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「平泉の文化遺産」ガイダンス施設(仮称) 基 本 計 画 平成 30 年6月 岩手県

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「平泉の文化遺産」ガイダンス施設(仮称)

基 本 計 画

平成 30 年6月

岩手県

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Ⅴ−1 管理運営の基本⽅針 …66 Ⅴ−2 運営⽅式 …67 Ⅴ−3 運営体制 …68 Ⅴ−4 開館形態 …71 Ⅴ−5 利⽤者サービス …72 Ⅴ−6 広報・開発活動 …74

Ⅴ 管理運営計画

Ⅳ−1 展⽰の基本⽅針 …46 Ⅳ−2 展⽰における関連施設との役割分担 …47 Ⅳ−3 展⽰の構成 …48 Ⅳ−4 展⽰の概要 …50 Ⅳ−5 展⽰のイメージ …64

Ⅳ 展⽰計画

Ⅲ−1 施設の基本⽅針 …23 Ⅲ−2 建設予定地 …24 Ⅲ−3 施設計画の与件整理 …31 Ⅲ−4 建物の配置(イメージ) …40 Ⅲ−5 収蔵計画 …41

Ⅲ 施設計画

Ⅱ 事業活動計画

Ⅱ−1 事業活動の基本⽅針 …8 Ⅱ−2 事業活動の全体像 …9 Ⅱ−3 事業活動の展開 …11

Ⅰ−1 背景と⽬的 …1 Ⅰ−2 理念と基本⽅針(⽬指す施設像) …2 Ⅰ−3 利⽤者層の検討・整理 …3 Ⅰ−4 施設に求められる機能 …7

Ⅰ 施設の理念と基本⽅針

⽬次

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Ⅰ 施設の理念と基本⽅針

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Ⅰ 施設の理念と基本⽅針

Ⅰ−1 背景と⽬的

(1)「平泉の⽂化遺産」の価値

(2)これまでの取組と課題

平安時代の末(12 世紀)に奥州藤原⽒が造営した政治・⾏政上の拠点の遺産。極楽浄⼟信仰を中⼼とする浄⼟思想に基づき、現世における仏教的理想世界の実現を⽬指して創造された他に類例を⾒ない顕著な事例。その価値が世界的に評価され、平成 23 年に世界遺産に登録。関連資産の世界遺産拡張登録を⽬指した活動が継続されている。

「平泉の⽂化遺産」

県⺠をはじめとした世界中の⼈々共通の財産として適切に保存し次世代へ確実に継承していくために、

その価値を国内外へ情報発信し、魅⼒を広く伝達することが不可⽋

取組●中尊寺⾦⾊堂等の現存する建造物や⽑越

寺の浄⼟庭園は、訪れる⼈々に資産の持つ価値を直接伝達している。

●無量光院跡や柳之御所遺跡では、往時の姿の⼀端を復元し、奥州藤原⽒の栄華と歴史的環境を伝えている。

●柳之御所遺跡は史跡公園として公開し、柳之御所資料館においては展⽰を通して「平泉の⽂化遺産」の価値を伝えている。

●平泉町が運営する平泉⽂化遺産センターをはじめ、関係市町や寺院の資料館で資料の展⽰・保管、情報発信等を⾏っている。

課題●柳之御所遺跡をはじめとする「平泉の⽂

化遺産」は、多くが遺跡として地下に埋蔵されており、復元的整備によって伝達できる情報には限りがある。

●既存の各施設では、「平泉の⽂化遺産」の世界遺産としての価値や重要性、散在する構成資産の関連性を、⼗分には伝えられていない。

●重要⽂化財を含む柳之御所遺跡出⼟資料は現在、スペースの不⾜から⼀部が他機関に収蔵されるなど、適切な環境下で管理・収蔵することができていない。

中尊寺 ⽑越寺 無量光院跡 ⾦鶏⼭観⾃在王院跡世界遺産登録済みの構成資産

拡張登録を⽬指す遺跡等柳之御所遺跡

平泉の政治・⾏政上の中⼼施設である「平泉館」の遺跡とされ、奥州藤原⽒の住居・政務の場の考古学的遺跡として平成 9 年に国の史跡に指定。歴史的価値のみならず、仏国⼟(浄⼟)を空間的に表現した建築・庭園などの世界遺産「平泉」との緊密な関係性が判明している。

達⾕窟⽩⿃舘遺跡

⻑者ヶ原廃寺跡⾻寺村荘園遺跡

柳之御所遺跡をはじめとする「平泉の⽂化遺産」と⼀体的に活動を展開し、その世界遺産としての価値や⼈類史上における重要性を伝える包括的拠点施設が必要。

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Ⅰ 施設の理念と基本⽅針

(3)本計画の位置付け

本計画は、先述の「平泉の⽂化遺産」の価値を世界中の⼈々に広く伝え、後世へと継承するため、平成 29 年 7 ⽉岩⼿県策定の「『平泉の⽂化遺産』ガイダンス施設(仮称)整備基本構想」及び平成 30 年 3 ⽉岩⼿県教育委員会策定の「柳之御所遺跡整備計画(平成 29 年度版)」に基づいて検討・策定するものです。

Ⅰ−2 理念と基本⽅針(⽬指す施設像)

(1)理念

前記の背景を踏まえ、「平泉の⽂化遺産」ガイダンス施設(仮称)の理念を次のように設定します。

(2)基本⽅針(⽬指す施設像)

理念の実現に向け、⽬指すべき施設像として、施設の基本⽅針を次のように定めます。

「平泉」の価値を広く世界中に伝え、 ⼈類の共通の財産として後世へ継承するための拠点施設となる

1.世界中の⼈々が世界遺産「平泉」の価値を理解できる、 国際的な視野に⽴った施設

2.「平泉の⽂化遺産」周遊の出発点として、個々の構成資産を 訪問する契機を提供する施設

3.柳之御所遺跡をはじめとする「平泉の⽂化遺産」関連資料を、 後世へと継承できる施設

4.平泉⽂化の多⾓的な調査・研究と研究者の交流の拠点として、 学術情報が集積し活⽤される施設

5.歴史・⽂化に関⼼を持ち、世界遺産や⽂化財保護について 主体的に学び活動する⼈材の育成に寄与する施設

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Ⅰ 施設の理念と基本⽅針

Ⅰ−3 利⽤者層の検討・整理

(1)基本的な考え⽅

施設の理念を踏まえ、以下のような幅広い利⽤者層を想定して活動を展開します。 ・⼦どもから⼤⼈まで幅広い年齢層 ・個⼈及び団体の⾒学者 ・県内をはじめ、様々な国・地域から訪れる国内外の観光客

・観光客から歴史ファン、研究者など多様な興味関⼼を持つ⼈々

(2)特に重視すべき利⽤者層

本施設の主要な利⽤者層を想定し、利⽤者のニーズに合った機能を担い、サービスを提供します。

➀県外からの観光客

平泉町に訪れる観光客を県内・県外別で⾒ると、県外からの観光客が 87.4%と⼤多数を占めています[図1]。また、岩⼿県内の観光地訪問で利⽤した交通機関は、⾃動⾞が74.6%と最も多く、次いで新幹線が多いことが分かります[図2]。

本施設の計画地は JR 平泉駅から徒歩圏内にあり、県内の他の観光地に⽐べて在来線を利⽤する来訪者が増える可能性もありますが、⼤まかな傾向は⼀致するものと考えられます。したがって、本施設においても、県外から訪れる観光客を⼤きな利⽤者層として設定し、その交通⼿段としては⾃動⾞⼜は新幹線の利⽤を想定します。

県内 12.6% 252,055 ⼈回

合計 2,000,440 ⼈回

平泉町への観光⼊込客数

県外87.4%

1,748,385 ⼈回

出典:平成 26 年度 数字で⾒る平泉町

観光地点への交通機関

貸切バス・観光バス3.1%

その他10.4%

新幹線 11.9%

⾃動⾞ 74.6%

出典:平成 28 年度 岩⼿県観光統計概要

[図1] [図2]

●みどころやルートの紹介など、平泉観光の出発点としての案内・情報

検討の視点

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Ⅰ 施設の理念と基本⽅針

➁教育旅⾏客

観光⼊込客数について、平泉町・奥州市・⼀関市3市町が岩⼿県全体に占める割合は20.1%であるのに対し、教育旅⾏客については、35.1%に上ります。つまり、平泉町・奥州市・⼀関市の3市町は県内の他の市町村に⽐べ、教育旅⾏客が多いという特徴を持つことが分かります[図3]。

岩⼿県に訪れる教育旅⾏客の内訳を⾒ると、校種別では中学校が 53.3%と過半数占めています[図4]。また発地別では北海道・東北・関東地⽅の占める割合が計 91.9%に上ります[図5]。

岩⼿県内からは、多くの⼩学校が修学旅⾏で平泉に訪れています。したがって、主に北海道・東北・関東地⽅から訪れる中学⽣を中⼼とした教育旅⾏客や、県内から訪れる⼩学⽣の教育旅⾏客を、重視すべき利⽤者層の⼀つとして設定します。

教育旅⾏客の校種別⼊込割合

その他 8.7%

(17,345 ⼈回) ⼩学校 14.9%

(29,806 ⼈回)

[図4]

⾼等学校 23.1%

(46,006 ⼈回) 合計 199,372 ⼈回

中学校 53.3%

(106,215 ⼈回)

出典:平成 28 年度いわての観光統計

平泉町 7.3% (2,004,238 ⼈回)

3市町計 20.1%

(5,520,624 ⼈回)

その他 79.9% (21,934,299 ⼈回)

その他 64.9% (129,456 ⼈回)

出典:平成 28 年度 岩⼿県観光統計概要、いわての観光統計

[図3] 観光⼊込客 教育旅⾏客⼊込推計

●学校団体を受け⼊れられる施設整備 ●体験・学習プログラムの開発と提供

検討の視点

教育旅⾏客の発地別⼊込割合 [図5]

近畿 5.1%

(10,243 ⼈回) 中部 1.2%

(2,338 ⼈回) 北海道 25.2%

(50,179 ⼈回) 関東 19.7%

(39,322 ⼈回) 合計 199,372 ⼈回

東北 47.0%

(93,709 ⼈回)

出典:平成 28 年度いわての観光統計

奥州市 5.1% (1,407,586 ⼈回)

⼀関市 7.7% (2,108,800 ⼈回) 合計

27,454,923 ⼈回 合計 199,372 ⼈回

3市町計 35.1%

(69,916 ⼈回)

平泉町 24.6% (49,106 ⼈回)

⼀関市 5.1% (10,243 ⼈回)

奥州市 5.3% (10,569 ⼈回)

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Ⅰ 施設の理念と基本⽅針

➂外国⼈観光客

岩⼿県全体の観光⼊込客数と、平泉町・奥州市・⼀関市3市町の観光⼊込客数の推移は、概ね⼀致しています[図6]。平成 23 年 3 ⽉に発⽣した東⽇本⼤震災や原⼦⼒発電所事故等の影響により、平成 23 年度に観光⼊込客数は⼤幅に減少したものの、同年 6 ⽉に平泉が世界遺産に登録されたことを受け、翌平成 24 年には回復基調となりました。平成 26年以降、世界遺産効果にかげりが⾒え、平成 28 年の観光⼊込客数は岩⼿県・3市町ともに減少しています。 ⼀⽅、岩⼿県における外国⼈観光客の⼊込数は平成 24 年度以降毎年増加しており、今後も増加が⾒込まれます。3市町における外国⼈観光客⼊込客数もほぼ同様の推移が⾒られ、外国⼈観光客は今後増加していくと考えられます[図6]。

したがって本施設において、外国⼈観光客を重視すべき利⽤者層の⼀つとして設定します。

020,00040,00060,00080,000100,000120,000140,000160,000180,000

0

5,000,000

10,000,000

15,000,000

20,000,000

25,000,000

30,000,000

35,000,000

40,000,000

平成21 22 23 24 25 26 27 28

観光⼊込客数(岩⼿県) 観光⼊込客数(3市町計)外国⼈観光客(岩⼿県) 外国⼈観光客(3市町計)

外国⼈観光客⼊込数 観光⼊込客数総数

H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28

岩⼿県 37,515,159 27,870,165 23,848,698 27,417,203 28,939,956 29,197,512 28,994,292 27,454,923

3 市町計 6,374,952 5,478,560 5,380,550 6,264,501 5,514,192 5,504,337 5,551,886 5,520,624 岩⼿県における 外国⼈観光客 89,464 100,887 28,737 46,841 66,119 85,423 121,491 163,230

3市町における外国⼈観光客 17,737 21,659 3,904 12,067 14,201 21,558 63,397 44,839

出典:平成 28 年度 岩⼿県観光統計概要、いわての観光統計

観光⼊込客数と外国⼈観光客の⼊込数推移 [図6]

●外国⼈観光客にも分かりやすい案内と体感的な展⽰ 検討の視点

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Ⅰ 施設の理念と基本⽅針

➃歴史・遺跡ファン

歴史・遺跡のファンは、利⽤者全体における割合は⼤きくないと考えられるものの、本施設の事業活動に特に強い関⼼を持つ層であり、リピーターとなることも期待される点から、重視すべき利⽤者層として設定します。

➄研究者等

歴史や考古学を専⾨とする研究者等は、本施設の事業活動に特に強い関⼼を持つ層であり、重視すべき利⽤者層として設定します。

➅地域の⼈々

平泉周辺地域の⼈々は、本施設を繰り返し利⽤して地域への誇りや愛着を育んでいただくとともに、事業活動を⼀緒に展開するサポーターとなっていただきたい、重視すべき利⽤者層です。

●充実した質・量の展⽰ ●最新研究の反映と情報提供

検討の視点

●充実した質・量の展⽰ ●最新研究の反映と情報提供 ●学術交流の場

検討の視点

●継続的かつ変化に富んだ事業活動 ●地域に暮らす⽅々との連携

検討の視点

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Ⅰ 施設の理念と基本⽅針

Ⅰ−4 施設に求められる機能

世界中から訪れる⼈々に「平泉の⽂化遺産」の価値を伝え、後世へと継承していくために、本施設には以下のような機能が求められます。

ガイダンス機能 多様な特性・ニーズを持つ幅広い来訪者を迎え⼊れ、 世界遺産を含む「平泉の⽂化遺産」へ誘う。

展⽰・情報発信機能

収蔵・保存管理機能 柳之御所遺跡をはじめとする 「平泉の⽂化遺産」の発掘調査や、関連機関と連携した多⾓的な共同研究等を⾏い、学術情報を集積する。

柳之御所遺跡をはじめとする 「平泉の⽂化遺産」に関わる資料を、最適な環境で収蔵・管理し、後世に⼤切に伝える。

調査研究・情報集積機能

体験・学習機能 来訪者が主体的に学び活動す

る契機となる体験の場を提供するとともに、学校等と連携した学習プログラムを開発し、次世代の⼈材を育成する。

管理運営・ プロデュース機能

施設と柳之御所史跡公園の維持管理を⾏うとともに、 「平泉の⽂化遺産」の保護・活⽤に関する来訪者の利便を図り、円滑な施設運営を⾏う。

⼀般利⽤者利⽤空間

バックヤード

世界遺産を含む 「平泉の⽂化遺産」の価値を分かりやすく伝え、調査研究成果等の学術的な情報公開も⾏う。

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Ⅱ 事業活動計画

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Ⅱ 事業活動計画

Ⅱ−1 事業活動の基本⽅針

世界遺産を含む「平泉の文化遺産」の

歴史・文化をより深く理解させるため、

柳之御所遺跡を通じて多彩な事業活動を展開

理念の実現に向け、以下の⽅針に基づいて事業活動を展開します。

1.多様な興味関⼼、幅広いニーズを想定した事業活動

世界遺産を含む「平泉の⽂化遺産」の価値を世界中に広く伝えるため、様々な興味関⼼やニーズを持つ⼈々を想定し、すべての⼈が平泉を⾝近に感じ、その価値に対する理解を深めることができる事業活動を展開します。

2.平泉⽂化を後世にまで継承する継続的な事業活動

「平泉の⽂化遺産」に関する貴重な遺跡や資料、調査研究の成果等を後世にまで確実に継承するため、事業活動の継続性を重視するとともに、繰り返し利⽤される施設となるべく、時代に合わせて変化し続けていきます。

3.各資産や関連機関、地域に暮らす⽅等と連携した事業活動

「平泉の⽂化遺産」の拠点施設として、各資産や関連機関、地域に暮らす⽅々等、様々な⼈や組織と連携を図り、⼀体的な事業活動を展開します。

8

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Ⅱ 事業活動計画

Ⅱ−2 事業活動の全体像

「Ⅰ−4 施設に求められる機能」において⽰した各機能を担うために、本施設では以下のような事業活動を展開します。

◆ガイダンス事業―平泉の資産へと来館者をいざなう―

①「平泉」現地ガイド

②「平泉」現地インフォメーション

◆展示・情報発信事業―平泉を伝え、興味関⼼を引き出す―

①「平泉の⽂化遺産」関連展⽰

②柳之御所遺跡関連展⽰

③企画展⽰

④学術情報等発信

◆収蔵・保存管理事業―貴重な資料を守り、伝える―

①収蔵・保存管理

◆調査研究・情報集積事業―平泉学の構築に向けて―

①発掘調査・研究

②共同研究・学術情報集積

◆体験・学習事業―平泉を⾝近に感じるきっかけづくり―

①施設・公園内プログラム開発・提供

②アウトリーチ

◆管理運営・プロデュース事業―施設を⽀える要となる―

①施設管理・運営

②柳之御所史跡公園維持管理

③プロデュース

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Ⅱ 事業活動計画

中尊寺

平泉文化遺産センター 平泉文化史館

一関市博物館

道の駅平泉

奥州市牛の博物館

いわて高等教育コンソーシアム

地域の人々

ガイド団体

岩手大学平泉文化研究センター

毛越寺宝物館

骨寺村荘園交流館

讃衡蔵

観自在王院跡

無量光院跡

金鶏山

柳之御所遺跡

達谷窟

白鳥舘遺跡

長者ヶ原廃寺

骨寺村荘園遺跡

「平泉の文化遺産」ガイダンス施設(仮称)

文化遺産めぐりの出発点

平泉に来たことを実感する

自宅などで計画を立てる

施設単独の事業

他施設・機関と連携する事業

[凡例]

「平泉の文化遺産」めぐりに出発する 理解・感動を深める「平泉の文化遺産」の

価値を知る・学ぶ

周辺関連施設

利用者の動き

外部研究機関

県内の小・中学校「平泉の文化遺産」

展示・情報発信事業

ガイダンス事業

管理運営・プロデュース事業

連携・調整

連携・調整 連携・調整

利用・出張

周辺地域

参画・協力

価値を伝える迎え入れる情報提供

情報提供

来館前 本施設にて 現地にて

情報提供送り出す

①「平泉」現地ガイド

①「平泉の文化遺産」

関連展示

②柳之御所遺跡関連展示

体験・学習事業

①施設・公園内プログラム開発・提供

②アウトリーチ

収蔵・保存管理事業

①収蔵・保存管理

①施設管理・運営

②柳之御所史跡公園維持管理

③プロデュース

調査研究・情報集積事業

①発掘調査・研究

②共同研究・学術情報集積

③企画展示

④学術情報等発信

②「平泉」現地

インフォメーション

事業活動全体イメージ前ページに掲げた事業活動の全体像を、施設周辺との関わりを含めて図示します。

施設の中では、訪れた利用者を迎え入れ、「平泉の文化遺産」の価値を伝え、現地めぐるために必要な情報を提供して送り出します。

本施設での学びを踏まえて現地を訪れることにより、理解・感動が深まり、利用者が平泉のリピーターとなることを目指します。

利用者が平泉に訪れる前の段階では、情報提供を通じて、計画を立てるサポートを行います。

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Ⅱ 事業活動計画

Ⅱ−3 事業活動の展開

(1)ガイダンス事業―平泉の資産へと来館者をいざなう―

➀基本的な考え⽅

世界遺産を含む「平泉の⽂化遺産」の価値を伝えるためには、まず、訪れた⼈々の⼼地良さと期待感を⾼め、「平泉の⽂化遺産」について積極的に知りたいと思う状態へと導くことが必要です。また、⽂化遺産めぐりに必要な情報を提供し、快適な旅になるようサポートすることにより、来訪者は現地で資産とじっくり向き合い、より⼀層その価値を感じることができると考えます。そこで本施設では、「平泉の⽂化遺産」めぐりの出発点として、平泉に到着した来訪者を迎え⼊れ、そして各資産へと送り出すガイダンス事業を展開します。

➁事業活動内容

ⅰ 「平泉」現地ガイド

・来訪者を迎え⼊れ、本施設の利⽤⽅法や柳之御所史跡公園などについて案内します。 ・展⽰や体験学習プログラム等についてガイドを⾏い、⾒学や体験をサポートします。 <想定する活動例>

活動例 概要 展⽰・史跡公園ガイドツアー ・館内の展⽰や史跡公園でのガイドツアーを⾏う

体験学習プログラム・ イベント等のサポート

・様々な体験学習やイベント時のサポートを⾏う

施設内・公園内に関する案内 ・利⽤者サポート

・館内や史跡公園の案内や質問等へのレファレンスを⾏う

バックヤードツアー ・普段⾒学できない⼀般収蔵庫・整理の様⼦等を案内

オリエンテーリングツアー ・館内・遺跡内に謎解きスポットを設置、ゲーム感覚で柳之御所の理解を深める

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Ⅱ 事業活動計画

ⅱ 「平泉」現地インフォメーション

・「平泉の⽂化遺産」や、県内の他の世界遺産に関わる概要を紹介します。 <想定する活動例>

活動例 概要 総合インフォメーション ・館内・史跡公園の総合案内、様々なレファレンスに

も対応 平泉の世界遺産案内 ・資産の概要・⾏き⽅、バス・電⾞の時刻、気象情報、

周遊コースなど ・開館時間、イベント開催時間、フロアマップなど)

県内の世界遺産案内 ・釜⽯市の「橋野鉄鉱⼭」を含む「明治⽇本の産業⾰命遺産」

・⼀⼾町の御所野遺跡を含む「北海道・北東北の縄⽂遺跡群」

地域情報の発信 ・「平泉の⽂化遺産」に関連する季節の⾏事・イベント等の情報を発信 例:中尊寺節分会 春・秋の藤原まつり ⽑越寺曲⽔の宴 平泉⼤⽂字送り⽕ 等

※隣接する道の駅「平泉」でも、周遊ルート等の情報を提供していますが、施設内でも必要な情報を提供します。

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Ⅱ 事業活動計画

(2)展⽰・情報発信事業 ―平泉を伝え、興味関⼼を引き出す―

➀基本的な考え⽅

国内外からの来訪者に、「平泉の⽂化遺産」の価値を分かりやすく伝え、「平泉の⽂化遺産」を正しく理解し、興味関⼼を⾼めることができるように、世界遺産をはじめ「平泉の⽂化遺産」を解説する展⽰を⾏います。 また、「平泉の⽂化遺産」の調査研究成果等の学術的な情報など様々な分野の情報を、世界中の⼈々が⼊⼿できるように情報発信を⾏います。

➁事業活動内容

ⅰ 「平泉の⽂化遺産」関連展⽰

・世界遺産を含む「平泉の⽂化遺産」の価値を伝え、構成資産の概要への理解を促すための展⽰を⾏います。

・世界遺産条約の理念とともに、「平泉の⽂化遺産」の価値を次世代に継承していくことの必要性を伝えます。

・「平泉の⽂化遺産」を構成する各構成資産と地域社会の関わりを⽰します。 ・世界遺産を含む「平泉の⽂化遺産」の保護のあり⽅や仕組みを伝えます。

ⅱ 柳之御所遺跡関連展⽰

・柳之御所遺跡の概要を紹介するとともに、「平泉の⽂化遺産」における位置付けを伝えます。 ・地下遺構である柳之御所遺跡の価値を視覚的に実感させ、史跡公園への誘導を促します。 ・膨⼤な出⼟資料を活⽤して遺跡への理解を深めます。 ・重要⽂化財を適切に展⽰するため照明等に配慮するとともに、資料の定期的⼊れ替え

を⾏います。

[展⽰内容・⼿法案]※詳細は 4展⽰計画 を参照

・奥州藤原⽒が築いた「仏国⼟(浄⼟)」を体感するシアター ・資産の空間的関連性が⼀⽬で分かる地形ジオラマ ・「平泉の⽂化遺産」の概要や世界遺産の理念などを解説するグラフィックパネル ・「平泉の⽂化遺産」に関連する季節の⾏事・イベント等の情報発信

など

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Ⅱ 事業活動計画

ⅲ 企画展⽰

・継続して⾏う発掘調査の過程や成果の紹介、他機関で所有する資料等の展⽰をはじめ、多⾓的な視点から多様なテーマの企画展⽰を⾏います。

・平泉⽂化遺産センターや⼀関市博物館等周辺の関連施設との共同展⽰や巡回展⽰を検討します。

<想定する企画展⽰例>

企画展⽰例 概要 発掘調査速報展 ・柳之御所遺跡の発掘調査の成果を速報的に展⽰

平泉をテーマにした総合展⽰ ・新たな研究成果をもとに平泉に関する総合的な展⽰を定期的に開催する

多様なテーマの特別展⽰ ・他館からの借⽤資料を合わせてテーマを設定し開催

共同企画展⽰ ・他館との共同企画による展⽰を⾏う 巡回展⽰ ・共通のテーマを設定し他館からの巡回による展⽰を

⾏う

[展⽰内容・⼿法案]※詳細は 4展⽰計画 を参照

・平泉の政庁であり、奥州藤原⽒の居館でもあった柳之御所の復元模型 ・遺跡の概要や性格、調査整備の経緯、史跡公園の紹介を⾏うグラフィックパネル ・膨⼤な出⼟資料を活⽤した実物資料展⽰

など

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Ⅱ 事業活動計画

ⅳ 学術情報等発信

・発掘調査情報や学術研究成果を公開し、「平泉の文化遺産」が国際的に重要な学術資料

であることを周知します。

・集積した資料や調査・研究成果に関する情報のほか、「平泉の文化遺産」に関連する様々

な分野の資料収集に努め、来訪者が主体的に検索・活用できる空間を構築します。

<想定する活動例>

活動例 概要

学術情報の発信 ・進行中の発掘調査に関する情報や、調査結果の分析によ

り明らかになったことなどを発信

・世界遺産を含む「平泉の文化遺産」に関する学会・シン

ポジウムの開催情報や刊行物の発行情報などを発信

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Ⅱ 事業活動計画

(3)収蔵・保存管理事業 ―貴重な資料を守り、伝える―

➀基本的な考え⽅

柳之御所遺跡をはじめとする「平泉の⽂化遺産」に関わる資料は、今後の平泉⽂化の研究において貴重な資料となるだけでなく、多くの⽅々に「平泉の⽂化遺産」を周知していく上でも貴重な資料です。このような資料を最適な環境の下で保存・活⽤し、後世に⼤切に伝えていきます。

➁事業活動内容

・柳之御所遺跡の出⼟品について、重要⽂化財指定品の収蔵庫を分離するなど、適切な環境下で収蔵を⾏います。

・貴重な資料を将来にわたって有効活⽤していくため、発掘関連情報等の記録を適切に⾏うとともに、データベースなど活⽤しやすい⽅式で整理・管理を⾏います。

➂収蔵資料の構成

※参考 平泉町所有の柳之御所遺跡出⼟品(重要⽂化財指定品)

重要⽂化財指定品 (942 点) ※追加指定予定

・⽊・漆器製品等:48.7% ・⾦属製品 : 4.2% ・⼟器・⽯製品等:47.1%

(柳之御所資料館展⽰室)

柳之御所遺跡出⼟品 (未指定品)

・種別:⽊製品、⾦属製品、⼟器類 ・収蔵予定量: 報告書掲載遺物 (現在の収蔵⾯積約 40 ㎡)

報告書未掲載遺物 (現在の収蔵⾯積約 250 ㎡)

(平泉遺跡群発掘調査事務所)

重要⽂化財指定品 (311 点)

・⽊・漆器製品等:25.7% ・⾦属製品 : 6.4% ・⼟器・⽯製品等:67.9%

(平泉⽂化遺産センター)

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Ⅱ 事業活動計画

(4)調査研究・情報集積事業 ―平泉学の構築に向けて―

➀基本的な考え⽅

ガイダンス施設では、「平泉の⽂化遺産」の展⽰・情報発信の基盤となる、平泉⽂化の研究を継続していきます。発掘調査を基本とし、調査で得られた情報を展⽰に随時反映し、「平泉の⽂化遺産」の新たな価値として発信します。 さらに、平泉⽂化に関連する多⾓的な研究として、外部機関・研究者との連携を強化するとともに、これまで推進してきた研究を基盤として、「平泉の⽂化遺産」をテーマにした研究発表会の開催も含めて、新たな共同研究の枠組の構築を図っていきます。

➁事業活動内容

・柳之御所遺跡及び「平泉の⽂化遺産」の発掘調査の継続により学術情報を集積します。 ・調査研究を通じて集積した学術情報は、展⽰・情報発信事業において随時発信・公開

していきます。 <想定する活動例>

活動例 概要 平泉・柳之御所遺跡に関する総合的な研究

・平泉・柳之御所遺跡に関して考古学をはじめ多⾓的な視点から総合的な研究を⾏い、その成果を発信

柳之御所遺跡発掘調査事業 ・柳之御所遺跡の発掘調査を継続して⾏い、その調査・研究成果を随時発信

平泉⽂化遺産センター等 関係市町村との連携

・平泉⽂化遺産センター等と連携をより深め、考古学のみならず⽂献史学等の関連分野を含めて多⾓的な視点から、学術的な「平泉の⽂化遺産」の研究を推進

・共同の企画展や講演会等を通じて、研究の成果を共有・発信

「平泉の⽂化遺産」に関する関係機関との共同研究

・県内⼤学等からなる「いわて⾼等教育コンソーシアム」や岩⼿⼤学平泉⽂化研究センター等県内外の研究機関と連携し、情報を発信

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Ⅱ 事業活動計画

(5)体験・学習事業 ―平泉を⾝近に感じるきっかけづくり―

➀基本的な考え⽅

ガイダンス施設は、「平泉の⽂化遺産」について、来訪者の知的好奇⼼を刺激し、主体的に学び活動していく契機となるよう、体験を通して柳之御所史跡公園と⼀体的理解が促進されるような空間を創出します。 また、歴史・⽂化に関⼼を持ち、世界遺産や⽂化財の保護へ積極的に関わっていく次世代の⼈材育成のため、学校教育や社会教育と連携した学習プログラムを開発、提供します。 児童や⽣徒、地域に暮らす⽅々の体験学習の機会を増やし、「平泉の⽂化遺産」や柳之御所遺跡をより⾝近に感じられるよう、施設内でのプログラムだけでなく、県内の⼩中学校や⽂化施設等へのアウトリーチ事業も実施します。

➁事業活動内容

ⅰ 施設・公園内プログラム開発・提供

・平泉の仏教的理想世界を体感させるメニューを提供します。 ・来訪者の興味関⼼が持続、反復されるよう、研究成果等に基づいた体験を提供します。 ・専⾨的知識を有するガイドによる「平泉の⽂化遺産」及び柳之御所遺跡等の解説プロ

グラムを設けます。 ・講座・講演会などの開催を通じて、地域社会における世界遺産や⽂化財への興味・関

⼼を強め、保存管理意識の⾼揚を図ります。 ・体験学習プログラムの検討に当たっては、予約なしで利⽤可能な短時間で体験できる

コースと、時間をかけて体験するコースを設定するなど、来訪者のニーズに合わせたプログラムを開発・提供します。

・平泉⽂化遺産センター等の関係機関との共同プログラムの開発・提供も検討します。

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Ⅱ 事業活動計画

<想定するプログラム例> プログラム例 概要

出⼟資料を活⽤した プログラム

・かわらけづくり、平泉の遊び体験(双六・将棋・碁)、⼟器・絵図パズル など

展望を活かした体験 ・往時の平泉館の姿や⾏き交う⼈々の様⼦、無量光院や⾦鶏⼭を⾒ることができる AR(拡張現実)モニターや体験プログラム

・史跡公園の整備の考え⽅の説明 ・無量光院跡や⾦鶏⼭などの周辺資産との位置関係の表⽰ ・眺望を楽しみながら休憩し、歴史に思いをはせるラウン

ジの設置 など

平泉の歴史・暮らしに ちなんだプログラム

・曲⽔の宴体験、貴族の⽣活体験、浄⼟庭園箱庭づくり、延年の舞講座 など

特に⼦ども向けの プログラム

・発掘⾒学ツアー ・「ケロ平」おえかきコンテスト など

考古学体験 ・出⼟資料の整理等をスタッフの指導の下で体験 など <講座・講演会プログラム例>

プログラム例 概要 平泉に関する連続講座 ・平泉の歴史や柳之御所遺跡、世界遺産に関するテーマを

もとに連続講座を開催 など 講演会 ・企画展等に合わせたテーマ等について外部講師による講

演会を開催 など *⼈数によって開催場所は平泉⽂化遺産センター等と連

携し柔軟に対応

(事例:バーチャル⾶⿃京)

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Ⅱ 事業活動計画

ⅱ アウトリーチ ・県内の⼩中学校等や公⺠館等の社会教育・⽂化施設等にスタッフを派遣し、出張講座

を開催するなど、学校教育・社会教育における学習⽀援活動を⾏います。 ・体験学習キットの開発・貸出を⾏い、学校の授業等で活⽤する機会を提供します。 <想定するプログラム例>

プログラム例 概要 平泉出張講座 ・県内の⼩中学校等・公⺠館等の社会教育施設・⽂化施設

にて平泉・柳之御所遺跡に関する情報を紹介

平泉出前BOX ・平泉に関する出⼟資料やレプリカ・体験学習キットを⽤意し貸し出しに対応

平泉ワークシート ・施設内や学校教育ので授業・修学旅⾏の⼀環で利⽤できるよう教育関係者とともにワークシートを開発・整備

[参考:現在のアウトリーチ]

・岩⼿県内全域の⼩・中・⾼・⽀援学校等を対象に県職員等が赴き、ガイドブックやワークシートを⽤いた出前授業を実施しています。

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Ⅱ 事業活動計画

(6)管理運営・プロデュース事業 ―施設を⽀える要となる―

➀基本的な考え⽅

ガイダンス施設は、基本的機能として建物施設と柳之御所史跡公園の維持管理を⾏います。 また、訪れる様々な⼈の期待に応えて満⾜度を⾼めるため、関連施設と連携・調整を図り、施設や公園のみならず「平泉の⽂化遺産」全体をプロデュースする役割を担います。

➁事業活動内容

ⅰ 施設管理・運営

・利⽤者やスタッフ、収蔵資料にとって安全で快適な施設であり続けるため、施設建物の⽇常的な維持管理を⾏います。

・ガイダンス施設の展⽰や活動、平泉の魅⼒を内外に発信します。 ・「平泉の⽂化遺産」に関する会議やイベントを開催し、会議室等の場所を提供します。 <想定する活動例>

活動例 概要 広報活動 ・関係施設・マスコミ(報道関係)・旅⾏代理店等への情報

を随時発信 ・WEBを活⽤し、ホームページの開設や、SNS(ソー

シャル・ネットワーキング・サービス)を活⽤し、施設の活動に関する情報を発信

・ホームページや印刷物、グッズなどに「ケロ平(ひら)」などのキャラクターを活⽤し、幅広い利⽤者層に親しみやすいイメージを発信 ※「ケロ平(ひら)」

…柳之御所遺跡から出⼟した「平泉のカエル戯画」をモチーフとした、岩⼿県の公認キャラクター

©2013 岩⼿県 ケロ平 designed by センウェンルー

各種出版物の発⾏ ・施設の年報・紀要・図録等の定期的な発⾏ イベント等の開催 ・隣接する道の駅「平泉」と連携したイベントを開催

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Ⅱ 事業活動計画

ⅱ 柳之御所史跡公園維持管理

・「平泉館」の遺跡として貴重な価値を持つ柳之御所史跡公園の維持管理を⾏います。

ⅲ プロデュース

・関連施設・団体等との運営協議会を定期的に開催し、課題を抽出し共有を図ります。 ・共催イベントの開催等について検討します。 ・利⽤者ニーズの把握と情報共有、広報等の情報発信につ

いても連携を図ります。 ・既存の平泉に関するガイド団体等と連携・すみ分けを⾏

い、新たな地域サポーターの育成を⾏います。 <想定する活動例>

活動例 概要 運営協議会の開催 ・関連する施設や団体等と運営協議会を設置、定期的な開

催による課題の抽出・情報共有

地域サポーターの 育成・研修

・施設を⽀えるサポーターの育成と定期的な研修による利⽤者サービスの向上

*現在あるガイド団体とも役割分担・調整を検討

共催イベント等の開催 ・平泉に関連する施設間で共催イベント等を開催

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Ⅲ 施設計画

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Ⅲ 施設計画

Ⅲ−1 施設の基本⽅針

世界遺産と一体となり誰もが気軽に訪れ、

柳之御所遺跡・平泉の歴史・文化に触れられる

歴史・文化交流拠点

以下の⽅針のもと施設の検討を⾏うものとします。

① 柳之御所遺跡をはじめ世界遺産と調和した施設隣接する柳之御所遺跡をはじめ、周辺の世界遺産の景観に調和し、平泉⽂化を感じさせる質の⾼いデザインの施設を検討します。

②来館者誰もが訪れやすい開かれた施設⼦どもから⾼齢者をはじめ、親⼦連れや外国からの⼈々・体の不⾃由な⽅など、訪れるあらゆる来館者が安全で安⼼して利⽤し快適に過ごせるよう、ユニバーサルデザインの考え⽅に沿って開かれた施設を計画します。

③来館者を史跡へとスムーズに導く動線の確保ガイダンス施設と柳之御所遺跡の⼀体的な利⽤・連携を考慮し、来館者が史跡へとスムーズにアクセスし利⽤しやすい動線を確保し、来館者の回遊性の向上を図る計画とします。

④多彩なイベントや体験学習にも活⽤可能な空間の設定多彩なイベントや様々な体験学習にもフレキシブルに対応できる空間構成を検討し、必要となる設備を整備します。また遺跡への眺望を活かした空間構成を検討します。

⑤貴重な資料を保管・活⽤する設備の充実柳之御所遺跡出⼟の貴重な資料の適切な収蔵・保管を⾏うため、重要⽂化財の「公開承認施設」として必要な機能・設備を整備するとともに、展⽰・活⽤を展開するための設備を整備します。

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Ⅲ 施設計画

Ⅲ−2 建設予定地

(1)⽴地

ガイダンス施設の⽴地については、以下の観点から、現柳之御所資料館・平泉遺跡群調査事務所(柳之御所史跡公園内)の位置を基本とします[図7〜9]。 ・柳之御所遺跡に隣接し、「平泉の⽂化遺

産」の構成資産中央に位置することから、ガイダンス施設を拠点として「平泉の⽂化遺産」を理解させる上で最適地であること。

・東北⾃動⾞道インターチェンジに近接し、国道 4 号線から直結している他、JR平泉駅からも近距離である等、交通アクセス上の利便性に優れていること。

・道の駅「平泉」に隣接し、パーク&ライド機能を含めた来訪者回遊の発着点としての役割を果たすことが期待されること。

・整備に必要な⾯積が県有地として確保されており、新たな⽤地取得の必要がないこと。

・柳之御所遺跡の外側にあたることから、⽂化財への直接的影響がないこと。

(以上、基本構想より再掲)

計画地及び柳之御所遺跡は、平泉駅の北に位置し、駅からは徒歩 15 分程の距離にあります。⻄側には無量光院跡や⾦鶏⼭があり、北⻄側には中尊寺⾦⾊堂が位置しています。

[図7] ガイダンス施設計画地と 既存関連施設位置関係(中⼼部)

[図8] ガイダンス施設計画地と 柳之御所遺跡周辺図

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Ⅲ 施設計画

[図9]

ガイダンス施設整備予定地

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Ⅲ 施設計画

(2)計画地の敷地条件・関連法規

①敷地条件 ●地名地番 岩⼿県⻄磐井郡平泉町伽羅楽 108-1 他 ●敷地⾯積 10,248 ㎡(未確定) ●⽤途地域 第⼀種住居地域 建ぺい率 60% (第⼀種住居専⽤部は 40%) ●容積率 200% [200%(⽤途地域)、400%(前⾯道路=県道相川平泉線幅員

×0.4)] ●⾼さ 10m(景観法第 61 条1項の規定による景観地区より) 道路⾞線:道路

幅員×1.25(⼀般的な道路⾞線)(建物配置・道路幅員により変動) 隣地⾞線は景観法により 10mが上限なので検討の必要なし ⽇影による制限は景観法により 10mが上限なので検討の必要なし

●防⽕地域等 指定なし 第 22 条地域該当 ●その他 歴史景観地区、平泉町景観計画

②関連法規 ●法令 建築基準法(特殊建築物):法別表第1(3)項「博物館、美術館、図書

館」 3階以上の階⼜は 2000 ㎡以上の場合、耐⽕建築物とすること。 ●法令 建築基準法(⽤途地域):法別表第2(に)七、⼋ 第⼀種住居地域の⽤途

制限:延べ⾯積≦3,000 ㎡ ●法令 都市計画法:第 29 条(開発⾏為の許可)1,000 ㎡以上の開発⾏為に該

当の可能性 ●法令 バリアフリー法:「博物館」は特別特定建築に該当 床⾯積 2,000 ㎡以上

の場合、「建築物移動等円滑基準」に適合させなければならない。 ●条例 ひとにやさしいまちづくり条例:岩⼿県の定める特定公共的施設に該当 ●法令 消防法(防⽕対象物):令別表第1(8)項「図書館、博物館、美術館」 ●法令 教育基本法:第 12 条2項「図書館、博物館、公⺠館等の設置等による

社会教育」 ●法令 博物館法:博物館における基本法、登録博物館、博物館相当施設の規定

等を定める。 ●法令 ⽂化財保護法:歴史⺠俗資料館の基本理念、重要⽂化財の「公開承認施

設」、重要 有形⺠俗⽂化の「公開事前届出免除施設」の規定 ●条例 平泉の⾃然と歴史を⽣かしたまちづくり景観条例: 景観法に基づく平泉

町景観計画の策定や、その運⽤を規定する条例。町⻑に助⾔ を⾏う「平泉町重要公共施設デザイン会議」の設置も規定

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Ⅲ 施設計画

➂関連計画 ●計画 「平泉の⽂化遺産」包括的保存管理計画 (平成 24 年 岩⼿県教育委員会) ●計画 柳之御所遺跡整備計画(平成 29 年度版)(平成 30 年 岩⼿県教育委員会)

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Ⅲ 施設計画

道の駅「平泉」道の駅「平泉」

柳之御所遺跡柳之御所遺跡

平泉駅平泉駅

柳之御所遺跡柳之御所遺跡

北上川北上川

無量光院跡無量光院跡

伽羅御所跡伽羅御所跡

レンタサイクルレンタサイクル

観光案内所観光案内所

道の駅駐⾞場

交通量が多い

2017 年 4 ⽉にオープン利⽤客が多い(同年 7 ⽉までに 70 万⼈以上が利⽤)

巡回バス「るんるん」がルートの最後に停留する

⼀般⾞約 70 台、バス約 20 台駐⾞可能電気⾃動⾞⽤充電器あり年中無休、24 時間使⽤可

巡回バス「るんるん」が無量光院跡の次に道の駅へ向かう※徒歩の場合約 10 分

⾃転⾞の場合、駅前から柳之御所遺跡まで約 7 分※徒歩の場合約 15 分

堀に通⾏可能な橋を渡す計画あり⾄ 平泉駅⾄ 平泉駅

バス停●

バス停●

県道

県道

N

平泉バイパス

平泉バイパス

奥州街道

奥州街道

東北本線

東北本線

計画地計画地

P

(3)周辺計画

【現地写真】①:柳之御所遺跡から計画地を望む

③:計画地から  柳之御所遺跡 (南側 ) を望む

④:計画地から道の駅を望む

②:計画地から  柳之御所遺跡 (北側 ) を望む

⑤:道の駅から計画地を望む

県道

 計画地は、柳之御所遺跡に隣接するとともに、道路を隔てた向かいには道の駅「平泉」が位置しています。 計画地に⾯して、平泉バイパスと平泉町内を結ぶ県道が通っており、遺跡を隔てています。

写真

①写真

写真

⑤写真

写真

④写真

写真

②写真

写真

③写真

28

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Ⅲ 施設計画

(4)災害等のリスクへの対応

①基本的考え⽅ ガイダンス施設は、国内外からの多くの来訪者の利⽤を想定しているとともに、国重要

⽂化財をはじめとした貴重な資料の展⽰・公開及び収蔵を⾏う施設であることから、様々な災害を想定した対策を検討します。

②想定される災害等について ガイダンス施設利⽤者及び展⽰・収蔵する⽂化財等への災害リスクとしては、主に⾃然

災害・事故・その他が想定されます。 ○⾃然災害:地震、⾵⽔害、⽕⼭、雪害 等 ○事故:⽕災、設備事故 等 ○その他:⼈的外的要因による災害 ③災害への対応 計画地は、想定し得る最⼤規模の降⾬があった場合には、浸⽔が予想される区域に位置す

るほか、東⽇本⼤震災津波(2011 年3⽉ 11 ⽇)の際には震度5強が観測されています。 このことから、地震や⽔害等の⾃然災害に備え、以下のような施設・設備の耐震・耐⽕

性能の確保など防災性能の向上や、来訪者の安全確保のためのスムーズな避難誘導に努めます。

●施設⾯(ハード⾯)での対応 ・⽔害対策 ⽌⽔性のある外壁の採⽤、防⽔板の設置等による開⼝部対策、電気及び空調設備の

⾼所設置、被害を受けにくい場所への収蔵 等 ・地震対策 耐震性能の⾼い鉄筋コンクリート造の採⽤、耐震性を考慮した展⽰什器の活⽤ ●運営⾯(ソフト⾯)での対応 ・来館者・運営スタッフ対策 危機管理対応マニュアルの整備による迅速な避難誘導 ・展⽰品・収蔵品対策 緊急時の施設内における避難場所の確保及び移動マニュアルの策定

29

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Ⅲ 施設計画

道の駅「平泉」

ガイダンス施設 (予定 )ガイダンス施設 (予定 )

柳之御所遺跡柳之御所遺跡

道の駅駐⾞場

道の駅側から様⼦がよく⾒える

連携が重要

施設から遺跡への眺望を妨げる恐れがある

ガイダンス施設としては、巡回バスルートの起点にあることが望ましい

⾄ 平泉駅⾄ 平泉駅

バス停●

住宅

県道

駐⾞場(予定)

⼈の流れ⼈の流れ

⾞両の出⼊り⾞両の出⼊り

N

平泉バイパス

平泉バイパス計画地計画地

P

道の駅「平泉」

ガイダンス施設 (予定 )ガイダンス施設 (予定 )

柳之御所遺跡柳之御所遺跡

道の駅駐⾞場

遺跡にアクセスしやすい

遺跡からは、景観に合った建物が⾒える

連携が重要

施設から遺跡への眺望を妨げない

ガイダンス施設としては、巡回バスルートの起点にあることが望ましい

出⼊⼝は道の駅と駐⾞場の利⽤客が⼊りやすい⽅向が望ましい

⾄ 平泉駅⾄ 平泉駅

バス停●

住宅

県道

駐⾞場(予定)

⼈の流れ⼈の流れ⾞両の出⼊り⾞両の出⼊り

N

平泉バイパス

平泉バイパス

計画地計画地

P

遺跡からは駐⾞場が⾒え、景観にそぐわない恐れがある

遺跡への眺望を確保しやすい

遺跡への眺望を確保しにくい

【北側に設置する場合】 【南側に設置する場合】

 敷地利⽤の検討にあたり、ガイダンス施設を敷地の北側に設置する場合と南側に設置する場合で⽐較検討。(メリットを⾚字、デメリットを⻘字、留意すべき事項などを⿊字で記載 ) 

 これらの検討により、ガイダンス施設は敷地の北側に配置する⽅向性で検討を⾏います。

⼈の流れ⼈の流れ

⼈の流れ⼈の流れ

バス停から若⼲距離がある

バス停からの距離が近い

メリット デメリット・柳之御所遺跡全体の眺望を確保しやすい。・駐⾞場を南側に配置することで、遺跡への眺望を妨げない。

・遺跡への距離が近く、アクセスしやすい。・遺跡からは、景観に合った建物が⾒える。

・道の駅「平泉」バス停から若⼲距離がある。メリット デメリット

・道の駅「平泉」からの視認性が良い。・道の駅「平泉」バス停からの距離が近い。

・柳之御所遺跡全体の眺望を確保しにくい。・駐⾞場が北側になるので、遺跡への眺望を妨げる恐れがある。

・遺跡への距離が若⼲遠くなる。・遺跡からは駐⾞場が⾒え、景観にそぐわない恐れがある。

(5)敷地利⽤計画

30

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Ⅲ 施設計画

Ⅲ-3 施設計画の与件整理

(1)施設計画の概要

ガイダンス施設は、第1章で整理した各機能を展開するために必要な施設面積を確保する

必要があります。また、ガイダンス施設では国重要文化財を含む柳之御所遺跡出土品の展

示・収蔵を行うことから、指定文化財を良好に管理できる環境を整える必要があります。

さらに、世界遺産「平泉」への来訪者は年間 100 万人前後であり、現在、暫定的に世界遺

産「平泉」の世界遺産センターとしての役割を果たしている平泉文化遺産センターには、

世界遺産登録後の平成 24 年度のピーク時に約 9 万人、直近の平成 28 年度には約 3 万 5 千

人が来館した実績がある等、ガイダンス施設には多くの来館者が期待されます。

一方、柳之御所遺跡の隣接地への建設であることから、建物が視覚的に与える影響に十分

配慮することも求められます。

このことから、各種法令の条件や類似施設の状況等も踏まえて、以下のとおりガイダンス

施設の想定面積及び施設計画検討に当たっての基本的な考え方を整理します。

ア 想定面積(延床面積)

2,300 ㎡程度(今後、基本設計等を策定する過程で詳細に検討し、決定する。)

イ 構造

RC構造(耐火構造)、地上1階一部地下階

(2)施設デザインの考え方

施設のデザインについては、以下のような考え方をもとに検討を行うものとします。

① デザインの方向性の考え方

施設デザインについては、平泉景観計画に基づいて計画し、歴史景観地区として史跡と

の景観的調和を図るとともに、2011 年世界遺産登録時のイコモス評価(構成資産間の展

望の保護及び構成資産の周辺環境の保護は、各構成資産が瞑想のオアシスであるとして

も、景観との関係を意味深く明示できる構成資産の能力を保証する上で極めて重要であ

ろう。)も踏まえ、世界遺産地区にふさわしい景観の創出を目指す。

② 施設構成の考え方

施設は、周辺景観に調和した和風のデザインで構成する。屋根は勾配屋根(入母屋・切

り妻・寄せ棟)、軒やケラバを出すことにより、和風の建築デザインを検討する。

③ 建築素材の選定、デザインモチーフについて

建築素材については、基本的に自然素材を活用する。また、色彩計画については、低彩

度低明度のものを採用し、建築全体として周辺景観に調和した落ち着いた雰囲気のある

デザインとする。内装材などに、極力県産材を活用することを目指す。

31

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Ⅲ 施設計画

(3)施設ゾーニングの考え⽅

施設のゾーニングについては、以下のような考え⽅をもとに検討を⾏うものとします。

〇常設展⽰室や企画展⽰室等主に来館者が利⽤するスペースと、収蔵庫や学芸・調査員室等主にスタッフが利⽤するスペースをそれぞれ集約。来館者動線と資料搬⼊動線が交わらないよう配慮する。

〇資料搬⼊⼝から整理室までをバックヤード動線でつなぎ、企画展⽰室と常設展⽰室を近くに配置するなど、展⽰物の移動を⾏いやすいようにする。

〇柳之御所史跡公園を展望できるスペースを設け、当時の様⼦を体感できる仕組みやプログラムを設置・展開することを検討する。景観条例に則り、極⼒⾼さが出ないように配慮する。

(4)エリアの構成

ガイダンス施設では必要な機能を踏まえ、以下のようなエリアを設定します。

○ガイダンスエリア ・施設の顔となるエリアで、誰もが気軽に訪れることができる開放的な空間。 ・「平泉の⽂化遺産」や周辺施設等の魅⼒を発信するインフォメーションやサポーターの

活動スペースを備える。 ・集合や休憩スペースにも活⽤可能なフレキシブルな空間。

○展⽰・情報発信エリア ・柳之御所遺跡や平泉の⽂化遺産を総合的に紹介する空間。 ・多様な⽬的の来館者に対応できるよう様々な⾓度から資料や映像・模型等の演出によ

り訪れた⼈を平泉の世界に誘う常設展⽰や企画展⽰を⽤意する。 ・平泉や柳之御所遺跡をもとに多様な切り⼝・テーマで様々な企画展⽰を⾏えるように

する。

○収蔵・保存管理エリア ・柳之御所遺跡出⼟の重要⽂化財をはじめ、貴重な資料を適切な保存環境で収蔵・保管す

る空間。

○調査研究・情報集積エリア ・柳之御所遺跡や平泉等に関する専⾨的・総合的な調査・研究を⾏うスペース。 ・出⼟資料を整理するスペースでは⼀般にも⾒学できるよう検討を⾏う。

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Ⅲ 施設計画

○体験・学習エリア ・来館者が気軽に柳之御所遺跡や平泉に関する体験が可能なスペース。 ・エントランスホールや屋外と連携し、遺跡への展望も活⽤しフレキシブルな利⽤が可

能なように配置する。 ○管理運営エリア ・施設を維持管理するとともに、各種イベント・活動等も積極的に⽴案・発信するための

スペース。 ○共⽤エリア ・各エリアをつなぐ共⽤部は多⽬的に利⽤可能なスペースとして⼗分な広さの確保に努

め、メンテナンス性にも配慮する。

33

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Ⅲ 施設計画

(5)施設構成

エリア

施設構成

公開・非公開 諸室 概要

柳之御所資料館・

発掘調査事務所

面積(㎡)

新施設

面積(㎡)

小計面積(㎡)

全体割合(%) 新施設面積設定理由

ガイダンス エントランス

「平泉の文化遺産」に関するガイダンスを行うエリア。イン

フォメーション機能や観光情報コーナー、一般用図書コーナ

ー等も備える。集合・休憩スペースとしても利用。 200~

200 ㎡~

平泉のコアとなる施設として、来館者を迎え入れるスペースを

しっかりと整備するためゆとりあるエントランススペースを

新設。 公開

10%

展示・情報発信 常設展示室

「平泉の文化遺産」と柳之御所遺跡の魅力を実物資料・映

像・模型等利用しわかりやすく伝える展示エリア。重文に対

応した室内環境を整備する。 280

450~ 585 ㎡~

常設展示室は柳之御所資料館展示エリアに加え、平泉の文化遺

産を紹介するスペースが設置されるため面積増。3 クラスが館

全体を交代で巡れる広さで設定。

新施設では企画展示室と展示準備室を設置予定。

公開

企画展示室 定期的に多様なテーマの展示に対応したフレキシブルな空

間を設定する。 110~ 28%

展示準備室 企画展示室の準備を行うエリア。 25~ 非公開

収蔵・保存管理 一般収蔵庫 文化財等出土資料を保管するエリア。一部 2 層式を検討。

30

300~ 510 ㎡~ 柳之御所資料館内の収蔵品に加え、発掘調査事務所・町内保管

倉庫に収蔵されている柳之御所遺跡関連資料も収蔵予定の為、

コンテナ約 2100 箱分を収蔵できる広さで設定。一時保管室や

搬入口も整備予定。 非公開

特別収蔵庫 重要文化財等の資料を保管するエリア。金属製品と木製品は

別室に保管する。 85~ 24%

一時保管室 搬入したばかりの資料を一時的に保管するエリア。 25~

荷解室・搬入口 トラック等から資料等を積み下ろしするエリア。

4tトラックが入る大きさを確保。 100~

調査研究・情報集積 学芸・調査員室 柳之御所遺跡の発掘調査を中心とした、学芸業務・調査研究

を行うエリア。 140 65~ 190 ㎡~

現発掘調査事務所では倉庫としてのスペースを兼ねた面積で

あるが、新施設では調査研究専用の場として整備を行う。学

芸・調査員を 4 名、整理員を 4 名として算出。学芸・調査員室

と整理室を別室とするか、同室で仕切れる設えとするかは今後

検討。分析機器等の導入を踏まえて面積調整を行う。

一部公開

整理室(機材庫含) 出土資料等を整理するエリア。 75~ 9%

書庫・図面室 「平泉の文化遺産」に関連する学術情報を収集・整理するエ

リア。来館者にも一部閲覧エリアを公開。 50 50~

非公開

体験・学習 体験学習室 「平泉の文化遺産」に関連するイベントや体験を行うエリ

ア。遺跡と一体感のある場所に設けることが望ましい。 20

75~ 185 ㎡~

講座室は 1 クラス分(40 人)以上の収容人数を想定して設定。

体験学習スペースも検討し、体験性の充実を図る。

サポータースペースの設置も検討。 公開 講座室 講座等を開催できるエリア。 9%

体験・展望スペース 柳之御所遺跡を俯瞰する展望を活かした体験を行う。 100~

サポータースペース サポーターが準備・活動するエリア。エントランスホールの

一部を利用。 10~

一部公開

管理運営 事務室 施設職員の常駐エリア。 160

50~ 50 ㎡~ 事務室で活動するスタッフ人数を仮に 10 名とし、面積を設定。

非公開 会議室 事務室内に会議スペースを設ける。 2%

共用 トイレ・授乳室 ユニバーサルトイレ等を設置する。

120

50~ 380 ㎡~ 施設の拡大に伴い必要面積を設定。 公開

機械室 電気室・空調機械室・ボンベ室等必要なスペースを室内外で

設定し設置する。 40~ 18% 非公開

通路・その他 一般来館者及び資料の動線が交錯しないよう十分なスペー

スを確保する。 290~ 箇所による

総合計 800 ㎡ 約 2300 ㎡ 100%

*その他駐車スペース

大型バス 3 台

普通車 40 台程度

34

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Ⅲ 施設計画

(6)諸室の基本機能

①ガイダンスエリア

●エントランスホール ・館の顔として、また多くの来館者を迎える交流空間としてゆったりとしたスペースを

確保する。 ・遺跡を望み⾃然景観を取り⼊れた明るく開放的な空間を設定する。 ・「平泉の⽂化遺産」や周辺観光案内等のインフォメーション機能や休憩スペース・イン

フォメーションカウンターを備える。 ・ミュージアムショップ・⼀般書籍の閲覧スペースも検討する。 ・サポーターの活動スペースも⽤意する。

②展⽰・情報発信エリア

●常設展⽰室 ・室内環境は基本的には外光を遮断し天井⾼は有効で 4,000 ㎜程度を確保した指定⽂化

財対応の空間を検討する。 ・電気設備・照明設備は展⽰資料やメンテナンスに配慮したものとする。 ・指定⽂化財等の資料展⽰に当たっては密閉型のエアタイトケースを基本とする。 ●企画展⽰室 ・多様なテーマの展⽰に対応できるよう可変しやすい展⽰替え可能な空間とし、可動間

仕切りの設置も検討する。 ・展⽰は所蔵する指定⽂化財や借⽤する貴重な資料が想定されるため、指定⽂化財等の

展⽰に対応した室内環境が求められる。室内環境は恒温恒湿の環境で単独空調とし、天井⾼は有効で 4,000 ㎜程度を確保する。

・照明設備・空調設備の設置に当たっては、展⽰の配置を考慮した設置とする。 ●展⽰準備室 ・展⽰室に隣接して設置するとともに、荷解室・収蔵庫とのスムーズな動線を確保する。

35

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Ⅲ 施設計画

③収蔵・保存管理エリア

●⼀般収蔵庫 ・柳之御所遺跡出⼟の⼟器等⼀般資料を収蔵する。 ・天井⾼は 5,000 ㎜程度を確保し、2 層式を検討する。その際は移動⽤のダムウェーター

等の設備を設置する。 ・収蔵棚でのコンテナ等の収容に当たっては地震対策を施したものとする。 ・室内に作業スペースを⽤意する。 ●特別収蔵庫 ・柳之御所遺跡出⼟の重要⽂化財、特に⾦属製品・⽊製品を中⼼に収蔵するため、それぞ

れの特質に合った環境を⽤意する。 ・基本は⼆重の床・壁・天井の基本仕様とし、恒温恒湿の環境を整備する。内装は不透湿、

断熱パネル下地で⾼調湿材を検討する。 ・天井⾼は 5,000 ㎜程度を確保する。 ・消⽕設備はガス消⽕を基本とする。 ・収蔵棚の設置の際は地震対策を施すものとする。 ●⼀時保管室 ・外部からの資料等を館内の環境に整えるスペース。

●荷解室・搬⼊⼝ ・梱包・荷解きのためのスペース。搬⼊スペースは 4tトラックが進⼊可能なトラックヤ

ードを確保し、シャッターを設置する。

④調査研究・情報集積エリア

●学芸・調査員室 ・学芸員・調査員の作業スペースとして、作業机・PC電源・LAN配線・書架等を備え

る。 ●整理室 ・出⼟資料を整理するスペースで、発掘調査の機材の収納庫も⽤意する。 ・出⼟資料の作業に合わせ、⽔洗いスペース・⼤型作業台等を⽤意する。 ・通路等から作業の様⼦を⾒学できるよう検討する。

36

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Ⅲ 施設計画

●書庫・図⾯室 ・発掘調査報告書や関連書籍・専⾨書籍等をはじめ図⾯等を収納する。 ・多くの収納量を確保するため、移動式書架を配置する。また作業台を⽤意する。

⑤体験・学習エリア

●体験学習室 ・様々な体験学習に対応可能なスペースとする。(講座室と兼⽤) ・⽔利⽤を想定した設備を⽤意する。 ・柳之御所遺跡への展望の活⽤及び半屋外での体験学習を想定した配置を検討する。 ●講座室 ・講座や講演会その他多様な⽤途に利⽤できるスペースとして 1 クラス(40 ⼈程度)に対

応する。(体験学習室と兼⽤) ・⼊り⼝は可動式にし、外部と⼀体的に利⽤できるよう検討する。 ・メモ台付きチェア・ホワイトボード・スクリーン・プロジェクター・⾳響設備・PC電

源・LAN配線等を備える。 ●体験・展望スペース ・柳之御所遺跡を展望できるスペースを設置する。 ・平泉館の往時の姿や⾏き交う⼈々を⾒られる仕組みを設けるなど、展⽰スペースとし

ても活⽤する。 ・柳之御所遺跡への展望の活⽤及び屋外の出⼊りを検討する場合は、室内環境の維持等

に⼗分配慮する。 ●サポータースペース ・サポーターがエントランスホールの⼀部を利⽤し準備・活動するスペース。 ・可動式のパーテーション等で間仕切るとともに、作業テーブル等を⽤意する。

⑥管理運営エリア

●事務室 ・施設管理・利⽤者サービス等のための事務スペース。 ・施設全体の管理をはじめ、デスク・PC電源・LAN配線等必要な⼈員分を⽤意する。

37

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Ⅲ 施設計画

●会議室 ・事務室内に間仕切りにより会議等を⾏えるスペースを確保する。

⑦共⽤

●トイレ・授乳室

●機械室 ・電気室・空調機械室・ボンベ等消⽕設備室は、施設の規模等に合わせ必要な⾯積を確保

する。 ・特に室内に⽔漏れが無いよう配慮する。

38

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INOUT

柳之御所遺跡へ

搬⼊⼝

企画展⽰室講座室

常設展⽰室

⼀般収蔵庫

特別収蔵庫

展⽰準備室

⼀時保管室

事務室・会議室

調査研究スペース

75㎡450 ㎡

エントランスホール

インフォメーション、ギャラリー展⽰等

学芸・調査員室、整理室、書庫・図書室

柳之御所遺跡・⾦鶏⼭への眺望

関連した講座・体験

関連した体験

スムーズなアクセス

スムーズな展⽰替え

スムーズな展⽰替え

研究成果の発表

遺跡とのつながり

200 ㎡

190 ㎡

110 ㎡

85 ㎡

25 ㎡

25 ㎡

50 ㎡

300 ㎡(⼀部2層式)

【凡例】:主に来館者が利⽤

:主にスタッフが利⽤

:来館者動線:資料搬⼊動線

体験学習スペース屋外、半屋外を想定イベントや体験で利⽤

サポータースペース 10㎡

展望スペース100㎡

 諸室の機能的な関係性と、来館者動線・資料搬⼊動線を記載。 ⾯積は仮設定したもので、今後の検討事項となる。

(7)諸室連関図

Ⅲ 施設計画

39

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Ⅲ−4 建物の配置(イメージ)

施設配置案

【概要】・計画地の北側にガイダンス施設を配置・南側には 40 台程度の⼀般⾞両駐⾞場を配置し、⼤型バス 3 台の駐⾞スペースも想定・柳之御所遺跡を望む展望室を想定(景観条例に則り、極⼒⾼さが出ないように配慮)・1 階に展⽰・研究・保存機能を持つ諸室を集めた構成でアクセスのしやすさを考慮し、 来館者動線と資料搬⼊動線は交わらないよう配慮

・道路側からのメイン来館者出⼊⼝のほかに、柳之御所遺跡へアクセスしやすい出⼊⼝を設ける また資料搬出⼊⼝はガイダンス施設の奥側に設け、整理・収蔵しやすい動線を考慮する・光庭(中庭)を設け、エントランスを明るく開放的に設計

Ⅲ 施設計画

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Ⅲ 施設計画

Ⅲ−5 収蔵計画

(1)現在の出⼟資料の収蔵状況

柳之御所遺跡出⼟資料は現在以下のように、柳之御所資料館展⽰室・平泉遺跡群調査事務所・岩⼿県⽴博物館に収蔵・保管されています。

① 収蔵資料 出⼟資料総量…コンテナ(370mm×460mm×300mm)1,600 箱分 ※⽬録不掲載分を含む

うち重要⽂化財指定出⼟資料 942 点 ※約半数は岩⼿県⽴博物館にて保管 (内訳)⼟器・陶器・磁器・⼟製品 411 点

⽊製品 400 点 ⽊簡 38 点 漆器 19 点 ⽯製品 32 点 ⾦属製品 39 点 その他 3 点

②展⽰・収蔵状況 岩⼿県の所蔵する出⼟資料は現在、柳之御所資料館展⽰室、平泉遺跡群調査事務所、別館倉庫、岩⼿県⽴博物館の4か所で展⽰⼜は保管がなされている。なお、柳之御所遺跡出⼟資料のうち、平泉町が所蔵するものは、平泉⽂化遺産センターに保管されている。

柳之御所資料館展⽰室

かわらけ等(ウォールケース)

建築部材(ウォールケース)

⽊製品(ウォールケース)

磁器(独⽴ケース)

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Ⅲ 施設計画

平泉遺跡群調査事務所

図書室・遺物庫

⼀時整理作業室

物品庫

写真室

別館収蔵室

収蔵室

収蔵室

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Ⅲ 施設計画

平泉⽂化遺産センター

倉庫

収蔵室

収蔵室

収蔵箱

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Ⅲ 施設計画

(2)収蔵計画の基本的な考え⽅ 柳之御所遺跡出⼟資料の内現在 942 点が重要⽂化財に指定されており、今後発掘調査の進展によりさらに増加することが予想されます。 ガイダンス施設で計画している収蔵庫には⼀般収蔵庫・特別収蔵庫がありますが、特別収蔵庫の計画については特に貴重な資料を収蔵・保管することから、以下の⽅針のもと整備するものとします。

①ゾーニング・動線計画 ・建物内では収蔵庫への資料動線と⼀般動線が交錯しないよう極⼒配慮する。 ②収蔵庫の基本内装 ・収蔵資料を保管する収蔵庫の床壁天井の内装については、資料の保存に良好な安定し

た温湿度環境を確保するため、気密性・調湿性に配慮した仕様とする。 ・基本的には⼆重壁とし、独⽴した空調⼜は換気設備を⽤意する。 ・特に⽊製品・⾦属製品等貴重な資料を保管予定の特別収蔵庫については、それぞれの

保管状況の特質を踏まえより性能の優れた仕様の検討を⾏うものとする。 ・収蔵庫の内装に⽤いる材料は、有機酸等の有毒ガス発⽣の少ないものを使⽤する。 ・床材については、掃除のしやすさ、⾍の発⾒のしやすさ等も考慮した仕様とする。 ③収蔵庫扉 ・収蔵庫の扉は、耐⽕性・防犯性・断熱性・気密性に優れた扉の設置を検討する。 ・資料の搬出⼊を考慮した間⼝を設定する。 ④収蔵庫の床荷重 ・床の積載荷重は、800 ㎏/㎡を基本として検討する。 ⑤空調設備 ・収蔵資料に対し適切な保存環境を確保できる温湿度管理の空調を⾏う。 ・空調の吹き出し・吸い込み位置については、収蔵棚の配置を踏まえた位置へ調整を⾏

う。 ⑥電気設備 ・照明は無紫外線灯を使⽤し、資料の直上を避け防護ネット付き器具等配慮した配置を

検討する。 ・またメンテナンス時に適正な照度を確保し、収蔵庫内で部分点灯が可能な仕様を検討

する。

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Ⅲ 施設計画

⑦消防設備 ・資料の保護のため、ガス消⽕等適正な消⽕設備の検討を⾏う。 ⑧防犯設備 ・防犯区画の形成を明確にし、施設全体で有⼈及び機械監視による防犯システムの導⼊

を検討する。

⑨収蔵棚 ・収蔵棚の計画に当たっては、収蔵資料の特性を⼗分踏まえ、出し⼊れのしやすさ、安全

性を⼗分考慮した仕様とする。 ・収蔵棚に⽤いる仕様が⽊材の際は、有機酸等の有害ガスの発⽣が極⼒少ないものを使

⽤する。 ・カビの抑制や清掃・点検などIPM管理(Integrated Pest Management 総合的病害⾍管

理)がしやすい収蔵棚の仕様と収蔵庫内の空気循環を妨げないレイアウトとする。

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Ⅳ 展⽰計画

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Ⅳ 展⽰計画

Ⅳ−1 展⽰の基本⽅針

世界遺産を含む「平泉の文化遺産」の

価値や全体像を誰もが理解・実感できる総合展示

建設予定地に隣接し、奥州藤原⽒が居住した平泉館の遺跡とされる柳之御所遺跡を、「平泉の⽂化遺産」全体を理解するための起点として捉え、以下の⽅針のもと展⽰の検討を⾏います。

1.世界遺産の舞台である平泉全体・現地のフィールドに誘う展⽰

展⽰室内にとどまらず、共⽤部も含めた施設全体の展⽰を通じて、世界遺産を含む「平泉の⽂化遺産」へと来館者を誘います。

2.世界遺産を含む「平泉の⽂化遺産」を、誰もが⾝近に感じられる展⽰

幅広い層の来館者が「平泉の⽂化遺産」の価値を知り、世界遺産条約の精神に触れることのできる展⽰を検討します。

3.地下に眠る柳之御所遺跡や当時の平泉の姿を体感できる展⽰

奥州藤原⽒の政治⾏政上の拠点としての繁栄の様⼦を、現代の⼈々が体感・実感できるような演出を⾏います。

4.収蔵する実物資料を最⼤限活⽤するとともに、新たな研究・調査の成果を活かし平泉全体の実像に迫る展⽰

重要⽂化財を含む柳之御所遺跡の出⼟資料を最⼤限活⽤し、その価値と遺跡の歴史的意義を伝えます。

5.常に新しいテーマや資料に触れられ、繰り返し訪れたくなる展⽰

新たな研究・調査の成果が随時反映され、訪れるたびに「平泉の⽂化遺産」の新たな⼀⾯を知ることができる、展⽰構成とします。

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Ⅳ 展⽰計画

Ⅳ−2 展⽰における関連施設との役割分担

「平泉の文化遺産」のセンター施設として、

平泉の歴史・文化の全体像を示すとともに、

柳之御所遺跡の価値を伝える役割を担う

「平泉の⽂化遺産」が所在する平泉町、奥州市、⼀関市には、各資産を紹介する施設が既に所在しています。それを踏まえ、ガイダンス施設は「平泉の⽂化遺産」の中⼼拠点(センター施設)として、平泉の歴史・⽂化の全体像を⽰します。あわせて、現在柳之御所資料館が担っている、柳之御所遺跡を紹介する役割もガイダンス施設に統合します。「平泉の⽂化遺産」を構成する個別の遺産等の価値を伝えている、2市1町内の各施設(連携施設)の施設と役割を分担し、また連携を図りながら、相乗効果を⽣み、「平泉の⽂化遺産」全体の魅⼒を向上させることを⽬指します。

奥州藤原⽒四代を中⼼とした時系列の展⽰で、平泉の歴史・⽂化を解説。 ※ホール、研修室、和室の貸出やイベント開催を通じ、県⺠・町⺠の憩いの場として機能。 ※施設⽴地が観光客にとって分りにくい。

平泉⽂化遺産 センター

⼀関市博物館 ⾻寺村荘園 交流館

⽑越寺宝物館 柳之御所資料館 ⽜の博物館 中尊寺讃衡蔵

平泉の全体像

平泉の歴史・⽂化の全体像を⽰すとともに、 隣接する柳之御所遺跡の価値を伝え、遺跡へ誘う。

平泉の⽂化遺産ガイダンス施設(仮称)

⾻寺村荘園 交流館

⽜の博物館 ⽑越寺宝物館 ⼀関市博物館 平泉⽂化遺産 センター

中尊寺讃衡蔵

※平泉町の歴史を中⼼とする等、展⽰を再構成予定 個別の遺跡等について価値を伝え、詳しく解説

現状イメージ

ガイダンス施設設置後 イメージ

連携施設

センター施設

中尊寺

⽑越寺

⾦鶏⼭

無量光院跡

中尊寺

⽑越寺

⾻寺村荘園遺跡

柳之御所遺跡

⾻寺村荘園遺跡

⽩⿃舘遺跡

柳之御所遺跡

平泉の全体像

⾻寺村荘園遺跡

⾻寺村荘園遺跡

⽩⿃舘遺跡

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Ⅳ 展⽰計画

Ⅳ−3 展⽰の構成 展⽰室内だけでなく、ガイダンス施設全体を展⽰の場として位置付け、ガイダンス展⽰、常設展⽰、企画展⽰、展望展⽰、ポケット展⽰などによって構成します。

ガイダンス展⽰ ー平泉インフォメーションー

平泉に訪れた実感を与え、展⽰への期待感を⾼めるとともに、⽂化遺産めぐりに必要な情報を提供するガイダンス展⽰を、エントランスにおいて展開します。

1.未来へつなぐ世界遺産 【ねらい】 平泉訪問をきっかけにして、世界遺産への興味関⼼を⾼める。

2.フィールドガイド 【ねらい】 「平泉の⽂化遺産」めぐりに必要な情報を提供し、館内での体験だけでなく旅全体の満⾜感を⾼める。

3.ミニライブラリ 【ねらい】 平泉の歴史や⽂化、世界遺産について気軽に興味を広げたり深めたりできるようにする。

常設展⽰

常設展⽰は、プロローグ(シアター)、世界遺産ガイダンス、柳之御所遺跡ガイダンスによって構成します。幅広い興味関⼼を持つ来館者に対応できるよう、ガイダンスコースとじっくりコースの設定などにより、メリハリをつけた構成とします。

A プロローグ(シアター)「平泉へのいざない」 ー平泉⽂化 仏国⼟(浄⼟)の体感ー

【ねらい】 平泉の歴史・⽂化と仏国⼟(浄⼟)の世界の体感を促し、期待感を⾼める。

【概要】 ・奥州藤原⽒が平泉に築いた仏国⼟(浄⼟)の世界観

を体感する、空間をダイナミックに使った導⼊映像

B 世界遺産ガイダンス「平泉の顕著な普遍的価値」 ー平泉と仏国⼟(浄⼟)の世界への誘いー

【ねらい】 「平泉の⽂化遺産」の価値を、国際的な視点を含めて分かりやすく伝え、興味関⼼を⾼める。

【概要】 ・「平泉の⽂化遺産」の価値、構成資産の概要とそれぞ

れの関連性 ・世界遺産条約の理念、「平泉の⽂化遺産」の価値を継

承する⽅法と必要性 ・「平泉の⽂化遺産」の構成資産と地域社会との関わり

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Ⅳ 展⽰計画

常設展⽰ C 柳之御所遺跡ガイダンス「政庁・柳之御所遺跡と奥州藤原⽒」 ー豊富な出⼟資料が語るー

【ねらい】政庁・柳之御所遺跡の価値を伝えて実感を促し、史跡公園へ誘導する。

【概要】・政庁としての機能と様相に着⽬して、柳之御所遺跡の

概要と性格、「平泉の⽂化遺産」における位置付けを紹介

・「平泉館」の復元、変遷の解説・「平泉館」を政庁・居館とした奥州藤原⽒の歴史・「平泉館」で⾏われた政務や儀式、⽣活の様⼦の紹介・柳之御所遺跡出⼟資料の実物展⽰(⼀部は⼊れ替え可

能な形態を検討する)・柳之御所遺跡の⾒どころの紹介

企画展⽰ ー多様なテーマで解き明かすー

最新の発掘調査や研究の成果の紹介、他機関の所蔵資料を借⽤した特別展⽰など、短期間の企画展⽰を開催。通常時は常設展⽰の拡張スペースとして利⽤し、⼊れ替えが必要な資料などの展⽰を⾏い、展⽰内容を変化させ、常に新鮮な魅⼒を発信します。

体験・展望展⽰ ー平泉館へのタイムスリップー

史跡公園の導⼊として、柳之御所遺跡を望む場所に展望展⽰を設け、遺跡の構造や⾒どころなどを紹介。あわせて、柳之御所遺跡の今⽇まで保存されている経緯や、遺物や遺構からどのように歴史が解明されるかを伝えます。

ポケット展⽰ ー平泉の今を発信ー

エントランスホールにも展⽰を散りばめる等、施設全体で平泉の歴史・⽂化に触れられる場を提供します。

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エントランスホール

常設展⽰室企画展⽰室

Ⅳ 展⽰計画

体験・展望スペース

ポケット展⽰

遺跡へ

Aプロローグ(シアター)

体験・展望展⽰

平泉⽂化 仏国⼟(浄⼟)の体感

平泉と仏国⼟(浄⼟)の世界への誘い多様なテーマで

解き明かす

平泉館へのタイムスリップ

平泉の今を発信

平泉インフォメーション

豊富な出⼟資料が語る

1平泉へのいざない

平泉⽂化と仏国⼟(浄⼟)の世界を体感し、全体像をつかむための演出シアター。

B平泉の顕著な普遍的価値

1世界の中の平泉

インドで⽣まれた浄⼟思想の伝播経路や同時代の世界の様⼦などを概観。浄⼟思想に基づき、資産が空間的関連性を持つ平泉の特⾊を解説する。

(1)浄⼟思想の伝来

(1)中尊寺

(1)導⼊映像

(5)⾦鶏⼭(2)

⽑越寺(4)無量光院

跡(3)観⾃在王院跡

(1)柳之御所遺跡 (2)

⻑者ヶ原廃寺跡

(5)⾻寺村荘園遺跡(3)

⽩⿃舘遺跡

(4)達⾕窟

(1)政庁

「平泉館」での儀式

(2)政庁での政務と⽂字資料

(2)史跡公園の歩き⽅

(1)遺物・遺構の調査・研究

(1)史跡公園の構造

(2)柳之御所遺跡の

発⾒と保存

(1)奥州藤原⽒滅亡後の柳之御所遺跡

(3)政庁での祭祀

(4)政庁の建物

(5)居館

としての政庁

(2)現世の浄⼟・

平泉

(3)奥州藤原⽒

とは

(2)「平泉館」と柳之御所遺跡

(1)柳之御所遺跡とは

11・12世紀の⽇本とその周辺

(1)奥州藤原⽒の誕⽣と平泉

(1)世界遺産のしくみ

(2)世界遺産登録への歩み

(3)世界遺産紹介

(1)各遺跡等のアクセス案内

(4)イベント紹介

(1)平泉

関連書籍

(2)世界遺産関連書籍

(5)季節の⾒どころ紹介

(2)周遊ルート案内

(3)⾷事・休憩・トイレ等の案内

(4)奥州藤原⽒の滅亡とその後

(2)奥州藤原⽒の

繁栄

(3)繁栄を⽀えた

交易

世界遺産登録されている5つの構成資産について、それぞれの⾒どころや平泉の歴史・⽂化における価値などを伝える。

拡張登録を⽬指す5つの遺跡等について、それぞれの⾒どころや平泉の歴史・⽂化との関わりなどを伝える。

2仏国⼟(浄⼟)の世界

3仏国⼟(浄⼟)を⽀える

2奥州藤原⽒と平泉

3柳之御所遺跡を解き明かす

1柳之御所遺跡の意義

プロローグ

時代背景を踏まえ、平泉の政庁、奥州藤原⽒の居館だった平泉館の全体像を概観。周辺資産との関連性を含め、復元模型を中⼼にひも解く。

「平泉の⽂化遺産」めぐりに必要な情報を提供。

世界遺産の理念や制度の解説、県内、国内、世界各地の事例の紹介など。

平泉の歴史や⽂化、世界遺産に関する書籍を配架。

C政庁・柳之御所遺跡と奥州藤原⽒

同時期の京都などの政治動向にも触れながら、奥州藤原⽒の誕⽣から滅亡までの歴史、国内外との交易の様⼦などを紹介。奥州藤原⽒と平泉の繁栄について理解を深める。

遺構・遺物から解き明かされる政庁・平泉館での政務や儀式、⽣活の様⼦などを解説。遺跡保存の経緯などにも触れ、遺跡の価値や魅⼒を伝えるとともに、来館者の関⼼を⾼める。

3柳之御所遺跡を

歩こう史跡公園⾒学の導⼊として、構造や⾒どころを紹介。

1遺す・伝える柳之御所遺跡

2発掘ラボ

奥州藤原⽒滅亡後の柳之御所遺跡の歩みや、今⽇まで保存されている経緯を伝える。

遺物や遺構を通して、どのように歴史が解明されていくかを紹介。

ガイダンス展⽰

1未来へつなぐ世界遺産

3ミニライブラリ

2フィールドガイド

Ⅳ−4 展⽰の概要

(1)全体ストーリー

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Ⅳ 展⽰計画

(2)展⽰の概要

➀ガイダンス展⽰―平泉インフォメーション―

1.未来へつなぐ世界遺産 【ねらい】 平泉訪問をきっかけとして、世界遺産への興味関⼼を⾼める。

【概要】 ・世界遺産のしくみ(理念や制度、⼈類共通の遺産を継承する精神) ・世界遺産登録への歩み(世界遺産登録へ向けて国や地域が⾏ってきた取組を紹介) ・世界遺産保存の取組(史跡指定や保存管理計画の策定、景観条例の制定等の取組

を紹介) ・県内の世界遺産紹介(「明治⽇本の産業⾰命遺産 製鉄・製鋼、造船、⽯炭産業」、

世界遺産登録を⽬指している「北海道・北東北の縄⽂遺跡群」) ・関連する世界遺産紹介(アンコール遺跡群やシルクロードなど仏教関連の世界遺

産の紹介)

2.フィールドガイド 【ねらい】 「平泉の⽂化遺産」めぐりに必要な情報を提供し、館内での体験だけでなく旅全体の満⾜感を⾼める。

【概要】 ・「平泉の⽂化遺産」を構成する各遺跡等のアクセス案内 ・所要時間・交通⼿段別の周遊ルート案内 ・⾷事、休憩、トイレなどの案内 ・地域で開催中されているイベント紹介 ・花や紅葉などの季節の⾒どころ紹介

3.ミニライブラリ 【ねらい】 平泉の歴史や⽂化、世界遺産について気軽に興味を広げたり深めたりできるようにする。

【概要】 ・平泉の歴史・⽂化に関する書籍 ・世界遺産に関する書籍

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Ⅳ 展⽰計画

➁常設展⽰

A プロローグ(シアター)―平泉⽂化 仏国⼟(浄⼟)の体感―

1 平泉へのいざない 【ねらい】 多くが遺跡として地下に埋蔵され、現在は⽬にすることができない「平泉の⽂化遺産」について、来館者を包み込むような映像によって浄⼟の世界観の実感を促し、展⽰の⾒学や⽂化遺産めぐりへの興味を喚起する。 【概要】※実写+CG、5分程度 ・浄⼟とは何か ・⽇本における浄⼟思想の特徴(現世浄⼟) ・中尊寺の当時の姿 ・⽑越寺・観⾃在王院の当時の姿 ・無量光院の当時の姿

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Ⅳ 展⽰計画

B 平泉の顕著な普遍的価値―平泉と仏国⼟(浄⼟)の世界への誘い―

⼤項⽬ ⼩項⽬

1 世界の中の平泉 【ねらい】 インドで⽣まれた浄⼟思想の伝播経路や同時代の世界の様⼦などを概観。浄⼟思想に基づき、資産が空間的関連性を持つ平泉の特⾊を解説する。

(1)浄⼟思想の伝来 【ねらい】 インドから中国・朝鮮半島を経由して⽇本に伝播した仏教、特に浄⼟思想が、在来の⾃然崇拝思想と融合して独特の発展を遂げ、それを反映した平泉の庭園及び寺院の作庭技術や仏堂建築は世界にも類を⾒ない独⾃のものとなったことを伝える。

【概要】 2〜5分程度の概説映像 ・仏教、浄⼟思想の伝播 ・⽇本の浄⼟庭園の特徴(⾃然曲線の池、⻄⽅の⼭) ・平泉の庭園・建築の特徴(⾃然景観との融合)

(2)現世の浄⼟・平泉 【ねらい】 世界遺産として評価された平泉の価値を理解する上での⾒どころや、各資産の関連性を伝える。

【概要】 地形ジオラマを⽣かした映像を俯瞰し、「平泉の⽂化遺産」の成り⽴ちと空間的関連性(真実性、完全性)を視覚的に⽰す。 ・河川交通の要衝地に居館が形成される(柳之御所

遺跡) ・奥⼤道が通る関⼭⼭頂を中⼼に伽藍が営まれ、居

館と正対した位置に阿弥陀堂が建⽴される(中尊寺⾦⾊堂)

・居館と寺院は道路跡で結ばれる ・⾦鶏⼭に経塚が形成される ・居館が再編され、⾦鶏⼭の真東に中⼼建物や付属

の園池が設置される ・居館の園池には橋が設けられ、⾦鶏⼭⽅向が意識

される ・⾦鶏⼭の真南に⽑越寺と観⾃在王院が建⽴される ・⾦鶏⼭と⼀体化した庭園、阿弥陀堂を有する無量

光院が建⽴される ・居館と無量光院は⼀体性をもって配置、機能する

など

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Ⅳ 展⽰計画

⼤項⽬ ⼩項⽬

1 世界の中の平泉 (3)奥州藤原⽒とは 【ねらい】 平泉に仏国⼟(浄⼟)を築いた奥州藤原⽒とはどのような⼀族なのか、概説する(詳細はC−2で解説)。

【概要】 ・奥⽻の豪族であった安倍・清原両⽒と中央貴族の

藤原⽒の⾎を引く藤原清衡にはじまり、基衡、秀衡、泰衡と続く

・現世の仏国⼟として築いた平泉を拠点として、奥⽻を⽀配

など

2 仏国⼟(浄⼟)の世界 (世界遺産登録資産)

【ねらい】 世界遺産登録されている5つの構成資産について、それぞれの⾒どころや平泉の歴史・⽂化における価値などを伝える。

(1)中尊寺 【概要】 初代清衡建⽴、三代が眠る⾦⾊堂、など

(2)⽑越寺 【概要】 2代基衡建⽴、法勝寺を模す、今も続く延年の舞、など

(3)観⾃在王院跡 【概要】 2代基衡夫⼈建⽴、阿弥陀堂や浄⼟庭園、など

(4)無量光院跡 【概要】 3代秀衡建⽴、平等院を凌駕、永福寺に影響、など

(5)⾦鶏⼭ 【概要】 ⼭頂に経塚、空間設計の基準、信仰の⼭、など

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Ⅳ 展⽰計画

⼤項⽬ ⼩項⽬

3 仏国⼟(浄⼟)を⽀える (拡張登録をめざす遺跡等)

【ねらい】 拡張登録を⽬指す5つの遺跡等について、それぞれの⾒どころや平泉の歴史・⽂化との関わりなどを伝える。

(1)柳之御所遺跡 【概要】 政庁・居館「平泉館」、⼤量の遺構・遺物、など

(2)⻑者ヶ原廃寺跡 【概要】 安倍⽒時代の寺院跡、平泉⽂化の背景、など

(3)⽩⿃舘遺跡 【概要】 平泉の繁栄を⽀えた北上川の河川交通、など

(4)達⾕窟 【概要】 坂上⽥村⿇呂建⽴、奥⼤道沿いの交通の要衝、など

(5)⾻寺村荘園遺跡 【概要】 中尊寺の荘園、今に残る中世農村景観、など

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Ⅳ 展⽰計画

C 政庁・柳之御所遺跡と奥州藤原⽒―豊富な出⼟資料が語る―

⼤項⽬ ⼩項⽬

1 プロローグ 【ねらい】 奥州藤原⽒や平泉に関する理解を助けるため、背景となる当時の⽇本列島周辺の様相を伝える。

(1)11・12 世紀の⽇本とその周辺 【概要】 ⽇本列島周辺地図や年表などのグラフィックを中⼼に、当時の時代背景について解説する。 ・宋の建国、沖縄や北海道との関係 ・⽩河上皇による院政の開始 ・末法思想と浄⼟思想の流⾏ ・武⼠の台頭、保元・平治の乱勃発 ・源⽒・平⽒による治承・寿永内乱 など

1 柳之御所遺跡の意義 【ねらい】 時代背景を踏まえ、平泉の政庁、奥州藤原⽒の居館だった平泉館の全体像を概観。周辺資産との関連性を含め、復元模型を中⼼にひも解く。

柳之御所遺跡出⼟資料

柳之御所遺跡出⼟資料

(1)柳之御所遺跡とは 【ねらい】 コーナーの冒頭として、柳之御所遺跡とはどのような遺跡なのか概要を紹介するとともに、「平泉館」を起点として仏国⼟(浄⼟)を具現化した都市「平泉」が形成されていることを伝える。

【概要】 柳之御所遺跡について、政庁としての機能を中⼼に概要を紹介。12 世紀の平泉遺跡群の中でも遺構・遺物がすば抜けて多く、⾼価な中国産の陶磁器や国産の陶器、宴会⽤のかわらけなどが発⾒され、奥州藤原⽒の⽂化と経済⼒の⾼さをうかがわせる貴重な遺跡であることを、グラフィックなどで伝える。 また、奥州藤原⽒ 100 年の変遷を柳之御所遺跡と⾦⾊堂、⾦鶏⼭、無量光院跡などとの関係から紹介することで、仏国⼟(浄⼟)の形成に柳之御所遺跡が果たした役割を伝える。 ・⼤量のかわらけや国産陶器など、指定品以外の資

料による展⽰ など

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Ⅳ 展⽰計画

⼤項⽬ ⼩項⽬

1 柳之御所遺跡の意義

復元画像

(2)「平泉館」と柳之御所遺跡 【ねらい】 奥州藤原⽒の政庁であり、住居でもあった平泉館の当時の姿を概観し、その繁栄の様⼦を⾒ることを通して、柳之御所遺跡への興味・関⼼を⾼める。

【概要】 1160 年前後(史跡公園の整備対象時期)の様⼦を模型によって復元し、建物や広場、池などが作られて政庁として機能していた平泉館の当時の姿を俯瞰する。デジタル⼿法を⽤いて、建物内で儀式が⾏われる様⼦や、⼈が道路を歩く様⼦、井⼾から⽔をくみ上げる様⼦などを⾒ることができるようにする。また、平泉館の時期による変遷を⾒られるしくみなども検討する。 ・遺跡内復元画像 ・『吾妻鏡』該当部分の映像など

2 奥州藤原⽒と平泉 【ねらい】 同時期の京都などの政治動向にも触れながら、奥州藤原⽒の誕⽣から滅亡までの歴史やその勢⼒範囲、国内外との交易の様⼦などを紹介。奥州藤原⽒と平泉の繁栄について理解を深める。

復元画像

(1)奥州藤原⽒の誕⽣と平泉 【ねらい】 当時の時代背景とともに、奥州藤原⽒がどのように誕⽣・台頭し、彼らがなぜ平泉に仏国⼟(浄⼟)を築こうとしたのかを伝える。

【概要】 前九年合戦絵巻(国⽴歴史⺠俗博物館)、後三年合戦絵巻(岩⼿県⽴博物館、中尊寺)、中尊寺供養願⽂(中尊寺)をグラフィックなどで紹介しながら、奥州藤原⽒誕⽣以前から清衡の時代までの歴史をひもとく。 ・中尊寺供養願⽂ など

(2)奥州藤原⽒の繁栄 【ねらい】 奥州藤原⽒がどれほど繁栄し、その源となった富をどのように得ていたのかを伝える。

【概要】 基衡による⽑越寺建⽴、秀衡による無量光院建⽴など、都市平泉が徐々に発展を遂げた様⼦や⽀配領域の拡⼤と、奥州藤原⽒が広範なネットワークを通じて交易を⾏い繁栄したことを、東北地⽅の関連遺跡や交易品、交易ルートの紹介などを通じて紹介する。

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Ⅳ 展⽰計画

⼤項⽬ ⼩項⽬

2 奥州藤原⽒と平泉

輸⼊陶器

国産陶器

⽊簡(カエル板絵)

(3)繁栄を⽀えた交易 【ねらい】 奥州藤原⽒が奥⽻を⽀配するだけでなく、北⽅や南⽅、⼤陸とも通じる交易のネットワークを持っていたことが分かることを伝える。

【概要】 交易品とそのルートを、デジタルマップなどを⽤いて解説する。 ・柳之御所遺跡の出⼟資料(例:中国産陶磁器、朝

鮮半島産磁器) ・宋から輸⼊した経典等(例:宋版⼀切経) ・平泉に残るもの(例:中尊寺⾦⾊堂の螺鈿の材料

ヤコウガイ) ・他地域で出⼟したもの(例:北海道厚真町出⼟の

国産陶器) ・記録に⾒えるもの(例:鷲の⽻やアザラシの⽪)

(4)奥州藤原⽒の滅亡とその後 【ねらい】 奥州藤原⽒がなぜ滅ぼされたのか、その後の平泉がどのような運命をたどったのかなど、歴史的経緯を伝える。

【概要】 ⽇本列島における奥州藤原⽒の⽴場が治承・寿永内乱の前後で変化したこと、源頼朝から逃れて奥州に訪れた源義経をかくまい、奥州合戦において滅ぼされたことなどを解説。鎌倉に与えた影響などについても紹介する。

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Ⅳ 展⽰計画

⼤項⽬ ⼩項⽬

3 柳之御所遺跡を 解き明かす

【ねらい】 遺構・遺物から解き明かされる政庁「平泉館」での政務や儀式、⽣活の様⼦などを解説。遺跡保存の経緯などにも触れ、遺跡の価値や魅⼒を伝えるとともに、来館者の関⼼を⾼める。

かわらけ

折敷・箸などの⽊製品

墨書資料

銅印(磐前村印)

(1)政庁「平泉館」での儀式 【ねらい】 政庁であることが柳之御所遺跡出⼟資料などからどのように分かるのか、実際の資料に基づきながら紹介する。 銅印や膨⼤な量のかわらけ、四⾯庇建物跡など、出⼟遺物・遺構から政務や宴会儀礼が⾏われていた場所と分かることを紹介し、奥州藤原⽒の政治の拠点としての平泉館の価値を伝える。 ⼟器類の出⼟から宴会儀礼などが想定でき、時代背景を含め、ここが政庁として機能したと考えられることを伝える。

【概要】 実物資料展⽰を中⼼とし、それぞれの資料がどのように使われていたか(政務・儀式の様⼦)をイラストや映像などで表現する。

【主な資料】 宴会儀礼に⽤いられた⼤量のかわらけや輸⼊陶磁器類などの道具を展⽰し、政庁平泉館での儀礼を紹介する。 ・かわらけ ・国産輸⼊の陶磁器類 ・折敷や箸などの⽊製品類

(2)政庁での政務と⽂字資料 【ねらい】 柳之御所遺跡出⼟資料のうち、出⼟⽂字資料を中⼼に政務に関連する資料などを展⽰し、実際の政務や政庁の様⼦を伝える。

【概要】 柳之御所遺跡の政庁としての機能を、実際の政務の⾯から紹介する。展⽰替え可能な実物資料を中⼼に展⽰する。

【主な資料】 ・⽂字資料(「⼈々給絹⽇記」) ・題せん軸(「⾺」「⽇記」) ・銅印

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Ⅳ 展⽰計画

⼤項⽬ ⼩項⽬

3 柳之御所遺跡を 解き明かす

祭祀具

⽡類

建築部材

(3)政庁での祭祀 【ねらい】 柳之御所遺跡出⼟資料のうち、祭祀関連資料を中⼼に政務に関連する資料などを展⽰し、実際にどのような祭祀が⾏われていたかを伝える。

【概要】 柳之御所遺跡の祭祀関連資料がどのような場⾯で使われていたのかなど、類例を交えて紹介する。展⽰替え可能な実物資料を中⼼に展⽰する。

【主な資料】 ・祭祀関連(呪符などの⽂字資料、⽕⾞や花瓶、輪

宝などの祭祀具)

(4)政庁の建物 【ねらい】 出⼟した建築部材や建物跡、道路跡などの遺構から、当時の建物の姿や建てられた時期などが分かること、さらに平泉館と他の資産との空間的関連性も明らかになることを伝える。

【概要】 建築部材は建物のどの部分かをイラスト等で⽰しながら展⽰する。建物の変遷については、5期のうちのいずれかを選択すると、当時の平泉館とともに、他の資産との位置関係を⽰す軸線や補助線なども表⽰される仕組みを検討する。

【主な資料】 ・⽡や板材など、建物推定の根拠となる建築部材

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Ⅳ 展⽰計画

⼤項⽬ ⼩項⽬

3 柳之御所遺跡を 解き明かす

遊戯具

⽷巻き

(5)居館としての政庁 【ねらい】 椀や箸などの飲⾷具、毬や碁⽯などの遊戯具といった出⼟資料から、⽣活が営まれた場所であったことを紹介し、当時の政治拠点のあり⽅を紹介し、奥州藤原⽒の居館としての平泉館の価値を伝える。

【概要】 実物資料展⽰を中⼼とし、それぞれの資料がどのように使われていたか(⽣活の様⼦)をイラストや映像などで表現する。

【主な資料】 ⽣活の道具 ・調理具など⽊製品 ・⽯製品(⽯鍋など) ・遊戯具 ・紡績具 ・ちゅう⽊などの⽣活に関わる資料 ・⾦属製品

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Ⅳ 展⽰計画

➂企画展⽰―多様なテーマで解き明かす―

通常時は、柳之御所遺跡に関する資料を中⼼とした配置替え可能な常設展⽰スペースとして利⽤するほか、テーマを定めて企画展⽰を⾏う。企画展⽰においては政庁・「平泉館」の性格や特徴を周知する内容を検討する。関連機関との連携や共同研究の成果などを⼀般公開する機会としても企画展の開催を検討する。

テーマ例: ・「発掘速報展」(単独展⽰) ・「政庁平泉館と平泉の街並み」、「都市平泉の暮らし」などの周辺機関と連携した展⽰ ・「奥州藤原⽒と経塚」、「平泉と東北の政治拠点」などの資料を借⽤した企画展⽰ ・「中国の発掘庭園と平泉」などの共同研究成果の展⽰

➃体験・展望展⽰―平泉館へのタイムスリップ―

1 遺す・伝える 柳之御所遺跡 【ねらい】 地域の⼈々や研究者等の思いと⾏動によって、貴重な遺跡が損なわれずに今⽇まで保存されていること、後世へと継承するための取組が現在も続けられていることを伝える。

【概要】 奥州藤原⽒滅亡後の平泉や柳之御所遺跡がどのような場所であったのか、『奥の細道』などに触れながら解説。「柳之御所」と「平泉館」について残されていた記録や伝承、発掘調査と遺跡発⾒、保存の経緯、現在⾏われている調査や整備についてグラフィック等で紹介するとともに、堤防治⽔事業における⼤規模な発掘の様相と、それが明らかにした⽇本史上の意義を伝える。

2 発掘ラボ 【ねらい】 発掘調査によって⾒つけられた遺物や遺構を通して、どのように歴史が解明されていくかを紹介する。

【概要】 遺跡の発掘調査や環境整備、分析・保存などについて、映像やグラフィックなどで解説。現地で⾒ることができない発掘調査の様⼦を、映像や模型などを⽤いて紹介する。

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Ⅳ 展⽰計画

➄ポケット展⽰―平泉の今を発信―

・施設全体を展⽰空間と位置付け、発掘調査成果等のリアルタイムの情報発信をはじめ、床下展⽰やエントランス空間での展⽰、コミュニケーションボードの設置・運⽤などを検討する。

エントランス空間での資料展⽰例

(丹⻘社本社ロビー)

コミュニケーションボードの例

(南⼭⼤学⼈類学博物館)

3 柳之御所遺跡を歩こう 【ねらい】 史跡公園の導⼊として、遺跡の構造や⾒どころなどを紹介し、来館者の興味を喚起して公園へといざなう。

【概要】 ・平泉館の仮想空間……柳之御所遺跡をモニター等で覗くと、往時の建物や⼈々の様

⼦が⾒える ※平泉館と無量光院の間など、当時どのような景観だったか

理解できるような内容を検討する。 ・柳之御所遺跡の構造…柳之御所史公園について、整備されている範囲やその考え⽅

などについて紹介 ・史跡公園の歩き⽅……柳之御所史跡公園の⾒学・散策ルートを紹介し、公園へとい

ざなう

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Ⅳ 展⽰計画

Ⅳ−5 展⽰のイメージ

(1)ガイダンス展⽰・ポケット展⽰(エントランスホール)

ガイダンス施設に訪れた来館者を迎え⼊れ、また「平泉の⽂化遺産」めぐりへと送り出す場として、明るく開放感のある空間を構成。世界遺産への興味関⼼を⾼める「未来へつなぐ世界遺産」や、「平泉の⽂化遺産」めぐりに必要な情報を提供する「フィールドガイド」、平泉の歴史や⽂化について気軽に興味を深められる「ミニライブラリ」を設けるほか、実物資料等を活かしたポケット展⽰を床下や独⽴ケースで展開することも検討します。

壁⾯グラフィック、世界遺産認定証など

「平泉の⽂化遺産」周遊ルート等情報端末 かわらけの発⾒状況の再現展⽰

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Ⅳ 展⽰計画

常設展示室常設展示室ー 臨場感ある映像演出 ー

ー イメージグラフィック・模型・映像を組み合わせ各資産をイメージさせる ーB 平泉の顕著な普遍的価値B 平泉の顕著な普遍的価値 C 政庁・柳之御所遺跡と奥州藤原氏C 政庁・柳之御所遺跡と奥州藤原氏

来館者を包み込むワイドスクリーン来館者を包み込むワイドスクリーン

床⾯演出床⾯演出

壁⾯グラフィック映像等壁⾯グラフィック映像等

壁⾯グラフィック映像等壁⾯グラフィック映像等

地形ジオラマ+プロジェクションマッピング地形ジオラマ+プロジェクションマッピング

柳之御所遺跡復元模型柳之御所遺跡復元模型

資料検索等デジタルコンテンツ資料検索等デジタルコンテンツ

【展開イメージ】

グラフィック、実物資料等グラフィック、実物資料等

単体ケース単体ケース

壁⾯ケース壁⾯ケース

(2)常設展⽰

施設全体を展⽰の場と位置付ける中でも、その中⼼となる常設展⽰室は、各テーマの特徴を明確にした空間構成で展開。来館者を出迎える「プロローグ」、平泉の⽂化遺産を映像で紹介する「シアター」、平泉の⽂化遺産を紹介する「平泉の顕著な普遍的価値」、柳之御所遺跡を紹介する「柳之御所遺跡と奥州藤原⽒」で構成し、そこから展望スペースでの「展望展⽰」を経て、来館者を史跡公園へといざないます。

A プロローグ(シアター)A プロローグ(シアター)

C政庁・柳之御所遺跡と奥州藤原氏C政庁・柳之御所遺跡と奥州藤原氏

C-3 柳之御所遺跡を解き明かすC-3 柳之御所遺跡を解き明かす

C-1 柳之御所遺跡の意義C-1 柳之御所遺跡の意義

B-1 世界の中の平泉B-1 世界の中の平泉

ININ

B-3仏国土(浄土)を支えるB-3仏国土(浄土)を支える

B 平泉の顕著な普遍的価値B 平泉の顕著な普遍的価値

企画展示企画展示

展示準備室展示準備室

A-1 平泉へのいざないA-1 平泉へのいざない

Aプロローグ( シアター )A プロローグ( シアター )

OUTOUT

B-2 仏国土 ( 浄土 ) の世界B-2 仏国土 ( 浄土 ) の世界

C-2 奥州藤原氏と平泉C-2 奥州藤原氏と平泉

空間的につながりを持たせたコアゾーン

トピック展⽰、企画展⽰の予告等の場など

シアターを⾒ない場合の動線

ー 実物資料を活⽤した展⽰ ー

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Ⅴ 管理運営計画

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Ⅴ 管理運営計画

Ⅴ−1 管理運営の基本⽅針

周辺の関連施設・関係機関と連携し、

柔軟で利用者満足度の高い施設運営の実現

以下の⽅針のもと管理運営の検討を⾏います。

1.利⽤者の視点にたち、満⾜度の⾼いホスピタリティあるサービスの提供利⽤者が快適にガイダンス施設を利⽤し、また繰り返し利⽤してもらうために、常に利⽤者の視点に⽴ち満⾜度の⾼いサービス・活動・情報を提供していくことが重要です。

2.周辺の関連施設・関係機関と連携する管理運営体制の構築「平泉の⽂化遺産」をより深く理解するために、ガイダンス施設だけで完結することなく幅広く周辺の関連施設や関係機関と連携し、それぞれの情報を共有し活動していくことが重要です。これらが可能となるよう平泉の歴史⽂化観光の拠点として柔軟な管理運営体制を検討します。

3.持続的で効率的な管理運営ガイダンス施設が安定的かつ持続的に活動し続けるために、極⼒運営の効率化を図るとともに、継続的に⾃らを点検・評価し、事業の有効性・効率性や利⽤者の満⾜度等について確認し運営にフィードバックしていくことが求められます。また、県⺠・地域住⺠の施設の活動への参画についても検討します。

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Ⅴ 管理運営計画

Ⅴ−2 運営⽅式

「平泉の⽂化遺産」ガイダンス施設(仮称)は、柳之御所遺跡はもとより平泉全体の拠点施設として周辺の関連施設と連携し、多くの利⽤者に楽しんでいただくことが求められます。そのためには調査研究活動を基本としながら、多様な活動・イベントを⾏い、その成果を発信する柔軟な組織・運営体制が重要となります。 施設の運営に当たっては、⼀般的な博物館・⽂化施設で⾏われる⾃治体直営⽅式、⺠間のノウハウを活⽤した指定管理者⽅式等について⽐較検討を⾏います。

⽅式 概要

①⾃治体直営⽅式 ・基本的に全ての管理運営業務を⾃治体が直接⾏う⽅式。 (ただし、清掃・警備等の施設の維持管理業務については⼀

部⺠間に業務委託を⾏うことが⼀般的)

②指定管理者⽅式

全⾯管理 ⽅式

・全ての管理運営業務を、指定管理者(公益法⼈・⺠間企業・NPO等の法⼈その他の団体)に委ねる⽅式。

・指定管理者は、「指定管理業務要求⽔準書」等⼀定の条件のもと公募⼜は⾮公募で選定され、指定管理期間は 3〜5 年程度が⼀般的である。

・⼊館料収⼊等を指定管理者の収⼊にできる利⽤料⾦制や、⼊館料収⼊・⼊館者数などに応じたインセンティブ(報奨)を付与するしくみを導⼊することも可能。

部分管理者⽅式

・管理運営業務の⼀部を⾃治体直営で⾏い、⼀部を指定管理者が⾏う⽅式。

・調査研究業務や資料の収集保存業務等基礎となる学芸業務については⾃治体直営で⾏い、イベント活動・広報や施設の維持管理業務等については指定管理者に委ねる⽅式がある。

・委託⽅法については全⾯管理⽅式と同様「指定管理業務要求⽔準書」等をもとに、公募または⾮公募により選定される。

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Ⅴ 管理運営計画

Ⅴ−3 運営体制

(1)学芸部⾨ 「平泉の⽂化遺産」ガイダンス施設(仮称)の活動の基礎となる部⾨。 ○調査・研究 ・柳之御所遺跡の発掘調査をはじめ、平泉全体の調査研究に係る企画・⽴案・資料・情

報の収集等 ○展⽰企画 ・常設展⽰更新・企画展⽰・巡回展⽰・体験学習・学校教育等の企画・⽴案・実施

(2)事務・管理部⾨ 施設・活動を円滑に維持管理するための運営を⾏う部⾨。 ○施設管理 ・利⽤者の安全管理、施設の維持管理 ○庶務 ・庶務・予算管理・経理等

(3)運営調整部⾨ 施設内の各種活動について部⾨を超えて横断的に調整・実施するとともに、周辺関連施設等と幅広く調整・連携し事業を推進する要となる部⾨。 ・各種事業活動・広報・イベント等対応 ・関連施設・団体等調整 ・サポーター育成・統括

サポーター制度の検討

①サポーターの位置付け・役割 ・施設内の様々な案内・体験・イベント等について補佐するサポーターの導⼊を検討す

る。広く県⺠・地域の⼈々から募り、⽣涯学習の視点からも地域の⼈々の参画を促し、柔軟な施設運営を⽬指すものとする。主に以下のような分野の協⼒を検討する。 ○学芸サポーター :職員の指導のもと調査・研究のサポートを⾏うとともに、

⾃主研究・調査とその成果の発表を⾏う。 ○体験サポーター :体験学習事業の企画・運営サポートを⾏う。 ○案内サポーター :展⽰や遺跡の案内や、⾒学のサポートを⾏う。 ○イベントサポーター:館内や遺跡で⾏う各種イベントの企画・運営・サポートを⾏う。

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Ⅴ 管理運営計画

②サポーターの育成・研修 ・サポーターのモチベーションを⾼めるとともに、内容の固定化を避け、⼀定の⽔準を

維持するため、定期的な研修等を検討する。

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Ⅴ 管理運営計画

■運営体制イメージ

「平泉の文化遺産」ガイダンス施設(仮称)

地域サポーター

岩手県

学芸部門

事務・管理部門

運営調整部門

体験

サポーター

展示企画担当

調査・研究担当

事務・管理担当

運営担当

調整担当

諸機関と連携

広報・イベント・活動・サポーター等対応

整理作業

受付・サービス

責任者

平泉案内ガイド団体

観光協会

・有償での構成資産案内

外部研究機関

●いわて高等教育コンソーシアム

●岩手大学平泉文化研究センター

●県内外博物館等調査研究機関

●各種学会

周辺関連施設

連携

情報・課題等共有

連携・調整

連携

県内小中学校等

・学習教材・プログラム開発等で連携

・事前学習・出前授業等で幅広く連携

学芸リーダー

事務管理リーダー

運営調整リーダー

●平泉文化遺産センター

・共同の調査研究、企画展示・統一

したテーマ展示・巡回展示・関連

イベント等幅広く連携

●一関市博物館

・企画展示・統一したテーマ展示・巡

回展示・関連イベント等幅広く連携

●骨寺村荘園交流館

・企画展示・統一したテーマ展示・

巡回展示・関連イベント等で連携

●奥州市牛の博物館

・企画展示・統一したテーマ展示・

巡回展示・関連イベント等で連携

連携・協力

道の駅「平泉」

・イベントの連携、物販・飲食の提供

など相互利用の促進

施設維持管理

・清掃・警備等

役割分担・連携

●中尊寺讃衡蔵

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Ⅴ 管理運営計画

Ⅴ−4 開館形態

(1)基本的な考え⽅

開館形態の検討に当たっては、柳之御所史跡公園の現在の利⽤状況も踏まえ、利⽤者の視点にたち多様な利⽤ができるように柔軟な対応を⽬指します。

(2)開館⽇時

*定期的な休館⽇を設定することとし、周辺施設・県⽴施設等を参考に範囲や頻度について具体的に検討。

*開館時間については、夏休み期間中・冬季期間中等で変化をつけるなど柔軟な対応を検討。

(3)料⾦体系

*周辺施設・県⽴施設等を参考に有料施設とするか、無料施設とするかについて今後検討。 *有料とする場合には、想定される来館者数と運営経費からガイダンス施設を安定的に運

営していくための適切な料⾦体系を検討。

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Ⅴ 管理運営計画

Ⅴ−5 利⽤者サービス

多様な利⽤者層を想定し、それぞれ快適に過ごせるようきめ細かな対応を検討します。

(1)利⽤者別対応

①個⼈利⽤者 ・展⽰解説案内 *遺跡案内についても検討 ・資料の閲覧希望についての対応 ・レファレンス対応 ・⾳声ガイドの貸し出し、アプリでの対応 ②⼀般団体 ・観光団体等へのスムーズな対応 ・必要に応じて館内解説案内、体験学習案内 ③学校団体 ・学校団体へのスムーズな対応 ・事前学習・オリエンテーション等の実施 ④⾼齢者・障がい者等 ・基本的にはユニバーサルデザインに配慮した施設計画を⾏い、誰でも快適に利⽤でき

るようにする ・触察地図の設置 ・点字解説⽤パンフレットの⽤意 ・⾞イスの設置 ⑤外国⼈ ・外国からの観光客を想定し、⼈的な対応や、外国語対応のパンフレット等の作成を検

討する。 ・英語・中国語(簡体・繁体)・韓国語他 ⑥その他 ・AEDの設置 ・ベビーベッド・授乳室の設置

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Ⅴ 管理運営計画

(2)ミュージアムショップ・グッズの考え⽅

世界中から訪れる利⽤者が、「平泉の⽂化遺産」に訪れた記憶を持ち帰ることができるよう、ミュージアムショップの設置やオリジナルグッズ・図録・関連書籍等の開発・販売を検討します。

〇グッズ展開例

・無量光院のペーパークラフトや、「磐前村印」のモチーフをあしらったネクタイなど、「平泉の⽂化遺産」構成資産や実物資料を活かしたもの

・「ケロ平」などのキャラクターのスマートフォンケースやキーホルダーなど、より多くの利⽤者に親しみやすいもの

(3)危機管理対応

以下のような事故・救護等を想定したマニュアル・連絡体制を作成し、スタッフ間で共有し対応を⾏います。

・事故(事件)発⽣時の対応 ・救護対応 ・遺失物・拾得物対応 ・⽕災発⽣時の対応 ・災害発⽣時の対応

(4)館内規則

ガイダンス施設は貴重な資料を保存・公開するとともに、利⽤者に快適な時間と空間を提供する施設であるとの観点から、制限事項は極⼒少なくする⽅向で検討していきます。

<検討事項> ・館内・敷地内での禁煙 ・盲導⽝・介助⽝以外のペット同伴の制限 ・展⽰室内での携帯電話等の使⽤の制限 ・展⽰室内での撮影の制限 ・展⽰室内での飲⾷制限

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Ⅴ 管理運営計画

Ⅴ−6 広報・開発活動

(1)基本的な考え⽅ 多くの利⽤者を呼び込むとともに繰り返し訪れてもらえるよう、平泉の魅⼒や最新情報などを様々なメディアを活⽤し積極的に発信します。

(2)主な展開

① WEB・SNSの活⽤ ・ホームページの開設と利⽤案内やアクセス、展⽰・活動紹介などの掲載、SNS を通じ

たリアルタイムの情報発信や利⽤者による発信 ② メディアへのPR、ポスター・パンフレットの活⽤ ・地元テレビ局・ラジオ局へのPRやタイアップ、周辺・関連施設へのポスター・パン

フレット送付 ③ 観光協会・旅⾏代理店等への情報提供 ・観光案内への掲載やツアーへの組み込みの依頼、イベント告知など ④ 学校等教育施設への情報提供 ・展⽰・史跡公園ガイドツアーや体験学習プログラム、出張講座など、学校教育におけ

る活⽤⽅法の情報提供 ⑤ 要覧・紀要等の発⾏ ・施設の事業活動をまとめた要覧や、研究論⽂を掲載した紀要などの発⾏ ⑥ キャラクターの活⽤ ・ホームページや印刷物、グッズなどに「ケロ平」などを活⽤し、幅広い利⽤者層に親し

みやすいイメージを発信

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「平泉の文化遺産」ガイダンス施設(仮称)

基本計画

平成 30 年6月

企画 岩手県文化スポーツ部

編集 株式会社 丹青社

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