ運動例を互いに実

践し合い,意見交換する。

・他のグループのよいところを,自グループに

取り入れられるよう助言する。

・継続して行うことができる運動の組合せを考

え,ワークシートに記入する。

・本時のまとめを行い,次時への目標を立てさ

せる。

15

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男女共習で喜びを味わえるマット運動の授業

1 対象 中学校第1学年

2 学習指導要領の内容及び単元の目標

(1) 次の運動について,技ができる楽しさや喜びを味わい,器械運動の特性や成り立ち,技

の名称や行い方,その運動に関連して高まる体力などを理解するとともに,技をよりよ

く行うことができようにする。 (知識及び技能)

ア マット運動では,回転系や巧技系の基本的な技を滑らかに行うこと,条件を変えた

技や発展技を行うこと及びそれらを組み合わせることができるようにする。

(2) 技などの自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫すると

ともに,自己の考えたことを他者に伝えることができるようにする。

(思考力・判断力・表現力等)

(3) 器械運動に積極的に取り組むとともに,よい演技を認めようとすること,仲間の学習

を援助しようとすること。一人一人の違いに応じた課題や挑戦を認めようとすることな

どや,健康・安全に気を配ることができるようにする。 (学びに向かう力,人間性等)

3 単元の評価規準

知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に

取り組む態度 ○知識 ①器械運動には多くの「技」があ

り,これらの技に挑戦し,そ の技ができる楽しさや喜びを 味わうことができることにつ いて,言ったり書き出したり している。

②技の名称は,運動の基本形態 を示す名称と,運動の経過に おける課題を示す名称によっ て名付けられていることにつ いて,学習した具体例を挙げ ている。

③器械運動は,それぞれの種目 や系などにより主として高ま る体力要素が異なることにつ いて,学習した具体例を挙げ ている。

④発表会には,学習の段階に応 じたねらいや行い方があるこ とについて,言ったり書き出 したりしている。

○技能 ①体をマットに順々に接触さ せて回転するための動き方 や回転力を高めるための動 き方で,基本的な技の一連 の動きを滑らかにして回る ことができる。

②全身を支えたり突き放したり するための着手の仕方,回転 力を高めるための動き方,起 き上がりやすくするための動 き方で,基本的な技の一連の 動きを滑らかにして回転する ことができる。

③開始姿勢や終末姿勢,手の着 き方や組合せの動きなどの条 件を変えて回転することがで きる。

④学習した基本的な技を発展さ せて,一連の動きで回転する ことができる。

① 提示された動

きのポイント

やつまずきの

事 例 を 参 考

に,仲間の課

題や出来映え

を 伝 え て い

る。 ②提供された練習

方法から,自己

の課題に応じ

て,技の習得に

適した練習方法

を選んでいる。 ③学習した安全上

の留意点を,他

の学習場面に当

てはめ,仲間に

伝えている。

①よい技や演

技に称賛の

声をかける

など,仲間の

努力を認め

ようとして

いる。 ②練習の補助

をしたり仲

間に助言し

たりして,仲

間の学習を

援助しよう

としている。 ③健康・安全に

留意してい

る。

16

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男女が一緒に活動することで身体的違いを理解し,相手を認め,励まし,協力し

合うことで,学習意欲を向上させていきたい。そのために,ICT・学習カード・

補助者の活用,グループ編成・場の工夫などを通して,男女での学び合いを活性化

させマット運動の楽しさを味わうことができるようにする。

4 単元の工夫

単元づくりのポイント

(1) ICT・学習カード・補助者の活用

①男女で同じ運動を撮影し,男子の力強い動きや,女子の柔らかい動きなど,見比べ

ながら,よいところや,課題となる動きを確認する。

②見本となる動画をテレビやPCで流し,いつでも確認できるようにする。

③各グループにホワイトボードを配付し,技の一連動作を拡大して貼り,一つの動きに

対してコメントを書き込めるようにしておく。それについてグループで話し合う。

また,学習カードも用意し,配慮を要する生徒へは,学習カードに直接書き込んだ

り,写したりできるようにする。

④支えたり,持ち上げたりと男女で協力して補助を行い,効果的で安全に技の練習を

行えるようにする。

(2) グループ編成・場の工夫

①1グループ4~5人でグループ編成する。

②得意不得意のバランスを考慮したグループ編成を行う。

③回りやすい,支持しやすい,止まりやすい等の場の工夫をする。

(重く大きな器械器具も男女で協力しながら準備する。)

例:マットを重ねる,マットの下に踏み切り板を入れる等

※生徒の実態によっては,単元途中で再度グループ編成を行うことも視野に入れる。

(3) 生徒の実態から

◯「はじめ-なか-おわり」の「なか」に共通技を設定し,全員が行えるよう協力しな

がらグループ活動を行う。

・配慮を要する生徒には,補助を付けたり,補助具を使ったりしながら行わせる。

例:倒立前転・・・補助倒立前転・三点倒立でもよい

留意点

(1) 男女が相互に助言し合える。

◯互いに教え合う場面を設定する。例:互いの技の出来映え等の確認,助言。

(2) ペアやグループ編成の配慮をする。

◯男女が交流していく中でコミュニケーションを用いて人間関係を構築する。

・生徒間の協力・協働に発展できるようにする。

・健康・安全に関する指導の充実を図る。

(3) 自主的・協働的な活動ができるような場面を設定する。

◯自主的・協働的な活動ができるように支援する。

・オリエンテーションを通して,ねらいや内容を説明する。

・約束事の徹底,生徒同士が真剣に取り組める環境を整備する。

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5 指導と評価の計画(12 時間扱い)

時 1 2 3 4 5 6 7 ○8 9 10 11 12

10 20 30 40

集合整列・挨拶・健康観察 本時の課題と内容の確認 器具の準備,準備運動,基本動作の練習

基本動作

の練習 基本的な技を滑らかに行うた

めの学習 自己の課題に応じた課題別練

習 技を組み合わせて行うための学習 (男女でアドバイスをし合いながら)

発表会

知①特性

※ よ い

演 技 を

認める。

※ 技 の

出 来 映

え か ら

技 能 の

高 ま り

を 確 か

める。

※小学校

の学習状

況を確認

※ゆりか

ご・背支

持倒立か

ら転がり

立ち・補

助倒立

思②練習

方法の選

器具の片付け 学習の振り返りまとめ

知 ①カード ②カード ③カード ④カード 総

技 ①観 ②観 ③観 ④観

思 ②観・ カード ①観・

カード ③観・ カード

態 ③観 ②観 ①観

思 ③ 安 全

上 の 留 意

点 当 て は

主①仲間の努

力の認

め合い

【ほん転技群】の確認 ・倒立前転,倒立回転跳びグループ(倒

立前転,側方倒立回転,ロンダート) ・はねおきグループ(頭はねおき)

技①②

【ほん転技群】発展 ・ICT,機械器具,補助等自己の課題に

応じて活用し,「できる」を体験する。

【接点技群】発展 ・ICT,機械器具,補助等自己の課題に

応じて活用し,「できる」を体験する。

【接点技群】の確認 ・前転グループ(前転,開脚前転) ・後転グループ(後転,開脚後転)

◯共通技を入れた組合せを練習する。 男女混合グループの基本的な技,条件を

変えた技,発展技を「はじめ-倒立前転-

おわり」に組み合わせて行う。

知 ④ 発

表 会 の

ね ら い

行 い 方

思 ① 課

題 や 出

来 映 え

伝える

知②技の

名称や行

い方

知③関連

して高ま

る体力

技①マット

に順々に接

態③健

康安全

に留意

態①仲間

の努力を

認める

思② 練習の

選択

技③条件

を変えて

回転する

思 ③ 安

全 上 の

留意点

知①学習

した具体

例を挙げ

技④一

連の動

きで回

転する

技② 着手,起き

上がり

態②仲間

の学習の

援助

18

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6 本時の展開(8/12 時間)

(1) 本時の目標 学習した基本的な技を発展させ,一連の動きで回転することができるようにする。

(知識及び技能) (2) 準備・資料

I ICT,学習カード,マット,ロイター版

(3)展開 ※分かる授業づくりの個への手立て

学習内容・活動 指導の手立て・評価 1 集合,整列,出席確認をする。 2 準備運動,基本動作の練習をする。 3 本時の学習課題や学習の進め方を確認す

る。 4 前時までの内容から,自己の課題を確認す

るする。 ◯男女混合のグループを組み,各自の課題確

認 ・ICTの活用 5 「はじめ→倒立前転→おわり」の「はじめ・

おわり」の技を考える。 ◯基本的な技を組み込んでの練習

・ICTの活用,グループ内での比較 (気になる点をアドバイス)

◯発展技を組み込んでの練習 ・ICTの活用,グループ内での比較 (気になる点をアドバイス)

・器械・器具の活用 ・段差や傾斜の利用 ・補助者の活用 6 整理運動をする。 7 本時の振り返りをする。

・健康観察を行い,見学者への指示を行う。 ・役割分担し,安全に気を付けて行うよう指

示をする。 ・本時の流れと課題を知らせ,見通しをもっ

て学習できるようにする。 ・前時の既習事項を確認させ,意欲的に授業

に取り組めるようにする。 ・前時までの学習から,課題を確認しやすい

ように撮影した動画を活用させる。 ・見本となる動画と自己の動きを比較させ課

題を明確にする。 ・基本となる技,発展技を組み込んで,一連

の動きが滑らかになるように,ICTを使

って確認したり,男女でアドバイスをした

りする。 ・発展技には,補助や機械器具の工夫を入れ,

安全に行えるよう配慮する。 ※共通技が上手くできない生徒には,補助倒立

や三点倒立で行うようアドバイス行う。 ・使用した部位を中心にストレッチをするよ

う指示をする。 ・学習カードを記入させ,本時の振り返りと,

次時への意欲付けを行う。

倒立前転を発展させ,組み合わせ技をで

きるようにしよう。

【知識・技能】 倒立前転を発展させ,一連の動きで回転

することができる。 (観察・学習カード)

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学び合う陸上競技(短距離走・ハードル走)の授業

1 対象 中学校第1学年

2 学習指導要領の内容及び単元の目標 (1) 次の運動について,記録の向上や競争の楽しさや喜びを味わい,陸上競技の特性や成

り立ち,技術の名称や行い方,その運動に関連して高まる体力などを理解するとともに,

基本的な動きや効率のよい動きを身に付けることができるようにする。(知識及び技能)

ア 短距離走では,滑らかな動きで速く走ること,ハードル走では,リズミカルな走り

から滑らかにハードルを越すことができるようにする。

(2) 動き方など自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫する

とともに,自己の考えたことを他者に伝えることができるようにする。

(思考力,判断力,表現力等)

(3) 陸上競技に積極的に取り組むとともに,勝敗などを認め,ルールやマナーを守ろうと

すること,分担した役割を果たそうとすること,一人一人の違いに応じた課題や挑戦を

認めようとすることなどや,健康・安全に気を配ることができるようにする。

(学びに向かう力,人間性等)

3 単元の評価規準

知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に 取り組む態度

○知識 ① 陸上競技の各種目

において用いられ

る技術の名称があ

り,各技術で動き

のポイントがある

ことについて言っ

たり書き出したり

している。 ②それぞれの種目で

主として高まる体

力要素が異なるこ

とについて学習し

た具体例を挙げて

いる。

○技能 ①クラウチングスタ

ートから徐々に上

体を起こして加速

していくことがで

きる。 ②遠くから踏み切

り,勢いよくハー

ドルを走り越すこ

とができる。 ③インターバルを3

又は5歩でリズミ

カルに走ることが

できる。

①提示された動きのポイ

ントやつまずきの事例

を参考に,仲間の課題

や出来映えを伝えてい

る。 ②提供された練習方法か

ら,自己の課題に応じ

て,動きの習得に適し

た練習方法を選んでい

る。 ③学習した安全上の留意

点を,他の学習場面に

当てはめ,仲間に伝え

ている。 ④体力や技能の程度,性

別等の違いを踏まえ

て,仲間とともに楽し

むための練習や競争を

行う方法を見付けてい

る。

①陸上競技の学習に

積極的に取り組も

うとしている。 ②用具等の準備や後

片付け,記録など

の分担した役割を

果たそうとしてい

る。 ③一人一人の違いに

応じた課題や挑戦

を認めようとして

いる。

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4 単元の工夫

単元づくりのポイント

(1) ジグソー法

・男女共習のグループを編成し,短距離走は2時間目に,ハードル走は7時間目に「エキ

スパート活動」を行い,練習方法を学習する。

・短距離走は3,4時間目に,ハードル走は8,9時間目に「エキスパート活動」で学ん

だことをホームチームに伝達し練習する。

<グループの配置例(○短距離走,◆ハードル走)>

【A】 ○スターティングブロックの使い方

◆スタートから1台目のハードルへの(アプローチ)

【B】 ○滑らかなスタートの仕方~加速疾走

◆ハードルを低く走り越せること

【C】 ○徐々に上体を起こしていくこと

◆遠くから踏み切ること

【D】 ○中間疾走~フィニッシュ

◆インターバルを3歩又は5歩でリズミカルに走ること

(2) 個人の課題に合わせた練習方法の選択

・「エキスパート活動」で学ぶ動き方は,滑らかに動く内容の練習のため,練習する内容を

段階に分けて設定する。自らの技能段階や課題に合わせた練習を選択して実施すること

で,技能習得につなげることができる。

<学習例>

短距離走 ハードル走

3種類のスタート方法練習

「バンチスタート」,「ミディアムスタート」,

「エロンゲ―テッドスタート」から選択

【A】

アプローチの歩数を測る練習

グループ内で歩数計測,選択

ラインに合わせてスタートダッシュ

スタート後の歩幅の選択 【B】

ゴム紐を頭上に張った練習

ゴム紐の高さの選択

ゴム紐を頭上に張った練習

上体を起こし始める場所の選択

10m,12.5m,15mから選択

【C】

踏切位置を変えたレーンで練習

ハードル手前踏切位置の選択

60cm,80cm,100cmから選択

テンポ走,加速走,ウィンドスプリント

課題に合わせた練習方法選択 【D】

インターバルの異なるレーンで練習

6.5m,7m,7.5m,8mから選択

(3) ミニ記録会

・毎回授業の最後に記録会を実施する。選択した動作や技能は,自分に適していたのかを

結果や周囲からのフィードバックを基にして判断する。

・ハードル走では,条件やインターバルの異なるレーンを設置し,生徒が自分に合う条件

やインターバルを選択し,活動できるようにする。

・ICT機器を活用し,自分の動きと模範の動きを確認したり,比較したりする。

滑らかにクラウチングスタートやハードリングができるようにするために,ジグソー

法を活用して,様々な練習方法をチームに伝達し,課題に応じた練習方法を選択できる

ようにする。

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Page 26: 中 学 校:指導計画の作成 高等学校:体つくり運動 …...はじめに 来年度より小学校,令和3年度より中学校において,新学習指導要領が全面実施となりま

5 指導と評価の計画(12 時間扱い)

時 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ⑩ 11 12

10 20 30 40

オリエンテ

ーション

習得技術

の確認

学習の進

め方

ワーク

シートの

活用

動画視聴

集合整列・挨拶・健康観察・本時の課題確認

知識の

確認 ・ルール ・技能 単元の

まとめ

整理運動・後片付け まとめ・振り返り・次時の課題確認等

知 ①カード ②カード 総

技 ①観 ②観 ③観

思 ①カード ②カード ③カード ④カード

態 ①観 ②観 ③観

【技術ポイントドリル】(種目のポイントを意識した動きづくり)ラダー,加速走,抜き足ドリル

【スキルアップタイム】(運動の質を高める動きづくり)スキップ,ミニハードル走,インターバル走

課題 解決 練習

記録 測定

技① 加速

【ミニ記録会】(ポイントを意識し記録計測)

ハードル走 7~10時間を活用しジグソー学習を行う。

知① 技能名称

【ホームチームで伝達】 1時間で2人が伝達役 思③ 安全な

練習

技② ハード リング

【ミニ記録会】(ポイントを意識し記録計測)

課題 解決 練習

記録 測定

技能③ インタ

ーバル

エキスパ

ート学習

【グルー

プ練習】 思④

練習方法 態③

課題挑戦

短距離走 2~5時間を活用しジグソー学習を行う。

練習 方法

知② 体力

要素

【ホームチームで伝達】 1時間で2人が伝達役 思①

出来映

態② 分担し

た役割

態① 積極

22

Page 27: 中 学 校:指導計画の作成 高等学校:体つくり運動 …...はじめに 来年度より小学校,令和3年度より中学校において,新学習指導要領が全面実施となりま

6 本時の展開(10/12 時間) (1) 本時の目標

○ 体力や技能の程度,性別等の違いを踏まえて,仲間とともに楽しむための練習や競 争を行う方法を見付けることができるようにする。 (思考力,判断力,表現力等)

○ 一人一人の違いに応じた課題や挑戦を認めることができるようにする。 (学びに向かう力,人間性等)

(2) 準備・資料

学習カード,ハードル,走り高跳び用スタンド,ゴム紐,タブレット,三脚,ビブ

ス,ストップウォッチ (3) 展開 ※分かる授業づくりの個への手立て

学習内容・活動 指導の手立て・評価 1 集合・挨拶をする 2 学習課題を確認する。 3 スキルアップドリルをする。 ・スキッピング 4 技術ポイントドリルをする。 ・抜き足ドリル

・ハードル走の記録を向上させるには,ハードリン

グが大切な要素であることを確認する。 ・素早い動き,速いピッチ,大きな動作,リズムよ

く行うことなどを意識させる。 ・抜き足がハードルの頂上を通過する際には,地面

と平行になることや,通過後は抜き足をたたむこ

とを意識させる。 5 グループ学習をする。 ・エキスパート役の生徒が自グループ

のメンバーに技能ポイントを助言す る。

S H H H H H S H H H H H

T T S=スタート H=ハードル T=タブレット

・エキスパート役の生徒がグループのメンバーにポ

イントを伝えているのかを巡視し確認する。 ※エキスパート役の生徒とともに助言を行い,助言

するポイントを確認する。 ・タブレットの遅延機能を活用し,スタート位置に

戻ってくる際に確認させ,再度練習させる。

6 兄弟グループと学習をする。

・ビブスをし,兄弟グループの同じエキスパートの

生徒同士が振り返りをできるようにする。 7 ミニ記録会を行う ・グループ内で交互に計測 ・タイム計測をする→結果を聞く→観

察者のアドバイスを聞く→メンバー

の計測をする。

・本時で学習した技能ポイントを踏まえてアドバイ

スをするよう助言する。 ※ハードリングが上手くできない生徒には,タブレ

ットで自分の動きを確認し,技能ポイントをアド

バイスする。

8 振り返りをする。 ・ミニ記録会では,練習したことを発揮することが

できたのかを確認する。 ・グループで協力して学習をしていたり,積極的に

助言したりしていた生徒を称賛する。 9 まとめと次時予告をする。 ・アプローチでは,自分の歩数を確実に守ること,

ハードリングでは,またぎ越える様にすることが

大切であることを指導する。

グループで滑らかなハードリングを

するためのポイントを見付けよう。

【思考・判断・表現】 仲間とともに楽しむための練習や競争を行う

方法を見付けている。 (学習カード)

【主体的に学習に取り組む態度】 一人一人の違いに応じた課題や挑戦を認め

ようとしている。 (観察)

23

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生徒に提示する課題を工夫した水泳の授業

1 対象 中学校第1学年

2 学習指導要領の内容及び単元の目標

(1) 次の運動について,記録の向上や競争の楽しさや喜びを味わい,水泳の特性や成り立

ち,技術の名称や行い方,その運動に関連して高まる体力などを理解するとともに,泳

法を身に付けることができるようにする。 (知識及び技能)

ア クロールでは,手と足の動き,呼吸のバランスをとり速く泳ぐことができるよう

にする。

イ 平泳ぎでは,手と足の動き,呼吸のバランスをとり長く泳ぐことができるように

する。

(2) 泳法などの自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫する

とともに,自己の考えたことを他者に伝えることができるようにする。

(思考力・判断力・表現力)

(3) 水泳に積極的に取り組むとともに,勝敗などを認め,ルールやマナーを守ろうとする

こと,分担した役割を果たそうとすること,一人一人の違いに応じた課題や挑戦を認め

ようとすることなどや,水泳の事故防止に関する心得を遵守するなど健康・安全に気を

配ることができるようにする。 (学びに向かう力,人間性等)

3 単元の評価規準

知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に

取り組む態度 ○知識 ①水泳の特性や成り立

ちについて,学習し た具体例を挙げてい る。

②水泳で用いられる技 術の名称があり,そ れぞれの技術には, 効率的に泳ぐための ポイントがあること を言ったり書き出し たりしている。

③泳法と関連させたり 補助運動や部分練習 を繰り返したり,継 続して行ったりする ことで,結果として 体力を高めることが できることを言った り書き出したりして いる。

○技能 (クロール) ①水面上の腕は,ローリン

グの動きに合わせてリ

ラックスして前方に動

かすことができる。 ②泳ぎの速さに応じて顔

を横に向ける大きさを

調節して呼吸動作を行

うことができる。 (平泳ぎ) ③肩より前で,両手で逆ハ

ート型を描くように強

くかくことができる。 ④プルのかき終わりに合

わせて顔を水面上に出

して呼吸を行いキック

の蹴り終わりに合わせ

て伸びをとり,1回のス トロークで大きく進む

ことができる。

①学習した安全上の

留意点を,他の学

習場面に当ては

め,仲間に伝えて

いる。 ②自己の技術的な課

題やその課題解決

に有効な練習方法

を選んでいる。 ③選択した泳法に必

要な準備運動や自

己が取り組む補助

運動を選んでい

る。 ④選択した泳法につ

いて,合理的な動

きと自己や仲間の

動きを比較して,

成果や改善すべき

ポイントとその理

由を仲間に伝えて

いる。

①水の事故防止

の心得を遵守

す る な ど 健

康・安全に留意

している。 ②水泳の学習に

積極的に取り

組もうとして

いる。 ③仲間と互いに

合意した自己

の役割を果た

そうとしてい

る。 ④一人一人の違

いに応じた課

題や挑戦を認

めようとして

いる。

24

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4 単元の工夫

単元づくりのポイント

(1) 単元の目標に迫る効果的な学習課題の設定について

水泳の授業における学習課題の設定は,一人一人の技能の差が大きいため,抽象的なものに

なることが多い。多くの生徒が共通して取り組むことのできる学習課題を工夫して設定するこ

とで,仲間と協力して取り組むことができたり,競い合って主体的に練習に取り組むことがで

きたりすると考える。

本時(8/10時間)では,「平泳ぎの泳法で5回のプルとキックを行い,距離を伸ばすため

にはどうすればよいだろうか。」という課題を設定した。これにより,各グループや個人で技

能の程度に応じた目標を立てやすく,力強いプルと,水をしっかり捉えたキック,それらに息

継ぎを加えたコンビネーションを意識して練習に取り組むことができると考える

(2) 仲間と協力して練習を行うことのできる単元計画について

単元の初めにオリエンテーションを行い,小学校までの学習の状況を確認するとともに,技

能の程度等に応じたグループを編成し,学習の見通しを立てる。

単元の前半は,主にクロールの泳法について学習する。その際,「きれいなフォームで長く

泳ぐこと」,「速く泳げるようになること」など,各自の目標に合った練習方法を選択しながら

活動を行う。単元の後半では,平泳ぎについて,「基本の動きを身に付けるコース」と「きれ

いなフォームで長く泳ぐコース」に分かれて活動をする。また,単元を通して,練習のねらい

や目的を理解した上で取り組むことができるよう,資料の提示をして理解を深めさせたり,ICT

機器を使ってお互いに自身の動きを振り返ったりしながら練習を進められるよう支援する。特

に,水泳は個人的な運動が多く,他者との関わりが少なくなるため,フォームの確認や練習の

補助,アドバイスなど,積極的に仲間と関わっていけるような活動を取り入れる。

【仲間と協力して行う練習例】

・水中伝言ゲーム・・・バブリングの習得(水中で息を吐く練習)

バディを組み,水中で相手が何を言っているのか聞く。

・伏し浮きリレー・・・ストリームラインの習得

泳者は壁を蹴って「けのび」を行う。止まりそうになったら,コ

ースに等間隔で待機している仲間が補助して,止まらないように

25m泳ぐ。

・タブレット等, ICT を活用しフォームの確認

・アクアゲーム(簡易型水球) 〔http://www.aquagame.jp/〕

単元の目標に迫る効果的な学習課題を設定することで,仲間と協力して活動すること

ができるようにする。

【効果的な課題設定の例】

・ ストリームラインを意識して5回のストロークで距離を伸ばすためにはどうしたら

よいだろうか考えよう。 ・ 平泳ぎのキック(らっこ浮き)で速く進むためにはどうすればよいか考えよう。 ・ 「けのびマスター(10m以上)」になるためにはどうすればよいか考えよう。

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5 指導と評価の計画(10時間扱い)

時 1 2 3 4 5 6 7 ⑧ 9 10

10 20 30 40

オリエンテーション 習得技術の確認 学習の進め方 知識の学習 ワ ー クシ ー トの活用

水泳場の確認・人員確認・健康観察・準備運動・課題の確認

学習の振り返り まとめ あいさつ

知 ①カード ②カード ③カード 総

技 ①観

②観 ③観 ④観

思 ①カード ②カード ③カード ④観・カード

態 ①観

②観

③観

④観

クロールの復習 ・前時の習熟度確認を元にグルーピング ・手足の動きに合った呼吸 ・リズミカルなキック ・伏し浮きリレー

思④ 健康や安全の確保

手と足,呼吸のバランスをとり,速く泳ぐクロールの学習 【技能のポイント】 ・キック・・・一定のリズムで強いキックを打つ ・プル・・・水中で肘を60~90度に曲げてかく ・呼吸のタイミング

・・・ローリングをしながら横向きで呼吸のタイミングをとる

・練習内容の例 ビート板を使ったキック ビート板片手クロール キャッチアップクロール

クロールをきれいなフォームで速く泳げるようになろう。

知③ 動きを分析

思③ 補強運動の選択

技⑥ 肩のローリング

平泳ぎをきれいなフォームで長く泳げるようになろう。

思⑥ ⑥水泳への関わり方

知① 特性や成り立ち

思① 安全上の留意点

技② 速さに応じた呼吸動作

態② 自己の役割を果たす

自己の泳ぎ方の解決に合った課題選択と練習方法の選択 A:平泳ぎの基本コース ・けのび ・陸上でのキック練習(台上・腰掛け) ・水中でのキック練習(壁キック・ラッコキック) ・陸上でのプル練習 ・ウォーキングプル

B:きれいなフォームで長く泳ぐコース ・バックサイドブレスト ・サイドスカーリング ・フロントスカーリング ICT機器(タブレット)を使用してフォームの確認 少ないプル・キックの回数で泳ぐ練習

思② 練習方法を選ぶ

態① 事故防止の心得

技③ 逆ハートプル

知② 水泳で用いられる技術の名称

思④ 成果や改善のポイント

知③ 分析の方法 思③

補助運動を選んでいる

技④ プルとキック

記録を測り,競争の楽しさを味わう ・クロール,背泳ぎそれぞれの泳法の技能を生かして泳ぎ,記録から成果を確認する 1~3コース 25mタイムレース 4~6コース 3分間泳コース ペアでの振り返りと学習カードに記録

態③ 違いに応じた課題に挑戦

態④ 積極的に取り組む

技① 腕の動き

リレー・アクアゲーム

知③ 体力の高め方を知る

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6 本時の展開(8/10 時間)

(1) 本時の目標

合理的な動きと自己や仲間の動きを比較して,改善すべきポイントについてその理由を仲間

に伝えることができるようにする。 (思考力・判断力・表現力等)

(2) 準備・資料 ・ストップウォッチ ・ビート板 ・メジャー

・コーン(大5,小 20) ・平泳ぎに関する学習資料

(3) 展 開 ※分かる授業づくりの個への手立て

学習内容・活動 指導の手立て・評価

1 プールサイドに整列する。出

欠,健康確認やバディの確認を行

う。

2 本時の学習課題を確認する。

3 準備運動を行う。

4 体ほぐしの運動や水慣れ運動など

を行う。

5 平泳ぎの泳法の練習(バディ)を

する。

・陸上でキックとグライド姿勢の確

・壁につかまりキックの練習と確認

6 グループに分かれて,5回のキッ

クで進む距離を測定し,距離を伸ば

すためにはどうすればよいか話し合

う。

7 お互いのグループを見合い,よい

ところを知り,全体で発表する。

8 グループに分かれて,個人の課題

や仲間の課題について振り返りを行

い,学習カードに記入する。

9 整理運動・健康観察をする。

10 本時のまとめをする。

・プール内やプールサイドの安全面の確認を行う。

・人数確認やバディの確認,健康状態の確認を行う。

・ペアやグループの仲間と協力して安全に活動すること

や動作のポイントを確認し,声を掛け合い,話し合い

ながら行うよう助言する。

・グループで役割分担をして活動することを助言する。

・準備運動をしっかり行うとともに,安全に留意した

活動について確認する。

・水泳に使う筋肉を解すことができる体ほぐしの運動

や水慣れ運動を楽しく行わせる。また,主運動でけ

がをしないよう声掛けをする。

※キック動作が上手くいかない生徒には,股関節を開

いて膝の曲げ伸ばし動作後に足首を伸ばすことを,

ゆっくり行うよう助言する。

※キック後の伸びが上手くいかない生徒には,ストリ

ームラインを2秒数えゆっくり行うよう助言する。

・ペア練習の際に,仲間の補助でキックやプルの水か

き後の息継ぎのタイミングを確認するよう助言す

る。

・手の引きつけ動作と息継ぎのタイミングをグループ

で意識して確認するよう助言する。

※学習資料を提示し,陸上で動作を確認したり,水中

の動作をゆっくり行ったりするよう助言する。

・協力して計測すること,キックやフォームをチェッ

クする場所と動作のポイントなどを見合い,話し合

うよう促す。

・お互いのグループ活動を見合い,アドバイスの仕方

や技能のポイントなどを見付け,全体でよいところ

を発表できるよう促す。

・自己や仲間の課題に気付いたことや動作のポイント

について,数人に発表させる。

・次時の連絡をする。

平泳ぎの泳法で5回のプルとキ

ックを行い,距離を伸ばすためには

どうすればよいだろうか。

【思考・判断・表現】 合理的な動きと自己や仲間の動きを比較して成果や

改善すべきポイントとその理由を仲間に伝えている。

(観察,学習カード)

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ジグソー法を取り入れたバスケットボールの授業

1 対象 中学校第1学年

2 学習指導要領の内容及び単元の目標 (1) 次の運動について,勝敗を競う楽しさや喜びを味わい,球技の特性や成り立ち,技術

の名称や行い方,その運に関連して高まる体力などを理解するとともに,基本的な技能

や仲間と連携した動きでゲームを展開することができるようにする。 (知識及び技能)

ア ゴール型では,ボール操作と空間に走り込むなどの動きによってゴール前での攻防

をすることができるようにする。

(2) 攻防などの自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫する

とともに,自己の仲間の考えたことを他者に伝えることができるようにする。

(思考力,判断力,表現力等)

(3) 球技に積極的に取り組むとともに,フェアなプレイを守ろうとすること,作戦などに

ついての話合いに参加しようとすること,一人一人の違いに応じたプレイなどを認めよ

うとすること,仲間の学習を援助しようとすることなどや,健康・安全に気を配ること

ができるようにする。 (学びに向かう力,人間性等)

3 単元の評価規準

知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に 取り組む態度

○知識 ① 球技の特性や成り

立ち,試合の行い方

について,言ったり

書き出したりして

いる。 ②球技の各型の各種

目において用いら

れる技術には,名称

があり,それらを身

に付けるためのポ

イントがあること

について,学習した

具体例を挙げてい

る。 ③ 球技には,それぞれ

の型や運動種目に

よって主として高

まる体力要素が異

なることについて,

学習した具体例を

挙げている。

○技能 ①パスやドリブルな

どでボールをキー

プすることができ

る。

②得点しやすい空間

にいる味方にパス

を出すことができ

る。

③ボールとゴールが 同時に見える場所 に立つことができ る。

④パスを受けるため に,ゴール前の空 いている場所に動 くことができる。

①提示した動きのポイ

ントやつまずきの事

例を参考に,仲間の

課題や出来映えを伝

えている。 ②提供された練習方法

から,自己やチーム

の課題に応じた練習

方法を選んでいる。 ③体力や技能の程度の

違いを踏まえて,仲

間とともに楽しむた

めの練習やゲームを

行う方法を見付け,

仲間に伝えている。 ④仲間と話し合う場面

で,提示された参加

の仕方に当てはめ,

チームへの関わり方

を見付けている。

①球技の学習に健康

や安全に留意して

積極的に取り組も

うとしている。

②分担した役割を果

たそうとしたり,仲

間の学習を援助し

たりしようとして

いる。 ③作戦などについて

の話合いに参加し

ようとしている。

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4 単元の工夫

単元づくりのポイント

(1) ジグソー法

① 5時間目にそれぞれの練習方法を「エキスパート活動」により学ぶ。

② 6,7時間目で「エキスパート活動」で学んだことをホームチームで伝達する。

③ バスケットボール経験者(部活動,クラブチーム等)がいれば,エキスパート活

動の主担当となる。

【体育館のエキスパート活動配置例】

(2) 対話的な学習

・ジグソー法を導入することにより,練習方法をそれぞれが責任をもって伝達するため

対話的な学習が実現する。

・チームの課題に応じた練習方法を選択するために,話合いが多くなるとともに,提示

された参加の仕方に当てはめ,チームへの関わり方を見付けることができる。

・得意不得意のバランスを考慮したグループ編成を行うことで,仲間とともに楽しむた

めの練習やゲームを行う方法を見付け,得意な生徒が不得意な生徒にアドバイスする

ことができる。

(3) スポーツ鬼ごっこ

・空間へ進入するタイミングや走るコースを見付け

る目的で,スポーツ鬼ごっこを実施する。右図の

ようにバスケットコートを活用し,ルールは以下

の通りとする。

〇時間内にトレジャー(宝)をハント(獲得)した

チームが勝ちとなる。

〇相手のトレジャーを取りに行きながら,自陣の宝

を守る。

〇タッチをする時は,必ず両手で行う。

〇Tサークルの内側には守りの選手は入らない。 図【スポーツ鬼ごっこ協会HPより】

〇センターラインを越えて敵陣に入り,相手にタッチされたら自陣のSエリアに戻れば,

再スタートすることができる。

〇敵陣のSエリアに入ると相手からタッチされない。

〇タッチする時に,押したり,叩いたり,危険な行為をしてはいけない。

ゴール前の空いている場所に動くことができるようにするために,いろいろな練習

方法をジグソー法においてチームに伝達し,課題に応じた練習方法を選択できるよう

にする。

【パス&ラン】

・パスしたプレーヤー

は,ゴール前に侵入

し,ボールを受ける。

【ポストプレイ】

・制限区域の外に位置し,

パスをしたり,シュート

をしたりして攻撃の起

点になる。

【スクリーンプレイ】

・パスをしたプレーヤーがパスを受

けとったプレーヤーに対して,ス

クリーン(壁)をセットする。

・ドリブルをしているプレーヤーに

対してスクリーンをセットする。

【カットインプレイ】

・ポストプレーヤーにパス

が渡ったときなどに,タ

イミングよくゴール前に

侵入し,シュートをする。

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Page 34: 中 学 校:指導計画の作成 高等学校:体つくり運動 …...はじめに 来年度より小学校,令和3年度より中学校において,新学習指導要領が全面実施となりま

5 指導と評価の計画(12 時間扱い)

時 1 2 3 4 5 6 7 ⑧ 9 10 11 12

10 20 30 40

オリエンテ

ーション

習得技術

の確認

学習の進

め方

ワーク

シートの

活用

ICTの

使い方

動画視聴

集合整列・挨拶・健康観察・本時の課題確認

単元の

まとめ 振り返り 知識の

確認 ・ルール ・技能

整理運動・後片付けまとめ・振り返り・次時の課題確認等

知 ③カード ②カード ①カード 総

技 ①観 ③観 ④観 ②観 思

③観・

カード ②カード ①カード ④カード

態 ①観 ②観 ③観

【準備運動②】(スポーツ鬼ごっこ) スキルアップドリル(パスゲーム,ゴール下シュート, ランニングパスからのシュート)

【対人スキル】 1対1

【リーグ戦】 前半・ドリブル制限あり 後半・ドリブル制限なし 知① 試合

方法

技② 空間にパ

思④ チームへの関わり

【準備運動①】 (スポーツ鬼ごっこ)

【ボール慣れ】 ジグザグドリブル 対面パス ゴール下シュート ランニングシュート ランニングパスからシュート

技① ボール操作

態① 積極的な

取り組み

ジグソー法

知② 技術

①パス&ラン

②スリーンプレイ ③ポストプレイ ④カットインプレイ 態②

思②

技③

場所に立つ

【タスクゲーム】 <ルール>選択したプレイ

でのゴールにはボーナスポ

イント 技④ ゴール前の 動き

思① ポイント伝

【チーム学習】 態③ 話合い参加

知③ 高まる 体力要素

【チーム学習】 【チーム学習】

【試しのゲーム】3対3

思③ 仲間へ伝達

30

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6 本時の展開(8/12 時間) (1) 本時の目標

パスを受けるために,ゴール前の空いている場所に動くことができるようにする。 (知識及び技能)

(2) 準備・資料

バスケットボール,デジタイマー,ビブス,タブレット,ホワイトボード,ペン

(3) 展開 ※分かる授業づくりの個への手立て

学習内容・活動 指導の手立て・評価 1 集合・挨拶をする。 2 本時の学習課題を確認する。

・ゴール前の空間でボールを受け,シュートすることを 目的にすることを確認する。

3 準備運動をする。 ・スポーツ鬼ごっこ ・スキルアップドリル 4 タスクゲームをする。

①A―B ②C―D ③A―C ④ B―D 【ルール】 ・4分-1分(作戦タイム)-4分 ・トラベリング,ダブルドリブル,ファール ・選択したプレイでのゴール→+1点

・バスケットボール部の生徒は, シュートを決めても1点

・スポーツ鬼ごっこが,空間を活用する動きと関連があ

ることを確認する。

・マンツーマンのマークの確認をさせる。 ・撮影係の生徒には,ギャラリーからコート全体を撮影

するように指示する。 ・ゲームをスムーズにスタートするためにデジタイマー を活用する。

・ゲームのない時間帯には,自分たちの試合の様子をタ ブレットで確認するよう助言する。

5 選択したプレイについてチームで

話合いをする。 【話し合う観点】

・成功したか ・チームの実態に合っていたか ・さらに発展させための作戦はある か

6 グループごとに練習をする。 【予想される練習内容】 ・選んだ作戦の復習 ・対人での練習3対3や4対4 7 振り返りをする。 8 学習のまとめと次時予告をする。

・選択したプレイを担当するエキスパート生徒がチーム の中心となり,技能ポイントを伝えていたり,さらな る発展のための話合いをしたりしているのかを確認す る。 ※ゴール前の空いている場所に動くことができない生

徒には,ホワイトボードを使い,分かりやすく説明す

るよう助言する。 ・話合いで確認したタイミングや動くコースを意識して

練習するように助言する。

※チームの中での役割や動きを確認し,個別練習をして

参加しやすいように支援する。

・チームごとに本時の話合いの前後でプレイがどのよう に変化したのかを振り返るよう助言する。

・空いているスペースに移動し,ボールを受けることが

大切であることを確認する。 ・個人の動きだけではなく,おとりとなる仲間やタイミ

ングよくパスを出す仲間との協力が必要であること

を理解させる。

空いているスペースでボール

をもらうにはどのようにすれば

よいだろうか

【知識・技能】 パスを受けるために,ゴール前の空いている

場所に動くことができる。 (観察)

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Page 36: 中 学 校:指導計画の作成 高等学校:体つくり運動 …...はじめに 来年度より小学校,令和3年度より中学校において,新学習指導要領が全面実施となりま

タスクゲームを取り入れた球技の楽しさを味わうソフトボール

の授業

1 対象 中学校第1学年

2 学習指導要領の内容及び単元の目標

(1) 次の運動について,勝敗を競う楽しさや喜びを味わい,球技の特性や成り立ち,技術

の名称や行い方,その運動に関連して高まる体力などを理解するとともに,基本的な技

能や仲間と連携した動きでゲームを展開することができるようにする。

(知識及び技能)

ウ ベースボール型では,基本的なバット操作と走塁での攻撃,ボール操作と定位置で

の守備などによって攻防することができるようにする。

(2) 攻防などの自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫する

とともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝えることができるようにする。

(思考力,判断力,表現力等)

(3) 球技に積極的に取り組むとともに,フェアなプレイを大切にしようとすること,作戦

などについての話合いに貢献しようとすること,一人一人の違いに応じたプレイなどを

認めようとすること,仲間の学習を援助しようとすることなどや,健康・安全に気を配

ることができるようにする。 (学びに向かう力,人間性等)

3 単元の評価規準

知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に 取り組む態度

○知識 ①球技の集団対集

団,個人対個人で

攻防を展開する等

の特性やこれまで

の成り立ちについ

て,言ったり書き

出したりしてい

る。 ②技術の名称や身に

付けるためのポイ ントについて,学 習した具体例を挙 げている。

③球技に関連して高 まる体力について 学習した具体例を 挙げている。

○技能 ①地面と水平になる ように,バットを

振り抜いて打つこ

とができる。 ②ねらった方向にボ ールを投げること ができる。

③ボールの正面に回 り込んで,緩い打 球を捕ることがで きる。

④スピードを落とさ ずタイミングを合 わせて塁を駆け抜 け,打球の状況に よって塁を進んだ り戻ったりするこ とができる。

①ボール操作やボー

ルを持たないとき

の動きの改善ポイ

ントを見付けて,

仲間に伝えてい

る。 ②提供された練習方

法から,自己やチ

ームの課題に応じ

た練習方法を選ん

でいる。 ③自己や仲間の考え

たことを他者に伝

えている。 ④仲間とともに楽し

むための練習やゲ

ームを行う方法を

見付け,仲間に伝

えている。

①球技の学習に積極的

に取り組もうとして

いる。 ②作戦などについての

話合いに参加しよう

としている。 ③フェアプレイを守ろ

うとしている。 ④一人一人の違いに応

じた課題や挑戦など

を認めようとしてい

る。 ⑤健康・安全に留意し

ている。

32

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4 単元の工夫

単元づくりのポイント

(1) カラーコーンソフトボール

ベース(カラーコーン)をファールゾーンに一直線に並べ,打者は打った後に,カラ

ーコーンをUターンして戻って来ることができたら点数が加算される。1個目のカラー

コーンは1点,2個目のカラーコーンは2点と点数が高くなる。守備側は,飛んできた

ボールを打者より先にホームベースに返したらアウトにできる。技能の段階に応じ,テ

ニスボールやソフトバレーボール,ゴムボール等を使用してもよい。

(2) 大量得点ゲーム

・1チームは7名~10 名。守備にピッチャーとキャッチャーは着けない。

・攻撃はティーバッティングの要領で打つ。

・自分のチームのメンバーにトスを上げてもらい,打ったら1塁にめがけて走る。

・得点は,1塁打=1点,2塁打=2点,3塁打=3点

・ランナーは残らず,打順が1巡したらチェンジ。

・守備は,ノーバウンドで捕球するか,ランナーより先の塁にボールを送ればアウト。

(1塁が間に合わない場合は2塁に投げる→1塁打なので1点で阻止できる)

(3) 三角ベース式のゲーム

1 チームは5名から7名。2塁ベースを置かず,本塁と1塁,3塁の三角形のコー

トで行う。安全を考慮し捕手は置かないため,打球が5m以上飛ばなかった場合は打

ち直しとする。(ホームベースから5mのところにラインを引く。)

・三振はなしで,フェアゾーンに打つまでアウトにはならない。ただし,5mを超え

ない場合はアウトになる。

・投手は相手に打たせるように投げる。

タスクゲームの段階的な実践を通して,体力や技能の程度,性別等の違いに関わら

ず,ベースボール型球技の楽しさを味わうことができるようにする。

~ゲームのポイント~

・1塁から3塁の距離が長いため,アウトにするのが容易である。

・1チームの人数を少なくしてできるので,ボールに触れる回数が多くなる。全体

の人数が多い場合には,攻撃チームと守備チーム,練習チームと分けてローテー

ションで行うとよい。

~ゲームのポイント~

・自分のチームでトスを上げてもらうので打つ楽しさを味わうことができる。

・ヒットが 1点のため,チームに貢献することができる。

・1巡で攻撃が終わるため,試合がスムーズに進む。

・アウトにするのが分かりやすく,状況を判断してチームで話合いが生まれる。

~ゲームのポイント~

・ルールがシンプルなので分かりやすい。

・走塁の状況判断が必要になるので,作戦を立てたり,味方に指示を出したりす

る必要が出てくる。

・守備側もカットプレーなど,仲間と協力したプレイが期待できる。

33

Page 38: 中 学 校:指導計画の作成 高等学校:体つくり運動 …...はじめに 来年度より小学校,令和3年度より中学校において,新学習指導要領が全面実施となりま

5 指導と評価の計画(12時間扱い)

時 1 2 3 4 5 ⑥ 7 8 9 10 11 12

10 20 30 40

集合整列・挨拶・健康観察・本時の課題確認 準備運動(単元に必要である基本的な動きを習得するためのスキルウォームアップ)

整理運動・まとめ・次時の課題等

知 ①カード ②カード ③カード 総

①観

②観

③観

④観

①カード

②カード ③カード ④カード 観

⑤観

①観

②観

④観 ③観

安定したバット操作 ・バント・バスター ・ティーバッティング ・トスバッティング ・フリーバッティング 態⑤ 安全留意

技能① バット操作態

基本的なバット操作とボール操作+攻撃中心のゲーム

確実なボール操作 ・体の正面での捕球 ゴロ・バウンド・フライ ・狙った所への送球 ボールの握り・踏み出す足・腕のトップの位置

態① 積極的に取り組む

技能② 送球

ボールを持たない動き+守備中心のゲーム

【カラーコーンソフトボール】 知②

名称・ポイント

【大量得点ゲーム】

思① 改善ポイント見付ける

態② 話 合 いに参加

技能④

走塁

形式ノック ・通常ノック ・ランナー付きノック ・ゲームシチュエーションノック 技能③ 捕球

思② 課題に応じた練習

態③ フ ェ アプレイ

条件付きゲーム ・三角ベースゲーム ・スローピッチゲーム ・1イニング5点ゲーム ・無四球&無三振ゲーム

態④ 違いを認める

思③ 他 者 に伝える

思④ 仲間に伝える

リーグ

知③ 体力について

リーグ

単元の

まとめ

オリエンテーション 習得技術の確認 学習の進め方 知識の学習 ワークシートの活用

技④ 走塁

知① 特性成

り立ち

34

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6 本時の展開(6/12 時間) (1) 本時の目標

チームで作戦などについて話し合い,仲間とゲームを楽しむことができるようにする。 (学びに向かう力,人間性等)

(2) 準備・資料 ソフトボール用具一式,移動式ネット

(3) 展開 ※分かる授業づくりの個への手立て

学習内容・活動 指導の手立て・評価 1 集合整列,挨拶,健康観察を行う。

2 本時の学習課題を確認する。

3 スキルウォームアップを行う。

○ランニング ○体ほぐしの運動

○トス&キャッチ

○高速キャッチボール

4 チーム練習を行う。

○ルールの確認

○チーム別練習

【予想される練習】

・ボール回し

・ローテーションキャッチボール

・ティーバッティングノック3人一組

・素振り(フォームの確認)

5 ルールを工夫したゲームを行う。

○大量得点ゲーム ルール 1 塁打=1 点 2 塁打=2 点 3 塁打=3 点

打者が一巡したら交代

投手役は攻撃チームの選手が行い打者の打ちやすいト

スを横から上げる

守備側は,打者が到達していない塁にボールを送れば

アウト(ランナーは残らない)

○チームミーティング(自己,チームの課

題について)

6 本時のまとめを行う。 ○チーム意見交流

・欠席や体調を確認し,グループの人数を調整す る。

・本時の学習内容を理解し,見通しをもたせる。 ・チームで協力し,スムーズにできるよう声をか

ける。

※ボールを上手にキャッチできない生徒には,

柔らかいボールでキャッチボールを行うよう

助言する。

・集合させ,今日のルールについて説明する。

・試合で想定される状況を確認し,チームの練習

内容を選択するよう支援する。

・技能に合わせて,より効率的な練習方法につい

て具体的に示しながら選ぶように助言する。

・技能のポイントをホワイトボードに掲示して

おく。

・ボール回しでは,チーム全員でボールをつな

ぐことができるように,お互いにカバーリン

グをし合う必要があることを助言する。

・チームで特別ルールや状況に応じたバッティン

グや守りができるように話合いの時間を設ける。

・前時の活動で身に付けた技能を生かすことやチ

ームで助け合いながら活動することを伝える。

・ルールを理解することが難しい生徒には,学

習カードで確認するとともに,状況に応じた

アウトの取り方について適宜説明する。

・積極的な話し合いや声のかけ合いができていた チームを称賛し,次時への意欲につなげる。

チームで作戦を話し合い,ゲームを楽し

もう。

【主体的に学習に取り組む態度】 作戦などについての話合いに参加しよ

うとしている。 (観察)

35

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3つの工夫で好きになる!剣道の授業

1 対象 中学校第1学年

2 学習指導要領の内容及び単元の目標

(1) 次の運動について,技ができる楽しさや喜びを味わい,武道の特性や成り立ち,伝統

的な考え方,技の名称や行い方,その運動に関して高まる体力などを理解するとともに,

基本動作や基本となる技を用いて簡易な攻防を展開することができるようにする。

(知識及び技能)

イ 剣道では,相手の動きに応じた基本動作や基本となる技を用いて,打ったり受けた

りするなどの簡易な攻防をすることができるようにする。

(2) 攻防などの自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫する

とともに,自己の考えたことを他者に伝えることができるようにする。

(思考力,判断力,表現力等)

(3) 武道に積極的に取り組むとともに,相手を尊重し,伝統的な行動の仕方を守ろうとす

ること,分担した役割を果たそうとすること,一人一人の違いに応じた課題や挑戦を認

めようとすることなどや,禁じ技を用いないなど健康・安全に気を配ることができるよ

うにする。 (学びに向かう力,人間性等)

3 単元の評価規準

知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に 取り組む態度

○知識 ①武道は対人的な技能

を基にした運動で, 我が国固有の文化で あるなどの成り立ち について,学習した 具体例を挙げてい

る。 ②技の名称や行い方と その技術的なポイン トについて,学習し た具体例を挙げてい る。

③簡易な試合の行い方 について,言ったり 書き出したりしてい る。

○技能 ①中段に構えて,相手の 動きに応じた体さば

きをすることができ

る。 ②中段の構えから体さ

ばきを使って,面や胴 (右)や小手(右)の部

位を打ったり受けた

りすることができる。

①提示された動きのポイ

ントやつまずきの事例

を参考に,仲間の課題や

出来映えを伝えている。 ②学習した安全上の留意

点を,他の学習場面に当

てはめ,仲間に伝えてい

る。 ③練習の場面で仲間の伝

統的な所作等のよい取

り組みを見付け,理由を

添えて他者に伝えてい

る。

①武道の学習に積極

的に取り組もうと

している。 ②相手を尊重し,伝統

的な行動の仕方を

守ろうとしている。 ③分担した役割を果

たそうとしている。 ④禁じ技や危険な動

はしないなど,健

康・安全に留意して

いる。

36

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剣道の学習に興味・関心をもち,相手を尊重しながら楽しく学習できるためのオ

リエンテーションの工夫や体ほぐし運動の趣旨を生かした活動,「リズム剣道」等の

活動を設定する。

4 単元の工夫

単元づくりのポイント

(1) オリエンテーションの工夫

・単元の見通しをもたせるために,活動計画等を提示し,学習する内容の見える化を行

う。

・見通しをもつだけでなく,剣道経験者の稽古や動画等で実際の剣道を見せる。

・授業を始める前に,「侍になろう」と称し,稽古着,袴姿に着替えたり,竹刀を使って

新聞を切ったりと体験を行う。

(2) 体ほぐしの運動の趣旨を生かした活動

・じゃんけん剣道①(手・足) ・じゃんけん剣道②(右足前) ・手拭いを使ってしっぽ取り ・パートナーを探せ(目隠しをして,相手を大きな声で呼ぶ) ・集中と反射(目を離さないことと合気になる) ・送り足・すり足と発声(前・後・右・左) ・竹刀を使ってのドリブル ・ドリブルからのパス ・真似っ子すり足(教師対生徒で一斉指導による基本動作,既習技の確認)

・真似っ子すり足2(生徒対生徒で行う)

(3) リズム剣道

・面打ち,小手打ち,胴打ちを「攻め→打突→残心→元の位置」4拍子で行う。 4拍子の曲に合わせて「攻め→打突→残心→元の位置」を行う。

(テンポ100 例:世界に一つだけの花) ・技能の習得状況に応じてテンポ100~120くらいの曲を選択する。 ・兄弟グループを作り,お互いの曲に合わせての動きを交互に確認する。 【一斉リズム剣道】

○←○←○←○←○←○←○(掛かり手) ↓× × × × × × ×↑【右回りで,掛かり手,受け手に分かれ,交替しながら】

○→○→○→○→○→○→○(受け手) ※ 相手の動きに応じて自然体で中段に構えられるようにする。

※ 体さばきでは,相手の動きに応じて歩み足や送り足をできるようにする。

※ 基本の打突の仕方と受け方では,中段の構えから体さばきを使って,面や胴(右)や小手(右)

の部位を打ったり受けたりできるようにする。

37

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5 指導と評価の計画(12 時間扱い)

時 1 2 3 4 5 6 7 ○8 9 10 11 12

10 20 30 40

用具の準備〈着装〉・準備運動・礼式〈出席確認・健康チェック〉・課題確認

準備運動(単元に必要である基本的な動きを習得するためのスキルウォームアップ)

整理運動・学習のまとめ・礼式〈健康チェック〉・用具の片付け

知 ①カード ②カード ③カード ③カード 総

技 ①観 ②観 カード

思 ①観 ②観

カード ③観

カード

態 ③観 ②観 ①観 ④観

オリエンテーション①

礼法

侍ごっ

知①剣

道の成

り立ち

につい

◯基本技能の練習

・構え,体裁き,面・小手・胴

簡易な判定試合〈演武会〉による技の出来映えの発

◯リズムに合わせて,基本動作や基本となる技の

実践 ・面打ち,小手打ち,胴打ちを「攻め→打突→残

心→元の位置」4拍子で行う。

◯体ほぐしの運動の趣旨を生かした活動 ・じゃんけん剣道,パートナーを探せ,手拭い

を使って,ドリブル,真似っ子等

態②相

手を尊

重する

態①積

極的な

取り組

態③分担

した役割

を果たす

態④健

康・安全

に留意

思②

仲間に

伝える

◯曲に合わせて「攻め→打突

→残心→元の位置」の動き ・テンポ100 ・テンポ100~120選択

知②技術

的なポイ

ント

技① 体裁き

思①仲

間に伝

える

○兄弟グループ

を作り,お互いの

曲に合わせての

動きを交互に確

認する。 ・ミニ演武会 思③他者に伝える

技②打っ

たり受け

たりする

知③判

定が分

かる

38

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6 本時の展開(8/12 時間)

(1) 本時の目標

(1) 中段の構えから体さばきを使って,面や胴(右)や小手(右)の部位を打ったり受けたりするこ

とができるようにする。 (知識及び技能)

(2) 準備・資料

I 竹刀,ラジカセ,CD,学習カード

(3) 展開 ※分かる授業づくりの個への手立て

学習活動・内容 指導の手立て・評価

1 挨拶を正座で行う。

2 本時の学習課題を確認する。

基本動作を身に付けよう。

3 竹刀をもっての基礎的技能を行う。 ◯面,小手,胴打ちの確認 ・「攻め→打突→残心→元の位置」4拍子で

行う。 ○リズム剣道(曲に合わせて技能の習得)

・ペアを作り,片方は実践,片方は見学,

終了後アドバイスをする。 ・実践者で2列を作り,打ち手と受け手に

別れる。 「攻め→打突→残心→元の位置」4拍子で

行う。【右回りで交替しながら】 ○←○←○←○←○←○←○(掛かり手)

↓× × × × × × ×↑ ○→○→○→○→○→○→○(受け手) 〈正しい基本動作〉

・刃筋を立てて打ち込めているか

・正しい足さばきで動けているか

・大きい声で「面,小手,胴」を発声でき

たか

・リズムよく打ち込めたか

4 本時の学習のまとめをする。

5 本時の学習を振り返る。

6 正座,座礼をする。

・正座の仕方,座礼等確認しながら,正しく行える

ようにする。

・本時の学習内容を確認する。

・剣道の動きに近い遊びを取り入れ,楽しい動機付

けをし,意欲がもてるようにする。

・相手との攻防を楽しみながら,いつでも,どこで

も,誰とでも行えるよう助言する。

・正しい体さばき,正しい竹刀操作で行えているか,

全体にアドバイスしながら行う。

・自分のタイミングで打突できる技能を生かし,「音

楽に合わせてできるかな」と問いかけ,活動意欲

が高められるよう助言する。

※音楽に合わせてできない生徒に対して,まずは同

じ技で音楽に合わせるようアドバイスする。

・相手が変わるごとにあいさつを行い,礼儀も気を

付けるよう声をかける。

・竹刀の打突部で打突部位を打てるようにする。 ・竹刀の使用に注意し安全を確認する。

【知識・技能】

中段の構えから体さばきを使って,面や胴

(右)や小手(右)の部位を打ったり受けたりする

ことができるようにする。 (観察・学習カード)

・学習カードに,ペアからしてもらったアドバイスを基に本時のまとめを記入できるようにする。

・感想を発表し合い,本時の振り返りをさせる。

・呼吸によって姿勢を整え,心を落ち着かせる。

39

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ジグソー法を取り入れた仲間と協力して完成を目指すダンスの授業 1 対象 中学校第1学年 2 学習指導要領の内容及び単元の目標 (1) 感じを込めて踊ったりみんなで踊ったりする楽しさや喜びを味わい,ダンスの特性や

由来,表現の仕方,その運動に関連して高まる体力などを理解するとともに,イメージ

を捉えた表現や踊りを通した交流をすることができるようにする。 (知識及び技能)

ウ 現代的なリズムのダンスでは,リズムの特徴を捉え,変化のある動きを組み合わせ

て,リズムに乗って全身で踊ることができるようにする。

(2) 表現などの自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫する

とともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝えることができるようにする。

(思考力,判断力,表現力等)

(3) ダンスに積極的に取り組むとともに,仲間の学習を援助しようとすること,交流など

の話合いに参加しようとすること,一人一人の違いに応じた表現や役割を認めようとす

ることなどや,健康・安全に気を配ることができるようにする。

(学びに向かう力,人間性等)

3 単元の評価規準

知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に

取り組む態度 ○知識 ①ダンスは仲間とと

もに感じを込めて

踊ったり,イメージ を捉えて自己を表

現したりすること

に楽しさや喜びを

味わえる特性があ

ることについて言

ったり書き出した

りしている。 ②ダンスはリズミカ

ルな全身の動きに

関連した体力が高

まることについて,

学習した具体例を

挙げている。

○技能 ①自然な弾みやスイングなど

の動きで気持ちよく音楽の

ビートに乗れるように簡単

な繰り返しのリズムで踊る

ことができる。 ②軽快なリズムに乗って弾み

ながら,揺れる,回る,ステ

ップを踏んで手をたたく,ス

トップを入れるなどリズム

を捉えて自由に踊ったり,相

手の動きに合わせたりずら

したり,手をつなぐなど相手

と対応しながら踊ることが

できる。 ③シンコペーションやアフタ

ービート,休止や倍速など,

リズムに変化を付けて踊る

ことができる。 ④短い動きを繰り返す,対立す

る動きを組み合わせる,アク

セントを加えるなどして,リ

ズムに乗って続けて踊るこ

とができる。

①仲間と話し合

う場面で,提示

された参加の

仕方に当ては

め,グループへ

の関わり方を

見付けている。 ②提供されたテ

ーマや表現の

仕方から,自己

やグループの

課題に応じた

練習方法を選

んでいる。 ③提示された踊

りのポイント

やつまずきの

事例を参考に,

仲間やグルー

プの課題や出

来映えを伝え

ている。

①ダンスの学習

に積極的に取

り組もうとし

ている。 ②一人一人の違

いに応じた表

現や交流の仕

方などを認め

ようとしてい

る。 ③健康・安全に

留 意 し て い

る。

40

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5 指導と評価の計画(9時間扱い)

時 1 2 3 4 ⑤ 6 7 8 9

10

20

30

40

・ガイダンス

・ダンスの歴

史と時代背

景を振り返

・グルーピン

グと学習の

約束を確認

集合整列・挨拶・健康観察・本時の課題確認

準備運動(W-UP 世界のダンス)

知 ①カード ②カード 総

技 ④観 ①観

②観 ③観

①カード

③カード ②カード

態 ①観

②観 ③観

・ホームグループで各グループのダンスパートの動き考える。

班ごとにパートを決めて1パートの踊りを考える。

A パート B パート C パート AAA BBB CCC

AA BB CC DDD EEE

DD EE D パート E パート

・考えたパートについて動きながら踊 りを仕上げる。 各グループで考えた動きを覚え,踊

り込んで仕上げる。

・ホームグループに戻り,伝え合う。 (ジグソー活動)

・ホームグループから別のパートに

出向き,別のパートを覚える。 各グループに一人ずつ担当パート

を覚えた生徒が入るようにグルーピ

ングし,同じグループになった仲間に教える。(エキスパート活動)

ABC ABC ABC DE DE DE ABC ABC DE DE 態①

ダ ン ス の学 習 に 積極 的 に 取

り 組 む 態度

振り付けのイメージづくり 踊り込み・振り返り・仕上げ ・世界のダンスを体験しよう フォークダンス オクラホマミ

クサー コロブチカ 阿波踊り 等 ヒップホップ ジャズダンス

・出来上がっ

た全体のダンスについて,学級で話し合

い,ブラッシュアップをする。 ICT機器を使用して撮影 自グループの映像を見ながら振り返り 鑑賞カードによる相互評

価・アドバイス

・学級全員で踊り込んで仕上

げる。

技③ リズムに変化

を付けて踊ることができる

思③ 仲間の出来映え

を伝えている

知②

全身の動きに関連した体力が高まる

技④

リズムに乗って続けて踊ることができる

思① グループへの

関わり方

態② 一人一人の違いを認める

思② 課題に応じた練習方法を選んでいる

技②

相手に対応して踊る

技① 弾みやスイングなどの動き

態③

安全に留意

学年合同ダンス発表会

・学年体育で,クラスごとに発表を行う。 ・それぞれのクラスのダンスについて相互評価を行

う。

知① ダンスの楽し

さについて理解している

態①

ダンスの授業に積極的に取り組む

41

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4 単元の工夫

単元づくりのポイント

共通の曲を用い,ダンスの練習の際に,ジグソー法を用いた学び合いを行うことで,仲

間と踊る喜びや仲間と対話しながら活動する楽しさを味わうことができるようにする。

(1) ダンスの単元におけるジグソー法の進め方

例①・・・パートごとに踊りを分けて考え,ホームグループ活動とエキスパート活動を行

い,それぞれのパートを学級全体でつなげて完成を目指す。

例②・・・同じ振り付けを学習した上で,動きの変化を付ける活動を行い,効果的な表現方

法について考えを深める。

(2) ICT機器の効果的な活用

ダンスの単元では,タブレット等のICT機器を授業に取り入れることで,より効果

的な表現ができたり,生徒同士の話合いが活発にできたりすることが期待できる。単元

の中で取り入れる場面の例としては,①表現方法や参考資料を提示する場面,②グルー

プ内で撮影し,動きを確認したり改善したりする場面,③発表のようすを撮影し,お互

いに評価し合う場面などが考えられる。

①ホームグループ活動(2時間) ・学級で選択した曲を5パートに分ける。

・各グループは,それぞれのパートの部分について,動きを考え,踊り込む。 ②エキスパート活動(2時間) ・グループを組み替え(それぞれのパートのメンバーを入れる),出向いた先

のパートを踊り込んで覚える。 ③ホームグループへの伝達(2時間) ・ホームグループに戻り,覚えてきたパートについて伝え合う。

①同じ振り付けの基本のダンスを覚える。 ②エキスパート活動(3時間) ・それぞれの班で,「シンメトリー(対称の動き)」

「ユニゾン(同じ動きを同時に)」 「アシンメトリー(非対称の動き)」 「カノン(同じ動きを輪唱のようにずらして)」 「隊形の変化」

というテーマを設定して基本の動きに変化を加えて踊り込む。 ③エキスパート活動の応用(3時間) ・グループを組み替え,テーマに沿って変化を付けたお互いの踊りを見せ合い

ながら,動きに合う変化を選択しながらオリジナルダンスの完成を目指す。

42

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6 本時の展開(5/12 時間)

(1) 本時の目標

○ エキスパート活動で覚えた踊りのポイントやつまずきの事例を参考に,仲間やグループ の課題や出来映えを伝えることができるようにする。 (思考力,判断力,表現力等)

○ 踊る際の音響設備の置き方や,小道具の扱い方やけがの事例を理解するなど,健康・

安全に留意することができるようにする。 (学びに向かう力,人間性等)

(2) 準備・資料

ラジカセ・ビブス・音楽CD

(3) 展開 ※分かる授業づくりの個への手立て

学習内容・活動 指導の手立て・評価 1 集合・挨拶をする。 2 本時の学習課題を確認する。 3 準備運動(世界のダンス)を行う。

・オクラホマミクサー

・コロブチカ

・阿波踊り

4 ホームグループからそれぞれのパートに

一人ずつ出向き,パートの踊りを覚える。

(エキスパート学習)

5 ホームグループに戻り,覚えたパートに

ついて伝え合う。

(ホームグループへの伝達)

6 振り返りをワークシートに記入する。

・健康観察をし,体調の変化に気を配る。 ・ダンスの楽しさや踊る喜びを感じることができ るよう,BGMを流しながら授業を行う。

・ランニングとダンスを織り交ぜ,効果的なウォ

ーミングアップになるようにする。 ・世界地図から国を選び,社会科の学習を生かし

て国の文化やダンスの文化を学習できるよう

にする。 ・各グループに一人ずつ担当パートを覚えた生徒

が入るようにグルーピングし,仲間にそれぞれ

のパートの踊りを伝える。 ・教師も輪の中心で踊ったり,振り付けを分解し

た掲示物を用意したりする。 ・一人では表現できない集団の動きの良さを伝

え,体を精一杯使って表現させる。 ※巡回しながら,活動が停滞しているグループに

振り付けを個別指導したり,ヒントを与えたり

する。 ・ホームグループの仲間に,覚えてきたパートに

ついて言葉と動きを交えながら伝えるよう助

言する。

・感想を話合い,出来たことや次回の課題を確 認し,本時の振り返りをする。

AAA BBB CCC AA BB CC

DDD EEE

DD EE

ABC ABC ABC DE DE DE

ABC ABC DE DE

エキスパート活動で覚えた動きについ

て,ホームグループに戻って伝え合おう。

【思考・判断・表現】 提示された踊りのポイントやつまずきの事例を参考に,仲間やグループの課題や出来映えを伝えている。 (カード)

【主体的に学習に取り組む態度】 健康・安全に留意している。(観察)

43

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ワークショップを取り入れた体育理論の授業

1 対象 中学校第1学年

2 学習指導要領の内容及び単元の目標 (1) 運動やスポーツが多様であることについて理解することができるようにする。

(知識)

(ア) 運動やスポーツは,体を動かしたり,健康を維持したりするなどの必要性及び競

い合うことや課題を達成することなどの楽しさから生みだされ,発展してきたこと。

(イ) 運動やスポーツには,行うこと,見ること,支えること及び知ることなどの多様な

関わり方があること。

(ウ) 世代や機会に応じて,生涯にわたって運動やスポーツを楽しむためには,自己に適

した多様な楽しみ方を見付けたり,工夫したりすることが大切であること。

(2) 運動やスポーツが多様であることについて,自己の課題を発見し,よりよい解決に向

けて思考し判断するとともに,他者に伝えることができるようにする。

(思考力,判断力,表現力等)

(3) 運動やスポーツが多様であることについての学習に積極的に取り組むことができる

ようにする。 (学びに向かう力,人間性等)

3 単元の評価規準(学習活動に即した評価規準)

知識 思考・判断・表現 主体的に学習に 取り組む態度

①運動やスポーツの必要性

と楽しさについて,言った

り書き出したりしている。 ②運動やスポーツへの多様

な関わり方について,言っ

たり書き出したりしてい

る。

③運動やスポーツの多様な

楽しみ方について,言った

り書き出したりしている。

①運動やスポーツが多様で

あることについて,出され

た意見や集めた情報を分

析したり,整理したりして

いる。

①運動やスポーツが多様で

あることについて,情報を

集めたり,意見を交換した

りするなどの活動を通し

て,学習に積極的に取り組

もうとしている。

44

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4 単元の工夫

単元づくりのポイント

(1) ワークショップ(参加型学習)

・ディベート

運動やスポーツの日常生活おける必要性についてディベートを実施する。グループ

を「スポーツは必要」「スポーツは必要ではない」の2つの立場に割り振り,資料を

提供する。資料を基に各グループでは,スポーツの必要性の賛否について,根拠を示

し論じていく。自グループに課せられた立場を深く探求するとともに,相対する立場

の意見についても,多様性として捉えることができ,対話的で深い学びにつなげてい

くことができる。

・KJ法

「スポーツへの関わり」というテーマで,グループで課題解決学習を実施する。

付箋を活用し,個人やグループ内で提案された意見をまとめたり,関連させたりする

活動である。コミュニケーション力や課題解決能力を育むことができる。

・ダイヤモンドランキング

体育実技(ハンドボール)のチームで男女が

一緒に練習を行うためのルールや内容につい

て話合い活動を行う。付箋を用いて個人で提案

を10個前後した後に,重要性を考慮し,ダイ

ヤモンド型に配置する。(順位付け)その上で

その結果について意見交換・討議を行う。多様

な見方があることを理解するとともに,チーム

内の合意形成を図るためのスキルをトレーニ

ングすることができる。

【ダイヤモンドランキングのイメージ】

(2) グループ活動から学級全体へ

・ワールドカフェ方式

グループで話し合った結果をシェアしてい

く活動である。一斉授業の中での発表スタイル

ではなく,ホームグループに1人が残り,他の

メンバーは,トラベラー(旅行者)として他の

グループへ発表を聞きに行く。残った1人は,

他のグループからの旅行者を相手に自らのグ

ループで話し合った内容を伝える。この活動に

より,全員が伝える活動を行うことで,表現力

が高まるとともに,話合いにも積極的に参加を

することが期待できる。最後にトラベラーとし

て学習してきた内容を自グループに戻って話

し合い,自グループの発表をさらに深める。 【ワールドカフェのイメージ】

ディベートやKJ法,ワールドカフェ方式,ダイヤモンドランキングを用いるワーク

ショップを取り入れた授業を展開する。様々な活動を取り入れることで,必要な知識を

習得しながら,コミュニケーション能力を高めたり,課題解決能力や表現力を高めたり

していく。

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5 指導と評価の計画(3時間扱い)

時間 学習内容 知識 思・判・表 態度

〇運動やスポーツは,体を動かしたり,健康を維持したりす

る必要性や,競技に応じた力を試したり,記録等を達成し

たり,自然と親しんだり,仲間と交流したり,感情を表現

したりするなどの多様な楽しさから生み出されてきたこ

と。

〇運動やスポーツは,人々の生活と深く関わりながら,いろ

いろな欲求や必要性を満たしつつ発展し,その時々の社会

変化とともに,その捉え方が競技としてのスポーツから,

誰もが生涯にわたって楽しめるスポーツへと変容してきた

こと。

〇我が国のスポーツ基本法などを適宜取り上げ,現代におけ

るスポーツの理念について。

・運動やスポーツがもたらす心身の健康などの様々なメリッ

トと,運動やスポーツによって生じる障害や燃え尽き症候

群などのデメリットについて学び,日常生活にスポーツは

「必要」か「必要ではない」かをディベートする。

知①

必要性

と楽し

態①

積極性

〇運動やスポーツには,直接「行うこと」に加えて,「見るこ

と」には,テレビなどのメディアや競技場での観戦を通し

て一体感を味わったり,研ぎ澄まされた質の高い動きに感

動したりするなどの多様な関わり方があること。

〇「支えること」には,運動の学習で仲間の支援をしたり,

大会や競技会の企画をしたりするなどの関わりがあるこ

と。

〇「知ること」には,運動やスポーツの歴史や記録などを書

物やインターネットなどを通して調べる関わり方があるこ

となどの多様な関わり方があること。

・KJ法を活用し,スポーツへの関わりを話し合い,「行うこ

と」,「見ること」,「支えること」,「知ること」など多様で

あることを理解できるようにする。また話し合った内容を,

ワールドカフェ方式で伝え合うことで,対話的で深い学び

へとつなげることができるようにする。

知②

多様な

関わり

思①

情報の

分析

整理

〇世代や機会に応じて,生涯にわたって運動を楽しむために

は,自己に適した運動やスポーツの多様な楽しみ方を見付

けたり,工夫したりすることが大切であること。

〇健康を維持したりする必要性に応じて運動を実践する際に

は,体つくり運動の学習を例に,体を動かすことの心地よ

さを楽しんだり,体の動きを高めることを楽しんだりする

行い方があること。

〇競技に応じた力を試す際には,ルールやマナーを守りフェ

アに競うこと,世代や機会に応じてルールを工夫すること,

勝敗にかかわらず健闘を称え合う等の行い方があること。

〇自然と親しんだり,仲間と交流したり,感情を表現したり

する際には,互いの違いやよさを肯定的に捉えて自己やグ

ループの課題の達成を楽しむなどの仲間と協働して楽しむ

行い方があること。

・ダイヤモンドランキングを活用し,実技の授業(ハンドボ

ール)において,男女が一緒に練習や試合するためのルー

ルや活動内容,参加の仕方(態度)について意見交換する。

知③

学び方

態①

積極性

46

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【思考・判断・表現】 運動やスポーツへの関わり方が多様であること

について,出された意見や集めた情報を分析した

り,整理したりしている。(観察・ワークシート)

6 本時の展開(2/3時間) (1) 本時の目標

〇 運動やスポーツが多様であることについて,出された意見や集めた情報を分析した り,整理したりできるようにする。 (思考力,判断力,表現力等)

〇 運動やスポーツへの多様な関わり方について,言ったり書き出したりすることがで きるようにする。 (知識)

(2) 準備・資料 教科書,付箋,ワークシート,サインペン,電子黒板,タブレット

(3) 展開 ※分かる授業づくりの個への手立て 学習内容・活動 指導の手立て・評価

1 挨拶をする。 2 学習課題を確認する。 3 国際大会の様子を見て,スポーツへの関わり方を付箋に記入する。

4 同じ内容にグループ分けをする。 【予想されるグループのタイトル】 ・選手

・コーチ ・審判関係 ・チームスタッフ関係

・ボランティア関係 ・テレビ関係

・東京オリンピックが間近に迫っていることに触れ,活動への意欲付けとする。

・映像を見て思いついたことを,付箋に記入させる。 ・意見を順番に発表し,ワークシートに付箋を貼り付

ける。同様の場合には,近くに貼ることを確認する。 ・全員の意見が出揃ったら,グループ分けした付箋を

整理するように助言する。

5 スポーツへの関わりを共有する。

・「行うこと」「見ること」「支えること」「知ること」を中心としながら,多様な関わりがあり,今後もさらに拡充していくことを補足する。

6 「行うこと」「見ること」「支えること」「知ること」をグループでさらに深く調べる。

・資料やタブレットを活用し,調べるように促す。 ※担当を確認し,具体的に資料を提示し,取り組みや職業名等を挙げることを支援する。

・発表内容,発表順を確認し,発表の練習をさせる。

7 発表会を行う。 【ワールドカフェ方式】 ・発表順は各グループで決定する。

・発表者以外は,トラベラーとする。 ・1セット2分間

8 グループで話し合いをする。 9 まとめと次時予告をする。

・トラベラーが均一になるように移動を促す。 ※発表が苦手な生徒が発表担当になった時は,グループのリーダーが支援したり,具体的な資料を提示したりするように促す。

・他のグループでの発表の内容や様子を自分たちのグ

ループ内で話し合い,発表内容を付け加えることができるように助言する。

・「支えること」に該当するボランティアは,大会運営に必要不可欠なことや,国や地域を越えた人たちの交流が芽生えるきっかけとなることなどを指導する。

スポーツへの関わりには,どのような

ものがあるのだろうか。

【知識】 運動やスポーツへの多様な関わり方について言

ったり,書き出したりしている。 (観察・ワークシート)

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Ⅱ 高等学校:

体つくり運動の実践例

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体つくり運動

1 新学習指導要領における取扱い

体つくり運動は,体ほぐしの運動と実生活に生かす運動の計画で構成され,自他の心と

体に向き合って,体を動かす楽しさや心地よさを味わい,心と体をほぐしたり,体の動き

を高める方法を学んだりすることができる領域である。

高等学校では,これまでの学習を踏まえて,「体を動かす楽しさや心地よさを味わい,自

己の体力や生活に応じた継続的な運動の計画を立て,実生活に役立てること」などが求め

られる。

入学年次では,体を動かす楽しさや心地よさを味わい,運動を継続する意義,体の構造,

運動の原則などを理解するとともに,健康の保持増進や体力の向上を目指し,目的に適し

た運動の計画を立て取り組むことができるようにする。その際,自己や仲間の課題を発見

し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己や仲間の考えたこ

とを他者に伝えることができるようにする。また,体つくり運動の学習に自主的に取り組

み,互いに助け合い教え合うことや一人一人の違いに応じた動きなどを大切にすることな

どに意欲をもち,健康や安全を確保することができるようにする。

なお,指導に際しては,知識の理解を基に運動の計画を立てたり,運動の計画を立てて

取り組むことで一層知識を深めたりするなど,知識と運動を関連させて学習させることや,

「知識及び運動」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」の内容を

バランスよく学習させるようにすることが大切である。

入学年次の次の年次(その次の年次)以降の体つくり運動では,体を動かす楽しさや心

地よさを味わい,体つくり運動の行い方などを理解するとともに,実生活に役立てること,

生涯にわたって運動を豊かに継続するための課題に取り組み,考えたことを他者に伝える

こと及び体つくり運動に主体的に取り組むとともに,協力,参画,共生などの意欲を育み,

健康・安全を確保することができるようにする。

なお,体つくり運動の体を動かす楽しさや心地よさを味わうこととは,体を動かすこと

を通して自己や仲間の心と体が解放される心地よさや,運動課題の解決を通して仲間と関

わる楽しさを味わうこと,他者と比較したり競争したりすることなく,自己に適した運動

を選択し実生活に生かす運動の計画を立てることなどを通して,「する,みる,支える,知

る」などのスポーツを多様に楽しむための気付きを促すことである。

指導に際しては,「知識及び運動」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人

間性等」の内容をバランスよく学習させ,自己に適したスポーツとの多様な関わり方を考

える機会を充実することで,生涯にわたる豊かなスポーツライフの実現を目指すことが大

切である。

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⑴ 体ほぐしの運動 行い方の例

<高校入学年次,高校その次の年次以降>

① のびのびとした動作で用具などを用いた運動を行うことを通して,気付いたり

関わり合ったりすること

② リズムに乗って心が弾むような運動を行うことを通して,気付いたり関わり合

ったりすること

③ 緊張したり緊張を解いて脱力したりする運動を行うことを通して,気付いたり

関わり合ったりすること

④ いろいろな条件で,歩いたり走ったり飛び跳ねたりする運動を行うことを通し

て,気付いたり関わり合ったりすること

⑤ 仲間と協力して課題を達成するなど,集団で挑戦するような運動を行うことを

通して,気付いたり関わり合ったりすること

⑵ 実生活に生かす運動の計画 行い方の例

<高校入学年次>

① 健康に生活するための体力の向上を図る運動の計画と実践

・ 運動不足の解消や体調維持のために,食事や睡眠などの生活習慣の改善も含

め,休憩時間や家庭などで日常的に行うことができるよう効率のよい組合せや

バランスのよい組合せで運動の計画を立てて取り組むこと

② 運動を行うための体力の向上を図る運動の計画と実践

・ 調和のとれた体力の向上を図ったり,選択した運動やスポーツの場面で必要

とされる体の動きを高めたりするために,効率のよい組合せやバランスのよい

組合せで運動の計画を立てて取り組むこと

<その次の年次以降>

① 自己のねらいに応じた実生活に生かす運動の計画と実践

・ 体調の維持などの健康の保持増進をねらいとして,ジョギングやエアロビク

スなどの有酸素運動,各種の体操などの施設や器具を用いず手軽に行う運動例

及び適切な食事や睡眠の管理の仕方を取り入れて,卒業後も継続可能な手軽な

運動の計画を立てて取り組むこと

・ 生活習慣病の予防をねらいとして,「健康づくりのための身体活動基準 2013」

(厚生労働省 運動基準の改定に関する検討会平成 25 年 3 月)などを参考に,

卒業後も継続可能な手軽な運動の計画を立てて取り組むこと

・ 調和のとれた体力を高めることをねらいとして,体力測定の結果などを参考

に,定期的に運動の計画を見直して取り組むこと

・ 競技力の向上や競技で起こりやすいけがや疾病の予防をねらいとして,体力

の構成要素を重点的に高めたり,特に大きな負荷のかかりやすい部位のけがを

予防したりする運動の組合せ例を取り入れて,定期的に運動の計画を見直して

取り組むこと

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2 新学習指導要領における評価規準の例

入学年次

(第1学年)

入学年次の次の年次以降

(第2学年,第3学年)

【知識・技能】

(現行:「知識・理解」)

○知識

・運動を継続する意義,体の構造,運動

の原則などを理解している。

※技能については,評価基準を設定して

いない。

【知識・技能】

(現行:「知識・理解」)

○知識

・体つくり運動の行い方,体力の構成要

素,実生活への取り入れ方などを理解し

ている。

※技能については,評価基準を設定して

いない。

【思考・判断・表現】

(現行:「思考・判断」)

・自己や仲間の課題を発見し,合理的な

解決に向けて運動の取り組み方を工夫

するとともに,自己や仲間の考えたこと

を他者に伝えている。

【思考・判断・表現】

(現行:「思考・判断」)

・生涯にわたって運動を豊かに継続する

ための自己や仲間の課題を発見し,合理

的・計画的な解決に向けて取り組み方を

工夫するとともに,自己や仲間の考えた

ことを他者に伝えている。

【主体的に学習に取り組む態度】

(現行:「関心・意欲・態度」)

・体つくり運動に自主的に取り組むとと

もに,互いに助け合い教え合おうとする

こと,一人一人の違いに応じた動きなど

を大切にしようとすること,話合いに貢

献しようとすることなどをしたり,健

康・安全を確保したりしている。

【主体的に学習に取り組む態度】

(現行:「関心・意欲・態度」)

・体つくり運動に主体的に取り組むとと

もに,互いに助け合い高め合おうとする

こと,一人一人の違いに応じた動きなど

を大切にしようとすること,合意形成に

貢献しようとすることなどをしたり,健

康・安全を確保したりしている。

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3 体ほぐしの運動の例

⑴ のびのびとした動作で用具などを用いた運動を行うことを通して,気付いたり関わり

合ったりすること

①ペアジャンプ

〇ねらい ・互いに協力する大切さに気付き,ペアで縄跳びを楽しむ。

・仲間と調子を合わせることの大切さに気付く。

〇行い方 ・ペアで向き合ったり,横に並んだりして縄を回し,一緒に跳ぶ。

・リズミカルに縄を操作して跳躍する。

〇発 展 ・後ろ回し跳びを行う。

・二人の向きを逆にして跳ぶ。

・オリジナルな跳び方を二人で工夫する。

前跳び 後ろ跳び 交差跳び

②スパイダーゲーム

〇ねらい ・グループ全員が一体となって障害を抜けていく楽しさを味わう。

・自分の体の可動範囲に気付く。

〇行い方 ・5人程度の組を作り,ロープをクモの巣状に張る。

・3人組を作り,相手チームが張り巡らせたロープを,味方と手をつない

だままくぐり抜けていく。

〇発 展 ・体がロープに触れないようにする。

・行きと違うスペースを抜けて戻る。

・グループの人数を増やす。

縄に触れないように気を付ける

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⑵ リズムに乗って心が弾むような運動を行うことを通して,気付いたり関わり合ったり

すること

①ミラー

〇ねらい ・リーダーと気持ちを合わせることの楽しさに気付く。

・ねじったり,曲げたりして,日常にない体の使い方に気付く。

〇行い方 ・グループを作り,1人がリーダーとなる。リーダーとグループの仲間で

向かい合い,リーダーの動きをまねる。

・リーダーを交換しながら行う。

〇発 展 ・移動を加えて行う。

・リズミカルな曲に合わせて行う。

走るように 星のように 決めポーズ

②ドンキホーテ

〇ねらい ・リズムに乗る方法やそろって踊る快適さに気付く。

〇行い方 ・4~5種類の決められたステップで,リズミカルな曲に合わせ,全員

そろって踊る。

・リズムに乗って調子よく踊ることができる。

〇発 展 ・ステップに合わせて手の動きをつける。

・好きな動きを取り入れたり,掛け声を掛けたりする。

ランニングマン

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⑶ 緊張したり緊張を解いて脱力したりする運動を行うことを通して,気付いたり関わり

合ったりすること

①関節を伸ばすストレッチ

〇ねらい ・自他の体の柔らかさをつかみ,関節を伸ばす心地よさを味わう。

〇行い方 ・2人組をつくり,心身ともにリラックスした状態で,強い痛みを感じな

い姿勢を保ち続ける。

・力の入れ加減をパートナーに伝えながら伸ばす。

・ゆるやかに伸ばし,しばらく伸ばし続ける。

〇発 展 ・棒やボールなど手具を用いる。

相手の様子を確認しながら

②ゆする・ひっぱる

〇ねらい ・自他の体の柔らかさをつかみ,ゆすって伸ばす心地よさを味わう。

〇行い方 ・2人組をつくり,足や手を軽くゆすってから,強い痛みを感じない姿勢

を保ち続ける。

・力の入れ加減を相手に伝えながらゆすったり,引っ張ったりする。

〇発 展 ・仰向けになった姿勢になり,足をゆする。

腕を引っ張る 足をゆする

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③地蔵倒し

〇ねらい ・互いに気持ちを合わせる大切さに気付く。

・倒れた人の体重,体温,押す人の力を感じ,その変化を楽しむ。

〇行い方 ・3人組をつくり,地蔵役は両腕を胸の前で組み,直立の状態でパートナ

ーを信じて前後に倒れる。前後の人はしっかり支える。

〇発 展 ・倒れる人が左右に倒れる。

・倒れる角度を大きくする。

後ろに 前に

⑷ いろいろな条件で,歩いたり走ったり跳び跳ねたりする運動を行うことを通して,気

付いたり関わり合ったりすること

①手つなぎ鬼

〇ねらい ・仲間と息を合せる難しさやコミュニケーションの大切さ,息が合った時

の楽しさを味わう。

〇行い方 ・2人組をつくり,そのうちいくつかのペアに鬼をやってもらう。

・逃げるペアも鬼も常に手をつないで走る。鬼に捕まったらそのペアも鬼

に加わる。

〇発 展 ・鬼が8人になったら4人一組に分裂する。

鬼は仲間と息を合わせながら追う

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②2人組ジャンプ

〇ねらい ・パートナーと息を合わせる難しさやうまくいった時の達成感を味わう。

〇行い方 ・2人組を作り,1人は膝を伸ばして座る。もう1人はパートナーの

足をまたいで立つ。

・座っている人は足を開閉する。それに合わせて立っている人もジャンプ

をしながら足を開閉し,パートナーの足を踏まないように跳ぶ。

〇発 展 ・回数や時間を指定して行う。

・音楽に合わせて行う。

・座っている人が足を少し浮かせた態勢で行う。

お互いのタイミングを合わせて

⑸ 仲間と協力して課題を達成するなど,集団で挑戦するような運動を行うことを通して,

気付いたり関わり合ったりすること

①円形椅子

〇ねらい ・集団で息を合わせることの大切さに気付く。

・意見を出し合ってコミュニケーションを取ることの大切さに気付く。

・バランス感覚や筋力を高める。

〇行い方 ・6人組を作り,円に並ぶ。

・同時に後ろの人の膝に座る。

〇発 展 ・人数を増やす。

・座ったままで合図に合わせて歩く。

バランスを上手にとって

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②メリーゴーランド

〇ねらい ・互いに協力する姿勢を養う。

〇行い方 ・6人組で円になり,立つ人と座る人が交互になるようにする。

・座る人は膝を伸ばし互いの足がつくようにする。

・隣の人と手をつなぎ,立って

いる人は時計回りに歩く。

〇発 展 ・人数を増やす。

・歩く向きを途中で変える。

バランスをとる

③スタンドアップ

〇ねらい ・互いに信頼し合い,支え合うことを感じる。

・意見を出し合ってコミュニケーションを取ることの大切さに気付く。

・力やバランス感覚を高める。

〇行い方 ・前向きで手を組み,「せーの」の号令で一斉に立ち上がる。

〇発 展 ・人数を増やす。

・手を交差して組んだり,背中合わせで行ったりする。

手をつないで 手を交差して 背中を合わせて

立ち上がる 立ち上がる 立ち上がる

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4 実生活に生かす運動の計画

次の表は新体力テストの項目に応じた体力・運動能力要素を高めるためのポイントにつ

いて示したものである。

新体力テスト項目 体力・運動能力要素 高めるためのポイント

握力

筋力

自分の体重や人,物などの抵抗を負荷と

して,それらを動かしたり移動したりする

動きを通じて,筋力を高める。

上体起こし

筋力

筋持久力

筋肉を動かし続ける反復運動や、鍛えた

い筋肉に直接負荷をかけたトレーニング

を行う。重すぎない負荷で反復しながら追

い込む。

長座体前屈

柔軟性

全身や各部位をゆっくりと曲げたり回

したりして関節などの可動範囲を広げる

動きを通じて,体の柔らかさを高める。

反復横とび

敏捷性

体の位置や動く方向をすばやく変える

など,反応速度を速くする運動を通じて,

体をすばやく移動するなどの力を高める。

20m シャトルラン <走能力>

全身持久力

一定の時間歩いたり走ったりする運動

を通じて,心肺機能を向上させ,持久力を

高める。

50m 走 <走能力>

スピード

比較的短い距離(30~50m 程度)を全力

で走るなどの運動を通じて,速く走る力を

高める。

立ち幅とび <跳躍能力>

瞬発力

短い時間に大きな力を発揮する運動を

通して,高くまたは遠くへ跳ぶ力を高め

る。

ボール投げ

<投球能力>

巧緻性

瞬発力

ボールなどを投げる動作を繰り返し行

うことを通じて,なめらかな動作を身に付

け,投げる力を高める。

それぞれの項目について,4つの体力・運動能力要素(筋力・持久力・柔軟性・敏捷性)

を高めることが運動の基本である走能力・投球能力・跳躍能力に繋がることを踏まえた上

で,それぞれの運動例を紹介する。

⑴ 筋力を高める運動

①壁腕立て

〇ねらい ・上腕二頭筋の筋力

〇行い方 ・壁を向いて立ち,両手を肩幅より広くして壁につける。

・腕に体重をかけながら肘の曲げ伸ばしを行う。

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〇強 度 競技力向上→20 回×2セット(3秒で肘を曲げ,2秒で伸ばす)

体力維持→10回×2セット

②壁押し

〇ねらい ・筋力・投球能力

〇行い方 ・両手を壁につく。

・片足を前に出し 10 秒間全力で押す。

〇強 度 ・競技力向上→10 秒×2セット(片手ずつ)

・体力維持→5秒×2セット(両手)

壁押し

③スクワット

〇ねらい ・大腿四頭筋,ハムストリングス,大殿筋の筋力

〇行い方 ・足を肩幅より少し広くする。

・膝がつま先より前に出ないように注意して膝の曲げ伸ばしを行う。

〇強 度 ・競技力向上→20 回×2セット(3秒で膝を曲げ,2秒で伸ばす)

・体力維持→10回×2セット

④プッシュアップ

〇ねらい ・筋力・投球能力

〇行い方 ・肩幅より広く手を開く。

・頭から足首までまっすぐになるよう意識し,肘を曲げ体は床に近づけ

る。

〇強 度 ・競技力向上→20 回×2セット(指先を外側に向ける)

・体力維持→10回×2セット(膝をつけて行う)

⑤シットアップ

〇ねらい ・筋力

〇行い方 ・体の前で腕をクロスする。

・肘が大腿に付くまで上体を起こす。

〇強 度 ・競技力向上→20 回×2セット(頭の後ろで手を組む)

・体力維持→10回×2セット(腕の反動を使って体を起こす)

プッシュアップ シットアップ

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⑥ランジ

〇ねらい ・筋力・跳躍能力・走能力

〇行い方 ・胸を張り,上半身を立てる。

・足を前後に大きく開き腰を落とす。

・左右交互に 10回繰り返す。

〇強 度 ・競技力向上→20 回×2セット(ジャンプしながら)

・体力維持→10回×2セット(後ろ膝をつけて行う)

⑦壁倒立

〇ねらい ・筋力

〇行い方 ・両手を床につける。

・両足は壁を登るように高くしていき,お腹を壁につける。

〇強 度 ・競技力向上→10 秒×2セット(片手で行う)

・体力維持 →5秒×2セット(補助に支えてもらう)

ランジ 壁逆倒立

⑧背筋

〇ねらい ・筋力

〇行い方 ・うつぶせになる。

・3のリズム「1右手・左足 2左手・右足 3両手・両足」でそれぞ

れをあげる。

〇強 度 ・競技力向上→30 回×2セット(3秒静止)

・体力維持 →15 回×2セット(両手両足を別々にあげる)

⑨カーフレイズ

〇ねらい ・筋力・跳躍能力・走能力

〇行い方 ・段差に足を半分かける。

・3のリズムで背伸びをし,3秒止まり,3のリズムでかかとを下げる。

〇強 度 ・競技力向上→10 回×2セット(片足ずつ行う)

・体力維持→20 回×2セット(両足で速いリズムで行う)

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背筋 カーフレイズ

⑩スクワットジャンプ

〇ねらい ・筋力・跳躍能力・走能力

〇行い方 ・膝を 90 度に曲げ,両足を床につけた状態で真上に高く跳ぶ。

・膝を 90 度に曲げた状態で着地する。

・連続で 10 回繰り返す。

〇強 度 ・競技力向上→10 回×2セット

・体力維持→5回×2セット

スクワットジャンプ

⑪デプスジャンプ

〇ねらい ・筋力・跳躍能力・走能力

〇行い方 ・高さのある所からジャンプする。

・着地と同時にジャンプし,目の前の障害物を飛び越える。

〇強 度 ・競技力向上→障害物の高さを高くする。

・体力維持→障害物の高さを低くする。

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⑵ 持久力を高める運動

①ウォーキング

〇ねらい ・全身持久力

〇行い方 ・腕を振り,前を向いて少し広めの歩幅で歩く。

〇強 度 ・体力維持→1日 20 分以上歩く。

②ランニング

〇ねらい ・全身持久力

〇行い方 ・20 分以上のランニングを行う。

・1分間 180 歩のリズムを目安に行う。

〇強 度 ・体力維持→20 分以上歩く。負荷をかける場合には時間を伸ばしたりペ

ースを速める。かかとからの接地を心がけて足の負担を減らし,無理

のないペースで走る。

③縄跳び

〇ねらい ・全身持久力

〇行い方 ・短縄を使っていろいろな跳び方を行う。

・できるだけ長い時間続けて跳ぶようにする。

〇強 度 ・競技力向上→スピードを速くする。時間を長くする。

・体力維持→跳ぶ回数を決めて行う。

ランニング 縄跳び

④インターバル走

〇ねらい ・全身持久力・筋持久力

〇行い方 ・30 秒間9割~10 割のスピードでのランニング+60 秒間の軽いジョギ

ングを繰り返す。

〇強 度 ・走スピードと本数,休憩時間は体力レベルに応じて変更する。

⑤タバタプロトコル

〇ねらい ・全身持久力・筋持久力

〇行い方 ・20 秒の運動と 10秒の休息を 1セットとして、8セット(合計4分間)

行う。

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・行う運動は同一でも違う種目を組み合わせても良いが,全力で行える

ものとする。

⑶ 柔軟性を高める運動

①ストレッチ

〇ねらい ・柔軟性

〇行い方 ・各部位(手首,腕,肩,首,体側,太もも,ふくらはぎ,足首など)

を曲げたり伸ばしたりして筋肉や腱を伸ばす。

・息を吐きながら 15秒を目安に伸ばす。はずみをつけずゆっくり行う。

・無理をしない。

②動的ストレッチ

〇ねらい ・柔軟性・走能力

〇行い方 ・動きながら体の各部位を伸ばす。

・大きな動きを心がけ,関節の可動域を広げる。

・数種目組合せ,各種目 20m 程度移動しながら行う。

ハードルウォーク 足上げ 高いスキップ

速いスキップ 足の切り替え 腿上げ

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⑷ 主に敏捷性を高める運動例

①ジグザグタッチ

〇ねらい ・敏捷性

〇行い方 ・縦2列横4列で,同じ間隔になるように地面に印を付ける。

・サイドステップしながらジグザグに進み,足裏で印にタッチする。

〇強 度 ・競技力向上→手で印にタッチする,印と印の間隔を不規則にする

・体力維持→印と印の間隔を狭くする

②反復横跳び

〇ねらい ・敏捷性・筋持久力

〇行い方 ・1m 間隔に引いたラインでサイドステップを行う。

③階段昇降

〇ねらい ・敏捷性・跳躍能力・走能力・筋持久力

〇行い方 ・4のリズムで行う。

・1で右足,2で左足を段差にかけ,3で右足,4で左足を床につける。

反復横跳び 階段昇降

④ラダー

〇ねらい ・敏捷性・走能力

〇行い方 ・マス目を使って両足,片足で様々なステップをする。

1マス1歩 両足ジャンプ タンゴ

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サイド ツイスト 足の組み替え

「健康づくりのための身体活動基準 2013」(厚生労働省 運動基準の改定に関する検討

会 平成 25 年3月)によると生活習慣病の予防のためには 23 メッツ/週がよいとされて

いる。そのため日常生活の中で無理なく,かつ計画的に運動できるようにしたい。そこで

生徒が体力テストの結果から自己の課題を把握し,主体的に運動できるような「フィット

ネスプログラム作成シート」を作成した(資料1)。

これは「体つくり運動」の単元終了時に生徒に配付し,後日提出させるなどして使用す

ることができる。これにより自分の体力を客観的に判断し,どのような運動をすれば体力

を向上させることができるかを考える能力を養うと考える。

5 活用方法

「3 体ほぐしの運動」は,準備運動,導入段階で実践し,生徒の興味や関心を喚起さ

せる運動として実施する。

「4 実生活に生かす計画」では,体力テストの結果を基に自らの体力を振り返り,「フ

ィットネスプログラム作成シート」を活用し,主体的に運動できる計画を立てて実践する

よう促す。

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資料1

フィットネスプログラム作成シート

年 組 番 氏名

1 新体力テストの結果を記入してみましょう。

体力・運動能力要素 新体力テスト項目 記録 点数

筋 力 握 力

筋持久力 上体起こし

柔軟性 長座体前屈

敏捷性 反復横とび

全身持久力 20m シャトルラン

走能力 50m 走

跳躍能力 立ち幅とび

投球能力 ハンドボール投げ

2 新体力テストを振り返って,優れている運動能力要素は何ですか?

3 新体力テストを振り返って,不足している運動能力要素は何ですか?

4 フィットネスプログラム作成に当たってのねらいは何ですか?

フィットネスプログラム(1回の内容)

高めたい体力要素 内容 回数・時間

例)筋力 腕立て伏せ(脇をしめて) 10回×3

10

5 このプログラムはいつ,どの程度の頻度で実施しますか?

(例「夜自宅で週3日」「部活動後週2日」など)

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フィットネスプログラムの実施に当たって,大切なことはフィードバックをすることで

ある。一過性のものにならないように実施状況を生徒に確認したり,定期的に成果を評価

する機会を設けたりすることが必要である。体育の授業等で体力テストを再度実施し,継

続してきた成果が実感できると生徒はさらに熱心に取り組むと考える。また,思うような

成果が得られなかった生徒については,教師が励ましやサポートを行い,フィットネスプ

ログラムを見直し継続実施を促すことで,運動の習慣化や体力の向上を図っていく。

また,体ほぐしの運動の例として挙げた運動を体育授業時の準備運動として取り入れる

ことで,授業へのモチベーションが上がり,活動が積極的になる。体をほぐすことが心を

ほぐすことに繋がると考えられる。

生涯にわたる豊かなスポーツライフの継続のために,体つくり運動を通して,体を動か

す楽しさや心地よさを味わい,自己の体力や生活に応じた継続的な運動の計画を立て,実

生活に役立てることが大切である。

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参考・引用文献

1 『学校体育実技指導資料 第7集 体つくり運動』 文部省 平成12年3月

2 『中学校学習指導要領解説 保健体育編』 文部科学省 平成29年7月

3 『高等学校学習指導要領解説 保健体育・体育編』 文部科学省 平成30年7月

4 『子どもの体力向上のための取組ハンドブック』 文部科学省 平成24年3月

5 『平成9年度学校体育に関する研究集録』 茨城県教育庁保健体育課 平成10年3月

6 『学校体育指導資料 第39集 体育授業のモデル集 その4』

茨城県教育庁保健体育課 平成22年3月

7 『学校体育指導資料 第47集 体育経営ハンドブック』

茨城県教育庁学校教育部保健体育課 平成30年3月

8 『すぐ使える体ほぐしの運動136選』明治図書

池田延行監修/名古屋市体育研究会編 平成12年3月

9 『生涯学習支援のための参加型学習のすすめ方 ~参加から参画へ~』

株式会社ぎょうせい 平成12年9月

10 『協調学習 授業デザインハンドブック

ー知識構成型ジグソー法を用いた授業づくりー』

東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構

自治体との連携による協調学習の授業づくりプロジェクト 平成27年3月

11 『平成29年度版 学習指導要領改訂のポイント

小学校・中学校 保健体育』 明治図書 平成29年4月

12 『新学習指導要領の展開 保健体育編』 佐藤 豊 明治図書 平成29年10月

13 『新学習指導要領の展開 保健体育編』 佐藤豊編著 明治図書 平成29年11月

14 『深い学び』 田村学 東洋間出版社 平成30年4月

15 『だれでもどこでも泳げるようになる!水泳大全』

鈴木大地 著 東洋館出版社 平成30年10月

16 『平成30年度版 学習指導要領改訂のポイント 高等学校保健体育』

明治図書 平成31年3月

17 一般社団法人スポーツ鬼ごっこ協会 URL http://www.onigokko.or.jp

18 『体力向上プログラム』

URL https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/266022.pdf

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作成協力委員(順不同,敬称略)

吉野 聡 茨城大学教育学部 教授

三田部 勇 筑波大学体育系 准教授

菅谷 正造 行方市立麻生中学校 教諭

風間 亮 龍ケ崎市立城ノ内中学校 教諭

宮﨑 健太 茨城町立明光中学校 教諭

木谷 僚 茨城県立取手松陽高等学校 教諭

根反 祥恵 茨城県立中央高等学校 教諭

スポーツ庁委託事業「武道等指導充実・資質向上支援事業」

学校体育指導資料 第49集

中 学 校:指導計画の作成

高等学校:体つくり運動の実践例

令和2年3月発行

編集・発行 茨城県教育庁学校教育部保健体育課

〒310-8588

茨城県水戸市笠原町978番6

TEL029-301-5353

FAX029-301-5369